JP2007042217A - 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ、磁気再生装置および磁気抵抗効果素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 再生性能を向上させることが可能な磁気抵抗効果素子を提供する。
【解決手段】 MR層パターン31の両側の空間に埋設されたリード層32R,32L上にハードバイアス層33R,33Lが分離配置されるようにCIP−GMR素子30を構成する。CIP−GMR素子30の製造工程において、ハードバイアス層33R,33Lを形成する際に先端近傍部分33Eの厚さがばらつきにくくなるため、その先端近傍部分33Eの厚さがハードバイアス層33R,33L間において異なりにくくなる。これにより、ハードバイアス層33R,33LからMR層パターン31に印加されるバイアス量が均等化されるため、再生出力が安定化すると共にアシンメトリが改善される。
【選択図】 図6
【解決手段】 MR層パターン31の両側の空間に埋設されたリード層32R,32L上にハードバイアス層33R,33Lが分離配置されるようにCIP−GMR素子30を構成する。CIP−GMR素子30の製造工程において、ハードバイアス層33R,33Lを形成する際に先端近傍部分33Eの厚さがばらつきにくくなるため、その先端近傍部分33Eの厚さがハードバイアス層33R,33L間において異なりにくくなる。これにより、ハードバイアス層33R,33LからMR層パターン31に印加されるバイアス量が均等化されるため、再生出力が安定化すると共にアシンメトリが改善される。
【選択図】 図6
Description
本発明は、磁気的な再生処理を実行する磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリおよび磁気再生装置、ならびに磁気抵抗効果素子の製造方法に関する。
近年、磁気再生装置として、ハードディスクを利用して磁気的な再生処理を実行するハードディスクドライブが普及している。このハードディスクドライブの開発分野では、ハードディスクの面記録密度の向上に伴い、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。この薄膜磁気ヘッドは、再生処理用のデバイスとして、磁気抵抗効果(MR;magneto-resistive effect)を利用して再生処理を実行する磁気抵抗効果素子(MR素子)を備えている。
一般に、優れた再生性能を有するMR素子は、スピンバルブ構造と呼ばれる積層構造を有している。この種のMR素子は、磁気抵抗効果の種類に基づいて、巨大磁気抵抗効果(GMR;giant magneto-resistive effect)を利用するGMR素子と、トンネル磁気抵抗効果(TMR;tunnel magneto-resistive effect )を利用するTMR素子とに分類される。このGMR素子は、さらに、電流が流れる方向に基づいて、膜面に平行な方向に電流が流れる膜面平行電流型GMR素子(CIP(current-in-the-plane)−GMR素子)と、膜面と直交する方向に電流が流れる膜面直交電流型GMR素子(CPP(current-perpendicular-to-the-plane)−GMR素子)とに分類される。
図27および図28は従来のMR素子の断面構成(エアベアリング面に平行な断面構成)を表しており、図27はCIP−GMR素子300を示し、図28はCPP−GMR素子400およびTMR素子500をまとめて示している。なお、図27および図28に示した一連のMR素子は、いずれも左右対称な構成を有しており、図中のX軸方向は、いわゆる再生トラック幅方向に対応している。
CIP−GMR素子300は、図27に示したように、下部シールド層112および下部ギャップ層113と上部ギャップ層114および上部シールド層115との間に配置されている。このCIP−GMR素子300は、スピンバルブ構造を有するMR層パターン301と、そのMR層パターン301の両側に隣接配置されたハードバイアス層302R,302Lと、そのハードバイアス層302R,302L上に配置されたリード層303R,303Lとを備えている。このハードバイアス302R,302L層は、MR層パターン301の両側面(傾斜面)に沿って設けられており、この種のハードバイアス層302R,302Lを備えた素子構造は、いわゆる「隣接接合(abutted junction)構造」と呼ばれている。
CPP−GMR素子400は、図28に示したように、下部シールド層112と上部ギャップ層114および上部シールド層115との間に配置されている。このCPP−GMR素子400は、MR層パターン401と、そのMR層パターン401の両側に隣接配置された下部ギャップ層402R,402Lと、その下部ギャップ層402R,402L上に配置されたハードバイアス層403R,403Lとを備えている。この下部ギャップ層402R,402Lは、MR層パターン401の両側面(傾斜面)に沿って設けられており、ハードバイアス層403R,403Lも同様に、下部ギャップ層402R,402Lの傾斜面に沿って設けられている。
TMR素子500は、図28に示したように、MR層パターン501が導電性のスペーサ層に代えて絶縁性のトンネルバリア層を含んでいる点を除き、CPP−GMR素子400と同様の構成を有している。
CIP−GMR素子300では、下部ギャップ層113および上部ギャップ層114がいずれも絶縁性を有している。これに対して、CPP−GMR素子400およびTMR素子500では、MR層パターン401,501を挟んで上下に配置された上部シールド層115および下部シールド層112がリード層として機能するために、下部ギャップ層113が絶縁性を有している一方で、上部ギャップ層114が導電性を有している。
MR素子の構成に関しては、既にいくつかの態様が提案されている。具体的には、MR層と、そのMR層上に配置された一対の積層型ハードバイアス層(非磁性層/強磁性層/反強磁性層)とを備えたMR素子が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、MR層パターンと、そのMR層パターンの両側に隣接配置されたハードバイアス層およびリード層とを備えた隣接接合構造を有するMR素子が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2001−155313号公報
特許第3631449号明細書
ところで、MR素子の再生性能を向上させるためには、再生出力を安定化すると共に出力振幅非対象性(いわゆるアシンメトリ)を改善するために、ハードバイアス層からMR層パターンに印加されるバイアス量を均等化する必要がある。しかしながら、従来のMR素子では、ハードバイアス層の形成厚さのばらつきに起因してバイアス量が不均等化しやすい傾向にあるため、再生性能を向上させることが困難であった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、再生性能を向上させることが可能な磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ、磁気再生装置および磁気抵抗効果素子の製造方法を提供することにある。
本発明に係る磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果層パターンと、その磁気抵抗効果層パターンの両側の空間に埋設された埋設層と、その埋設層上に分離配置されたハードバイアス層とを備えたものである。
本発明に係る薄膜磁気ヘッドは、上記した磁気抵抗効果素子を備え、その磁気抵抗効果素子を利用して磁気的な再生処理を実行するものである。
