JP2007041045A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 正面方向からの画像特性を低下させることなく、画面を斜め方向から見たときのコントラストの低下を防止し、どの方向から見ても黒表示品位が良好であり、均質で高いコントラストを有する液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 それぞれの吸収軸が互いに略垂直の位置関係にある出射側偏光子及び入射側偏光子から構成される一対の偏光子の間に少なくとも2枚の光学異方板及び液晶セルを有する、IPSモードの液晶表示装置において、前記少なくとも2枚の光学異方板の面内の2つの主屈折率の総和が、その厚さ方向の主屈折率の総和の2倍以下であり、且つ、前記光学異方板と前記液晶セルとを積層してなる光学積層板(O)において、0.90 < R40/R< 1.10の関係を満たし、且つ、前記出射側偏光子の観察側に反射防止板を備え、前記反射防止板が、特定成分(A)、(B)および(C)を含む組成物の硬化膜からなる低屈折率層を有するように構成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、反射防止性、耐擦傷性及び耐久性に優れ、観察する角度の広い範囲で、均質な表示で高いコントラストを有する液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、高画質、薄型、軽量、低消費電力などの特徴をもち、テレビジョン、パーソナルコンピューター、カーナビゲーション装置などに広く用いられている。これまで、液晶表示装置は、その画面を斜め方向から観察した際に、明るさ、色、コントラストなどが大きく変化するために、画面が見にくくなる問題が指摘されてきた。
この問題を解決するため、液晶セルの設計自体を改良する手法が検討され、その一つに、インプレーンスイッチング(以下、IPSとも言う)モードの液晶表示装置が提案された(特許文献1)。この方式によると、他のモードの液晶表示装置と比較して、視野角は向上する。しかしながら、この方式においては、液晶セル中の液晶分子に起因した視野角の狭さは少し解消されているものの、観察する角度によっては偏光板の配置がクロスニコル配置からずれ、これが要因で光漏れが発生して視野角が低下する現象が起きる。加えて、前記液晶セル中の液晶分子に起因した視野角の狭さについても未だ改善の余地がある。このために、IPSモードの液晶表示装置に光学補償手段を加えて、視野角を向上させる試みがなされている。
例えば、IPSモードの液晶表示装置に、液晶セルと偏光板との間に、光学異方板である光学補償シートが配置され、この光学補償シートが光学的に負の一軸性を有し、かつその光軸が該シート面に対して平行である液晶表示装置が提案されている(特許文献2)。
一方、液晶表示装置等に用いる偏光板の表面反射に起因する表示画面のコントラストの低下を改善する試みから、偏光板の表面に、特定分子量を有するシロキサンオリゴマーと、特定分子量を有するフルオロアルキル構造およびポリシロキサン構造を含有するフッ素化合物とを含有する硬化性樹脂組成物からなる反射防止フィルムを設けることにより、反射防止特性が改善された偏光板が報告されている(特許文献3)。しかしながら、特許文献3の偏光板では、IPSの液晶表示装置に取り付けた時に、観察する角度の広い範囲で、均質で高いコントラストを有する液晶表示装置を得るには未だ不十分でありさらなる改善が求められていた。
特開平7−261152号公報 特開平10−054982号公報 特開2004−167827号公報
本発明は、反射防止性、耐擦傷性及び耐久性に優れ、観察する角度の広い範囲で、均質な表示で高いコントラストが得られる液晶表示装置を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、IPSモードの液晶表示装置において、k枚(kは2以上の整数)の光学異方板の面内の2つの主屈折率の総和が、その厚さ方向の主屈折率の総和の2倍以下であり、且つ、前記光学異方板と前記液晶セルとを積層して、波長550nmの光が垂直入射したときのレターデーションRと、波長550nmの光が法線から主軸方向へ40度傾いた角度で入射したときのレターデーションR40との比R40/Rが1に近く、且つ、前記出射側偏光子の観察側に反射防止板を備え、前記反射防止板が、特定成分を含む組成物の硬化膜からなる低屈折率層を有する表示装置は、どの方向から見ても黒表示品位が良好であり、均質で高いコントラストを有することを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)それぞれの吸収軸が互いに略垂直の位置関係にある出射側偏光子及び入射側偏光子から構成される一対の偏光子の間に、k枚(kは2以上の整数)の光学異方板及び液晶セルを有するIPSモードの液晶表示装置であって、
前記光学異方板の番号をi、i番目の光学異方板の面内の主屈折率をnix、niy(ただし、nix>niyである。)、厚さ方向の主屈折率をnizとしたとき、
(Σnix+Σniy)/2 ≦ Σniz
の関係を満たし(ここで、Σは、i=1〜kの総和を表す)、
前記光学異方板と前記液晶セルとを積層してなる光学積層板(O)において、波長550nmの光が垂直入射したときのレターデーションをR、波長550nmの光が法線から主軸方向へ40度傾いた角度で入射したときのレターデーションをR40としたとき、
0.90 < R40/R< 1.10
の関係を満たし、且つ、
前記出射側偏光子の観察側に反射防止板を備え、
前記反射防止板が、粒径が5〜2000nm以下の中空粒子(A)、(メタ)アクリロイル基およびフルオロアルキル基を有するシロキサンオリゴマー(B)、及び、(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート化合物(C)を含む組成物の硬化膜からなる低屈折率層を有することを特徴とする液晶表示装置、
(2)前記低屈折率層の屈折率が1.40以下であることを特徴とする(1)記載の液晶表示装置、
(3)前記光学異方板の少なくとも1枚が、固有複屈折が負である樹脂を含む層である(1)または(2)記載の液晶表示装置、
(4)前記光学異方板の少なくとも1枚が、ディスコティック液晶分子またはライオトロピック液晶分子を含む層である(1)または(2)記載の液晶表示装置、
(5)前記光学異方板の少なくとも1枚が、光異性化物質を含む層である(1)または(2)記載の液晶表示装置、
を提供するものである。
本発明の液晶表示装置は、反射防止性、耐擦傷性及び耐久性に優れ、観察する角度の広い範囲で、均質な表示で高いコントラストを有するので、大画面のフラットパネルディスプレイなどとして、好適に用いることができる。
本発明の液晶表示装置は、IPSモードの液晶セルと、少なくとも2枚の光学異方板と、低屈折率層を有する反射防止板を観察側に備える出射側偏光子と、入射側偏光子を少なくとも有するものである。
<液晶セル>
本発明に用いるIPSモードの液晶セルは、電圧無印加状態において該液晶セル中の液晶分子が、液晶セル基板面に対してホモジニアス配向し、電圧印加すると該液晶セル中の液晶分子が該基板面に対して平行に回転し、90°ねじれ配向するものである。具体的には、特開平09−080424号報や特開2001−100207号報などに記載される方式が知られている。
<光学異方板>
本発明に用いる光学異方板は、波長550nmの光で測定した光学異方板の面内の遅相軸方向の屈折率をn、面内の遅相軸と面内で直交する方向の屈折率をn、厚さ方向の屈折率をnとしたとき、n、n及びnのうちの少なくとも一つが他と異なる板状の物質であり、液晶表示装置の表示画面と同程度の広さを持つものである。光学異方板の中では、一つの単色光源から出た光が一つの方向に進むとき、互いに速度の異なる二つの偏光に分かれて進み、この二つの偏光の振動方向は互いに垂直である。
本発明に用いる光学異方板は、固有複屈折値が負である材料を含む層であることが好ましい。また、本発明に用いる光学異方板は、ディスコティック液晶又はライオトロピック液晶を含む層であることが好ましい。さらに、本発明に用いる光学異方板は、光異性化物質を含む層であることが好ましい。
(i)固有複屈折値が負である材料を含む層
固有複屈折値が負である材料とは、一軸性の秩序をもって分子が配向した層に光が入射したとき、その配向方向の光の屈折率がその配向方向に直交する方向の光の屈折率より小さくなるものをいう。
固有複屈折値が負である材料としては、ポリスチレンなどのビニル芳香族系重合体樹脂、ポリアクリロニトリルやポリメタクリル酸メチルのようなアクリル樹脂、ポリカーボネートなどのポリカーボネート樹脂、トリアセチルセルロースなどの酢酸セルロース樹脂、および、これらの多元共重合体などを挙げることができる。これらの固有複屈折値が負である材料は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの中で、ビニル芳香族系重合体樹脂、アクリル樹脂を好適に用いることができ、ビニル芳香族系重合体樹脂は、複屈折発現性が高いので特に好適に用いることができる。
ビニル芳香族系重合体樹脂としては、例えば、ポリスチレン、又は、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ニトロスチレン、p−アミノスチレン、p−カルボキシスチレン、p−フェニルスチレンなどのビニル芳香族単量体と、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、酢酸ビニルなどのその他の単量体との共重合体などを挙げることができる。これらの中で、ポリスチレン又はスチレンと無水マレイン酸との共重合体を好適に用いることができる。
前記固有複屈折値が負である材料には、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、塩素捕捉剤、難燃剤、結晶化核剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、離型剤、顔料、有機又は無機の充填材、中和剤、滑剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止剤、抗菌剤やその他の樹脂、及び、熱可塑性エラストマーなどの公知の添加剤を発明の効果が損なわれない範囲で添加することができる。
固有複屈折値が負である材料を含む層は、固有複屈折値が正である材料を含んでいてもよい。さらに、固有複屈折値が負である材料からなる層の少なくとも片面に、固有複屈折値が正である材料からなる層を積層した積層体であることが好ましく、固有複屈折値が負である材料からなる層の両面に他の材料からなる層を積層した積層体であることが特に好ましい。
前記固有複屈折値が負である材料からなる層、及び、固有複屈折値が負である材料からなる層の少なくとも片面に、固有複屈折値が正である材料からなる層を積層した積層体を製造する方法としては、特に制限はなく、例えば、溶液流延法や射出成形法や溶融押出法などの従来公知の方法が挙げられる。
固有複屈折値が負である材料からなる層は、固有複屈折値が負である材料からなる層が配向した層であることが好ましい。さらに、加工性能に優れ、光学異方板を効率良く容易に形成できる観点及び長期に渡って安定で均質な位相差を有することができる観点から、固有複屈折値が負である材料からなる層の少なくとも片面に、固有複屈折値が正である材料からなる層を積層した積層体が配向した層であることが好ましく、固有複屈折値が負である材料からなる層の両面に、固有複屈折値が正である材料からなる層を積層した積層体が配向した層であることが特に好ましい。この場合、固有複屈折値が正である材料からなる層は、固有複屈折値が負である材料からなる層の位相差を効率的に利用する観点から、実質的に無配向であることが好ましい。
