JP2002195351A - 高負荷伝動ベルト及び高負荷伝動ベルト用ブロック - Google Patents

高負荷伝動ベルト及び高負荷伝動ベルト用ブロック

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JP2002195351A
JP2002195351A JP2000395091A JP2000395091A JP2002195351A JP 2002195351 A JP2002195351 A JP 2002195351A JP 2000395091 A JP2000395091 A JP 2000395091A JP 2000395091 A JP2000395091 A JP 2000395091A JP 2002195351 A JP2002195351 A JP 2002195351A
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transmission belt
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load transmission
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JP2000395091A
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Shoji Tsuji
勝爾 辻
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Mitsuboshi Belting Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G5/00V-belts, i.e. belts of tapered cross-section
    • F16G5/16V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts
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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブロック重量を軽くし、高速回転した場合で
あっても、十分な強度を有するとともに、高負荷伝動ベ
ルトとして要求されている条件を高いレベルで満足でき
る引張伝動式の高負荷伝動ベルト及びそのブロックを提
供する。 【解決手段】 張力帯3a、3bと、該張力帯3a、3
bの長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロッ
ク2とからなる高負荷伝動ベルト1において、ブロック
2がポリアミド9T樹脂と、繊維状の補強材とを主成分
とし、前記ポリアミド9Tが100質量部に対し、前記
繊維状の補強材が15〜100質量部配合した材料から
なっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、張力帯の長手方向
に沿って所定ピッチでブロックを固定した高負荷伝動ベ
ルト及びそのブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】ベルト式無段変速装置に使用するベルト
は、プーリのV溝幅を変えることによってプーリに巻き
かかる有効径を変化させ変速比を調節する様な変速プー
リに巻き掛けて使用するものであり、プーリからの側圧
が大きくなるのでベルトは大きな側圧に耐えるものでな
くてはならない。また、無段変速の用途以外にも通常の
ゴムベルトでは寿命が短くなりすぎるような高負荷伝動
の用途には特別に高負荷に耐えうるようなベルトを用い
る必要がある。
【0003】そのようなベルトとして使用されるものの
中に、センターベルトにブロックを固定してベルト幅方
向の強度を高めた引張伝動式の高負荷伝動ベルトがあ
り、具体的な構成としては、心線をゴムなどのエラスト
マー中に埋設したセンターベルトにボルトやリベットな
どの止着材を用いてセンターベルトに使用しているエラ
ストマーよりも比較的硬質のエラストマーからなるブロ
ックを止着固定したものがある。
【0004】このような引張伝動式の高負荷伝動ベルト
のブロックの要求品質としては、上記のように摩擦伝動
において高負荷の伝動を目的としているために、曲げ疲
労性、耐摩耗性、耐熱性、剛性、耐衝撃性等の性質をバ
ランス良く保有する必要がある。さらにプーリを摩耗さ
せないようにすることも大切な要素である。
【0005】これらの要求を満たす高負荷伝動ベルトと
して、例えば、特開昭63−34342号公報に開示さ
れているようなものがある。このベルトは、ブロックと