本発明に係る磁気ヘッドアセンブリは、上記した薄膜磁気ヘッドが取り付けられた磁気ヘッドスライダと、その磁気ヘッドスライダを支持するスライダ支持機構とを備えたものである。
本発明に係る磁気再生装置は、上記した磁気ヘッドアセンブリと、その磁気ヘッドアセンブリを利用して磁気的な再生処理が実行される記録媒体とを備えたものである。
本発明に係る磁気抵抗効果素子の製造方法は、磁気抵抗効果層パターンを形成する第1の工程と、その磁気抵抗効果層パターン上に第1のマスクを形成する第2の工程と、第1のマスクおよびその周辺領域を覆うように埋設層を形成したのち、その第1のマスクをリフトオフすることにより、磁気抵抗効果層パターンの両側の空間に埋設層を埋設する第3の工程と、磁気抵抗効果層パターン上に第2のマスクを形成する第4の工程と、第2のマスクおよびその周辺領域を覆うようにハードバイアス層を形成したのち、その第2のマスクをリフトオフすることにより、埋設層上にハードバイアス層を分離配置する第5の工程とを含むものである。
本発明に係る磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ、磁気再生装置または磁気抵抗効果素子の製造方法では、磁気抵抗効果層パターンの両側の空間に埋設された埋設層上にハードバイアス層が分離配置される。この場合には、磁気抵抗効果素子の製造工程において、ハードバイアス層を形成する際に先端近傍部分(磁気抵抗効果層パターンに近い側の先端の近傍部分)の厚さがばらつきにくくなるため、その先端近傍部分の厚さがハードバイアス層間において均等化される。これにより、ハードバイアス層から磁気抵抗効果層パターンに印加されるバイアス量が均等化されるため、再生出力が安定化すると共にアシンメトリが改善される。
本発明に係る磁気抵抗効果素子では、埋設層がハードバイアス層に隣接する箇所に傾斜面を有し、その傾斜面の角度が±10°以内であると共に、ハードバイアス層が磁気抵抗効果層パターンに近い側の先端に傾斜面を有し、その傾斜面の角度が40°以上であるのが好ましい。
また、本発明に係る磁気抵抗効果素子では、ハードバイアス層が磁気抵抗効果層パターンから両側に離れていてもよい。この場合には、ハードバイアス層と磁気抵抗効果層パターンとの間の距離が30nm以上400nm以下の範囲内であるのが好ましい。
また、本発明に係る磁気抵抗効果素子では、磁気抵抗効果層パターンがピンニング層、ピンド層およびフリー層を含む積層構造を有していてもよい。
また、本発明に係る磁気抵抗効果素子では、埋設層が磁気抵抗効果層パターンに電流を供給するためのリード層であり、膜面平行電流型巨大磁気抵抗効果素子として構成されていてもよいし、あるいは埋設層が磁気抵抗効果層パターンを周辺から電気的に分離するためのギャップ層であり、膜面直交電流型巨大磁気抵抗効果素子またはトンネル磁気抵抗効果素子として構成されていてもよい。
ここで、上記した一連の文言の意味は、以下の通りである。すなわち、「磁気抵抗効果層パターンの両側」とは、再生トラック幅方向における一方側および他方側である。「埋設層の傾斜面の角度」とは、その傾斜面と水平面との間の角度である。「水平面」とは、磁気抵抗効果層パターンが積層構造を有している場合に、その積層方向と直交する面(仮想面)である。「ハードバイアス層の傾斜面の角度」とは、その傾斜面と下地面(埋設層の表面(傾斜面))との間の角度である。「磁気抵抗効果層パターンから両側に離れている」とは、ハードバイアス層の先端(磁気抵抗効果層パターンに近い側の先端)が磁気抵抗効果層パターンに隣接しておらず、その磁気抵抗効果層パターンとの間に距離を隔てて離れている、という意味である。
本発明に係る磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ、磁気再生装置または磁気抵抗効果素子の製造方法では、磁気抵抗効果層パターンの両側の空間に埋設された埋設層上にハードバイアス層が分離配置されているので、再生出力が安定化すると共にアシンメトリが改善される。したがって、再生性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る磁気再生装置の構成について説明する。図1および図2は磁気再生装置の構成を表しており、図1は斜視構成を示し、図2は主要部の斜視構成を拡大して示している。なお、本発明の磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッドおよび磁気ヘッドアセンブリはいずれも磁気再生装置を構成する構成要素であるため、それらの一連の構成要素に関しては以下で併せて説明する。
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る磁気再生装置の構成について説明する。図1および図2は磁気再生装置の構成を表しており、図1は斜視構成を示し、図2は主要部の斜視構成を拡大して示している。なお、本発明の磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッドおよび磁気ヘッドアセンブリはいずれも磁気再生装置を構成する構成要素であるため、それらの一連の構成要素に関しては以下で併せて説明する。
本実施の形態に係る磁気再生装置は、例えば、記録処理および再生処理の双方を実行可能なハードディスクドライブである。この磁気再生装置は、図1に示しように、筐体100の内部に、磁気的に情報が記録される記録媒体としての複数のハードディスク101と、各ハードディスク101に対応して配置され、先端に磁気ヘッドスライダ200が取り付けられた複数のアーム102とを備えている。ハードディスク101は、スピンドルモータ103を中心として回転可能になっている。アーム102は、固定軸105にベアリング106を介して挿通された状態において、動力源としての駆動部104により支持されており、その固定軸105を中心として旋回可能になっている。なお、図1では、例えば、複数のアーム102が一体として旋回可能なモデルを示している。この磁気再生装置のうち、アーム102を含むスライダ支持機構により磁気ヘッドスライダ200が支持されたユニットは、いわゆるHGA(head gimbals assembly )と呼ばれる磁気ヘッドアセンブリである。
磁気ヘッドスライダ200は、図2に示したように、スライダ201の一面(ハードディスク101に対向する面(エアベアリング面201M)と直交する一側面)に、記録処理および再生処理を実行する薄膜磁気ヘッド202が取り付けられたものである。このスライダ201は、アーム102の旋回時に生じる空気抵抗を減少させるための溝部が設けられた略直方体状の立体構造を有してる。情報の記録・再生時においてハードディスク101が回転すると、そのハードディスク101の記録面(磁気ヘッドスライダ200と対向する面)とエアベアリング面201Mとの間に空気流が生じるため、その空気流を利用してヘッドスライダ200がハードディスク101から極僅かに浮上するようになっている。なお、図2では、エアベアリング面201M側のスライダ201の立体構造を見やすくするために、図1に示した状態とは磁気ヘッドスライダ200の上下を反転させた状態を示している。
次に、図1〜図5を参照して、薄膜磁気ヘッド202の詳細な構成について説明する。図3〜図5は薄膜磁気ヘッド202の構成を表しており、図3は分解斜視構成を示し、図4は図3に示した矢印IV方向から見た平面構成を示し、図5は図4に示したV−V線に沿った矢視方向の断面構成を示している。
この薄膜磁気ヘッド202は、例えば、再生処理を担う再生ヘッド部10と、記録処理を担う記録ヘッド部20とを含む複合型ヘッドである。
再生ヘッド部10は、例えば、スライダ201上に設けられており、絶縁層11と、下部シールド層12と、下部ギャップ層13と、MR素子としてのCIP−GMR素子30と、上部ギャップ層14と、上部シールド層15とがこの順に積層された積層構造を有している。