前記固有複屈折値が負である材料からなる層が配向した層、及び、固有複屈折値が負である材料からなる層の少なくとも片面に、固有複屈折値が正である材料からなる層を積層した積層体が配向した層を製造する方法としては、特に制限されないが、光学異方体の厚さ方向の屈折率を均一に効率良く制御する観点から、固有複屈折値が負である材料からなる層や、固有複屈折値が負である材料からなる層の少なくとも片面に、固有複屈折値が正である材料からなる層を積層した積層体を延伸する方法が好ましい。
また、光学異方体の面内屈折率を制御する観点から、前記延伸した固有複屈折値が負である材料からなる層に他の延伸フィルムをさらに積層する方法も好ましい。
さらに、固有複屈折値が負である材料からなる層は、その両側に、接着性樹脂層を介して他の材料からなる層を積層した積層体とする構成が好ましい。これにより、強度が低く単独では延伸が困難な固有複屈折値が負である材料からなる層であっても、複屈折が発現しやすい温度で、延伸が可能となり、破断することなく、生産性よく、層全面に渡って均質な位相差を有する光学異方板を得ることができる。
前記固有複屈折値が負である材料からなる層が配向した層、及び、固有複屈折値が負である材料からなる層の少なくとも片面に他の材料からなる層を積層した積層体が配向した層の延伸方法は特に制限はなく、従来公知の方法を適用し得る。具体的には、ロール間の周速の差を利用して縦方向に一軸延伸する方法、テンターを用いて横方向に一軸延伸する方法等の一軸延伸法;固定するクリップの間隔が開かれて縦方向の延伸と同時にガイドレールの広がり角度により横方向に延伸する同時二軸延伸法や、ロール間の周速の差を利用して縦方向に延伸した後にその両端部をクリップ把持してテンターを用いて横方向に延伸する逐次二軸延伸法などの二軸延伸法;横又は縦方向に左右異なる速度の送り力若しくは引張り力又は引取り力を付加できるようにしたテンター延伸機や、横又は縦方向に左右等速度の送り力若しくは引張り力又は引取り力を付加できるようにして、移動する距離が同じで延伸角度を固定できるようにした若しくは移動する距離が異なるようにしたテンター延伸機を用いて斜め延伸する方法:が挙げられる。
上記のように、固有複屈折値が負である材料からなる層を延伸することにより、或いは、固有複屈折値が負である材料からなる層の少なくとも片面に他の材料からなる層を積層した積層体を延伸することにより、これらの層の延伸方向と直交する方向の屈折率が大きく、延伸方向の屈折率が小さくなり、後述の(Σnix+Σniy)/2 ≦ Σnizを満たす光学異方板を効率的に好ましく形成することができる。
(ii−1)ディスコティック液晶分子を含む層
ディスコティック液晶分子としては、種々の文献に記載されている化合物(例えば、C.Desrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page111(1981年)に記載されているベンゼン誘導体や、B.Kohneらの研究報告、及び、Angew.Chem.96巻,70頁(1984)に記載されたシクロヘキサン誘導体や、J.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、及び、J.Am.Chem.Soc.116巻,2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系またはフェニルアセチレン系の、マクロサイクルなど)が挙げられ、一般的に、分子の中心部分の円盤状構造から放射状に、複数個の互いに同一または異なる側鎖部分が伸びた構造を有する化合物である。側鎖部分には、例えば、アルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基などが置換されている。このようなディスコティック液晶の具体例を以下に示す。
Figure 2007041045
Figure 2007041045
ディスコティック液晶分子を含む層は、光学異方板を効率良く容易に形成できる観点及び長期に渡って安定で均質な位相差を有することができる観点から、ディスコティック液晶分子が基材面に対して実質的に垂直配向した層からなることが好ましい。実質的に垂直配向とは、ディスコティック液晶分子が基材面に対して50〜90°の範囲の平均傾斜角で配向していることを言う。基材には、ガラスや樹脂等からなるフィルムや板状物が挙げられる。軽量化、薄型化、製造効率等の観点から、ディスコティック液晶分子を含む層は、ディスコティック液晶分子が前記出射側偏光子や前記入射側偏光子や前記液晶セルに対して実質的に垂直配向したものであってもよい。
前記ディスコティック液晶分子を含む層から光学異方板を製造する方法としては、特に制限されないが、ディスコティック液晶分子を基材に積層する方法が好ましく、光学異方板の厚さ方向の屈折率を効率良く制御する観点から、ディスコティック液晶分子を基材面に対して実質的に垂直配向させて積層する方法が特に好ましい。
前記ディスコティック液晶分子を垂直配向させる方法としては、例えば、ディスコティック液晶分子若しくはこれと後記の重合性開始剤や他の添加剤を含む塗布液を垂直配向膜上に塗布して固定化するか、又は前記塗布液を垂直配向膜上に塗布して固定化したのち、垂直配向膜を剥離して残りのディスコティック液晶分子を含む層を基材上に積層することにより得られる。
前記塗布液の調製に使用する溶媒としては、水や有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;ピリジンなどのヘテロ環化合物;ベンゼン、ヘキサンなどの炭化水素類;クロロホルム、ジクロロメタンなどのアルキルハライド;酢酸メチル、酢酸ブチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;があげられる。また、二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布液の塗布は、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法などの公知の方法により実施できる。
前記垂直配向膜とは、液晶分子を垂直に配向させることができる程に表面エネルギーが低い膜のことを指す。該垂直配向膜は、通常ポリマーから構成される。特に、配向膜の表面エネルギーを低下させることができる観点から、ポリマーの側鎖にフッ素原子又は炭素原子数が10以上の炭化水素基を導入したポリマーが好適に用い得る。炭化水素基は、脂肪族基、芳香族基またはそれらの組合せである。ポリマーの主鎖は、ポリイミド構造またはポリビニルアルコール構造を有することが好ましい。
前記垂直配向膜に用いるポリマーの重合度は、200〜5,000であることが好ましく、300〜3,000であることが好ましい。ポリマーの分子量については特に制限はないが、溶媒としてテトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したポリエチレンオキサイド又はポリスチレン(標準溶液)換算の重量平均分子量(Mw)で、9,000〜200,000であることが好ましく、13,000〜130,000であることがさらに好ましい。二種類以上のポリマーを併用してもよい。
垂直配向膜は、該垂直配向膜に用いるポリマーを基材に塗布することで形成することができる。さらに、垂直配向膜には、ラビング処理を施すことが好ましい。ラビング処理は、上記のポリマーを含む膜の表面を、紙や布で一定方向に、数回こすることにより実施する。
垂直配向させたディスコティック液晶分子は、配向状態を維持して固定化する。固定化する方法としては、重合反応により行うことが好ましい。なお、垂直配向状態で固定された液晶分子は、垂直配向膜がなくても配向状態を維持することができる。
重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応や光重合開始剤を用いる光重合反応が好ましい例示として挙げられる。
光重合開始剤としては、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組合せ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)などが挙げられる。
上記のように、ディスコティック液晶分子が垂直配向した層を形成させることにより、この層に垂直配向したディスコティック液晶分子の円盤面と実質的に平行な方向の屈折率が大きく、円盤面の法線方向の屈折率が小さくなり、後述の(Σnix+Σniy)/2 ≦ Σnizを満たす光学異方板を効率的に好ましく形成することができる。
(ii−2)ライオトロピック液晶分子を含む層
ライオトロピック液晶分子とは、特定の溶媒に、特定の濃度範囲で溶解した場合に、液晶性を示す分子のことを言う(丸善株式会社、液晶便覧3p等を参照)。具体的には、特開平10−333145号公報、Mol.Cryst.,Liq.Cryst.,1993Vol.225,293−310などに記載されている、セルロース誘導体、ポリペプチド、核酸など主鎖が棒状骨格を持つ高分子を溶解してなる高分子ライオトロピック液晶分子;両親媒性低分子化合物の濃厚水溶液からなる両親媒性ライオトロピック液晶分子;水溶性が付与された芳香環を有する低分子化合物の溶液からなるクロモニック液晶分子;などが挙げられる。
前記ライオトロピック液晶分子は、剪断により特定の方向に配向する特徴を有することが好ましい。また、前記ライオトロピック液晶分子は、可視光領域において実質的に吸収を持たない方が好ましい。このようなライオトロピック液晶分子の具体例を以下に示す。
Figure 2007041045
Figure 2007041045
ライオトロピック液晶分子を含む層は、光学異方板を効率良く容易に形成できる観点及び長期に渡って安定で均質な位相差を有することができる観点から、ライオトロピック液晶分子が基材面に対して実質的に垂直配向した層からなることが好ましい。実質的に垂直配向とは、ライオトロピック液晶分子が基材面に対して50〜90°の範囲の平均傾斜角で配向していることを言う。基材には、ガラスや樹脂等からなるフィルムや板状物が挙げられる。
前記ライオトロピック液晶分子を含む層から光学異方板を製造する方法としては、特に制限されないが、ライオトロピック液晶分子を基材に積層する方法が好ましく、光学異方板の厚さ方向の屈折率を効率良く制御する観点から、ライオトロピック液晶分子を基材面に対して剪断により実質的に垂直配向させて積層する方法が好ましい。
ライオトロピック液晶分子を剪断により垂直配向させる方法としては、ライオトロピック液晶分子の溶液若しくはこれと後記の添加剤を含む溶液を基材上に塗布して固定化する方法が挙げられる。この配向処理に際しては、製造効率に優れ、さらに、軽量化・薄型化が達成でき、加えて、基材への損傷を防げる、均一な厚さで塗布できる等の理由から、配向膜を使用しない方が好ましい。
前記ライオトロピック液晶分子を溶解させる場合に用いる溶媒としては、水や有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;ピリジンなどのヘテロ環化合物;ベンゼン、ヘキサンなどの炭化水素類;クロロホルム、ジクロロメタンなどのアルキルハライド;酢酸メチル、酢酸ブチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;があげられる。また、二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
