JP2007041214A - 半導電性ポリイミドベルト及びその製造方法 - Google Patents

半導電性ポリイミドベルト及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面抵抗率のバラツキや使用中の電気的負荷による電気抵抗値の低下に起因する白ぬけや転写チリ等画像上の不具合および電子写真方式の画像形成装置における半導電性ベルトの寿命の短命化を防止できる、良好な電気特性を有する半導電性ポリイミドベルトおよびその製造方法を提供する
【解決手段】本発明の導電性ポリイミドベルトは、カーボンブラックを含有する半導電性ポリイミドベルトであって、ベルトの表面抵抗率の常用対数値が8〜14[logΩ/□]の範囲にあり、印加電圧100Vと1000Vにおける表面抵抗率の常用対数値の差が0.5[logΩ/□]以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導電性ポリイミドベルトに関するもので、特に、電子写真記録装置等における像の中間転写ベルトやその像の記録シートの転写搬送ベルトや定着ベルトなどに有用である。
複写機やレーザープリンタ、ビデオプリンタ、ファクシミリおよびそれらの複合機といった電子写真方式で像を形成記録する装置等では、装置寿命の向上などを目的に感光体ドラム等の像担持体にトナー等の記録剤などを介し形成した像を記録シート上に直接定着させる方式を回避して、像担特体上の像を中間転写ベルトに一旦転写してそれを記録シート上に定着させる方式が行われており、また前記の像を記録シートへ転写しつつ、そのシートの搬送も兼ねさせる転写方式も検討されている。
この中間転写ベルトは種々材料で作製されており、代表的なものとしてポリイミド樹脂が挙げられるが、ポリイミド樹脂で作製された中間転写ベルトは、合成から製膜まで、複雑な工程を経て作製されるため、カーボンブラックの凝集による不具合、即ち抵抗率のバラツキや使用中の電気的負荷による電気抵抗値が低下する問題がある。このような電気抵抗値の低下は転写時にベルトに過大な電流を流すため、該ベルトを中間転写ベルトに用いた場合、トナーのチリ(飛散)等画像上の不具合を発生させ、またこのような抵抗低下は、電子写真方式の画像形成装置における半導電性ベルトの寿命の短命化につながり、ベルト交換等のメンテナンスの手間とランニングコストを押し上げる結果につながる。
そのため、中間転写体の電気抵抗値は、所定の範囲に制御され、かつ中間転写体の面内バラツキ(抵抗値の最大値と最小値の値)が少ないことが求められ、ベルト製造時においてカーボンブラックの凝集を抑制する必要がある。これらを達成するためにカーボンブラック存在下でのポリイミド樹脂の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。また、従来から、カーボンブラックの凝集を抑制する目的で分散剤が使用されている。
特開2003−277502号公報
しかしながら、カーボンブラックの分散剤によっては、重合時にカーボンブラックの挙動が変化して、凝集が起こりやすくなる現象が確認されている。さらに、従来は、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機極性溶媒中にカーボンブラックを分散した後、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分を添加し反応させてポリアミド酸溶液とし、これをイミド転化してベルトを製造していたが、この製法では、重合時におけるカーボンブラックの凝集を十分に抑制することができない。また樹脂とカーボンブラックとの間に微小な空隙を生じさせ、これが電気的トラップの原因となって、ベルトの電気特性や機械特性を劣化させていることが判明した。
そこで、本発明の目的は、表面抵抗率のバラツキや使用中の電気的負荷による電気抵抗値の低下に起因する白ぬけや転写チリ等画像上の不具合および電子写真方式の画像形成装置における半導電性ベルトの寿命の短命化を防止できる、良好な電気特性を有する半導電性ポリイミドベルトおよびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、導電性材料および導電性材料の分散方法等について鋭意研究を重ねた結果、以下に示す半導電性ボリイミドベルトおよびその製造方法により上記自的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明の半導電性ポリイミドベルトは、カーボンブラックを含有する半導電性ポリイミドベルトであって、ベルトの表面抵抗率の常用対数値が8〜14[logΩ/□]の範囲にあり、且つ印加電圧100Vと1000Vにおける前記表面抵抗率の常用対数値の差が0.5[logΩ/□]以下であることを特徴とする。前記表面抵抗率は、実施例に示す方法により測定した値である。
