JP2006171366A - 液晶表示装置 - Google Patents
液晶表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006171366A JP2006171366A JP2004363837A JP2004363837A JP2006171366A JP 2006171366 A JP2006171366 A JP 2006171366A JP 2004363837 A JP2004363837 A JP 2004363837A JP 2004363837 A JP2004363837 A JP 2004363837A JP 2006171366 A JP2006171366 A JP 2006171366A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid crystal
- refractive index
- crystal display
- layer
- display device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Polarising Elements (AREA)
Abstract
【課題】 強い外光下においても、高いコントラストで視認でき、視野角が広く、且つ耐擦傷性に優れるOCBモード液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 OCBモードの液晶セル、該液晶セルを挟む上下一対の出射側偏光板及び入射側偏光板、該偏光板のいずれかと前記液晶セルとの間に備えられた少なくとも1枚の光学補償板、及び視認側偏光板の液晶セルから遠い方側に設けられた反射防止層を含んでなり、該反射防止層が、エアロゲルを含んでなる、屈折率1.37以下の低屈折率層を含み、該光学補償板が、面内レターデーションReを有し、厚み方向の平均屈折率が面内の平均屈折率よりも小さく、厚み方向で屈折率が変化するものである液晶表示装置。
【選択図】 図1
【解決手段】 OCBモードの液晶セル、該液晶セルを挟む上下一対の出射側偏光板及び入射側偏光板、該偏光板のいずれかと前記液晶セルとの間に備えられた少なくとも1枚の光学補償板、及び視認側偏光板の液晶セルから遠い方側に設けられた反射防止層を含んでなり、該反射防止層が、エアロゲルを含んでなる、屈折率1.37以下の低屈折率層を含み、該光学補償板が、面内レターデーションReを有し、厚み方向の平均屈折率が面内の平均屈折率よりも小さく、厚み方向で屈折率が変化するものである液晶表示装置。
【選択図】 図1
Description
本発明はベンド配向した液晶を封入したOCBモード液晶セル、偏光板、光学補償板、及び反射防止層を含んでなる液晶表示装置に関し、さらに詳細には、強い外光下においても防眩性に優れ、高いコントラストで、視認性に優れるOCBモード液晶表示装置に関する。
OCB(Optically Compensated Birefringence)モード液晶表示装置は、ネマチック液晶のベンド配向を利用する表示装置である。OCBモード液晶表示装置は、高速応答であり、動画に対応できるという特徴を有しており、さらに理想的な補償手段が得られれば従来の液晶表示装置よりも広い視野角が得られる可能性を秘めている。こういったことからOCBモードの液晶表示装置は高性能の表示装置として将来性が期待されている。
上記OCBモード液晶表示装置は、色補償と視野角補償を行う補償板が必要となる。OCBモードの液晶セルは、ベンド配向の程度差により白黒表示あるいはその中間調を表示する方式であるが、いずれの状態であっても正面から見たとき、リターデーションが生じるため、このままでは光の遮光を行うことができず充分なコントラスト比が得られない。そのため黒表示のためには、黒表示時における液晶セルの持つ面内のリターデーションを相殺することのできる色補償板が必要となる。
また、OCBモードの液晶表示装置は、異方性をもつ液晶材料や偏光板を使用するために正面から見た場合に良好な表示が得られても、斜めから見ると表示性能が低下するという視野角の問題があり、性能向上のためにも視野角補償板が必要となる。OCBモードではベント配向を安定に保つために、液晶分子のダイレクターは電極基板に対し、平均的には大きな角度を成している必要があり、平均的な屈折率分布はセルの厚み方向で大きく、面内方向でより小さいものとなっている。そのため補償板としては、この異方性を相殺できるもので、膜厚方向の屈折率が面内方向より小さな屈折率をもつ、いわゆる負の一軸性構造を持つものが有効である。
このような観点から色補償および視野角補償を同時に行うことが可能な補償板として、面内にリターデーションを持ちつつ、且つ厚み方向の屈折率が面内の屈折率より小さいという、二軸性の延伸フィルムの使用が提案されている。二軸性の延伸フィルムの場合、斜めからみる方位によっては充分な補償が達成されないことがある。これはセル中の液晶のダイレクターが、膜厚方向で連続的に変化しているために斜めに進む光に対して旋光分散が生じることがあるためである。一方、該二軸性延伸フィルムは厚み方向で屈折率の変化が無いため、旋光分散の影響を該二軸性延伸フィルムでは打ち消すことができない。
したがってOCBモードの液晶表示装置に対し、充分な色補償および視野角補償を同時に行うためには、面内のリターデーションを持つことと、厚み方向の屈折率が面内の屈折率より小さいという条件の他に、厚み方向で屈折率が連続的に変化するという要件を満たさなければならないと考えられる。
このような色補償および視野角補償を同時に行う光学補償板として、特許文献1に、ディスコティック液晶性材料から成り、ディスコティック液晶の配向形態を固定化した液晶性光学フィルムであって、該配向形態がディスコティック液晶のダイレクターがフィルムの一方の面においては、フィルム平面と60度以上、90度以下の角度をなしており、フィルムの他の面においては、0度以上、50度以下の角度を成すハイブリッド配向になっている液晶表示素子用補償フィルムが提案されている。
このような色補償および視野角補償を同時に行う光学補償板として、特許文献1に、ディスコティック液晶性材料から成り、ディスコティック液晶の配向形態を固定化した液晶性光学フィルムであって、該配向形態がディスコティック液晶のダイレクターがフィルムの一方の面においては、フィルム平面と60度以上、90度以下の角度をなしており、フィルムの他の面においては、0度以上、50度以下の角度を成すハイブリッド配向になっている液晶表示素子用補償フィルムが提案されている。
また特許文献2に、透明支持体およびその上に設けられたディスコティック構造単位を有する化合物からなる光学異方層からなり、該光学異方層のディスコティック構造単位の円盤面が、透明支持体面に対して傾いており、且つ該ディスコティック構造単位の円盤面と透明支持体面とのなす角度が、光学異方層の深さ方向において変化しており、透明支持体が、該透明支持体面の法線方向に光軸を有し、さらに下記の条件:20≦{(nx +ny )/2−nz }×d2 ≦400(但し、nx 及びny は支持体の面内の主屈折率を表わし、nz は厚み方向の主屈折率を表わし、d2 は支持体のnm換算の厚さを表わす)を満足する光学補償シートが提案されている。
一方、表示画面における光の反射を防止する方法として、防眩処理ないし反射防止処理が知られている。例えば低屈折率の金属酸化物と高屈折率の金属酸化物と気相法によって幾重にも積層する反射防止処理が知られている。しかし、この反射防止処理を施したものは反射光の色見が青紫色に着色することがある。また気相法での作製は、真空装置等大きな設備を必要とする為、生産性が低く、大画面の表示画面を大量に生産するのには適していない。また凹凸形状を形成することによる防眩処理が知られているが、後方への光散乱が発生し、この散乱がコントラストを低くする。
これまでに提案されてきたOCBモード液晶表示装置は、外光が遮断された暗い部屋でのコントラスト、視野角などの改善が進んでいる。しかしながら、強い外光に照らされた環境下での、コントラスト比が充分でなく、視認性が低かった。
そこで、本発明の課題は、強い外光下においても、高いコントラストで視認でき、視野角が広く、且つ耐擦傷性に優れるOCBモード液晶表示装置を提供することである。
そこで、本発明の課題は、強い外光下においても、高いコントラストで視認でき、視野角が広く、且つ耐擦傷性に優れるOCBモード液晶表示装置を提供することである。
本発明者は、OCBモードの液晶セル、該液晶セルを挟む上下一対の偏光板、該偏光板のいずれかと前記液晶セルとの間に備えられた少なくとも1枚の光学補償板、及び出射側偏光板の液晶セルから遠い方側に設けられた反射防止層を含んでなり、
該反射防止層が、エアロゲルを含有してなる、屈折率1.37以下の低屈折率層を含み、
該光学補償板が、面内レターデーションReを有し、厚み方向の平均屈折率が面内の平均屈折率よりも小さく、厚み方向で屈折率が変化するものである液晶表示装置が、前記課題の解決をできることを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
該反射防止層が、エアロゲルを含有してなる、屈折率1.37以下の低屈折率層を含み、
該光学補償板が、面内レターデーションReを有し、厚み方向の平均屈折率が面内の平均屈折率よりも小さく、厚み方向で屈折率が変化するものである液晶表示装置が、前記課題の解決をできることを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)OCBモードの液晶セル、該液晶セルを挟む上下一対の出射側偏光板及び入射側偏光板、該偏光板のいずれかと前記液晶セルとの間に備えられた少なくとも1枚の光学補償板、及び出射側偏光板の液晶セルから遠い方側に設けられた反射防止層を含んでなり、
該反射防止層が、エアロゲルを含有してなる、屈折率1.37以下の低屈折率層を含み、
該光学補償板が、面内レターデーションReを有し、厚み方向の平均屈折率が面内の平均屈折率よりも小さく、厚み方向で屈折率が変化するものである液晶表示装置、である。
該反射防止層が、エアロゲルを含有してなる、屈折率1.37以下の低屈折率層を含み、
該光学補償板が、面内レターデーションReを有し、厚み方向の平均屈折率が面内の平均屈折率よりも小さく、厚み方向で屈折率が変化するものである液晶表示装置、である。
また、本発明の好適な液晶表示装置の態様は、
(2)光学補償板が、ディスコティック液晶の配向形態を固定した液晶性光学フィルムである。
(3)配向形態が、ディスコティック液晶のダイレクターが厚み方向で変化するものである。
(4)反射防止層が、さらに屈折率1.55以上で、無機酸化物粒子を含有するハードコート層を含むものである。
(5)ハードコート層が、活性エネルギー硬化型樹脂を含んでなるものである。
(6)反射防止層の表面における、入射角5度の反射率が、波長430nm〜700nmで1.4%以下であり、波長550nmで0.7%以下である。
(7)偏光板の偏光度が99.95%以上である。
(2)光学補償板が、ディスコティック液晶の配向形態を固定した液晶性光学フィルムである。
