JP2006184302A - 液晶表示装置 - Google Patents

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健之 山木
Hiroshi Yokogawa
弘 横川
Hikari Tsujimoto
光 辻本
Ryozo Fukuzaki
僚三 福崎
Masanori Yoshihara
眞紀 吉原
Tetsuya Toyoshima
哲也 豊嶋
Kohei Arakawa
公平 荒川
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Abstract

【課題】強い外光下においても防眩性に優れ、高いコントラスト比を有し、視認性に優れ、耐擦傷性にも優れたOCBモードの液晶表示装置を提供する。
【解決手段】OCBモードの液晶セル、該液晶セルを挟む上下一対の出射側偏光子及び入射側偏光子、該偏光子のいずれかと前記液晶セルとの間に備えられた少なくとも1枚の光学補償板、及び、出射側偏光子の液晶セルから遠い方側に設けられた反射防止層を有し、該反射防止層が、中空微粒子又は多孔質微粒子を含むシリコーン硬化被膜からなる屈折率1.37以下の低屈折率層を有し、該光学補償板が、面内レターデーションReを有し、厚さ方向の平均屈折率が面内の平均屈折率よりも小さく、厚さ方向で屈折率が変化するものであることを特徴とする液晶表示装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、強い外光下においても防眩性に優れ、高いコントラスト比を有し、視認性に優れたOCBモードの液晶表示装置に関する。
OCB(Optically Compensated Birefringence)モードの液晶表示装置は、ネマチック液晶のベンド配向を利用する表示装置であり、液晶分子配列が厚さ方向で対称となる構造を有するために、光学補償を配向状態で達成している。OCBモードの液晶表示装置は、応答速度が速く、動画に対応し得るという特徴を有し、さらに理想的な補償手段が得られれば、従来の液晶表示装置よりも広い視野角が得られる可能性を秘めている。このような特性から、OCBモードの液晶表示装置は、高性能の表示装置として将来性が期待されている。
OCBモードの液晶表示装置は、色補償と視野角補償を行う補償板が必要である。OCBモードの液晶セルは、ベンド配向の程度差により白黒表示あるいはその中間調を表示する方式であるが、いずれの状態であっても正面から見たとき、レターデーションが生ずるために、このままでは光の遮光を行うことができず十分なコントラスト比が得られない。そのために、黒表示のためには、黒表示時における液晶セルが有する面内のレターデーションを相殺することができる色補償板が必要となる。
また、OCBモードの液晶表示装置は、異方性を有する液晶材料や偏光板を使用するために、正面から見た場合には良好な表示が得られても、斜めから見ると表示性能が低下するという視野角の問題があり、性能向上のためにも視野角補償板が必要となる。OCBモードの液晶セルでは、ベンド配向を安定に保つために、液晶分子のダイレクター(光軸)は電極基板に対して、平均的には大きな角度をなしている必要があり、平均的な屈折率分布はセルの厚さ方向で大きく、面内方向でより小さいものとなっている。そのために、補償板としては、この異方性を相殺できるもので、膜厚方向の屈折率が面内方向の屈折率よりも小さい負の一軸性構造を有するものが有効である。
このような観点から、色補償及び視野角補償を同時に行うことが可能な補償板として、面内にレターデーションを有し、厚さ方向の屈折率が面内の屈折率より小さい二軸性の延伸フィルムの使用が提案されている。二軸性の延伸フィルムは、斜めから見る方位によっては、十分な補償が達成されない場合がある。これは、セル中の液晶のダイレクターが、膜厚方向で連続的に変化しているために、斜めに進む光に対して旋光分散が生ずるためである。一方、二軸性の延伸フィルムは、厚さ方向での屈折率の変化がないために、旋光分散の影響を打ち消すことができない。
したがって、OCBモードの液晶表示装置に対して、十分な色補償と視野角補償を同時に行うためには、面内のレターデーションを有することと、厚さ方向の屈折率が面内の屈折率よりも小さいという条件の他に、厚さ方向で屈折率が連続的に変化するという要件を満たさなければならないと考えられる。
このような色補償及び視野角補償を同時に行う光学補償板として、ディスコティック液晶性材料からなり、ディスコティック液晶の配向形態を固定化した液晶性光学フィルムであって、その配向形態がディスコティック液晶のダイレクターがフィルムの一方の面においては、フィルム平面と60度以上90度以下の角度をなし、フィルムの他方の面においては、0度以上50度以下の角度をなすハイブリッド配向になっている液晶表示素子用補償フィルムが提案されている(特許文献1)。
また、透明支持体及びその上に設けられたディスコティック構造単位を有する化合物からなる光学異方層からなり、該光学異方層のディスコティック構造単位の円盤面が、透明支持体面に対して傾いており、かつ該ディスコティック構造単位の円盤面と透明支持体面とのなす角度が、光学異方層の深さ方向において変化し、透明支持体が、該透明支持体面の法線方向に光軸を有し、さらに下記の条件:20≦{(nx +ny )/2−nz }×d2≦400(ただし、nx 及びny は支持体の面内の主屈折率を表わし、nz は厚さ方向の主屈折率を表わし、d2は支持体のnm換算の厚さを表わす)を満足する光学補償シートが提案されている(特許文献2)。
一方、表示画面における光の反射を防止する方法として、防眩処理ないし反射防止処理が知られている。例えば、低屈折率の金属酸化物と高屈折率の金属酸化物とを、気相法によって幾重にも積層する反射防止処理が知られている。しかし、この反射防止処理を施したものは、反射光の色見が青紫色に着色することがある。また、気相法での作製は、真空装置などの大きな設備を必要とするために生産性が低く、大画面の表示画面を大量に生産するのには適していない。また、凹凸形状を形成することによる防眩処理が知られているが、後方への光散乱が発生し、この散乱がコントラスト比を低くする。
特開平8−327822号公報 特開平9−197397号公報
本発明は、強い外光下においても防眩性に優れ、高いコントラスト比を有し、視認性に優れ、耐擦傷性にも優れたOCBモードの液晶表示装置を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、OCBモードの液晶セル、該液晶セルを挟む上下一対の出射側偏光子及び入射側偏光子、該偏光子のいずれかと前記液晶セルとの間に備えられた少なくとも1枚の光学補償板、及び、出射側偏光子の液晶セルから遠い方側に設けられた反射防止層を有する液晶表示装置において、該反射防止層が、中空微粒子又は多孔質微粒子を含むシリコーン硬化被膜からなる屈折率1.37以下の低屈折率層を有し、該光学補償板が、面内レターデーションReを有し、厚さ方向の平均屈折率が面内の平均屈折率よりも小さく、厚さ方向で屈折率が変化するものである液晶表示装置は、強い外光下においても防眩性に優れ、高いコントラスト比を有し、視認性に優れ、耐擦傷性にも優れることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)OCBモードの液晶セル、該液晶セルを挟む上下一対の出射側偏光子及び入射側偏光子、該偏光子のいずれかと前記液晶セルとの間に備えられた少なくとも1枚の光学補償板、及び、出射側偏光子の液晶セルから遠い方側に設けられた反射防止層を有し、該反射防止層が、中空微粒子又は多孔質微粒子を含むシリコーン硬化被膜からなる屈折率1.37以下の低屈折率層を有し、該光学補償板が、面内レターデーションReを有し、厚さ方向の平均屈折率が面内の平均屈折率よりも小さく、厚さ方向で屈折率が変化するものであることを特徴とする液晶表示装置、
(2)低屈折率層が、中空微粒子又は多孔質微粒子と、下記(A)の加水分解物と下記(B)の共重合加水分解物の少なくとも一方と、下記(C)の加水分解性オルガノシランとを含有してなるコーティング材組成物の硬化被膜である(1)に記載の液晶表示装置、
(A)一般式[1]で表わされる加水分解性オルガノシランを加水分解して得られる加水分解物、
SiX4 …[1]
(ただし、式中、Xは加水分解基である。)
(B)一般式[1]で表される加水分解性オルガノシランと、フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランとの共重合加水分解物、
(C)撥水基を直鎖部に備えるとともに、アルコキシル基が結合したケイ素原子を分子内に2個以上有する加水分解性オルガノシラン、
(3)加水分解性オルガノシラン(C)の撥水基が、一般式[2]又は一般式[3]で示される構造を有する(2)に記載の液晶表示装置、
Figure 2006184302
(ただし、式中、R1及びR2はアルキル基であり、nは2〜200の整数である。)
−(CF2)m− …[3]
(ただし、式中、mは2〜20の整数である。)、
(4)低屈折率層が、中空微粒子又は多孔質微粒子と、下記(A)の加水分解物と下記(B)の共重合加水分解物の少なくとも一方と、下記(D)のシリコーンジオールとを含有してなるコーティング材組成物の硬化被膜である(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の液晶表示装置、
(A)一般式[1]で表わされる加水分解性オルガノシランを加水分解して得られる加水分解物、
SiX4 …[1]
(ただし、式中、Xは加水分解基である。)
(B)一般式[1]で表される加水分解性オルガノシランと、フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランとの共重合加水分解物、
(D)一般式[4]で表わされるジメチル型のシリコーンジオール。
Figure 2006184302
(ただし、式中、pは正の整数である。)、
(5)pが、20〜100の整数である(4)に記載の液晶表示装置、
(6)低屈折率層が、下記(A)の加水分解物と中空微粒子又は多孔質微粒子とを混合した状態で下記(A)の加水分解物を加水分解した再加水分解物と、下記(B)の共重合加水分解物とを含有してなるコーティング材組成物の硬化被膜である(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の液晶表示装置、
(A)一般式[1]で表わされる加水分解性オルガノシランを加水分解して得られる加水分解物、
SiX4 …[1]
(ただし、式中、Xは加水分解基である。)
(B)一般式[1]で表される加水分解性オルガノシランと、フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランとの共重合加水分解物、
(7)低屈折率層を形成するコーティング材組成物が、アルコキシシランを溶媒、水及び加水分解重合触媒とともに混合して加水分解重合させたのち、溶媒を除去して得られた多孔質粒子、又は、アルコキシシランを溶媒、水及び加水分解重合触媒とともに混合して加水分解重合させ、ゲル化前に重合を停止することにより安定化させたオルガノシリカゾルから溶媒を除去して得られた凝集平均粒子径10〜100nmの多孔質粒子の少なくとも一方を含有する(2)ないし(6)のいずれか1項に記載の液晶表示装置、
(8)(A)一般式[1]で表わされる加水分解性オルガノシランを加水分解して得られる加水分解物が、一般式[1]で表される加水分解性オルガノシランを、モル比[H2O]/[X]が1.0〜5.0となる量の水及び酸触媒の存在下で加水分解して得られる重量平均分子量2,000以上の部分加水分解物又は完全加水分解物である(2)ないし(7)のいずれか1項に記載の液晶表示装置、
(9)光学補償板が、ディスコティック液晶の配向形態を固定した液晶性光学フィルムである(1)ないし(8)のいずれか1項に記載の液晶表示装置、
(10)配向形態が、ディスコティック液晶のダイレクターが厚さ方向で変化するものである(9)に記載の液晶表示装置、
(11)反射防止層が、さらに屈折率1.55以上のハードコート層を有する(1)ないし(10)のいずれか1項に記載の液晶表示装置、
(12)ハードコート層が、無機酸化物粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂を含んでなるものである(11)に記載の液晶表示装置、及び、
(13)反射防止層の表面における入射角5度の反射率が、波長430〜700nmで1.4%以下であり、波長550nmで0.7%以下である(1)ないし(12)のいずれか1項に記載の液晶表示装置、
を提供するものである。
本発明の液晶表示装置は、偏光子とOCBモードの液晶セルとの間に少なくとも1枚の光学補償板が設けられ、この光学補償板が、面内レターデーションを有することにより、黒表示時における液晶セルの面内のレターデーションを相殺し、色補償をすることができる。そして、光学補償板の厚さ方向の平均屈折率が面内の平均屈折率よりも小さく、かつ厚さ方向で屈折率が変化することによって、液晶セルが有する異方性を相殺し、斜め方向から見たときの補償をすることができる。さらに、本発明の液晶表示装置は、出射側偏光子の液晶セルから遠い方側に設けられた反射防止層を有し、該反射防止層を中空微粒子又は多孔質微粒子を含むシリコーン硬化被膜からなる屈折率1.37以下の低屈折率層を有するもので構成したことによって、強い外光下においても、高いコントラスト比で広い視野角で視認することができる。また、表示面の耐擦傷性及び防汚性に優れているので、本発明液晶表示装置は、モバイル用、車載用などの粉塵が多く舞い、強い外光下でも使用される液晶表示装置として好適である。
