JP2007040528A - 高負荷伝動ベルト - Google Patents

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勝爾 辻
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Abstract

【課題】 ブロックの耐摩耗性を向上させることができるとともにブロック重量を軽量にすることが可能となり、作用する遠心力を小さくすることができる。また、油を含浸することによってベルト走行時のブロックのプーリに対する摩擦抵抗を軽減することができ発熱を抑えることができる。
【解決手段】 センターベルト3a、3bの長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロック2とからなる高負荷伝動ベルト1において、前記ブロック2が熱可塑性樹脂と、繊維状の補強材とを主成分とし、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、前記繊維状の補強材が1〜60質量部であり、該ブロック2表面に油を含浸させている。
【選択図】図1

Description

本発明は、センターベルトの長手方向に沿って所定ピッチでブロックを固定した高負荷伝動ベルト及びそのブロックに関する。
ベルト式無段変速装置に使用するベルトは、プーリのV溝幅を変えることによってプーリに巻きかかる有効径を変化させ変速比を調節する様な変速プーリに巻き掛けて使用するものであり、プーリからの側圧が大きくなるのでベルトは大きな側圧に耐えるものでなくてはならない。また、無段変速の用途以外にも通常のゴムベルトでは寿命が短くなりすぎるような高負荷伝動の用途には特別に高負荷に耐えうるようなベルトを用いる必要がある。
そのようなベルトとして使用されるものの中に、センターベルトにブロックを固定してベルト幅方向の強度を高めた引張伝動式の高負荷伝動ベルトがあり、具体的な構成としては、心線をゴムなどのエラストマー中に埋設したセンターベルトにボルトやリベットなどの止着材を用いてセンターベルトに使用しているエラストマーよりも比較的硬質のエラストマーからなるブロックを止着固定したものがある。
このような引張伝動式の高負荷伝動ベルトのブロックの要求品質としては、上記のように摩擦伝動において高負荷の伝動を目的としているために、・曲げ疲労性、・耐摩耗性、・耐熱性、・剛性、・耐衝撃性等の性質をバランス良く保有する必要がある。さらにプーリを摩耗させないようにすることも大切な要素である。
これらの要求を満たす高負荷伝動ベルトとして、例えば、特許文献1に開示されているようなものがある。このベルトは、ブロックとプーリの接触する部分が、フェノール系樹脂成分にゴム成分が添加された樹脂成形材料によって、金属等によって形成されているインサート材を被覆した2重構造のブロックを用いたものである。
また、特許文献2には、フェノール系樹脂にアクリロニトリル−ブタジエン系ゴムをマトリックスとして炭素繊維及びアラミド繊維の2繊維を含む繊維質充填率25〜60重量部を配合させて、炭素繊維はオニオン構造を有し、結晶層厚が25〜200μmであるフェノール系樹脂を用いたブロックが用いられた高負荷伝動ベルトが開示されている。
特開昭63−34342号公報 特公平7−110900号公報
ところで、最近はニーズの多様化により、高負荷ではあるが、従来よりも負荷が少し低く、高速で回転させることができる高負荷伝動ベルトが要求されるようになってきている。
このため、例えば特許文献1に開示されているベルトは、アルミニウム合金等をインサート材として使用しているため、高速で回転すると、その重量のため、大きな遠心力がかかり、ベルトに大きな張力が作用して、ベルトが早期破損するという問題が生じるようになった。
また、高速回転により、プーリとブロック間で発生する熱量も多くなり、そのため、特許文献2で開示されているようなフェノール系樹脂を主成分とするブロックでは、フェノール系樹脂が耐衝撃性に劣るところがあり、ベルトの破損が発生することがある。また、炭素繊維の配向が原因と考えられる、摩擦係数等の特性の異方性も生じ、これらを改善しなくては、前述の高負荷伝動ベルトとしての要求を高いレベルで満足することができないものであった。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑みなされたものであり、ブロック重量を軽くし、高速回転した場合であっても、十分な強度を有するとともに、高負荷伝動ベルトとして要求されている条件を高いレベルで満足できる引張伝動式の高負荷伝動ベルト及びそのブロックを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための本発明の請求項1の発明の高負荷伝動ベルトは、センターベルトと、該センターベルトの長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロックが熱可塑性樹脂と、繊維状の補強材とを主成分とし、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、前記繊維状の補強材が1〜60質量部であり、該ブロック表面に油を含浸させている。
