JP2005009662A - 高負荷伝動ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブロック重量を軽くし、高速回転した場合であっても、十分な強度を有するとともに、高負荷伝動ベルトとして要求されている条件を高いレベルで満足できる引張伝動式の高負荷伝動ベルト及びそのブロックを提供する。
【解決手段】 張力帯3a、3bと、該張力帯3a、3bの長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロック2とからなる高負荷伝動ベルト1において、熱可塑性樹脂からなるインサート材2aの表面に熱硬化性樹脂を被覆材2bとして設けたブロック2を用いるベルトとする。
【選択図】図3

Description

本発明は、張力帯の長手方向に沿って所定ピッチでブロックを固定した高負荷伝動ベルト及びそのブロックに関する。
ベルト式無段変速装置に使用するベルトは、プーリのV溝幅を変えることによってプーリに巻きかかる有効径を変化させ変速比を調節する様な変速プーリに巻き掛けて使用するものであり、プーリからの側圧が大きくなるのでベルトは大きな側圧に耐えるものでなくてはならない。また、無段変速の用途以外にも通常のゴムベルトでは寿命が短くなりすぎるような高負荷伝動の用途には特別に高負荷に耐えうるようなベルトを用いる必要がある。
そのようなベルトとして使用されるものの中に、センターベルトにブロックを固定してベルト幅方向の強度を高めた引張伝動式の高負荷伝動ベルトがあり、具体的な構成としては、心線をゴムなどのエラストマー中に埋設したセンターベルトにボルトやリベットなどの止着材を用いてセンターベルトに使用しているエラストマーよりも比較的硬質のエラストマーからなるブロックを止着固定したものがある。
このような引張伝動式の高負荷伝動ベルトのブロックの要求品質としては、上記のように摩擦伝動において高負荷の伝動を目的としているために、曲げ疲労性、耐摩耗性、耐熱性、剛性、耐衝撃性等の性質をバランス良く保有する必要がある。さらにプーリを摩耗させないようにすることも大切な要素である。
これらの要求を満たす高負荷伝動ベルトとして、例えば、特許文献1に開示されているようなものがある。このベルトは、ブロックとプーリの接触する部分が、フェノール系樹脂成分にゴム成分が添加された樹脂成形材料によって、金属等によって形成されているインサート材を被覆した2重構造のブロックを用いたものである。
特許文献2にはポリアミドなどの熱可塑性樹脂に炭素繊維を配合したもので、金属製のインサート材を埋設していないブロックを用いた高負荷伝動ベルトが開示されている。
また、特許文献3にはベルトに関するものではないが熱可塑性樹脂をインサート材として表面に熱硬化性樹脂を被覆した成形体に関する技術が開示されている。
特開昭63−34342号公報 特開2001−311453号公報 特開平5−318527号公報
特許文献1に開示されているような樹脂中にアルミニウムなどの金属製のインサート材を埋設したベルトであると、インサート材を有する分、ブロックの重量がどうしても大きなものとなってしまい、ベルト走行時の遠心張力も必然的に大きなものとなってしまう。そうするとそのベルトを走行させる駆動装置側においても、軸荷重を高くかつプーリの剛性も高いものにする必要があるので、駆動装置全体として大きなものとなってしまう傾向があり、高価になってしまうことや小型化することが難しいという欠点がある。また、高速回転に不向きであるといった欠点もある。
特許文献2に開示されているようなベルトであると、ブロックがポリアミドなどの樹脂からなっており、インサート材が埋設されていないのでブロックの重量は比較的軽いものとなり、ベルト走行時の遠心張力も小さなものとなることから、そのベルトを駆動するベルト駆動装置に求められる軸荷重やプーリの剛性なども程々のものでよく、安価に済ませることができるようになるほかにも高速回転に向いており、例えば小さい排気量で回転数の高いエンジンに適用することが可能である。
しかし、例えばポリアミドなどの熱可塑性樹脂では、融点が低くガラス転移点も低いためにプーリとの摩擦により高温になると、ブロックが溶融状態となって摩耗してしまうという問題がある。
特許文献3は熱可塑性樹脂を熱硬化性樹脂で被覆する技術に関する開示はあるが、本発明のようなブロックを用いたベルトに関するものでない。
本発明は、前記問題点に鑑みなされたものであり、ブロック重量を軽くし、高速回転した場合であっても、十分な強度を有するとともに、高温環境下においてもブロックの摩耗などの問題が少なく、高負荷伝動ベルトとして要求されている条件を高いレベルで満足できる引張伝動式の高負荷伝動ベルト及びそのブロックを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明の請求項1の高負荷伝動ベルトは、張力帯と、該張力帯の長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、熱可塑性樹脂からなるインサート材の表面に熱硬化性樹脂を被覆材として設けたブロックを用いることを特徴とする。
