JP2007065191A - 偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007065191A
JP2007065191A JP2005249856A JP2005249856A JP2007065191A JP 2007065191 A JP2007065191 A JP 2007065191A JP 2005249856 A JP2005249856 A JP 2005249856A JP 2005249856 A JP2005249856 A JP 2005249856A JP 2007065191 A JP2007065191 A JP 2007065191A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
polarizing plate
transparent protective
protective layer
refractive index
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005249856A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Yoshihara
眞紀 吉原
Kohei Arakawa
公平 荒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP2005249856A priority Critical patent/JP2007065191A/ja
Publication of JP2007065191A publication Critical patent/JP2007065191A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)

Abstract

【課題】透明性、機械的強度、反射防止性能、耐擦傷性、密着性のすべてに優れる偏光板及び液晶表示装置を提供することである。
【解決手段】偏光子と、前記偏光子の一方の面上に設けられた透明保護層(A)と、前記透明保護層(A)上に設けられたハードコート層(B)と、前記ハードコート層上に設けられた低屈折率層(C)と、前記偏光子のもう一方の面上に設けられた透明保護層(D)とを含む偏光板であって、前記低屈折率層(C)は、特定のケイ素化合物(I)および/または(I)とフッ素との共重合体を含む低屈折率層形成用組成物から形成される、分子中に−O−Si−O−結合を有する化合物を含む硬化膜からなり、前記透明保護層(A)はヘイズ値が1.0以下であるポリエステル樹脂を含有してなり、(C)側の表面硬度が鉛筆硬度でH以上であることを特徴とする偏光板、及び該偏光板を備える液晶表示装置。
【選択図】 なし

