JP2004003531A - 高負荷伝動ベルト - Google Patents

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Shoji Tsuji
辻 勝爾
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G5/00V-belts, i.e. belts of tapered cross-section
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    • F16G5/166V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts with non-metallic rings

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Abstract

【課題】ブロックを軽量化して、なおかつ曲げ弾性率、耐衝撃性、疲労強度といった性能を大幅に向上させることができ高負荷の用途に用いても十分に耐えうることができる高負荷伝動ベルトを提供する。
【解決手段】張力帯3a、3bの長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロック2とからなる高負荷伝動ベルト1であり、前記ブロック2はインサート材を埋設していない合成樹脂材料からなっており、そのブロック2を形成する合成樹脂には長さが6〜20mmであり、また長繊維を15〜35質量%配合した材料からなっている。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、張力帯の長手方向に沿って所定ピッチでブロックを固定した高負荷伝動ベルトに関し、詳しくは軽量でありなおかつ曲げ弾性率、耐衝撃性、耐摩耗性、寸法制度に優れた高負荷伝動ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
ベルト式無段変速装置に使用するベルトは、プーリのV溝幅を変えることによってプーリに巻きかかる有効径を変化させ変速比を調節する様な変速プーリに巻き掛けて使用するものであり、プーリからの側圧が大きくなるのでベルトは大きな側圧に耐えるものでなくてはならない。また、無段変速の用途以外にも通常のゴムベルトでは寿命が短くなりすぎるような高負荷伝動の用途には特別に高負荷に耐えうるようなベルトを用いる必要がある。
【0003】
そのようなベルトとして使用されるものの中に、センターベルトにブロックを固定してベルト幅方向の強度を高めた引張伝動式の高負荷伝動ベルトがあり、具体的な構成としては、心線をゴムなどのエラストマー中に埋設したセンターベルトにボルトやリベットなどの止着材を用いてセンターベルトに使用しているエラストマーよりも比較的硬質のエラストマーからなるブロックを止着固定したものがある。
【0004】
このような引張伝動式の高負荷伝動ベルトのブロックの要求品質としては、上記のように摩擦伝動において高負荷の伝動を目的としているために、曲げ疲労性、耐摩耗性、耐熱性、剛性、耐衝撃性等の性質をバランス良く保有する必要がある。さらにプーリを摩耗させないようにすることも大切な要素である。
【0005】
これらの要求を満たす高負荷伝動ベルトとして、例えば、特開昭63−34342号公報に開示されているようなものがある。このベルトは、ブロックとプーリの接触する部分が、フェノール系樹脂成分にゴム成分が添加された樹脂成形材料によって、金属等によって形成されているインサート材を被覆した2重構造のブロックを用いたものである。
【0006】
また、特公平7−110900号公報には、フェノール系樹脂にアクリロニトリル−ブタジエン系ゴムをマトリックスとして炭素繊維及びアラミド繊維の2繊維を含む繊維質充填率25〜60重量部を配合させて、炭素繊維はオニオン構造を有し、結晶層厚が25〜200μmであるフェノール系樹脂を用いたブロックが用いられた高負荷伝動ベルトが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近はニーズの多様化により、高負荷ではあるが、従来のものより負荷が少し低く、高速で回転させることができる高負荷伝動ベルトが要求されるようになってきている。
【0008】
このため、例えば特開昭63−34342号公報に開示されているベルトは、アルミニウム合金等をインサート材として使用しているため、高速で回転すると、その重量のため、大きな遠心力がかかり、ベルトに大きな張力が作用して、ベルトが早期破損するという問題が生じるようになった。
【0009】
また、高速回転により、プーリとブロック間で発生する熱量も多くなり、そのため、特公平7−110900号公報で開示されているようなフェノール系樹脂を主成分とするブロックでは、フェノール系樹脂が耐衝撃性に劣るところがあり、ベルトの破損が発生することがある。これを改善しなくては、前述の高負荷伝動ベルトとしての要求を高いレベルで満足することができないものであった。また、フェノール樹脂は熱硬化性樹脂であるために成形サイクルが長くなってしまうことやリサイクル性に劣るといった問題もある。
【0010】