請求項2では、インサート材に用いる熱可塑性樹脂がナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン9T、ポリフェニレンサルファイドの中から選ばれてなる少なくとも一種の樹脂である高負荷伝動ベルトとしている。
請求項3では、被覆材として用いる熱硬化性樹脂は熱硬化性樹脂100質量部に対して繊維状補強材が15〜110質量部の割合で配合されている樹脂組成物である高負荷伝動ベルトとしている。
請求項4では、被覆材として用いる熱硬化性樹脂がフェノール樹脂もしくはジアリルフタレート樹脂である高負荷伝動ベルトとしている。
請求項5では被覆材として用いる熱硬化性樹脂がフェノール樹脂にPAN系炭素繊維、アラミド繊維、酸化亜鉛ウィスカから選ばれてなる少なくとも1種の繊維状補強材を配合した高負荷伝動ベルトとしている。
請求項6では被覆材として用いる熱硬化性樹脂がジアリルフタレート樹脂にPAN軽炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、硫酸バリウムから選ばれてなる少なくとも1種の繊維状補強材を配合した高負荷伝動ベルトとしている。
請求項7ではインサート材が凹部もしくは凸部の少なくともいずれか一方を有しており、インサート材と被覆材が前記凹部もしくは凸部にて嵌合している高負荷伝動ベルトとしており、請求項8ではインサート材に貫通孔有しており被覆材が該貫通孔を通して両側の被覆材が連結されている高負荷伝動ベルトとしている。
請求項1では熱可塑性樹脂からなるインサート材を用いているので、金属のインサート材に比べてベルトを軽量化することができ、走行時の遠心張力が小さく高速回転にも適用することができる。また表面には熱硬化性樹脂を被覆していることからブロック表面の耐摩耗性にも優れた摩耗による故障を防止することができるベルトが得られる。
請求項2ではナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン9T、ポリフェニレンサルファイドは熱可塑性樹脂の中でも曲げ強度、曲げ弾性率が高く強靱であり、ブロックおよびベルトに負荷がかかっても割れにくい利点を有している。
請求項3ではブロックの表面を熱硬化性樹脂で構成することによって高温の環境下においても樹脂が溶融してしまうということがないので、溶融摩耗の問題を防止することができる。また、繊維状の補強材を配合することによって素材のもろさや耐摩耗性を改善することができるとともに、強度をより向上させることができる。
請求項4では耐熱性に優れ高温環境下においてより高い耐久性を持たせることができる。また、ジアリルフタレート樹脂を用いた場合はブロックを成形後の収縮量が少なくより正確な寸法やブロック側面の角度を出すことができ、ひいてはベルト走行時における騒音の低減や長寿命化につながる。
請求項5および6では被覆材として用いる樹脂の種類によってそれぞれにあった繊維状補強材を配合することによって、耐摩耗性、摩擦係数、強度などの物性においてバランスの取れた材料を得ることができる。
請求項7および請求項8ではインサート材と被覆材との間で凹凸による嵌合しているか、インサート材の貫通孔にて被覆材を連結した構成を採っており、被覆材のインサート材への固定強度をきわめて大きなものとすることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明を具体的に説明する。
図1は、本発明に係る高負荷伝動ベルト1の一例を示す斜視概略図であり、図2はその側断面図である。本発明の高負荷伝動ベルト1は、エラストマー4内にロープ状の心体5をスパイラル状に埋設してなる同じ幅の二本のセンターベルト3a、3bと、このセンターベルト3a、3bの上下面6、7に所定ピッチで形成された凹条部18、19に嵌合し、係止固定されている複数のブロック2とから構成されている。このブロック2の両側面8、9は、プーリのV溝と係合する傾斜のついた面となっており、駆動されたプーリから動力を受け取って、係止固定されているセンターベルト3a、3bを引張り、駆動側プーリの動力を従動側プーリに伝動している。
ブロック2の形状は図1に示すように、上ビーム部11および下ビーム部12と、上下ビーム部11、12の中央部同士を連結したセンターピラー13からなっており、ブロック2の両側面にはセンターベルト3a、3bを嵌めこむ溝14、15が形成されている。また、溝15内の溝上面16および溝下面17にはセンターベルト3a、3bの上面6に設けた凹条部18と下面7に設けた凹条部19に係合する凸条部20、21が設けられている。