プーリの接触する部分が、フェノール系樹脂成分にゴム
成分が添加された樹脂成形材料によって、金属等によっ
て形成されているインサート材を被覆した2重構造のブ
ロックを用いたものである。
【0006】また、特公平7−110900号公報に
は、フェノール系樹脂にアクリロニトリル−ブタジエン
系ゴムをマトリックスとして炭素繊維及びアラミド繊維
の2繊維を含む繊維質充填率25〜60重量部を配合さ
せて、炭素繊維はオニオン構造を有し、結晶層厚が25
〜200μmであるフェノール系樹脂を用いたブロック
が用いられた高負荷伝動ベルトが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近はニー
ズの多様化により、高負荷ではあるが、従来のものより
負荷が少し低く、高速で回転させることができる高負荷
伝動ベルトが要求されるようになってきている。
【0008】このため、例えば特開昭63−34342
号公報に開示されているベルトは、アルミニウム合金等
をインサート材として使用しているため、高速で回転す
ると、その重量のため、大きな遠心力がかかり、ベルト
に大きな張力が作用して、ベルトが早期破損するという
問題が生じるようになった。
【0009】また、高速回転により、プーリとブロック
間で発生する熱量も多くなり、そのため、特公平7−1
10900号公報で開示されているようなフェノール系
樹脂を主成分とするブロックでは、フェノール系樹脂が
耐衝撃性に劣るところがあり、ベルトの破損が発生する
ことがある。また、炭素繊維の配向が原因と考えられ
る、摩擦係数等の特性の異方性も生じ、これらを改善し
なくては、前述の高負荷伝動ベルトとしての要求を高い
レベルで満足することができないものであった。
【0010】そこで、本発明は、前記問題点に鑑みなさ
れたものであり、ブロック重量を軽くし、高速回転した
場合であっても、十分な強度を有するとともに、高負荷
伝動ベルトとして要求されている条件を高いレベルで満
足できる引張伝動式の高負荷伝動ベルト及びそのブロッ
クを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明の請求項1の高負荷伝動ベルトは、張力帯と、
該張力帯の長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数の
ブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブ
ロックがポリアミド9T樹脂と、繊維状の補強材とを主
成分とし、前記ポリアミド9Tが100質量部に対し、
前記繊維状の補強材が15〜100質量部である。
【0012】ブロックに樹脂を用い、その補強材として
繊維状の補強材を添加して、強度を向上させることで、
ブロック重量を軽量にすることが可能となり、作用する
遠心力を小さくすることができる。また、ポリアミド9
Tを用いていることから耐摩耗性や耐久性に優れている
とともに吸水性が小さく寸法変化の問題もなく、高温で
も十分な強度を有する。
【0013】請求項2では、張力帯と、該張力帯の長手
方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとから
なる高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロックがポリア
ミド9T樹脂と、繊維状の補強材と、ウィスカ状の補強
材とを主成分とし、前記熱可塑性樹脂100質量部に対
し、前記繊維状の補強材が15〜100質量部、ウィス
カ状の補強材が5〜60質量部である。
【0014】ブロックに樹脂を用い、その補強材として
繊維状の補強材と、ウィスカ状の補強材を添加して、強
度を向上させることで、ブロック重量を軽量にすること
が可能となり、作用する遠心力を小さくすることができ
る。
【0015】請求項3は、請求項1又は2における前記
繊維状の補強材が、PAN系炭素繊維単独若しくはPA
N系炭素繊維とアラミド繊維を組み合わせたものであ
る。
【0016】PAN系炭素繊維を添加することで、硬度
が高くなり、耐摩耗性に優れたものとできる。また、炭
素繊維とアラミド繊維を組み合わせることにより、炭素
繊維の有する特性である硬度と、アラミド繊維の有する
特性である靭性が向上し、耐摩耗性に優れるとともに、
耐衝撃性にも優れたものとできる。
【0017】また、請求項4に記載の高負荷伝動ベルト
は、請求項2における前記ウィスカ状の補強材が、酸化
亜鉛ウィスカである。
【0018】酸化亜鉛ウィスカは高比重、高剛性である
ため、ブロックがプーリに突入する時の振動を低減さ
せ、ベルト騒音を低くすることができる。また、酸化亜
鉛ウィスカを添加することで、摩擦係数が安定するた