絶縁層11は、再生ヘッド部10をスライダ201から電気的に分離するものであり、例えば、酸化アルミニウム(Al2 O3 ;以下、「アルミナ」という)などの絶縁性材料により構成されている。下部シールド層12および上部シールド層15は、CIP−GMR素子30を磁気的に遮蔽するものであり、例えば、ニッケル鉄合金(NiFe;以下、「パーマロイ(商品名)」という)などの磁性材料により構成されている。下部ギャップ層13および上部ギャップ層14は、CIP−GMR素子30を周辺から磁気的かつ電気的に分離するものであり、例えば、アルミナや窒化アルミニウム(AlN)などの非磁性絶縁性材料により構成されている。CIP−GMR素子30は、巨大磁気抵抗効果を利用してハードディスク101の信号磁界を検出することにより、そのハードディスク101に記録されている情報を磁気的に再生するものである。
記録ヘッド部20は、例えば、再生ヘッド部10上に非磁性層16を介して設けられており、下部磁極17と、記録ギャップ層21と、絶縁層22,23,24により埋設された2段重ねの薄膜コイル25,26と、上部磁極27とがこの順に積層された積層構造を有する長手記録ヘッドである。なお、非磁性層16は、再生ヘッド部10と記録ヘッド部20との間を磁気的に分離するものであり、例えばアルミナなどにより構成されている。
下部磁極17は、上部磁極27と共に磁路を構成するものであり、例えば、パーマロイなどの高飽和磁束密度磁性材料により構成されている。記録ギャップ層21は、下部磁極17と上部磁極27との間に磁気的ギャップを設けるものであり、例えば、アルミナなどの絶縁性材料により構成されている。絶縁層22〜24は、薄膜コイル25,26を周辺から電気的に分離するものであり、例えば、フォトレジストなどの絶縁性材料により構成されている。薄膜コイル25,26は、磁束を発生させるものであり、例えば、銅(Cu)などの高導電性材料により構成されたスパイラル状構造を有している。これらの薄膜コイル25,26の一端は互いに連結されており、他端にはそれぞれ通電用のパッドが設けられている。上部磁極27は、薄膜コイル25,26において発生した磁束を収容することにより、その磁束を利用して記録ギャップ層21近傍に記録用の磁界を発生させるものであり、例えば、パーマロイや窒化鉄(FeN)などの高飽和磁束密度磁性材料により構成されている。この上部磁極27は、記録ギャップ層21に設けられたバックギャップ21Kを通じて下部磁極17と磁気的に連結されている。なお、上部磁極27上には、さらに、記録ヘッド部20を周辺から電気的に分離するためのオーバーコート層(図示せず)が設けられている。
次に、図3〜図7を参照して、CIP−GMR素子30の構成について説明する。図6および図7はCIP−GMR素子30の構成を表しており、図6は図4および図5に示したVI−VI線に沿った矢視方向の断面構成(エアベアリング面に平行な断面構成)を示し、図7は図6に示した主要部の断面構成を拡大して示している。なお、図6に示したCIP−GMR素子30は、例えば、左右対称な構成を有しており、図中のX軸方向は、いわゆる再生トラック幅方向に対応している。
CIP−GMR素子30は、図6に示したように、下部シールド層12および下部ギャップ層13と上部ギャップ層14および上部シールド層15との間に配置されている。このCIP−GMR素子30は、下部ギャップ層13上に配置されたMR層パターン31と、そのMR層パターン31の両側の空間に埋設された埋設層としてのリード層32R,32Lと、そのリード層32R,32L上に分離配置されたハードバイアス層33R,33Lとを備えている。この「MR層パターン31の両側」とは、再生トラック幅方向(X軸方向)における一方側および他方側である。
MR層パターン31は、例えば、図6および図7に示したように、ピンニング層312、ピンド層313およびフリー層315を含む積層構造(スピンバルブ構造)を有している。具体的には、MR層パターン31は、例えば、下部ギャップ層13に近い側から順に、下地層311と、ピンニング層312と、ピンド層313と、スペーサ層314と、フリー層315と、保護層316とが積層された積層構造を有しており、全体として台形状の断面形状を有している。なお、ピンニング層312〜フリー層315の積層順は、例えば、上記した順序と反転していてもよい。
下地層311は、その上に形成去れる層(ここでは例えばピンニング層312)の磁気特性を安定化するものであり、例えば、ニッケルクロム合金(NiCr)などの金属材料により構成されている。ピンニング層312は、ピンド層313の磁化方向を固定するものであり、例えば、イリジウムマンガン合金(IrMn)などの反強磁性材料により構成されている。ピンド層313は、ピンニング層312と交換結合されることにより磁化方向が固定されたものであり、コバルト鉄合金(CoFe)などの強磁性材料を含んで構成されている。このピンド層313は、例えば、単層構造を有していてもよいし、あるいは非磁性層を挟んで2つの強磁性層が積層された積層構造(いわゆるシンセティックピンド層)を有していてもよい。スペーサ層314は、ピンド層313とフリー層315との間を離間させるものであり、例えば、ルテニウム(Ru)などの非磁性材料により構成されている。フリー層315は、外部磁界に応じて磁化方向が回転可能なものであり、例えば、コバルト鉄合金などの強磁性材料を含んで構成されている。このフリー層315は、例えば、単層構造を有していてもよいし、あるいは非磁性層を挟んで2つの強磁性層が積層された積層構造(いわゆるシンセティックフリー層)を有していてもよい。保護層316は、MR層パターン31のうちの主要部(主にピンニング層312からフリー層315に至る積層部分)を保護するものであり、例えば、タンタル(Ta)などの非磁性材料により構成されている。
リード層32R,32Lは、MR層パターン31に電流(センス電流)を供給するために使用されるものであり、例えば、金(Au)などの導電性材料により構成されている。このリード層32R,32Lは、MR層パターン31の高さ(Z軸方向の寸法)とほぼ同程度の高さとなるように、そのMR層パターン31の両側に設けられた空間に埋設されている。特に、リード層32R,32Lは、ハードバイアス層33R,33Lに隣接する箇所に傾斜面32Mを有しており、その傾斜面32Mの角度(傾斜角度θ)は、例えば、±10°以内である。この「傾斜角度θ」とは、厳密には、傾斜面32Mと水平面P(MR層パターン31の積層方向と直交する仮想面(XY面)との間の角度である。また、「±10°以内」とは、傾斜面32MがMR層パターン31に近づくにしたがって落ち込むように傾斜している場合(傾斜角度θがプラスの場合)もあれば、傾斜面32MがMR層パターン31に近づくにしたがって競り上がるように傾斜している場合(傾斜角度θがマイナスの場合)もある、という意味である。図6では、例えば、傾斜角度θがプラスの場合(0°<θ≦10°)を示している。
ハードバイアス層33R,33Lは、MR層パターン31にバイアスを印加するものであり、例えば、コバルト白金合金(CoPt)などの硬磁性材料を含んで構成されている。特に、ハードバイアス層33R,33Lは、MR層パターン31に近い側の先端に傾斜面33Mを有しており、その傾斜面33Mの角度(傾斜角度ω)は、例えば、40°以上、好ましくは40°〜90°である。この「傾斜角度ω」とは、厳密には、傾斜面33Mと下地面(リード層32R,32Lの表面(傾斜面32M))との間の角度である。図6では、例えば、傾斜角度ωが鋭角である場合(40°≦ω<90°)を示している。また、ハードバイアス層33R,33Lは、例えば、MR層パターン31から両側に離れており、そのハードバイアス層33R,33LとMR層パターン31との間の距離Lは、例えば、30nm〜400nmである。この「MR層パターン31から両側に離れている」とは、ハードバイアス層33R,33Lの先端(MR層パターン31に近い側の先端)がMR層パターン31に隣接しておらず、そのMR層31パターンとの間に距離(距離L)を隔てて離れている、という意味である。