また、請求項2に記載の高負荷伝動ベルトは、センターベルトと、該センターベルトの長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロックが熱可塑性樹脂と、繊維状の補強材と、ウィスカ状の補強材とを主成分とし、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、前記繊維状の補強材が1〜60質量部、ウィスカ状の補強材が1〜30質量部である。
請求項3ではブロック表面に凹凸を設けることによって油を含浸しやすくした請求項1〜2記載の高負荷伝動ベルトとしている。
請求項4ではブロック表面をエッチングすることにより凹凸を設けた請求項2記載の高負荷伝動ベルトとしている。
また、請求項5に記載の高負荷伝動ベルトは、前記熱可塑性樹脂が、4・6ナイロン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリアミドイミドのいずれかである。
請求項6に記載の高負荷伝動ベルトは、請求項1又は2における前記繊維状の補強材が、炭素繊維単独若しくは炭素繊維とアラミド繊維を組み合わせたものである。
請求項7に記載の高負荷伝動ベルトは、請求項2における前記ウィスカ状の補強材が、酸化亜鉛ウィスカである。
請求項8に記載の高負荷伝動ベルトは、請求項1〜7においてブロックへの油の含浸量が0.3〜2%であるとしている。
請求項1ではブロックに樹脂を用い、その補強材として繊維状の補強材を添加して、強度を向上させることで、ブロックの耐摩耗性を向上させることができるとともにブロック重量を軽量にすることが可能となり、作用する遠心力を小さくすることができる。また、油を含浸することによってベルト走行時のブロックのプーリに対する摩擦抵抗を軽減することができ発熱を抑えることができる。
請求項2に係る発明ではブロックに樹脂を用い、その補強材として繊維状の補強材と、ウィスカ状の補強材を添加して、強度を向上させることで、ブロック重量を軽量にすることが可能となり、作用する遠心力を小さくすることができる。
請求項3に係る発明ではブロック表面に凹凸を有していることから油の含浸量を多く確保することができブロックの摩擦係数を下げて発熱を低下させることができる。
請求項4ではブロック表面の凹凸をエッチングすることで加工しており、凹凸加工を容易に行うことができるとともに細かいパターンを形成することができ含浸させた油を長期間に渡って保持することができる。
請求項5では熱可塑性樹脂に、4・6ナイロン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリアミドイミドのいずれかを用いているが、熱可塑性樹脂を用いることでブロックを射出成形で容易に作製することができ、特に、4・6ナイロンを使用することで、射出成形でも強度の高いブロックの作製を行うことができる。
請求項6では炭素繊維を添加することで、硬度が高くなり、耐摩耗性に優れたものとできる。また、炭素繊維とアラミド繊維を組み合わせることにより、炭素繊維の有する特性である硬度と、アラミド繊維の有する特性である靭性が向上し、耐摩耗性に優れるとともに、耐衝撃性にも優れたものとできる。
請求項7では、酸化亜鉛ウィスカは高比重、高剛性であるため、ブロックがプーリに突入する時の振動を低減させ、ベルト騒音を低くすることができる。また、酸化亜鉛ウィスカを添加することで、摩擦係数が安定するため、耐摩耗性が一層向上する。
請求項8では、油の含浸量を数値限定しており、ブロックとプーリとの間で滑りすぎることなく且つ十分に摩擦抵抗を低減することができる範囲としている。
以下、図面を参照しつつ本発明を具体的に説明する。