そこで、本発明は、前記問題点に鑑みなされたものであり、ブロック重量を軽くし、高速回転した場合であっても、十分な強度を有するとともに、高負荷伝動ベルトとして要求されている条件を高いレベルで満足できる引張伝動式の高負荷伝動ベルトを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の高負荷伝動ベルトは、張力帯と、該張力帯の長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロックはインサート材を埋設していない合成樹脂材料からなっており、そのブロックを形成する合成樹脂には長さが6〜20mmの長繊維が配合されていることを特徴とする。
【0012】
インサート材を埋設していないブロックとすることによって軽量化は実現できるものの、ブロックの曲げ弾性率、耐衝撃性といった性能が不足することがあったが、長繊維を配合することによって曲げ弾性率、耐衝撃性、疲労強度といった性能を大幅に向上させることができ高負荷の用途に用いても十分に耐えうることができる高負荷伝動ベルトを提供することができる。
【0013】
請求項2では、長繊維の長さが8〜14mmである高負荷伝動ベルトとしており、より長繊維の長さを最適化することによって、曲げ弾性率、耐衝撃性などの物性において高い補強効果が得られるとともに成形も良好なものとすることができる。
【0014】
請求項3では、長繊維の配合量が15〜35質量%である高負荷伝動ベルトとしており、ブロックの耐摩耗性が十分に得られるとともに、成形性において良好なものとすることができる。
【0015】
請求項4では、合成樹脂材料がポリアミド樹脂である高負荷伝動ベルトとしている。
【0016】
ブロックに繊維状補強材を配合したポリアミド樹脂を用いることで、強度を向上させることができるとともにブロック重量を軽量にすることが可能となり、作用する遠心力を小さくすることができる。
【0017】
請求項5では、長繊維が炭素繊維である高負荷伝動ベルトとしており、ブロックの硬度が高くなり、耐摩耗性に優れたものとすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明を具体的に説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る高負荷伝動ベルト1の一例を示す斜視概略図である。本発明の高負荷伝動ベルト1は、エラストマー4内に心線5をスパイラル状に埋設してなる同じ幅の二本の張力帯3a、3bと、この張力帯3a、3bに係止固定されている複数のブロック2とから構成されている。このブロック2の両側面2a、2bは、プーリのV溝と係合する傾斜のついた面となっており、駆動されたプーリから動力を受け取って、係止固定されている張力帯3a、3bを引張り、駆動側プーリの動力を従動側プーリに伝動している。
【0020】
ブロック2は、図1に示すように、上ビーム部11および下ビーム部12と、上下ビーム部11、12の中央部同士を連結したセンターピラー13からなっており、ブロック2の両側面2a、2bには張力帯3a、3bを嵌めこむ溝14、15が形成されている。また、溝15内の溝上面16および溝下面17には張力帯3の上面に設けた凹条部18と下面に設けた凹条部19に係合する凸条部20、21に係合するようになっている。
【0021】
図2は、別のベルトの例であり、ビーム部31の両端から上方に向かって一対のサイドピラー32、33が延びており、このサイドピラー32、33の上端からそれぞれブロック2の中心に向かって延びるロック部34、35が対向するように設けられている。そして、これらビーム部31、サイドピラー32、33及びロック部34、35によって張力帯3a、3bが嵌合する嵌合溝30が形成されている。この嵌合溝30に、張力帯3a、3bが、ロック部34、35間の開口部より挿入され装着される。また、ロック部34、35の嵌合溝30側には、凸部37がそれぞれ設けられており、この凸部37が、張力帯3a、3bに所定ピッチで設けられている凹部36に嵌合する。これによって、張力帯3a、3bは、装着後はブロック2から抜けにくい状態となる。
【0022】
このブロック2は合成樹脂素材のみからなっており、アルミニウム合金などの金属などからなるインサート材は一切埋設されていない。ただし、ここで金属などからなるインサート材というのは、それだけでほぼブロックの形状を呈する骨組的なものことを指し、例えば合成樹脂素材中に配合する形で加える短繊維やウィスカなどの補強材を添加することは本発明の範囲から外れるものではない。
【0023】
ブロックの樹脂として用いることができるのは、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂等の合成樹脂が用いられる。
【0024】
このようなインサート材を埋設していないブロックの場合、インサート材による補強がなされていないことから、ベルトに負荷がかかることによってブロックが変形しやすく、ブロックの変形が大きくなるとベルトの伝達性能が落ちるとともに、ブロックの繰り返し変形による劣化も激しくベルトの寿命を短くすることになる。
【0025】
そこで、本発明ではブロック2を構成する合成樹脂には長さが6〜20mm、より好ましくは8〜14mmの長繊維が配合されている。このように長繊維を配合することによって、長い繊維で補強されているため剛性が高くなり、曲げ弾性率、耐衝撃性が向上し、短繊維を用いる場合よりも破断面が少なくなるためにブロックの摩耗量も少なくなり、更なる高負荷での用途に適用することができる。更に、長い繊維の補強効果で寸法精度の向上も期待でき、しかも長期にわたって補強効果を維持することができるのでベルトの寿命の長期化も達成できる。