本発明の液晶表示装置は、OCBモードの液晶セル、該液晶セルを挟む上下一対の出射側偏光子及び入射側偏光子、該偏光子のいずれかと前記液晶セルとの間に備えられた少なくとも1枚の光学補償板、及び、出射側偏光子の液晶セルから遠い方側に設けられた反射防止層を有し、該反射防止層が、中空微粒子又は多孔質微粒子を含むシリコーン硬化被膜からなる屈折率1.37以下の低屈折率層を有し、該光学補償板が、面内レターデーションReを有し、厚さ方向の平均屈折率が面内の平均屈折率よりも小さく、厚さ方向で屈折率が変化するものである液晶表示装置である。
OCBモードの液晶セルは、一対の表面に配向膜が形成された透明電極を有する基板と、その基板間に封入されたネマチック液晶の層からなる。OCBモードの液晶セルでは、一般に電圧が付与された液晶セル内でベンド配向をする液晶を使用する。そして、ネマチック液晶のダイレクターの基板に対する角度が、液晶セルに付与される電圧の変化により変化する。通常、ネマチック液晶のダイレクターの基板に対する角度が、液晶セルに付与される電圧の増加により増加し、複屈折が低下し、この複屈折の変化により画像が与えられる。本発明の液晶表示装置においては、液晶のベンド配向とは、液晶層の液晶分子のダイレクターが液晶層の中心線に関して線対称であり、かつ少なくとも基板付近の領域でベンド部分を有することを意味する。ベンド部分とは、基板付近の領域のダイレクターにより形成される線が曲がっている部分を言う。
すなわち、液晶のベンド配向とは、一般に、液晶セルに電圧を印加した際に、セル内の液晶分子のダイレクターは、下側の基板付近では、下側の基板に対してほぼ平行であり、基板からの距離の増加とともに、ダイレクターと基板表面との角度が増大し、さらにダイレクターは、上側基板と下側基板の距離が等しい中心線領域では、基板表面と垂直又はほぼ垂直となり、それからダイレクターは、下側基板からの距離の増加とともに、ダイレクターと基板表面との角度がさらに増大し、最終的にはダイレクターは上側基板付近では上側基板とほぼ平行になるように、液晶分子が配向することを意味する。中心線付近では、ダイレクターはねじれ配向していてもよい。さらに、上下基板に近い領域あるいは接触領域のダイレクターは、チルト角を有して基板表面から傾いていてもよい。
本発明に用いる偏光子は、その両面に保護フィルムが積層された偏光板として用いることが好ましい。本発明において、偏光板はOCBモードの液晶セルを挟んで上下に一対が配置される。一対の偏光板の透過軸は、直角になるように配置することが好ましい。本発明においては、液晶表示装置の視認者側に配置される偏光板を出射側偏光板と呼び、視認者側からみて液晶セルの裏側に配置される偏光板を入射側偏光板と呼ぶ。
偏光子は、偏光機能を有するものであれば特に制限はなく、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系偏光子やポリエン系偏光子などを挙げることができる。偏光子の製造方法に特に制限はなく、ポリビニルアルコール系偏光子の製造方法としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素イオンを吸着させたのち一軸延伸する方法、ポリビニルアルコール系フィルムを一軸延伸したのちヨウ素イオンを吸着させる方法、ポリビニルアルコール系フィルムへのヨウ素イオンの吸着と一軸延伸とを同時に行う方法、ポリビニルアルコール系フィルムを二色性染料で染色したのちに一軸延伸する方法、ポリビニルアルコール系フィルムを一軸延伸したのちに二色性染料で染色する方法、ポリビニルアルコール系フィルムの二色性染料での染色と一軸延伸とを同時に行う方法などを挙げることができる。また、ポリエン系偏光子を製造する方法としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムを一軸延伸したのちに、脱水触媒の存在下で加熱、脱水する方法、ポリ塩化ビニル系フィルムを一軸延伸したのちに、脱塩化水素触媒の存在下で加熱、脱塩化水素する方法などを挙げることができる。
本発明において、偏光子を挟んで積層する保護フィルムに特に制限はなく、例えば、トリアセチルセルロースなどのセルロースエステル系フィルムや、脂環式構造を有する重合体のフィルムなどを挙げることができる。これらの中で、脂環式構造を有する重合体のフィルムは、透明性、複屈折性、寸法安定性などに優れるので、好適に用いることができる。保護フィルムの製造方法に特に制限はなく、例えば、溶液流延法、溶融押出法などを挙げることができる。保護フィルムは、溶融押出法によってフィルム状に成形し、必要に応じて延伸配向することが好ましい。なお、出射側偏光板の液晶セルから遠い方側に位置する保護フィルムを、後記の反射防止層を形成するための基材にすることにより、液晶表示装置を薄くすることができる。また、出射側偏光板及び入射側偏光板の液晶セルに近い方側に位置する保護フィルムを、後記の光学補償板を形成するための基材にすることにより、液晶表示装置を薄くすることができる。保護フィルムと偏光子との積層はプライマー層などを介して貼り合わせることによって行うことできる。
本発明に用いる光学補償板は、面内レターデーションReを有し、厚さ方向の平均屈折率が面内の平均屈折率よりも小さく、厚さ方向で屈折率が変化するものである。本発明の液晶表示装置は、この光学補償板を少なくとも1枚、偏光子と液晶セルとの間に備える。光学補償板の配置に特に制限はなく、例えば、反射防止層/出射側偏光子/光学補償板/液晶セル/入射側偏光子、反射防止層/出射側偏光子/液晶セル/光学補償板/入射側偏光子、反射防止層/出射側偏光子/光学補償板/液晶セル/光学補償板/入射側偏光子などの態様を挙げることができる。
本発明に用いる光学補償板は、面内レターデーションReを有する。光学補償板の面内レターデーションReは、200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。光学補償板の面内レターデーションReを200nm以下とすることにより、正面から見たときの色補償がなされ、彩色の整った表示画面を見ることができる。
本発明に用いる光学補償板は、厚さ方向の平均屈折率が、面内の平均屈折率よりも小さい。すなわち、光学補償板面内の主屈折率をnx 及びny 、厚さ方向の屈折率をnzとしたとき、(nx+ny)/2>nzの関係を満たす。面内屈折率(nx+ny)/2と厚さ方向屈折率nzとの差は、光学補償板の厚さをd(nm)としたとき、20/d〜400/dであることが好ましい。
本発明に用いる光学補償板は、厚さ方向で屈折率が変化し、厚さ方向の屈折率n(z)は厚さ方向で分布を有する。厚さ方向の屈折率nz(z)の分布は、厚さ方向で連続的に変化することが好ましく、漸減又は漸増することがより好ましい。
面内レターデーションReを有し、厚さ方向の平均屈折率nzが面内の平均屈折率(nx+ny)/2よりも小さく、厚さ方向の屈折率nz(z)が変化する光学補償板は、ディスコティック液晶の配向形態を固定した液晶性光学フィルムによって得ることができる。この液晶性光学フィルムは、基材の上にディスコティック液晶を塗布し、配向させ固定することによって得ることができる。なお、基材の上にディスコティック液晶を塗布し、配向させ固定することによって得る場合、前記レターデーションや屈折率は、基材部分を除いた液晶層部分での値である。基材は、後記の反射防止層を形成するときに使用する透明樹脂基材と同様のものを用いることができる。また、基材には、一軸性光学異方体や二軸性光学異方体からなるものを用いることができる。
ディスコティック液晶は、平面性の高い円盤状のメソゲンを有する分子により発現される液晶である。ディスコティック液晶は、液晶層中の極微小領域における屈折率が負の一軸性を有する。ある平面内での屈折率noが等しく、その平面に垂直な方向がダイレクター(光軸)であり、ダイレクター方向の屈折率をneとしたとき、no>neとなっている。このような微小領域におけるダイレクターが液晶層中でどのように配列するかにより、得られる構造体の屈折率特性、ひいては光学特性が決定される。通常、液晶層全体にわたってダイレクターが同一方向を向いている場合、負の一軸性の構造物となる。ダイレクターが基材の法線にある場合は、ホメオトロピック配向と呼ばれ、ダイレクターが基板の法線から一定角度傾いている場合は、チルト配向と呼ばれる。
本発明に用いる光学補償板は、ディスコティック液晶のダイレクターが厚さ方向で徐々に変化したハイブリッド配向を形成することによって得ることができる。ハイブリッド配向の膜厚方向における好ましい角度範囲は、ダイレクターと光学補償板面とのなす最小の角度(0度以上90度以下の範囲となる角度)が、光学補償板の上面又は下面の一方においては、通常60度以上90度以下の角度をなし、当該面の反対面においては、通常0度以上50度以下である。より好ましくは、一方の角度の絶対値が80度以上90度以下であり、他方の角度の絶対値が0度以上40度以下である。
本発明の液晶表示装置には、光学補償板以外に、二軸性又は一軸性光学異方体からなるフィルム、シート又は板を偏光板と液晶セルとの間にさらに配置することができる。
本発明に用いる反射防止層は、中空微粒子又は多孔質微粒子を含むシリコーン硬化被膜からなる屈折率1.37以下の低屈折率層を有する。反射防止層は、出射側偏光板の液晶セルから遠い方側に設けられる。反射防止層は、低屈折率層以外にハードコート層を有することが好ましい。反射防止層は、例えば、透明樹脂基材に直接又はハードコート層を介して低屈折率層を積層することによって得ることができる。低屈折率層の屈折率が1.37を超えると、反射防止性能が不十分となるおそれがある。
本発明において、反射防止層の透明樹脂基材は透明樹脂からなり、その形状に特に制限はないが、フィルム又はシートであることが好ましい。なお、透明樹脂基材として偏光板の保護フィルムを用いることもできる。透明樹脂は、厚さ1mmの成形体の全光線透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
透明樹脂としては、例えば、脂環式構造を有する樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどの鎖状オレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
これらの中で、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体及びこれらの水素化物などの脂環式構造を有する樹脂;セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレートなどのセルロース系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;を好適に用いることができ、透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などに優れるノルボルネン系重合体、トリアセチルセルロース及びポリエチレンテレフタレートをより好適に用いることができ、ノルボルネン系重合体を特に好適に用いることができる。ノルボルネン系重合体としては、例えば、ノルボルネン系単量体の開環重合体、ノルボルネン系単量体と他の単量体との開環共重合体及びそれらの水素添加物;ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体と他の単量体との付加共重合体及びそれらの水素添加物などを挙げることができる。これらの中で、ノルボルネン系単量体の開環重合体の水素添加物は、透明性に優れるので、特に好適に用いることができる。
透明樹脂は、溶媒としてシクロヘキサン又はトルエンを用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が、10,000〜300,000であることが好ましく、15,000〜250,000であることがより好ましく、20,000〜200,000であることがさらに好ましい。重量平均分子量が10,000〜300,000である透明樹脂は、基材の機械的強度と成形加工性が高度にバランスするので好適に用いることができる。
透明樹脂の分子量分布に特に制限はないが、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が1〜10であることが好ましく、1〜6であることがより好ましく、1.1〜4であることがさらに好ましい。重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が1〜10である透明樹脂は、基材の機械的強度と成形加工性が良好にバランスするので好適に用いることができる。
本発明において、透明樹脂には、各種の配合剤を添加することができる。配合剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン酸系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などの酸化防止剤;ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、アクリレート系紫外線吸収剤、金属錯体系紫外線吸収剤などの紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系光安定剤などの光安定剤;染料や顔料などの着色剤;脂肪族アルコールのエステル、多価アルコールのエステル、脂肪酸アミド、無機粒子などの滑剤;トリエステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、脂肪酸−塩基酸エステル系可塑剤、オキシ酸エステル系可塑剤などの可塑剤;多価アルコールの脂肪酸エステルなどの帯電防止剤;などを挙げることができる。