め、耐摩耗性が一層向上する。
【0019】また、請求項5に記載の高負荷伝動ベルト
は、請求項5における前記酸化亜鉛ウィスカが、立体的
形状をしている。
【0020】酸化亜鉛ウィスカが、テトラポット形状の
立体的形状をしているため、炭素繊維の配向が減少し、
成形時の反りや成形収縮の異方性が改善され、寸法精度
が向上する。
【0021】また、請求項6に記載の高負荷伝動ベルト
用ブロックは、高負荷伝動ベルトの張力帯の長手方向に
沿って所定ピッチで設けられた複数のブロックであっ
て、熱可塑性樹脂と、繊維状の補強材とからなる。
【0022】このような構成のブロックであるため、耐
摩耗性、耐衝撃性に優れた高負荷伝動ベルトを形成する
ことができる。
【0023】また、請求項7に記載の高負荷伝動ベルト
用ブロックは、高負荷伝動ベルトの張力帯の長手方向に
沿って所定ピッチで設けられた複数のブロックであっ
て、熱可塑性樹脂と、繊維状の補強材と、ウィスカ状の
補強材とからなる。
【0024】このような構成のブロックであるため、耐
摩耗性、耐衝撃性に優れた高負荷伝動ベルトを形成する
ことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明を
具体的に説明する。
【0026】図1は、本発明に係る高負荷伝動ベルト1
の一例を示す斜視概略図である。本発明の高負荷伝動ベ
ルト1は、エラストマー4内に心線5をスパイラル状に
埋設してなる同じ幅の二本の張力帯3a、3bと、この
張力帯3a、3bの、上面に所定ピッチで形成された凹
部6に嵌合し、係止固定されている複数のブロック2と
から構成されている。このブロック2の両側面2a、2
bは、プーリのV溝と係合する傾斜のついた面となって
おり、駆動されたプーリから動力を受け取って、係止固
定されている張力帯3a、3bを引張り、駆動側プーリ
の動力を従動側プーリに伝動している。
【0027】ブロック2は、図1に示すように、ビーム
部11の両端から上方に向かって一対のサイドピラー1
2、13が延びており、このサイドピラー12、13の
上端からそれぞれブロック2の中心に向かって延びるロ
ック部8、9が対向するように設けられている。そし
て、これらビーム部11、サイドピラー12、13及び
ロック部8、9によって張力帯3a、3bが嵌合する嵌
合溝10が形成されている。この嵌合溝10に、張力帯
3a、3bが、ロック部8、9間の開口部より挿入され
装着される。また、ロック部8、9の嵌合溝10側に
は、凸部7がそれぞれ設けられており、この凸部7が、
張力帯3a、3bに所定ピッチで設けられている凹部6
に嵌合する。これによって、張力帯3a、3bは、装着
後はブロック2から抜けにくい状態となる。
【0028】このブロック2は、ポリアミド9T樹脂
と、繊維状の補強材とを主成分とし、前記ポリアミド9
T樹脂100質量部に対し、前記繊維状の補強材が20
〜100質量部添加されて形成されている。又は、熱可
塑性樹脂と、繊維状の補強材と、ウィスカ状の補強材と
を主成分とし、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、
前記繊維状の補強材が20〜100質量部、ウィスカ状
の補強材が5〜60質量部とで形成されている。このよ
うな材料構成とすることによって、プーリと接する際に
受ける側圧にも十分に耐えうる剛性、靭性等の強度を有
するとともに、耐摩耗性に優れ、更には、摩擦時に発生
する熱に対しても強いブロックとすることが可能とな
り、プーリから受ける動力を効率よく張力帯3a、3b
に引張力として伝えることができ、引張伝動式の高負荷
伝動ベルトを構成することができる。
【0029】ここで、ブロック2に用いられるポリアミ
ド9T樹脂とはナイロン9Tとも呼ばれ、ノナンジアミ
ンとテレフタル酸の重縮合により製造され、一般式が化
1であらわされるものである。
【0030】
【化1】
【0031】ポリアミド9T(ナイロン9T)は芳香族
と高級脂肪族鎖を有していることから、ポリアミド6T
(ナイロン6T)の持つ耐熱性、低吸水性を有してい
る。また、ホモポリマーで結晶化度が高いため、結晶化
度の低いポリアミド6T(ナイロン6T)などと比較す
るとポリアミド46(ナイロン46)と同様に耐摩耗
性、耐衝撃性、耐疲労性に優れている。従って、本材料
を使用することにより、耐摩耗性、耐衝撃性、耐疲労
性、熱時の曲げ剛性などの物性に優れていると共に、吸
水性などの問題もないブロックを得ることができるもの
である。ポリアミド9Tの商品の例としては株式会社ク
ラレの「ジェネスタ」を挙げることができる。もちろ
ん、熱可塑性樹脂なのでブロックの射出成形が可能とな
ることから、ブロックの作成を容易に行うことができる
ようになる。
【0032】また、このポリアミド9T樹脂の補強材と