Description

本発明は、偏光板に関し、さらに詳しくは偏光子の両面に透明保護層を積層してなる積層体からなる、透明性、機械的強度、反射防止性能、耐擦傷性、密着性に優れる偏光板を提供することである。また、本発明は前記偏光板を含む液晶表示装置に関する。
液晶表示装置(以下、「LCD」という。)は、薄型で、軽量、及び消費電力が小さいという特徴がある。LCDはその使用分野も従来の電卓や時計などから、耐久性、耐熱性の要求される自動車用途、たとえば、カーナビ、自動車用インナーパネルといった用途に拡大されつつある。
また、LCDは、液晶の配向方向を、電場の印加により制御することで偏光の通過、遮断を切り替える機能を持つ液晶セルと、それを挟む状態で互いに直角に配置された2枚の偏光板から構成される。
偏光板としては、偏光子の両方に偏光板保護層を積層したものが用いられる。前記保護層は液晶表示素子の耐傷性、反射防止性等の向上のため、偏光子の外側に張り合わせるフィルムである。
該偏光子の素材としては、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」という。)が主に用いられており、該偏光子は、具体的にはPVA製フィルムを一軸延伸してから、ヨウ素あるいは二色性染料で染色するか、あるいは染色してから延伸し、さらにホウ素化合物で架橋することにより形成している。しかし、このPVA製偏光子は、機械的強度が低く、また熱や水分によって収縮することにより、偏光機能が低下するので、それを防止するために、その両面に透明保護層が積層されている。
該透明保護層には、光線透過性が高いこと、防湿性・耐熱性に優れていること、機械的性質に優れていること、表面が平滑であること、及び偏光子との接着が良好であることなどが要求されている。
そして、通常は、該透明保護層としてトリアセチルセルロース(TAC)を用いそれを水溶性接着剤で偏光子と貼り合わせた偏光板が知られている。この偏光板にゴミや異物の付着、傷を防止するために、該TAC製透明保護層上にハードコート層を設けたり、帯電防止層を設けたりしている。
本出願人は、透明保護層として熱可塑性ノルボルネン系樹脂を用いることを提案している(特許文献1)。これによれば、耐水性、耐湿性、物理的強度、耐熱性、透明性、低複屈折性、粘着剤との密着性、及び粘着剤に対する耐久性などに優れた透明保護層を提供することができる。
一方、偏光板は、LCDでは液晶セルの前面側にも配置され外部に露出していることもあり、物理的な損傷を受けやすく、損傷を受けると表示画像品質を損なうので、偏光板の耐擦傷性と表面硬度の更なる向上が望まれている。加えて、LCDの表示部には、外部光の映りこみ、反射、ギラツキ等を抑えて、画面を見やすくすることや、静電気による塵埃付着がないことも望まれている。そこで、保護フィルムの表面にハードコート層、反射防止層、帯電防止層などを設けることが検討されているが未だ不十分であり、これらの特性をすべて満足することのできる偏光板が求められている。
特開平6−51117号公報 特開2003−149403号公報 特開2003−185841号公報
本発明は、かかる従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、透明性、機械的強度、反射防止性能、耐擦傷性、及び密着性のすべてに優れる偏光板及び液晶表示装置を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、偏光子、特定の透明保護層、ハードコート層、特定の低屈折率層を順次積層し、前記偏光子のもう一方の面に透明保護層を形成させることにより上記液晶表示素子に最適な本発明の偏光板を完成するに至った。
かくして本発明によれば、
(1)偏光子と、前記偏光子の一方の面上に設けられた透明保護層(A)と、前記透明保護層(A)上に設けられたハードコート層(B)と、前記ハードコート層上に設けられた低屈折率層(C)と、前記偏光子のもう一方の面上に設けられた透明保護層(D)とを含む偏光板であって、前記低屈折率層(C)は、少なくとも下記成分(I)および/または(II)を含む低屈折率層形成用組成物から形成される、分子中に−O−Si−O−結合を有する化合物を含む硬化膜であり、前記透明保護層(A)はヘイズ値が1%以下であるポリエステル樹脂を含有してなり、(C)側の表面硬度が鉛筆硬度でH以上であることを特徴とする偏光板。
(I):式(1)RaSiY4-a(式中、Rは置換基を有していてもよい一価の炭化水素基を表し、aは0〜2の整数を表し、aが2の時、2つのRは同一であっても相異なっていてもよい。Yは加水分解性基を表し、4−aが2〜4の時、複数のYは同一であっても相異なっていてもよい)で表される化合物、前記式(1)で表される化合物の少なくとも1種の部分加水分解生成物、および前記式(1)で表される化合物の少なくとも1種の完全加水分解生成物からなる群から選ばれる1種以上のケイ素化合物。
(II):式(I)で表されるケイ素化合物とフッ素化合物の共重合体。
(2)前記透明保護層(D)が、脂環式構造を有する重合体樹脂、又はセルロース樹脂である前記(1)に記載の偏光板。
(3)前記透明保護層(D)が、複屈折性を有する層である前記(1)又は(2)に記載の偏光板。
(4)前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の偏光板を備える液晶表示装置であって、前記偏光板の(C)側の表面が視認側となるよう前記偏光板が設けられた液晶表示装置。
がそれぞれ提供される。
本発明の偏光板は、透明性、機械的強度、反射防止性能、耐擦傷性、密着性に優れる偏光板であり、該偏光板を液晶表示装置として好適に用いることができる。
《偏光板》
本発明の偏光板は、偏光子と、前記偏光子の一方の面上に設けられた透明保護層(A)と、前記透明保護層(A)上に設けられたハードコート層(B)と、前記ハードコート層上に設けられた低屈折率層(C)と、前記偏光子のもう一方の面上に設けられた透明保護層(D)とを含む。
(偏光子)
本発明に使用する偏光子は、偏光子としての機能を有するものであれば特に限定されない。例えば、(1)ビニルアルコール重合体(PVA)・ヨウ素系偏光子、(2)PVA系フィルムに二色性染料を吸着配向させた、PVA・染料系偏光子、(3)PVA系フィルムより脱水反応を誘起させたり、ポリ塩化ビニルフィルムの脱塩酸反応により、ポリエンを形成させたポリエン系偏光子、(4)分子内にカチオン基を含有する変性PVAからなるPVA系フィルムの表面および/または内部に二色性染料を有する偏光子などが挙げられる。偏光子の初期偏光性能の観点からは、(1)PVA・ヨウ素系偏光子が好ましく、耐熱性の観点からは(2)PVA・染料系偏光子が好ましい。
偏光子はその製造方法によって特に限定されない。例えば、1)PVA系フィルムを延伸後、ヨウ素イオンを吸着させる方法、2)PVA系フィルムを二色性染料による染色後、延伸する方法、3)PVA系フィルムを延伸後、二色性染料で染色する方法、4)二色性染料をPVA系フィルムに印刷後、延伸する方法、5)PVA系フィルムを延伸後、二色性染料を印刷する方法などの公知の方法が挙げられる。
例えば、1)の方法は、より詳細には、ヨウ素をヨウ化カリウム溶液に溶解してヨウ素イオンを作り、このイオンをPVAフィルムに吸着させて延伸し、次いで1〜4%ホウ酸水溶液に浴温度30〜40℃で浸漬して偏光板を製造する。2)の方法は、より詳細には、PVAフィルムを、1)と同様にホウ酸水溶液に浸漬し、次いで一軸方向に3〜7倍程度延伸し、0.05〜5%の二色性染料水溶液に浴温度30〜40℃で浸漬して染料を吸着させ、80〜100℃で乾燥して熱固定して偏光子を製造する。偏光子の偏光度は、99.5%以上が好ましい。
(透明保護層(A))
本発明の透明保護層(A)はポリエステル樹脂を含有してなる。透明保護層に用いられるポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよびこれらの構成成分を主成分とするポリエステル共重合体等がある。
ポリエステル共重合体としては、テレフタル酸を主成分とする結晶性ポリエステル樹脂98〜80重量%、融点170℃以上の結晶セグメント、及び融点又は軟化点が100℃以下、分子量が400〜8000、好ましくは800〜4000の軟質重合体セグメントからなるブロック共重合ポリエステル樹脂2〜20重量%の共重合体が挙げられる。
上記ブロック共重合ポリエステル樹脂において、融点170℃以上の結晶セグメントは、その成分だけで重合体としたときに、融点が170℃以上のものである。例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸の残基と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタメチレングリコール、P-キシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族、芳香族、脂環族ジオールの残基とからなるポリエステル等を用いることができる。
また、分子量400〜8000の軟質重合体セグメントは、該セグメント構成成分だけで測定した場合の融点或いは軟化点が100℃以下のものをいう。このような、ブロック共重合体ポリエステル樹脂を用いると、接着剤との接着性に優れる。
本発明の偏光板に用いる透明保護層(A)は、ヘイズ値が1%以下であるポリエステル系樹脂を含有してなるものであるが、本発明の透明保護層(A)に用いられるポリエステルとしては上記条件を満たすものであれば特に限定されるものではい。
透明保護層(A)には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などが用途に応じて適宜選択して添加されていてもよい。
これらの添加剤の種類や添加量は、本発明の透明保護層(A)のヘイズ等に悪影響を与えるため、ヘイズ値が1%以下、好ましくは0.5%以下となる範囲内で配合することが好ましい。
本発明においては、透明保護層(A)を構成する、ポリエステル樹脂及び各種添加剤を含む組成物を公知の成形方法によりフィルム状に成形することにより得ることができる。
たとえば、ポリエステル樹脂を押出機によって溶融させて当該押出機に取り付けられたダイスからシート状に押出し、押出されたシート状のポリエステルフィルムを少なくとも1つの冷却ドラムに密着させて成形して引き取る工程を有することにより得られる。
透明保護層(A)のヘイズ値が1%を超えると、透明性が低下し好ましくない。前記ヘイズ値は、1%以下、好ましくは0.5%以下である。ヘイズ値は、JIS K7361−1に準拠して、市販の濁度計を用いて測定する。
本発明においては、使用する透明保護層(A)のJIS K7127に準拠して測定した引き取り方向(MD方向)の引張り強度が、150MPa以上であることが好ましく、200MPa以上であることがさらに好ましい。透明保護層(A)のJIS K7127に準拠して測定した長さ方向の引張り強度が上記範囲であることにより、フィルムの表面強度、熱や湿度によるひずみが緩和される。また、JIS K5600−5−4に準拠して荷重500gで測定した鉛筆硬度の値が、B以上、好ましくは、HB以上である。鉛筆硬度が上記以上にあることにより、偏光板の耐擦傷性が向上する。
本発明においては、透明保護層(A)は、厚み100μmにおける全光線透過率が80%以上、好ましくは90%以上である。
透明保護層(A)の厚みは、取扱い容易性、加工性の観点から、通常10〜500μmであり、透明性と機械的強度の観点から、好ましくは30〜300μm、より好ましくは40〜200μmである。
透明保護層(A)は、単層でも多層でもよいが、通常は単層である。
また透明保護層(A)としては、片面又は両面に表面改質処理を施したものを使用することができる。表面改質処理を行うことにより、低屈折率層や後述するその他の層との密着性を向上させることができる。表面改質処理としては、エネルギー線照射処理や薬品処理等が挙げられる。
エネルギー線照射処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処理等が挙げられ、処理効率の点等から、コロナ放電処理、プラズマ処理が好ましく、コロナ放電処理が特に好ましい。薬品処理としては、重クロム酸カリウム溶液、濃硫酸等の酸化剤水溶液中に、浸漬し、その後充分に水で洗浄すればよい。浸漬した状態で振盪すると効果的であるが、長期間処理すると表面が溶解したり、透明性が低下したりするといった問題があり、用いる薬品の反応性、濃度等に応じて、処理時間等を調整する必要がある。
(ハードコート層(B))
本発明においては、透明保護層(A)の上にハードコート層(B)を有する。本発明の偏光板は、上記ハードコート層(B)に加え、高屈折率層を有することが好ましい。高屈折率層を有することにより、外光の映りこみ等の反射が防止され、耐擦傷性、防汚性が等にも優れた偏光板とすることが可能になる。
また、本発明の偏光板において上記ハードコート層(B)が高屈折率層をかねることができる場合がある。その場合、薄膜化が可能になるばかりでなく製造コストをも削減できる。
本発明において、高屈折率層をかねたハードコート層(B)とは、低屈折率層(C)よりも大きい屈折率層を有する層をいう。高屈折率層の屈折率は、前記条件を満たせばよいが、1.55以上であることが好ましい。
屈折率は、例えば、公知の分光エリプソメータを用いて測定して求めることができる。
上記ハードコート層の形成材料としては、JIS K5600−5−4に規定される鉛筆硬度試験で、「HB」以上の硬度を示すものであれば特に制限されない。例えば、有機シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アクリル系、ウレタンアクリレート系等の有機系ハードコート材料;二酸化ケイ素等の無機系ハードコート材料;等が挙げられる。なかでも、接着力が良好であり、生産性に優れる観点から、ウレタンアクリレート系、多官能アクリレート系ハードコート材料の使用が好ましい。
ハードコート層(B)の形成方法は特に制限されず、例えば、ハードコート層形成用塗工液を公知の塗工方法により透明保護層(A)又はこの層の上に積層した他の層の上に塗工して、紫外線を照射し硬化させて形成する方法が挙げられる。ハードコート層の厚みは特に限定されないが、通常0.5〜30μm、好ましくは3〜15μmである。
前記ハードコート層は、活性エネルギー線硬化型樹脂を含み、層全体の屈折率が1.55以上の層である。活性エネルギー線硬化型樹脂を含有させることにより、十分な強度、耐久性、密着性、透明性を兼ね備える高屈折率層を得ることができる。