前記ライオトロピック液晶分子を含む溶液の濃度としては、特に制限はないが、好ましくは、溶媒100重量部に対して液晶分子を0.0001〜100重量部の範囲で、さらに好ましくは0.0001〜1重量部の範囲で溶解させる。
前記ライオトロピック液晶分子を含む溶液には、必要に応じて、重合開始剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、塩素捕捉剤、難燃剤、結晶化核剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、離型剤、顔料、有機又は無機の充填材、中和剤、滑剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止材、可塑剤、接着剤、抗菌剤やその他の樹脂、熱可塑性エラストマーなどの公知の添加剤を発明の効果が損なわれない範囲で添加することができる。これらの添加剤は、ライオトロピック液晶分子を含む溶液100重量部に対して、通常0〜5重量部、好ましくは0〜3重量部の範囲で添加する。
前記ライオトロピック液晶分子を含む溶液の塗布は、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法などの公知の方法により実施できる。
剪断により垂直配向させたライオトロピック液晶分子は、配向状態を維持して固定化する。固定化する方法としては、乾燥による溶媒除去や重合反応、これらの方法の組合せ等が挙げられる。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応や光重合開始剤を用いる光重合反応が挙げられる。
上記のように、ライオトロピック液晶分子が垂直配向した層を形成させることで、剪断により垂直配向したライオトロピック液晶分子の剪断方向と実質的に垂直な方向の屈折率が大きくなり、該剪断方向の屈折率が小さくなり、後述の(Σnix+Σniy)/2 ≦ Σnizを満たす光学異方板を効率的に好ましく形成することができる。
(iii)光異性化物質を含む層
光異性化物質とは、光により立体異性化または構造異性化を起こすものであり、好ましくは、さらに別の波長の光または熱によってその逆異性化を起こすものである。一般的に、これらの化合物は、構造変化と共に可視域での色調変化を伴うものが多く、フォトクロミック化合物としてよく知られている。光異性化物質としては、アゾベンゼン系化合物、ベンズアルドキシム系化合物、アゾメチン系化合物、スチルベン系化合物、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、フルギド系化合物、ジアリールエテン系化合物、ケイ皮酸系化合物、レチナール系化合物、ヘミチオインジゴ系化合物等が挙げられる。
また、前記光異性化物質、すなわち光異性化しうる官能基(アゾ基や内部オレフィン等)を有する化合物は低分子化合物でもポリマーでもよく、ポリマーの場合、光異性化基が主鎖中に在っても側鎖中に在っても同様の機能を発揮できる。また、ポリマーはホモポリマーでも、コーポリマーでも良く、コーポリマーの共重合比は、光異性化能やTg等のポリマー物性を適切に調節すべく、本発明の特性を損なわない範囲で選択される。また、これらの光異性化基を有する化合物が液晶ポリマーであってもよい。すなわち、液晶化合物の分子中に光異性化しうる官能基を含んでいてもよい。光異性化物質については、高分子、41、(12)、(1992年)p884、「クロミック材料と応用」(シーエムシー編)p221、「メカノケミストリー」(丸善編)p21、「高分子論文集147巻10号」(1991年)p771等にも具体的に記載されている。このような光異性化物質の具体例を以下に示す。
Figure 2007041045
光異性化物質を含む層は、光学異方板を効率良く容易に形成できる観点及び長期に渡って安定で均質な位相差を有することができる観点から、特定の異性体に異性化した光異性化物質からなる層であることが好ましい。
前記光異性化物質を含む層から光学異方板を製造する方法としては、特に制限されないが、光異性化物質を含む溶液を基材上に塗布して膜状物を形成し、乾燥工程を経て直線偏光を照射する方法が好ましく、膜状物面に垂直な方向から直線偏光を照射する方法が特に好ましい。基材には、ガラスや樹脂等からなるフィルムや板状物が挙げられる。
光異性化物質を含む溶液の調製に使用する溶媒は、特に制約はないが、メチレンクロライド、アセトン、メタノール、メチルエチルケトン等の有機溶媒が挙げられる。また、塗布液の濃度は塗布に好適な粘性を得るために選ばれるものであり、特に制約はないが、好ましくは1〜50重量%である。塗布の方法も、バーコート、ロールコート等、公知の塗布方式が利用できる。
直線偏光を照射する場合は、塗布層が概ね乾燥した時点から行うことができる。概ね乾燥とは、塗布層中の残留溶剤が10重量%以下を目安とする。また偏光照射の温度は残留溶剤の量によって最適な温度は異なるが、Tg−50℃からTg+30℃の範囲が特に好ましい。偏光の光源については特に制約はなく、水銀ランプ、ハロゲンランプ等が好適に利用される。
上記のように、光異性化物質を含む層に直線偏光を照射することにより、照射光の偏光軸と実質的に直交する方向の屈折率が大きく、照射光の偏光軸方向の屈折率が小さくなり、後述の(Σnix+Σniy)/2 ≦ Σnizを満たす光学異方板を効率的に好ましく形成することができる。
本発明に用いる光学異方板は、光学異方板の番号をi、i番目の光学異方板の面内の主屈折率をnix、niy(ただし、nix>niyである。)、厚さ方向の主屈折率をnizとしたとき、(Σnix+Σniy)/2 ≦ Σnizを満たす。(Σnix+Σniy)/2 > Σnizであると、液晶表示装置の表示画面を斜め方向から見たとき、黒表示品位が悪く、コントラストが低下する。なお、本発明において、コントラスト(CR)とは、液晶表示装置の暗表示時の輝度をYOFF、明表示時の輝度をYONとしたとき、CR=YON/YOFFで表されるものをいう。コントラストが大きいほど、視認性がよい。ここで、明表示とは該液晶表示の明るさが最も明るい状態、暗表示とは該液晶表示の明るさが最も暗い状態を指す。
本発明に用いる光学異方板の少なくとも1枚は、n>n、且つ、nとnとの差の絶対値が0.003以下であることが好ましく、n−nが0.00001以上、且つ、nとnzとの差の絶対値が0.001以下であることがより好ましく、n−nが0.00003以上、且つ、nとnとの差の絶対値が0.0008以下であることがさらに好ましい。前記nと前記nとが上記関係を満たすと、本発明の液晶表示装置のコントラストが向上する。
本発明に用いる光学異方板の少なくとも1枚は、前記n、n、nを用いた式:(n−n)/(n−n)で表される値NZ(NZ値と言う)が、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.4以下、さらに好ましくは0.2以下、特に好ましくは0以下、最も好ましくは−0.2以下である。NZ値が上記範囲であることにより、後述のR40/Rを効率良く1に近づけることができ、本発明の液晶表示装置のコントラストを高くすることができる。
<光学異方板と液晶セルとを積層してなる光学積層板(O)>
前記光学異方板と前記液晶セルとを積層してなる光学積層板(O)において、波長550nmの光が垂直入射したときのレターデーションをR、波長550nmの光が法線から主軸方向へ40度傾いた角度で入射したときのレターデーションをR40としたとき、
0.90 < R40/R< 1.10
であり、より好ましくは、
0.92 < R40/R< 1.08
であり、さらに好ましくは、
0.95 < R40/R< 1.05
である。R40/Rが上記範囲内にあると、表示画面を斜め方向から見たとき、黒表示品位が向上し、コントラストが向上する。なお、波長550nmの光が法線から主軸方向へ40度傾いた角度で入射したときのレターデーションR40は、図1に示す光学積層板(O)の遅相軸を回転軸とした極角で、光線がY−Z面内に存在するα方向と、光学積層板(O)の進相軸を回転軸とした極角で、光線がX−Z面内に存在するβ方向の2方向について測定する。極角とは、液晶表示装置の表示画面を観察する際に、正面方向から傾けて見るときの角度である。
<出射側偏光子および入射側偏光子>
本発明に用いる出射側偏光子および入射側偏光子は、自然光を直線偏光に変換できるものである。例えば、ポリビニルアルコール、部分ホルマール化ポリビニルアルコールなどのビニルアルコール系ポリマーよりなるフィルムに、ヨウ素、二色性染料などの二色性物質による染色処理、延伸処理、架橋処理などを施して得られる偏光子を挙げることができる。前記出射側偏光子および前記入射側偏光子の厚さは特に制限はないが、通常は厚さ5〜80μmの偏光子であることが好ましい。なお、出射側偏光子とは、本発明の液晶表示装置の観察側に近い方に備えられている偏光子のことであり、入射側偏光子とは、本発明の液晶表示装置の観察側に遠い方に備えられている偏光子のことである。液晶表示装置の観察側は、観察者が表示画面を視認できる側である。
前記出射側偏光子および前記入射側偏光子は、通常、その両面に保護フィルムが積層されている。保護フィルムとしては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性などに優れたポリマー樹脂からなるフィルムを好適に用いることができる。このようなポリマー樹脂としては、例えば、脂環式構造を有する重合体樹脂、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系重合体樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系重合体樹脂などを挙げることができる。脂環式構造を有する重合体樹脂とポリエステル系重合体樹脂は、透明性、軽量性、寸法安定性、膜厚制御性が良好であり、セルロース系重合体樹脂は、透明性、軽量性が良好なので、好適に用いることができる。
脂環式構造を有する重合体樹脂としては、例えば、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体を挙げることができる。これらの中で、ノルボルネン系重合体は、透明性と成形性が良好なので好適に用いることができる。ノルボルネン系重合体としては、例えば、ノルボルネン系単量体の開環重合体、ノルボルネン系単量体と他の単量体との開環共重合体及びこれら重合体の水素添加物;ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体と他の単量体との付加共重合体及びこれらの重合体の水素添加物などを挙げることができる。これらの中で、ノルボルネン系単量体の開環重合体又は開環共重合体の水素添加物は、透明性に優れるので、特に好ましい。
前記出射側偏光子または前記入射側偏光子の保護フィルムとして、前記光学異方板を用いることが好ましい。前記光学異方板を前記出射側偏光子または前記入射側偏光子の液晶セル側に積層することによって、通常の保護フィルムを省くことができ、液晶表示装置の薄型化に寄与するので好ましい。