前記電気特性を有するベルトは、白ぬけや転写チリの発生を防止することができる。また、本発明のポリイミドベルトは電圧依存性が低いため、例えば、装置使用中に電気抵抗値の低下や過電流が生じにくく、ベルトの寿命低下を防止することができる。
上記ベルトにおいて、温度25℃、湿度10%の環境下における前記ポリイミドベルトの任意の表面位置での450Vの印加電圧による電流変化特性が、電流−時間の両対数におけるプロットの累乗近似式において近似式の指数部の絶対値が0.1以下であることが好ましい。近似式の指数部は単位時間当たりの電流変化量に相当し、変化が小さいほど、連続使用によって電気抵抗値が変化せず、経時で安定した画像転写ができる。ここで、前記絶対値は、実施例に示す方法により測定された値である。
本発明の半導電性ポリイミドベルトの製造方法は、固形分濃度0.1〜5wt%のポリアミド酸希釈溶液にカーボンブラックを分散した後、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分とを等モル添加して反応させることを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、個々のカーボンブラック粒子表面におけるポリアミド酸の被覆率を高めることができ、イミド転化後にポリイミドとカーボンブラックとの界面に生ずる空隙の発生を低減または防止することができる。その結果、良好な電気特性及び機械特性を有するベルトを製造することができる。
上記製造方法において、前記カーボンブラックの分散を、周波数25〜100kHzの超音波処理により行うことが好ましい。前記超音波処理により、カーボンブラックの分散性およびカーボンブラック粒子に対するポリアミド酸の被覆率を高めることができ、ベルトの電気特性及び機械特性をさらに高めることできる。
上記製造方法において、前記カーボンブラックを、0.01〜10wt%の界面活性剤の存在下でポリアミド酸希釈溶液に分散することが好ましい。前記濃度の界面活性剤を使用することにより、カーボンブラックの分散性を向上させ、重合時にカーボンブラックの凝集を防止して、ベルトの電気特性及び機械特性をさらに高めることできる。
本発明の半導電性ポリイミドベルトは、電位依存性が少なく、電流変化量が小さい。このため、ベルトの表面抵抗率のバラツキや使用中の電気的負荷による電気抵抗値の低下を抑制し、画像転写時における白ぬけや転写チリの発生、ベルトの寿命低下を防止することができ、実装状態におけるベルトの長期安定駆動と安定な電気特性による良好な画像の確保を達成できる。
本発明の半導電性ポリイミドベルトの製造方法によれば、重合時におけるカーボンブラックの凝集を抑制することができる。また個々のカーボンブラック粒子表面におけるポリアミド酸の被覆率を高めることができ、イミド転化後にポリイミドとカーボンブラックとの界面に生ずる空隙の発生を抑制することができる。その結果、良好な電気特性及び機械特性を有するベルトを製造することができる。
以下、本発明に関し詳細に説明する。
本発明の半導電性ポリイミドベルトは、半導電性を得るためにカーボンブラックを含有する。ベルトの表面抵抗率は常用対数値で8〜14[logΩ/□]の範囲であり、9〜13[logΩ/□]の範囲がより好ましい。例えば、中間転写ベルトとして用いた場合、表面抵抗率が上記範囲より小さすぎると白ぬけが発生し、逆に大きすぎると転写チリが発生し易い。また、印加電圧100Vと1000Vにおける表面抵抗率の常用対数値の差(電圧依存性)は0.5[logΩ/□]以下であり、0.3[logΩ/□]以下がより好ましい。前記常用対数値の差が0.5[logΩ/□]を超えると、例えば、装置使用中に電気抵抗値の低下や過電流が生じ、ベルトの寿命低下を招く場合がある。
本発明に用いるカーボンブラックとしては、例えばチャンネルブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等が挙げられ、これらは単独使用することもでき、または複数種類のカーボンブラックを併用してもよい。