本発明に用いる透明樹脂基材は、上記の透明樹脂を公知の成形方法によりフィルム又はシートに形成し、必要に応じて延伸することにより得ることができる。成形方法としては、フィルム中の揮発性成分の含有量や厚さむらを少なくできる点から、溶融押出成形法が好ましい。溶融押出成形法としては、Tダイなどのダイスを用いる方法やインフレーション法などを挙げることができるが、生産性や厚さ精度に優れる点で、Tダイを用いる方法が好ましい。
本発明においては、透明樹脂基材として、片面又は両面に表面改質処理を施したフィルム又はシートを使用することができる。表面改質処理を行うことにより、ハードコート層や偏光子との密着性を向上させることができる。表面改質処理としては、例えば、エネルギー線照射処理、薬品処理などを挙げることができる。
エネルギー線照射処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処理などを挙げることができる。これらの中で、処理効率の良好なコロナ放電処理とプラズマ処理を好適に用いることができ、コロナ放電処理を特に好適に用いることができる。薬品処理としては、例えば、重クロム酸カリウム水溶液、濃硫酸などの酸化剤水溶液中に浸漬し、次いで、水で洗浄する方法などを挙げることができる。
透明樹脂基材の厚さは、5〜300μmであることが好ましく、40〜200μmであることがより好ましく、50〜150μmであることがさらに好ましい。透明樹脂基材の厚さを5〜300μmとすることにより、表示画面の耐久性、機械的強度、耐擦傷性及び光学性能に優れた液晶表示装置を得ることができる。
ハードコート層は、表面硬度の高い層である。ハードコート層は、JIS K 5600−5−4に規定される鉛筆硬度試験で、HB以上の硬度であることが好ましく、H以上の硬度であることがより好ましい。
ハードコート層は、その屈折率が1.55以上であることが好ましく、1.6〜2.3であることがより好ましい。ハードコート層の屈折率を1.55以上とすることにより、外光の映り込みなどが防止され、耐擦傷性や防汚性に優れた液晶表示装置とすることができる。屈折率は、例えば、分光エリプソメータを用いて測定することができる。
ハードコート層は、JIS B 0601に規定される算術平均粗さRaが35nm以下であることが好ましく、1〜30nmであることがより好ましい。算術平均粗さRaを35nm以下とすることにより、アンカー効果などによって、ハードコート層と低屈折率層との密着性が高くなり、防眩性と低反射率のバランスを向上することができる。ハードコート層の平均厚さに特に制限はないが、通常は0.5〜30μmであることが好ましく、3〜15μmであることがより好ましい。算術平均粗さRaは、三次元構造解析顕微鏡(サイゴ社製)を用い、一定速度で走査させて干渉縞を観測することにより測定することができる。
本発明において、ハードコート層を形成する材料に特に制限はなく、例えば、シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アクリル系、ウレタンアクリレート系などの有機ハードコート材料;二酸化ケイ素などの無機ハードコート材料;などを挙げることができる。これらの中で、ウレタンアクリレート系ハードコート材料と多官能アクリレート系ハードコート材料は、接着力が大きく、生産性に優れるので、好適に用いることができる。
特に好ましいハードコート材料としては、例えば、活性エネルギー線硬化型樹脂及び/又は無機酸化物粒子を含有してなるものを挙げることができる。活性エネルギー線硬化型樹脂は、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー及び/又はモノマーが、活性エネルギー線の照射により硬化する樹脂である。プレポリマー、オリゴマー及び/又はモノマーを重合して硬化させるために、光重合開始剤や光重合促進剤を配合することができる。活性エネルギー線は、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものであり、通常は紫外線又は電子線を用いることができる。
無機酸化物粒子は、ハードコート層の導電性、屈折率などを調整することのできる粒子である。屈折率を高くするための無機酸化物粒子は、屈折率が1.6以上であることが好ましく、1.6〜2.3であることがより好ましい。屈折率の高い無機酸化物粒子としては、例えば、チタニア(酸化チタン)、ジルコニア(酸化ジルコニウム)、酸化亜鉛、酸化錫、酸化セリウム、五酸化アンチモン、酸化チタン、スズをドープした酸化インジウム(ITO)、アンチモンをドープした酸化スズ(ATO)、リンをドープした酸化錫(PTO)、亜鉛をドープした酸化インジウム(IZO)、アルミニウムをドープした酸化亜鉛(AZO)、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)などを挙げることができる。これらの中で、五酸化アンチモン、リンをドープした酸化スズ及び酸化チタンは、屈折率が高く、導電性と透明性のバランスに優れるので、屈折率を調整するための成分として好適に用いることができる。
無機酸化物粒子は、ハードコート層の透明性を低下させないために、一次粒子径が1〜100nmであることが好ましく、1〜50nmであることがより好ましい。無機酸化物粒子の一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)などにより得られる二次電子放出のイメージ写真から目視計測することができ、あるいは、動的光散乱法や静的光散乱法などを利用する粒度分布計などにより機械計測することもできる。
無機酸化物粒子は、その表面の少なくとも一部がアニオン性の極性基を有する有機化合物又は有機金属化合物により被覆されていることが好ましい。無機酸化物粒子は、2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上の無機酸化物粒子を組み合わせることにより、複数の機能をバランスよく備えたハードコート層を形成することができる。例えば、屈折率は極めて大きいが導電性の小さいルチル型酸化チタン粒子と、導電性は極めて大きいが屈折率はルチル型酸化チタンよりも小さい導電性無機酸化物を組み合わせて、所定の屈折率と良好な帯電防止性能とを兼ね備えたハードコート層を形成することができる。また、無機酸化物粒子の配合量は、活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、200〜1,200重量部であることが好ましく、300〜800重量部であることがより好ましい。
本発明においては、無機酸化物粒子をハードコート層に均一に分散させるために、レベリング剤を含有させることができる。レベリング剤としては、フッ素系界面活性剤を好適に用いることができ、フッ化アルキル基を有するオリゴマーからなるノニオン性フッ素系界面活性剤を特に好適に用いることができる。ハードコート層には、さらに有機反応性ケイ素化合物を含有させることができる。
ハードコート層は、通常、活性エネルギー線硬化型樹脂、無機酸化物粒子及び必要に応じて配合されるフッ化アルキル基を有するオリゴマーなどを溶解または分散させた液を、透明樹脂基材上に塗工し、乾燥して塗膜を得、次いで、活性エネルギー線を照射して、硬化させることにより形成することができる。塗工法としては、例えば、ワイヤーバーコート法、ディップ法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、グラビアコート法などを挙げることができる。活性エネルギー線の照射強度及び照射時間に特に制限はなく、用いる活性エネルギー線硬化性樹脂に応じて、照射強度、照射時間などの照射条件を設定することができる。
本発明の液晶表示装置においては、低屈折率層が、中空微粒子又は多孔質微粒子と、下記(A)の加水分解物と下記(B)の共重合加水分解物の少なくとも一方と、下記(C)の加水分解性オルガノシランとを含有してなるコーティング材組成物の硬化被膜であることが好ましい。
(A)一般式[1]で表わされる加水分解性オルガノシランを加水分解して得られる加水分解物、
SiX4 …[1]
ただし、一般式[1]において、Xは加水分解基である。
(B)一般式[1]で表される加水分解性オルガノシランと、フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランとの共重合加水分解物、
(C)撥水基を直鎖部に備えるとともに、アルコキシル基が結合したケイ素原子を分子内に2個以上有する加水分解性オルガノシラン。
本発明において用いる(A)加水分解物は、一般式[1]で表される4官能加水分解性オルガノシランを加水分解して得られる4官能シリコーンレジンである。一般式[1]で表される4官能加水分解性オルガノシランとしては、例えば、一般式[5]で表される4官能オルガノアルコキシシランを挙げることができる。
Si(OR)4 …[5]
ただし、一般式[5]において、Rは1価の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜8の1価の炭化水素基である。炭化水素基は、直鎖状であっても、分岐を有していてもよい。このような炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などを挙げることができる。
一般式[1]で表される4官能加水分解性オルガノシランの加水分解基としては、アルコキシル基の他に、例えば、アセトキシ基、オキシム基(−O−N=C−R(R'))、エノキシ基(−O−C(R)=C(R')(R'')、アミノ基、アミノキシ基(−O−N(R)R')、アミド基(−N(R)−C(=O)−R')や、ハロゲンなどを挙げることができる。なお、上記の化学式において、R、R'及びR''は、それぞれ独立に水素原子又は1価の炭化水素基などである。加水分解基Xとしては、アルコキシル基を好適に用いることができる。
4官能シリコーンレジンである加水分解物(A)を調製するにあたっては、上記の4官能オルガノアルコキシシランなどの4官能加水分解性オルガノシランを完全加水分解又は部分加水分解することにより行うことができる。ここで、得られる4官能シリコーンレジンである加水分解物(A)の分子量に特に制限はないが、中空シリカ微粒子などの中空微粒子に対して、より少ない割合のマトリクス形成材料により硬化被膜の機械的強度を得るために、重量平均分子量が200〜2,000であることが好ましい。重量平均分子量が200未満であると、被膜形成能が劣るおそれがある。重量平均分子量が2,000を超えると、硬化被膜の機械的強度が劣るおそれがある。
上記のシリコーンレジンは、一般式[5]で表されるテトラアルコキシシランを、モル比[H2O]/[OR]が1.0以上、例えば、1.0〜5.0、好ましくは1.0〜3.0となる量の水の存在下、ならびに好ましくは酸又は塩基触媒存在下で、加水分解して得られる部分加水分解物及び/又は完全加水分解物を用いることができる。特に、酸触媒存在下で加水分解して得られる部分加水分解物及び/又は完全加水分解物は、2次元架橋構造を形成しやすいために、乾燥被膜の多孔度が増加する傾向がある。モル比[H2O]/[OR]が1.0未満であると、未反応アルコキシル基の量が多くなり、被膜の屈折率を高くするなどの悪影響を及ぼすおそれがある。モル比[H2O]/[OR]が5.0を超えると、縮合反応が極端に速く進み、コーティング材組成物のゲル化を招くおそれがある。加水分解は、いずれの適当な条件で実施してもよく、例えば、5〜30℃の温度で、10分〜2時間これらの材料を撹拌して混合することにより加水分解することができる。また、重量平均分子量を2,000以上にして、マトリクス自身の屈折率をより小さくするためには、得られた加水分解物を、例えば、40〜100℃で2〜10時間反応させて、所望のシリコーンレジンを得ることができる。
本発明に用いる共重合加水分解物(B)は、加水分解性オルガノシランと、フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランとの共重合加水分解物である。加水分解性オルガノシランとしては、一般式[1]で表される4官能加水分解性オルガノシランを挙げることができ、4官能加水分解性オルガノシランとしては一般式[5]で表される4官能オルガノアルコキシシランを挙げることができる。
フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランとしては、一般式[6]、一般式[7]又は一般式[8]で表される構成単位を有するオルガノシランを好適に用いることができる。
Figure 2006184302
ただし、一般式[6]〜[8]において、R3は炭素数1〜16のフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキル基であり、R4は炭素数1〜16のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、水素原子又はハロゲン原子である。また。Xは−(Cabc)−であり、aは1〜12の整数、b+cは2aであり、bは0〜24の整数、cは0〜24の整数である。このようなXとしては、フルオロアルキレン基とアルキレン基とを有する基が好ましい。
