JP2008180344A - 高負荷伝動ベルト及び高負荷伝動ベルト用ブロック - Google Patents

高負荷伝動ベルト及び高負荷伝動ベルト用ブロック Download PDF

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Abstract

【課題】ブロックの剛性といった機械的強度を維持しつつ、プーリとの接触面における摩耗量を低減することができ、寿命の長いベルトを提供する。
【解決手段】センターベルト3の長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロック2とからなる高負荷伝動ベルト1であり、前記ブロック2は熱可塑性樹脂に炭素繊維やアラミド繊維等からなる繊維補強材および炭酸カルシウム等からなる摩擦低減材を配合した樹脂組成物からなり、樹脂組成物全量に対して熱可塑性樹脂30〜89質量%、繊維補強材は10〜60質量%、摩擦低減材は1〜50質量%を配合してなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、センターベルトの長手方向に沿って所定ピッチでブロックを固定した高負荷伝動ベルトおよび高負荷伝動ベルト用ブロックに関する。
ベルト式無段変速装置に使用するベルトは、プーリのV溝幅を変えることによってプーリに巻きかかる有効径を変化させ変速比を調節する様な変速プーリに巻き掛けて使用するものであり、プーリからの側圧が大きくなるのでベルトは大きな側圧に耐えるものでなくてはならない。また、無段変速の用途以外にも通常のゴムベルトでは寿命が短くなりすぎるような高負荷伝動の用途には特別に高負荷に耐えうるようなベルトを用いる必要がある。
そのようなベルトとして使用されるものの中に、センターベルトにブロックを固定してベルト幅方向の強度を高めた引張伝動式の高負荷伝動ベルトがあり、具体的な構成としては、心線をゴムなどのエラストマー中に埋設したセンターベルトにボルトやリベットなどの止着材を用いてセンターベルトに使用しているエラストマーよりも比較的硬質のエラストマーからなるブロックを止着固定したものがある。
ブロックとしては、アルミニウムなど金属製の心材の表面に樹脂を被覆したものが提案されている(特許文献1)。しかしながらニーズの多様化により、負荷は多少低めであるものの回転数が高く、かつプーリ径が小さいといったものがある。金属製の心材を有するブロックは心材の分が重量増となることは避けられず、ベルトを高速で走行させると、遠心張力が上がってベルトが早期に破損するといった問題があった。
そこで心材を用いない樹脂材のみからなるブロックを用いたベルトが提案されている。特許文献2には4,6−ナイロンなどの熱可塑性樹脂に対してPAN系炭素繊維とウィスカを配合することによって補強し、心材を埋設していなくとも側圧に対抗でき、しかも軽量であることからベルト走行中の遠心張力が小さくベルトの破損も防止できるといったことが記載されている。
更に、特許文献3にはポリアミド樹脂として9,T−ナイロンを用いることによって、心材を用いることなく軽量化を図っており、なおかつ強度的にも更に優れている高負荷伝動ベルトが記載されている。
また、特許文献2および3に各種のウィスカを配合することが記載されているものである。
特開平10−73149号公報 特開2001−311453号公報 特開2002−195351号公報
上記のような繊維やウィスカ等で補強した樹脂を用いることによって、ブロックの耐摩耗性や剛性を高めることができる。しかし、長期にわたってベルトを走行させるとブロックの摩耗は発生し、変速比に影響したりスリップが発生したりして動力伝達能力が低下するといった問題はあり、更なる耐摩耗性の改善が望まれている。
そこで、本発明ではブロックのプーリとの接触面において耐摩耗性や剛性といった強度を低下させることなく、且つ摩耗量を低減することができるベルトの提供を目的とする。
上記のような目的を達成するために本発明の請求項1においては、心体をエラストマー中に埋設したセンターベルトと、該センターベルトの長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロックは熱可塑性樹脂に少なくとも繊維補強材および摩擦低減材を配合した樹脂組成物からなり、該樹脂組成物の全量に対して熱可塑性樹脂30〜89質量%、繊維補強材は10〜60質量%、摩擦低減材は1〜50質量%の割合で配合してなることを特徴とする。
請求項2では、摩擦低減材が炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムである請求項1記載の高負荷伝動ベルトとしている。
請求項3では、炭酸カルシウムがウィスカ状であり、繊維長が10〜100μm、繊維径が0.05〜10μmである請求項2記載の高負荷伝動ベルトとしている。
請求項4では、熱可塑性樹脂が4,6−ナイロンもしくは9,T−ナイロンの少なくともいずれか一方である請求項1〜3記載の高負荷伝動ベルトとしている。