具体的には、チャンネルブラックとして、デグサ・ヒュルス社製の「Color Black FW200」、「Color Black FW2」、「Color Black FW2V」、「Color Black FW1」、「Color Black FW18」、「Special Black 6」、「Color Black S170」、「Color Black S160」、「Special Black 5」、「Special Black 4」、「Special Black 4A」、「Printex 150T」、「Printex U」、「Printex V」、「Printex 140U」、「Printex 140V」等が挙げられ、ファーネスブラックとして、デグサ・ヒュルス社製の「Special Black 550」、「Special Black 350」、「Special Black 250」、「Special Black 100」、「Printex 35」、「Printex 25」、三菱化学社製の「MA 7」、「MA 77」、「MA 8」、「MA 11」、「MA 100」、「MA 100R」、「MA 220」、「MA 230」、キャボット社製、「MONARCH 1300」、「MONARCH 1100」、「MONARCH 1000」、「MONARCH 900」、「MONARCH 880」、「MONARCH 800」、「MONARCH700」、「MOGUL 1」、「REGAL 400R」、「VULCAN XC−72R」等が挙げられる。
これらのカーボンブラックの種類は、目的とする導電性により適宜選択することができ、中間転写ベルトや転写搬送ベルト等の中抵抗から高抵抗域(表面抵抗率10〜1014[Ω/□]、体積抵抗率10〜1014[Ω・cm])に制電する場合、特にチャンネルブラックやファーネスブラックが好適に用いられ、その用途によっては酸化処理、グラフト処理等の酸化劣化を防止したものや溶媒への分散性を向上させたものを用いると好ましい。
カーボンブラックの含有量については、その目的に応じ、添加するカーボンブラックの種類により適宜決定されるが、画像形成装置用機能性ベルトとしては、ポリイミド樹脂固形分に対し3〜40重量%、より好ましくは3〜30重量%である。
本発明のベルトにおいて、温度25℃、湿度10%の環境下における前記ポリイミドベルトの任意の表面位置での450Vの印加電圧による電流変化特性が、電流−時間の両対数におけるプロットの累乗近似式において近似式の指数部の絶対値が0.1以下であることが好ましく、0.08以下がより好ましい。前記絶対値が0.1を超えると、連続使用によって画像劣化が生じる。
本発明の半導電性ポリイミドベルトは、ポリアミド酸希釈溶液にカーボンブラックを分散した後、前記ポリアミド酸希釈液にテトラカルボン酸二無水物またはその誘導体とジアミン成分を等モル添加して反応させ、これをイミド転化することにより得ることができる。なお、本発明において、前記ポリイミドベルトはシームレスタイプが好ましいが、これに限定されるものではない。
前記ポリアミド酸希釈溶液は、テトラカルボン酸二無水物等やジアミンから重合されるものであれば特に制限はないが、固形分濃度が0.1〜5wt%であり、より好ましくは0.3〜3wt%である。固形分濃度が0.1wt%未満であると、個々のカーボンブラック表面におけるポリアミド酸の被覆率が低下し、重合時のカーボンブラックの凝集が生じやすく、電気抵抗が低下し好ましくない。また、5wt%を超えると、溶液粘度も高くなり、機械的分散手段が有効に働かなくなり、結果としてカーボンブラックの凝集や、被覆率の低下を発生させてしまい、好ましくない。
ポリアミド酸を形成するテトラカルボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸三無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸ニ無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ベリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
また、ジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフイド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン(PDA)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルプロノベン、2,4−ビス(β−アミノ−第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−6−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ン(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルへプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロボキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルへプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン等が挙げられる。
