JP2007040416A - 管継手のシール構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 管継手のシール構造に関し、簡素な構成で加工精度を容易に確保でき、シール性を高めることができるようにする。
【解決手段】 内部にそれぞれ流路4を有した被接続部材を互いに接続する管継手10における衝合端面のシール構造であって、管継手10の少なくとも何れか一方の衝合端面5aと流路4の内面4aとの角部を半径外側方向へ切削して形成された環状の溝部1と、該被接続部材の接続時に管継手10の他方、及び、溝部1において環状の周壁をなす内周面1aに着接する断面形状を有して、溝部1の内部に弾性的に環装されたリングシール2と、リングシール2の内径面2aに当接して溝部1内に環装された内径リング3とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 内部にそれぞれ流路4を有した被接続部材を互いに接続する管継手10における衝合端面のシール構造であって、管継手10の少なくとも何れか一方の衝合端面5aと流路4の内面4aとの角部を半径外側方向へ切削して形成された環状の溝部1と、該被接続部材の接続時に管継手10の他方、及び、溝部1において環状の周壁をなす内周面1aに着接する断面形状を有して、溝部1の内部に弾性的に環装されたリングシール2と、リングシール2の内径面2aに当接して溝部1内に環装された内径リング3とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、作業機械の油圧配管に用いて好適な管継手のシール構造に関する。
従来より、油圧ショベルに代表される作業機械には、油圧ポンプから供給される作動油により駆動する油圧式の作業装置が搭載されている。油圧ポンプ及び作業装置は、内部に高圧の作動油を流通させるべく強化処理が施されたワイヤーブレードホース等の油圧ホースによって接続されている。油圧ホースによって形成される作動油の通過ライン上の各所にはホースジョイント等の管継手が介装されており、作業機械のメンテナンス時や組立時に作動油の供給経路を容易に一時的に分断又は接続できるようになっている。
このような管継手として、例えば特許文献1に記載されたものがある。これには、分断される通過ラインの双方の端部に管状部材及び連結管部を各々設け、管状部材と連結管部とを衝合連結可能に形成した管継手において、連結管部の管状部材との衝合端面に環状の溝を形成してオーリング(O−リング)シールを嵌め込む構成が記載されている。また、連結管部の外周にはネジ溝が形成されており、管状部材と連結管部とを突き合わせた状態で管状部材に掛け止められた袋ナットをネジ溝に螺合させることにより、通過ラインが連結される。このような構成により、シールを介して管状部材と連結管部とが隙間なく衝合され、衝合端面において通過ラインを外部に対して封止された状態で連結して、シール性能が確保されている。
ところで、上記のような管継手では、通過ラインの接続時に、管状部材と連結管部との芯位置を正確に合わせてネジ溝に袋ナットを螺合させる必要があるが、各部材を衝合端面に沿って水平に移動させて位置合わせを行う際に、シールに直接部材の端部が接触し、突き合わせ端面の溝内からシールが離脱して部材間で挟まれて破損したりねじれが生じることがある。このようなシールの離脱破損やねじれはシール性能を損なう原因となるため、細心の注意を払って接続作業を行わなければならず、良好な作業性が得られない。
このような課題に対し、シールが嵌め込まれる衝合端面の溝形状をテーパ溝として形成する手法が提案されている。例えば、図6に示すように、管継手16の軸心を通る任意の断面において、溝部11の周面11aが軸心に対して所定の傾斜角度θを持つように衝合端面を切削することが考えられる。この場合、溝部11の周面11aは、衝合端面15側において最小径となり、溝部11の底面11b側ほど環径が拡大した形状とする。
したがって、このようなシール構造によれば、周面11aが溝部11内に嵌め込まれるリングシール12の移動を拘束するように働いて、リングシール12の離脱やねじれを抑制できる。なお、周面11aの勾配を大きくするほど、リングシール12への離脱防止作用が大きくなる。
実開平6−6868号公報
しかし、傾斜した溝形状を形成するには、衝合端面15に対して斜めに切削工具を押し付けて切削する必要があり、施工の難易度が上昇するとともに、施工精度の確保が難しいという課題がある。
また、衝合端面15に対して斜めに溝を切削すると、図6に示すように、溝部11の内径側に壁部13が残り、リングシール12と壁部13との間の隙間が大きくなってしまう。つまり、リングシール12の取り付けガタが大きくなるため、管継手16の接続後に流路14の内圧が負圧になった場合には、リングシール12が壁部13側へ吸い込まれてリングシール12表面が摩耗するおそれがある。そしてこのような摩耗により、衝合端面15からの油漏れ等の不具合を生じかねない。