加水分解性オルガノシランとフッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランとを混合し、加水分解させて共重合することにより、共重合加水分解物(B)を得ることができる。加水分解性オルガノシランとフッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランの共重合比率に特に制限はないが、縮合化合物換算の重量比率で、加水分解性オルガノシラン/フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランの比が99/1〜50/50であることが好ましい。共重合加水分解物の重量平均分子量に特に制限はないが、200〜5,000であることが好ましい。重量平均分子量が200未満であると、被膜形成能が劣るおそれがある。重量平均分子量が5,000を超えると、被膜強度が低下するおそれがある。
本発明に用いる加水分解性オルガノシラン(C)は、撥水性(疎水性)の直鎖部を備え、アルコキシル基が結合したケイ素原子を分子内に2個以上有するものであり、このシリコーンアルコキシドは直鎖部の少なくとも両末端に結合していることが好ましい。加水分解性オルガノシラン(C)において、シリコーンアルコキシドは2個以上有しておればよく、シリコーンアルコキシドの個数の上限は特に限定されない。
加水分解性オルガノシラン(C)としては、直鎖部がジアルキルシロキシ系のものと、直鎖部がフッ素系のもののいずれをも用いることができる。
ジアルキルシロキシ系の加水分解性オルガノシラン(C)の直鎖部は、一般式[2]で表される構造であり、直鎖部の長さはnが2〜200であることが好ましい。
Figure 2006184302
nが2未満、すなわち1であると、直鎖部の撥水性が不十分であり、加水分解性オルガノシラン(C)を含有することによる効果が十分に発現しないおそれがある。nが200を超えると、他のマトリクス形成材料との相溶性が悪くなる傾向があり、硬化被膜の透明性に悪影響を及ぼしたり、硬化被膜に外観ムラが発生するおそれがある。
ジアルキルシロキシ系の加水分解性オルガノシラン(C)としては、一般式[9]で表される化合物を用いることができる。
Figure 2006184302
ただし、一般式[9]において、R1及びR2はアルキル基であり、mは1〜3の整数、nは2〜200の整数である。
一般式[9]で表される化合物としては、例えば、式[10]〜[12]で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2006184302
フッ素系の加水分解性オルガノシラン(C)の直鎖部は、一般式[3]のように形成されるものであり、直鎖部の長さmは2〜20であることが好ましい。
−(CF2)m− …[3]
mが2未満すなわち1であると、直鎖部の撥水性が不十分であり、加水分解性オルガノシラン(C)を含有させることによる効果が十分に発現しないおそれがある。mが20を超えると、他のマトリクス形成材料との相溶性が悪くなる傾向があり、硬化被膜の透明性に悪影響を及ぼしたり、硬化被膜に外観ムラが発生するおそれがある。
フッ素系の加水分解性オルガノシラン(C)としては、例えば、式[13]〜[16]で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2006184302
これらの中で、式[15]や式[16]で表される化合物のように、直鎖部にアルコキシル基が結合したケイ素原子が3個以上結合したオルガノシラン(C)が特に好ましい。このようにアルコキシル基が結合したケイ素原子を3個以上有することにより、撥水性の直鎖部が被膜の表面により強固に結合し、硬化被膜の表面を撥水性にする効果を高く得ることができる。
上記の加水分解物(A)と共重合加水分解物(B)の少なくとも一方と、加水分解性オルガノシラン(C)とを含有してマトリクス形成材料が形成される。マトリクス形成材料において、加水分解物(A)と共重合加水分解物(B)の少なくとも一方と、加水分解性オルガノシラン(C)との配合比に特に制限はないが、縮合化合物換算の重量比で((A)と(B)の少なくとも一方)/(C)が99/1〜50/50であることが好ましい。
本発明においては、透明樹脂基材の表面に形成した被膜を乾燥させたのち、熱処理を行うことが好ましい。熱処理によって、硬化被膜の機械的強度を向上させることができる。熱処理は、80〜150℃で1〜10分行うことが好ましい。このように低温、短時間で熱処理することができるので、高温、長時間の熱処理の場合のように、基材の種類が制限されることがない。マトリクス形成材料は、加水分解性オルガノシラン(C)を含有し、この加水分解性オルガノシラン(C)はアルコキシドが結合した2個以上のケイ素原子が被膜の表面に配位して、撥水基がブリッジ状に被膜の表面に結合し、硬化被膜の表面を撥水性にするとともに、硬化被膜の表面の緻密化が進んで多孔質の空孔を小さくすることができる。したがって、低温で熱処理を行っても、硬化被膜の内部に水などが浸入することを抑制することができ、水分の浸入により膜屈折率が上昇して反射防止性能が低下することを防ぐことができる。
本発明の液晶表示装置においては、低屈折率層が、中空微粒子又は多孔質微粒子と、下記(A)の加水分解物と下記(B)の共重合加水分解物の少なくとも一方と、下記(D)のシリコーンジオールとを含有してなるコーティング材組成物の硬化被膜であることが好ましい。
(A)一般式[1]で表わされる加水分解性オルガノシランを加水分解して得られる加水分解物、
SiX4 …[1]
ただし、一般式[1]において、Xは加水分解基である。
(B)一般式[1]で表される加水分解性オルガノシランと、フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランとの共重合加水分解物、
(D)一般式[4]で表わされるジメチル型のシリコーンジオール、
Figure 2006184302
ただし、一般式[4]において、pは正の整数であり、好ましくは20〜100の整数である。
加水分解性オルガノシランの加水分解物(A)と、加水分解性オルガノシランとフッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランとの共重合加水分解物(B)は、先記したものと同じである。
コーティング材組成物に、マトリクス形成材料の一部としてシリコーンジオール(D)を含有させることにより、硬化被膜の表面摩擦抵抗を小さくし、硬化被膜の表面への引っ掛かりを低減して傷が入りがたくし、耐擦傷性を向上することができる。本発明に用いるジメチル型シリコーンジオールは、被膜を形成した際には被膜の表面に局在し、被膜の透明性を損なわない。また、ジメチル型シリコーンジオールは、マトリクス形成材料との相溶性に優れ、しかもマトリクス形成材料のシラノール基と反応性を有するために、マトリクスの一部として硬化被膜の表面に固定され、両末端ともにメチル基であるシリコーンオイルを混入した場合のように、硬化被膜の表面を拭くと除去されてしまうことがなく、長期にわたって硬化被膜の表面摩擦抵抗を小さくして、耐擦傷性を長期間維持することができる。
本発明に用いるシリコーンジオール(D)は、一般式[4]で表されるジメチル型のシリコーンジオールである。一般式[4]において、ジメチルシロキサンの繰り返し数pは、20〜100であることが好ましい。pが20未満であると、摩擦抵抗の低減効果が十分に発現しないおそれがある。nが100を超えると、他のマトリクス形成材料との相溶性が悪くなり、硬化被膜の透明性が低下し、硬化被膜に外観ムラが発生するおそれがある。マトリクス材料は、加水分解物(A)と共重合加水分解物(B)の少なくとも一方と、シリコーンジオール(D)を含有する。シリコーンジオール(D)の含有量は、コーティング材組成物の全固形分に対して1〜10重量%であることが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、低屈折率層が、下記(A)の加水分解物と中空微粒子又は多孔質微粒子とを混合した状態で下記(A)の加水分解物を加水分解した再加水分解物と、下記(B)の共重合加水分解物とを含有してなるコーティング材組成物の硬化被膜であることが好ましい。
(A)一般式[1]で表わされる加水分解性オルガノシランを加水分解して得られる加水分解物、
SiX4 …[1]
ただし、一般式[1]において、Xは加水分解基である。
(B)一般式[1]で表される加水分解性オルガノシランと、フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランとの共重合加水分解物。
加水分解性オルガノシランの加水分解物(A)と、加水分解性オルガノシランとフッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランとの共重合加水分解物(B)は、先記したものと同じである。
加水分解性オルガノシランを加水分解して加水分解物(A)を調製するにあたって、本発明においては、中空微粒子又は多孔質微粒子を混合した状態で加水分解物(A)をさらに加水分解することができ、加水分解物(A)を中空微粒子又は多孔質微粒子と混合した状態の再加水分解物とすることができる。この再加水分解物において、加水分解物(A)は、加水分解の際に中空微粒子又は多孔質微粒子の表面と反応し、中空微粒子又は多孔質微粒子に加水分解物(A)が化学的に結合した状態となり、中空微粒子又は多孔質微粒子に対する加水分解物(A)の親和性を高めることができる。中空微粒子又は多孔質微粒子を混合した状態での加水分解は、20〜30℃で行うことが好ましい。反応温度が20℃未満であると、反応が進まず、親和性を高める効果が不十分となるおそれがある。反応温度が30℃を超えると、反応が速く進みすぎて一定の分子量の確保が困難になるとともに、分子量が大きくなりすぎて膜強度が低下するおそれがある。
なお、このように加水分解性オルガノシランを加水分解して加水分解物(A)を調製したのちに、中空微粒子又は多孔質微粒子を混合した状態で加水分解物(A)をさらに加水分解して再加水分解物を得る他に、中空微粒子又は多孔質微粒子を混合した状態で加水分解性オルガノシランを加水分解することにより加水分解物(A)を調製すると同時に、中空微粒子又は多孔質微粒子を混合した状態の再加水分解物を得ることもできる。
上記の中空微粒子又は多孔質微粒子を混合した再加水分解物と、共重合加水分解物(B)を混合することにより、加水分解物(A)からなる再加水分解物と共重合加水分解物(B)との混合物をマトリクス形成材料とし、中空微粒子又は多孔質微粒子をフィラーとして含有するコーティング材組成物を得ることができる。加水分解物(A)からなる中空微粒子又は多孔質微粒子を含む再加水分解物と、共重合加水分解物質(B)との重量比は、50/50〜99/1であることが好ましい。共重合加水分解物(B)の比率が1重量%未満であると、撥水、撥油性や防汚性が十分に発現しないおそれがある。共重合加水分解物(B)の比率が50重量%を超えると、共重合加水分解物(B)が再加水分解物の上に浮き上がる作用が顕著に現れなくなり、加水分解物(A)と共重合加水分解物(B)を単に混合したコーティング材組成物との差がなくなるおそれがある。
本発明においては、中空微粒子又は多孔質微粒子を混合した状態で加水分解物(A)を加水分解することにより、中空微粒子又は多孔質微粒子に対する加水分解物(A)の親和性を高め、その後に共重合加水分解物(B)を混合してコーティング材組成物を調製することが好ましい。コーティング材組成物を基材の表面に塗布して被膜を形成するにあたって、共重合加水分解物(B)は被膜の表層に浮き上がって局在する傾向にある。このように共重合加水分解物(B)が被膜の表層に局在する理由は明らかではないが、加水分解物(A)は中空微粒子に親和して被膜中に均一に存在するが、中空微粒子又は多孔質微粒子に対する親和性を有しない共重合加水分解物(B)は、中空微粒子又は多孔質微粒子から離れて被膜の表層に浮き上がるものと推測される。特に基材が共重合加水分解物(B)との親和性の低いものである場合は、共重合加水分解物(B)は基材から離れた被膜の表層に局在しやすいので、この傾向は大きくなる。このように表層に共重合加水分解物(B)が偏在した状態で硬化被膜が形成されると、硬化被膜の表層には共重合加水分解物(B)に含有されるフッ素成分が局在することになり、フッ素成分の局在によって硬化被膜の表面の撥水、撥油性を高めることができ、硬化被膜の表面の防汚性を向上することができる。
本発明において、中空微粒子又は多孔質微粒子としては、中空シリカ微粒子を好適に用いることができる。中空シリカ微粒子は、外殻の内部に空洞が形成されたものであり、例えば、シリカ系無機酸化物からなる外殻の内部に空洞を有する中空シリカ微粒子を挙げることができる。シリカ系無機酸化物としては、例えば、シリカ単一層、シリカとシリカ以外の無機酸化物とからなる複合酸化物の単一層、シリカ単一層と複合酸化物の単一層との二重層などを挙げることができる。外殻は、細孔を有する多孔質でも、細孔が閉塞されて空洞が密封されたものであってもよい。外殻は、内側の第一シリカ被覆層と外側の第二シリカ被覆層からなる複数のシリカ系被覆層であることが好ましい。外側に第二シリカ被覆層を設けることにより、外殻の微細孔を閉塞して緻密化し、外殻で内部の空洞を密封した中空シリカ微粒子を得ることができる。