また、上記したテトラカルボン酸二無水物とジアミンを重合反応させ、また希釈する際の溶媒としても適宜なものを用いうるが、溶解性、カーボンブラックの分散性などの点より極性溶媒が好ましく用いうる。この極性溶媒の例としては、N,N−ジアルキルアミド類が有用であり、例えば、このうちの低分子量のものであるN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。上記以外の有機極性溶媒として、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、併せて用いても差し支えない。
また、カーボンブラックの分散性や親和性の向上を狙って、前記カーボンブラックを分散剤の存在下で前記ポリアミド酸希釈溶液に分散することが好ましい。前記分散剤としては、本発明の目的にかなうものであれば特に限定されないが,例えば高分子分散剤、界面活性剤、無機塩等の分散安定化剤が挙げられ、界面活性剤がより好ましい。
前記高分子分散剤としては、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアジド)、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルフタルアミド)、ポリ(N−ビニルコハク酸アミド)、ポリ(N−ビニル尿素)、ポリ(N−ビニルピペリドン)、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−ビニルオキサゾリン)等が挙げられ、単独または複数の高分子分散剤を添加することができる。
前記界面活性剤としては、カルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型の陰イオン界面活性剤、第4級アンモニウム型、脂肪族アミン型、イミダゾリニウム型の陽イオン界面活性剤、エーテルアミンオキシド型、グリシン型、べタイン型の両性界面活性剤、エーテル型、エステル型、アミノエーテル型、エーテルエステル型、アルカノールアミド型の非イオン界面活性剤が挙げられ、エーテル型非イオン界面活性剤が、カーボンブラック分散安定性の点で好ましい。
前記無機塩等の分散安定化剤としては、炭酸塩、ケイ酸塩、重炭酸塩等が挙げられる。
前記分散剤の添加量は、カーボンブラックを均一に分散させるため、カーボンブラックに対して0.01〜10wt%が好ましく、0.1〜5wt%がより好ましい。分散剤の添加量が0.01wt%未満の場合も10wt%を超える場合も分散に対する効果が得られない。また、分散剤の種類、濃度によっても重合時にカーボンブラックの凝集が生じやすく、特に、界面活性剤系の分散剤は重合時のカーボンブラックの凝集が生じやすい。しかし、次に述べるが、重合前にポリアミド酸をカーボンブラックとともに機械的に分散することによってポリアミド酸がカーボンブラックを被覆し、凝集が生じにくくなり、界面活性剤系での重合を容易に行うことができる。
カーボンブラックの機械的分散方法としては、超音波、ボールミル、サンドミル、バスケットミル、三本ロールミル、プラネタリーミキサー、ビーズミル、ホモジナイザー等の方法が挙げられ、その中でも特に超音波が好ましい。カーボンにシェアがかからないため、形状変化が少なく、また粒度分布ばらつきが小さく好ましい。その上、ポリアミド酸希釈溶液のカーボン表面への浸透性、吸着性も良好である。周波数については25〜100kHzが好ましい。より好ましくは39〜41kHzである。25kHz未満では、処理にばらつきが生じ、100kHzを超えると、キャビテーション効果が得られにくく、そのため、ポリアミド酸による被覆率が低下し好ましくない。
ポリイミド前駆体溶液であるポリアミド酸溶液は、上記ポリアミド酸希釈液にテトラカルボン酸二無水物またはその誘導体とジアミン成分を略等モル添加し、反応させることにより得ることができる。前記ポリアミド酸溶液中のモノマー濃度(溶媒中における酸二無水物とジアミンの濃度)は種々の条件に応じて適宜設定されるが、5〜30wt%が好ましい。また、反応温度は、50℃以下に設定することが好ましく、特に好ましくは10〜40℃である。ポリアミド酸溶液のポリマー成分は、本発明の目的を達成できるならば、上記の酸二無水物およびジアミン成分を共重合したものでもブレンドしたものでも構わない。