(3)配向形態が、ディスコティック液晶のダイレクターが厚み方向で変化するものである。
(4)反射防止層が、さらに屈折率1.55以上で、無機酸化物粒子を含有するハードコート層を含むものである。
(5)ハードコート層が、活性エネルギー硬化型樹脂を含んでなるものである。
(6)反射防止層の表面における、入射角5度の反射率が、波長430nm〜700nmで1.4%以下であり、波長550nmで0.7%以下である。
(7)偏光板の偏光度が99.95%以上である。
本発明の液晶表示装置は、偏光板とOCBモード液晶セルとの間に少なくとも1枚の光学補償板が設けられ、この光学補償板が、面内レターデーションを有することによって、黒表示時における液晶セルの持つ面内のリターデーションを相殺し、色補償をすることができる。そして、光学補償板の厚み方向の屈折率が面内の屈折率よりも小さくなっており且つ厚み方向で屈折率が連続的に変化することによって、液晶セルの持つ異方性を相殺し、斜め方向から見たときの補償をすることができる。さらに本発明の液晶表示装置は出射側偏光板の液晶セルから遠い方側に設けられた反射防止層を含んでなり、該反射防止層をエアロゲルを含んでなる、屈折率1.37以下の低屈折率層を含むもので構成したことによって、強い外光下においても、高いコントラストで広い視野角で視認できる。そして表示面の耐擦傷性、及び防汚性に優れているので、本発明液晶表示装置は、モバイル用、車載用などの粉塵が多く舞い、強い外光下でも使用される液晶表示装置に好適である。
本発明の液晶表示装置は、OCBモードの液晶セル、該液晶セルを挟む上下一対の出射側偏光板及び入射側偏光板、該偏光板のいずれかと前記液晶セルとの間に備えられた少なくとも1枚の光学補償板、及び出射側偏光板の液晶セルから遠い方側に設けられた反射防止層を含んでなるものである。
OCBモードの液晶セルは、一般に一対の表面に配向膜が形成された透明電極を有する基板と、その基板間に封入されたネマチック液晶の層からなる。OCBモード液晶セルでは、一般に電圧が付与された液晶セル内でベンド配向をすることができる液晶を使用する。そしてネマチック液晶のダイレクターの基板に対する角度が、液晶セルに付与される電圧の変化により変化する。通常、ネマチック液晶のダイレクターの基板に対する角度が、液晶セルに付与される電圧の増加により増加し、複屈折が低下する。この複屈折の変化により画像が与えられる。本発明では、液晶のベンド配向とは、液晶層の液晶分子のダイレクターが液晶層の中心線に関して対称(線対称)であり、且つ少なくとも基板付近の領域でベンド部分を持つことを意味する。ベンド部分とは、基板付近の領域のディレクタにより形成される線が曲がっている部分を言う。
即ち、液晶のベンド配向とは、一般に、液晶セルに電圧印加した際に、セル内の液晶分子のダイレクターは、下側の基板付近では、下側の基板に対してほぼ平行であり、基板からの距離の増加と共に、ダイレクターと基板表面との角度が増大し、さらにダイレクターは、上側基板と下側基板の距離が等しい領域(中心線領域)では、基板表面と垂直又はほぼ垂直となり、それからダイレクターは、下側基板からの距離の増加と共に、ダイレクターと基板表面との角度がさらに増大し、最終的にはダイレクターは上側基板付近では上側基板とほぼ平行になるように、液晶分子が配向することを意味する。中心線付近では、ダイレクターはねじれ配向していても良い。さらに、上下基板に近い領域あるいは接触領域のダイレクターは、基板表面から傾いていても良い(即ち、チルト角を有しても良い)。
本発明に用いる偏光板は、偏光子と、それを挟んで積層した保護フィルムとからなるものである。該偏光板はOCBモード液晶セルを挟み上下一対が配置される。一対の偏光板の透過軸が通常直角になるように配置する。本発明においては、液晶表示装置の視認者側に配置される偏光板を出射側偏光板と呼び、視認者側からみて液晶セルの裏側に配置される偏光板を入射側偏光板と呼ぶ。
偏光子は、偏光機能を有するものであれば、特に限定はされない。例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系やポリエン系の偏光子が挙げられる。偏光子はその製造方法によって特に限定されない。PVA系の偏光子を製造する方法としては、PVA系フィルムにヨウ素イオンを吸着させた後に一軸に延伸する方法、PVA系フィルムを一軸に延伸した後にヨウ素イオンを吸着させる方法、PVA系フィルムへのヨウ素イオン吸着と一軸延伸とを同時に行う方法、PVA系フィルムを二色性染料で染色した後に一軸に延伸する方法、PVA系フィルムを一軸に延伸した後に二色性染料で吸着する方法、PVA系フィルムへの二色性染料での染色と一軸延伸とを同時に行う方法が挙げられる。また、ポリエン系の偏光板を製造する方法としては、PVA系フィルムを一軸に延伸した後に脱水触媒存在下で加熱・脱水する方法、ポリ塩化ビニル系フィルムを一軸に延伸した後に脱塩酸触媒存在下で加熱・脱水する方法等の公知の方法が挙げられる。
保護フィルムは、例えばトリアセチルセルロース等のセルロースエステルや脂環式構造含有重合体等の樹脂からなるものが挙げられるが、透明性、複屈折性、寸法安定性等に優れる点から脂環式構造含有重合体からなるものが好ましい。保護フィルムは、溶液流延法、溶融押出法、好ましくは、溶融押出法によってフィルム状に成形し必要に応じて延伸配向して得ることができる。なお、出射側偏光板の液晶セルから遠い方側に位置する保護フィルムを、後記の反射防止層を形成するための基材にすることで、液晶表示装置を薄くすることができる。また、出射側偏光板及び入射側偏光板の液晶セルに近い方側に位置する保護フィルムを、後記の光学補償板を形成するための基材にすることで、液晶表示装置を薄くすることができる。保護フィルムと偏光子との積層はプライマー層などを介して貼り合わせることによって行うことできる。
本発明に用いる光学補償板は、面内レターデーションReを有し、厚み方向の平均屈折率が面内の平均屈折率よりも小さく、厚み方向で屈折率が変化するものである。
この光学補償板を少なくとも1枚、偏光板と液晶セルとの間に備える。光学補償板の配置の仕方は、特に限定されず、反射防止層/出射側偏光板/光学補償板/液晶セル/入射側偏光板、反射防止層/出射側偏光板/液晶セル/光学補償板/入射側偏光板、反射防止層/出射側偏光板/光学補償板/液晶セル/光学補償板/入射側偏光板などの態様を挙げることができる。
この光学補償板を少なくとも1枚、偏光板と液晶セルとの間に備える。光学補償板の配置の仕方は、特に限定されず、反射防止層/出射側偏光板/光学補償板/液晶セル/入射側偏光板、反射防止層/出射側偏光板/液晶セル/光学補償板/入射側偏光板、反射防止層/出射側偏光板/光学補償板/液晶セル/光学補償板/入射側偏光板などの態様を挙げることができる。
光学補償板の面内レターデーションReは、通常200nm以下が好ましく、より好ましくは100nm以下である。この範囲の面内レターデーションを有することによって正面から見たときの色補償がなされ、彩色の整った表示画面を見ることができる。
光学補償板は厚み方向の平均屈折率が面内の平均屈折率よりも小さくなっている。具体的には(nx+ny)/2>nzの関係を満たしている(但し、nx 及びny は光学補償板面内の主屈折率を表わし、nz は厚み方向の主屈折率を表わす。)。面内屈折率(nx+ny)/2と厚み方向屈折率nzとの差は、好ましくは20d〜400d(dは光学補償板の厚さ[nm]である。)である。
さらに光学補償板全体で一の厚み方向平均屈折率nzを有しているが、光学補償板を厚み方向で細かく観察した場合、厚み方向の屈折率nz(Z)は厚み方向で分布を有している。厚み方向屈折率nz(Z)の分布は、厚み方向で連続的に変化する、具体的には漸減または漸増するものであることが好ましい。
さらに光学補償板全体で一の厚み方向平均屈折率nzを有しているが、光学補償板を厚み方向で細かく観察した場合、厚み方向の屈折率nz(Z)は厚み方向で分布を有している。厚み方向屈折率nz(Z)の分布は、厚み方向で連続的に変化する、具体的には漸減または漸増するものであることが好ましい。
面内レターデーションReを有し、厚み方向の平均屈折率nzが面内の平均屈折率(nx+ny)/2よりも小さく、厚み方向の屈折率nz(Z)が変化するような光学補償板は、ディスコティック液晶の配向形態を固定した液晶性光学フィルムによって得ることができる。この液晶性光学フィルムは、基材の上にディスコティック液晶を塗布し、配向させ固定することによって容易に得ることができる。なお、基材の上にディスコティック液晶を塗布し、配向させ固定することによって得る場合、前記レターデーションや屈折率は、基材部分を除いた液晶層部分での値である。
基材は後記の反射防止層を形成するときに使用する透明樹脂基材と同様のものが用いられる。また、基材には、一軸性光学異方体や二軸性光学異方体からなるものを用いることができる。
基材は後記の反射防止層を形成するときに使用する透明樹脂基材と同様のものが用いられる。また、基材には、一軸性光学異方体や二軸性光学異方体からなるものを用いることができる。
一般にディスコティック液晶は、平面性の高い円盤状の形をしたメソゲンを有する分子により発現される液晶である。ディスコティック液晶の特徴は、液晶層中の極微小領域における屈折率が負の一軸性を有することである。ある平面内での屈折率(no)が等しく、その平面に垂直な方向が光軸(以下、ダイレクターと言う)であり、該ダイレクター方向の屈折率をneとしたとき、no>neとなっている。こういった微小領域におけるダイレクターが液晶層中でどのように配列するかで、得られる構造体の屈折率特性、ひいては光学特性が決定される。通常、液晶層全体にわたってダイレクターが同一方向を向いている場合、負の一軸性の構造物となる。ダイレクターが基材の法線にある場合ホメオトロピック配向と呼ばれ、また、ダイレクターが基板法線から一定角度傾いている場合チルト配向と呼ばれる。
本発明に用いる光学補償板は、ディスコティック液晶のダイレクターが厚み方向で徐々に変化したハイブリッド配向を形成することによって得ることができる。
ハイブリッド配向の膜厚方向における好ましい角度範囲は、ダイレクターと光学補償板面とのなす最小の角度(0度以上90度以下の範囲となる角度)が、光学補償板の上面または下面の一方においては、通常60度以上90度以下の角度をなし、当該面の反対面においては、通常0度以上50度以下である。より好ましくは一方の角度の絶対値が80度以上90度以下、他方の角度の絶対値が0度以上40度以下である。
ハイブリッド配向の膜厚方向における好ましい角度範囲は、ダイレクターと光学補償板面とのなす最小の角度(0度以上90度以下の範囲となる角度)が、光学補償板の上面または下面の一方においては、通常60度以上90度以下の角度をなし、当該面の反対面においては、通常0度以上50度以下である。より好ましくは一方の角度の絶対値が80度以上90度以下、他方の角度の絶対値が0度以上40度以下である。
本発明の液晶表示装置には、前記光学補償板以外に、二軸性又は一軸性光学異方体からなるフィルム、シート又は板を偏光板と液晶セルとの間にさらに配置することができる。
本発明に用いる反射防止層はエアロゲルを含んでなる、屈折率1.37以下の低屈折率層を含む層である。反射防止層は出射側偏光板の液晶セルから遠い方側に設けられる。