第一シリカ被覆層の厚さは、1〜50nmであることが好ましく、5〜20nmであることがより好ましい。第一シリカ被覆層の厚さが1nm未満であると、粒子形状を保持することが困難となり、中空シリカ微粒子が得られないおそれがある。また、第二シリカ被覆層を形成する際に、有機ケイ素化合物の部分加水分解物などが核粒子の細孔に入り、核粒子構成成分の除去が困難となるおそれがある。第一シリカ被覆層の厚さが50nmを超えると、中空シリカ微粒子中の空洞の割合が減少して、屈折率の低下が不十分となるおそれがある。外殻の厚さは、平均粒子径の1/50〜1/5であることが好ましい。第二シリカ被覆層の厚さは、第一シリカ被覆層との合計厚さが1〜50nmとなるように選択することができ、外殻を緻密化するためには、20〜49nmであることが好ましい。
中空微粒子の空洞には、中空シリカ微粒子を調製するときに使用した溶媒及び/又は乾燥時に侵入する気体が存在する。また、空洞には、空洞を形成するための前駆体物質が残存していてもよい。前駆体物質は、外殻に付着してわずかに残存することもあり、空洞内の大部分を占めることもある。前駆体物質とは、第一シリカ被覆層を形成するための核粒子からその構成成分の一部を除去したのちに残存する多孔質物質である。核粒子には、シリカとシリカ以外の無機酸化物とからなる多孔質の複合酸化物粒子を用いることができる。無機酸化物としては、例えば、Al23、B23、TiO2、ZrO2、SnO2、Ce23、P25、Sb23、MoO3、ZnO2、WO3、TiO2−Al23、TiO2−ZrO2などを挙げることができる。これらの多孔質物質の細孔内にも、溶媒あるいは気体が存在する。このときの構成成分の除去量が多くなると、空洞の容積が増大し、屈折率の低い中空シリカ微粒子が得られ、この中空シリカ微粒子を配合して得られる透明被膜は、屈折率が低く反射防止性能に優れる。
本発明に用いるコーティング材組成物は、上記のマトリクス形成材料と中空微粒子を配合することにより、調製することができる。コーティング材組成物において、中空微粒子とその他の成分との重量割合は、中空微粒子/その他の成分(固形分)が25/75〜90/10であることが好ましく、35/65〜75/25であることがより好ましい。中空微粒子の量が25/75未満であると、硬化被膜の低屈折率を発現させる効果が小さくなるおそれがある。中空微粒子の量が90/10を超えると、コーティング材組成物により得られる硬化被膜の機械的強度が低下するおそれがある。
本発明において、コーティング材組成物に、外殻の内部が空洞ではないシリカ粒子を添加することができる。外殻の内部が空洞ではないシリカ粒子を添加することにより、コーティング材組成物により形成される硬化被膜の機械的強度を向上することができ、さらに表面平滑性と耐クラック性をも改善することができる。外殻の内部が空洞ではないシリカ粒子の形態に特に制限はなく、例えば、粉体状の形態、ゾル状の形態などを挙げることができる。シリカ粒子をゾル状の形態、すなわちコロイダルシリカとして使用する場合は、例えば、水分散性コロイダルシリカ、アルコールなどの親水性の有機溶媒分散性コロイダルシリカなどとして使用することができる。一般にこのようなコロイダルシリカは、固形分としてのシリカを20〜50重量%含有しており、この値からシリカ配合量を決定することができる。シリカ粒子の添加量は、コーティング材組成物中における固形分全量に対して0.1〜30重量%であることが好ましい。シリカ粒子の添加量が固形分全量に対して0.1重量%未満であると、機械的強度、表面平滑性、耐クラック性などの向上効果が十分に発現しないおそれがある。シリカ粒子の添加量が固形分全量に対して30重量%を超えると、硬化被膜の屈折率を高くするように悪影響を及ぼすおそれがある。
本発明の液晶表示装置においては、多孔質微粒子として、アルコキシシランを溶媒、水及び加水分解重合触媒とともに混合して加水分解重合させたのち、溶媒を除去して得られた多孔質粒子、又は、アルコキシシランを溶媒、水及び加水分解重合触媒とともに混合して加水分解重合させ、ゲル化前に重合を停止することにより安定化させたオルガノシリカゾルから溶媒を除去して得られた凝集平均粒子径10〜100nmの多孔質粒子の少なくとも一方を用いることができる。
本発明に用いる多孔質粒子は、アルコキシシランを溶媒、水及び加水分解重合触媒と混合して、加水分解、重合させたのちに、溶媒を乾燥除去して得ることができる。乾燥方法は、超臨界乾燥であることが好ましい。すなわち、加水分解、重合反応により得られたシリカ骨格からなる湿潤状態のゲル状物を、アルコール、二酸化炭素などの分散媒中に分散させ、分散媒の臨界点以上の超臨界状態で乾燥させる。超臨界乾燥は、例えば、ゲル状物を液化二酸化炭素に浸漬し、ゲル状物が含んでいた溶媒の全部又は一部を、その溶媒よりも臨界点が低い液化二酸化炭素により置換し、次いで、二酸化炭素の単独系、あるいは、二酸化炭素と他の溶媒との混合系の超臨界条件下で乾燥することにより、行うことができる。
多孔質粒子を製造するに際しては、アルコキシシランの加水分解、重合反応により得られるゲル状物を、疎水化処理することにより、多孔質粒子に疎水性を付与することが好ましい。このように疎水性を付与した多孔質粒子は、湿気や水などが浸入しがたくなり、屈折率、光透過性などの性能の劣化を防止することができる。疎水化処理は、ゲル状物を臨界乾燥する前、あるいは、臨界乾燥中に行うことができる。
疎水化処理は、ゲル状物の表面に存在するシラノール基のヒドロキシル基を、疎水化処理剤の官能基と反応させ、シラノール基を疎水化処理剤の疎水基と置換することにより行うことができる。疎水化処理を行う方法としては、例えば、疎水化処理剤を溶媒に溶解させた疎水化処理液中にゲル状物を浸漬し、混合などによりゲル状物内に疎水化処理剤を浸透させたのち、必要に応じて加熱し、疎水化反応を行うことができる。疎水化処理に用いる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルジシロキサンなどを挙げることができる。疎水化処理の溶媒は、疎水化処理剤が容易に溶解し、疎水化処理前のゲル状物が含有する溶媒と置換可能なものであればよく、これらに限定されるものではない。
疎水化処理の後の工程で超臨界乾燥を行う場合、疎水化処理に使用する溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、液体二酸化炭素などの超臨界乾燥の容易な媒体、又は、これらと置換可能な媒体であることが好ましい。疎水化処理剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
多孔質粒子は、多孔質粒子の乾燥バルクを粉砕することによっても得ることができる。しかし、本発明のように、被膜を反射防止膜として形成する場合、硬化被膜の膜厚は100nm程度に薄く形成されるものであり、多孔質粒子はその粒子径を50nm程度に形成することが必要になるが、バルクを粉砕して得る場合には、多孔質粒子を粒子径50nm程度の微粒子に形成することは難しい。多孔質粒子の粒子径が大きいと、硬化被膜を均一な膜厚で形成することや、硬化被膜の表面粗さを小さくすることが困難になる。
そこで、この場合には、次のようにして微粒子状の多孔質粒子を調製することが好ましい。まず、アルコキシシランを溶媒、水、加水分解重合触媒と混合して、加水分解、重合することにより、オルガノシリカゾルを調製する。溶媒としては、例えば、メタノールなどのアルコールを挙げることができ、加水分解重合触媒としては、例えば、アンモニアなどを挙げることができる。次に、ゲル化が起こる前に、オルガノシリカゾルを溶媒で希釈し、あるいは、オルガノシリカゾルをpH調整することによって、重合を停止させることにより、シリカ重合粒子の成長を抑制し、オルガノシリカゾルを安定化させることができる。
希釈によりオルガノシリカゾルを安定化させる方法としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトンなどの最初に調製したオルガノシリカゾルが容易に均一に溶解する溶媒を用い、少なくとも2容量倍以上に希釈することが好ましい。このとき、最初に調製したオルガノシリカゾルに含まれる溶媒がアルコールで、かつ希釈溶媒としてもアルコールを用いる場合、最初に調製したオルガノゾルに含まれるアルコールよりも炭素数の多いアルコールを用いて希釈することが好ましい。これは、シリカゾルの含有するアルコール置換反応により、希釈とともに加水分解重合反応が抑制される効果が高いためである。
pH調整によりオルガノシリカゾルを安定化させる方法としては、例えば、最初に調製したオルガノシリカゾルにおける加水分解重合触媒がアルカリの場合は酸を添加し、加水分解重合触媒が酸の場合はアルカリを添加し、オルガノシリカゾルのpHを弱酸性に調整する方法を挙げることができる。弱酸性とは、調製に用いた溶媒の種類や水の量などにより、適宜安定なpHを選択する必要があるが、おおよそpH3〜4であることが好ましい。例えば、加水分解触媒としてアンモニアを選定した場合のオルガノシリカゾルに対しては、硫酸や塩酸を添加することにより、pHを3〜4にすることが好ましく、加水分解重合触媒として硝酸を選定した場合のオルガノシリカゾルに対しては、アンモニアや炭酸水素ナトリウムなどの弱アルカリを添加することにより、pHを3〜4にすることが好ましい。
オルガノシリカゾルを安定化させる方法として、希釈とpH調整のいずれの方法も選択することができるが、希釈とpH調整を併用することはさらに有効である。また、これらの処理の際に、ヘキサメチルジシラザンやトリメチルクロロシランなどの有機シラン化合物を添加して、シリカエアロゲル微粒子の疎水化処理を行うことによっても、加水分解重合反応を一層抑制することができる。
次に、このオルガノシリカゾルを直接乾燥することにより、多孔質シリカエアロゲル微粒子を得ることができる。シリカエアロゲル微粒子は、凝集平均粒子径が10〜100nmであることが好ましい。凝集平均粒子径が10nm未満であると、マトリクス形成材料と混合してコーティング材組成物を調製する際に、マトリクス形成材料がシリカエアロゲル粒子内に入り込んで、乾燥した被膜ではシリカエアロゲル粒子が多孔質体でなくなるおそれがある。凝集平均粒子径が100nmを超えると、硬化被膜の均一な膜厚を得ることや、表面粗さを小さくすることが困難になるおそれがある。
オルガノシリカゾルを乾燥する方法としては、例えば、オルガノシリカゾルを高圧容器内に充填し、シリカゾル中の溶媒を液化二酸化炭素で置換したのちに、32℃以上の温度、8MPa以上の圧力にし、その後に減圧にすることにより、オルガノシリカゾルを乾燥してシリカエアロゲル粒子を得ることができる。また、オルガノシリカゾルの重合成長を抑制する方法としては、上記の希釈法、pH調整法の他に、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシランなどの有機シラン化合物を添加して、シリカ粒子の重合反応を止める方法もある。この方法では、有機シラン化合物でシリカエアロゲル粒子を同時に疎水化することができる。
本発明において、反射防止膜として被膜を形成する場合、硬化被膜はクリア感を有する高い透明性を備えることが好ましく、ヘーズが0.2%以下であることがより好ましい。このために、マトリクス形成材料にシリカエアロゲル粒子を添加してコーティング材組成物を調製するにあたって、シリカエアロゲル粒子はマトリクス形成材料に添加する前に溶媒に均一に分散していることが好ましい。このためには、アルコキシシランをメタノールなどの溶媒、水、アンモニアなどのアルカリ性加水分解重合触媒と混合し、加水分解、重合することにより、オルガノシリカゾルを調製する。次に、ゲル化が起こる前にオルガノシリカゾルを溶媒で希釈し、あるいは、オルガノシリカゾルのpHを調整することにより、シリカ重合粒子の成長を抑制し、オルガノシリカゾルを安定化させる。このように安定化させたオルガノシリカゾルをシリカエアロゲル分散液として用い、マトリクス形成材料に添加してコーティング材組成物を調製することができる。
オルガノシリカゾル中のシリカエアロゲル粒子の凝集平均粒子径は、10〜100nmであることが好ましい。凝集平均粒子径が10nm未満であると、コーティング材組成物を調製するためにマトリクス形成材料と混合した際に、マトリクス形成材料がシリカエアロゲル粒子内に入り込み、乾燥した被膜ではシリカエアロゲル粒子が多孔体でなくなるおそれがある。凝集平均粒子径を10nm以上にすることにより、シリカエアロゲル粒子内へのマトリクス形成材料の侵入を防止することができる。凝集平均粒子径が100nmを超えると、硬化被膜を均一な膜厚で形成することや、硬化被膜の表面粗さを小さくすることが困難になるおそれがある。
コーティング材組成物を塗布して塗膜を形成する際の乾燥によって、溶媒が除去されてシリカエアロゲル粒子の多孔質体が形成される。本発明に用いるコーティング材組成物において、エアロゲルよりなる多孔質粒子の含有量は、コーティング材組成物の固形分に換算して5〜80重量%であることが好ましく、20〜50重量%であることがより好ましい。多孔質粒子の含有量が5重量%未満であると、反射防止効果を目的として塗膜の屈折率を低下させる効果が十分に発現しないおそれがある。多孔質粒子の含有量が80重量%を超えると、均一な透明被膜を形成することが困難になるおそれがある。実用上、形成した塗膜の強度や外観などの成膜性も重要であるために、取り扱いやすい被膜強度と、有効な低屈折率効果を両立させる上で、エアロゲルよりなる多孔質粒子の含有量は20〜50重量%であることがより好ましい。