図2は、別のベルトの例であり、ビーム部31の両端から上方に向かって一対のサイドピラー32、33が延びており、このサイドピラー32、33の上端からそれぞれブロック2の中心に向かって延びるロック部34、35が対向するように設けられている。そして、これらビーム部31、サイドピラー32、33及びロック部34、35によってセンターベルト3a、3bが嵌合する嵌合溝30が形成されている。この嵌合溝30に、センターベルト3a、3bが、ロック部34、35間の開口部より挿入され装着される。
また、ロック部34、35の嵌合溝30側には、凸部37がそれぞれ設けられており、この凸部37が、センターベルト3a、3bに所定ピッチで設けられている凹部36に嵌合する。これによって、センターベルト3a、3bは、装着後はブロック2から抜けにくい状態となる。
本発明においてブロック2は、図3や図4に示すように熱可塑性樹脂からなるインサート材2aの表面を熱硬化性樹脂からなる被覆材2bで覆った構造からなっている。図3は図1に示すベルトに用いられるブロック2であり、インサート材2aの全面が被覆材2bで覆われており、完全に埋設した形態である。図4は図2に示すベルトに用いられるブロック2であり、被覆材2bはインサート材2a全面を覆っておらず、インサート材2aが部分的に露出した形態である。
図5、図6に示すのはまた別の形態を示すブロック2の正面図であり、このブロック2の場合はインサート材2aの上ビーム部11に貫通孔40を有しており、その貫通孔40にて図7に示すようにインサート材2aの表裏面の被覆材2bが連結している。このような構成を採ることによって被覆材2bのインサート材2aへの固着力を大きなものとすることができ被覆材2bの剥がれによるベルトの故障を防止することができる。
被覆材2bはインサート材2aの全面に被覆してもよいが、少なくともブロック2のプーリとの接触面を覆っていればよく、部分的な被覆でも構わない。また部分的な被覆とすることによってブロック2中のインサート材2aの占める割合を大きくすることができ、強度の面でも有利であるが、逆に被覆材2bの剥がれの問題がでてくる。それを前記のようなインサート材2aに設けた貫通孔40によって被覆材2bを表裏面で連結させることによって被覆材2bの剥がれの問題を心配することなくブロックの強度を上げることができる。
上記の例ではインサート材2aに貫通孔を設けることによってインサート材2aの表裏面で被覆材2bを連結させているが、貫通孔でなくとも凹部を設けることによって被覆材がその凹部に入り込んで被覆材2bのインサート材2aへの固着力を高めることができる。凹部のみでなく凸部を設けたり凹凸両方を設けることによって同様の効果を得ることができる。
また、インサート材2aと被覆材2bとの間にエポキシ系接着剤などを介在することによって更に固着力を向上させることができる。
熱硬化性樹脂からなるインサート材2aは通常それだけで略ブロックの形状をなすものであり、ブロックの物性の主要部分を担う部分であり、被覆材2bは例えば厚みが0.1〜0.5mm程度のもので、ベルトが走行する際にプーリと接触する部位、そして隣り合うブロック同士が接触する部位のインサート材2aの表面を覆っている。被覆材2bは前記のような摩擦が発生する箇所のみを覆うようにしてもよいが、インサート材2aの全面を覆ってしまうものであってもよい。
インサート材2aに用いられる熱可塑性樹脂としては、ナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6T、ナイロン9Tなどのポリアミド樹脂、その他ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトンなどを挙げることができ、それらの樹脂に炭素繊維、ポリアミド繊維、セルロース、綿、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリアリレート繊維、ガラス繊維、金属繊維などの長繊維、短繊維を配合したものも用いることができる。
樹脂への繊維の配合量は、15〜110質量%の範囲とすることが好ましい。15質量%未満であると繊維を配合することによる補強効果がほとんど得られず、110質量%を超えると、成形が困難になるとともに硬度は上がるが靭性が低下してブロックの耐衝撃性の面では低くなるので好ましくない。
被覆材2bとして用いられる熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂などを用いることができ、その中でもフェノール樹脂を用いることが曲げ強度などの物性の面、またコストの面で有利である。またジアリルフタレート樹脂は耐熱性に優れていることから、自動車のエンジンルーム内などの高温環境下においてより高い耐久性を発揮できる。さらにジアリルフタレート樹脂自身が成形収縮の少ない樹脂であり、ブロック成形後の収縮量が少なくより正確な寸法やブロック側面の角度を出せるのでベルト走行時における騒音の低減や更には長寿命化にもつなげることができる。