前記出射側偏光子または前記入射側偏光子と、保護フィルムまたは前記光学異方板とを積層する手段としては、通常、接着剤または粘着剤を介して接着する方法が挙げられる。接着剤又は粘着剤としては、例えば、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系などの接着剤又は粘着剤を挙げることができる。これらの中で、アクリル系の、接着剤又は粘着剤は、耐熱性と透明性が良好なので好適に用いることができる。
接着に際し、前記出射側偏光子または前記入射側偏光子、及び保護フィルムまたは前記光学異方板をそれぞれ所望の大きさに切り出して重ね合わせて接着することもできるが、長尺の出射側偏光子または入射側偏光子と、長尺の保護フィルムまたは光学異方板をロールトゥーロールで接着することが好ましい。
<反射防止板>
本発明の液晶表示装置には、前記出射側偏光子の観察側に、反射防止板を備える。この反射防止板は、後述する低屈折率層を有する。また、反射防止板は、出射側偏光子と低屈折率層との間に高屈折率層を有していてもよい。
反射防止板は、視認側からの、入射角5度、波長430nm〜700nmの光での反射率の最大値が、通常1.4%以下であり、好ましくは1.3%以下である。入射角5度の波長550nmでの反射率が、通常0.7%以下であり、好ましくは0.6%以下である。又、入射角20度の波長430nm〜700nmでの反射率の最大値が、通常1.5%以下であり、好ましくは1.4%以下である。入射角20度の波長550nmでの反射率が、通常0.9%以下、好ましくは0.8%以下である。各反射率が上記の範囲にあることにより、外部光の映りこみ及びギラツキがなく、視認性に優れた液晶表示装置とすることができる。反射率は、分光光度計(例えば、紫外可視近赤外分光光度計V−550、日本分光社製)を用いて測定することができる。
反射防止板は、スチールウール試験前後の反射率の変動が、通常20%以下、好ましくは10%以下である。反射率の変動が20%を超えると、画面のぼやけ、ギラツキが発生することがある。スチールウール試験は、スチールウール#0000に荷重0.025MPaをかけた状態で、低屈折率層の表面を10回往復させて擦る試験のことである。反射率は、面内の任意の場所5箇所で5回測定し、それら測定値の算術平均値から算出する。スチールウール試験前後の反射率の変動は下記式(I)で求めた。Rbはスチールウール試験前の反射率、Raはスチールウール試験後の反射率を表す。
ΔR=(Rb−Ra)/Rb×100(%) (I)
反射防止板は、同様にスチールウール試験前後の全光線透過率の変動が、通常10%以内であり、好ましくは8%以内、より好ましくは6%以内である。全光線透過率は、面内の任意の場所5箇所で5回測定し、それら測定値の算術平均値から算出する。スチールウール試験前後の全光線透過率の変動は下記式(II)で求めた。Rcはスチールウール試験前の全光線透過率、Rdはスチールウール試験後の全光線透過率を表す。
ΔR=(Rc−Rd)/Rc×100 (%) (II)
反射防止板において、後述する低屈折率層側の表面抵抗は、好ましくは1.0×1010Ω/□以下、より好ましくは5.0×10Ω/□以下である。表面抵抗がこのような範囲にあると、反射防止板に塵埃等が表面に付着しにくくなる。
≪高屈折率層≫
本発明に用いる反射板において、高屈折率層は、必要に応じて、前記出射側偏光子と後述する低屈折率層との間に設けてもよい。本発明における高屈折率層とは、後述する低屈折率層よりも高い屈折率を有する層である。
高屈折率層は、その屈折率nが1.55以上であることが好ましく、1.60以上であることがより好ましい。高屈折率層の屈折率が1.55以上であると、広帯域における反射防止性能及び耐擦傷性が向上し、高屈折率層の上に積層する低屈折率層の設計が容易になる利点がある。屈折率は、公知の分光エリプソメーター等を用いて求めることができる。
高屈折率層は、表面硬度の高い層であり、具体的には、JIS K5600−5−4に規定された鉛筆硬度試験で「HB」以上の硬度を持つ層である。高屈折率層の平均厚みは、特に限定されないが、通常0.5〜30μm、好ましくは3〜15μmである。
高屈折率層の形成材料には、高屈折率層の屈折率や表面硬度が上記範囲となるように選択して用いるべきであり、屈折率の高い材料を用いることが好ましく、硬い材料を用いることが好ましい。例えば、シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アクリル系、ウレタンアクリレート系などの有機材料;二酸化ケイ素などの無機材料;などを挙げることができる。これらの中で、ウレタンアクリレート系と多官能アクリレート系の材料は、接着力が大きく、生産性に優れるので、好適に用いることができる。
高屈折率層は、無機酸化物粒子をさらに含んでいてもよい。高屈折率層に無機酸化物粒子が添加されることにより、表面の耐擦傷性に優れ、屈折率が1.55以上の高屈折率層を簡単に形成できる。高屈折率層に用いる無機酸化物粒子としては、屈折率が高いものが好ましく、具体的には、屈折率が1.6以上、特に1.6〜2.3のものが好適である。このような無機酸化物粒子としては、例えば、チタニア(酸化チタン)、ジルコニア(酸化ジルコニウム)、酸化亜鉛、酸化錫、酸化セリウム、五酸化アンチモン、アンチモンをドープした酸化スズ(ATO)、リンをドープした酸化スズ(PTO)、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)、スズをドープした酸化インジウム(ITO)、亜鉛をドープした酸化インジウム(IZO)、アルミニウムをドープした酸化亜鉛(AZO)、等を挙げることができる。これらの中でも、五酸化アンチモンは、屈折率が高く、導電性と透明性のバランスに優れるため、屈折率を調節するための成分として好適である。前記無機酸化物粒子の一次粒子径は、好ましくは1nm以上100nm以下、より好ましくは1nm以上30nm以下である。
高屈折率層の形成方法は、特に限定されないが、例えば、基板に、高屈折率層の前記形成材料を塗布、乾燥し、硬化させることによって得ることができる。基板には、前記出射側偏光子や樹脂からなるフィルム等が挙げられる。前記材料を塗布する前に、基材の表面にプラズマ処理、プライマー処理などを施し、高屈折率層の剥離強度を高めてもよい。硬化方法としては熱硬化法と、紫外線硬化法とを利用できる。また、前記基板を形成する樹脂と、高屈折率層用の材料とを、共押出成形して、前記基板を形成する樹脂と前記材料とが積層された共押出フィルムを形成することができる。高屈折率層の表面には、防眩性機能が設けられていることが好ましく、例えば、当該表面に凸形状を形成することにより当該機能を実現できる。
≪低屈折率層≫
本発明に用いる反射板において、本発明に用いる低屈折率層は、出射側偏光子の上側(観察側)に設けられる層であり、または、前記高屈折率層が設けられた場合には、この高屈折率層の上側に設けられる層である。低屈折率層の平均厚みは、10〜1000nmであることが好ましく、30〜500nmであることがより好ましい。
低屈折率層は、その屈折率nが1.45以下の層であり、nが1.40以下であることが好ましく、nが1.35〜1.40であることがより好ましい。また、隣接する前記出射側偏光子または前記高屈折率層との屈折率差が0.05〜0.4であることが好ましい。このような低屈折率層を設けることにより、視認性と耐擦傷性、強度のバランスに優れ、反射防止性能と耐擦傷性のバランスに優れた液晶表示装置を得ることができる。さらに、高屈折率層の屈折率nが、その上に積層する低屈折率層の屈折率nとの間に、n≧1.53、及び(√n)−0.2<n<(√n)+0.2、の関係を有することが、反射防止機能を発現させるために好ましい。
本発明に用いる反射防止板において、前記低屈折率層は、粒径が5〜2000nmの中空粒子(A)、(メタ)アクリロイル基およびフルオロアルキル基を有するシロキサンオリゴマー(B)、及び、(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート化合物(C)を含む組成物の硬化膜からなる。本発明において、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイルとメタクロイルを意味する。
〔中空粒子(A)〕
本発明に用いる中空粒子は、中空部分が存在する粒子である。
また、中空粒子の中空部分には中空粒子を調製するときに使用した溶媒及び/又は乾燥時に浸入する気体が存在してもよいし、中空粒子の中空部分を形成するための、後述する前駆体物質がその中空部分に残存していてもよい。
前駆体物質は、外殻によって包囲された核粒子から核粒子の構成成分の一部を除去した後に残存する多孔質物質である。核粒子には、種類の異なる無機酸化物からなる多孔質の複合酸化物粒子を用いる。前駆体物質は、外殻に付着してわずかに残存していることもあるし、中空粒子の中空部分内の大部分を占めることもある。
なお、この多孔質物質の細孔内にも上記溶媒あるいは気体が存在してもよい。このときの核粒子の構成成分の除去量が多くなると、中空粒子の中空部分の容積が増大し、屈折率の低い中空粒子が得られ、この中空粒子を配合して得られる透明被膜は低屈折率で反射防止性能に優れる。
本発明に用いる低屈折率層に含まれる中空粒子(A)は、その粒径が5〜2,000nmの範囲であり、20〜100nmの範囲であることが好ましい。中空粒子(A)の粒径が上記範囲を下回ると、前記低屈折率層の屈折率が十分に小さくならず、また、中空粒子(A)の粒径が上記範囲内にあると、反射防止板の透明性を維持でき、拡散反射による寄与を小さくできる。ここでの中空粒子の粒径は、透過型電子顕微鏡観察による数平均粒子径である。
中空粒子(A)の外殻は細孔を有する多孔質なものであってもよく、あるいは細孔が閉塞されて空洞が外殻の外側に対して密封されているものであってもよい。
外殻は、内側層と外側層などからなる多層構造であることが好ましい。外殻は、内側の第1無機酸化物皮膜層および外側の第2無機酸化物皮膜層からなる複数の無機酸化物皮膜層であることが好ましい。外側に第2無機酸化物皮膜層を設けることにより、外殻の細孔を閉塞させて外殻を緻密化できるとともに、内部の空洞を密封した中空粒子を得ることができる。
中空粒子(A)の外殻の厚みは通常1〜50nm、好ましくは5〜20nmである。また、中空粒子(A)の外殻の厚みは、中空粒子の平均粒子径の1/50〜1/5の範囲にあることが好ましい。
上述のように第1無機酸化物被覆層および第2無機酸化物被覆層を外殻として設ける場合、これらの層の厚みの合計が、上記1〜50nmの範囲となるようにすればよく、特に、緻密化された外殻には、第2無機酸化物被覆層の厚みは20〜40nmの範囲が好適である。
前記中空粒子(A)、前記(メタ)アクリロイル基およびフルオロアルキル基を有するシロキサンオリゴマー(B)、及び、前記(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート化合物(C)を含む組成物(後述する塗工液)における、中空粒子の含有量は、特に限定されないが、10〜30重量%であることが好ましい。この範囲であれば、低屈折率性と耐擦傷性とをともに奏することができる。
中空粒子(A)は、無機中空粒子が好ましく、特にシリカ系中空粒子が好ましい。無機中空粒子を構成する無機化合物としては、SiO、Al、B、TiO、ZrO、SnO、Ce、P、Sb、MoO、ZnO、WO、TiO−Al、TiO−ZrO、In−SnO、Sb−SnOなどを例示することができる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