なる繊維状の補強材としては、PAN系炭素繊維単独若
しくはPAN系炭素繊維とアラミド繊維を組み合わせた
ものを用いることが好ましい。PAN系炭素繊維は、前
述のポリアミド9T樹脂100質量部に対し、15〜1
00質量部とすることが好ましい。PAN系炭素繊維が
15質量部よりも少ない場合は補強性が不十分であり、
ブロック2の強度が不足してしまう。また、100質量
部を越えると、硬度は上がるが、靭性が低下し、曲げ疲
労性や耐衝撃性が低下するとともにプーリとの接触時に
発生するノイズも大きくなる等、騒音性も悪化する。こ
のPAN系炭素繊維に後述するウィスカ状の補強材を添
加すると、繊維状補強材として炭素繊維のみで十分な強
度等を有したブロックとすることが可能であるが、これ
に、さらにアラミド繊維を前述の熱可塑性樹脂100質
量部に対し5〜50質量部加えることで、ブロックの靭
性が向上し、耐摩耗性や、耐衝撃性を一層向上させるこ
とができる。この場合、アラミド繊維の添加量が5質量
部よりも少ない場合は、アラミド繊維を添加する効果が
十分に発現しない。また、50質量部を越えると、混練
することが困難となる。
【0033】ここで、使用されるPAN系炭素繊維は、
熱可塑性樹脂と相性が良く、用いる炭素繊維の長さは1
〜5mmのものが好ましい。1mm未満であると、ブロ
ックの補強が十分になされず、また、5mmを越える
と、樹脂との混練が困難になること、また、混練時に折
れて短くなってしまうので好ましくない。
【0034】また、前記繊維状の補強材と共に添加する
ウィスカ状の補強材としては、酸化亜鉛ウィスカを用い
ることが好ましい。酸化亜鉛ウィスカは、テトラポット
状に四方に手が延びた立体的形状をしている。この酸化
亜鉛ウィスカは、これ単独でも耐熱性、耐摩耗性に優れ
たものであるが、前述のようにテトラポット状の立体的
形状をしているため、炭素繊維とともに配合すると、炭
素繊維の配向が抑制され、成形時のそりや成形収縮の異
方性が改良される。さらに、このように炭素繊維の配向
を低減できるため、ブロック2の靭性、曲げ剛性等の強
度についての異方性も低減することができ、かつ、摩擦
係数が安定するため、耐摩耗性が向上する。また、酸化
亜鉛ウィスカは、高比重、高剛性であるため、プーリと
の接触時の振動を低減でき、ノイズの発生を小さくする
ことができる。なお、この酸化亜鉛ウィスカを、前述の
熱可塑性樹脂100質量部に対して、その添加量が5質
量部よりも少ない場合は、添加した効果が発現せず、6
0質量部を越えて添加した場合は、混練できず、成形す
ることが困難となる。
【0035】なお、これらの他に、二硫化モリブデン、
グラファイト、フッ素系樹脂から選ばれてなる少なくと
も一つを混入することによってもブロック2の潤滑性を
向上させることができる。フッ素系樹脂としては、ポリ
4フッ化エチレン(PTFE)、ポリフッ化エチレンプ
ロピレンエーテル(PFPE)、4フッ化エチレン6フ
ッ化プロピレン共重合体(PFEP)、ポリフッ化アル
コキシエチレン(PFA)等が挙げられる。
【0036】張力帯3a、3bは、前述のように、上
面、即ちブロック2のロック部8、9に接する面側に所
定ピッチで凹部6が形成されている。この凹部6にブロ
ック2のロック部8、9に設けられている凸部7が嵌合
される。
【0037】張力帯3a、3bのエラストマー4として
使用されるものは、クロロプレンゴム、天然ゴム、ニト
リルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、水素化ニトリル
ゴムなどの単一材またはこれらを適宜ブレンドしたゴム
あるいはポリウレタンゴム等が挙げられる。そして、心
線5としてはポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラ
ミド繊維、ガラス繊維、スチールワイヤ等から選ばれた
ロープが用いられる。また、心線5はロープをスパイラ
ル状に埋設したもの以外にも、上記の繊維の織布、編み
布や金属薄板等を使用することもできる。
【0038】なお、本実施形態では、2本の張力帯3
a、3bを用いて、ブロック2の嵌合溝10に装着した
場合について説明してきたが、別に1本の張力帯を使用
したものであっても構わない。
【0039】また、他の形態例としては、図2に示すよ
うな高負荷伝動ベルト20が挙げられる。この場合は、
ブロック23の両側面に張力帯21、22を差し込む嵌
合溝が開口しており、この嵌合溝にそれぞれ張力帯2
1、22を嵌合したものとなっている。なお、本発明に
かかる高負荷伝動ベルトに用いられるブロックには、本
実施形態に示した形態に限定されるものではない。
【0040】
【実施例】次に、本発明の高負荷伝動ベルトを以下に示
すような構成で作製し、ベルトの耐久試験、騒音試験を