活性エネルギー線硬化性樹脂は、分子中に重合性不飽和結合またはエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー及び/又はモノマーが、活性エネルギー線の照射により硬化してなる樹脂である。活性エネルギー線は、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものを指し、通常は紫外線又は電子線を用いる。
前記分子中に重合性不飽和結合またはエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマーの例としては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類;ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート類、もしくはカチオン重合型エポキシ化合物が挙げられる。
前記分子中に重合性不飽和結合またはエポキシ基を有するモノマーの例としては、スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン系モノマー;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類;アクリル酸-2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル、アクリル酸-2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸-2-(N,N-ジベンジルアミノ)メチル、アクリル酸-2-(N,N-ジエチルアミノ)プロピル等の不飽和置換の置換アミノアルコールエステル類;アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド類;
エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、2-ヒドロキシアクリレート、2-ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクレリート等の多官能性アクリレート類;
トリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等の、分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール類;等が挙げられる。
本発明においては、これらのプレポリマー、オリゴマー及び/又はモノマーを一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
ハードコート層には、所望により、屈折率の調整、曲げ弾性率の向上、体積収縮率の安定化、耐熱性、帯電防止性、防眩性などの向上を図る目的で、エネルギー線硬化型樹脂の他に、例えばシリカ、アルミナ、水和アルミナ等の各種フィラー、無機酸化物粒子をさらに含むことが好ましい。
さらに、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、レベリング剤、消泡剤等の各種添加剤を含有させることもできる。
ハードコート層に、無機酸化物粒子を含有させることにより、耐擦傷性に優れ、屈折率が1.55以上の高屈折率層を容易に形成することが可能となる。
ハードコート層(B)に含有させることができる無機酸化物粒子としては、屈折率が高いものが好ましい。具体的には、前記無機酸化物粒子の屈折率が1.7以上であることが好ましく、1.7〜2.3であることがさらに好ましい。
屈折率が高い無機酸化物としては、例えば、チタニア(酸化チタン)、ジルコニア(酸化ジルコニウム)、酸化亜鉛、酸化錫、酸化セリウム、五酸化アンチモンなどの酸化アンチモンなどの金属酸化物や、スズをドープした酸化インジウム(ITO)、アンチモンをドープした酸化スズ(ATO)、亜鉛をドープした酸化インジウム(IZO)、アルミニウムをドープした酸化亜鉛(AZO)、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)等が挙げられる。
これらの中でも、酸化アンチモンは、屈折率が高く、導電性と透明性のバランスに優れるので、屈折率を調節するための成分として適している。
これらの無機酸化物粒子は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
無機酸化物粒子は、ハードコート層の透明性を低下させないために、いわゆる超微粒子サイズ、より具体的には、一次粒子径が1nm以上であり、且つ、100nm以下、好ましくは30nm以下のものを用いるのが好ましい。
無機酸化物粒子の一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)等により得られる二次電子放出のイメージ写真から目視計測してもよいし、動的光散乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等により機械計測してもよい。
無機酸化物粒子の一次粒子径が上記範囲内であれば、その粒子形状が球状であっても針状であっても、その他どのような形状であっても本発明に用いることができる。針状形状の場合は、その長さが、100nm以下、好ましくは、50nm以下である。
また、本発明に用いることができる無機酸化物粒子としては、有機溶剤中での分散性を高めるために、その表面の少なくとも一部がアニオン性の極性基を有する有機化合物又は有機金属化合物により被覆されていることが好ましい。ハードコート層を湿式法により形成する場合、用いる分散液中における無機酸化物粒子の分散性を向上させることができる。
前記アニオン性の極性基を有する有機化合物としては、カルボキシル基、リン酸基、又は、水酸基のようなアニオン性の極性基を有するものを用いることができる。例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、EO(エチレンオキサイド)変性リン酸トリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート等が挙げられる。
また、アニオン性の極性基を有する有機金属化合物としては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤;KR-TTS、KR-46B、KR-55、KR-41B、KR-38S、KR-138S、KR-238S、338X、KR-44、KR-9SA、KR-ET(以上、味の素ファインテクノ(株)製のチタネートカップリング剤)、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn-プロポキシチタン、テトラn-ブトキシチタン、テトラsec-ブトキシチタン、テトラtert-ブトキシチタン等のチタネートカップリング剤;等が挙げられる。
表面が有機化合物及び/又は有機金属化合物により被覆して疎水性が付与された無機酸化物粒子は、前記アニオン性の極性基を有する有機化合物及び/又は有機金属化合物を有機溶剤中に溶解させておき、この溶液中に無機酸化物を分散させた後に有機溶剤を完全に蒸発除去することにより得ることができる。
無機酸化物粒子は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。この場合には、主となる機能が異なる無機酸化物粒子同士を組み合わせることにより、複数の機能をバランスよく備えた透明薄膜を形成することができる。例えば、屈折率は極めて大きいが導電性の小さいルチル型酸化チタン微粒子と、導電性は極めて大きいが屈折率はルチル型酸化チタンよりも小さい上記の導電性無機酸化物を組み合わせて、所定の屈折率と良好な帯電防止性能を兼ね備えたハードコート層を形成することが可能である。
活性エネルギー線硬化型樹脂を含むハードコート層は、前記分子中に重合性不飽和結合またはエポキシ基を有する、プレポリマー、オリゴマー及び/又はモノマー、並びに所望により無機酸化物粒子を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、支持体又は支持体表面に形成されたその他の層上に塗布し、得られた塗膜を乾燥し、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、形成することができる。
用いる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の前記プレポリマー、オリゴマー及び/又はモノマーの含有量は、優れた塗工適性が得られる観点から、5重量%〜95重量%が好ましい。また、無機酸化物微粒子の配合量は、特に制限されないが、優れた耐擦傷性を有し、屈折率が1.55以上のハードコート層が容易に得られる観点から、ハードコート層全体に対して、40〜90重量%であるのが好ましい。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化が紫外線照射により行われるときは、該組成物に光重合開始剤や光重合促進剤を添加する。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のラジカル重合性開始剤;芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等のカチオン重合性開始剤;等が挙げられる。これらは一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。光重合開始剤の添加量は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部に対し、通常、0.1〜10重量部である。
また、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、有機反応性ケイ素化合物を添加してもよい。用いる有機反応性ケイ素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ-n-プロポキシシラン、テトラ-n-ブトキシシラン、テトラ-sec-ブトキシシラン、テトラ-tert-ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等の、式:R5 mSi(OR')n(式中、R5及びR'はそれぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基を表し、m、nはそれぞれ独立して、m+n=4の関係を満たす正整数である。)で表せる有機ケイ素化合物;
γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメトキシシラン、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルメトキシシラン・塩酸塩、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノシラン、メチルメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、オクタデシルジメチル[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のシランカップリング剤;
片末端ビニル基置換ポリシラン、両末端ビニル基置換ポリシラン、片末端ビニル基置換ポリシロキサン、両末端ビニル基置換ポリシロキサン、又はこれらの化合物を反応させて得られるビニル基置換ポリシラン、もしくはビニル基置換ポリシロキサン等の活性エネルギー線硬化性ケイ素化合物;3-アクリロ(又はメタクリロ)キシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロ(又はメタクリロ)キシプロピルメチルジメトキシシラン等のアクリロ(又はメタクリロ)キシシラン化合物等のその他の有機ケイ素化合物;等が挙げられる。
用いることができる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、前記分子中に重合性不飽和結合またはエポキシ基を有する、プレポリマー、オリゴマー及び/又はモノマー、並びに所望により無機酸化物粒子を、適当な有機溶剤に溶解又は分散させることにより調製することができる。
用いることができる有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール等のアルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジアセトングリコール等のグリコール類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;n-ヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;メチルエチルケトオキシム等のオキシム類;及びこれらの2種以上からなる組み合わせ;等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗工する方法は特に制限されず、公知の工法を採用することができる。塗工法としては、ワイヤバーコート法、ディップ法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の塗膜を得た後は、乾燥し、活性エネルギー線を照射することにより、硬化させて高屈折率層を形成することができる。
活性エネルギー線の照射強度及び照射時間はとくに限定されず、用いる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の組成等に応じて適宜、照射強度、照射時間などの照射条件を設定することができる。
(低屈折率層(C))
本発明の偏光板に用いる低屈折率層は、少なくとも下記成分(I)および/または(II)を含む組成物から形成される、分子中に−O−Si−O−結合を有する化合物(以下、「化合物X」ということがある。)を含む硬化膜である。
(I):式(1)RaSiY4-a(式中、Rは置換基を有していてもよい一価の炭化水素基を表し、aは0〜2の整数を表し、aが2の時、2つのRは同一であっても相異なっていてもよい。Yは加水分解性基を表し、4−aが2〜4の時、複数のYは同一であっても相異なっていてもよい)で表される化合物(以下、化合物(I−1)ということがある。)、前記式(1)で表される化合物の少なくとも1種の部分加水分解生成物(以下、化合物(I−2)ということがある。)、および前記式(1)で表される化合物の少なくとも1種の完全加水分解生成物(以下、化合物(I−3)ということがある。)からなる群から選ばれる1種以上のケイ素化合物。