反射防止層には、低屈折率層以外にハードコート層を含んでいることが好ましい。
反射防止層は、例えば、透明樹脂基材に直接またはハードコート層を介して低屈折率層を積層させることによって得ることができる。
反射防止層には、低屈折率層以外にハードコート層を含んでいることが好ましい。
反射防止層は、例えば、透明樹脂基材に直接またはハードコート層を介して低屈折率層を積層させることによって得ることができる。
透明樹脂基材は、透明樹脂からなるものである。その形状は特に限定されないが、通常、フィルムまたはシート状である。なお、透明樹脂基材として偏光板の保護フィルムを用いることもできる。
透明樹脂は、1mm厚の成形体にしたときの全光線透過率が80%以上、好ましくは90%以上の樹脂であれば特に制限なく使用することができる。
透明樹脂の具体例としては、脂環式構造を有する重合体樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどの鎖状オレフィン系重合体、セルロース系重合体樹脂、ポリカーボネート系重合体、ポリエステル系重合体、ポリスルホン系重合体、ポリエーテルスルホン系重合体、ポリスチレン系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、ポリメタクリレート系重合体などを挙げることができる。
透明樹脂は、1mm厚の成形体にしたときの全光線透過率が80%以上、好ましくは90%以上の樹脂であれば特に制限なく使用することができる。
透明樹脂の具体例としては、脂環式構造を有する重合体樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどの鎖状オレフィン系重合体、セルロース系重合体樹脂、ポリカーボネート系重合体、ポリエステル系重合体、ポリスルホン系重合体、ポリエーテルスルホン系重合体、ポリスチレン系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、ポリメタクリレート系重合体などを挙げることができる。
これらの中でも、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物等の脂環式構造含有重合体樹脂;セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系重合体樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系重合体樹脂;が好ましく、透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性等の観点から、ノルボルネン系重合体、トリアセチルセルロース及びポリエチレンテレフタレートがより好ましく、ノルボルネン系重合体が特に好ましい。これらは2種を組み合わせてあるいは単独で使用できる。ノルボルネン系重合体としては、例えば、ノルボルネン系単量体の開環重合体、ノルボルネン系単量体と他の単量体との開環重合体及びこれら開環重合体の水素添加物;ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体と他の単量体との付加重合体及びこれら付加重合体の水素添加物などを挙げることができる。これらの中で、ノルボルネン系単量体の開環重合体の水素添加物は、透明性に優れるので、特に好ましい。
透明樹脂は、溶媒としてシクロヘキサン(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン)を用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が、通常10,000〜300,000、好ましくは15,000〜250,000、より好ましくは20,000〜200,000の範囲である。この範囲の重量平均分子量を持つ透明樹脂は、基材の機械的強度及び成形加工性を高度にバランスするので好適である。
透明樹脂は、その分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))によって特に制限されないが、通常1〜10、好ましくは1〜6、より好ましくは1.1〜4の範囲である。このような範囲に分子量分布を調整することによって、基材の機械的強度と成形加工性が良好にバランスする。
透明樹脂は、その分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))によって特に制限されないが、通常1〜10、好ましくは1〜6、より好ましくは1.1〜4の範囲である。このような範囲に分子量分布を調整することによって、基材の機械的強度と成形加工性が良好にバランスする。
また、透明樹脂には、所望により各種配合剤を添加することができる。配合剤としては、熱可塑性樹脂材料で通常用いられるものであれば格別な制限はなく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン酸系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等の酸化防止剤;ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、アクリレート系紫外線吸収剤、金属錯体系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤;染料や顔料等の着色剤;脂肪族アルコールのエステル、多価アルコールのエステル、脂肪酸アミド、無機粒子等の滑剤;トリエステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、脂肪酸-塩基酸エステル系可塑剤、オキシ酸エステル系可塑剤等の可塑剤;多価アルコールの脂肪酸エステル等の帯電防止剤;等が挙げられる。
本発明に用いる透明樹脂基材は、上記透明樹脂を公知の成形方法によりフィルムまたはシート状に形成し、必要に応じて延伸することにより得ることができる。
成形方法としては、フィルム中の揮発性成分の含有量や厚さむらを少なくできる点から、溶融押出成形法が好ましい。溶融押出成形法としては、Tダイ等のダイスを用いる方法やインフレーション法等が挙げられるが、生産性や厚さ精度に優れる点でTダイを用いる方法が好ましい。
成形方法としては、フィルム中の揮発性成分の含有量や厚さむらを少なくできる点から、溶融押出成形法が好ましい。溶融押出成形法としては、Tダイ等のダイスを用いる方法やインフレーション法等が挙げられるが、生産性や厚さ精度に優れる点でTダイを用いる方法が好ましい。
また、本発明に用いる透明樹脂基材としては、片面又は両面に表面改質処理を施したものを使用することができる。表面改質処理を行うことにより、ハードコート層や偏光子との密着性を向上させることができる。表面改質処理としては、エネルギー線照射処理や薬品処理等が挙げられる。
エネルギー線照射処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処理等が挙げられる。処理効率の点等から、コロナ放電処理、プラズマ処理が好ましく、コロナ放電処理が特に好ましい。薬品処理としては、重クロム酸カリウム溶液、濃硫酸等の酸化剤水溶液中に、浸漬し、その後、水で洗浄する方法が挙げられる。
エネルギー線照射処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処理等が挙げられる。処理効率の点等から、コロナ放電処理、プラズマ処理が好ましく、コロナ放電処理が特に好ましい。薬品処理としては、重クロム酸カリウム溶液、濃硫酸等の酸化剤水溶液中に、浸漬し、その後、水で洗浄する方法が挙げられる。
透明樹脂基材の厚みは、通常5〜300μm、より好ましくは40〜200μmである。さらに好ましくは、50〜150μmである。基材の厚みが上記範囲にあると、表示画面の耐久性、機械的強度、耐擦傷性及び光学性能に優れた液晶表示装置が得られる。
ハードコート層は、表面硬度の高い層である。具体的には、JIS K5600−5−4に規定されている鉛筆硬度試験で「HB」以上の硬度、好ましくは「H」以上の硬度を持つ層である。
ハードコート層はその屈折率が好ましくは1.55以上、特に好ましくは1.6〜2.3である。屈折率を1.55以上にすることによって、外光の映りこみ等が防止され、耐擦傷性や防汚性に優れた液晶表示装置とすることができる。なお、屈折率は、例えば、公知の分光エリプソメータを用いて測定し求めることができる。
ハードコート層は、その平均表面粗さ(Ra)が35nm以下、好ましくは1〜30nm、である。平均表面粗さをこの範囲にすると、アンカー効果等によって、ハードコート層と低屈折率層との密着性が高くなり、防眩性と低反射率のバランスが良くなる。また、ハードコート層の平均厚みは特に限定されないが、通常0.5〜30μm、好ましくは3〜15μmである。平均表面粗さ(Ra)は、三次元構造解析顕微鏡(サイゴ社製)を用い一定速度で走査させて干渉縞を観測することにより測定できる。
ハードコート層はその屈折率が好ましくは1.55以上、特に好ましくは1.6〜2.3である。屈折率を1.55以上にすることによって、外光の映りこみ等が防止され、耐擦傷性や防汚性に優れた液晶表示装置とすることができる。なお、屈折率は、例えば、公知の分光エリプソメータを用いて測定し求めることができる。
ハードコート層は、その平均表面粗さ(Ra)が35nm以下、好ましくは1〜30nm、である。平均表面粗さをこの範囲にすると、アンカー効果等によって、ハードコート層と低屈折率層との密着性が高くなり、防眩性と低反射率のバランスが良くなる。また、ハードコート層の平均厚みは特に限定されないが、通常0.5〜30μm、好ましくは3〜15μmである。平均表面粗さ(Ra)は、三次元構造解析顕微鏡(サイゴ社製)を用い一定速度で走査させて干渉縞を観測することにより測定できる。
ハードコート層はそれを形成する材料によって特に限定されず、例えば、シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アクリル系、ウレタンアクリレート系などの有機ハードコート材料;二酸化ケイ素などの無機ハードコート材料;などを挙げることができる。これらの中で、ウレタンアクリレート系と多官能アクリレート系ハードコート材料は、接着力が大きく、生産性に優れるので、好適に用いることができる。
特に好ましい材料としては、例えば、活性エネルギー線硬化型樹脂及び/又は無機酸化物粒子を含有してなるものが挙げられる。活性エネルギー線硬化型樹脂は、分子中に重合性不飽和結合またはエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー及び/又はモノマーが、活性エネルギー線の照射により硬化してなる樹脂である。プレポリマー、オリゴマー及び/またはモノマーを重合して硬化させるために、光重合開始剤や光重合促進剤が配合されている。活性エネルギー線は、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものである。通常は紫外線又は電子線を用いる。