次に、図1〜図7を参照して、磁気再生装置の動作について説明する。
この磁気再生装置では、情報の記録・再生時において、固定軸105を中心としてアーム102が旋回することにより、そのアーム102の先端に取り付けられた磁気ヘッドスライダ200がハードディスク101の記録面と対向する。これにより、磁気ヘッドスライダ200に取り付けられた薄膜磁気ヘッド202からハードディスク101に対して記録・再生処理が施される。
具体的には、情報の記録時において、図示しない外部回路を通じて記録ヘッド部20の薄膜コイル25,26に電流が流れると、その薄膜コイル25,26において磁束が発生する。このとき発生した磁束が主に上部磁極27に収容されたのちにエアベアリング面201Mから放出されることにより、記録ギャップ層21近傍に記録用の磁界が発生する。この記録用の磁界により記録面が磁化されるため、ハードディスク101に磁気的に情報が記録される。
一方、情報の再生時においては、再生ヘッド部10のうちのCIP−GMR素子30により再生処理が実行される。すなわち、CIP−GMR素子30では、ハードバイアス層33R,33LからMR層パターン31にバイアスが印加されると共に、リード層32R,32Lを通じてMR層パターン31にセンス電流が供給された状態において、ハードディスク101の信号磁界を検出することによりフリー層315の磁化方向が回転すると、MR層パターン31中を流れる伝導電子は、フリー層315の磁化方向とピンド層313の磁化方向との間の相対角度に応じた抵抗を受ける。このときのMR層パターン31の抵抗は、信号磁界の大きさに応じて変化するため(磁気抵抗効果)、そのMR層パターン31の抵抗変化が電圧変化として検出されることにより、ハードディスク101に記録されていた情報が磁気的に再生される。
次に、図6および図8〜図12を参照して、図6に示したCIP−GMR素子30の製造方法について説明する。図8〜図12はCIP−GMR素子30の製造方法を説明するためのものであり、いずれも図6に示した断面構成に対応している。なお、CIP−GMR素子30を構成する一連の構成要素の形成材料に関しては既に詳細に説明したので、その説明を以下では随時省略する。
CIP−GMR素子30を製造する際には、下部シールド層12上に下部ギャップ層13を形成したのち、まず、図8に示したように、下部ギャップ層13を全体に渡って覆うようにMR層31Zを形成する。このMR層31Zは、MR層パターン31を形成するための前準備層である。このMR層31Zを形成する際には、図7に示したように、下地層311、ピンニング層312、ピンド層313、スペーサ層314、フリー層315および保護層316をこの順に形成して積層させる。
続いて、MR層31Z上にフォトレジストを塗布することによりフォトレジスト膜(図示せず)を形成したのち、フォトリソグラフィ法を使用してフォトレジスト膜をパターニングすることにより、図8に示したように、第1のマスクとしてマスク41を形成する。このマスク41を形成する際には、後工程においてMR層パターン31が形成される領域(図9参照)に位置合わせすると共に、後工程において容易にリフトオフ可能とするためにアンダーカット構造を有するようにする。
続いて、マスク41を使用してMR層31Zを選択的にエッチングすることにより、図9に示したように、そのMR層31Zの残存部分としてMR層パターン31を形成する。このMR層パターン31を形成する際には、例えば、イオンミリングなどを使用する。MR層31Zがエッチングされる際には、マスク41のうちのアンダーカット部分においてエッチング処理が遮蔽されることにより、そのマスク41に近い側と遠い側のとの間においてエッチング量に連続的に差異が生じるため、台形状の断面形状を有するようにMR層パターン31がパターニングされる。これにより、MR層パターン31の両側の面(側面)が傾斜する。
続いて、図9に示したように、マスク41を残存させたまま、マスク41およびその周辺領域を覆うように埋設層としてリード層32を形成する。このリード層32を形成する際には、例えば、スパッタリングを使用すると共に、MR層パターン31の両側の空間を埋め込むことにより傾斜面32Mの傾斜角度θ(図6参照)が±10°以内となるように成膜量を調整する。こののち、マスク41をリフトオフすることにより、図10に示したように、MR層パターン31の両側の空間にリード層32R,32Lを埋設する。なお、リフトオフ用のマスクに関しては、例えば、上記したようにマスク41を流用してもよいし、あるいはマスク41を除去したのちにあらためて他のマスクを形成してもよい。
続いて、マスク41の形成方法と同様の手順を経ることにより、図10に示したように、MR層パターン31上に第2のマスクとしてマスク42を形成する。このマスク42を形成する際には、後工程において距離L(図6参照)が30nm〜400nmとなるように形成位置を調整すると共に、後工程において容易にリフトオフ可能とするためにアンダーカット構造を有するようにする。
続いて、図11に示したように、マスク42を残存させたまま、マスク42およびその周辺領域を覆うようにハードバイアス層33を形成する。このハードバイアス層33を形成する際には、例えば、スパッタリングを使用すると共に、傾斜面33Mの傾斜角度ω(図6参照)が40°以上となるように成膜量を調整する。こののち、マスク42をリフトオフすることにより、図12に示したように、リード層32R,32L上にハードバイアス層33R,33Lを分離配置する。
最後に、図6に示したように、MR層パターン31、リード層32R,32Lおよびハードバイアス層33R,33Lを覆うように上部ギャップ層14を形成したのち、その上部ギャップ層14上に上部シールド層15を形成することにより、CIP−GMR素子30が完成する。
本実施の形態に係る磁気再生装置では、図6に示したように、MR層パターン31と、そのMR層パターン31の両側の空間に埋設されたリード層32R,32Lと、そのリード層32R,32L上に分離配置されたハードバイアス層33R,33Lとを備えるようにCIP−GMR素子30を構成したので、以下の理由により、再生性能を向上させることができる。
すなわち、従来のCIP−GMR素子300(図27参照)では、隣接接合構造を有していることに伴い、ハードバイアス302R,302L層がMR層パターン301の両側面(急な傾斜面)に沿って設けられているため、そのハードバイアス層302R,302Lの厚さが先端(MR層パター301に近い側の先端)に近づくにしたがって次第に薄くなっている。この場合には、CIP−GMR素子300の製造工程において、ハードバイアス層302R,302Lを形成する際に先端近傍部分302Eの厚さがばらつきやすくなるため、その先端近傍部分302Eの厚さがハードバイアス層302R,302L間において異なりやすくなる。これにより、ハードバイアス層302R,302LからMR層パターン301に印加されるバイアス量が不均等化されることに起因して、再生出力が安定化しないと共にアシンメトリが改善されないため、再生性能を向上させることが困難である。