(II):式(I)で表されるケイ素化合物とフッ素化合物の共重合体。
〔分子中に−O−Si−O−結合を有する化合物X〕
<RaSiY4-aで表される化合物(I)など>
本化合物(I−1)において、置換基を有してもよい一価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、4-メチルフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等の置換基を有してもよいアリール基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;ベンジル基、フェネチル基、3-フェニルプロピル基等のアラルキル基;クロロメチル基、γ-クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基等のハロアルキル基;γ-メタクリロキシプロピル基等のアルケニルカルボニルオキシアルキル基;γ-グリシドキシプロピル基、3,4-エポキシシクロヘキシルエチル基等のエポキシ基を有するアルキル基;γ-メルカプトプロピル基等のメルカプト基を有するアルキル基;3-アミノプロピル基等のアミノ基を有するアルキル基;トリフルオロメチル基等のパーフルオロアルキル基等を挙げることができる。この中でも、合成の容易性、入手可能性等から、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、パーフルオロアルキル基が好ましい。
Yは、加水分解性基を示す。加水分解性基は、所望により酸または塩基触媒の存在下に加水分解して、−O−Si−O−結合を生じさせる基である。加水分解性基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシル基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基等のアシルオキシ基;オキシム基(−O−N=C−R1(R2))、エノキシ基(−O−C(R1)=C(R2)R3)、アミノ基、アミノキシ基(−O−N(R1)R2)、アミド基(−N(R1)−C(=O)−R2)等を挙げることができる。これらの基において、R1、R2、R3は、それぞれ独立して水素原子または一価の炭化水素基を表す。これらの中でも、Yとしては、入手容易性等からアルコキシル基が好ましい。
aSiY4-aで表される化合物(I−1)としては、aが0〜2の整数である珪素化合物が好ましい。その具体例としては、アルコキシシラン類、アセトキシシラン類、オキシムシラン類、エノキシシラン類、アミノシラン類、アミノキシシラン類、アミドシラン類等を挙げることができる。これらの中でも、入手容易性等からアルコキシシラン類がより好ましい。
aが0であるテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等を例示でき、aが1であるオルガノトリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等を例示できる。aが2であるジオルガノジアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等を例示できる。
化合物(I−1)の分子量は特に限定されないが、40〜300であるのが好ましく、100〜200がより好ましい。
化合物(I−1)の少なくとも1種の部分加水分解生成物(化合物(I−2))および化合物Aの少なくとも1種の完全加水分解生成物(化合物(I−3))は、化合物(I−1)の一種またはそれ以上を、全部または部分的に加水分解、縮合させることによって得ることができる。
化合物(I−2),(I−3)は、たとえば、Si(Or)4(rは1価の炭化水素基を表す)で表されるシリコンテトラアルコキシドを、モル比〔H2O〕/〔Or〕が1以上、例えば、1〜5、好ましくは1〜3となる量の水の存在下、加水分解して得ることができる。加水分解は、5〜100℃の温度で、2〜100時間、全容を攪拌することにより行うことができる。
化合物(I−1)を加水分解する場合には、必要に応じて触媒を使用してもよい。使用する触媒としては、得られる部分加水分解物および/または加水分解物が2次元架橋構造になりやすく、その縮合化合物が多孔質化しやすい点、および加水分解に要する時間を短縮する点から、酸触媒が好ましい。
用いる酸触媒としては、例えば、酢酸、クロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プロピオン酸、グルタール酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸;塩酸、硝酸、ハロゲン化シラン等の無機酸;酸性コロイダルシリカ、酸化チタニアゾル等の酸性ゾル状フィラー;を挙げることができる。これらの触媒は、単独で、または、2種以上を組み合わせて使用できる。
また、酸触媒の代わりに、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液、アンモニア水、アミン類の水溶液等の塩基性触媒を用いてもよい。
化合物(I−2),(I−3)の分子量は、通常、重量平均分子量が200〜5000の範囲である。
<化合物(I)とフッ素化合物の共重合体(II)>
本共重合体(II)は、化合物(I)のケイ素原子に、フッ素原子を有する有機基が結合した構造を含む化合物である。フッ素原子を有する有機基としては、パーフルオロアルキル基が好ましい。共重合体の形成に用いることのできるフッ素化合物としては、例えば、テトラフロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン、3,3,3−トリフロロプロピレン等のフロロオレフィン類;パーフロロ(アルキルビニルエーテル)類もしくはパーフロロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類;パーフロロ(メチルビニルエーテル)、パーフロロ(エチルビニルエーテル)、パーフロロ(プロピルビニルエーテル)、パーフロロ(ブチルビニルエーテル)、パーフロロ(イソブチルビニルエーテル)等のパーフロロ(アルキルビニルエーテル)類;パーフロロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)等のパーフロロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類;その他を挙げることができる。これらの化合物は、単独で、又は2種以上を併用することができる。
また、フッ素化合物としては、ゾル−ゲル反応により容易に共重合体を形成できる観点から、パーフルオロアルキルアルコキシシラン等のフッ素を含有する化合物を用いることが好ましい。パーフルオロアルキルアルコキシシランとしては、たとえば、一般式(2):CF3(CF2)nCH2CH2Si(OR43(式中、R4は、炭素数1〜5個のアルキル基を示し、nは0〜12の整数を示す)で表される化合物があげられる。具体的には、たとえば、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシランなどがあげられる。これらのなかでも前記nが2〜6の化合物が好ましい。これらは、それぞれ単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
共重合体(II)を得る方法としては、たとえば、ゾル−ゲル反応によって縮合可能なアルコキシシリル基を有するパーフルオロアルキルアルコキシシランと、化合物(I)を、アルコール溶媒(たとえば、メタノール、エタノール等)中で有機酸(たとえばシュウ酸等)やエステル類の存在下で加熱し縮重合させることにより得られる。
なお、これらの反応成分の比率は特に制限されないが、通常、パーフルオロアルキルアルコキシシラン1モルに対して、化合物(A)を1〜100モル程度、さらには2〜10モルとするのが好適である。
共重合体(II)の分子量は特に制限されないが、通常、その重量平均分子量が5000以上であるのが好ましい。
共重合体(II)は、水酸基および/またはエポキシ基を有することが好ましい。共重合体(II)の水酸基および/またはエポキシ基は、化合物(I)または共重合体(II)の−O−Si−O−構造と反応して、硬化膜の皮膜強度が強くなり、耐擦傷性をさらに向上させることができる。水酸基および/またはエポキシ基は、フルオロアルキル構造に導入されていいてもよく、−O−Si−O−構造に導入されていてもよい。水酸基および/またはエポキシ基はこれら官能基を有する化合物を共重合することにより導入できる。
本発明に用いる低屈折率層形成用組成物中の前記化合物(I)と共重合体(II)の混合割合は、当該組成物から得られる硬化膜の用途に応じて適宜に調製される。化合物(I)の割合が多くなると、共重合体(II)の割合が少なくなり、硬化膜の屈折率が上昇したり、防汚染性が低下する傾向がある。一方、化合物(I)の割合が少なくなると、硬化膜の皮膜強度が弱くなり、耐擦傷性が低下する傾向がある。これらの観点から、硬化性樹脂組成物中、化合物(I)の割合は、化合物(I)と共重合体(II)の合計に対して、通常、固形分で5〜90重量%であるのが好ましい。より好ましくは、30〜75重量%である。
〔架橋性化合物〕
低屈折率層形成用組成物には架橋性化合物を配合することができる。架橋性化合物としては、たとえば、メラミン樹脂、グリコール類、アクリル系樹脂、アジド類、イソシアネート類などがあげられる。これらのなかでも低屈折率層形成用組成物の保存安定性から、メチロール化メラミン、アルコキシメチル化メラミンまたはこれらの誘導体などのメラミン樹脂が好ましい。架橋性化合物の使用割合は、フッ素化合物(b)100重量部に対して、70重量部以下が好ましい。より好ましくは30重量部以下、さらに好ましくは5〜30重量部である。
〔中空微粒子〕
低屈折率層形成用組成物には、中空微粒子を配合することができる。低屈折率層に配合される中空微粒子は、無機化合物の中空状微粒子である。中空微粒子は、外殻の内部に空洞が形成されたものが好ましく、シリカ系中空微粒子が特に好ましい。低屈折率層に、化合物Xと併せて中空微粒子が添加されることにより、低屈折率性に加えて耐擦傷性の向上を図ることができる。
無機化合物としては、無機酸化物が一般的である。無機酸化物としては、SiO2、Al23、B23、TiO2、ZrO2、SnO2、CeO2、P25、Sb23、MoO3、ZnO2、WO3等の一種または二種以上を挙げることができる。中空微粒子としては、(A)無機酸化物単一層、(B)種類の異なる無機酸化物からなる複合酸化物の単一層、(C)上記(A)と(B)との二重層を包含するものを利用できる。
中空微粒子の外殻は、細孔を有する多孔質なものであってもよく、また、細孔が閉塞されて空洞が外殻の外側で密閉されたものでもよい。外殻は、内側の第1無機酸化物皮膜層および外側の第2無機酸化物皮膜層からなる複数の無機酸化物皮膜層であることが好ましい。外側に第2無機酸化物皮膜層を設けることにより、外殻の細孔を閉塞させて外殻を緻密化できるとともに、内部の空洞を密封した中空微粒子を得ることができる。特に、第2無機酸化物皮膜層の形成に含フッ素有機珪素化合物を用いる場合には、フッ素原子を含む被覆層が形成されるために、得られる粒子はより一層低屈折率になるとともに、有機溶媒への分散性が向上し、かつ低屈折率層の防汚性付与にも効果があるため好ましい。
このような含フッ素有機珪素化合物としては、3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル-3,3,3-トリフルオロプロピルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、3,3,3-トリフルオロプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
外殻の厚みは、1〜50nm、特に、5〜20nmの範囲であることが好ましい。外殻の厚みが1nm未満であると、中空微粒子が所定の粒子形状を保持できない場合がある。また、外殻の厚みが50nmを超えると、中空微粒子中の空洞が小さく、その結果、空洞の割合が減少して屈折率の低下が不十分になるおそれがある。さらに、外殻の厚みは、中空微粒子の平均粒子径の1/50〜1/5の範囲にあることが好ましい。
上述のように第1無機酸化物皮膜層および第2無機酸化物皮膜層を外殻として設ける場合には、これらの層の厚みの合計が、上記1〜50nmの範囲となるようにすればよく、特に、第2無機酸化物皮膜層の厚みは20〜40nmの範囲が好ましい。
また、空洞には、中空微粒子を調製する際に用いた溶媒や乾燥する際に浸入する気体が存在してもよいし、後述する空洞を形成するための前駆体物質が空洞に残存していてもよい。前駆体物質は、外殻によって包囲された核粒子から核粒子の構成成分の一部を除去した後に残存する多孔質物質である。核粒子には、種類の異なる無機酸化物からなる多孔質の複合酸化物粒子を用いる。前駆体物質は、外殻にわずかに付着してわずかに残存することもあるし、空洞内の大部分を占めることもある。
なお、この多孔質物質の細孔内にも上記溶媒や気体が存在していてもよい。このときの核粒子の構成成分の除去量が多くなると空洞の容積が増大し、屈折率の低い中空微粒子が得られ、この中空微粒子を配合して得られる透明皮膜は低屈折率で反射防止性能に優れる。
中空微粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、5〜2000nmが好ましく、20〜100nmがより好ましい。5nmよりも小さいと、中空によって低屈折率になる効果が小さくなる。2000nmより大きいと、透明性が低下し、拡散反射による寄与が大きくなってしまう。ここで、平均粒子径は、透過型電子顕微鏡観察による数平均粒子径である。
上述のような中空微粒子の製造方法は、例えば、特開2001−233611号公報に詳細に記載されており、ここに記載された方法等により製造できる。また、市販されている無機中空微粒子を用いてもよい。
中空微粒子の配合量は、特に限定されないが、低屈折率層全体に対して、10〜30重量%であることが好ましい。この範囲であれば、低屈折率性と耐擦傷性とをともに奏することができる。