また、この被覆材2bを構成する熱硬化性樹脂にも補強材として繊維を配合することが可能であり、繊維としては炭素繊維、ポリアミド繊維、セルロース、綿、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリアリレート繊維、ガラス繊維、金属繊維などの長繊維、短繊維を挙げることができる。配合量としては15〜110質量%の範囲とすることが好ましく、15質量%未満であると繊維を配合することによる補強効果がほとんど得られず、110質量%を超えると、成形が困難になるとともに硬度は上がるが靭性が低下してブロックの耐衝撃性の面では低くなるので好ましくない。
以上のようなブロックの構成を採ることによってすべてが樹脂からなっているので、従来のアルミニウムなどの金属材料からなるインサート材を埋設したものよりも軽量に仕上げることができるので高速回転で使用しても遠心張力を低く抑えることができる。またインサート材2aとしては熱可塑性樹脂を用いることによって粘りがあり割れにくいブロックとすることができ、しかもブロックの表面には被覆材2bとしてフェノール樹脂やジアリルフタレート樹脂などの熱硬化性樹脂を被覆しているので耐熱性に優れており、耐摩耗性に優れたベルトとすることができる。
また、特に被覆材2bとしてジアリルフタレート樹脂を用いた場合は、熱硬化性樹脂なので熱可塑性樹脂よりも高温環境には強いが、それ以外に成形時に高温で成形できるので成形時間が短く、成形収縮率も小さいので高寸法精度のブロックを得ることができるといった利点もある。よって所望の寸法で所望のV角度を有するブロックを正確に成形することができ、ベルトとして走行させた際にも騒音の発生や摩耗が少なく長寿命化にもつながる。
また、短繊維などの補強材以外にもチタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウムなどのウィスカを配合することも可能である。ウィスカとしては、酸化亜鉛ウィスカを用いることが好ましい。酸化亜鉛ウィスカは、テトラポット状に四方に手が延びた立体的形状をしている。この酸化亜鉛ウィスカは、これ単独でも耐熱性、耐摩耗性に優れたものであるが、前述のようにテトラポット状の立体的形状をしているため、炭素繊維とともに配合すると、炭素繊維の配向が抑制され、成形時のそりや成形収縮の異方性が改良される。
さらに、このように炭素繊維の配向を低減できるため、ブロック2の靭性、曲げ剛性等の強度についての異方性も低減することができ、かつ、摩擦係数が安定するため、耐摩耗性が向上する。また、酸化亜鉛ウィスカは、高比重、高剛性であるため、プーリとの接触時の振動を低減でき、ノイズの発生を小さくすることができる。なお、この酸化亜鉛ウィスカを、前述の熱可塑性樹脂100質量部に対して、その添加量が5質量部よりも少ない場合は、添加した効果が発現せず、60質量部を越えて添加した場合は、混練できず、成形することが困難となる。
なお、これらの他に、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素系樹脂から選ばれてなる少なくとも一つを混入することによってもブロック2の潤滑性を向上させることができる。フッ素系樹脂としては、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)、ポリフッ化エチレンプロピレンエーテル(PFPE)、4フッ化エチレン6フッ化プロピレン共重合体(PFEP)、ポリフッ化アルコキシエチレン(PFA)等が挙げられる。
張力帯3a、3bは、前述のように、上面、即ちブロック2のロック部8、9に接する面側に所定ピッチで凹部6が形成されている。この凹部6にブロック2のロック部8、9に設けられている凸部7が嵌合される。
張力帯3a、3bのエラストマー4として使用されるものは、クロロプレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴムなどの単一材またはこれらを適宜ブレンドしたゴムあるいはポリウレタンゴム等が挙げられる。そして、心線5としてはポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、スチールワイヤ等から選ばれたロープが用いられる。また、心線5はロープをスパイラル状に埋設したもの以外にも、上記の繊維の織布、編み布や金属薄板等を使用することもできる。
次に、本発明の高負荷伝動ベルトを表1に示すような構成で作製し、ベルトの走行試験を行い、ブロックの割れの発生を観察し、ブロック側面の摩耗量を測定した。
なお、使用した高負荷伝動ベルトは、図1に示すようなブロックを用いたものであり、そのブロックのインサート材と被覆材の材料を表1に示すように変えて、実施例、比較例1の高負荷伝動ベルトとした。なお、比較例2および比較例3はインサート材を被覆材で覆ったものではなく一種類の樹脂で構成したブロックを用いた。