本発明の液晶表示装置は、屈折率の低い硬化被膜を容易に形成することができ、良好な反射防止層を有する。例えば、基材の屈折率が1.60以下の場合には、基材の表面に屈折率が1.60を超える硬化被膜を形成してこれを中間層とし、さらにこの中間層の表面に、コーティング材組成物による硬化被膜を形成することができる。中間層を形成するための硬化被膜は、公知の高屈折率材料を用いて形成することができ、中間層の屈折率が1.60を超えれば、コーティング材組成物による硬化被膜との屈折率の差が大きくなり、反射防止性能に優れた反射防止基材を得ることができる。また、反射防止基材の硬化被膜の着色を緩和するために、中間層を屈折率の異なる複数の層で形成することができる。
本発明の液晶表示装置においては、反射防止層の表面における入射角5度の反射率が、波長430〜700nmで1.4%以下であることが好ましく、1.1%以下であることがより好ましい。また、入射角5度の反射率が、波長550nmで0.7%以下であることが好ましく、0.6%以下であることがより好ましい。入射角5度、波長430〜700nmにおける反射率を1.4%以下とし、波長550nmにおける反射率を0.7%以下とすることにより、外部光の映り込みとギラツキを防ぎ、視認性に優れた液晶表示装置とすることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、測定及び評価は下記の方法により行った。
(1)厚さ
光学積層体をエポキシ樹脂に包埋したのち、ミクロトーム[大和工業(株)、RUB-2100]を用いて0.05μm厚にスライスし、透過型電子顕微鏡を用いて断面を観察し、測定する。積層体については、各層ごとに測定する。
(2)屈折率
自動複屈折計[王子計測器(株)、KOBRA-21]を用いて、波長550nmで光学異方体の面内遅相軸の方向を求め、面内遅相軸方向の屈折率nx、面内で遅相軸に垂直な方向の屈折率ny、厚さ方向の屈折率nzを測定する。
(3)レターデーション
高速分光エリプソメーター[J.A.Woollam社、M-2000U]を用いて、波長550nmの光で測定する。
(4)コントラスト比及び視野角特性
液晶セルに55Hzの矩形波電圧(白表示2V、黒表示6V)を印加し、500ルクスの環境下で測定した白表示時の光線透過率と黒表示時の光線透過率との比(白/黒)をコントラスト比とする。そして、測定器[ELDIM社、EZ−Contrast1 60D]を用いてコントラスト比が10となる視野角を画面の上下左右で求める。
(5)反射率
分光光度計[日本分光(株)、紫外可視近赤外分光光度計V-570]を用い、入射角5度で反射スペクトルを測定し、波長550nmにおける反射率及び430〜700nmにおける反射率の最大値を求める。
(6)低屈折率層及びハードコート層の屈折率
高速分光エリプソメーター[J.A.Woollam社、M-2000U]を用い、入射角度をそれぞれ55、60、65度で測定した場合の、波長領域400〜1,000nmのスペクトルから算出する。
(7)耐擦傷性
スチールウール#0000に荷重0.025MPaをかけた状態で表面を10往復させ、その後の表面状態を目視で観察する。
○:傷が認められない。
×:傷が認められる。
(8)視認性
液晶表示装置を明るさ500ルクスの環境下に置き、画像を表示して前正面より目視で観察し、以下の3段階で評価する。グレアとは視野内で過度に輝度が高い点や面が見えることによって生ずる不快感や、見にくさをいう。
○:グレア、映り込み、画像のぼやけがない。
△:グレア、映り込み又は画像のぼやけが少しあり、気になる。
×:グレア、映り込み又は画像のぼやけが際立ってある。
(9)広帯域性
液晶表示装置を明るさ500ルクスの環境に設置し、黒表示時における反射色を目視により観察する。
○:反射色が黒
×:反射色が青
(10)反射率の変化
分光光度計[日本分光(株)、紫外可視近赤外分光光度計V-550]を用い、入射角5度における反射率を測定する。測定は、面内の異なる5箇所で5回行い、それらの算術平均値を反射率の値とする。
反射率の変化は、下記式により求める。ただし、Rbはスチールウール試験前の反射率、Raはスチールウール試験後の反射率を表す。
ΔR1={(Ra-Rb)/Rb}×100(%)
(11)全光線透過率の変化
濁度計[日本電色工業(株)、NDH-300A]を用いて、ASTM D1003に準拠して測定する。測定は、面内の異なる5箇所で5回行い、それらの算術平均値を算出する。
全光線透過率の変化は、下記式により求める。Rcはスチールウール試験前の全光線透過率、Rdはスチールウール試験後の全光線透過率を表す。
ΔR2={(Rc-Rd)/Rc}×100(%)
製造例1(原反フィルムの作製)
(基材1Aの作製)
ノルボルネン系重合体[日本ゼオン(株)、ZEONOR 1420R、ガラス転移温度136℃、飽和吸水率0.01重量%未満]のペレットを、熱風乾燥器を用いて110℃で4時間乾燥した。リーフディスク形状のポリマーフィルター(ろ過精度30μm)が設置され、ダイリップの先端部がクロムめっきされた算術平均粗さRa0.04μm、リップ幅650mmのコートハンガータイプのTダイを備えた単軸押出機を用いて、前記ペレットを260℃で溶融押出して、膜厚100μm、幅600mmの長尺フィルム状基材1Aを得た。得られた基材1Aの飽和吸水率は0.01重量%未満であった。また、面内のレターデーションReは、2nmであった。
製造例4(ハードコート層形成用組成物H1の調製)
六官能ウレタンアクリレートオリゴマー[新中村化学工業(株)、NKオリゴU-6HA]30重量部、ブチルアクリレート40重量部、イソボロニルメタクリレート[新中村化学工業(株)、NKエステルIB]30重量部及び2,2−ジフェニルエタン−1−オン10重量部をホモジナイザーを用いて混合し、五酸化アンチモン微粒子(平均粒子径20nm、水酸基がパイロクロア構造の表面に現われているアンチモン原子に1つの割合で結合している。)の40重量%メチルイソブチルケトン溶液を、五酸化アンチモン微粒子の重量がハードコート層形成用組成物全固形分の50重量%を占める割合で混合して、ハードコート層形成用組成物H1を調製した。
製造例5(低屈折率層形成用組成物L1の調製)
テトラエトキシシラン166.4重量部にメタノール392.6重量部を加え、さらにヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシランCF3(CF2)7CH2CH2Si(OC23)311.7重量部と0.005モル/L塩酸29.3重量部(「H2O」/「OR」=0.5)を加え、ディスパーを用いてよく混合して混合液を得た。この混合液を25℃恒温槽中で2時間撹拌して、重量平均分子量を830に調整したフッ素/シリコーン共重合加水分解物(B)をマトリクス形成材料として得た(縮合化合物換算固形分10重量%)。
次に、中空シリカ微粒子として中空シリカのイソプロピルアルコール分散ゾル[触媒化成工業(株)、平均一次粒子径約60nm、外殻厚さ約10nm、固形分20重量%]をフッ素/シリコーン共重合加水分解物(B)に加え、中空シリカ微粒子/共重合加水分解物(B)(縮合化合物換算)が固形分基準で重量比が50/50となるように配合し、次いで、全固形分が1重量%になるようにイソプロピルアルコール/酢酸ブチル/ブチルセロソルブ混合液(希釈後の溶液の全量中の5重量%が酢酸ブチル、全量中の2重量%がブチルセロソルとブなるようにあらかじめ混合された溶液)で希釈し、さらにジメチルシリコーンジオール(n≒40)を酢酸エチルで固形分1重量%になるように希釈した溶液を、中空シリカ微粒子と共重合加水分解物(B)(縮合化合物換算)の固形分の和に対して、ジメチルシリコーンジオールの固形分が2重量%になるように添加することによって、低屈折率層形成用のコーティング材組成物L1を調製した。
製造例6(低屈折率層形成用組成物L2の調製)
テトラエトキシシラン208重量部にメタノール356重量部を加え、さらに0.005モル/L塩酸36重量部(「H2O」/「OR」=0.5)を加え、ディスパーを用いてよく混合して混合液を得た。この混合液を25℃恒温槽中で2時間撹拌して、重量平均分子量を850に調整したシリコーン加水分解物(A)をマトリクス形成材料として得た(縮合化合物換算固形分10重量%)。
次に、中空シリカ微粒子として中空シリカイソプロピルアルコール分散ゾル[触媒化成工業(株)、平均一次粒子径約60nm、外殻厚さ約10nm、固形分20重量%]をシリコーン加水分解物(A)に加え、中空シリカ微粒子/加水分解物(A)(縮合化合物換算)が固形分基準で重量比が60/40となるように配合し、次いで、全固形分が1重量%になるようにイソプロピルアルコール/酢酸ブチル/ブチルセロソルブ混合液(希釈後の溶液の全量中の5重量%が酢酸ブチル、全量中の2重量%がブチルセロソルブとなるようにあらかじめ混合された溶液)で希釈し、さらにジメチルシリコーンジオール(n≒250)を酢酸エチルで固形分1重量%になるように希釈した溶液を、中空シリカ微粒子と加水分解物(A)(縮合化合物換算)の固形分の和に対して、ジメチルシリコーンジオールの固形
分が2重量%になるように添加することによって、低屈折率層形成用のコーティング材組
成物L2を調製した。
製造例7(低屈折率層形成用組成物L3の調製)
テトラエトキシシラン166.4重量部にメタノール493.1重量部を加え、さらに0.005モル/L塩酸30.1重量部(「H2O」/「OR」=0.5)を加え、ディスパーを用いてよく混合して混合液を得た。この混合液を25℃恒温槽中で2時間撹拌して、重量平均分子量を850に調整したシリコーン加水分解物(A)を得た。次に(C)成分として、(H3CO)3SiCH2CH2(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)330.4重量部を加え、この混合液を25℃恒温槽中で1時間撹拌して、マトリクス形成材料を得た(縮合化合物換算固形分10重量%)。
次に、中空シリカ微粒子として中空シリカのイソプロピルアルコール分散ゾル[触媒化成工業(株)、平均一次粒子径約60nm、外殻厚さ約10nm、固形分20重量%]をシリコーン加水分解物(A)に加え、中空シリカ微粒子/マトリクス形成材料(縮合化合物換算)が固形分基準で重量比が40/60となるように配合し、次いで、全固形分が1重量%になるようにイソプロピルアルコール/酢酸ブチル/ブチルセロソルブ混合液(希釈後の溶液の全量中の5重量%が酢酸ブチル、全量中の2重量%がブチルセロソルブとなるようにあらかじめ混合された溶液)で希釈し、さらにジメチルシリコーンジオール(n≒40)を酢酸エチルで固形分1重量%になるように希釈した溶液を、中空シリカ微粒子とマトリクス形成材料(縮合化合物換算)の固形分の和に対して、ジメチルシリコーンジオールの固形分が2重量%になるように添加することによって、低屈折率層形成用のコーティング材組成物L3を調製した。
製造例8(低屈折率層形成用組成物L4の調製)
テトラエトキシシラン208重量部にメタノール356重量部を加え、さらに0.005モル/L塩酸36重量部(「H2O」/「OR」=0.5)を加え、ディスパーを用いてよく混合して混合液を得た。この混合液を25℃恒温槽中で1時間撹拌して、重量平均分子量を780に調整したシリコーン加水分解物(A)をマトリクス形成材料として得た。
次に、中空シリカ微粒子として中空シリカのイソプロピルアルコール分散ゾル[触媒化成工業(株)、平均一次粒子径約60nm、外殻厚さ約10nm、固形分20重量%]をシリコーン加水分解物(A)に加え、中空シリカ微粒子/シリコーン加水分解物(縮合化合物換算)が固形分基準で重量比が50/50となるように配合し、さらに25℃恒温槽中で2時間攪拌して、重量平均分子量を980に調整した再加水分解物を得た(縮合化合物換算固形分10重量%)。
一方、テトラエトキシシラン104重量部にメタノール439.8重量部を加え、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシランCF3(CF2)7CH2CH2Si(OC25)336.6重量部と0.005モル/L塩酸19.6重量部(「H2O」/「OR」=0.5)を加え、ディスパーを用いてよく混合して混合液を得た。この混合液を25℃恒温槽中で2時間撹拌して、重量平均分子量を850に調整したフッ素/シリコーン共重合加水分解(B)を得た(縮合化合物換算固形分10重量%)。
再加水分解物(中空シリカ微粒子を含む)と共重合加水分解物(B)を、再加水分解物/共重合加水分解物(B)が固形分基準で80/20となるように配合し、次いで、全固形分が1重量%になるようにイソプロピルアルコール/酢酸ブチル/ブチルセロソルブ混合液(希釈後の溶液の全量中の5重量%が酢酸ブチル、全量中の2重量%がブチルセロソルブとなるようにあらかじめ混合された溶液)で希釈し、低屈折率層形成用のコーティング材組成物L4を調製した。
製造例9(低屈折率層形成用組成物L5の調製)
テトラエトキシシラン166.4重量部にメタノール493.1重量部を加え、さらに0.005モル/L塩酸30.1重量部(「H2O」/「OR」=0.5)を加え、ディスパーを用いてよく混合して混合液を得た。この混合液を25℃恒温槽中で2時間撹拌して、重量平均分子量を850に調整したシリコーン加水分解物(A)を得た。次に(C)成分として、(H3CO)3SiCH2CH2(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)330.4重量部を加え、この混合液を25℃恒温槽中で1時間撹拌して、マトリクス形成材料を得た(縮合化合物換算固形分10重量%)。