請求項5では、繊維補強材がカーボン繊維である請求項1〜4記載の高負荷伝動ベルトとしている。
請求項6では、センターベルトの長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトに用いる高負荷伝動ベルト用ブロックにおいて、熱可塑性樹脂に少なくとも繊維補強材および摩擦低減材を配合した樹脂組成物からなり、該樹脂組成物の全量に対して熱可塑性樹脂30〜89質量%、繊維補強材は10〜60質量%、摩擦低減材は1〜50質量%の割合で配合した樹脂組成物からなることを特徴とする。
請求項7では、摩擦低減材が炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムである請求項1記載の高負荷伝動ベルト用ブロックとしている。
請求項8では、炭酸カルシウムがウィスカ状であり、繊維長が10〜100μm、繊維径が0.05〜10μmである請求項2記載の高負荷伝動ベルト用ブロックとしている。
請求項9では、熱可塑性樹脂が4,6−ナイロンもしくは9,T−ナイロンの少なくともいずれか一方である請求項1〜3記載の高負荷伝動ベルト用ブロックとしている。
請求項10では、繊維補強材がカーボン繊維である請求項1〜4記載の高負荷伝動ベルト用ブロックとしている。
請求項1では、熱可塑性樹脂からなるブロックに繊維補強材と摩擦低減材を配合していることから、軽量で高回転での使用に適しているとともにブロックの強度も十分に持たせることができ、且つベルト走行時のブロックのプーリとの接触面においてブロックの摩耗量を大きく低減することができる。
請求項2では摩擦低減材として炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムを用いており、剛性などの強度が高く良好な機械的特性をえることができるとともに、ブロックの摩耗量を小さくすることができる。
請求項3では摩擦低減材である炭酸カルシウムの繊維長や繊維径を限定し、高アスペクト比のウィスカを用いていることから、炭酸カルシウムの樹脂への分散性に優れブロックの耐摩耗性や剛性など機械的強度の向上に有効である。
請求項4においては、熱可塑性樹脂として4,6−ナイロンもしくは9,T−ナイロンを用いるとしているが、4,6−ナイロンや9,T−ナイロンは、結晶性樹脂でこれら熱可塑性樹脂の中でも高温での曲げ剛性及び耐疲労強度に優れ、これに炭素繊維を補強材として添加することで、これらの特性が一層向上するものである。さらに、ポリアミド46によるブロックを用いたベルトはプーリに掛架して走行させたときに、プーリを摩耗させる量も少ない。
請求項5では、配合する繊維補強材をカーボン繊維としており、ブロックに十分な強度と剛性を与えることができる。
請求項6では、熱可塑性樹脂からなるブロックに繊維補強材と摩擦低減材を配合していることから、軽量で高回転での使用に適しているとともにブロックの強度も十分に持たせることができ、且つベルト走行時のブロックのプーリとの接触面においてブロックの摩耗量を大きく低減することができる。
請求項7では摩擦低減材として炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムを用いており、剛性などの強度が高く良好な機械的特性をえることができるとともに、ブロックの摩耗量を小さくすることができる。
請求項8では摩擦低減材である炭酸カルシウムの繊維長や繊維径を限定し、高アスペクト比のウィスカを用いていることから、炭酸カルシウムの樹脂への分散性に優れブロックの耐摩耗性や剛性など機械的強度の向上に有効である。
請求項9においては、熱可塑性樹脂として4,6−ナイロンもしくは9,T−ナイロンを用いるとしているが、4,6−ナイロンや9,T−ナイロンは、結晶性樹脂でこれら熱可塑性樹脂の中でも高温での曲げ剛性及び耐疲労強度に優れ、これに炭素繊維を補強材として添加することで、これらの特性が一層向上するものである。さらに、ポリアミド46によるブロックを用いたベルトはプーリに掛架して走行させたときに、プーリを摩耗させる量も少ない。
請求項10では、配合する繊維補強材をカーボン繊維としており、ブロックに十分な強度と剛性を与えることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明を具体的に説明する。
図1は、本発明に係る高負荷伝動ベルト1の一例を示す斜視概略図であり、図2は側面図である。本発明の高負荷伝動ベルト1は、エラストマー4内に心線5をスパイラル状に埋設してなる同じ幅の二本のセンターベルト3a、3bと、このセンターベルト3a、3bに係止固定されている複数のブロック2とから構成されている。このブロック2の両側面2a、2bは、プーリのV溝と係合する傾斜のついた面となっており、駆動されたプーリから動力を受け取って、係止固定されているセンターベルト3a、3bを引張り、駆動側プーリの動力を従動側プーリに伝動している。