また、衝合端面15に対して斜めに溝を切削すると、図6に示すように、溝部11の内径側に壁部13が残り、リングシール12と壁部13との間の隙間が大きくなってしまう。つまり、リングシール12の取り付けガタが大きくなるため、管継手16の接続後に流路14の内圧が負圧になった場合には、リングシール12が壁部13側へ吸い込まれてリングシール12表面が摩耗するおそれがある。そしてこのような摩耗により、衝合端面15からの油漏れ等の不具合を生じかねない。
また、リングシール12の溝部11からの離脱防止作用を大きくすべく周面11aの傾斜角度θを大きくすると、管継手16の流路内面14aと溝部11とを区画する壁部13の厚みが小さくなる。特に、図6に示すように、壁部13の衝合端面15側の厚みd0の減少が著しい。このため、管継手16の衝合端面15の面積(より正確には、突き合わせ面積)が減少し、管継手16の接続時に衝合端面15側から作用する軸力によって壁部13が変形したり、管継手16の衝合端面15側の剛性,強度が低下して接続が緩みやすくなるおそれがある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、簡素な構成で施工性が良く、シール性を高めることができるようにした、管継手のシール構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の管継手のシール構造(請求項1)は、内部にそれぞれ流路を有した被接続部材を互いに接続する管継手における衝合端面のシール構造であって、該管継手の少なくとも何れか一方の該衝合端面と該流路の内面との角部を半径外側方向へ切削して形成された環状の溝部と、該被接続部材の接続時に該管継手の他方、及び、該溝部において環状の周壁をなす内周面に着接する断面形状を有して、該溝部の内部に弾性的に環装されたリングシールと、該リングシールの内径面に当接して該溝部内に環装された内径リングとを備えたことを特徴としている。
また、該溝部は、該衝合端面において最小径となる環状溝として形成されることが好ましい(請求項2)。
また、該溝部は、該衝合端面から該被接続部材の軸方向へかけて拡径するテーパ面として形成された該内周面を有するとともに、該リングシールは、該内周面に対して面接触する外径面を有することが好ましい(請求項3)。
また、該溝部は、該衝合端面から該被接続部材の軸方向へかけて拡径するテーパ面として形成された該内周面を有するとともに、該リングシールは、該内周面に対して面接触する外径面を有することが好ましい(請求項3)。
また、該内径リングは、該溝部の該衝合端面からの切削深さと同一の大きさの軸方向高さを有することが好ましい(請求項4)。
また、該内径リングは、該衝合端面に対して略鉛直な筒状の外形を有するとともに、該リングシールは、該内径リングの外形に面接触する該内径面を有することが好ましい(請求項5)。
また、該内径リングは、該衝合端面に対して略鉛直な筒状の外形を有するとともに、該リングシールは、該内径リングの外形に面接触する該内径面を有することが好ましい(請求項5)。
また、該内径リングは、該リングシールとの当接面において半径外側方向へ突出する突起部を有するとともに、該リングシールは、該内径リングとの当接面において該突起部に嵌合する凹部を有することが好ましく(請求項6)、或いは、該内径リングは、該リングシールとの当接面において半径内側方向へ凹設された第2凹部を有するとともに、該リングシールは、該内径リングとの当接面において該第2凹部に嵌合する第2突設部を有することが好ましい(請求項7)。
また、該リングシールは、断面形状が略角形に形成された角リングシールとして設けられることが好ましい(請求項8)。
また、該リングシールは、該溝部の該衝合端面からの切削深さに該被接続部材の接続時におけるつぶし代を加算した軸方向高さを有することが好ましい(請求項9)。
また、該リングシールは、該溝部の該衝合端面からの切削深さに該被接続部材の接続時におけるつぶし代を加算した軸方向高さを有することが好ましい(請求項9)。
本発明の管継手のシール構造(請求項1)によれば、環状の溝部が流路内面から切削形成されているため、容易に溝加工が可能となり、良好な溝部の面精度が得られるとともに、製造コストを削減できる。また、リングシールが溝部の内周面及び衝合端面に着接するため、リングシールの半径外側方向への移動を防止でき、衝合端面におけるシール性を向上させることができる。また、内径リングによってリングシールの半径内側方向への移動をも防止してガタをなくすことができ、より衝合端面のシール性を高めることができる。