一方、テトラメトキシシラン、メタノール、水及び28重量%アンモニア水を、それぞれ重量部で470:812:248:6の割合で混合した溶液を調製し、この溶液を1分攪拌したのち、ヘキサメチルジシラザンを溶液100重量部に対して20重量部添加して攪拌し、さらにイソプロピルアルコールで2重量倍に希釈して、ゲル化前に重合を停止させることにより安定化させ、多孔質シリカ粒子(平均粒子径50nm)が分散されたオルガノシリカゾルを調製した。
次に、中空シリカ微粒子として中空シリカのイソプロピルアルコール分散ゾル[触媒化成工業(株)、平均一次粒子径約60nm、外殻厚さ約10nm、固形分20重量%]をシリコーン加水分解物(A)に加え、中空シリカ微粒子/多孔質粒子/マトリクス形成材料(縮合化合物換算)が固形分基準で重量比が30/10/60となるように配合し、次いで、全固形分が1重量%になるようにイソプロピルアルコール/酢酸ブチル/ブチルセロソルブ混合液(希釈後の溶液の全量中の5重量%が酢酸ブチル、全量中の2重量%がブチルセロソルブとなるようにあらかじめ混合された溶液)で希釈し、さらにジメチルシリコーンジオール(n≒250)を酢酸エチルで固形分1重量%になるように希釈した溶液を、中空シリカ微粒子とマトリクス形成材料(縮合化合物換算)の固形分の和に対して、ジメチルシリコーンジオールの固形分が2重量%になるように添加することによって、低屈折率層形成用のコーティング材組成物L5を調製した。
製造例10(低屈折率層形成用組成物L6の調製)
テトラエトキシシラン156重量部にメタノール402.7重量部を加え、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシランCF3(CF2)7CH2CH2Si(OC25)313.7部と0.005モル/L塩酸27.6重量部(「H2O」/「OR」=0.5)を加え、ディスパーを用いてよく混合して混合液を得た。この混合液を25℃恒温槽中で2時間撹拌して、重量平均分子量を830に調整したフッ素/シリコーン共重合加水分解物(B)をマトリクス形成材料として得た(縮合化合物換算固形分10重量%)。
一方、テトラエトキシシラン208重量部にメタノール356重量部を加え、さらに水126重量部と0.01モル/L塩酸18重量部(「H2O」/「OR」=2.0)を加え、ディスパーを用いてよく混合して混合液を得た。この混合液を60℃恒温槽中で20時間撹拌して、重量平均分子量を8,000に調整することにより、シリコーン完全加水分解物を得た(縮合化合物換算固形分10重量%)。
次に、中空シリカ微粒子として中空シリカのイソプロピルアルコール分散ゾル[触媒化成工業(株)、平均一次粒子径約60nm、外殻厚さ約10nm、固形分20重量%]をフッ素/シリコーン共重合加水分解物(B)に加え、中空シリカ微粒子/共重合加水分解物(B)/シリコーン完全加水分解物(縮合化合物換算)が固形分基準で重量比が50/40/10となるように配合し、次いで、全固形分が1重量%になるようにイソプロピルアルコール/酢酸ブチル/ブチルセロソルブ混合液(希釈後の溶液の全量中の5重量%が酢酸ブチル、全量中の2重量%がブチルセロソルブとなるようにあらかじめ混合された溶液)で希釈し、さらにジメチルシリコーンジオール(n≒40)を酢酸エチルで固形分1重量%になるように希釈した溶液を、中空シリカ微粒子、共重合加水分解物(B)及びシリコーン完全加水分解物(縮合化合物換算)の固形分の和に対して、ジメチルシリコーンジオールの固形分が4重量%になるように添加することによって、低屈折率層形成用のコーティング材組成物L6を調製した。
製造例11(低屈折率層形成用組成物L7の調整)
テトラエトキシシラン166.4重量部にメタノール493.1重量部を加え、さらに0.005モル/L塩酸30.1重量部(「H2O」/「OR」=0.5)を加え、ディスパーを用いてよく混合して混合液を得た。この混合液を25℃恒温槽中で1時間撹拌して、重量平均分子量を800に調整したシリコーン加水分解物(A)を得た。次に(C)成分として、(H3CO)3SiCH2CH2(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)330.4重量部を加え、この混合液を25℃恒温槽中で1時間撹拌して、重量平均分子量を950に調整したマトリクス形成材料を得た(縮合化合物換算固形分10重量%)。
次に、中空シリカ微粒子として中空シリカのイソプロピルアルコール分散ゾル[触媒化成工業(株)、平均一次粒子径約60nm、外殻厚さ約10nm、固形分20重量%]をシリコーン加水分解物(A)に加え、中空シリカ微粒子/共重合加水分解(B)(縮合化合物換算)が固形分基準で重量比が30/70となるように配合し、次いで、全固形分が1重量%になるようにイソプロピルアルコール/酢酸ブチル/ブチルセロソルブ混合液(希釈後の溶液の全量中の5重量%が酢酸ブチル、全量中の2重量%がブチルセロソルブとなるようにあらかじめ混合された溶液)で希釈し、さらにジメチルシリコーンジオール(n≒40)を酢酸エチルで固形分1重量%になるように希釈した溶液を、中空シリカ微粒子とマトリクス形成材料(縮合化合物換算)の固形分の和に対して、ジメチルシリコーンジオールの固形分が2重量%になるように添加することによって、低屈折率層形成用のコーティング材組成物L7を調製した。
製造例12(偏光子Gの作製)
厚さ75μmのPVAフィルム[(株)クラレ、ビニロン#7500]をチャックに装着し、ヨウ素0.2g/Lとヨウ化カリウム60g/Lを含む水溶液中に30℃にて240秒間浸漬した。次いで、ホウ酸70g/Lとヨウ化カリウム30g/Lを含む水溶液中で6.0倍に一軸延伸し、5分間ホウ酸処理を行った。最後に室温で24時間乾燥することにより、平均厚さ30μm、偏光度99.993%の偏光子Gを得た。
製造例13(偏光子Pの作製)
トリアセチルセルロースフィルム[コニカミノルタ(株)、KC8UX2M]の一方の面に、水酸化カリウムの1.5モル/Lイソプロピルアルコール溶液を25mL/m2塗布し、25℃で5秒間乾燥した。流水で10秒洗浄し、25℃の空気を吹き付けることによりフィルムの表面を乾燥した。このようにして、トリアセチルセルロースフィルムの一方の表面のみをケン化した。
ケン化処理した面に製造例12で得られた偏光子Gを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いてロールトゥーロール法により貼り合わせて、偏光子Pを得た。
製造例14(光学補償板の作製)
厚さ0.1μmのゼラチン薄膜を塗設した厚さ100μmのトリアセチルセルロースフィルム[富士写真フィルム(株)、正面レターデーション5nm、厚さ方向レターデーション40nm]上に、ポリビニルアルコール3重量%水溶液を#16ワイヤバーコーターを用いて塗布し、80℃の温風で乾燥させ、次いでラビング処理して配向膜を得た。
液晶性ディスコティック化合物1.8重量部、エチレングリコール変性トリメチロールプロパンアクリレート0.2重量部、セルロースアセテートブチレート0.04重量部、光重合開始剤[チバ・ガイギー社、イルガキュア−907]0.06重量部及び増感剤[日本化薬(株)、カヤキュアーDETX]0.02重量部を、メチルエチルケトン3.43重量部に溶解して塗布液を得た。この塗布液を、前記配向膜に#3ワイヤーバーを用いて塗布し、塗膜を120℃の恒温槽中に3分間浸けて、ディスクコテッィク化合物を配向させた。塗膜を、120℃で高温水銀灯(120W/cm)を用いて紫外線を1分間照射した。室温まで冷却し、厚さ1μmのディスコティック化合物を含む層を有する光学補償板を得た。光軸角の平均傾斜角は21度、液晶層の厚さ方向レターデーションは117nmであった。
製造例15(低屈折率層付偏光板(TAC基材)の作製)
コニカミノルタ社製トリアセチルセルロースフィルム[コニカミノルタ(株)、KC8UX2M]の一方の面に、水酸化カリウムの1.5モル/Lイソプロピルアルコール溶液を25mL/m2塗布し、25℃で5秒間乾燥した。流水で10秒洗浄し、25℃の空気を吹き付けることによりフィルムの表面を乾燥した。このようにして、トリアセチルセルロースフィルムの一方の表面のみをケン化した。
もう一方の面に、高周波発信機[Tamtec社、コロナジェネレータHV05−2]を用いてコロナ放電処理を行い、表面張力が0.055N/mの両面処理基材フィルムを得た。
次に、製造例4で得られたハードコート層形成用組成物H1を、前記基材フィルムのコロナ放電処理をした面に、ダイコーターを用いて塗工し、80℃の乾燥炉の中で5分間乾燥させて被膜を形成した。次いで、紫外線を照射(積算照射量300mJ/cm2)して、厚さ5μmのハードコート層を形成し、積層フィルム1Aを得た。ハードコート層の屈折率は1.62、鉛筆硬度は2Hであった。
上記積層フィルム1Aのハードコート層側に、製造例5で得られた低屈折率層形成用組成物L1を、ワイヤーバーコーターを用いて塗工し、1時間放置して乾燥させ、得られた被膜を120℃で10分間、酸素雰囲気下で熱処理し、厚さ100nmの低屈折率層を形成した。
ケン化処理したトリアセチルセルロースの面と、製造例12で得られた偏光子Gを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いてロールトゥーロール法により貼り合わせて、低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Aを得た。
製造例16(低屈折率層付偏光板(COP基材)の作製)
製造例1で得られた原反フィルムの両面に、高周波発信機[Tamtec社、コロナジェネレータHV05-2]を用いてコロナ放電処理を行い、表面張力が0.072N/mの基材フィルムを得た。
次に、製造例4で得られたハードコート層形成用組成物H1を前記基材フィルムの片面に、ダイコーターを用いて塗工し、80℃の乾燥炉の中で5分間乾燥させて被膜を形成した。次いで、紫外線を照射(積算照射量300mJ/cm2)して、厚さ5μmのハードコート層を形成し、積層フィルム1Bを得た。ハードコート層の屈折率は1.62、鉛筆硬度はHであった。
上記積層フィルム1Bのハードコート層側に、製造例7で得られた低屈折率層形成用組成物L3を、ワイヤーバーコーターを用いて塗工し、1時間放置して乾燥させ、得られた被膜を120℃で10分間、酸素雰囲気下で熱処理し、厚さ100nmの低屈折率層を形成した。
上記積層フィルムのコロナ処理したもう一方の面に、製造例12で得られた偏光子Gをアクリル系接着剤[住友スリーエム(株)、DP−8005クリア]を用いて貼り合わせ、低屈折率層付偏光板(COP基材)2Cを得た。
実施例1(液晶表示装置1の作製)
製造例14で得られた光学補償板のトリアセチルセルロースフィルム側の面に、水酸化カリウムの1.5モル/Lイソプロピルアルコール溶液を25mL/m2塗布し、25℃で5秒間乾燥した。流水で10秒間洗浄し、25℃の空気を吹き付けてフィルムの表面を乾燥し、ケン化処理を行った。次いで、ケン化処理された面と、製造例15で得られた低屈折率層付偏光板2Aの偏光子面を、偏光子の透過軸と光学補償板のラビング方向が45度の角度になるように、ポリビニルアルコール系接着剤で貼り合わせ、出射側偏光板を得た。
製造例14で得られた光学補償板のトリアセチルセルロース側の面に、水酸化カリウムの1.5モル/Lイソプロピルアルコール溶液を25mL/m2塗布し、25℃で5秒間乾燥した。流水で10秒間洗浄し、25℃の空気を吹き付けてフィルムの表面を乾燥し、ケン化処理を行った。次いで、ケン化処理された面と、製造例13で得られた偏光子Pのトリアセチルセルロースフィルムが設けられていない面を、偏光子の透過軸と光学補償板のラビング方向が45度の角度になるようにポリビニルアルコール系接着剤で貼り合わせ、入射側偏光板を得た。
ITO電極付ガラス基板にポリイミド膜を配向膜として設け、一方向にラビング処理を行った。この配向膜を有するガラス基板2枚をラビング方向が平行となるように向かい合わせ、セルギャップ10μmで接合し、液晶[メルク社、ZLI1132、Δn=0.1396]を注入して、ベンド配向液晶セルを得た。
ベンド配向液晶セルに出射側偏光板をセル視認側に液晶層がセルに対向するように配置し、入射側偏光板を視認側の反対側に液晶層がセルに対向するように配置し、出射側偏光板と入射側偏光板とはクロスニコルの関係になり、ガラス基板のラビング方向と光学補償ラビング方向は逆向きで平行になるように配置して、液晶表示装置を得た。図1は、この液晶表示装置の構成を示す説明図である。出射側から入射側に向かって、反射防止層20、出射側偏光子21A、光学補償板22、OCBモードの液晶セル23、光学補償板22、入射側偏光子21B、保護フィルム24が、この順に積層されている。
実施例2(液晶表示装置2の作製)
製造例15において、低屈折率層形成用組成物L1に代えて、製造例6で得られた低屈折率層形成用組成物L2を用いた他は、製造例15と同じ方法で低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Bを得た。
次いで、実施例1における低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Aに代えて、この低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Bを用いた他は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置2を作製した。得られた液晶表示装置2の評価結果を、第1表に示す。
実施例3(液晶表示装置3の作製)
実施例1における低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Aに代えて、製造例16で得られた低屈折率層付偏光板(COP基材)2Cを用いた他は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置3を作製した。得られた液晶表示装置3の評価結果を、第1表に示す。