中空粒子は、例えば、特開2001−233611号公報に記載された方法に基づいて製造することができる。また、市販の中空粒子を用いてもよい。また、中空粒子は、後述のシロキサンオリゴマー(B)やアクリレート化合物(C)との結合性を高めるために、中空粒子と界面活性化剤またはカップリング剤とを反応させる方法などによって、中空粒子の表面に水酸基等の親水基やアクリロイル基を導入してもよい。界面活性化剤またはカップリング剤としては、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシランなどの含フッ素有機珪素化合物などが挙げられる。
〔シロキサンオリゴマー(B)〕
本発明に用いる低屈折率層に含まれるシロキサンオリゴマー(B)は、(メタ)アクリロイル基およびフルオロアルキル基を有するシロキサンオリゴマーである。このシロキサンオリゴマー(B)は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物(b−1)と、フルオロアルキル基を有するフッ素化合物(b−2)と、一般式XSiY4−j(式中、Xは置換基を有していてもよい一価の炭化水素基を表し、jは0〜2の整数を表し、jが2の時、Xは同一であっても相異なっていてもよい。Yは加水分解性基を表し、Yは同一であっても相異なっていてもよい)で表される加水分解性基を有するシラン化合物(b−3)との縮合物であることが好ましい。
(b−1)(メタ)アクリロイル基を有する化合物
前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物(b−1)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタアクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリロイル基を有するオルガノシラン類が挙げられる。
前記(メタ)アクリロイル基を有するオルガノシラン類としては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシメチルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシメチルトリメトキシシラン、3−アクリロキシメチルトリエトキシシラン、3−アクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシメチルメチルジエトキシシランなどが例示されるが、これらの中で取り扱い性、架橋密度、反応性などから3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
(b−2)フルオロアルキル基を有するフッ素化合物
前記フルオロアルキル基を有するフッ素化合物(b−2)としては、フルオロアルキル基を有するシラン化合物の、縮合物や、フルオロアルキル基を有する単量体とこれと共重合可能な単量体との共重合体が挙げられる。
前記フルオロアルキル基を有するシラン化合物の縮合物には、ゾル−ゲル反応により容易にシロキサンオリゴマーを形成できる観点から、パーフルオロアルキルアルコキシシランを用いることが好ましい。
前記パーフルオロアルキルアルコキシシランとしては、たとえば、一般式(2):CF(CFCHCHSi(OR’)(式中、R’は、炭素数1〜5個のアルキル基を示し、nは0〜12の整数を示す)で表される化合物があげられる。具体的には、たとえば、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシランなどがあげられる。これらのなかでも前記nが2〜6の化合物が好ましい。これらは、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記フルオロアルキル基を有する単量体としては、テトラフロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン、3,3,3−トリフロロプロピレン等のフロロオレフィン類;パーフロロ(メチルビニルエーテル)、パーフロロ(エチルビニルエーテル)、パーフロロ(プロピルビニルエーテル)、パーフロロ(ブチルビニルエーテル)、パーフロロ(イソブチルビニルエーテル)等のパーフロロ(アルキルビニルエーテル)類;パーフロロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)等のパーフロロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類;その他を挙げることができる。これらは、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記フルオロアルキル基を有する単量体と共重合可能な単量体としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、アリルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物、酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル化合物、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物、スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン等のスチレン化合物、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸化合物、および、これらの誘導体を挙げることができる。
(b−3)一般式XSiY4−jで表される加水分解性基を有するシラン化合物
前記、一般式XSiY4−jで表される加水分解性基を有するシラン化合物(b−3)において、前記Xは置換基を有していてもよい一価の炭化水素基を表す。置換基を有してもよい一価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、4−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の置換基を有してもよいアリール基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロアルキル基;γ−メタクリロキシプロピル基等のアルケニルカルボニルオキシアルキル基;γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基等のエポキシ基を有するアルキル基;γ−メルカプトプロピル基等のメルカプト基を有するアルキル基;3−アミノプロピル基等のアミノ基を有するアルキル基;トリフルオロメチル基等のパーフルオロアルキル基等を挙げることができる。この中でも、合成の容易性、入手可能性等から、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、パーフルオロアルキル基が好ましい。
前記Yは、加水分解性基を示す。加水分解性基は、所望により酸または塩基触媒の存在下に加水分解して、−(O−Si)−O−結合を生じさせる基である。加水分解性基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシル基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基等のアシルオキシ基;オキシム基(−O−N=C−R(R))、エノキシ基(−O−C(R)=C(R)R)、アミノ基、アミノキシ基(−O−N(R)R)、アミド基(−N(R)−C(=O)−R)等を挙げることができる。これらの基において、R、R、Rは、それぞれ独立して水素原子または一価の炭化水素基を表す。これらの中でも、Yとしては、入手容易性等からアルコキシル基が好ましい。
一般式XSiY4−jで表されるシラン化合物(b−3)としては、前記kが0〜2の整数である珪素化合物が好ましい。その具体例としては、アルコキシシラン類、アセトキシシラン類、オキシムシラン類、エノキシシラン類、アミノシラン類、アミノキシシラン類、アミドシラン類等を挙げることができる。これらの中でも、入手容易性等からアルコキシシラン類がより好ましい。
前記jが0であるテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等を例示でき、前記jが1であるオルガノトリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等を例示できる。前記jが2であるジオルガノジアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等を例示できる。
シロキサンオリゴマー(B)の配合量は、特に限定されないが、前記組成物(後述する塗工液)に対して、3〜90重量%であることが好ましく、5〜80重量%であることが好ましく、10〜60重量%であることが好ましい。上記範囲内にあると、前記低屈折率層の屈折率が適度な値となり、十分な反射防止効果が得られ、さらに、前記低屈折率層の耐擦傷性が良好となる。
シロキサンオリゴマー(B)の分子量については特に制限はないが、溶媒としてシクロヘキサンを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したポリスチレン(標準溶液)換算の数平均分子量(Mn)で、5000以上であることが好ましい。
シロキサンオリゴマー(B)を得る方法としては、前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物(b−1)と、前記フルオロアルキル基を有するフッ素化合物(b−2)と、前記シラン化合物(b−3)とを、縮合することにより得ることができる。
その縮合において、各反応成分の比率は特に制限されないが、前記化合物(b−1)/前記化合物(b−2)/前記化合物(b−3)のモル比で、5〜70/30〜70/1〜50モル%となるように配合して縮合することが好ましく、5〜70/30〜70/1〜50モル%となるように配合して縮合することが更に好ましい。さらに、縮合においては、各反応成分をアルコール溶媒(たとえば、メタノール、エタノール等)中で有機酸(たとえば蓚酸等)の存在下で加熱することが好ましい。
〔アクリレート化合物(C)〕
本発明に用いる低屈折率層に含まれるアクリレート化合物(C)は、(メタ)アクリロイル基を有する。
アクリレート化合物(C)は、前記反射防止板の硬度を効果的に高くできる観点から、フッ素原子を含有せず、且つ、(メタ)アクリロイル基を2個以上有することが好ましい。このような化合物としては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートを挙げることができる。これらは、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、アクリレート化合物(C)は、前記低屈折率層の屈折率を効果的に低くできる観点から、フッ素原子を含有してもよい。フッ素原子を含有するアクリレート化合物としては、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロ−1,10−デカンジオール−ジエポキシ(メタ)アクリレートを挙げることができる。これらは、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アクリレート化合物(C)の配合量は、特に限定されないが、前記組成物(後述する塗工液)に対して、5〜90重量%であることが好ましく、10〜80重量%であることが好ましく、15〜60重量%であることが好ましい。上記範囲内にあると、前記低屈折率層の屈折率が適度な値となり、十分な反射防止効果が得られ、さらに、前記低屈折率層の耐擦傷性が良好となる。