本発明の半導電性ポリイミドベルトは、前記ポリアミド酸溶液の溶媒を加熱等による除去、脱水閉環水の除去およびイミド転化反応を完結することにより得られる。
前記イミド転化は、高温加熱による方法もしくは、ポリアミド酸に触媒単独あるいは触媒と脱水剤を併用して低温加熱する方法いずれを用いてもよい。
加熱方法としては、加熱炉内を通過させる方法や加熱風を吹き付ける方法などが挙げられるが、方法は特に制限されず、例えば、加熱炉としては放射型、循環風型などが挙げられ、加熱風の形成には、熱風器、加熱ロール、遠赤外線ヒータなどが挙げられる。また、金型周囲にコイルを巻き、誘導加熱により直接金型を加温する方法も挙げられる。
前記触媒としては、例えばイミダゾール類、第2級アミン、第3級アミン等が挙げられ、具体的には例えば、2−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、イミダゾール、イソキノリン等が挙げられる。これらのうちでも2−フェニルイミダゾールが機械強度を向上させる点で好ましい。触媒の添加量としては、ポリアミド酸溶液中のポリアミド酸1モル当量に対して0.1〜2モル当量添加することが好ましく、より好ましくは0.2〜1モル当量である。また、これら触媒は脱水剤を使用しない加熱イミド化においても低温でのイミド化促進剤として有効である。
前記脱水剤については、有機カルボン酸無水物、N,N’−ジアルキルカルボジイミド類、低級脂肪酸ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪酸無水物、アリールホスホン酸ジハロゲン化物、およびチオニルハロゲン化物等が挙げられ、これらの中でも特に有機カルボン酸無水物が好ましい。
有機カルボン酸無水物としては、無水酢酸、プロピオン酸無水物、酪酸無水物、吉草酸無水物、およびこれらの分子間無水物、有機カルボン酸無水物の混合物を含む。また、芳香族モノカルボン酸例えば安息香酸、ナフトエ酸等の無水物、これらの混合物および有機カルボン酸無水物の混合物、および炭酸、蟻酸および脂肪族ケテン類の無水物、これらの混合物および有機カルボン酸無水物などが挙げられるが、中でも無水酢酸が好ましい。
以下、本発明の構造と効果を具体的に示す実施例について説明する。なお、実施例等における試験・評価項目は下記のようにして測定を行った。
<評価試験方法>
1.表面抵抗率
表面抵抗率が0乗以上6乗以下については、ロレスタ−GP(三菱化学製)に接続した4探針プローブ(MCP−TP03P)をベルト表面に押し当て測定した。表面抵抗率が6乗以上15乗以下については、ハイスタ−UP(三菱化学製)に接続したリングプロープ(UR)をベルト表面に押し当て測定した。25℃、60%RHの環境下、印加電圧100Vまたは1000Vにおける10秒後の表面抵抗率を測定し、その表面抵抗率を常用対数値にて示した。
2.定電圧試験
図1に例示するように、主電極1とアース電極2の間に、測定対象であるポリイミドフィルム3を挟み込んで、25℃、湿度10%以下の環境下で測定を行った。主電極1の周囲には高電圧印加のためガード電極4を設け、作業者および主電極1の保護を図っている。このポリイミドフィルムにおける任意の表面位置での450Vの印加電圧による電流変化特性が電流−時間の両対数におけるプロットのY=cXで表される累乗近似式(式中、cおよびbは定数)において近似式の指数部bの絶対値を評価した。
<実施例1>
ポリアミド酸溶液(固形分18wt%、U‐ワニス‐S、宇部興産製)18.30gにN‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)146.29gを加えて2wt%のポリアミド酸希釈溶液を作成し、その後、Special Black4(デグサ社製)、界面活性剤(NTS−02、第一工業製薬製)を0.5wt%で添加し、周波数40kHzで1時間、超音波処理を行った。
次に、p‐フェニレンジアミン0.38モル、3,3’,4,4’‐ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を添加し略等モルとした。増粘後、攪拌しながら加温し、カーボン18wt%、固形分20wt%の半導電性ポリアミド酸溶液を得た(以降このポリアミド酸溶液をA−1と略す)。また、Special Black250(デグサ社製)を用いて上記と同様の手法で半導電性ポリアミド酸溶液を得た(以降このポリアミド酸溶液をA‐2と略す)。