中空微粒子は、分散液の形で用いることができる。分散液に用いる有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)、n-ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体;ジアセトンアルコール;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;n-ヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類を挙げることができる。これらの有機溶媒は1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
〔酸発生剤〕
低屈折率層形成用組成物には酸発生剤を配合することができる。酸発生剤は、低屈折率層形成用組成物中で均一に溶解し、低屈折率層形成用組成物を分解したり、低屈折率層形成用組成物を硬化させて得られた硬化膜の皮膜透明性を低下させないものが好ましい。酸発生剤としては、p−トルエンスルホン酸、安息香酸等の有機酸や、トリアジン系化合物等の光酸発生剤などがあげられる。酸発生剤の使用割合は、フッ素化合物(b)100重量部に対して、10重量部以下が好ましい。より好ましくは5重量部以下、さらに好ましくは0.1〜5重量部である。
低屈折率層形成用組成物は、前記各成分を好ましくは前記割合となるように混合した溶液として調製できる。低屈折率層形成用組成物には、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、フッ化マグネシウム、セリア等をアルコール溶媒に分散したゾルなどを添加しても良い。その他、金属塩、金属化合物などの添加剤を適宜に配合することができる。
低屈折率層形成用組成物の調製に用いられる溶媒は、各成分等を分離することなく溶解できるものを特に制限なく使用することができる。たとえば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル酢酸ブチル等のエステル類があげられる。さらに、塗工性や溶液の安定性を向上させる目的で、各成分が析出しない範囲でアルコール類等の貧溶媒を用いることもできる。
溶液濃度は、溶液安定性を損なわない範囲で適宜調整することができる。低屈折率層形成用組成物を厚み精度よく薄膜に形成することが好ましいため、通常、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%の程度とするのが、取扱い易く好ましい。
低屈折率層形成用組成物(溶液)は他の層上に塗工した後、乾燥、硬化することにより低屈折率層の硬化膜を形成することができる。塗工方法は特に制限されず、通常の方法、例えば、ドクターブレード法、グラビアロールコーター法、ディッピング法、スピンコート法、刷毛塗り法フレキソ印刷法などがあげられる。
硬化条件は、用いる低屈折率層形成用組成物に応じて、加熱または活性光線照射により行うことができる。乾燥条件、硬化条件は使用する溶媒の沸点や飽和蒸気圧、基材の種類等により適宜に決定できるが、基材の着色や分解を抑えるため、加熱する場合には、通常160℃以下、UV照射する場合には通常2J/cm2 以下とするのが好ましい。
本発明において、低屈折率層の屈折率は、好ましくは1.35以下、より好ましくは1.34〜1.25、さらにより好ましくは1.34〜1.30である。低屈折率層の屈折率を上記範囲とすることにより、反射防止性能と耐擦傷性のバランスに優れた光学積層フィルムを得ることができる。
本発明において、低屈折率層の厚みは、好ましくは10〜1000nm、より好ましくは30〜500nmである。
(透明保護層(D))
本発明の偏光板を構成する透明保護層(D)は、前記偏光子の、透明保護層(A)が設けられた面の反対側の面上に設けられる。
本発明における透明保護層(D)を構成する材料は、1mm厚で全光線透過率が80%以上のものを用いることができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、脂環式オレフィン樹脂、エチレン-ビニルアルコールの共重合体、セルロースエステルなどが挙げられる。セルロースエステルとしては、例えば、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロースなどのアセチル化セルロースが挙げられる。中でも光弾性係数が小さく、透明性、機械的強度等などの観点から、トリアセチルセルロース(TAC)、脂環式オレフィンポリマー、が好ましい。
なお、脂環式オレフィン樹脂は、主鎖及び/又は側鎖にシクロアルカン構造を有するポリマーである。脂環式オレフィンポリマーの具体例としては、特開平05−310845号公報に記載されている環状オレフィンランダム多元共重合体、特開平05−97978号公報に記載されている水素添加重合体、特開平11−124429号公報に記載されている熱可塑性時シクロペンタジエン系開環重合体及びその水素添加物である。
本発明における、透明保護層(D)は単層であっても、積層体であってもよく、上記透明保護層(D)の総厚みは、好ましくは、30〜150μm、より好ましくは40〜100μmである。上記透明保護層(D)の厚みが20μm未満であると偏光板の機械的強度が低下し、200μmを超えると、偏光板を高温高湿度環境下においたときに反り等が生じやすくなり、光線透過率も低下する。従って上記透明保護層(D)の厚みが上記範囲にあると、耐久性、機械的強度及び光学性能に優れた偏光板が得られる。
なお、上記透明保護層(D)は、偏光子との接着性を向上させるために、アルカリによるケン化処理、プラズマ処理、グロー放電処理、コロナ放電処理、高周波処理、及び電子線処理などを行ったものでもよい。
上記透明保護層(D)は複屈折性を有することが好ましい。透明保護層に複屈折性を有するものを用いることで、保護層としての機能に加え、光学機能層を兼ねることができる為、軽量化の観点から好ましい。複屈折性を有する層としては、複屈折による位相差を示す適宜な公知のものを用いることができる。例えば、透明樹脂層を延伸処理等により複屈折性を付与したものや、液晶ポリマーの配向膜、あるいは透明樹脂層の配向膜上に液晶ポリマー等の異方性材料を配向させたものが挙げられる。特に、透明樹脂層を延伸処理等により複屈折性を付与したものが好ましい。
透明樹脂層に複屈折性を付与する配向処理は、例えば、自由端又は固定端による一軸延伸処理や二軸延伸処理などの適宜な方式で行うことができる。本発明においては、厚み方向に配向したフィルムや、その厚み方向の主屈折率の方向がフィルムの法線方向に対して傾斜したものなども複屈折性を示す層として用いることができる。
光学機能層の役割を持つものとしては、広帯域1/4波長板、一軸性を有する位相差板、二軸性を有する位相差板が挙げられる。
広帯域1/4位相差板とは、波長410〜660nmを含む可視光全域で位相差がほぼ1/4波長になる1/4波長板のことをいう。この広帯域1/4波長板の具体例としては、1/2波長板と1/4波長板とを積層したものやポリスチレン樹脂などの固有複屈折値が負である材料からなる層の両面に脂環式オレフィン樹脂などの固有複屈折性が正である材料からなる層が積層されている積層体を延伸したものなどが挙げられる。
固有複屈折値が負である樹脂としては、ビニル芳香族系重合体、ポリアクリロニトリル系重合体、ポリメチルメタクリレート系重合体、セルロースエステル系重合体、これらの多元共重合体などを挙げることができる。これらの固有複屈折値が負である樹脂は、後に述べる液晶のモードに合わせ逐次選択することができ、1種を単独で用いることが好ましい場合もあり、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることが好ましい場合もある。
これらの中で、固有複屈折値が負である樹脂はビニル芳香族系重合体、ポリアクリロニトリル系重合体及びポリメチルメタクリレート系重合体を好適に用いることができ、ビニル芳香族系重合体は、複屈折発現性が高いので特に好適に用いることができる。
ビニル芳香族系重合体としては、例えば、ポリスチレン;スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-クロロスチレン、p-ニトロスチレン、p-アミノスチレン、p-カルボキシスチレン、p-フェニルスチレン、p-メトキシスチレン、p-t-ブトキシスチレンなどと、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、イソプレン、(メタ)アクリロニトリル、α-クロロアクリロニトリル、アクリル酸(又はメタクリル酸)メチル、アクリル酸(又はメタクリル酸)エチル、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイミド、酢酸ビニル、塩化ビニルなどとの共重合体などを挙げることができる。これらの中で、ポリスチレン及びスチレンと無水マレイン酸との共重合体を好適に用いることができる。
一軸性を有する位相差板としては、CプレートやAプレートが挙げられる。
Cプレートは、面内の位相差がないかまたは極めて小さく、厚み方向にのみ位相差を有する位相差層のことをいい、光軸がその面内方向の垂直な厚み方向に存在する。前記Cプレートは、その光学特性条件が、下記式(1)を満たす場合はポジティブCプレート、下記式(2)を満たす場合はネガティブCプレートと呼ばれる。
下記nx、ny及びnzは、前記位相差板等におけるX軸、Y軸、及びZ軸方向の屈折率を表し、前記X軸方向とは、前記層の面内での屈折率が最大となる方向(面内遅相軸方向)であり、前記Y軸方向とは、前記層の面内で前記X軸方向に垂直な方向(面内進相軸方向)であり、前記Z軸方向とは、前記X軸方向及び前記Y軸方向に垂直な層の厚み方向である。
nx≒ny<nz (1)
nx≒ny>nz (2)
Aプレートは、厚み方向の位相差がないかまたは極めて小さく、面内のみ位相差を有する位相差層のことをいい、光軸が面内方向に存在する。前記Aプレートは、その光学特性が、下記式(3)を満たす場合はポジティブAプレート、下記式(4)を満たす場合はネガティブAプレートと呼ばれる。
nx>ny≒nz (3)
nx≒nz>ny (4)
二軸性を有する位相差板としては、ポジティブ二軸位相差板(nz>nx>ny)、ネガティブ二軸位相差板(nx>ny>nz)が挙げられる。
一軸性を有する位相差板や二軸性を有する位相差板としては、固有複屈折値が正である材料からなるフィルムを延伸したフィルム、ポリスチレン樹脂などの固有複屈折値が負である材料からなる層の両面にノルボルネン系樹脂などの固有複屈折性が正である材料からなる層が積層されている積層体を延伸したもの、ディスコティック液晶を面に平行配向又は垂直配向させたものなどが挙げられる。
複屈折性を示す層の面内のレターデーションReや面と垂直方向のレターデーションであるRthは、使用する液晶モードに応じて適宜調整すればよい。
本発明の偏光板を得る方法は特に制限されないが、一例として、透明保護層(A)の片面に直接又は他の層を介してハードコート層(B)、低屈折率層(C)及び他の層を積層し、透明保護層(A)のもう一方の面に偏光子及び透明保護層(D)を積層する方法が挙げられる。積層に際しては、既に作成した層の上に、他の層の材料を塗布し硬化させる方法を用いることができるほか、接着剤や粘着剤等の適宜な接着手段を用いて貼り合わせることができる。接着剤又は粘着剤としては、例えば、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性や透明性等の観点から、アクリル系のものが好ましい。
本発明においては、偏光子と透明保護層(D)とを積層する際に、透明保護層(D)が複屈折性を示す層を有するときには、偏光子の透過軸と透明保護層(D)の遅相軸とが、平行又は直交するように積層することが好ましい。
本発明の偏光板の反射率は、通常0.7%以下、好ましくは0.5%以下である。反射率は、例えば、公知の分光度計を用い、所定の入射角における反射スペクトルを測定し、波長550nmにおける反射率として求めることができる。
本発明の偏光板は耐擦傷性に優れる。本発明の反射防止積層体は、好ましくは、スチールウールに0.025MPaの荷重をかけた状態で、前記樹脂層上に形成された高屈折率層又は低屈折率層表面を10回擦る試験(スチールウール試験)後であっても、目視観察において、フィルム表面には全く傷が認められないものである。
本発明の偏光板は、前記スチールウール試験前後の全光線透過率の変化は極めて小さい。ここで、全光線透過率の変化率(%)=(試験前後の全光線透過率の変化量)/(試験前の全光線透過率)×100で定義すると、本発明の反射防止積層体の全光線透過率の変化率は1%以下であるのが好ましい。
また、本発明の偏光板は、前記スチールウール試験前後のヘイズ値の変化は極めて小さい。ここで、ヘイズの変化率(%)=(試験前後のヘイズの変化量)/(試験前のヘイズ)×100で定義すると、本発明の反射防止積層体のヘイズの変化率は15%以下であるのが好ましい。
《液晶表示装置》
本発明の液晶表示装置は、前記本発明の偏光板を含む。本発明の偏光板を液晶表示装置の視認側となるようにに配置する。液晶表示装置としては、偏光板を液晶セルの片側又は両側に配置してなる透過型や反射型、あるいは透過・反射両用型等の従来に準じた適宜な構造を有するものとして形成することができる。本発明においては、透明樹脂フィルムに複屈折性を付与する配向処理したものを、液晶セルに使用する液晶モードに合わせ随時選択し、形成することが必要である。
液晶セルに使用する液晶モードとしては、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、HAN(Hybrid Alignment Nematic)型、VA(Vertical Alignment)型、MVA(Multiple Vertical Alignment)型、IPS(In Plane Switching)型、OCB(Optical Compensated Bend)型等が挙げられる。
本発明の液晶表示装置においては、前記偏光板の(C)側の表面が視認側となるよう、前記偏光板が設けられる。
本発明の液晶表示装置においては、視認側へ出射する光が前記透明保護層(A)に入射するまでの光路において、位相差が補償されていることが好ましい。具体的には、電圧無印加時に波長550nmの光が法線方向から入射したときの、液晶セルを含む、出射側偏光子、入射側偏光子間のレターデーションをR0、波長550nmの光が極角40度の方向から入射したときのレターデーションをR40を測定したときに、
|R40−R0|≦35nm
を満たすことが好ましい。