これに対して、本実施の形態に係るCIP−GMR素子30(図6参照)では、MR層パターン31の両側の空間に埋設されたリード層32R,32L上にハードバイアス層33R,33Lが配置されていることに伴い、ハードバイアス33R,33L層がリード層32R,32Lの表面(緩やかな傾斜面)に沿って設けられているため、そのハードバイアス層33R,33Lの厚さが先端において部分的に薄くなっているものの、全体に渡ってほぼ均一な厚さを有している。この場合には、CIP−GMR素子30の製造工程において、ハードバイアス層33R,33Lを形成する際に先端近傍部分33Eの厚さがばらつきにくくなるため、その先端近傍部分33Eの厚さがハードバイアス層33R,33L間において異なりにくくなる。したがって、ハードバイアス層33R,33LからMR層パターン31に印加されるバイアス量が均等化されることに基づいて、再生出力が安定化すると共にアシンメトリが改善されるため、再生性能を向上させることができるのである。
特に、本実施の形態では、リード層32R,32Lの傾斜角度θが±10°以内であるため、その傾斜角度θが±10°以内から外れている場合とは異なり、CIP−GMR素子30の製造工程においてリード層32R,32L上にハードバイアス層33R,33Lを形成する際に、そのハードバイアス層33R,33Lの傾斜角度ωが過剰に大きくまたは小さくならない(先端近傍部分33Eの形成厚さが過剰にばらつきやすくならない)ように、傾斜面32Mの傾斜状態が適正化される。したがって、この観点においても、再生性能の向上に寄与することができる。
また、本実施の形態では、ハードバイアス層33R,33Lの傾斜角度ωが40°以上であるため、その傾斜角度ωが40°未満である場合とは異なり、CIP−GMR素子30の製造工程においてハードバイアス層33R,33Lを形成する際に、先端近傍部分33Eの形成厚さが過剰にばらつきやすくならないように、傾斜面33Mの傾斜状態が適正化される。したがって、この観点においても、やはり再生性能の向上に寄与することができる。
また、本実施の形態では、ハードバイアス層33R,33LがMR層パターン31から両側に離れているため、そのハードバイアス層33R,33LがMR層パターン31に隣接している場合(後述する図14参照)と比較して、CIP−GMR素子30の再生特性に寄与する上部シールド層15の断面形状が改善される。具体的には、ハードバイアス層33R,33Lが離れている場合には、MR層パターン31を覆っている上部シールド層15がそのMR層パターン31近傍においてハードバイアス層33R,33Lに沿って緩やかに立ち上がるため、上部シールド層14において磁区が乱れにくくなるのに対して、ハードバイアス層33R,33Lが隣接している場合には、上部シールド層15が急峻に立ち上がるため、その上部シールド層15において磁化が乱れやすくなる。したがって、半値幅(いわゆるPW50)が小さくなるため、線記録密度を向上させることができる。
この場合には、特に、ハードバイアス層33R,33LとMR層パターン31との間の距離Lを30nm〜400nmとすれば、バルクハウゼンノイズに起因する不良発生を抑制する観点において距離Lが適正化されるため、CIP−GMR素子30の製造歩留りを確保することができる。
なお、本実施の形態では、図6に示したように、リード層32R,32Lの傾斜角度θがプラス(0°<θ≦10°)となるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、上記したように傾斜角度θは±10°以内において自由に設定可能である。一例を挙げれば、図13に示したように、傾斜角度θがマイナス(−10°≦θ<0°)となるようにしてもよい。この場合においても、図6に示した場合と同様の効果を得ることができる。なお、図13に示したCIP−GMR素子30に関する上記以外の構成は、図6に示した場合と同様である。
また、本実施の形態では、図6に示したように、ハードバイアス層33R,33LがMR層パターン31から両側に離れるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、図14に示したように、ハードバイアス層33R,33LがMR層パターン31に隣接するようにしてもよい。この場合においても、バイアス量を均等化することにより再生出力が安定化すると共にアシンメトリが改善されるため、図6に示した場合と同様の効果を得ることができる。ただし、再生出力の安定化およびアシンメトリの改善と共に上記した製造歩留りも考慮すれば、図6に示したように、ハードバイアス層33R,33LはMR層パターン31から離れているのが好ましい。なお、図14に示したCIP−GMR素子30に関する上記以外の構成は、図6に示した場合と同様である。
また、本実施の形態では、図6に示したように、リード層32R,32L上にハードバイアス層33R,33Lを直接的に配置させるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、図15に示したように、リード層32R,32L上に非磁性層34R,34Lを介してハードバイアス層33R,33Lを間接的に配置するようにしてもよい。この非磁性層34R,34Lは、例えば、ハードバイアス層33R,33Lの磁気特性を安定化させるためにクロム(Cr)などの非磁性材料により構成されている。この場合においても、図6に示した場合と同様の効果を得ることができる。なお、図15に示したCIP−GMR素子30に関する上記以外の構成は、図6に示した場合と同様である。
図15に示したCIP−GMR素子30は、例えば、図16および図17に示した製造手順を経ることにより製造可能である。すなわち、まず、図16に示したように、図8〜図10を参照して既に説明した手順を経ることによりMR層パターン31およびリード層32R,32Lを形成したのち、マスク42の形成手順と同様の手順を経ることにMR層パターン31上にマスク43を形成する。このマスク43を形成する際には、例えば、後工程において非磁性層34R,34Lおよびハードバイアス層33R,33Lを形成した際(図17参照)に、非磁性層34R,34Lの先端がハードバイアス層33R,33Lの先端よりもMR層パターン31に近づくように、アンダーカット高さを調整する。続いて、図16に示したように、マスク43を残存させたまま、マスク43およびその周辺領域を覆うように非磁性層34およびハードバイアス層33を順に形成して積層させる。最後に、マスク43をリフトオフすることにより、図17に示したように、リード層32R,32L上に非磁性層34R,34Lおよびハードバイアス層33R,33Lを分離配置する。こののち、上部ギャップ層14および上部シールド層15を形成することにより、図15に示したCIP−GMR素子30が完成する。なお、図16および図17に示したCIP−GMR素子30の製造方法に関する上記以外の手順は、それぞれ図11および図12に示した場合と同様である。
なお、図15〜図17では、ハードバイアス層33R,33Lの下側のみに非磁性層34R,34Lを設けるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、ハードバイアス層33R,33Lの下側および上側の双方に非磁性層34R,34Lを設けることにより、上下の非磁性層34R,43Lによりハードバイアス層33R,33Lが挟まれるようにしてもよい。
確認までに、図13、図14および図15を参照して説明した3種類の変形例は、任意の2種類または3種類の組み合わせとなるように互いに組み合わされてもよい。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図18は、本発明の第2の実施の形態に係る磁気再生装置に搭載されるCPP−GMR素子50の断面構成を表しており、図6に示した断面構成に対応している。本実施の形態に係る磁気再生装置は、CIP−GMR素子30に代えてCPP−GMR素子50を備えていると共に、上部ギャップ層14がタンタル、チタン(Ti)またはルテニウムなどの導電性材料により構成されている点を除き、上記第1の実施の形態において説明した磁気再生装置と同様の構成を有している。