行い、ブロック側面の摩耗量を測定した。
【0041】なお、使用した高負荷伝動ベルトは、図1
に示すようなブロックを用いたものであり、そのブロッ
クの材料配合比を表1に示すように変えて、実施例1〜
5、比較例1〜3の高負荷伝動ベルトとした。また、使
用した張力帯3a、3bは、全て共通であり、心線5は
アラミド繊維、エラストマー4はクロロプレンゴムを用
いた。ベルトピッチ幅は25mm、ピッチ周長は831
mm、ブロックピッチは3mmである。
【0042】(実施例1)ポリアミド9T樹脂(クラレ
社製ジェネスタ)100質量部に対してPAN系炭素繊
維50質量部、グラファイト10質量部を配合し、射出
成形により図1の形状のブロック2に成形した。このブ
ロック2に、前述の2本の張力帯3a、3bを嵌合して
試験用の高負荷伝動ベルトを作製した。
【0043】(実施例2)ポリアミド9T樹脂(クラレ
社製ジェネスタ)100質量部に対してPAN系炭素繊
維50質量部、酸化亜鉛ウィスカ(松下アムテック社製
パナテトラWZ−0511)15質量部、グラファイト
10質量部とした以外、実施例1と同様にして試験用の
高負荷伝動ベルトを作製した。
【0044】(実施例3)ポリアミド9T樹脂(クラレ
社製ジェネスタ)100質量部に対してPAN系炭素繊
維50質量部、酸化亜鉛ウィスカ(松下アムテック社製
パナテトラWZ−0511)15質量部、アラミド繊維
(帝人社テクノーラ)5質量部、グラファイト10質量
部とした以外、実施例1と同様にして試験用の高負荷伝
動ベルトを作製した。
【0045】(実施例4)ポリアミド9T樹脂(クラレ
社製ジェネスタ)100質量部に対してPAN系炭素繊
維50質量部、酸化亜鉛ウィスカ(松下アムテック社製
パナテトラWZ−0511)3質量部、グラファイト1
0質量部とした以外、実施例1と同様にして試験用の高
負荷伝動ベルトを作製した。
【0046】(実施例5)ポリアミド9T樹脂(クラレ
社製ジェネスタ)100質量部に対してPAN系炭素繊
維50質量部、アラミド繊維(帝人社テクノーラ)2質
量部、グラファイト10質量部とした以外、実施例1と
同様にして試験用の高負荷伝動ベルトを作製した。
【0047】(比較例1)ポリアミド9T樹脂(クラレ
社製ジェネスタ)をポリアミド46樹脂(DJEP社製
Stanyl)に変更した以外は、実施例1と同様にし
て試験用の高負荷伝動ベルトを作製した。
【0048】(比較例2)ポリアミド9T樹脂(クラレ
社製ジェネスタ)をポリアミド6T樹脂(三井化学社製
アーレン)に変更した以外は、実施例1と同様にして試
験用の高負荷伝動ベルトを作製した。
【0049】(比較例3)ポリアミド9T樹脂(クラレ
社製ジェネスタ)100質量部に対して炭素繊維50質
量部、酸化亜鉛ウィスカ20質量部、グラファイト10
質量部とした以外、実施例1と同様にして試験用の高負
荷伝動ベルトを作製した。
【0050】以上の、高負荷伝動ベルトの耐久試験とし
ては、駆動プーリ径が80mm、従動プーリ径が160
mmとの間にベルトを巻き掛けて、駆動プーリ回転数を
5000rpm、従動プーリ回転数を2500rpmと
し、入力トルクを5Nで、軸荷重を200Nとし、ベル
ト走行時の雰囲気温度を90℃でベルトを走行させた。
【0051】ブロック側面の摩耗量は、ベルト走行10
0時間後のベルトからブロックを抜き取り投影機を用い
て測定した。以上の結果を表2にまとめて示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】表1より判るように、実施例1のベルト
は、耐久時間も長く、また、摩耗量も少ないものであ
る。このベルトに酸化亜鉛ウィスカを10質量部配合し
た実施例2のベルトは、実施例1のベルトよりさらに摩
耗、耐久性が向上し、騒音も小さくなっている。この実
施例2のベルトにアラミド繊維を配合した実施例3のベ
ルトは、この実施例2のベルトよりもさらに、耐久時間
が長くなるとともに摩耗量も少なくなっている。
【0055】実施例4は、実施例1に酸化亜鉛ウィスカ
を配合したものであり、耐摩耗性や耐久性はよくなって
いる。ただし配合量が少ないので効果が顕著に見られて
いない。実施例5は実施例1にアラミド繊維を少量配合
したものであり、耐摩耗性、耐久性はよくなっている
が、配合量が少ないために効果が顕著に表れていない。
【0056】ポリアミド46(ナイロン46)樹脂を用
いた比較例1のベルトは、軸離変化が大きく吸水による
ものと考えられる。比較例2は、ポリオアミド6Tを用
いたベルトであるが、摩耗量が大きく145時間でブロ
ックが割れ故障となっている。比較例3は、炭素繊維の
配合量が少ないベルトであるが、強度が弱く寿命が短く
なっている。
【0057】本発明は以上のように構成されており、請