特に好ましい材料としては、例えば、活性エネルギー線硬化型樹脂及び/又は無機酸化物粒子を含有してなるものが挙げられる。活性エネルギー線硬化型樹脂は、分子中に重合性不飽和結合またはエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー及び/又はモノマーが、活性エネルギー線の照射により硬化してなる樹脂である。プレポリマー、オリゴマー及び/またはモノマーを重合して硬化させるために、光重合開始剤や光重合促進剤が配合されている。活性エネルギー線は、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものである。通常は紫外線又は電子線を用いる。
無機酸化物粒子は、ハードコート層の導電性、屈折率などを調整することのできる粒子である。屈折率を高くするための無機酸化物粒子としては、屈折率が1.6以上、特に1.6〜2.3である無機酸化物粒子が好ましい。屈折率の高い無機酸化物粒子としては、例えば、チタニア(酸化チタン)、ジルコニア(酸化ジルコニウム)、酸化亜鉛、酸化錫、酸化セリウム、五酸化アンチモン、酸化チタン、スズをドープした酸化インジウム(ITO)、アンチモンをドープした酸化スズ(ATO)、リンをドープした酸化錫(PTO)、亜鉛をドープした酸化インジウム(IZO)、アルミニウムをドープした酸化亜鉛(AZO)、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)等が挙げられる。これらの中でも特に、五酸化アンチモン、リンをドープした酸化スズ及び酸化チタンは、屈折率が高く、導電性と透明性のバランスに優れるので、屈折率を調節するための成分として適している。これらは、一種単独又は組合せて用いても良い。
無機酸化物粒子は、ハードコート層の透明性を低下させないために、その一次粒子径が1nm〜100nm、好ましくは1nm〜50nmであるのが好ましい。
無機酸化物粒子の一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)等により得られる二次電子放出のイメージ写真から目視計測してもよいし、動的光散乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等により機械計測してもよい。
無機酸化物粒子の一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)等により得られる二次電子放出のイメージ写真から目視計測してもよいし、動的光散乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等により機械計測してもよい。
無機酸化物粒子は、その表面の少なくとも一部がアニオン性の極性基を有する有機化合物又は有機金属化合物により被覆されていることが好ましい。無機酸化物粒子は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。無機酸化物粒子を組み合わせることにより、複数の機能をバランスよく備えたハードコート層を形成することができる。例えば、屈折率は極めて大きいが導電性の小さいルチル型酸化チタン粒子と、導電性は極めて大きいが屈折率はルチル型酸化チタンよりも小さい導電性無機酸化物を組み合わせて、所定の屈折率と良好な帯電防止性能を兼ね備えたハードコート層を形成することができる。また、無機酸化物粒子の量は、活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、200〜1200重量部、好ましくは300〜800重量部である。
また、前記無機酸化物粒子をハードコート層に均一に分散させるために、レベリング剤を含有させることができる。レベリング剤としてはフッ素系界面活性剤が好ましく、特にフッ素化アルキル基含有オリゴマーからなるノニオン性フッ素系界面活性剤が好ましい。さらにハードコート層には、さらに有機反応性ケイ素化合物を含んでいてもよい。
また、前記無機酸化物粒子をハードコート層に均一に分散させるために、レベリング剤を含有させることができる。レベリング剤としてはフッ素系界面活性剤が好ましく、特にフッ素化アルキル基含有オリゴマーからなるノニオン性フッ素系界面活性剤が好ましい。さらにハードコート層には、さらに有機反応性ケイ素化合物を含んでいてもよい。
ハードコート層は、通常、活性エネルギー線硬化型樹脂、無機酸化物粒子及び必要に応じて配合されるフッ素化アルキル基含有オリゴマー等を溶解または分散させた液を、前記基材上に塗工し、乾燥して塗膜を得、次いで、活性エネルギー線を照射して、硬化させることにより得ることができる。塗工法としては、ワイヤーバーコート法、ディップ法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、グラビアコート法等が挙げられる。活性エネルギー線の照射強度及び照射時間は特に限定されず、用いる活性エネルギー線硬化性樹脂に応じて適宜、照射強度、照射時間などの照射条件を設定することができる。
低屈折率層は、エアロゲルを含有してなるものである。そして屈折率が1.37以下、好ましくは1.25〜1.36、さらに好ましくは1.30〜1.35のものである。
エアロゲルは、マトリックス中に微小な空孔が分散した透明多孔質体である。空孔の大きさは大部分が200nm以下であり、空孔の占有率は通常10体積%以上60体積%以下、好ましくは20体積%以上40体積%以下である。
微小な空孔が分散したエアロゲルの具体例としては、シリカエアロゲル、中空粒子がマトリックス中に分散された多孔質体が挙げられる。
エアロゲルは、マトリックス中に微小な空孔が分散した透明多孔質体である。空孔の大きさは大部分が200nm以下であり、空孔の占有率は通常10体積%以上60体積%以下、好ましくは20体積%以上40体積%以下である。
微小な空孔が分散したエアロゲルの具体例としては、シリカエアロゲル、中空粒子がマトリックス中に分散された多孔質体が挙げられる。
シリカエアロゲルは、米国特許第4402927号公報、米国特許第4432956号公報、米国特許第4610863号公報等に開示されているように、アルコキシシランの加水分解重合反応によって得られたシリカ骨格からなる湿潤状態のゲル状化合物を、超臨界乾燥することによって製造することができる。この超臨界乾燥は、例えば二酸化炭素やアルコールなどの乾燥液をゲル状化合物の溶媒の全部又は一部と置換し、該乾燥液を超臨界状態にし、次いで超臨界状態から気相に変化した乾燥液(気体)を排出することによって行うことができる。また、シリカエアロゲルは、米国特許第5137279号公報、米国特許5124364号公報等に開示されているように、ケイ酸ナトリウムを原料として、上記と同様にして製造しても良い。
ここで、特開平5−279011号公報、特開平7−138375号公報に開示されているように、前記のゲル状化合物を疎水化処理することによって、シリカエアロゲルに疎水性を付与することが好ましい。この疎水性シリカエアロゲルは、湿気や水等が浸入し難くなり、シリカエアロゲルの屈折率や光透過性等の性能が劣化することを防ぐことができるものである。
この疎水化処理は、ゲル状化合物を超臨界乾燥する前、あるいは超臨界乾燥中に行うことができる。疎水化処理は、ゲル状化合物の表面に存在するシラノール基の水酸基を疎水化処理剤の官能基と反応させ、疎水化処理剤の疎水基と置換させることによって行うものである。疎水化処理を行う手法としては、疎水化処理剤溶液にゲル状化合物を浸漬し、混合するなどしてゲル状化合物内に疎水化処理剤を浸透させた後、必要に応じて加熱する方法があげられる。シリカエアロゲルの屈折率は、シリカエアロゲルの原料配合比によって自由に変化させることができる。
シリカエアロゲルを含有してなる低屈折率層の、形成方法は特に制限されず、例えば、ハードコート層の上に前記ゲル状化合物を公知の塗工方法により塗工して、前記の超臨界乾燥を行って形成する方法が挙げられる。また、超臨界乾燥前又は超臨界乾燥中に疎水化処理を行ってもよい。
エアロゲルの別の態様である、中空粒子がマトリックス中に分散された多孔質体としては、特開2001−233611号公報、特開2003−149642号公報に開示されているような、粒子の内部に空隙を持つ中空粒子をバインダー樹脂に分散させた多孔質体が挙げられる。
バインダー樹脂としては中空粒子の分散性、多孔質体の透明性、多孔質体の強度等の条件に適合する樹脂等から選択して用いることができ、例えば従来から用いられているポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂等;紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂、エマルジョン樹脂、水溶性樹脂、親水性樹脂、これら樹脂の混合物、さらにはこれら樹脂の変性体などの塗料用樹脂;またはアルコキシシラン等の加水分解性有機珪素化合物・およびその加水分解物等が挙げられる。
これらの中でも粒子の分散性、多孔質体の強度からアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アルコキシシラン等の加水分解性有機珪素化合物およびその加水分解物が好ましい。
バインダー樹脂としては中空粒子の分散性、多孔質体の透明性、多孔質体の強度等の条件に適合する樹脂等から選択して用いることができ、例えば従来から用いられているポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂等;紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂、エマルジョン樹脂、水溶性樹脂、親水性樹脂、これら樹脂の混合物、さらにはこれら樹脂の変性体などの塗料用樹脂;またはアルコキシシラン等の加水分解性有機珪素化合物・およびその加水分解物等が挙げられる。
これらの中でも粒子の分散性、多孔質体の強度からアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アルコキシシラン等の加水分解性有機珪素化合物およびその加水分解物が好ましい。
前記アルコキシシラン等の加水分解性有機珪素化合物およびその加水分解物は、下記(a)〜(c)からなる群から選ばれる1種以上の化合物から形成されたものであって、分子中に、-(O-Si)m-O-(式中、mは自然数を表す。)結合を有するものである。
(a)一般式(4):SiX4で表される化合物。
(b)前記一般式(4)で表される化合物の少なくとも1種の部分加水分解生成物。
(c)前記一般式(4)で表される化合物の少なくとも1種の完全加水分解生成物。
(a)一般式(4):SiX4で表される化合物。
(b)前記一般式(4)で表される化合物の少なくとも1種の部分加水分解生成物。
(c)前記一般式(4)で表される化合物の少なくとも1種の完全加水分解生成物。
但し一般式(4)において、Xは、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;置換基を有していてもよい一価の炭化水素基;酸素原子;酢酸根、硝酸根などの有機酸根;アセチルアセトナートなどの3-ジケトナート基;硝酸根、硫酸根などの無機酸根;メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基などのアルコキシ基;または水酸基を表す。