ブロック2は、図1、図2に示すように、上ビーム11および下ビーム12と、上下ビーム11、12の中央部同士を連結したピラー13からなっており、ブロック2の両側面2a、2bには一対のセンターベルト3a、3bを嵌めこむ溝14、15が形成されている。また、溝15内の溝上面16および溝下面17にはセンターベルト3a、3bの上面に設けた凹条部18と下面に設けた凹条部19に係合する凸条部20、21に係合するようになっている。
また本発明ではブロック2として用いられる素材として、熱可塑性樹脂に少なくとも繊維補強材および摩擦低減材を配合した樹脂組成物からなり、樹脂組成物の全量に対して熱可塑性樹脂30〜89質量%、繊維補強材は10〜60質量%、摩擦低減材は1〜50質量%の割合で配合してなる。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、4,6−ナイロン、9,T−ナイロン等を挙げることができる。これらの中でも4,6−ナイロンもしくは9,T−ナイロンを使用することが好ましい。4,6−ナイロンおよび9,T−ナイロンは、結晶性樹脂で熱可塑性樹脂の中でも剛性等の機械的強度や耐摩耗性に優れ、繊維補強材を添加することでこれらの特性が一層向上するものである。また、射出成形が可能になることから、ブロックの成形を行うのがより簡単であるというメリットもある。更に4,6−ナイロンや9,T−ナイロンからなるブロックを用いたベルトは走行させたときに、プーリを摩耗させる量が少ないので、プーリの摩耗により走行を不安定にするといった問題も少なくなる。
9,T−ナイロンは、芳香環と長鎖ジアミンを有するポリアミド樹脂で、ノナンジアミンとテレフタル酸の重縮合により製造され、芳香環と高級脂肪族鎖を有していることから、耐熱性、低吸水性を有している。また、ホモポリマーで結晶化度が高いため、結晶化度の低いポリアミドと比較すると4,6−ナイロンと同様に耐摩耗性、耐衝撃性、耐疲労性に優れている。従って、本材料を使用することにより、耐摩耗性、耐衝撃性、耐疲労性、熱時の曲げ剛性などの物性に優れているとともに吸水性の問題も少ないブロックを得ることができる。9,T−ナイロンの商品の例としては株式会社クラレの「ジェネスタ」を挙げることができる。
また、その他の樹脂の具体例として、以下のものが挙げられる。4,6−ナイロン:株式会社クラレ「スタニール」6,6−ナイロン:旭化成ケミカルズ株式会社「レオナ」、6−ナイロン:宇部興産株式会社「UBEナイロン」。
繊維補強材を配合することでブロックの剛性や耐摩耗性を向上させることができるが、本発明で用いられる繊維補強材としては、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ポリエステル繊維等からなる短繊維を挙げることができる。ブロックの剛性をより高めるとともに耐摩耗性を向上させるという面から前記の繊維の中では炭素繊維を用いることが最も好ましく、更に好ましくはPAN系炭素繊維を用いることである。
PAN系炭素繊維はそもそも弾性率が高くて補強効果の高い繊維であるが、そのなかでも特に弾性率が280〜700GPaと高いものを用いることによって、本発明のような高負荷伝動ベルトのブロックとして用いる場合にも十分に耐えうる素材を提供することができる。弾性率が280GPa未満であるとブロックの耐側圧性はある程度得られるものの耐摩耗性に関しては不足気味になり、700GPaを超えると弾性率の高いものにしても耐側圧性や耐摩耗性の向上はあまり見られずコスト的に高いものとなるので好ましくない。
繊維補強材の長さは通常0.1〜10mm程度のものを用いる。繊維補強材の配合量は10〜60質量%としており、10質量%未満であると十分な補強効果を得ることができず、60質量%を超えるとブロックの射出成形が困難になるので好ましくない。
摩擦低減材としては炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、超高分子量ポリエチレン、フッ素樹脂、チタン酸カリウム、グラファイト、ホウ酸アルミニウム、アルミナ、鉄粉、酸化亜鉛、二硫化モリブデン、マイカ、タルク(含水ケイ酸マグネシウム)、パイロフィライト(ろう石クレー)等を挙げることができ、通常1〜50質量%の範囲で配合する。1質量%未満であれば後述する耐摩耗性を向上させる効果が少なく、50質量%を超えると樹脂への配合が困難になるので好ましくない。
これらの摩擦低減材の内、炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムを用いる場合は特に熱可塑性樹脂に対して1〜50質量%の範囲で配合することが好ましい。1質量%未満であるとブロックとプーリが接したとき摩耗量を低減する効果が十分に得られず、50質量%を超えると、ブロックの耐衝撃性が低下して十分な物性を得ることができなくなるので好ましくない。