このように透明保護層(A)に入射するまでの位相差が補償されることにより、透明保護層(A)として本発明に規定される特定のものを採用し偏光板の優れた耐久性などの特性を享受しつつ、偏光現象の少ない液晶表示装置とすることができる。
本発明を、実施例を示しながら、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
本実施例における評価は、以下の方法によって行う。
(1)鉛筆硬度
荷重を500gとして以外は、JIS K5600−5−4に従い測定した。
(2)引張強度
JIS K7127に準拠して、東洋ボールドウィーン社製、「テンシロン UTM-10T-PL」を用いて、試験片の形状はW=10mm、L=40mmとし、引張速度を500mm/分として引張試験を行った。なお、同様の測定を5回行い、その算術平均値を引張強度の代表値とした。
(3)全光線透過率、ヘイズ
JIS K7361−1に準拠して、日本電色工業社製「濁度計NDH-300A」を用いて測定した。
(4)機械的強度
300mm四方の偏光板を、対角線に沿って両側に折り曲げる操作を交互にそれぞれ500回繰り返し、光学顕微鏡によりフィルムにマイクロクラックがないかを確認して、以下の基準で評価した。
○:変化なし
△:フィルム端部に僅かにマイクロクラックが発生しているが実用上問題なし。
×:折り曲げ部に沿ってマイクロクラックが発生している。
(5)文字ぼけ
偏光板を液晶表示装置に組み込み、文字を表示させ、以下の基準で評価した。
○:文字ぼけが見られない。
×:文字の輪郭がぼやける。
(6)視野角特性
液晶表示装置のディスプレイを黒表示にして、目視により、正面方向と極角80度以内の斜め方向からの表示特性を観察した。
(7)反射率
分光光度計〔日本分光(株)、紫外可視近赤外分光光度計V-570〕を用い、入射角5度で反射スペクトルを測定し、波長550nmの光における反射率を求めた。
(8)屈折率
高速分光エリプソメーター〔J.A.Woollam社、M-2000U〕を用い、温度20℃±2℃、湿度60±5%の条件下で、入射角度をそれぞれ55、60、65度として測定した場合の、波長領域400〜1000nmのスペクトルから算出した。
(9)視認性
液晶表示装置のディスプレイを黒表示としたときのパネルを目視で観察し、以下の基準で、評価を行った。
○:グレアや映り込みが見られない。
△:グレアや映り込みが少し見られる。
×:グレアや映り込みが見られる。
(製造例1:ハードコート層(B)形成用組成物の調製)
五酸化アンチモンのメチルイソブチルケトンゾル(固形分濃度40%:触媒化成工業社製)100重量部に、UV硬化型ウレタンアクリレート(製品名「紫光UV7640B」、日本合成化学工業社製)10重量部、スチレンビーズ(粒径3.5μm)5部及び光重合開始剤(製品名「イルガキュア-184」、チバガイギー社製)0.4重量部、フッ素化アルキル基含有オリゴマー(製品名「メガファックF470」、大日本インキ化学工業社製)を0.1重量部混合し、UV硬化型のハードコート層(B)形成用組成物を得た。
(製造例2:低屈折率層(C)形成用組成物の調製)
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコにエタノール200部を投入し、撹拌下にこのエタノールに蓚酸120部を少量づつ添加することにより、蓚酸のエタノール溶液を調製した。次いでこの溶液をその還流温度まで加熱し、還流下のこの溶液中にテトラエトキシシラン20部とトリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン(TSL8257、GE東芝シリコーン社製)4部の混合物を滴下した。滴下終了後も、還流下に加熱を5時間続けた後冷却し、メタノールにて固形分が1重量%になるように希釈することにより低屈折率層形成用組成物1を調製した。
次に、中空シリカ微粒子として中空シリカイソプロパノール分散ゾル(触媒化成工業社製、固形分20重量%、平均一次粒子径約35nm、外殻厚み約8nm)を前記低屈折率層形成用組成物1に、中空微粒子の割合が固形分基準で80重量%になるように添加し、低屈折率層(C)形成用組成物を調製した。
(製造例3:偏光子の作製)
厚み75μmのPVAフィルム(製品名「クラレビニロン#7500」)をチャックに装着しヨウ素0.2g/l、ヨウ化カリウム60g/lよりなる水溶液中に30℃にて240秒浸漬し、次いでホウ酸70g/l、ヨウ化カリウム30g/lの組成の水溶液に浸漬すると共に、同時に6.0倍に一軸延伸しつつ5分間に亘ってホウ酸処理を行った。処理後のフィルムを室温で24時間乾燥し偏光子を作製した。偏光度は、99.95%であった。
(製造例4:透明保護層(D1)の表面処理)
脂環式オレフィンポリマー(ガラス転移温度136℃)からなる厚み40μmの長尺の未延伸フィルムの片面に、高周波発信機〔春日電機(株)、高周波電源AGI−024、出力0.8KW〕を用いてコロナ放電処理を行い、表面張力が0.055N/mのフィルム(D1)を得た。
(製造例5:トリアセチルセルロースフィルムのケン化処理)
厚み40μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(コニカミノルタ社製、製品名「KC 4UX2M」、ヘイズ0.5、鉛筆硬度HB、強度100MPa)の一方の面に、水酸化カリウムの1.5モル/lイソプロピルアルコール溶液を25ml/m2塗布し、25℃で5秒間乾燥した。次いで、流水で10秒洗浄し、25℃の空気を吹き付けることによりフィルムの表面を乾燥した。このようにして、トリアセチルセルロースフィルムの一方の表面のみをケン化した。このフィルムは、実施例2の透明保護層(D2)及び比較例1の透明保護層(A3)の材料として用いた。
(製造例6:透明保護層D3の作製)
脂環式オレフィン樹脂(ガラス転移温度136℃)からなる厚み200μmのフィルム(オプテス社製、ゼオノアフィルムZF−14)を、同時二軸延伸機を使用して、オーブン温度(予熱温度、延伸温度、熱固定温度)138℃、フィルム繰り出し速度1m/分、チャックの移動精度±1%以内、縦延伸倍率1.41倍、横延伸倍率1.41倍で同時二軸延伸を行い、厚み100μmの透明保護層(D3)を得た。得られた透明保護層(D3)の主屈折率は、nx=1.53068、ny=1.53018、nz=1.52913であった。
(製造例7:バックライト側偏光板の作製)
製造例3で得られた偏光子の一方の面に製造例5で得られたケン化処理されたトリアセチルセルロースフィルムのケン化処理された面をポリビニルアルコール系接着剤により貼り合わせ、更に偏光子のもう一方の面に、製造例6で得られた透明保護層の面をアクリル系接着剤により貼り合わせ、バックライト側偏光板を作製した。
(実施例1)
透明保護層(A1)としてポリエステルフィルム(東洋紡製、製品名「コスモシャインA4100」、厚み50μm、ヘイズ0.51、鉛筆硬度H、強度220MPa)を用い、この上に、製造例1で得たハードコート層(B)形成用組成物を、ダイコーターを用いて連続的に塗布した。次いで80℃で5分間乾燥させた後、紫外線照射(積算光量300mJ/cm2)を行い、組成物を硬化させ、ハードコート層(B1)を積層させた。硬化後のハードコート層の膜厚は5μmであった。また、このハードコート層上の表面抵抗値は1×109Ω/□であった。
製造例2で得た低屈折率層(C)形成用組成物を調合後1時間放置した調合液を、ハードコート層(B1)の上にワイヤーバーコーターによって塗布して厚み約100nmの塗膜を形成させ、さらに1時間放置して乾燥した後に、被膜を120℃、10分間酸素雰囲気下で熱処理し、厚み100nmの低屈折層(C1)を形成し、透明保護層(A1)−ハードコート層(B1)−低屈折率層(C1)がこの順に順次積層された積層フィルムを得た。
上記積層フィルムの、透明保護層(A1)側の面にアクリル系接着剤(住友スリーエム製、製品名「DP-8005クリア」)を介して、製造例3で得た偏光子の一方の面を貼り合わせ、また偏光子のもう一方の面にアクリル系接着剤(住友スリーエム製、製品名「DP-8005クリア」)を介して、上記(A1)に対して行ったのと同様のコロナ放電処理による表面改質処理を行った透明保護層(D1)の、当該表面改質処理を行った面と貼り合わせて偏光板を得た。
得られた偏光板について、透明保護層(A1)側の鉛筆硬度、ヘイズ、機械的強度を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)
透明保護層(D)として透明保護層(D1)の代わりに、製造例5で得られた一方の面がケン化処理されたトリアセチルセルロースフィルム(D2)を用い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、トリアセチルセルロースフィルム(D2)のケン化処理された面と偏光子を貼り合わせる他は実施例1と同様にして、反射防止層が形成された偏光板を得た。得られた偏光板について、透明保護層(A1)側の鉛筆硬度、ヘイズ、機械的強度を測定した。結果を表1に示す。
(実施例3)
透明保護層(A)として、透明保護層(A1)の代わりに、厚み40μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(A2)(東洋紡製エステルフィルム、製品名「コスモシャインA4300」、厚み50μm、ヘイズ0.6、鉛筆硬度H、強度220MPa)を用いた他は実施例1と同様にして反射防止層が形成された偏光板を得た。得られた偏光板について、透明保護層(A2)側の鉛筆硬度、ヘイズ、機械的強度を測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
製造例5で得られた、一方の面がケン化処理されたトリアセチルセルロースフィルムのケン化処理されていない面に、高周波発信機(春日電機社製 高周波電源、製品名「AGI−024」)を用いて、コロナ放電処理を出力0.8KWで行い、表面張力が0.055N/mになるように表面改質して透明保護層(A3)を得た。
透明保護層(A3)上に、製造例1で得たハードコート層(B)形成用組成物を、ダイコーターを用いて連続的に塗布した。次いで80℃で5分間乾燥させた後、紫外線照射(積算光量300mJ/cm2)を行い、該組成物を硬化させ、ハードコート層(B1)を積層させた。硬化後のハードコート層の膜厚は5μmであった。また、このハードコート層上の表面抵抗値は1X109Ω/□であった。
製造例2で得た低屈折率層形成用ポリマー溶液を調合後1時間放置した調合液を、ハードコート層の上にワイヤーバーコーターによって塗布して厚み約100nmの塗膜を形成させ、さらに1時間放置して乾燥した後に、被膜を120℃、10分間酸素雰囲気下で熱処理し、厚み7μmの低屈折率層(C1)を形成し、透明保護層(A3)−ハードコート層(B1)−低屈折率層(C1)がこの順に順次積層された積層フィルムを得た。
上記積層フィルムの、透明保護層(A3)側の面にポリビニルアルコール系接着剤を介して、製造例3で得た偏光子の一方の面を貼り合わせ、また偏光子のもう一方の面にアクリル系接着剤(住友スリーエム製、製品名「DP-8005クリア」)を介して、上記(A3)に対して行ったのと同様のコロナ放電処理による表面改質処理を行った透明保護層(D1)の、当該表面改質処理を行った面と貼り合わせて偏光板を得た。
得られた偏光板について、透明保護層(A3)側の鉛筆硬度、ヘイズ、機械的強度を測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
透明保護層(A)としてポリエステル系フィルム(A4)(東洋紡製エステルフィルム、製品名「E5001」、厚み50μm、ヘイズ2.2、鉛筆硬度H、強度220MPa)を用いた他は実施例1と同様にして偏光板を得た。得られた偏光板について、透明保護層(A4)側の鉛筆硬度、ヘイズ、機械的強度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2007065191
(実施例4)
実施例1において、透明保護層(D1)の代わりに、製造例6で得られた透明保護層(D3)を用い、偏光子の吸収軸と透明保護層(D3)の遅相軸とが直交するようにして偏光子を積層した以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
(液晶表示装置の作製)
VAモードの液晶セル(厚み2.74μm、誘電異方性が正、波長550nm複屈折Δn=0.09884、プレチルト角90度)の一方の面に、実施例4で得られた偏光板を、保護フィルム(D3)側が、液晶セルに接するように貼り合わせ、液晶セルのもう一方の面に製造例7で得られた偏光板を保護フィルム(D3)側が、液晶セルに接し、かつ二枚の偏光板がクロスニコルの配置になるよう、偏光板−液晶セル−バックライト側偏光板の構成からなる、液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置について、視野角特性、視認性、文字ぼけの評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
比較例2において、透明保護層(D1)の代わりに、製造例6で得られた透明保護層(D3)を用い、偏光子の吸収軸と透明保護層(D3)の遅相軸とが直交するようにして偏光子を積層した以外は、比較例2と同様にして偏光板を作製した。
上記偏光板を用いる以外は、実施例4と同様にして液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置について、視野角特性、視認性、文字ぼけの評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2007065191
表1及び2の結果から以下のことがわかる。
実施例に示すように、本発明の偏光板は、特定の性能を持つポリエステル樹脂を透明保護層(A)として用いることで、透明性、機械的強度、耐擦傷性等のすべてに優れる偏光板を形成できることがわかる。また、実施例4に示すように、本発明の偏光板を液晶表示装置に組みこんで使用すると、視野角特性、視認性に優れ、文字ぼけもみられない。
一方、比較例に示すように、透明保護層(A)としてヘイズが高いポリエステルフィルムを用いた場合、鉛筆硬度は高くなるものの、光線透過率、偏光板のヘイズが悪化したり、視認性が悪化する。また、透明保護層(A)としてトリアセチルセルロースフィルムを用いた場合、耐擦傷性に問題が生じることが判る。また、これらの偏光板を液晶表示装置に組みこんで使用すると、文字ぼけが見られる。