(a)のSiX4で表される化合物の中でも、一般式(5):RaSiY4−a〔式中、Rは置換基を有していてもよい一価の炭化水素基を表し、aは0〜2の整数を表し、aが2のとき、Rは同一であっても相異なっていてもよい。Yは加水分解性基を表し、Yは同一であっても相異なっていてもよい。〕で表されるケイ素化合物が好ましい。
前記式(5)においてYは加水分解性基を表す。ここで、加水分解性基は、所望により酸または塩基触媒の存在下に加水分解して、-(O-Si)m-O-結合を生じせしめる基をいう。
加水分解性基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基などのアシルオキシ基;オキシム基(-O-N=C-R'(R''))、エノキシ基(-O-C(R')=C(R'')R''')、アミノ基、アミノキシ基(-O-N(R')R'')、アミド基(-N(R’)-C(=O)-R'')等が挙げられる。これらの基において、R'、R''、R'''は、それぞれ独立して水素原子又は一価の炭化水素基を表す。これらの中でも、Yとしては、入手容易性などからアルコキシ基が好ましい。
加水分解性基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基などのアシルオキシ基;オキシム基(-O-N=C-R'(R''))、エノキシ基(-O-C(R')=C(R'')R''')、アミノ基、アミノキシ基(-O-N(R')R'')、アミド基(-N(R’)-C(=O)-R'')等が挙げられる。これらの基において、R'、R''、R'''は、それぞれ独立して水素原子又は一価の炭化水素基を表す。これらの中でも、Yとしては、入手容易性などからアルコキシ基が好ましい。
前記式(4)で表される化合物の分子量は特に制限されないが、40〜300であるのが好ましく、100〜200であるのがより好ましい。
前記(b)の式(4)で表される化合物の少なくとも1種の部分加水分解生成物(以下、「化合物(3)」という。)、および(c)の式(4)で表される化合物の少なくとも1種の完全加水分解生成物(以下、「化合物(4)」という。)は、前記式(4)で表される化合物の1種またはそれ以上を、完全又は部分的に加水分解、縮合させることによって得ることができる。化合物(3)および化合物(4)は、例えば、Si(Or)4(rは1価の炭化水素基を表す。)で表される金属テトラアルコキシドを、モル比[H2O]/[Or]が1以上、1〜5、好ましくは1〜3となる量の水の存在下、加水分解して得ることができる。加水分解は、5〜100℃の温度で、2〜100時間、必要に応じて酸触媒や塩基触媒を用い、全容を撹拌することにより行うことができる。前記化合物(3)および化合物(4)の分子量は特に制限されないが、通常、その重量平均分子量が200〜5000の範囲である。
中空粒子は無機化合物の粒子であれば、特に制限されないが、外殻の内部に空孔が形成された無機中空粒子が好ましく、シリカ系中空粒子の使用が特に好ましい。
無機化合物としては、無機酸化物が一般的である。無機酸化物としては、SiO2、Al2O3、B2O3、TiO2、ZrO2、SnO2、Ce2O3、P2O5、Sb2O3、MoO3、ZnO2、WO3等の1種又は2種以上を挙げることができる。2種以上の無機酸化物として、TiO2-Al2O3、TiO2-ZrO2、In2O3-SnO2、Sb2O3-SnO2を例示することができる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
無機化合物としては、無機酸化物が一般的である。無機酸化物としては、SiO2、Al2O3、B2O3、TiO2、ZrO2、SnO2、Ce2O3、P2O5、Sb2O3、MoO3、ZnO2、WO3等の1種又は2種以上を挙げることができる。2種以上の無機酸化物として、TiO2-Al2O3、TiO2-ZrO2、In2O3-SnO2、Sb2O3-SnO2を例示することができる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
無機中空粒子としては、(a)無機酸化物単一層、(b)種類の異なる無機酸化物からなる複合酸化物の単一層、及び(c)上記(a)と(b)との二重層を包含するものを用いることができる。
外殻は細孔を有する多孔質なものであってもよく、あるいは細孔が閉塞されて空孔が外殻の外側に対して密封されているものであってもよい。外殻は、内側の第1無機酸化物被覆層及び外側の第2無機酸化物被覆層からなる複数の無機酸化物被覆層であることが好ましい。外側に第2無機酸化物被覆層を設けることにより、外殻の細孔を閉塞させて外殻を緻密化させたり、さらには、内部の空孔を密封した無機中空粒子を得ることができる。特に第2無機酸化物被覆層の形成に含フッ素有機珪素化合物を用いる場合は、屈折率が低くなるとともに、有機溶媒への分散性もよくなり、さらに防汚性が付与されるので好ましい。このような含フッ素有機珪素化合物としては、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン等を挙げることが出来る。
外殻の厚みは1〜50nm、特に5〜20nmの範囲であるのが好ましい。外殻の厚みが1nm未満であると、無機中空粒子が所定の粒子形状を保持できない場合がある。逆に、外殻の厚みが50nmを超えると、無機中空粒子中の空孔が小さく、その結果、空孔の割合が減少して屈折率の低下が不十分であるおそれがある。
上述のように第1無機酸化物被覆層および第2無機酸化物被覆層を外殻として設ける場合、これら層の厚みの合計が、1〜50nmの範囲となるようにすればよい。特に、緻密化された外殻の場合、第2無機酸化物被覆層の厚みは20〜40nmの範囲が好適である。
また、空孔には無機中空粒子を調製するときに使用した溶媒及び/又は乾燥時に浸入する気体が存在してもよい
また、空孔には無機中空粒子を調製するときに使用した溶媒及び/又は乾燥時に浸入する気体が存在してもよい
無機中空粒子の平均粒子径は特に制限されないが、5〜2000nmが好ましく、20〜100nmがより好ましい。5nmよりも小さいと、低屈折率になる効果が小さくなり易い、逆に2000nmよりも大きいと、透明性が悪くなり、拡散反射による寄与が大きくなり易い。ここで、平均粒子径は、透過型電子顕微鏡観察による数平均粒子径である。
本発明に使用できる無機中空粒子は、例えば特開2001-233611号公報に詳細に記載された方法に基づいて製造することができ、また一般に市販されている無機中空粒子を用いることもできる。
無機中空粒子の配合量は、特に制限されないが、低屈折率層全体に対して、10〜30重量%であることが好ましい。無機中空粒子の配合量がこの範囲であるときに、視認性と耐擦傷性に優れた液晶表示装置を得ることができる。
低屈折率層が中空粒子をマトリックス中に分散させた多孔質体である場合、その形成方法は特に制限されず、例えば、ハードコート層の上に中空粒子とバインダー樹脂とを含有してなる塗工液を公知の塗工方法により塗工し、必要に応じ乾燥・加熱処理を施す方法が挙げられる。塗工法としては、ワイヤーバーコート法、ディップ法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、グラビアコート法等が挙げられる。必要に応じて行われる加熱の温度は、通常50〜200℃、好ましくは80〜150℃である。
本発明において、低屈折率層の平均厚さは、10〜1000nm、好ましくは20〜500nmであり、さらに好ましくは、30〜300nm、もっとも好ましくは50〜150nmである。平均厚さをこの範囲にすることによって広い波長帯域において、反射防止効果、透明性、耐擦傷性のバランスに優れる液晶表示装置が得られる。
本発明を構成する反射防止層は、低屈折率層の防汚性を高めるために、低屈折率層上に防汚層がさらに形成されたものであっても良い。
防汚層の形成材料としては、低屈折率層の機能が阻害されず、防汚層としての要求性能が満たされる限り特に制限はない。通常、疎水基を有する化合物を好ましく使用できる。
具体的な例としてはパーフルオロアルキルシラン化合物、パーフルオロポリエーテルシラン化合物、フッ素含有シリコーン化合物を使用することができる。防汚層の形成方法は、形成する材料に応じて、例えば、蒸着、スパッタリング等の物理的気相成長法;CVD等の化学的気相成長法;湿式コーティング法;等を用いることができる。防汚層の厚みは特に制限はないが、通常20nm以下が好ましく、1〜10nmであるのがより好ましい。
防汚層の形成材料としては、低屈折率層の機能が阻害されず、防汚層としての要求性能が満たされる限り特に制限はない。通常、疎水基を有する化合物を好ましく使用できる。
具体的な例としてはパーフルオロアルキルシラン化合物、パーフルオロポリエーテルシラン化合物、フッ素含有シリコーン化合物を使用することができる。防汚層の形成方法は、形成する材料に応じて、例えば、蒸着、スパッタリング等の物理的気相成長法;CVD等の化学的気相成長法;湿式コーティング法;等を用いることができる。防汚層の厚みは特に制限はないが、通常20nm以下が好ましく、1〜10nmであるのがより好ましい。
本発明を構成する反射防止層は、全光線透過率が通常94%以上、好ましくは96%以上である。そして本発明の好適な反射防止層は、スチールウール#0000に荷重0.025MPaをかけた状態で、層表面を10往復させて擦る前後の全光線透過率の低下が通常10%以内であり、好ましくは8%以内、より好ましくは6%以内である。全光線透過率は、日本電色工業(株)社製、「濁度計NDH-300A」を用いてASTM D1003に準拠して測定する。同様の測定を面内の異なる任意の場所5箇所で5回測定し、それらの算術平均値を全光線透過率の値として算出する。全光線透過率の低下は次式より求める。
ΔR=(Rc−Rd)/Rc×100 (%)
Rcはスチールウールで擦る前の全光線透過率、Rdはスチールウールで擦った後の全光線透過率を表す。
ΔR=(Rc−Rd)/Rc×100 (%)
Rcはスチールウールで擦る前の全光線透過率、Rdはスチールウールで擦った後の全光線透過率を表す。
また反射防止層はヘイズ値が通常1%未満、好ましくは0.8%未満である。そして本発明の好適な反射防止層は、スチールウール#0000に荷重0.025MPaをかけた状態で、層表面を10往復させて擦った後のヘイズ値が、好ましくは1%以下であり、より好ましくは0.8%以下、特に好ましくは0.6%以下である。ヘーズ値を1%以下にすることにより、液晶表示装置の画像が鮮明になる。ヘイズ値は、JIS K7361−1997に準拠して、日本電色工業社製「濁度計NDH−300A」を用いて測定する。測定を面内の異なる場所5箇所で5回づつ測定し、その算術平均値をヘイズ値とする。
反射防止層は、入射角5度、波長430nm〜700nmでの反射率が、通常1.4%以下であり、好ましくは1.1%以下である。また入射角5度、波長550nmの光の反射率が、好ましくは0.7%以下であり、特に好ましくは0.6%以下である。反射率が上記の範囲にあることにより、外部光の映りこみ及びギラツキがなく、視認性に優れる液晶表示装置とすることができる。反射率は、分光光度計(紫外可視近赤外分光光度計V-550、日本分光社製)を用い測定した。