CPP−GMR素子50は、図18に示したように、下部シールド層12と上部ギャップ層14および上部シールド層15との間に配置されている。このCPP−GMR素子50は、MR層パターン51と、そのMR層パターン51の両側の空間に埋設された埋設層としての下部ギャップ層52R,52Lと、その下部ギャップ層52R,52L上に分離配置されたハードバイアス層53R,53Lとを備えている。
MR層パターン51は、例えば、図7に示したMR層パターン31と同様の積層構造を有している。
下部ギャップ層52R,52Lは、MR層パターン51を周辺から電気的に分離するものであり、例えば、アルミナなどの絶縁性材料により構成されている。この下部ギャップ層52R,52Lは、図6に示したリード層32R,32Lと同様の構造的特徴を有している。すなわち、下部ギャップ層52R,52Lは、MR層パターン51の高さ(Z軸方向の寸法)とほぼ同程度の高さとなるように、そのMR層パターン51の両側に設けられた空間に埋設されており、下部ギャップ層52R,52Lの傾斜面52Mの傾斜角度θは、例えば、±10°以内である。
ハードバイアス層53R,53Lは、図6に示したハードバイアス層33R,33Lと同様の機能、材質および構造的特徴を有している。すなわち、ハードバイアス層53R,53Lの傾斜面53Mの傾斜角度ωは、例えば、40°以上、好ましくは40°〜90°である。またハードバイアス層53R,53Lは、例えば、MR層パターン51から両側に離れており、そのハードバイアス層53R,53LとMR層パターン51との間の距離Lは、例えば、30nm〜400nmである。
このCPP−GMR素子50は、上記した構成的差異が満たされるように一部の製造手順を変更する点を除き、上記第1の実施の形態において説明したCIP−GMR素子30の製造方法と同様の手順を経ることにより製造可能である。
本実施の形態に係る磁気再生装置では、図18に示したように、MR層パターン51と、そのMR層パターン51の両側の空間に埋設された下部ギャップ層52R,52Lと、その下部ギャップ層52R,52L上に分離配置されたハードバイアス層53R,53Lとを備えるようにCPP−GMR素子50を構成したので、従来のCPP−GMR素子400(図28参照)とは異なり、上記第1の実施の形態において説明した作用と同様の作用が得られる。すなわち、従来のCPP−GMR素子400では、ハードバイアス層403R,403Lが下部ギャップ層402R,402Lの表面(急な傾斜面)に沿って設けられていることに伴い、先端近傍部分403Eの厚さがハードバイアス層403R,403L間においてばらつきやすくなるため、ハードバイアス層403R,403LからMR層パターン401に印加されるバイアス量が不均等化される。これに対して、本実施の形態に係るCPP−GMR素子50では、ハードバイアス53R,53L層が下部ギャップ層52R,52Lの表面(緩やかな傾斜面)に沿って設けられているため、そのハードバイアス層53R,53LからMR層パターン51に印加されるバイアス量が均等化される。したがって、やはり再生出力が安定化すると共にアシンメトリが改善されるため、再生性能を向上させることができる。
なお、本実施の形態に係る磁気再生装置に関する上記以外の構成、動作、製造方法、効果および変形例は、上記第1の実施の形態と同様である。確認までに説明しておくと、上記第1の実施の形態において説明した線記録密度の向上は、CIP−GMR素子30のみに関して得られる特有の効果であり、CPP−GMR素子50や後述するTMR素子60(第3の実施の形態)に関しては得られない効果である。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図18および図19は、本発明の第3の実施の形態に係る磁気再生装置に搭載されるTMR素子60の断面構成を表している。このうち、図19は、TMR素子60のうちの主要部を拡大して示しており、図7に示した断面構成に対応している。本実施の形態に係る磁気再生装置は、CPP−GMR素子50に代えてTMR素子60を備える点を除き、上記第2の実施の形態において説明した磁気再生装置と同様の構成を有している。
TMR素子60は、図18に示したように、MR層パターン51に代えてMR層パターン61を備える点を除き、上記第2の実施の形態において説明したCPP−GMR素子50と同様の構成を有している。このMR層パターン61は、例えば、図19に示したように、スペーサ層314に代えてトンネルバリア層614を備える点を除き、図7に示したMR層パターン31と同様の構成を有している。トンネルバリア層614は、ピンド層313とフリー層315との間において電子をトンネリングさせるものであり、例えば、アルミナなどの絶縁性材料により構成されている。
このCPP−GMR素子50は、CPP−GMR素子50に代えてTMR素子60を形成する点を除き、上記第2の実施の形態において説明したCPP−GMR素子50の製造方法と同様の手順を経ることにより製造可能である。
本実施の形態に係る磁気再生装置では、図18および図19に示したように、MR層パターン61と、そのMR層パターン61の両側の空間に埋設された下部ギャップ層52R,52Lと、その下部ギャップ層52R,52L上に分離配置されたハードバイアス層53R,53Lとを備えるようにTMR素子60を構成したので、従来のTMR素子500(図28参照)とは異なり、上記第2の実施の形態において説明した作用と同様の作用が得られる。したがって、やはりハードバイアス層53R,53LからMR層パターン61に印加されるバイアス量が均等化されることにより再生出力が安定化すると共にアシンメトリが改善されるため、再生性能を向上させることができる。
なお、本実施の形態に係る磁気再生装置に関する上記以外の構成、動作、製造方法、効果および変形例は、上記第2の実施の形態と同様である。
次に、本発明に関する実施例について説明する。
まず、上記第1の実施の形態において説明したCIP−GMR素子を製造した。すなわち、NiCr(5nm厚)/IrMn(7nm厚)/CoFe(2nm厚)/Ru(0.8nm厚)/CoFe(2.2nm厚)/Cu(2nm厚)/CoFe(2nm厚)/Ta(2nm厚)の積層構造(総厚23nm)を有するようにMR層パターンを形成し、引き続きリード層(Au;Unm厚)を形成したのち、ハードバイアス層(CoPt;Xnm厚)を形成した。この場合には、ハードバイアス層の上下に非磁性層(Cr;5nm厚)を設けた。この本発明のCIP−GMR素子の再生性能を調べたところ、以下の一連の結果が得られた。なお、本発明のCIP−GMR素子の再生性能を調べる際には、その再生性能を比較評価するために、比較例として従来のCIP−GMR素子の再生性能も同条件において調べた。
第1に、本発明および比較例のCIP−GMR素子の再生出力およびアシンメトリを調べたところ、図20および図21に示した結果が得られた。図20は再生出力特性を表しており、横軸は再生出力の平均値(再生出力平均TV;mV)を示し、縦軸は再生出力の標準偏差(再生出力標準偏差Tσ;mV)を示している。また、図21はアシンメトリ特性を表しており、横軸は再生出力平均TV(mV)を示し、縦軸はアシンメトリの標準偏差(アシンメトリ標準偏差Aσ;%)を示している。これらの再生出力およびアシンメトリを調べる際の測定条件としては、光学トラック幅=0.15μm,下部ギャップ層および上部ギャップ層の厚さ=15nm,MRハイト=0.15μm,再生ギャップ=53nm,測定磁界=200×103 /(4π)A/m(=200Oe),センス電流=3mVとした。
図20および図21に示した記号(○,△,×)は、○および△が本発明のCIP−GMR素子に関する結果を示し、×が比較例のCIP−GMR素子に関する結果を示している。詳細な素子条件は、○に関して傾斜角度θ=10°,傾斜角度ω=40°,距離L=60nm,リード層の厚さU=40nm、△に関して傾斜角度θ=−10°,傾斜角度ω=50°,距離L=60nm,リード層の厚さU=25nm、×に関して傾斜角度θ=−40°,傾斜角度ω=10°,距離L=0nmである。なお、ハードバイアス層の厚さXは、図20および図21中に示した各記号に関して左から順に、28nm,21nm,18nm,15nmである。