また、使用した張力帯3a、3bは、全て共通であり、心線5はアラミド繊維、エラストマー4はクロロプレンゴムを用いた。ベルトのサイズは実施例、比較例2、比較例3についてはベルトピッチ幅18mm、ピッチ周長831mm、ブロックピッチ3mmとし、比較例1のみはベルトピッチ幅25mm、ピッチ周長612mm、ブロックピッチ3mmとした。
ジアリルフタレート樹脂としてはフドー社製ダポールを用い、ジアリルフタレート樹脂100質量部に対してPAN系炭素繊維50質量部、グラファイト15質量部を配合したものを用いた。フェノール樹脂としてはフドー(株)社製フドーライトを用いフェノール樹脂100質量部に対してPAN系炭素繊維40質量部、グラファイト10質量部を配合したものを用いた。ナイロン46としてはDJEP社製Stanylを用いPAN系炭素繊維30質量部を配合したものを用いた。
ブロック側面の摩耗量は、ベルト走行24時間後のベルトからブロックを抜き取り投影機で測定した。以上の結果を表1にまとめて示す。
Figure 2005009662
表1より判るように、熱可塑性樹脂としてナイロン46をインサート材とし熱硬化性樹脂であるジアリルフタレート樹脂およびフェノール樹脂を被覆材として覆ったブロックを用いた実施例1および2のベルトは、ブロックの摩耗量も0.3mmとすくなくブロックの割れをも発生していない。一方インサート材にアルミニウムを用いた比較例1では、ブロックの割れはなく摩耗も大きくないものの21.5hrでベルトが切断しており、重量が大きく遠心張力も大きくなるので高速回転に向いていないということがわかる。
比較例2は熱可塑性樹脂組成物のみからなるブロックを用いており、ブロックの摩耗が大きい結果となっている。比較例3は熱硬化性樹脂組成物のみからなるブロックを用いており、ブロックの摩耗は少ないが走行中に早期に割れが発生する結果となっている。
自動車やスクータなどの自動二輪車、そして農業機械などの駆動に用いる高負荷を伝達することができるベルトである。
本発明に係る高負荷伝動ベルトの一例を示す斜視概略図である。 本発明に係る高負荷伝動ベルトの他の例を示す斜視概略図である。 図1にベルトに係るブロックの正面図である。 図2にベルトに係るブロックの正面図である。 ブロックの別の例を示す正面図である。 ブロックの更に別の例を示す正面図である。 貫通孔部分を示す要部断面図である。
符号の説明
1 高負荷伝動ベルト
2 ブロック
2a インサート材
2b 被覆材
3a センターベルト
3b センターベルト
4 エラストマー
5 心体
6 上面
7 下面
11 上ビーム部
12 下ビーム部
13 センターピラー
14 嵌合溝
15 嵌合溝
18 凸条部
19 凸条部
20 溝条部
21 溝条部
40 貫通孔

Claims (8)

  1. 張力帯と、該張力帯の長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、熱可塑性樹脂からなるインサート材の表面の少なくともプーリとの接触面に熱硬化性樹脂を被覆材として設けたブロックを用いることを特徴とする高負荷伝動ベルト。
  2. インサート材に用いる熱可塑性樹脂がナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6T、ナイロン9T、ポリフェニレンサルファイドの中から選ばれてなる少なくとも一種の樹脂である請求項1記載の高負荷伝動ベルト。
  3. 被覆材として用いる熱硬化性樹脂は熱硬化性樹脂100質量部に対して繊維状補強材が15〜110質量部の割合で配合されている樹脂組成物である請求項1〜2記載の高負荷伝動ベルト。
  4. 被覆材として用いる熱硬化性樹脂がフェノール樹脂もしくはジアリルフタレート樹脂である請求項1〜3記載の高負荷伝動ベルト。
  5. 被覆材として用いる熱硬化性樹脂がフェノール樹脂にPAN系炭素繊維、アラミド繊維、酸化亜鉛ウィスカから選ばれてなる少なくとも1種の繊維状補強材を配合した請求項4記載の高負荷伝動ベルト。
  6. 被覆材として用いる熱硬化性樹脂がジアリルフタレート樹脂にPAN軽炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、硫酸バリウムから選ばれてなる少なくとも1種の繊維状補強材を配合した請求項4記載の高負荷伝動ベルト。
  7. インサート材が凹部もしくは凸部の少なくともいずれか一方を有しており、インサート材と被覆材が前記凹部もしくは凸部にて嵌合している請求項1〜6記載の高負荷伝動ベルト。
  8. インサート材に貫通孔有しており被覆材が該貫通孔を通して両側の被覆材が連結されている請求項1〜7記載の高負荷伝動ベルト。
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