図1は、本発明にて製造される高負荷伝動ベルト1の一例を示す斜視図である。本発明の高負荷伝動ベルト1は、エラストマー4内にロープ状の心体5をスパイラル状に埋設してなる同じ幅の二本のセンターベルト3a、3bと、このセンターベルト3a、3bの上下面6、7に所定ピッチで形成された凹条部18、19に嵌合し、係止固定されている複数のブロック2とから構成されている。このブロック2の両側面8、9は、プーリのV溝と係合する傾斜のついた面となっており、駆動されたプーリから動力を受け取って、係止固定されているセンターベルト3a、3bを引張り、駆動側プーリの動力を従動側プーリに伝動している。
ブロック2は、上ビーム部11および下ビーム部12と、センターピラ13が一体的に形成されている。ブロック2の両側面にはセンターベルト3を嵌めこむ嵌合溝14、15を有し、嵌合溝14、15内の上面および下面にはセンターベルト3の上面に設けた凹条部18と下面に設けた凹条部19に係合する凸条部16、17が形成されている。
図3に示すのは、本発明の製造方法で得られたセンターベルトを適用できる別のベルトの例であり、ビーム部31の両端から上方に向かって一対のサイドピラー32、33が延びており、このサイドピラー32、33の上端からそれぞれブロック2の中心に向かって延びるロック部34、35が対向するように設けられている。そして、これらビーム部31、サイドピラー32、33及びロック部34、35によってセンターベルト3a、3bが嵌合する嵌合溝30が形成されている。この嵌合溝30に、センターベルト3a、3bが、ロック部34、35間の開口部より挿入され装着される。また、ロック部34、35の嵌合溝30側には、凸部37がそれぞれ設けられており、この凸部37が、センターベルト3a、3bに所定ピッチで設けられている凹部36に嵌合する。これによって、センターベルト3a、3bは、装着後はブロック2から抜けにくい状態となる。
このブロック2は、熱可塑性樹脂と、繊維状の補強材とを主成分とし、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、前記繊維状の補強材が1〜60質量部添加されて形成されている。又は、熱可塑性樹脂と、繊維状の補強材と、ウィスカ状の補強材とを主成分とし、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、前記繊維状の補強材が1〜60質量部、ウィスカ状の補強材が1〜30質量部とで形成されている。このような材料構成とすることによって、プーリと接する際に受ける側圧にも十分に耐えうる剛性、靭性等の強度を有するとともに、耐摩耗性に優れ、更には、摩擦時に発生する熱に対しても強いブロックとすることが可能となり、プーリから受ける動力を効率よくセンターベルト3a、3bに引張力として伝えることができ、引張伝動式の高負荷伝動ベルトを構成することができる。
ここで、ブロック2に用いられる熱可塑性樹脂としては、4・6ナイロン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリアミドイミド等が挙げられる。これら熱可塑性樹脂を用いることでブロックの射出成形が可能となることから、ブロックの作製を容易に行うことができるようになる。また、前記の熱可塑性樹脂の中でも、特に、4・6ナイロンを使用することが好ましい。4・6ナイロンは、結晶性樹脂であり、これら熱可塑性樹脂の中でも高温での曲げ剛性及び耐疲労強度に優れ、後述する炭素繊維を補強材として添加することで、これらの特性が一層向上するものである。さらに、4・6ナイロンによるブロックを用いたベルトはプーリに掛架して走行させたときに、プーリを摩耗させる量が少ないので、プーリ摩耗による走行不安定の原因となるのを回避することができる。
また、この熱可塑性樹脂の補強材となる繊維状の補強材としては、炭素繊維単独若しくは炭素繊維とアラミド繊維を組み合わせたものを用いることが好ましい。炭素繊維は、前述の熱可塑性樹脂100質量部に対し、1〜60質量部とすることが好ましい。炭素繊維が1質量部よりも少ない場合は補強性が不十分であり、ブロック2の強度が不足してしまう。また、60質量部を越えると、硬度は上がるが、靭性が低下し、曲げ疲労性や耐衝撃性が低下するとともにプーリとの接触時に発生するノイズも大きくなる等、騒音性も悪化する。この炭素繊維に後述するウィスカ状の補強材を添加すると、繊維状補強材として炭素繊維のみで十分な強度等を有したブロックとすることが可能であるが、これに、さらにアラミド繊維を前述の熱可塑性樹脂100質量部に対し5〜50質量部加えることで、ブロックの靭性が向上し、耐摩耗性や、耐衝撃性を一層向上させることができる。この場合、アラミド繊維の添加量が5質量部よりも少ない場合は、アラミド繊維を添加する効果が十分に発現しない。また、50質量部を越えると、混練することが困難となる。