本発明に用いる低屈折率層は、前記中空粒子(A)と、前記シロキサンオリゴマー(B)と、前記アクリレート化合物(C)とを含む塗工液(組成物)を、出射側偏光子や高屈折率層等の他の層上に膜状に塗工した後、乾燥させ、電離放射線、及び/又は加熱により硬化させることにより得ることができる。
前記塗工液は、中空粒子(A)、シロキサンオリゴマー(B)、及び、アクリレート化合物(C)を分解させることのない有機溶剤に、前記(A)、(B)、及び(C)を混合して調製すればよい。そのような有機溶剤としては、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ハロゲン化炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;或いはこれらの混合物を挙げることができる。有機溶剤と、前記(A)、(B)、及び(C)との混合割合は特に制限されるものではないが、塗工液において、前記(A)、(B)、及び(C)を合計した濃度が0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%となるように混合することが好ましい。
前記塗工液には、重合開始剤(光ラジカル開始剤や熱ラジカル開始剤)、硬化剤、架橋剤、紫外線遮断剤、紫外線吸収剤、表面調整剤(レベリング剤)、あるいは、その他の成分を含有させても良い。
前記塗工液の塗工方法は特に限定されない。また、硬化方法には、加熱や活性光線照射が挙げられる。乾燥条件、硬化条件は、使用する溶媒の沸点、飽和蒸気圧等の種類により適宜決定できる。特に、塗工される他の層が着色したり、分解したりするのを抑えるために、加熱する場合には、50〜150℃の範囲内の温度で1分〜180分加熱するのが好ましく、75〜105℃の範囲内の温度で5分〜60分加熱することが更に好ましく、また、活性光線を照射する場合は、その照射光には紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、50〜500mJ/cmであることが好ましく、100〜450mJ/cmであることがより好ましく、200〜400mJ/cmであることがさらに好ましい。
≪防汚層≫
本発明に用いる反射防止板では、前記低屈折率層の防汚性を高めるために、前記低屈折率層の上(観察側)にさらに防汚層が形成されてもよい。防汚層の形成材料としては、低屈折率層の機能を阻害せず、防汚層としての要求性能を満たす限り特に制限はない。通常、疎水基を有する化合物を好ましく使用できる。具体的な例としてはパーフルオロアルキルシラン化合物、パーフルオロポリエーテルシラン化合物、フッ素含有シリコーン化合物を使用することができる。防汚層の形成方法は、形成する材料に応じて、例えば、蒸着、スパッタリング等の物理的気相成長法;CVD等の化学的気相成長法;湿式コーティング法;等を用いることができる。防汚層の厚みは特に制限はないが、通常20nm以下が好ましく、1〜10nmであるのがより好ましい。
<液晶表示装置の配置構成>
ここで、本発明の液晶表示装置の構成概要について説明する。
図2、図3、図4および図5は、本発明の液晶表示装置の構成の例を示す説明図である。液晶表示装置は、入射側偏光子1、液晶セル2、光学異方板3、光学異方板4及び出射側偏光子5により構成されている。出射側偏光子5の観察側には、低屈折率層を有する反射防止板を備える。図中の矢印は、偏光子では吸収軸を、液晶セル及び光学異方体では面内の遅相軸を示す。図6及び図7は、従来の液晶表示装置の構成の2例を示す説明図である。
本発明の液晶表示装置は、前記出射側偏光子および前記入射側偏光子から構成される一対の偏光子の間に、少なくとも2枚の前記光学異方板及び前記液晶セルを有する。特に、本発明の液晶表示装置のコントラストを効果的に向上させることができる観点から、該光学異方板は、2枚であることが好ましい。
本発明において、一対の偏光子の間の少なくとも2枚の光学異方板と液晶セルの配列(前記光学積層板(O)の配置構成)に制限はなく、少なくとも2枚の光学異方板に対して任意の位置に液晶セルを配置することができる。例えば、2枚の光学異方板と液晶セルを用いる場合、入射側偏光子から出射側偏光子に向けて、光学異方板−液晶セル−光学異方板、光学異方板−光学異方板−液晶セル又は液晶セル−光学異方板−光学異方板のいずれの配列とすることもできる。
本発明の液晶表示装置は、前記光学異方板の面内の遅相軸が、互いに略平行又は略垂直の位置関係にあることが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、前記光学異方板の面内の遅相軸が、電圧無印加状態の前記液晶セルの液晶の面内の遅相軸と、略平行又は略垂直の位置関係にあることが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、前記光学異方板の面内の遅相軸と、前記出射側偏光子の吸収軸とが、略平行又は略垂直の位置関係にあることが好ましい。加えて、前記光学異方板の面内の遅相軸と、前記入射側偏光子の吸収軸とが、略平行又は略垂直の位置関係にあることが好ましい。
上記のような配置であると、本発明の液晶表示装置のコントラストを効果的に向上させることができる。
本発明において、二つの軸が略平行の位置関係にあるとは、角度を0〜90度で表示したとき、二つの軸がなす角度が0〜3°であることを意味する。本発明において、二つの軸が略垂直の位置関係にあるとは、二つの軸がなす角度が87〜90°であることを意味する。
本発明の液晶表示装置に用いる前記出射側偏光子および前記入射側偏光子は、それぞれの吸収軸が略垂直の位置関係にある。前記入射側偏光子および前記出射側偏光子の二つの軸がなす角度が上記範囲内にあると、表示画面の黒表示品位が向上する。
本発明の液晶表示装置に用いる光学異方板が2枚である場合は、その2枚の光学異方板は、それぞれの面内の遅相軸が略垂直の位置関係にあることが好ましい。上記のような配置であると、前記R40/Rを効率良く1に近づけることができ、本発明の液晶表示装置のコントラストをさらに効果的に向上させることができる。
本発明の液晶表示装置は、前記出射側偏光子の観察側に、前記低屈折率層を備える。好ましくは、前記高屈折率層および前記低屈折率層を、前記出射側偏光子から観察側に向かってこの順に備える(つまり、高屈折率層と、低屈折率層とを、観察側から前記液晶セルに向けて、低屈折率層−高屈折率層−出射側偏光子の配列とすることもできる)。前記低屈折率層を、前記出射側偏光子の観察側に備えることによって、本発明の液晶表示装置のコントラストをさらに効果的に向上させることができる。
本発明の液晶表示装置においては、前記の出射側偏光子、入射側偏光子、光学異方板、液晶セル、及び反射防止板の他に、他のフィルムまたは層を適宜な位置に設けてもよく、例えば、プリズムアレイシート、レンズアレイシート、光拡散板、導光板、拡散シート、輝度向上フィルムなどを、1層又は2層以上配置することができる。本発明の液晶表示装置においては、バックライトを用いるが、バックライトとして、冷陰極管、水銀平面ランプ、発光ダイオード、エレクトロルミネッセンスなどを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例においては、厚さ2.74μm、誘電異方性が正、波長550nmの複屈折率Δn=0.09884、プレチルト角0度のインプレーンスイッチングモードの液晶セルを作製した。
また、実施例及び比較例において、測定及び評価は下記の方法によって行った。
(1)厚さ
光学積層板をエポキシ樹脂に包埋したのち、ミクロトーム[大和光機工業(株)、RUB−2100]を用いて0.05μm厚にスライスし、透過型電子顕微鏡を用いて断面を観察し、測定する。光学積層板については、各層ごとに測定する。
(2)光学異方板の主屈折率
自動複屈折計[王子計測器(株)、KOBRA−21]を用いて、温度20℃±2℃、湿度60±5%の条件下で、波長550nmの光によって、面内の遅相軸方向の屈折率n、面内の遅相軸方向と面内で垂直な方向の屈折率n、厚さ方向の屈折率nを測定する。
(3)レターデーション
高速分光エリプソメーター[J.A.Woollam社、M−2000U]を用いて、温度20℃±2℃、湿度60±5%の条件下で、R及びR40を測定する。
(4)視野角特性
液晶表示装置のディスプレイの画面の背景を黒表示にした状態で、その画面に白色文字を表示させて、正面方向と極角80度以内の斜め方向からの画面の表示を目視観察する。
○:白色文字が読み取れる
×:文字が読み取れない
(5)コントラスト比
液晶表示装置を500ルクスの環境に設置し、液晶セルに55Hzの矩形波電圧(白表示6V、黒表示0V)を印加した場合における、表示画面の正面方向の輝度を、色彩輝度計(トプコン社製、色彩輝度計BM−7)を用いて測定する。そして、白表示時の輝度と黒表示時の輝度との比(=白表示の輝度/黒表示の輝度)を計算し、これをコントラスト(CR)とする。コントラスト(CR)が大きいほど、視認性に優れる。
(6)反射率
分光光度計[日本分光(株)、紫外可視近赤外分光光度計V−570]を用い、入射角5度で反射スペクトルを測定し、波長550nmの光における反射率を求める。
(7)低屈折率層及び高屈折率層の屈折率
高速分光エリプソメーター[J.A.Woollam社、M−2000U]を用い、温度20℃±2℃、湿度60±5%の条件下で、入射角度をそれぞれ55、60、65度として測定した場合の、波長領域400〜1000nmのスペクトルから算出する。
(8)耐擦傷性
反射防止板の表面にスチールウール#0000を接触させた状態で、スチールウールを反射防止板の表面で10往復させ(この際、スチールウールには、荷重0.025MPaを継続的にかける)、試験後の表面状態を目視で観察する。
○:傷が認められない
△:わずかに傷が見られる
×:傷が認められる
(9)視認性
液晶表示装置のディスプレイの画面を黒表示にした状態で、その画面の表示を目視観察し、以下の3段階評価を行う。
○:グレアや映り込みが見られない
△:グレアや映り込みが少し見られる
×:グレアや映り込みが見られる
(10)広帯域性
液晶表示装置を明るさ100ルクスの環境に設置し、反射色を目視観察する。
○:反射色が黒
×:反射色が青
(11)数平均分子量および重量平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフ[東ソー(株)、HLC8020]を用い、標準溶液で検量線を作成し、その換算値として測定する。
(12)防汚性
反射防止板表面にマジックインク(商品名:マッキー、ZEBRA社製)を付着させてから、セルロール製不織布(商品名:ベンコットM−3、旭化成社製)で拭き取ったときの状態を目視判定する。
○:完全に拭き取ることが出来る
×:拭き取り跡が残る
(製造例1)(光学異方板A1の作製)
ノルボルネン系重合体[ガラス転移温度105℃]からなる[1]層、スチレン−無水マレイン酸共重合体[ガラス転移温度130℃、オリゴマー含有量3重量%]からなる[2]層及び変性エチレン−酢酸ビニル共重合体[ビカット軟化点80℃]からなる[3]層を有し、[1]層(33μm)−[3]層(8μm)−[2]層(65μm)−[3]層(8μm)−[1]層(33μm)の構成の未延伸積層フィルムa1を共押出成形により得た。得られた未延伸積層フィルムa1を、温度135℃、倍率1.5倍、延伸速度12%/minでテンターにより横一軸延伸して、遅相軸がフィルム長手方向にある長尺の光学異方板A1を得た。