反射防止層は、スチールウールで擦る前後の反射率の低下が、好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下である。反射率の低下が20%を超えると、画面のぼやけ、ギラツキが発生することがある。
スチールウールで擦る前後の反射率の低下は下記式で求めた。
ΔR=(Rb-Ra)/Rb×100 (%)
Rbはスチールウールで擦る前の反射率、Raはスチールウール#0000に荷重0.025MPaをかけた状態で、積層体表面を10往復させて擦った後の反射率を表す。
なお、反射率は面内の異なる任意の場所5箇所で5回測定し、それらの算術平均値から算出した。
スチールウールで擦る前後の反射率の低下は下記式で求めた。
ΔR=(Rb-Ra)/Rb×100 (%)
Rbはスチールウールで擦る前の反射率、Raはスチールウール#0000に荷重0.025MPaをかけた状態で、積層体表面を10往復させて擦った後の反射率を表す。
なお、反射率は面内の異なる任意の場所5箇所で5回測定し、それらの算術平均値から算出した。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例中の試験及び評価は以下の方法で行った。
実施例及び比較例中の試験及び評価は以下の方法で行った。
(基材の屈折率)
自動屈折率計(王子計測器社製、KOBRA−21)を用いて、波長550nmにおける面内遅相軸の屈折率nx、遅相軸に面内で直角方向の屈折率ny、厚さ方向屈折率nzを求めた。
(レタデーション及び低屈折率層、ハードコート層の屈折率)
高速分光エリプソメトリ(J.A.Woollam社製、M−2000U)を用いて測定した。
自動屈折率計(王子計測器社製、KOBRA−21)を用いて、波長550nmにおける面内遅相軸の屈折率nx、遅相軸に面内で直角方向の屈折率ny、厚さ方向屈折率nzを求めた。
(レタデーション及び低屈折率層、ハードコート層の屈折率)
高速分光エリプソメトリ(J.A.Woollam社製、M−2000U)を用いて測定した。
(耐擦傷性)
スチールウール#0000に荷重0.025MPaをかけた状態で表面を10往復させ擦った後の表面状態を目視で観測した。
○:傷が認められない。
△:わずかに傷が認められる。
×:傷が認められる。
スチールウール#0000に荷重0.025MPaをかけた状態で表面を10往復させ擦った後の表面状態を目視で観測した。
○:傷が認められない。
△:わずかに傷が認められる。
×:傷が認められる。
(反射率と反射率の低下)
分光光度計(紫外可視近赤外分光光度計V-550、日本分光社製)を用い、入射角5度における反射率を測定した。
上記測定は面内の異なる任意の場所5箇所で5回行い、それらの算術平均値を反射率の値とした。
反射率変動は下記式で求めた。Rbはスチールウールで擦る前の反射率、Raは前記のごとくスチールウールで擦った後の反射率を表す。
ΔR=(Ra-Rb)/Rb×100 (%) (i)
分光光度計(紫外可視近赤外分光光度計V-550、日本分光社製)を用い、入射角5度における反射率を測定した。
上記測定は面内の異なる任意の場所5箇所で5回行い、それらの算術平均値を反射率の値とした。
反射率変動は下記式で求めた。Rbはスチールウールで擦る前の反射率、Raは前記のごとくスチールウールで擦った後の反射率を表す。
ΔR=(Ra-Rb)/Rb×100 (%) (i)
(全光線透過率の低下)
日本電色工業(株)社製、「濁度計NDH-300A」を用いてASTM D1003に準拠して測定する。同様の測定を面内の異なる任意の場所5箇所で5回測定し、それらの算術平均値を全光線透過率の代表値とし算出する。
変動率は次式より求める。Rcはスチールウールで擦る前の全光線透過率、Rdは前記のごとくスチールウールで擦った後の全光線透過率を表す。
ΔR=(Rc-Rd)/Rc×100 (%) (ii)
日本電色工業(株)社製、「濁度計NDH-300A」を用いてASTM D1003に準拠して測定する。同様の測定を面内の異なる任意の場所5箇所で5回測定し、それらの算術平均値を全光線透過率の代表値とし算出する。
変動率は次式より求める。Rcはスチールウールで擦る前の全光線透過率、Rdは前記のごとくスチールウールで擦った後の全光線透過率を表す。
ΔR=(Rc-Rd)/Rc×100 (%) (ii)
(へイズ)
JIS K7361−1997に準拠して、日本電色工業社製「濁度計NDH−300A」を用いて測定する。測定を面内の異なる場所5箇所で5回づつ測定し、その算術平均値をヘイズ値とする。
JIS K7361−1997に準拠して、日本電色工業社製「濁度計NDH−300A」を用いて測定する。測定を面内の異なる場所5箇所で5回づつ測定し、その算術平均値をヘイズ値とする。
(視認性)
液晶表示装置を明るさ500LXの環境下に置き、画像を表示して前正面より目視で観察し、以下の三段階で評価した。グレアとは視野内で過度に輝度が高い点や面が見えることによっておきる不快感や、見にくさのことをいう。
○:グレア、映り混み、または画像のぼやけがない。
△:グレア、映り込み、または画像のぼやけが少しあり、気になる。
×:グレア、映り込み、または画像のぼやけが際立ってある。
液晶表示装置を明るさ500LXの環境下に置き、画像を表示して前正面より目視で観察し、以下の三段階で評価した。グレアとは視野内で過度に輝度が高い点や面が見えることによっておきる不快感や、見にくさのことをいう。
○:グレア、映り混み、または画像のぼやけがない。
△:グレア、映り込み、または画像のぼやけが少しあり、気になる。
×:グレア、映り込み、または画像のぼやけが際立ってある。
(コントラスト比及び視野角)
液晶表示装置を明るさ500LXの環境下に置き、OCBモード液晶セルに55Hzの矩形波電圧(白表示2V、黒表示6V)を印加し、白表示時の光線透過率と黒表示時の光線透過率との比(白/黒)をコントラスト比とした。そして、測定器(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いてコントラスト比が10となる視野角を画面の上下左右で求めた。
(広帯域性)
明るさが500LXの環境下に液晶テレビを設置して、液晶セルに電圧をかけない状態で、画面の状態を観察した。
○:画面が黒色
×:画面が青色または青みを帯びている。
液晶表示装置を明るさ500LXの環境下に置き、OCBモード液晶セルに55Hzの矩形波電圧(白表示2V、黒表示6V)を印加し、白表示時の光線透過率と黒表示時の光線透過率との比(白/黒)をコントラスト比とした。そして、測定器(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いてコントラスト比が10となる視野角を画面の上下左右で求めた。
(広帯域性)
明るさが500LXの環境下に液晶テレビを設置して、液晶セルに電圧をかけない状態で、画面の状態を観察した。
○:画面が黒色
×:画面が青色または青みを帯びている。
(基材1Aの作製)
ノルボルネン系重合体(ZEONOR 1420R、日本ゼオン社製、ガラス転移温度:136℃、飽和吸水率:0.01重量%未満)のペレットを、空気を流通させた熱風乾燥器を用いて110℃で4時間乾燥した。そしてリーフディスク形状のポリマーフィルター(ろ過精度30μm)が設置され、ダイリップの先端部がクロムめっきされた平均表面粗さRa=0.04μmのリップ幅650mmのコートハンガータイプのTダイを有する短軸押出機を用いて、前記ペレットを260℃で溶融押出しして膜厚100μm、幅600mmの長尺フィルム状基材1Aを得た。得られた基材1Aの飽和吸水率は0.01重量%以下であった。また、面内のレターデーション値(Re)は、2nmであった。
ノルボルネン系重合体(ZEONOR 1420R、日本ゼオン社製、ガラス転移温度:136℃、飽和吸水率:0.01重量%未満)のペレットを、空気を流通させた熱風乾燥器を用いて110℃で4時間乾燥した。そしてリーフディスク形状のポリマーフィルター(ろ過精度30μm)が設置され、ダイリップの先端部がクロムめっきされた平均表面粗さRa=0.04μmのリップ幅650mmのコートハンガータイプのTダイを有する短軸押出機を用いて、前記ペレットを260℃で溶融押出しして膜厚100μm、幅600mmの長尺フィルム状基材1Aを得た。得られた基材1Aの飽和吸水率は0.01重量%以下であった。また、面内のレターデーション値(Re)は、2nmであった。
(ハードコート剤の調製)
6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(NKオリゴ U−6HA、新中村化学社製)30重量部、ブチルアクリレート40重量部、イソボニルメタクリレート30重量部、及び2,2−ジフェニルエタン−1−オン10重量部をホモジナイザーで混合し、さらに五酸化アンチモンゾル(40%のメチルイソブチルケトンゾル:平均粒子径20nm、水酸基がパイロクロア構造の表面に現れているアンチモン原子に1つの割合で結合しているもの。)を五酸化アンチモン微粒子がハードコート剤の全固形分の50重量%を占める割合で混合して、ハードコート剤を得た。
6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(NKオリゴ U−6HA、新中村化学社製)30重量部、ブチルアクリレート40重量部、イソボニルメタクリレート30重量部、及び2,2−ジフェニルエタン−1−オン10重量部をホモジナイザーで混合し、さらに五酸化アンチモンゾル(40%のメチルイソブチルケトンゾル:平均粒子径20nm、水酸基がパイロクロア構造の表面に現れているアンチモン原子に1つの割合で結合しているもの。)を五酸化アンチモン微粒子がハードコート剤の全固形分の50重量%を占める割合で混合して、ハードコート剤を得た。
(低屈折率層形成用塗工液1の調製)
テトラメトキシシラン208重量部にメタノール356重量部を加え、さらに水18重量部及び0.01N塩酸水溶液18重量部を混合し、これを、ディスパーを用いてよく混合した。この混合液を25℃恒温槽中で2時間攪拌して、重量平均分子量850のシリコーンレジンの溶液を得た。
次に、中空シリカ粒子として中空シリカイソプロパノール分散ゾル(固形分20重量%,平均一次粒子径約35nm、外殻厚み約8nm)を前記シリコーンレジンの溶液に中空シリカ粒子/シリコーンレジン(縮合化合物換算)が固形分基準で重量比が7:3となるように添加し、次いで全固形分が1%になるようにメタノールで希釈して、低屈折率層形成用塗工液1を得た。
(低屈折率層形成用塗工液2の調製)
中空シリカ粒子/シリコーンレジン(縮合化合物換算)が固形分基準で重量比が8:2となるようにした他は低屈折率層形成用塗工液1と同様にして、低屈折率層形成用塗工液2を得た。
テトラメトキシシラン208重量部にメタノール356重量部を加え、さらに水18重量部及び0.01N塩酸水溶液18重量部を混合し、これを、ディスパーを用いてよく混合した。この混合液を25℃恒温槽中で2時間攪拌して、重量平均分子量850のシリコーンレジンの溶液を得た。