ここで、使用される炭素繊維は、一般に使用されるレーヨン系、ピッチ系、PAN系のいずれであってもよいが、熱可塑性樹脂と相性が良く、特に、4・6ナイロンと相性の良いPAN系の炭素繊維を用いることが好ましい。用いる炭素繊維の長さは1〜5mmのものが好ましい。1mm未満であると、ブロックの補強が十分になされず、また、5mmを越えると、樹脂との混練が困難になること、また、混練時に折れて短くなってしまうので好ましくない。
また、前記繊維状の補強材と共に添加するウィスカ状の補強材としては、酸化亜鉛ウィスカを用いることが好ましい。酸化亜鉛ウィスカは、テトラポット状に四方に手が延びた立体的形状をしている。この酸化亜鉛ウィスカは、これ単独でも耐熱性、耐摩耗性に優れたものであるが、前述のようにテトラポット状の立体的形状をしているため、炭素繊維とともに配合すると、炭素繊維の配向が抑制され、成形時のそりや成形収縮の異方性が改良される。さらに、このように炭素繊維の配向を低減できるため、ブロック2の靭性、曲げ剛性等の強度についての異方性も低減することができ、かつ、摩擦係数が安定するため、耐摩耗性が向上する。また、酸化亜鉛ウィスカは、高比重、高剛性であるため、プーリとの接触時の振動を低減でき、ノイズの発生を小さくすることができる。なお、この酸化亜鉛ウィスカを、前述の熱可塑性樹脂100質量部に対して、その添加量が1質量部よりも少ない場合は、添加した効果が発現せず、30質量部を越えて添加した場合は、混練できず、成形することが困難となる。
また、本発明ではブロックの表面に油を含浸させている。そうすることによって、ブロックの耐摩耗性を落とすことなくベルトがプーリから抜ける際の摩擦抵抗を減らすことができてブロックを早期に摩耗させることなくベルト走行中に発生する発熱を低下させることができる。
ブロックに含浸させる油としては石油系炭化水素等からなるものを挙げることができ、ISO粘度グレードでVG2(2mm/s)〜VG100(2mm/s)の油を用いることが、ブロックを構成する樹脂へ十分に含浸させることができ、且つある程度の長期に渡って油を保持することができる理由から好ましい。また、油の含浸量は[含侵した油の質量]/[ブロックの質量]×100の式で求められる割合で0.3〜2質量%の範囲とすることが好ましい。0.3質量%未満であると油の含浸量が少なく、摩擦抵抗も大きくなって発熱を抑える効果が十分に得られず、2質量%を超えて含浸するとベルトとプーリとの間のスリップが大きくなりすぎて伝動効率が悪くなるので好ましくない。
ブロックの表面に凹凸を設けて油を含浸しやすくすることも可能であり、具体的には高低差が50〜300μmの範囲の凹凸を設けることで油の含浸量が適度なものとなり、ベルトの発熱を抑える効果と伝達効率をバランスよくもたせることができる。ブロック表面に凹凸を設けるにはエッチングを利用することができる。
なお、これらの他に、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素系樹脂から選ばれてなる少なくとも一つを混入することによってもブロック2の潤滑性を向上させることができる。フッ素系樹脂としては、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)、ポリフッ化エチレンプロピレンエーテル(PFPE)、4フッ化エチレン6フッ化プロピレン共重合体(PFEP)、ポリフッ化アルコキシエチレン(PFA)等が挙げられる。
センターベルト3a、3bは、前述のように、上面、即ちブロック2のロック部8、9に接する面側に所定ピッチで凹部6が形成されている。この凹部6にブロック2のロック部8、9に設けられている凸部7が嵌合される。
センターベルト3a、3bのエラストマー4として使用されるものは、クロロプレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴムなどの単一材またはこれらを適宜ブレンドしたゴムあるいはポリウレタンゴム等が挙げられる。そして、心線5としてはポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、スチールワイヤ等から選ばれたロープが用いられる。また、心線5はロープをスパイラル状に埋設したもの以外にも、上記の繊維の織布、編み布や金属薄板等を使用することもできる。
なお、本実施形態では、2本のセンターベルト3a、3bを用いて、ブロック2の嵌合溝10に装着した場合について説明してきたが、別に1本のセンターベルトを使用したものであっても構わない。
(実施例1)