得られた光学異方板A1は、主屈折率n=1.57024、n=1.56927、n=1.57048であり、厚さd=98μmであった。
(製造例2)(光学異方板B1の作製)
ノルボルネン系重合体[ガラス転移温度105℃]からなる[1]層、スチレン−無水マレイン酸共重合体[ガラス転移温度130℃、オリゴマー含有量3重量%]からなる[2]層及び変性エチレン−酢酸ビニル共重合体[ビカット軟化点55℃]からなる[3]層を有し、[1]層(38μm)−[3]層(10μm)−[2]層(76μm)−[3]層(10μm)−[1]層(38μm)の構成の未延伸積層フィルムb1を共押出成形により得た。得られた未延伸積層フィルムb1を、温度134℃、倍率1.7倍、延伸速度12%/minでテンターにより横一軸延伸して、遅相軸がフィルム長手方向にある長尺の光学異方板B1を得た。
得られた光学異方板B1は、主屈折率n=1.57041、n=1.56878、n=1.57082であり、厚さd=101μmであった。
(製造例3)(光学異方板C1の作製)
化学式[6]で表される構造を有する変性ポリビニルアルコールを、メタノールとアセトンの混合溶媒(容量比50:50)に溶解して、濃度5重量%の溶液を調製した。この溶液を、バーコーターを用いて縦40cm、横30cmの光学等方性透明ガラス基板上に厚さ約1μmで塗布し、60℃の温風で2分間乾燥し、その表面をラビング処理して垂直配向膜を形成した。
形成した垂直配向膜の上に、化学式[7]で表される構造を有するディスコティック液晶分子32.6重量%、セルロースアセテートブチレート0.7重量%、変性トリメチロールプロパントリアクリレート3.2重量%、増感剤0.4重量%、光重合開始剤1.1重量%及びメチルエチルケトン62.0重量%からなる塗布液を塗布し、ディスコティック液晶分子をホモジニアス配向させた。次いで、500W/cmの照度の水銀ランプで紫外線を1秒間照射して重合させ、光学異方板C1を得た。ディスコティック液晶分子は、光学等方性透明ガラス基板の横方向に遅相軸を有するようにホモジニアス配向をしていた。
得られた光学異方板C1は、主屈折率n=1.63353、n=1.53293、n=1.63353であり、厚さd=4μmであった。
Figure 2007041045
Figure 2007041045
(製造例4)(光学異方板D1の作製)
ノルボルネン系重合体[ガラス転移温度136℃]からなる厚さ100μmの長尺の未延伸フィルムを、押出成形により得た。
化学式[6]で表される構造を有する変性ポリビニルアルコールを、メタノールとアセトンの混合溶媒(容量比50:50)に溶解して、濃度5重量%の溶液を調製した。この溶液を、上記の未延伸フィルムに厚さ約1μmで塗布し、60℃の温風で2分間乾燥し、その表面をラビング処理して垂直配向膜を形成した。
形成した垂直配向膜の上に、化学式[8]で表される構造を有するディスコティック液晶分子22.3重量%、セルロースアセテートブチレート0.7重量%、変性トリメチロールプロパントリアクリレート3.2重量%、増感剤0.4重量%、光重合開始剤1.1重量%及びメチルエチルケトン72.3重量%からなる塗布液を塗布し、ディスコティック液晶分子をホモジニアス配向させた。次いで、500W/cmの照度の水銀ランプで紫外線を1秒間照射して重合させ、光学異方板D1を得た。ディスコティック液晶分子は、光学異方板D1の長手方向に遅相軸を有するようにホモジニアス配向をしていた。
得られた光学異方板D1は、主屈折率n=1.60497、n=1.59006、n=1.60497であり、厚さd=4μmであった。
Figure 2007041045
(製造例5)(光学異方板E1の作製)
スチレン−ブタジエン(重量比20:80)共重合体10重量部に、スチレン−アクリロニトリル−α−メチルスチレン(重量比60:20:20)混合物90重量部をグラフト共重合したスチレン系ポリマー170重量部を、塩化メチレン830重量部に溶解した。この溶液を、乾燥膜厚が96μmになるようにガラス板上に流延し、45℃の温風で20分間乾燥させたのち、得られたフィルムをガラス板から剥がして枠に張り付け、70℃で1時間、さらに110℃で15時間乾燥させた。次いで、温度115℃で、延伸倍率1.9倍で、引張試験機(ストログラフ)を用いて縦一軸延伸を行い、光学異方板E1を得た。
得られた光学異方板E1は、主屈折率n=1.55058、n=1.54884、n=1.55058であり、厚さd=70μmであった。
(製造例6)(高屈折率層形成用組成物H1の調製)
6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(商品名:NKオリゴ U−6HA、新中村化学社製)30部、ブチルアクリレート40部、イソボロニルメタクリレート(商品名:NK エステル IB、新中村化学社製)30部、スチレンビーズ(粒径3.5μm)5部、2,2−ジフェニルエタン−1−オン10部をホモジナイザーで混合し、五酸化アンチモン微粒子の40重量%MIBK溶液(平均粒子径20nm:水酸基がパイロクロア構造の表面に現われているアンチモン原子に1つの割合で結合している。)を、五酸化アンチモン微粒子の重量が高屈折率層形成用塗工液全固形分の50重量%占める割合で混合して、高屈折率層形成用組成物H1を調製した。
(製造例7)(低屈折率層形成用組成物L1の調整)
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコにエタノール200部を投入し、撹拌下にこのエタノールに蓚酸120部を少しずつ添加することにより、蓚酸のエタノール溶液を調製した。次いでこの溶液をその還流温度まで加熱し、還流下のこの溶液中に、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(化合物(b−1))50部、ヘプタデカフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン(化合物(b−2))50部、テトラメトキシシラン(化合物(b−3))10部の混合物を滴下した。滴下終了後も、還流下で加熱を5時間続けた後冷却した。
次に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(アクリレート化合物(C))20部と2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(重合開始剤)5部を攪拌混合しながら滴下した。滴下終了後も、還流下に加熱を5時間続けた後冷却した。
次に、中空シリカイソプロパノール分散ゾル(触媒化成工業社製、固形分20重量%、平均一次粒子径約35nm、外殻厚み約8nm)(中空粒子(A))を、中空粒子の割合が固形分基準で70重量%になるように添加し、メタノールにて固形分が1重量%になるように希釈することにより低屈折率層形成用組成物L1を調製した。
(製造例8)(低屈折率層形成用組成物L2の調整)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの代わりに、フッ素を含有のアクリレート化合物である3−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート(アクリレート化合物(C))20部を用いた以外は、製造例7と同様にして低屈折率層形成用組成物L2を調製した。
(製造例9)(低屈折率層形成用組成物L3の調整)
ヘプタデカフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン50部の代わりに、フルオロアルキル基を有しないシロキサンオリゴマーであるテトラメトキシシラン60部を用いた以外は、製造例7と同様にして低屈折率層形成用組成物L3を調製した。
(製造例10)(低屈折率層形成用組成物L4の調整)
テトラメトキシシラン152部にメタノール412部を加え、さらに水18部及び0.01Nの塩酸18部を混合し、これを、ディスパーを用いてよく混合した。この混合液を25℃恒温槽中で2時間攪拌して、重量平均分子量を850に調整することにより、シリコーンレジンを得た。次に、このシリコーンレジン溶液に、非中空粒子であるシリカメタノールゾル(日産化学工業社製、PMA−ST、平均粒子径10〜20nm)を、固形分基準で重量比が、シリカメタノールゾル/シリコーンレジン(縮合化合物換算)=80/20となるように添加し、さらに全固形分が3%になるようにメタノールで希釈し、低屈折率層形成用組成物L4を調製した。
(製造例11)(偏光子p0の作製)
厚さ85μmのポリビニルアルコールフィルム[(株)クラレ、ビニロン#8500]を2.5倍延伸し、ヨウ素0.2g/Lとヨウ化カリウム60g/Lを含む水溶液中に30℃にて240秒浸漬し、次いでホウ酸70g/Lとヨウ化カリウム30g/Lを含む水溶液に浸漬し、その状態で6.0倍に一軸延伸して5分間保持した。最後に、室温で24時間乾燥し、平均厚さ30μmで、偏光度99.5%の偏光子p0を得た。
(製造例12)(偏光子の保護フィルムz1の作製)
トリアセチルセルロース(TAC)フィルム[コニカミノルタ(株)、KC8UX2M]の一方の面に、1.5モル/Lの水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を25mL/m塗布し、25℃で5秒間乾燥した。次いで、流水で10秒洗浄し、25℃の空気を吹き付けることによりフィルムの表面を乾燥した。このようにして、TACフィルムの一方の表面のみをケン化し、保護フィルムz1を得た。
(製造例13)(偏光子の保護フィルムz2の作製)
製造例12で得られた保護フィルムz1の、ケン化していない方の面に対して、高周波発信機[春日電機(株)、高周波電源AGI−024、出力0.8kW]を用いてコロナ放電処理を行い、表面張力が0.055N/mである保護フィルムz2を得た。
(製造例14)(偏光子の保護フィルムz3の作製)
ノルボルネン系重合体[ガラス転移温度136℃]からなる厚さ100μmの長尺の未延伸フィルムを、押出成形により得た。得られた未延伸フィルムの両面に、高周波発信機[春日電機(株)、高周波電源AGI−024、出力0.8KW]を用いてコロナ放電処理を行い、表面張力が0.072N/mである保護フィルムz3を得た。
(実施例1)(液晶表示装置1の作製)
〔出射側偏光子P1〕
製造例13で得られた保護フィルムz2のコロナ放電処理をした方の面に、ダイコーターを用いて、製造例6で得られた高屈折率層形成用組成物H1を塗工し、80℃の乾燥炉の中で5分間乾燥させて被膜を得た。その後、紫外線を照射(積算照射量300mJ/cm)して、厚さ5μmの高屈折率層を形成し、保護フィルムz4を得た。高屈折率層の屈折率は1.62であった。
さらに、保護フィルムz4の高屈折率層側に、ワイヤーバーコーターを用いて、製造例7で得られた低屈折率層形成用組成物L1を塗工し、1時間放置して乾燥させ、得られた被膜を120℃で10分間、酸素雰囲気下で加熱し、厚さ100nmの低屈折率層を積層し、保護フィルムz5を得た。
さらに、得られた保護フィルムz5のケン化処理した面と、製造例11で得られた偏光子p0の片面とが向かい合うように、ポリビニルアルコール系接着剤を介して、ロールトゥーロール法により、それらを貼り合わせて、出射側偏光子P1を得た。鉛筆硬度は2Hであった。
〔入射側偏光子P’1〕
製造例12で得られた保護フィルムz1のケン化処理した面と、製造例11で得られた偏光子p0の片面とが向かい合うように、ポリビニルアルコール系接着剤を介して、ロールトゥーロール法により、それらを貼り合わせて、入射側偏光子P’1を得た。