次に、中空シリカ粒子として中空シリカイソプロパノール分散ゾル(固形分20重量%,平均一次粒子径約35nm、外殻厚み約8nm)を前記シリコーンレジンの溶液に中空シリカ粒子/シリコーンレジン(縮合化合物換算)が固形分基準で重量比が7:3となるように添加し、次いで全固形分が1%になるようにメタノールで希釈して、低屈折率層形成用塗工液1を得た。
(低屈折率層形成用塗工液2の調製)
中空シリカ粒子/シリコーンレジン(縮合化合物換算)が固形分基準で重量比が8:2となるようにした他は低屈折率層形成用塗工液1と同様にして、低屈折率層形成用塗工液2を得た。
(低屈折率層形成用塗工液3の調製)
メチルメタクリレート90重量部、n−ブチルアクリレート40重量部、γ−メタロキシプロピルトリメトキシシラン20重量部、及びキシレン130重量部を混合し、攪拌しながら80℃に加温し、混合物を得た。次いでアゾビスイソバレロニトリル4重量部をキシレン10重量部に溶解したものを、30分間かけて前記80℃の混合物に滴下し、滴下後さらに5時間80℃を維持し、固形分濃度50%のシリル基含有ビニル樹脂溶液を得た。シリル基含有ビニル樹脂の分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定でポリスチレン換算の分子量)は約12,000であり、樹脂の1分子あたりに平均6個のシリル基を含有していることが推定された。
次にメチルトリメトキシシラン100重量部、ジメチルジメトキシシラン10重量部、前記で得たシリル基含有ビニル樹脂溶液50重量部、アルミニウムトリス(エチル)アセトアセテート10重量部、及びイソプロピルアルコール30重量部を混合し、さらにイオン交換水30重量部を添加して60℃で4時間反応させた。次に室温まで冷却し、アセチルアセトン7重量部を添加して、低屈折率層形成用塗工液3を得た。
メチルメタクリレート90重量部、n−ブチルアクリレート40重量部、γ−メタロキシプロピルトリメトキシシラン20重量部、及びキシレン130重量部を混合し、攪拌しながら80℃に加温し、混合物を得た。次いでアゾビスイソバレロニトリル4重量部をキシレン10重量部に溶解したものを、30分間かけて前記80℃の混合物に滴下し、滴下後さらに5時間80℃を維持し、固形分濃度50%のシリル基含有ビニル樹脂溶液を得た。シリル基含有ビニル樹脂の分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定でポリスチレン換算の分子量)は約12,000であり、樹脂の1分子あたりに平均6個のシリル基を含有していることが推定された。
次にメチルトリメトキシシラン100重量部、ジメチルジメトキシシラン10重量部、前記で得たシリル基含有ビニル樹脂溶液50重量部、アルミニウムトリス(エチル)アセトアセテート10重量部、及びイソプロピルアルコール30重量部を混合し、さらにイオン交換水30重量部を添加して60℃で4時間反応させた。次に室温まで冷却し、アセチルアセトン7重量部を添加して、低屈折率層形成用塗工液3を得た。
(偏光子Gの作製)
厚さ75μmのPVAフィルム(クラレ社製 ビニロン#7500)をチャックに装着し、ヨウ素0.2g/l及びヨウ化カリウム60g/lの水溶液中に30℃にて240秒間浸漬し、次いでホウ酸70g/l及びヨウ化カリウム30g/lの水溶液に浸漬し、その状態で6.0倍に一軸延伸し5分間保持した。最後に室温で24時間乾燥し、偏光度99.993%の偏光子Gを得た。
厚さ75μmのPVAフィルム(クラレ社製 ビニロン#7500)をチャックに装着し、ヨウ素0.2g/l及びヨウ化カリウム60g/lの水溶液中に30℃にて240秒間浸漬し、次いでホウ酸70g/l及びヨウ化カリウム30g/lの水溶液に浸漬し、その状態で6.0倍に一軸延伸し5分間保持した。最後に室温で24時間乾燥し、偏光度99.993%の偏光子Gを得た。
実施例1
基材1Aの両面に、高周波発信機(コロナジェネレータHV05-2、Tamtec社製)を用いて0.8kW出力でコロナ放電処理を行った。前記処理を施した基材の片面に、ハードコート剤を、25℃、相対湿度60%の環境下でダイコーターを用いて塗布した。次いで相対湿度5%以下の環境下で、80℃で16秒間、100℃で16秒間、次いで120℃で16秒間、乾燥を行った。そして、出力320W/cm、照射距離60mmの条件で紫外線を照射してハードコート剤を硬化させ、厚さ5μmのハードコート層を積層した基材1Cを得た。
基材1Cのハードコート層を有する面を1.6kW出力でコロナ放電処理を行った。前記処理を施した基材1Cのハードコート層を有する面に低屈折率層形成用塗工液1を、25℃、相対湿度60%の環境下でワイヤーバーコーターによって塗布した。次いで相対湿度5%以下で、40℃で20秒間、120℃で40秒間、乾燥を行った。次いで出力160W/cm、照射距離60mmの条件で紫外線を照射して、厚さ100nmの低屈折率層を形成して反射防止フィルム1Dを得た。
基材1Aの両面に、高周波発信機(コロナジェネレータHV05-2、Tamtec社製)を用いて0.8kW出力でコロナ放電処理を行った。前記処理を施した基材の片面に、ハードコート剤を、25℃、相対湿度60%の環境下でダイコーターを用いて塗布した。次いで相対湿度5%以下の環境下で、80℃で16秒間、100℃で16秒間、次いで120℃で16秒間、乾燥を行った。そして、出力320W/cm、照射距離60mmの条件で紫外線を照射してハードコート剤を硬化させ、厚さ5μmのハードコート層を積層した基材1Cを得た。
基材1Cのハードコート層を有する面を1.6kW出力でコロナ放電処理を行った。前記処理を施した基材1Cのハードコート層を有する面に低屈折率層形成用塗工液1を、25℃、相対湿度60%の環境下でワイヤーバーコーターによって塗布した。次いで相対湿度5%以下で、40℃で20秒間、120℃で40秒間、乾燥を行った。次いで出力160W/cm、照射距離60mmの条件で紫外線を照射して、厚さ100nmの低屈折率層を形成して反射防止フィルム1Dを得た。
厚さ0.1μmのゼラチン薄膜を塗設した100μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム社製、面内レターデーション5nm、厚さ方向レタデーション40nm)上に、ポリビニルアルコール3%溶液を#16ワイヤバーコーターで塗布し、80℃の温風で乾燥させ、次いでラビング処理して配向膜を得た。
液晶性ディスコティック化合物1.8重量部、エチレングリコール変性トリメチロールプロパンアクリレート0.2重量部、セルロースアセテートブチレート0.04重量部、光重合開始剤(イルガキュア−907、チバ・ガイギー社製)0.06重量部及び増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬社製)0.02重量部を3.43重量部のメチルエチルケトンに溶解して塗布液を得た。この塗布液を前記配向膜に#3ワイヤーバーを用いて塗布し、塗膜を120℃の恒温槽中に3分間浸けて、ディスクコテッィク化合物を配向させた。塗膜を120℃の状態で、高温水銀灯(120W/cm)で紫外線を1分間照射した。室温まで冷却し、厚さ1μmのディスコティック化合物を含む層を有する光学補償板を得た。液晶層のみのレタデーションをラビング軸に沿って測定したところ、レタデーションが0となる方向は存在しなかった。この値をシミュレーションによってフィッティングしたところ、負の一軸性(ダイレクター)が光学補償板面に対して22度から86度に連続的に変化したハイブリッド配向を示していることが解った。光軸角の平均傾斜角は21度、液晶層のもの厚さ方向レターデーションは117nmであった。この光学補償板は面内レタデーションを有し、面内の平均屈折率が厚み方向屈折率よりも大きく、厚み方向で漸次厚み方向屈折率が変化するものであった。
液晶性ディスコティック化合物1.8重量部、エチレングリコール変性トリメチロールプロパンアクリレート0.2重量部、セルロースアセテートブチレート0.04重量部、光重合開始剤(イルガキュア−907、チバ・ガイギー社製)0.06重量部及び増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬社製)0.02重量部を3.43重量部のメチルエチルケトンに溶解して塗布液を得た。この塗布液を前記配向膜に#3ワイヤーバーを用いて塗布し、塗膜を120℃の恒温槽中に3分間浸けて、ディスクコテッィク化合物を配向させた。塗膜を120℃の状態で、高温水銀灯(120W/cm)で紫外線を1分間照射した。室温まで冷却し、厚さ1μmのディスコティック化合物を含む層を有する光学補償板を得た。液晶層のみのレタデーションをラビング軸に沿って測定したところ、レタデーションが0となる方向は存在しなかった。この値をシミュレーションによってフィッティングしたところ、負の一軸性(ダイレクター)が光学補償板面に対して22度から86度に連続的に変化したハイブリッド配向を示していることが解った。光軸角の平均傾斜角は21度、液晶層のもの厚さ方向レターデーションは117nmであった。この光学補償板は面内レタデーションを有し、面内の平均屈折率が厚み方向屈折率よりも大きく、厚み方向で漸次厚み方向屈折率が変化するものであった。
偏光子Gの一方の面に反射防止フィルム1Dの基材側の面が接するように、偏光子Gの別の面に光学補償板のトリアセチルセルロースフィルム側の面が接し且つ偏光子Gの透過軸と光学補償板のラビング方向が45度になるように、それぞれを、アクリル系接着剤(住友スリーエム社製、DP−8005クリア)で貼り合わせ、出射側偏光板を得た。
他の偏光子Gの一方の面に基材1Aが接するように、偏光子Gの別の面に光学補償板のトリアセチルセルロースフィルム側の面が接し且つ偏光子Gの透過軸と光学補償板のラビング方向が45度になるように、それぞれを、アクリル系接着剤(住友スリーエム社製、DP−8005クリア)で貼り合わせ、入射側偏光板を得た。
ITO電極付ガラス基板にポリイミド膜を配向膜として設け、一方向にラビング処理を行った。この配向膜を有するガラス基板2枚をラビング方向が平行となるように向かい合わせ、セルギャップ10μmで接合し、メルク社製液晶ZLI1132(Δn=0.1396)を注入して、ベンド配向液晶セルを得た。ベンド配向液晶セルに出射側偏光板をセル視認側に液晶層がセルに対向するように配置し、入射側偏光板を視認側の反対側に液晶層がセルに対向するように配置し、出射側偏光板と入射側偏光板とはクロスニコルの関係になり、ガラス基板のラビング方向と光学補償ラビング方向は逆向きで平行(図1参照)になるように配置して、液晶表示装置を得た。
実施例2
低屈折率層形成用塗工液1に代えて低屈折率層形成用塗工液2を用いた他は実施例1と同様にして液晶表示装置を得た。
実施例3
偏光子Gに代えてスーパーハイコントラスト偏光板(ポラテクノ社製、SKN−18243T、偏光度99.993%)を用いた他は実施例1と同様にして液晶表示装置を得た。
低屈折率層形成用塗工液1に代えて低屈折率層形成用塗工液2を用いた他は実施例1と同様にして液晶表示装置を得た。
実施例3