ベルトの表面抵抗率を所定範囲に制御するため、A‐1とA‐2を重量比で1/0.25の割合で均一に配合し、得られたポリアミド酸ワニスを内径60mm、長さ850mmの円筒状金型の内面にディスペンサーで塗布し、1500rpmで10分間回転させ均一な塗膜面を得た。その後、40rpmで回転させながら130℃20分、220℃20分間、加熱し膜を形成した。金型から円筒状の膜を取り出し、パイプに差し替え、更に400℃で10分間加熱し、イミド転化を行い、半導電性ポリイミドベルトを得た。このベルトを評価したところ、印加電圧100Vにおけるベルトの表面抵抗率は常用対数値で11.4[logΩ/□]、印加電圧100Vと1000Vにおける表面抵抗率の常用対数値の差(電圧依存性)は0.40[logΩ/□]、定電圧試験による指数部bの絶対値(単位時間当たりの電流変化量に相当する)は0.08であった。
<比較例1>
ポリアミド酸希釈溶液を省くこと以外は実施例1と同様にして、Special Black4(デグサ社製)ポリアミド酸溶液(以下B‐1と略す)、Special Black250(デグサ社製)ポリアミド酸溶液(以下B‐2と略す)を得た。ベルトの表面抵抗率を所定範囲に制御するため、B‐1とB‐2を重量比で1/0.83の割合で均一に配合し、得られたポリアミド酸ワニスを実施例1と同様の手法でイミド転化を行い、半導電性ポリイミドベルトを得た。
このベルトを評価したところ、印加電圧100Vにおけるベルトの表面抵抗率は常用対数値で11.4[logΩ/□]、印加電圧100Vと1000Vにおける表面抵抗率の常用対数値の差(電圧依存性)は0.82[logΩ/□]、定電圧試験による指数部bの絶対値(単位時間当たりの電流変化量に相当する)は0.19であった。
<比較例2>
ポリアミド酸希釈溶液の濃度を6wt%にしたこと以外は実施例1と同様にして、Special Black4(デグサ社製)ポリアミド酸溶液(以下C−1と略す)、Special Black250(デグサ社製)ポリアミド酸溶液(以下C−2と略す)を得た。ベルトの表面抵抗率を所定範囲に制御するため、C‐1とC‐2を重量比で1/0.9の割合で均一に配合し、得られたポリアミド酸ワニスを実施例1と同様の手法でイミド転化を行い、半導電性ポリイミドベルトを得た。
このベルトを評価したところ、印加電圧100Vにおけるベルトの表面抵抗率は常用対数値で11.4[logΩ/□]、印加電圧100Vと1000Vにおける表面抵抗率の常用対数値の差(電圧依存性)は0.9[logΩ/□]、定電圧試験による指数部bの絶対値(単位時間当たりの電流変化量に相当する)は0.20であった。
Figure 2007041214
表1が示すように、所定濃度のポリアミド酸希釈液を使用した実施例1は、ポリアミド酸希釈液を使用しない比較例1や所定濃度範囲外のポリアミド酸希釈液を使用した比較例2に比べ、電圧依存性が少なく、単位時間当たりの電流変化量が小さく抑えられた。
本発明における定電圧試験を説明するために例示する概略図。
符号の説明
1 主電極
2 アース電極
3 ポリイミドフィルム
4 ガード電極

Claims (5)

  1. カーボンブラックを含有する半導電性ポリイミドベルトであって、ベルトの表面抵抗率の常用対数値が8〜14[logΩ/□]の範囲にあり、印加電圧100Vと1000Vにおける表面抵抗率の常用対数値の差が0.5[logΩ/□]以下であることを特徴とする半導電性ポリイミドベルト。
  2. 温度25℃、湿度10%の環境下における前記ポリイミドベルトの任意の表面位置での450Vの印加電圧による電流変化特性が、電流−時間の両対数におけるプロットの累乗近似式において近似式の指数部の絶対値が0.1以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導電性ポリイミドベルト。
  3. 固形分濃度0.1〜5wt%のポリアミド酸希釈溶液にカーボンブラックを分散した後、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分とを等モル添加して反応させることを特徴とする半導電性ポリイミドベルトの製造方法。
  4. 前記カーボンブラックの分散を、周波数25〜100kHzの超音波処理により行うこと特徴とする請求項3に記載の半導電性ポリイミドベルトの製造方法。
  5. 前記カーボンブラックを、0.01〜10wt%の界面活性剤の存在下でポリアミド酸希釈溶液に分散することを特徴とする請求項3又は4に記載の半導電性ポリイミドベルトの製造方法。
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JP2016145308A (ja) * 2014-02-21 2016-08-12 東京応化工業株式会社 カーボンブラック分散液

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