求項1又は2の発明によると、ブロックにポリアミド9
T樹脂を用い、その補強材として繊維状の補強材と、さ
らに、ウィスカ状の補強材を添加して、強度を向上させ
ているため、ブロック重量を軽量にすることが可能とな
り、作用する遠心力を小さくすることができ、高速回転
で使用した場合であっても、効率よく、駆動プーリの動
力を従動プーリ側に伝動することが可能となり、また、
全てを樹脂を主成分とするブロックからなっているた
め、運転中であっても、オイルフリーで運転することが
できる。また、ポリアミド9Tを用いていることから耐
摩耗性や耐久性に優れているとともに吸水性が小さく寸
法変化の問題もなく、高温でも十分な強度を有する樹脂
からなっているため、自動車や、農機具等へも十分に適
用できる効果を奏する。
【0058】また、請求項3の発明によると、PAN系
炭素繊維を添加するため、硬度が高くなり、耐摩耗性に
優れたものとできる。また、炭素繊維とアラミド繊維を
組み合わせることにより、炭素繊維の有する特性である
硬度と、アラミド繊維の有する特性である靭性が向上
し、耐摩耗性に優れるとともに、耐衝撃性にも優れたも
のとできる効果を奏する。
【0059】また、請求項4の発明によると、酸化亜鉛
ウィスカは高比重、高剛性であるため、ブロックがプー
リに突入する時の振動を低減させ、ベルト騒音を低くす
ることができる。また、酸化亜鉛ウィスカを添加するこ
とで、摩擦係数が安定するため、耐摩耗性が一層向上す
る効果を奏する。
【0060】また、請求項5の発明によると、酸化亜鉛
ウィスカが、テトラポット形状の立体的形状をしている
ため、炭素繊維の配向が減少し、成形時の反りや成形収
縮の異方性が改善され、寸法精度が向上する効果を奏す
る。
【0061】また、請求項6又は7の発明によると、耐
摩耗性、耐衝撃性に優れた高負荷伝動ベルトを形成する
ことができるブロックとする効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高負荷伝動ベルトの一例を示す斜
視概略図である。
【図2】本発明に係る高負荷伝動ベルトの他の例を示す
斜視概略図である。
【符号の説明】
1 高負荷伝動ベルト 2 ブロック 3a 張力帯 3b 張力帯 4 エラストマー 5 心線 6 凹部 7 凸部 8 ロック部 9 ロック部 10 嵌合溝 11 ビーム部 12 サイドピラー 13 サイドピラー 20 高負荷伝動ベルト 21 張力帯

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 張力帯と、該張力帯の長手方向に沿って
    所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝
    動ベルトにおいて、前記ブロックがポリアミド9T樹脂
    と、繊維状の補強材とを主成分とし、前記ポリアミド9
    Tが100質量部に対し、前記繊維状の補強材が15〜
    100質量部である高負荷伝動ベルト。
  2. 【請求項2】 張力帯と、該張力帯の長手方向に沿って
    所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝
    動ベルトにおいて、前記ブロックがポリアミド9T樹脂
    と、繊維状の補強材と、ウィスカ状の補強材とを主成分
    とし、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、前記繊維
    状の補強材が15〜100質量部、ウィスカ状の補強材
    が5〜60質量部である高負荷伝動ベルト。
  3. 【請求項3】 前記繊維状の補強材が、PAN系炭素繊
    維単独若しくはPAN系炭素繊維とアラミド繊維を組み
    合わせたものである請求項1又は2に記載の高負荷伝動
    ベルト。
  4. 【請求項4】 前記ウィスカ状の補強材が、酸化亜鉛ウ
    ィスカである請求項2に記載の高負荷伝動ベルト。
  5. 【請求項5】 前記酸化亜鉛ウィスカが、立体的形状を
    している請求項4に記載の高負荷伝動ベルト。
  6. 【請求項6】 高負荷伝動ベルトの張力帯の長手方向に
    沿って所定ピッチで設けられた複数のブロックであっ
    て、ポリアミド9T樹脂と、繊維状の補強材とからなる
    高負荷伝動ベルト用ブロック。
  7. 【請求項7】 高負荷伝動ベルトの張力帯の長手方向に
    沿って所定ピッチで設けられた複数のブロックであっ
    て、ポリアミド9T樹脂と、繊維状の補強材と、ウィス
    カ状の補強材とからなる高負荷伝動ベルト用ブロック。
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