図20に示した結果から判るように、再生出力標準偏差Tσは、比較例(×)よりも本発明(○,△)において一様に小さくなった。また、図21に示した結果から判るように、アシンメトリ標準偏差Aσも同様に、比較例(×)よりも本発明(○,△)において一様に小さくなった。このことから、本発明のCIP−GMR素子では、MR層パターンの両側の空間に埋設されたリード層上にハードバイアス層を配置することにより、再生出力が安定化すると共にアシンメトリが改善されることが確認された。この場合には、特に、傾斜角度θ=10°,−10°および傾斜角度ω=40°,50°の素子条件において上記した結果が確認されたことから、再生出力を安定化すると共にアシンメトリを改善するためには、傾斜角度θ=±10°以内および傾斜角度ω=40°以上とすればよいことも確認された
第2に、本発明および比較例のCIP−GMR素子の半値幅(PW50)を調べたところ、図22に示した結果が得られた。図22は半値幅特性を表しており、横軸は再生出力平均TV(mV)を示し、縦軸は半値幅の平均値(半値幅平均PV;nm)を示している。なお、半値幅を調べる際の測定条件および素子条件、ならびに記号(○,△,×)の意味するところは、図20および図21に関して説明した場合と同様である。
図22に示した結果から判るように、半値幅平均PVは、比較例(×)よりも本発明(○,△)において一様に小さくなった。このことから、本発明のCIP−GMR素子では、MR層パターンの両側の空間に埋設されたリード層上にハードバイアス層を配置した場合に、そのハードバイアス層をMR層パターンから両側に離すことにより、半値幅が小さくなることが確認された。
第3に、本発明のCIP−GMR素子の歩留りを調べたところ、図23に示した結果が得られた。図23は歩留り特性を表しており、横軸は距離L(nm)を示し、縦軸(右側)はバルクハウゼンノイズに起因する不良発生を加味した歩留りY(%)を示し、縦軸(左側)は半値幅平均PV(nm)を示している。なお、半値幅および歩留りを調べる際の測定条件および素子条件は、図20および図21に関して説明した場合と同様である。図23では、○が半値幅平均PVを示し、△が歩留りYを示している。
図23に示した結果から判るように、半値幅平均PVは、距離Lが大きくなるにしたがって初期段階(距離L=0nm〜30nm)において急激に減少したのち、ほぼ一定となった。一方、歩留りYは、距離Lが大きくなるにしたがって一定範囲(距離L=0nm〜400nm)に渡ってほぼ一定となったのち、急激に減少した。この結果を踏まえ、CIP−GMR素子の実用特性として半値幅平均PV=82nm以下、歩留りY=96%以上の条件が必要であるとすると、線記録密度を向上させると共に歩留りを確保するためには、距離Lが30nm〜400nmであればよいことが確認された。
次に、上記第2の実施の形態において説明したCPP−GMR素子および上記第3の実施の形態において説明したTMR素子を代表して、TMR素子を製造した。すなわち、NiCr(5nm厚)/IrMn(7nm厚)/CoFe(2nm厚)/Ru(0.8nm厚)/CoFe(2.2nm厚)/Al2 O3 (7nm厚)/CoFe(3nm厚)/Ta(3nm厚)の積層構造(総厚30nm)を有するようにMR層パターンを形成し、引き続き下部ギャップ層(Al2 O3 ;Ynm厚)を形成したのち、ハードバイアス層(CoPt;Znm厚)を形成した。この場合には、ハードバイアス層の上下に非磁性層(Cr:5nm厚)を設けた。この本発明のTMR素子の再生性能を調べたところ、以下の一連の結果が得られた。なお、本発明のTMR素子の再生性能を調べる際には、その再生性能を比較評価するために、比較例として従来のTMR素子の再生性能も同条件において調べた。
第1に、本発明および比較例のTMR素子の再生出力およびアシンメトリを調べたところ、図24および図25に示した結果が得られた。図24は再生出力特性を表しており、図20に示した再生出力特性に対応している。また、図25はアシンメトリ特性を表しており、図21に示したアシンメトリ特性に対応している。これらの再生出力およびアシンメトリを調べる際の測定条件としては、光学トラック幅=0.15μm,上部ギャップ層の厚さ=20nm,MRハイト=0.15μm,再生ギャップ=50nm,測定磁界=300×103 /(4π)A/m(=300Oe),センス電流=0.5mVとした。
図24および図25に示した記号(○,△,×)は、○および△が本発明のTMR素子に関する結果を示し、×が比較例のTMR素子に関する結果を示している。詳細な素子条件は、○に関して傾斜角度θ=10°,傾斜角度ω=40°,距離L=60nm,下部ギャップ層の厚さY=50nm、△に関して傾斜角度θ=−10°,傾斜角度ω=50°,距離L=60nm,下部ギャップ層の厚さY=35nm、×に関して傾斜角度θ=−30°,傾斜角度ω=10°,距離L=0nm,下部ギャップ層の厚さY=10nmである。なお、ハードバイアス層の厚さZは、図24および図25中に示した各記号に関して左から順に、28nm,21nm,18nm,15nmである。
図24に示した結果から判るように、再生出力標準偏差Tσは、比較例(×)よりも本発明(○,△)において一様に小さくなったと共に、図25に示した結果から判るように、アシンメトリ標準偏差Aσも同様に、比較例(×)よりも本発明(○,△)において一様に小さくなった。このことから、本発明のTMR素子においても、再生出力が安定化すると共にアシンメトリが改善されることが確認されたと共に、再生出力を安定化すると共にアシンメトリを改善するためには傾斜角度θ=±10°以内および傾斜角度ω=40°以上とすればよいことも確認された
第2に、本発明のTMR素子の歩留りを調べたところ、図26に示した結果が得られた。図26は歩留り特性を表しており、図23に示した歩留り特性に対応している。なお、半値幅および歩留りを調べる際の測定条件および素子条件は、図23に関して説明した場合と同様である。図26では、○が半値幅平均PVを示し、△が歩留りYを示している。
図26に示した結果から判るように、図23に示した結果と同様に、半値幅平均PVは距離Lが大きくなるにしたがって初期段階(距離L=0nm〜30nm)において急激に減少したのちにほぼ一定となり、一方、歩留りYは距離Lが大きくなるにしたがって一定範囲(距離L=0nm〜400nm)に渡ってほぼ一定となったのちに急激に減少した。このことから、TMR素子の実用特性として半値幅平均PV=82nm以下、歩留りY=96%の条件が必要であるとすると、線記録密度を向上させると共に歩留りを確保するためには、やはり距離Lが30nm〜400nmであればよいことが確認された。
以上、いくつかの実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記各実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。具体的には、例えば、本発明のMR素子、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリおよび磁気再生装置、ならびにMR素子の製造方法は、MR層パターンと、そのMR層パターンの両側の空間に埋設された埋設層(例えばリード層またはギャップ層)と、その埋設層上に分離配置されたハードバイアス層とを備えるようにMR素子を構成することにより、再生出力の安定化およびアシンメトリの改善の観点において再生性能を向上させることが可能な限り、自由に変更可能である。