フッ素樹脂としては、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)、ポリフッ化エチレンプロピルエーテル(PFPE)、4フッ化エチレン6フッ化プロピレン共重合体(PFEP)、ポリフッ化アルコキシエチレン(PFA)等が挙げられる。
本発明で用いる炭酸カルシウムとしては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、球状炭酸カルシウム、炭酸カルシウムウィスカ等を挙げることができる。また、炭酸カルシウムには、樹脂との界面を親和させ物性を上げるため、表面処理されていても良い。表面処理はビニルシラン系、アミノシラン系、脂肪酸系などがある。リン酸カルシウムも同様である。実際に用いられる炭酸カルシウムとしては、炭酸カルシウムウィスカ:丸尾カルシウム 「ウィスカル」、軽質炭酸カルシウム : 丸尾カルシウム 「MSK」、重質炭酸カルシウム : 丸尾カルシウム 「ナノックス」、立方体炭酸カルシウム : 丸尾カルシウム 「CUBE」、球状炭酸カルシウム : 丸尾カルシウム 「カルファイン」、リン酸カルシウム : 丸尾カルシウム 「HAP」等が挙げられる。
センターベルト3a、3bのエラストマー4として使用されるものは、クロロプレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴムなどの単一材又はこれらを適宜ブレンドしたゴムあるいはポリウレタンゴム等が挙げられる。そして、心線5としてはポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、スチールワイヤ等から選ばれたロープが用いられる。また、心線5はロープをスパイラル状に埋設したもの以外にも、上記の繊維からなる織布、編布や金属薄板等を使用することもできる。
次に、本発明の高負荷伝動ベルトに用いる炭酸カルシウムを所定量配合したブロックと同様の配合である樹脂成形物からなる試験片と本発明から外れた配合である樹脂成形体からなる試験片とをもちいて、樹脂の摩擦係数および摩耗量の比較を行った。
(実施例1)
実施例1の樹脂成形物は繊維補強材としてカーボン繊維を30質量%含有するとともに、摩耗低減材として炭酸カルシウムウィスカを10質量%含有する4,6−ナイロンを使用した。
この樹脂成形体を用いて摩擦係数および摩耗量をスラスト摩耗試験により測定した。測定条件は荷重を1.5MPaとし、滑り速度は0.5m/sとした。摩耗量はスラスト摩擦摩耗試験前後における樹脂成形体の厚みの減少量として測定した。その結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例2では摩耗低減材として球状炭酸カルシウムを10質量%配合した以外は実施例1と同様にして樹脂成形体を作製した。
この樹脂成形体を用いて摩擦係数および摩耗量を測定した。測定条件は荷重を1.5MPaとし、滑り速度は0.5m/Sとした。摩耗量はスラスト摩擦摩耗試験前後における樹脂成形体の厚みの減少量として測定した。その結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例3では摩耗低減材として軽質炭酸カルシウムを10質量%配合した以外は実施例1と同様にして樹脂成形体を作製した。
この樹脂成形体を用いて摩擦係数および摩耗量を測定した。測定条件は荷重を1.5MPaとし、滑り速度は0.5m/Sとした。摩耗量はスラスト摩擦摩耗試験前後における樹脂成形体の厚みの減少量として測定した。その結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例4では摩耗低減材として重質炭酸カルシウムを10質量%配合した以外は実施例1と同様にして樹脂成形体を作製した。
この樹脂成形体を用いて摩擦係数および摩耗量を測定した。測定条件は荷重を1.5MPaとし、滑り速度は0.5m/Sとした。摩耗量はスラスト摩擦摩耗試験前後における樹脂成形体の厚みの減少量として測定した。その結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例5では摩耗低減材として立方体炭酸カルシウムを10質量%配合した以外は実施例1と同様にして樹脂成形体を作製した。
この樹脂成形体を用いて摩擦係数および摩耗量を測定した。測定条件は荷重を1.5MPaとし、滑り速度は0.5m/Sとした。摩耗量はスラスト摩擦摩耗試験前後における樹脂成形体の厚みの減少量として測定した。その結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例6では摩耗低減材として多孔質リン酸カルシウムを5質量%配合した以外は実施例1と同様にして樹脂成形体を作製した。
この樹脂成形体を用いて摩擦係数および摩耗量を測定した。測定条件は荷重を1.5MPaとし、滑り速度は0.5m/Sとした。摩耗量はスラスト摩擦摩耗試験前後における樹脂成形体の厚みの減少量として測定した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