【0026】
本発明で長繊維として用いることができる素材としては、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維などを挙げることができる。そのなかでも炭素繊維を用いることが最も好ましく、他の繊維を用いた場合よりもブロックの摩擦係数を低くすることができ、より耐摩耗性に優れたものとすることができる。
【0027】
長繊維の長さが6mm未満であると、曲げ弾性率、耐衝撃性などの物性を十分に向上させることができず、20mmを超える長さになるとブロックを成形する際に射出成形を行うことが困難になるので好ましくない。8〜14mmの範囲内と摺ることによって曲げ弾性率、耐衝撃性などの物性において更に望ましい結果が得られるとともに、成形性においてもきわめて良好な結果が得られる。
【0028】
また、長繊維の配合量としては15〜35質量%の範囲とすることが好ましく、15重量%未満であると補強効果が少なくブロックの耐摩耗性が十分でないなどの問題があり、35重量%を超えると樹脂への配合が困難になったり射出成形が困難になったりするなどの問題があるので好ましくない。
【0029】
本発明では前述のようにブロックを形成する合成樹脂中に長繊維を配合しているが、その他にもウィスカ状の補強材を配合することは可能であり、具体的には酸化亜鉛ウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ、ホウ酸アルミニウムウィスカなどの無機繊維を配合してもよい。これらの中では、酸化亜鉛ウィスカを用いることが好ましい。酸化亜鉛ウィスカは、テトラポット状に四方に手が延びた立体的形状をしている。この酸化亜鉛ウィスカは、これ単独でも耐熱性、耐摩耗性に優れたものであるが、前述のようにテトラポット状の立体的形状をしているため、炭素繊維とともに配合すると、炭素繊維の配向が抑制され、成形時のそりや成形収縮の異方性が改良される。さらに、このように炭素繊維の配向を低減できるため、ブロック2の靭性、曲げ剛性等の強度についての異方性も低減することができ、かつ、摩擦係数が安定するため、耐摩耗性が向上する。
【0030】
また、酸化亜鉛ウィスカは、高比重、高剛性であるため、プーリとの接触時の振動を低減でき、ノイズの発生を小さくすることができる。なお、この酸化亜鉛ウィスカの配合量が少ない場合は、添加した効果が発現せず、多すぎると、混練できず、成形することが困難となる。
【0031】
このような材料構成とすることによって、プーリと接する際に受ける側圧にも十分に耐えうる剛性、靭性等の強度を有するとともに、耐摩耗性に優れ、更には、摩擦時に発生する熱に対しても強いブロックとすることが可能となり、プーリから受ける動力を効率よく張力帯3a、3bに引張力として伝えることができ、引張伝動式の高負荷伝動ベルトを構成することができる。
【0032】
なお、これらの他に、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素系樹脂から選ばれてなる少なくとも一つを混入することによってもブロック2の潤滑性を向上させることができる。フッ素系樹脂としては、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)、ポリフッ化エチレンプロピレンエーテル(PFPE)、4フッ化エチレン6フッ化プロピレン共重合体(PFEP)、ポリフッ化アルコキシエチレン(PFA)等が挙げられる。
【0033】
張力帯3a、3bのエラストマー4として使用されるものは、クロロプレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴムなどの単一材またはこれらを適宜ブレンドしたゴムあるいはポリウレタンゴム等が挙げられる。そして、心線5としてはポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、スチールワイヤ等から選ばれたロープが用いられる。また、心線5はロープをスパイラル状に埋設したもの以外にも、上記の繊維の織布、編み布や金属薄板等を使用することもできる。
【0034】
【実施例】
次に長繊維の所定の配合量を混入して作成したブロックを用いたベルトと、長繊維を用いてはいるが所定の範囲から外れた配合量を混入して作成したブロックを用いたベルトと、短繊維を配合して作成したブロックを用いたベルトとを走行させて、耐久時間と騒音、ブロックの摩耗量を比較してみた。
【0035】
(実施例1)
ブロックを構成する樹脂としてナイロン66を用い、繊維長さ11mmの炭素繊維(ダイセル化学工業製 プラストロン)を30質量%配合して射出成形にてブロックを成形し張力帯に嵌め込んで図1に示すような高負荷伝動ベルトを作製した。ベルトピッチ幅は22mm、ピッチ周長は831mm、ブロックのピッチは3mmである。
【0036】
このベルトを走行させ、耐久時間と走行中の騒音、走行開始100時間後のブロック側面の摩耗量を測定した。なお、走行条件は表1に示すような高トルクの条件で行っている。走行試験の結果を表2に示す。
【0037】
【表1】
Figure 2004003531
【0038】
(比較例1)