特に、上記各実施の形態および実施例では、埋設層をリード層とすることによりCIP−GMR素子を構成し、あるいは埋設層を下部ギャップ層とすることによりCPP−GMR素子またはTMR素子を構成したが、必ずしもこれに限られるものではなく、埋設層をリード層やギャップ層以外の層とすることにより、他の種類のMR素子を構成してもよい。この場合においても、上記各実施の形態および実施例と同様の効果を得ることができる。
また、上記各実施の形態では、薄膜磁気ヘッドのうちの記録ヘッド部を長手記録ヘッドとしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、記録ヘッド部を垂直記録ヘッドとしてもよい。この場合においても、上記各実施の形態および実施例と同様の効果を得ることができる。
本発明に係る磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリおよび磁気再生装置、ならびに磁気抵抗効果素子の製造方法は、CIP−GMR素子、CPP−GMR素子またはTMR素子などのMR素子に適用することが可能である。
10…再生ヘッド部、11,22〜24…絶縁層、12…下部シールド層、13,52R,52L…下部ギャップ層、14…上部ギャップ層、15…上部シールド層、16,34,34R,34L…非磁性層、17…下部磁極、20…記録ヘッド部、21…記録ギャップ層、21K…バックギャップ、25,26…薄膜コイル、27…上部磁極、30…CIP−GMR素子、31,51,61…MR層パターン、31Z…MR層、32,32R,32L…リード層、32M,33M,52M,53M…傾斜面、33,33R,33L,53R,53L…ハードバイアス層、33E,53E…先端近傍部分、41〜43…マスク、50…CPP−GMR素子、60…TMR素子、100…筐体、101…ハードディスク、102…アーム、103…スピンドルモータ、104…駆動部、105…固定軸、106…ベアリング、200…磁気ヘッドスライダ、201…スライダ、201M…エアベアリング面、202…薄膜磁気ヘッド、311…下地層、312…ピンニング層、313…ピンド層、314…スペーサ層、315…フリー層、316…保護層、614…トンネルバリア層、L…距離、P…水平面、θ,ω…傾斜角度、
Claims (12)
- 磁気抵抗効果層パターンと、
その磁気抵抗効果層パターンの両側の空間に埋設された埋設層と、
その埋設層上に分離配置されたハードバイアス層と、を備えた
ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。 - 前記埋設層が、前記ハードバイアス層に隣接する箇所に傾斜面を有し、
その傾斜面の角度が、±10°以内である
ことを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果素子。 - 前記ハードバイアス層が、前記磁気抵抗効果層パターンに近い側の先端に傾斜面を有し、
その傾斜面の角度が、40°以上である
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の磁気抵抗効果素子。 - 前記ハードバイアス層が、前記磁気抵抗効果層パターンから両側に離れている
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。 - 前記ハードバイアス層と前記磁気抵抗効果層パターンとの間の距離が、30nm以上400nm以下の範囲内である
ことを特徴とする請求項4記載の磁気抵抗効果素子。 - 前記磁気抵抗効果層パターンが、ピンニング層、ピンド層およびフリー層を含む積層構造を有している
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。 - 前記埋設層が、前記磁気抵抗効果層パターンに電流を供給するためのリード層であり、
膜面平行電流型巨大磁気抵抗効果素子として構成されている
ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。 - 前記埋設層が、前記磁気抵抗効果層パターンを周辺から電気的に分離するためのギャップ層であり、
膜面直交電流型巨大磁気抵抗効果素子またはトンネル磁気抵抗効果素子として構成されている
ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。 - 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載した磁気抵抗効果素子を備え、
その磁気抵抗効果素子を利用して磁気的な再生処理を実行する
ことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。 - 請求項9に記載した薄膜磁気ヘッドが取り付けられた磁気ヘッドスライダと、
その磁気ヘッドスライダを支持するスライダ支持機構と、を備えた
ことを特徴とする磁気ヘッドアセンブリ。 - 請求項10に記載した磁気ヘッドアセンブリと、
その磁気ヘッドアセンブリを利用して磁気的な再生処理が実行される記録媒体と、を備えた
ことを特徴とする磁気再生装置。 - 磁気抵抗効果層パターンを形成する第1の工程と、
その磁気抵抗効果層パターン上に第1のマスクを形成する第2の工程と、
前記第1のマスクおよびその周辺領域を覆うように埋設層を形成したのち、その第1のマスクをリフトオフすることにより、前記磁気抵抗効果層パターンの両側の空間に前記埋設層を埋設する第3の工程と、
前記磁気抵抗効果層パターン上に第2のマスクを形成する第4の工程と、
前記第2のマスクおよびその周辺領域を覆うようにハードバイアス層を形成したのち、その第2のマスクをリフトオフすることにより、前記埋設層上に前記ハードバイアス層を分離配置する第5の工程と、を含む
ことを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005225666A JP2007042217A (ja) | 2005-08-03 | 2005-08-03 | 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ、磁気再生装置および磁気抵抗効果素子の製造方法 |
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JP2007042217A true JP2007042217A (ja) | 2007-02-15 |
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ID=37800045
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JP2005225666A Withdrawn JP2007042217A (ja) | 2005-08-03 | 2005-08-03 | 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ、磁気再生装置および磁気抵抗効果素子の製造方法 |
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JP (1) | JP2007042217A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011248985A (ja) * | 2010-05-31 | 2011-12-08 | Hitachi Ltd | シングル記録方式に用いる磁気ヘッドおよび磁気ディスクドライブ |
-
2005
- 2005-08-03 JP JP2005225666A patent/JP2007042217A/ja not_active Withdrawn
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