Claims (4)

  1. 偏光子と、
    前記偏光子の一方の面上に設けられた透明保護層(A)と、
    前記透明保護層(A)上に設けられたハードコート層(B)と、
    前記ハードコート層上に設けられた低屈折率層(C)と、
    前記偏光子のもう一方の面上に設けられた透明保護層(D)と
    を含む偏光板であって、
    前記低屈折率層(C)は、少なくとも下記成分(I)および/または(II)を含む低屈折率層用組成物から形成される、分子中に−O−Si−O−結合を有する化合物を含む硬化膜であり、
    前記透明保護層(A)はヘイズ値が1%以下であるポリエステル樹脂を含有してなり、
    (C)側の表面硬度が鉛筆硬度でH以上であることを特徴とする偏光板。
    (I):式(1)RaSiY4-a(式中、Rは置換基を有していてもよい一価の炭化水素基を表し、aは0〜2の整数を表し、aが2の時、2つのRは同一であっても相異なっていてもよい。Yは加水分解性基を表し、4−aが2〜4の時、複数のYは同一であっても相異なっていてもよい)で表される化合物、前記式(1)で表される化合物の少なくとも1種の部分加水分解生成物、および前記式(1)で表される化合物の少なくとも1種の完全加水分解生成物からなる群から選ばれる1種以上のケイ素化合物。
    (II):式(I)で表されるケイ素化合物とフッ素化合物の共重合体。
  2. 前記透明保護層(D)が、脂環式構造を有する重合体樹脂、又はセルロース樹脂である請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記透明保護層(D)が、複屈折性を有する層である請求項1又は2に記載の偏光板。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板を備える液晶表示装置であって、前記偏光板の(C)側の表面が視認側となるよう前記偏光板が設けられた液晶表示装置。
JP2005249856A 2005-08-30 2005-08-30 偏光板及び液晶表示装置 Pending JP2007065191A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005249856A JP2007065191A (ja) 2005-08-30 2005-08-30 偏光板及び液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005249856A JP2007065191A (ja) 2005-08-30 2005-08-30 偏光板及び液晶表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007065191A true JP2007065191A (ja) 2007-03-15