長繊維を用いず長さが3mmの短繊維をナイロン66に配合した以外は実施例1と同じ条件で高負荷伝動ベルトを作成した。表1に示す走行条件にてベルトを走行させ、耐久時間と走行中の騒音、走行開始100時間後のブロック側面の摩耗量を測定した。走行試験の結果を表2に示す。
【0039】
(比較例2)
長繊維を用いず長さが3mmの短繊維を40質量%の配合量でナイロン66に配合した以外は実施例1と同じ条件で高負荷伝動ベルトを作成した。表1に示す走行条件にてベルトを走行させ、耐久時間と走行中の騒音、走行開始100時間後のブロック側面の摩耗量を測定した。走行試験の結果を表2に示す。
【0040】
(比較例3)
長繊維の配合量を10質量%にした以外は実施例1と同じ条件で高負荷伝動ベルトを作成した。表1に示す走行条件にてベルトを走行させ、耐久時間と走行中の騒音、走行開始100時間後のブロック側面の摩耗量を測定した。走行試験の結果を表2に示す。
【0041】
(比較例4)
長繊維の配合量を40質量%にした以外は実施例1と同じ条件で高負荷伝動ベルトを作成した。表1に示す走行条件にてベルトを走行させ、耐久時間と走行中の騒音、走行開始100時間後のブロック側面の摩耗量を測定した。走行試験の結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
Figure 2004003531
【0043】
表2の結果からわかるように、本発明の実施例1は高トルクの条件においても300時間を過ぎても異常なく走行を続けており、騒音も低くブロックの摩耗量も小さい結果となっている。
【0044】
それに対して、長繊維を短繊維に変えた比較例1ではスリップが大きく短時間でブロックが溶けて寿命になりベルトが切断している。この比較で短繊維よりも長繊維を用いることによる効果が確認できる。
【0045】
また、比較例2では樹脂への炭素繊維の配合自体ができないという結果が得られており、短繊維ではあまり炭素繊維の配合量を増やすことができないということがわかる。
【0046】
比較例3では、長繊維を用いているものの配合量が所定の範囲よりも少ない数値となっていることからスリップが発生して切断している。
【0047】
比較例4では、長繊維を用いているものの配合量が多すぎて射出成形ができなかった。
【0048】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されており、張力帯と、該張力帯の長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロックはインサート材を埋設していない合成樹脂材料からなっており、そのブロックを形成する合成樹脂には長さが6〜20mmの長繊維が配合されていることを特徴とする。
【0049】
インサート材を埋設していないブロックとすることによって軽量化は実現できるものの、ブロックの曲げ弾性率、耐衝撃性といった性能が不足することがあったが、長繊維を配合することによって曲げ弾性率、耐衝撃性、疲労強度といった性能を大幅に向上させることができ高負荷の用途に用いても十分に耐えうることができる高負荷伝動ベルトを提供することができる。
【0050】
請求項2では、長繊維の長さが8〜14mmである高負荷伝動ベルトとしており、より長繊維の長さを最適化することによって、曲げ弾性率、耐衝撃性などの物性において高い補強効果が得られるとともに成形も良好なものとすることができる。
【0051】
請求項3では、長繊維の配合量が15〜35質量%である高負荷伝動ベルトとしており、ブロックの耐摩耗性が十分に得られるとともに、成形性において良好なものとすることができる。
【0052】
請求項4では、合成樹脂材料がポリアミド樹脂である高負荷伝動ベルトとしている。
【0053】
ブロックに繊維状補強材を配合したポリアミド樹脂を用いることで、強度を向上させることができるとともにブロック重量を軽量にすることが可能となり、作用する遠心力を小さくすることができる。
【0054】
請求項5では、長繊維が炭素繊維である高負荷伝動ベルトとしており、ブロックの硬度が高くなり、耐摩耗性に優れたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高負荷伝動ベルトの一例を示す斜視概略図である。
【図2】本発明に係る高負荷伝動ベルトの他の例を示す斜視概略図である。
【符号の説明】
1  高負荷伝動ベルト
2  ブロック
3a 張力帯
3b 張力帯
4  エラストマー
5  心線
11 上ビーム部
12 下ビーム部ー
13 センターピラー
14 嵌合溝
15 嵌合溝

Claims (5)

  1. 張力帯と、該張力帯の長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロックはインサート材を埋設していない合成樹脂材料からなっており、そのブロックを形成する合成樹脂には長さが6〜20mmの長繊維が配合されていることを特徴とする高負荷伝動ベルト。
  2. 長繊維の長さが8〜14mmである請求項1記載の高負荷伝動ベルト。
  3. 長繊維の配合量が15〜35質量%である請求項1〜2記載の高負荷伝動ベルト。
  4. 合成樹脂材料がポリアミド樹脂である請求項1〜3記載の高負荷伝動ベルト。
  5. 長繊維が炭素繊維である請求項1〜4記載の高負荷伝動ベルト。
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