〔液晶表示装置1〕
製造例2で得られた光学異方板B1と液晶セル及び製造例1で得られた光学異方板A1を、光学異方板B1の遅相軸と液晶セルの電圧無印加時の遅相軸とが垂直、液晶セルの電圧無印加時の遅相軸と光学異方板A1の遅相軸とが平行になるように、この順に積層して、光学積層板(O1)を作製した。
次いで、実施例1で得られた入射側偏光子P’1を、入射側偏光子P’1の吸収軸と光学異方板B1の遅相軸とが平行になり、かつ保護フィルムz1が積層されていない面が光学異方板1と接するように光学積層板(O1)と積層した。
さらに、実施例1で得られた出射側偏光子P1を、出射側偏光子P1の吸収軸と光学異方板A1の遅相軸とが平行になり、かつ出射側偏光子P2の低屈折率層が積層されていない面が光学異方板A1と接するように光学積層板(O1)と積層して、液晶表示装置1を作製した。この際、出射側偏光子が液晶表示装置の観察側になるようにした。
得られた液晶表示装置1の表示特性を目視で評価すると、正面から見た場合も、極角80度以内の斜め方向から見た場合も、表示画面は良好かつ均質であった。評価結果を第1表に示す。
(実施例2)(液晶表示装置2の作製)
〔出射側偏光子P2〕
製造例7で得られた低屈折率層形成用組成物L1の代わりに、製造例8で得られた低屈折率層形成用組成物L2を用いた以外は、実施例1と同様にして、出射側偏光子P2を得た。
〔液晶表示装置2〕
そして、実施例1で得られた出射側偏光子P1の代わりに、出射側偏光子P2を用いた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置2を作製した。
得られた液晶表示装置2の表示特性を目視で評価すると、正面から見た場合も、極角80度以内の斜め方向から見た場合も、表示画面は良好かつ均質であった。評価結果を第1表に示す。
(実施例3)(液晶表示装置3の作製)
〔出射側偏光子P3〕
製造例14で得られた保護フィルムz3の一方の面に、ダイコーターを用いて、製造例6で得られた高屈折率層形成用組成物H1を塗工し、80℃の乾燥炉の中で5分間乾燥させて被膜を得た。その後、紫外線を照射(積算照射量300mJ/cm)して、厚さ5μmの高屈折率層を形成し、保護フィルムz6を得た。
次いで、保護フィルムz6の高屈折率層側に、製造例7で得られた低屈折率層形成用組成物L1を、ワイヤーバーコーターを用いて塗工し、1時間放置して乾燥させ、得られた被膜を120℃で10分間、酸素雰囲気下で加熱し、厚さ100nmの低屈折率層を形成し、保護フィルムz7を得た。
さらに、得られた保護フィルムz7の低屈折率層が積層されていない側の面と、製造例11で得られた偏光子p0の片面とが向かい合うように、アクリル系接着剤を介して、ロールトゥーロール法により、それらを貼り合わせて、出射側偏光子P3を得た。鉛筆硬度はHであった。
〔液晶表示装置3〕
そして、実施例1で得られた出射側偏光子P1の代わりに、出射側偏光子P3を用いた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置3を作製した。
得られた液晶表示装置3の表示特性を目視で評価すると、正面から見た場合も、極角80度以内の斜め方向から見た場合も、表示画面は良好かつ均質であった。評価結果を第1表に示す。
(実施例4)(液晶表示装置4の作製)
〔液晶表示装置4〕
製造例4で得られた光学異方板D1、製造例3で得られた光学異方板C1及び液晶セルを、光学異方板D1の遅相軸と光学異方板C1の遅相軸とが垂直、光学異方板C1の遅相軸と液晶セルの電圧無印加時の遅相軸とが平行になるように、この順に積層して、光学積層板(O4)を作製した。
次いで、実施例1で得られた入射側偏光子P’1を、入射側偏光子P’1の吸収軸と光学異方板D1の遅相軸とが平行になり、かつ保護フィルムz1が積層されていない面が光学異方板D1と接するように光学積層板(O4)と積層した。
さらに、実施例1で得られた出射側偏光子P1を、出射側偏光子P1の吸収軸と光学異方板C1の遅相軸とが平行になり、かつ出射側偏光子P1の低屈折率層が積層されていない面が光学異方板C1と接するように光学積層板(O4)と積層して、液晶表示装置4を作製した。この際、出射側偏光子が液晶表示装置の観察側になるようにした。
得られた液晶表示装置4の表示特性を目視で評価すると、正面から見た場合も、極角80度以内の斜め方向から見た場合も、表示画面は良好かつ均質であった。評価結果を第1表に示す。
(実施例5)(液晶表示装置5の作製)
〔液晶表示装置5〕
実施例1で得られた出射側偏光子P1の代わりに、実施例3で得られた出射側偏光子P3を用いた以外は、実施例4と同様にして、液晶表示装置5を作製した。
得られた液晶表示装置5の表示特性を目視で評価すると、正面から見た場合も、極角80度以内の斜め方向から見た場合も、表示画面は良好かつ均質であった。評価結果を第1表に示す。
(比較例1)(液晶表示装置6の作製)
〔液晶表示装置6〕
製造例5で得られた光学異方板E1及び液晶セルを、光学異方板E1の遅相軸と液晶セルの電圧無印加時の遅相軸とが平行になるように積層して、光学積層板(O6)を作製した。
次いで、実施例1で得られた入射側偏光子P’1を、入射側偏光子P’1の吸収軸と液晶セルの電圧無印加時の遅相軸とが平行になり、かつ保護フィルムz1が積層されていない面が液晶セルと接するように光学積層板(O6)と積層した。
さらに、実施例1で得られた出射側偏光子P1を、出射側偏光子P1の吸収軸と光学異方板E1の遅相軸とが平行になり、かつ出射側偏光子P2の低屈折率層が積層されていない面が光学異方板E1と接するように光学積層板(O6)と積層して、液晶表示装置6を作製した。
得られた液晶表示装置6の表示特性を目視で評価すると、正面から見た場合は表示は良好であったが、方位角45度の斜め方向から見た場合は、黒表示品位が悪く、コントラストが低かった。得られた液晶表示装置6の評価結果を、第1表に示す。
(比較例2)(液晶表示装置7の作製)
〔液晶表示装置7〕
製造例5で得られた1番目の光学異方板E1、液晶セル、及び、2番目の光学異方板E1を、1番目の光学異方板E1の遅相軸と液晶セルの電圧無印加時の遅相軸とが垂直になるように、2番目の光学異方板E1の遅相軸と液晶セルの電圧無印加時の遅相軸とが垂直になるように、この順に積層して、光学積層板(O7)を作製した。
次いで、実施例1で得られた入射側偏光子P’1を、入射側偏光子P’1の吸収軸と液晶セルの電圧無印加時の遅相軸とが平行になり、かつ保護フィルムz1が積層されていない面が2番目の光学異方板E1と接するように光学積層板(O7)と積層した。
さらに、実施例1で得られた出射側偏光子P1を、1番目の光学異方板E1の遅相軸と出射側偏光子P1の吸収軸とが平行になり、かつ出射側偏光子P2の低屈折率層が積層されていない面が1番目の光学異方板E1と接するように光学積層板(O7)と積層して、液晶表示装置7を作製した。
得られた液晶表示装置7の表示特性を目視で評価すると、正面から見た場合は表示は良好であったが、方位角45度の斜め方向から見た場合は、黒表示品位が悪く、コントラストが低かった。得られた液晶表示装置7の評価結果を、第1表に示す。
(比較例3)(液晶表示装置8の作製)
〔出射側偏光子P8〕
製造例7で得られた低屈折率層形成用組成物L1の代わりに、製造例9で得られた低屈折率層形成用組成物L3を用いた以外は、実施例1と同様にして、出射側偏光子P8を得た。鉛筆硬度は2Hであった。なお、低屈折率層の屈折率は1.41であった。
〔液晶表示装置8〕
そして、実施例1で得られた出射側偏光子P1の代わりに、出射側偏光子P8を用いた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置8を作製した。
得られた液晶表示装置8の表示特性を目視で評価すると、500ルクス以上の環境下では、画面上に映り込みが見られ、黒表示品位が悪くコントラストが低かった。得られた液晶表示装置8の評価結果を、第1表に示す。
(比較例4)(液晶表示装置9の作製)
〔出射側偏光子P9〕
製造例7で得られた低屈折率層形成用組成物L1の代わりに、製造例10で得られた低屈折率層形成用組成物L4を用いた以外は、実施例1と同様にして、出射側偏光子P9を得た。鉛筆硬度は2Hであった。なお、低屈折率層の屈折率は1.43であった。
〔液晶表示装置8〕
そして、実施例1で得られた出射側偏光子P1の代わりに、上記出射側偏光子P9を用いた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置9を作製した。
得られた液晶表示装置9の表示特性を目視で評価すると、500ルクス以上の環境下では、画面上に映り込みが見られ、黒表示品位が悪くコントラストが低かった。得られた液晶表示装置9の評価結果を、第1表に示す。
Figure 2007041045
レターデーションR40の測定方法の説明図である。 本発明の液晶表示装置の一態様の説明図である。 本発明の液晶表示装置の他の態様の説明図である。 本発明の液晶表示装置の他の態様の説明図である。 本発明の液晶表示装置の他の態様の説明図である。 従来の液晶表示装置の一態様の説明図である。 従来の液晶表示装置の他の態様の説明図である。
符号の説明
1 入射側偏光子
2 液晶セル
3 光学異方板
4 光学異方板
5 出射側偏光子

Claims (5)

  1. それぞれの吸収軸が互いに略垂直の位置関係にある出射側偏光子及び入射側偏光子から構成される一対の偏光子の間に、k枚(kは2以上の整数)の光学異方板及び液晶セルを有するインプレーンスイッチングモードの液晶表示装置であって、
    前記光学異方板の番号をi、i番目の光学異方板の面内の主屈折率をnix、niy(ただし、nix>niyである。)、厚さ方向の主屈折率をnizとしたとき、
    (Σnix+Σniy)/2 ≦ Σniz
    の関係を満たし(ここで、Σは、i=1〜kの総和を表す)、
    前記光学異方板と前記液晶セルとを積層してなる光学積層板(O)において、波長550nmの光が垂直入射したときのレターデーションをR、波長550nmの光が法線から主軸方向へ40度傾いた角度で入射したときのレターデーションをR40としたとき、
    0.90 < R40/R< 1.10
    の関係を満たし、且つ、
    前記出射側偏光子の観察側に反射防止板を備え、
    前記反射防止板が、
    粒径が5〜2000nmの中空粒子(A)、
    (メタ)アクリロイル基およびフルオロアルキル基を有するシロキサンオリゴマー(B)、及び、
    (メタ)アクリロイル基を有するアクリレート化合物(C)
    を含む組成物の硬化膜からなる低屈折率層を有することを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記低屈折率層の屈折率が1.40以下であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 前記光学異方板の少なくとも1枚が、固有複屈折が負である樹脂を含む層である請求項1または2記載の液晶表示装置。
  4. 前記光学異方板の少なくとも1枚が、ディスコティック液晶分子またはライオトロピック液晶分子を含む層である請求項1または2記載の液晶表示装置。
  5. 前記光学異方板の少なくとも1枚が、光異性化物質を含む層である請求項1または2記載の液晶表示装置。
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