使用した高負荷伝動ベルトは、図1に示すようなブロックを用いたものであり、ブロックに用いる樹脂としては、4,6−ナイロンと炭素繊維及び酸化亜鉛ウィスカからなり、その配合は炭素繊維が30質量%で酸化亜鉛ウィスカが10質量%とした。そしてブロックをISO粘度グレードがVG10(2mm/s)であるダイアナ フレシア G−9(出光興産社製)に24時間漬けて、取り出した後にアセトンで脱脂を行ったものであり、油の含浸量が1.0質量%のブロックを用いた。センターベルトとしては心線にアラミド繊維、エラストマーにクロロプレンゴムを用いたものとした。
ベルトを表1に示す条件で走行させて200時間走行後のブロックの摩耗量と温度を測定した。測定した結果を表2に示す。
(実施例2)
ブロックの表面にエッチングにて凹凸を形成した以外は実施例1と同様の工程で作成し油の含浸量が2.0%のブロックを用いたベルトとした。ベルトを表1に示す条件で走行させて200時間走行後のブロックの摩耗量と温度を測定した。測定した結果を表2に示す。
(比較例)
ブロックに油を含浸させなかった以外は実施例1と同様のブロックにてベルトを作製した。ベルトを表1に示す条件で走行させて200時間走行後のブロックの摩耗量と温度を測定した。測定した結果を表2に示す。
Figure 2007040528
Figure 2007040528
表2の結果からわかるように、ブロックの表面に油を含浸させることによってブロックのプーリに対する摩擦抵抗を軽減することができるので発熱量を少なくすることができていることがわかる。しかも、補強材によるブロックの耐摩耗性は比較例のベルトと変わりない水準となっている。実施例2ではブロックの表面にエッチングで凹凸を設けており、油の含浸量が多くより発熱を抑えることができることが確認された。
ベルトに装着したブロックの複数方向の撓みをを抑えて割れを防止することができ、自動車や自動二輪車、農業機械の無段変速装置など、プーリの有効径が変化し大きなトルクを伝達するようなベルトとして適用することができる。
本発明に係る高負荷伝動ベルトの一例を示す斜視概略図である。 高負荷伝動ベルトの要部側面図である。 本発明に係る高負荷伝動ベルトの他の例を示す斜視概略図である。
符号の説明
1 高負荷伝動ベルト
2 ブロック
3a センターベルト
3b センターベルト
4 エラストマー
5 心線
6 上面
7 下面
8 側面
9 側面
10 カバー帆布
11 上ビーム部
12 下ビーム部
13 センターピラ
14 嵌合溝
15 嵌合溝
16 凸条部
17 凸条部
18 凹条部
19 凹条部

Claims (8)

  1. センターベルトと、該センターベルトの長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロックが熱可塑性樹脂と、繊維状の補強材とを主成分とし、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、前記繊維状の補強材が1〜60質量部であり、該ブロック表面に油を含浸させたことを特徴とする高負荷伝動ベルト。
  2. センターベルトと、該センターベルトの長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロックが熱可塑性樹脂と、繊維状の補強材と、ウィスカ状の補強材とを主成分とし、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、前記繊維状の補強材が1〜60質量部、ウィスカ状の補強材が1〜30質量部であり、該ブロック表面に油を含浸させたことを特徴とする高負荷伝動ベルト。
  3. ブロック表面に凹凸を設けることによって油を含浸しやすくした請求項1〜2記載の高負荷伝動ベルト。
  4. ブロック表面をエッチングすることにより凹凸を設けた請求項2記載の高負荷伝動ベルト。
  5. 前記熱可塑性樹脂が、4・6ナイロン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリアミドイミドのいずれかである請求項1〜4記載の高負荷伝動ベルト。
  6. 前記繊維状の補強材が、炭素繊維単独若しくは炭素繊維とアラミド繊維を組み合わせたものである請求項1〜5に記載の高負荷伝動ベルト。
  7. 前記ウィスカ状の補強材が、酸化亜鉛ウィスカである請求項2に記載の高負荷伝動ベルト。
  8. ブロックへの油の含浸量が0.3〜2%である請求項1〜7記載の高負荷伝動ベルト。
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