比較例1では、摩耗低減材である炭酸カルシウムを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして樹脂成形体を作製した。
この樹脂成形体を用いて摩擦係数および摩耗量をスラスト摩耗試験により測定した。測定条件は荷重を1.5MPaとし、滑り速度は0.5m/sとした。摩耗量はスラスト摩擦摩耗試験前後における樹脂成形体の厚みの減少量として測定した。その結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例2では、摩耗低減材として酸化亜鉛を10質量%配合した以外は、実施例1と同様にして樹脂成形体を作製した。
この樹脂成形体を用いて摩擦係数および摩耗量をスラスト摩耗試験により測定した。測定条件は荷重を1.5MPaとし、滑り速度は0.5m/sとした。摩耗量はスラスト摩擦摩耗試験前後における樹脂成形体の厚みの減少量として測定した。その結果を表1に示す。
(比較例3)
比較例3では、摩耗低減材としてアルミナを10質量%配合した以外は、実施例1と同様にして樹脂成形体を作製した。
この樹脂成形体を用いて摩擦係数および摩耗量をスラスト摩耗試験により測定した。測定条件は荷重を1.5MPaとし、滑り速度は0.5m/sとした。摩耗量はスラスト摩擦摩耗試験前後における樹脂成形体の厚みの減少量として測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2008180344
表1の結果からわかるように炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムを配合した樹脂成形材料では、摩擦係数が高く、摩耗量が低く抑えられていることがわかる。
ベルトに装着したブロックの複数方向の撓みを抑えて割れを防止することができ、自動車や自動二輪車、農業機械の無段変速装置など、プーリの有効径が変化し大きなトルクを伝達するようなベルトとして適用することができる。
本発明に係る高負荷伝動ベルトの一例を示す斜視概略図である。 本発明に係る高負荷伝動ベルトの側面図である。
符号の説明
1 高負荷伝動ベルト
2 ブロック
3a センターベルト
3b センターベルト
4 エラストマー
5 心体
6 上面
7 下面
11 上ビーム部
12 下ビーム部
13 センターピラー
14 嵌合溝
15 嵌合溝
18 凸条部
19 凸条部
20 溝条部
21 溝条部

Claims (10)

  1. 心体をエラストマー中に埋設したセンターベルトと、該センターベルトの長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロックは熱可塑性樹脂に少なくとも繊維補強材および摩擦低減材を配合した樹脂組成物からなり、該樹脂組成物の全量に対して熱可塑性樹脂30〜89質量%、繊維補強材は10〜60質量%、摩擦低減材は1〜50質量%の割合で配合してなることを特徴とする高負荷伝動ベルト。
  2. 摩擦低減材が炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムである請求項1記載の高負荷伝動ベルト。
  3. 炭酸カルシウムがウィスカ状であり、繊維長が10〜100μm、繊維径が0.05〜10μmである請求項2記載の高負荷伝動ベルト。
  4. 熱可塑性樹脂が4,6−ナイロンもしくは9,T−ナイロンの少なくともいずれか一方である請求項1〜3記載の高負荷伝動ベルト。
  5. 繊維補強材がカーボン繊維である請求項1〜4記載の高負荷伝動ベルト。
  6. センターベルトの長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトに用いる高負荷伝動ベルト用ブロックにおいて、熱可塑性樹脂に少なくとも繊維補強材および摩擦低減材を配合した樹脂組成物からなり、該樹脂組成物の全量に対して熱可塑性樹脂30〜89質量%、繊維補強材は10〜60質量%、摩擦低減材は1〜50質量%の割合で配合した樹脂組成物からなることを特徴とする高負荷伝動ベルト用ブロック。
  7. 摩擦低減材が炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムである請求項6記載の高負荷伝動ベルト用ブロック。
  8. 炭酸カルシウムがウィスカ状であり、繊維長が10〜100μm、繊維径が0.05〜10μmである請求項7記載の高負荷伝動ベルト用ブロック。
  9. 熱可塑性樹脂が4,6−ナイロンもしくは9,T−ナイロンの少なくともいずれか一方である請求項6〜8記載の高負荷伝動ベルト用ブロック。
  10. 繊維補強材がカーボン繊維である請求項6〜9記載の高負荷伝動ベルト用ブロック。
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