偏光子Gに代えてスーパーハイコントラスト偏光板(ポラテクノ社製、SKN−18243T、偏光度99.993%)を用いた他は実施例1と同様にして液晶表示装置を得た。
比較例1
光学補償板の代わりに、厚さ100μmのトリアセチルセルロースフィルムを用いた他は実施例1と同様にして液晶表示装置を得た。
比較例2
低屈折率層形成用塗工液1に代えて低屈折率層形成用塗工液3を用いた他は実施例1と同様にして液晶表示装置を得た。
光学補償板の代わりに、厚さ100μmのトリアセチルセルロースフィルムを用いた他は実施例1と同様にして液晶表示装置を得た。
比較例2
低屈折率層形成用塗工液1に代えて低屈折率層形成用塗工液3を用いた他は実施例1と同様にして液晶表示装置を得た。
比較例3
低屈折率層形成用塗工液1の塗布を行わずに、コロナ放電処理を施した基材1Cのハードコート層を有する面に、MgF2層89nm、TiO2層112nm、MgF2層188nmをこの順にスパッタリング装置を用いて基板温度80℃の条件で積層し、三層構造の反射防止フィルムを得た他は実施例1と同様にして液晶表示装置を得た。
低屈折率層形成用塗工液1の塗布を行わずに、コロナ放電処理を施した基材1Cのハードコート層を有する面に、MgF2層89nm、TiO2層112nm、MgF2層188nmをこの順にスパッタリング装置を用いて基板温度80℃の条件で積層し、三層構造の反射防止フィルムを得た他は実施例1と同様にして液晶表示装置を得た。
実施例1〜3及び比較例1〜3によって得られた液晶表示装置の評価結果を表1に示した。
表1から、エアロゲルを含有してなる屈折率1.36の低屈折率層を含む反射防止層を備え、面内レタデーションを有し、厚み方向の平均屈折率が面内の平均屈折率よりも小さく、厚み方向で屈折率が変化する光学補償板を備えたOCB液晶表示装置は、外光の明るい環境においてもコントラストに優れ、視野角も広く、視認性に優れていることがわかる。一方、光学補償板を用いなかった場合(比較例1)、エアロゲルを含有しない反射防止層を用いた場合(比較例2,3)では外光の明るい環境においてはコントラストが低く、視認性が悪くなっていることがわかる。
20:反射防止層、21A:出射側(視認側)偏光板、21B:入射側偏光板、22:光学補償板、23:OCBモード液晶セル、24:基材(保護フィルム)
Claims (6)
- OCBモードの液晶セル、該液晶セルを挟む上下一対の出射側偏光板及び入射側偏光板、該偏光板のいずれかと前記液晶セルとの間に備えられた少なくとも1枚の光学補償板、及び視認側偏光板の液晶セルから遠い方側に設けられた反射防止層を含んでなり、
該反射防止層が、エアロゲルを含んでなる、屈折率1.37以下の低屈折率層を含み、
該光学補償板が、面内レターデーションReを有し、厚み方向の平均屈折率が面内の平均屈折率よりも小さく、厚み方向で屈折率が変化するものである液晶表示装置。 - 光学補償板が、ディスコティック液晶の配向形態を固定した液晶性光学フィルムである請求項1記載の液晶表示装置。
- 配向形態が、ディスコティック液晶のダイレクターが厚み方向で変化するものである請求項2記載の液晶表示装置。
- 反射防止層が、さらに屈折率1.55以上のハードコート層を含むものである請求項1記載の液晶表示装置。
- ハードコート層が、無機酸化物粒子及び活性エネルギー硬化型樹脂を含んでなるものである請求項4記載の液晶表示装置。
- 反射防止層の表面における、入射角5度の反射率が、波長430nm〜700nmで1.4%以下であり、波長550nmで0.7%以下である請求項1記載の液晶表示装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004363837A JP2006171366A (ja) | 2004-12-16 | 2004-12-16 | 液晶表示装置 |
TW094144441A TW200632474A (en) | 2004-12-16 | 2005-12-15 | Liquid crystal display device |
PCT/JP2005/023132 WO2006064903A1 (ja) | 2004-12-16 | 2005-12-16 | 液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004363837A JP2006171366A (ja) | 2004-12-16 | 2004-12-16 | 液晶表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006171366A true JP2006171366A (ja) | 2006-06-29 |
Family
ID=36672202
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004363837A Withdrawn JP2006171366A (ja) | 2004-12-16 | 2004-12-16 | 液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006171366A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008150433A (ja) * | 2006-12-14 | 2008-07-03 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 樹脂成形体、及びそれを用いた積層体 |
JP2008197192A (ja) * | 2007-02-09 | 2008-08-28 | Hitachi Displays Ltd | 液晶表示装置 |
KR100911183B1 (ko) | 2008-02-12 | 2009-08-06 | 한양대학교 산학협력단 | 패터닝된 cnt 박막이 형성된 플렉서블 기판의 제조방법 |
JP2011029120A (ja) * | 2009-07-29 | 2011-02-10 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 発光装置 |
CN111373290A (zh) * | 2018-01-31 | 2020-07-03 | 依视路国际公司 | 相变光学装置 |
-
2004
- 2004-12-16 JP JP2004363837A patent/JP2006171366A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008150433A (ja) * | 2006-12-14 | 2008-07-03 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 樹脂成形体、及びそれを用いた積層体 |
JP2008197192A (ja) * | 2007-02-09 | 2008-08-28 | Hitachi Displays Ltd | 液晶表示装置 |
KR100911183B1 (ko) | 2008-02-12 | 2009-08-06 | 한양대학교 산학협력단 | 패터닝된 cnt 박막이 형성된 플렉서블 기판의 제조방법 |
JP2011029120A (ja) * | 2009-07-29 | 2011-02-10 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 発光装置 |
CN111373290A (zh) * | 2018-01-31 | 2020-07-03 | 依视路国际公司 | 相变光学装置 |
CN111373290B (zh) * | 2018-01-31 | 2022-06-24 | 依视路国际公司 | 相变光学装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4857124B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP5052900B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
US20090135356A1 (en) | Anti-reflection film, polarizing plate, and liquid crystal display device | |
JPWO2006068200A1 (ja) | 液晶表示装置用光学積層フィルム | |
JPWO2005001525A1 (ja) | 光学積層フィルム、偏光板および光学製品 | |
WO2006030721A1 (en) | Anti-reflection film, polarizing plate, and liquid crystal display device | |
JPWO2006054695A1 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2007038447A (ja) | 反射防止積層体、光学部材および液晶表示素子 | |
JP2007062101A (ja) | 反射防止積層体 | |
JP4556664B2 (ja) | 反射防止積層体 | |
WO2019146543A1 (ja) | 液晶表示装置ならびに該液晶表示装置に用いられる光学部材および光学部材のセット | |
JP2009086341A (ja) | 光散乱フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 | |
JP2006018089A (ja) | 偏光板及び液晶表示装置 | |
JP2007065191A (ja) | 偏光板及び液晶表示装置 | |
JP2006030870A (ja) | 偏光板及び液晶表示装置 | |
JP2006171366A (ja) | 液晶表示装置 | |
WO2006019086A1 (ja) | 偏光板及び液晶表示装置 | |
JP2006058322A (ja) | 偏光板及び液晶表示装置 | |
WO2006068216A1 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2007041073A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2005037927A (ja) | 光学積層フィルム | |
JP4813793B2 (ja) | 反射型または半透過型液晶表示装置 | |
JP2007041334A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2006184302A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2006084934A (ja) | 偏光板保護フィルム、反射防止機能付偏光板及び光学製品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070919 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20090601 |