Family

ID=37927493

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005249856A Pending JP2007065191A (ja) 2005-08-30 2005-08-30 偏光板及び液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007065191A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009109995A (ja) * 2007-10-12 2009-05-21 Sumitomo Chemical Co Ltd 偏光板およびそれを用いた液晶表示装置
US8451404B2 (en) 2008-09-24 2013-05-28 Hitachi Displays, Ltd. Display device having polarizing plates with protective films
JP2013254115A (ja) * 2012-06-07 2013-12-19 Dainippon Printing Co Ltd 光学積層体、及びこれを用いた偏光板
JP2014041244A (ja) * 2012-08-22 2014-03-06 Toray Advanced Film Co Ltd 成型用積層フィルム
JP2015537249A (ja) * 2012-11-21 2015-12-24 エルジー・ハウシス・リミテッドLg Hausys,Ltd. ハードコーティング層を含む光特性に優れた反射防止フィルム
WO2019069756A1 (ja) * 2017-10-03 2019-04-11 日東電工株式会社 偏光板、画像表示装置、および偏光板の製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003075638A (ja) * 2001-09-05 2003-03-12 Fuji Photo Film Co Ltd 偏光板および液晶表示装置
JP2003121606A (ja) * 2001-08-07 2003-04-23 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止フィルム、偏光板、および画像表示装置
JP2003232930A (ja) * 2002-02-13 2003-08-22 Nippon Zeon Co Ltd 積層体及びその製造方法
JP2003294945A (ja) * 2002-04-02 2003-10-15 Konica Corp 光学フィルム及びその製造方法、それを用いた偏光板、表示装置
JP2004354828A (ja) * 2003-05-30 2004-12-16 Konica Minolta Opto Inc 反射防止フィルム、該反射防止フィルムを有する偏光板及び表示装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003121606A (ja) * 2001-08-07 2003-04-23 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止フィルム、偏光板、および画像表示装置
JP2003075638A (ja) * 2001-09-05 2003-03-12 Fuji Photo Film Co Ltd 偏光板および液晶表示装置
JP2003232930A (ja) * 2002-02-13 2003-08-22 Nippon Zeon Co Ltd 積層体及びその製造方法
JP2003294945A (ja) * 2002-04-02 2003-10-15 Konica Corp 光学フィルム及びその製造方法、それを用いた偏光板、表示装置
JP2004354828A (ja) * 2003-05-30 2004-12-16 Konica Minolta Opto Inc 反射防止フィルム、該反射防止フィルムを有する偏光板及び表示装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009109995A (ja) * 2007-10-12 2009-05-21 Sumitomo Chemical Co Ltd 偏光板およびそれを用いた液晶表示装置
US8451404B2 (en) 2008-09-24 2013-05-28 Hitachi Displays, Ltd. Display device having polarizing plates with protective films
US8767146B2 (en) 2008-09-24 2014-07-01 Japan Display Inc. Display device
JP2013254115A (ja) * 2012-06-07 2013-12-19 Dainippon Printing Co Ltd 光学積層体、及びこれを用いた偏光板
JP2014041244A (ja) * 2012-08-22 2014-03-06 Toray Advanced Film Co Ltd 成型用積層フィルム
JP2015537249A (ja) * 2012-11-21 2015-12-24 エルジー・ハウシス・リミテッドLg Hausys,Ltd. ハードコーティング層を含む光特性に優れた反射防止フィルム
WO2019069756A1 (ja) * 2017-10-03 2019-04-11 日東電工株式会社 偏光板、画像表示装置、および偏光板の製造方法
JP2019066716A (ja) * 2017-10-03 2019-04-25 日東電工株式会社 偏光板、画像表示装置、および偏光板の製造方法
CN111164473A (zh) * 2017-10-03 2020-05-15 日东电工株式会社 偏振片、图像显示装置及偏振片的制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5045823B2 (ja) 光学積層フィルム、偏光板および光学製品
US7824043B2 (en) Reflection preventing layered product and optical member
JP5052900B2 (ja) 液晶表示装置
EP1701184A1 (en) Polarizing plate protective film, polarizing plate with reflection preventing function and optical product
TW200525175A (en) Antireflection film, polarizing plate, method for producing them, liquid crystal display element, liquid crystal display device, and image display device
JP5172986B2 (ja) 防眩性反射防止フィルムの製造方法
JP2004264327A (ja) 反射防止フィルム、偏光板およびディスプレイ装置
JP2005004163A (ja) 光学機能性フィルム、偏光板及び画像表示装置
JP4556613B2 (ja) 防眩性フィルム及びその製造方法
JP2007038447A (ja) 反射防止積層体、光学部材および液晶表示素子
JPWO2006054695A1 (ja) 液晶表示装置
JP2007065191A (ja) 偏光板及び液晶表示装置
JP2007062101A (ja) 反射防止積層体
JP2006018089A (ja) 偏光板及び液晶表示装置
JP4556664B2 (ja) 反射防止積層体
JP2009251190A (ja) 光学フィルム、偏光板、画像表示装置
JP2005077860A (ja) 反射防止フィルム、偏光板、及びそれを用いた画像表示装置
JP2006030870A (ja) 偏光板及び液晶表示装置
JPWO2006019086A1 (ja) N3204pct
JP2006058322A (ja) 偏光板及び液晶表示装置
JP2005037927A (ja) 光学積層フィルム
JP2007041073A (ja) 液晶表示装置
JP2006178123A (ja) 反射防止積層体、偏光板及び、液晶表示装置
JP2006131713A (ja) ハードコート用塗布組成物、ハードコートフィルム、反射防止フィルム及び画像表示装置
JP2007041334A (ja) 液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080415

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100513

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100525

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100810

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101005

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110712

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120104