実施例4(液晶表示装置4の作製)
製造例15において、低屈折率層形成用組成物L1に代えて、製造例8で得られた低屈折率層形成用組成物L4を用いた他は、製造例15と同じ方法で低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Dを得た。
次いで、実施例1おける低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Aに代えて、この低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Dを用いた他は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置4を作製した。得られた液晶表示装置4の評価結果を、第4表に示す。
実施例5(液晶表示装置5の作製)
製造例15において、低屈折率層形成用組成物L1に代えて、製造例9で得られた低屈折率層形成用組成物L5を用いた他は、製造例15と同じ方法で低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Eを得た。
次いで、実施例1おける低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Aに代えて、この低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Eを用いた他は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置5を作製した。得られた液晶表示装置5の評価結果を、第1表に示す。
実施例6(液晶表示装置6の作製)
製造例15において、低屈折率層形成用組成物L1に代えて、製造例9で得られた低屈折率層形成用組成物L6を用いた他は、製造例15と同じ方法で低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Fを得た。
次いで、実施例1おける低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Aに代えて、この低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Fを用いた他は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置6を作製した。得られた液晶表示装置6の評価結果を、第1表に示す。
比較例1(液晶表示装置7の作製)
実施例1における光学補償板の代わりに、トリアセチルセルロースフィルム[富士写真フィルム(株)、正面レターデーション5nm、厚さ方向レターデーション40nm]を用いて出射側偏光板と入射側偏光板を作製した以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置7を作製した。得られた液晶表示装置7の評価結果を、第2表に示す。
比較例2(液晶表示装置8の作製)
製造例15において、低屈折率層形成用組成物L1に代えて、製造例11で得られた低屈折率層形成用組成物L7を用いた他は、製造例15と同じ方法で低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Gを得た。
次いで、実施例1おける低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Aに代えて、この低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Gを用いた他は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置8を作製した。得られた液晶表示装置8の評価結果を、第2表に示す。
比較例3(液晶表示装置9の作製)
製造例15において、低屈折率層形成用組成物L1の塗布を行わずに、コロナ放電処理を施した積層フィルム1Aのハードコート層を有する面に、MgF2層89nm、TiO2層112nm、MgF2層188nmを、この順にスパッタリング装置を用いて基板温度80℃の条件で積層し、三層構造の反射防止フィルムを作製した他は、製造例15と同じ方法で低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Hを得た。
次いで、実施例1おける低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Aに代えて、この低屈折率層付偏光板(TAC基材)2Hを用いた他は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置9を作製した。得られた液晶表示装置9の評価結果を、第2表に示す。
Figure 2006184302
Figure 2006184302
Figure 2006184302
第1表に見られるように、反射防止層が中空シリカ微粒子を含むシリコーン硬化被膜からなる屈折率1.33〜1.37の低屈折率層を備え、面内レターデーションReを有し、厚さ方向の平均屈折率が面内の平均屈折率よりも小さく、厚さ方向で屈折率が変化する高額補償板を備えた実施例1〜6のOCBモードの液晶表示装置は、反射率が小さく、コントラスト比と視野角が大きく、反射色が黒であって広帯域性に優れ、グレア、映り込み及び画像のぼやけがなく、視認性にも優れている。また、耐擦傷性が良好であり、スチールウールで擦ったときの反射率の変化と全光線透過率の変化が小さい。
これに対して、第2表に見られるように、光学補償板を備えない比較例1の液晶表示装置は、コントラスト比が小さく、上下方向の視野角が狭い。低屈折率層の屈折率が1.40である比較例2の液晶表示装置は、コントラスト比が低く視認性が不良である。低屈折率層の代わりに、MgF2層とTiO2層をスパッタリングにより積層した比較例3の液晶表示装置は、反射色が青であって広帯域性が不良である。
本発明の液晶表示装置は、偏光板とOCBモードの液晶セルとの間に少なくとも1枚の光学補償板が設けられ、この光学補償板が、面内レターデーションを有することにより、黒表示時における液晶セルの面内のレターデーションを相殺し、色補償をすることができる。そして、光学補償板の厚さ方向の平均屈折率が面内の平均屈折率よりも小さく、かつ厚さ方向で屈折率が変化することによって、液晶セルが有する異方性を相殺し、斜め方向から見たときの補償をすることができる。さらに、本発明の液晶表示装置は、出射側偏光板の液晶セルから遠い方側に設けられた反射防止層を有し、該反射防止層を中空微粒子又は多孔質微粒子を含むシリコーン硬化被膜からなる屈折率1.37以下の低屈折率層を有するもので構成したことによって、強い外光下においても、高いコントラスト比で広い視野角で視認することができる。また、表示面の耐擦傷性及び防汚性に優れているので、本発明液晶表示装置は、モバイル用、車載用などの粉塵が多く舞い、強い外光下でも使用される液晶表示装置として好適である。
実施例において作製した液晶表示装置の説明図である。
符号の説明
20 反射防止層
21A 出射側偏光子
21B 入射側偏光子
22 光学補償板
23 OCBモード液晶セル
24 保護フィルム

Claims (13)

  1. OCBモードの液晶セル、該液晶セルを挟む上下一対の出射側偏光子及び入射側偏光子、該偏光子のいずれかと前記液晶セルとの間に備えられた少なくとも1枚の光学補償板、及び、出射側偏光子の液晶セルから遠い方側に設けられた反射防止層を有し、該反射防止層が、中空微粒子又は多孔質微粒子を含むシリコーン硬化被膜からなる屈折率1.37以下の低屈折率層を有し、該光学補償板が、面内レターデーションReを有し、厚さ方向の平均屈折率が面内の平均屈折率よりも小さく、厚さ方向で屈折率が変化するものであることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 低屈折率層が、中空微粒子又は多孔質微粒子と、下記(A)の加水分解物と下記(B)の共重合加水分解物の少なくとも一方と、下記(C)の加水分解性オルガノシランとを含有してなるコーティング材組成物の硬化被膜である請求項1に記載の液晶表示装置。
    (A)一般式[1]で表わされる加水分解性オルガノシランを加水分解して得られる加水分解物、
    SiX4 …[1]
    (ただし、式中、Xは加水分解基である。)
    (B)一般式[1]で表される加水分解性オルガノシランと、フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランとの共重合加水分解物、
    (C)撥水基を直鎖部に備えるとともに、アルコキシル基が結合したケイ素原子を分子内に2個以上有する加水分解性オルガノシラン。
  3. 加水分解性オルガノシラン(C)の撥水基が、一般式[2]又は一般式[3]で示される構造を有する請求項2に記載の液晶表示装置。
    Figure 2006184302
    (ただし、式中、R1及びR2はアルキル基であり、nは2〜200の整数である。)
    −(CF2)m− …[3]
    (ただし、式中、mは2〜20の整数である。)
  4. 低屈折率層が、中空微粒子又は多孔質微粒子と、下記(A)の加水分解物と下記(B)の共重合加水分解物の少なくとも一方と、下記(D)のシリコーンジオールとを含有してなるコーティング材組成物の硬化被膜である請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
    (A)一般式[1]で表わされる加水分解性オルガノシランを加水分解して得られる加水分解物、
    SiX4 …[1]
    (ただし、式中、Xは加水分解基である。)
    (B)一般式[1]で表される加水分解性オルガノシランと、フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランとの共重合加水分解物、
    (D)一般式[4]で表わされるジメチル型のシリコーンジオール。
    Figure 2006184302
    (ただし、式中、pは正の整数である。)
  5. pが、20〜100の整数である請求項4に記載の液晶表示装置。
  6. 低屈折率層が、下記(A)の加水分解物と中空微粒子又は多孔質微粒子とを混合した状態で下記(A)の加水分解物を加水分解した再加水分解物と、下記(B)の共重合加水分解物とを含有してなるコーティング材組成物の硬化被膜である請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
    (A)一般式[1]で表わされる加水分解性オルガノシランを加水分解して得られる加水分解物、
    SiX4 …[1]
    (ただし、式中、Xは加水分解基である。)
    (B)一般式[1]で表される加水分解性オルガノシランと、フッ素置換アルキル基を有する加水分解性オルガノシランとの共重合加水分解物。
  7. 低屈折率層を形成するコーティング材組成物が、アルコキシシランを溶媒、水及び加水分解重合触媒とともに混合して加水分解重合させたのち、溶媒を除去して得られた多孔質粒子、又は、アルコキシシランを溶媒、水及び加水分解重合触媒とともに混合して加水分解重合させ、ゲル化前に重合を停止することにより安定化させたオルガノシリカゾルから溶媒を除去して得られた凝集平均粒子径10〜100nmの多孔質粒子の少なくとも一方を含有する請求項2ないし請求項6のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  8. (A)一般式[1]で表わされる加水分解性オルガノシランを加水分解して得られる加水分解物が、一般式[1]で表される加水分解性オルガノシランを、モル比[H2O]/[X]が1.0〜5.0となる量の水及び酸触媒の存在下で加水分解して得られる重量平均分子量2,000以上の部分加水分解物又は完全加水分解物である請求項2ないし請求項7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  9. 光学補償板が、ディスコティック液晶の配向形態を固定した液晶性光学フィルムである請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  10. 配向形態が、ディスコティック液晶のダイレクターが厚さ方向で変化するものである請求項9に記載の液晶表示装置。
  11. 反射防止層が、さらに屈折率1.55以上のハードコート層を有する請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  12. ハードコート層が、無機酸化物粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂を含んでなるものである請求項11に記載の液晶表示装置。
  13. 反射防止層の表面における入射角5度の反射率が、波長430〜700nmで1.4%以下であり、波長550nmで0.7%以下である請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
JP2004374429A 2004-12-24 2004-12-24 液晶表示装置 Pending JP2006184302A (ja)

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