また、本発明の管継手のシール構造(請求項2)によれば、管継手接続時におけるリングシールの溝部からの離脱を防止できる。
また、本発明の管継手のシール構造(請求項3)によれば、テーパ状に形成された周面に対してリングシールが面接触するため、管継手接続時におけるリングシールの溝部からの離脱をより効果的に防止できるとともに、溝部の内周面にリングシールが面接触するため、密着性を高めてよりリングシールを離脱しにくくでき、接続作業性を向上させることができる。
また、本発明の管継手のシール構造(請求項3)によれば、テーパ状に形成された周面に対してリングシールが面接触するため、管継手接続時におけるリングシールの溝部からの離脱をより効果的に防止できるとともに、溝部の内周面にリングシールが面接触するため、密着性を高めてよりリングシールを離脱しにくくでき、接続作業性を向上させることができる。
また、本発明の管継手のシール構造(請求項4)によれば、管継手の軸方向へ働く軸力を内径リングに負担させることができる。内径リングの衝合端面との接触面積は、リングの肉厚を変更することで任意に設定できるため、管継手に作用しうる軸力に対して十分な剛性・強度を与えることができる。つまり、内径リングの変形を防止でき、ひいては管継手全体の剛性・強度を高めることができ、被接続部材を互いに固定するためのネジの緩みを防止できる。
また、本発明の管継手のシール構造(請求項5)によれば、内径リングの構成が簡素となり、コストを削減できる。また、リングシールが内径リングに面接触した状態で位置固定されるため、リングシールのガタ詰め効果がより確実となる。
また、本発明の管継手のシール構造(請求項6,7)によれば、突起部(又は第2突起部)と凹部(又は第2凹部)との嵌合により、内径リングとの着接面におけるリングシールの軸方向への移動を拘束でき、リングシールの摩耗を防止できる。
また、本発明の管継手のシール構造(請求項6,7)によれば、突起部(又は第2突起部)と凹部(又は第2凹部)との嵌合により、内径リングとの着接面におけるリングシールの軸方向への移動を拘束でき、リングシールの摩耗を防止できる。
また、本発明の管継手のシール構造(請求項8)によれば、リングシールを角リングとすることによって、溝内への座り性(リングシールが長期間安定して溝内に収まっていられる性能)をさらに高めることができ、シールのねじれ防止効果を向上させることができる。
また、本発明の管継手のシール構造(請求項9)によれば、リングシールが衝合端面からの切削深さにつぶし代を加算した軸方向高さを有しているため、被接続部材の接続時に、リングシールをつぶし代分だけ圧縮した状態で溝内に環装させることができ、シール性を向上させることができる。
また、本発明の管継手のシール構造(請求項9)によれば、リングシールが衝合端面からの切削深さにつぶし代を加算した軸方向高さを有しているため、被接続部材の接続時に、リングシールをつぶし代分だけ圧縮した状態で溝内に環装させることができ、シール性を向上させることができる。
以下、図面により、本発明の一実施形態及びその変形例について説明する。
図1〜図5は本発明の一実施形態及びその変形例としての管継手のシール構造を説明する図であり、図1は本構造の要部構成を示す断面図(図4のA部拡大図)、図2は本構造のリングシールを示す斜視図、図3(a)は図2のリングシールの断面図、図4は本構造の側面,断面図である。なお、図3(b)は変形例としてのリングシールの断面図であり、図5は本構造の変形例を示す断面図である。
図1〜図5は本発明の一実施形態及びその変形例としての管継手のシール構造を説明する図であり、図1は本構造の要部構成を示す断面図(図4のA部拡大図)、図2は本構造のリングシールを示す斜視図、図3(a)は図2のリングシールの断面図、図4は本構造の側面,断面図である。なお、図3(b)は変形例としてのリングシールの断面図であり、図5は本構造の変形例を示す断面図である。
[構成]
図4に示すように、本発明のシール構造が適用された管継手10は、管状部材7と、その端部に掛け止められた袋ナット8と、連結管部6とを備えて構成される。管状部材7及び連結管部6の内部には、それぞれ、管継手10の接続時に作動油の通過ラインをなす流路4が形成される。また、袋ナット8の内周面にはネジ溝が形成されており、管状部材7の端部においてネジ溝の螺合方向へ回動自在に掛け止められている。
図4に示すように、本発明のシール構造が適用された管継手10は、管状部材7と、その端部に掛け止められた袋ナット8と、連結管部6とを備えて構成される。管状部材7及び連結管部6の内部には、それぞれ、管継手10の接続時に作動油の通過ラインをなす流路4が形成される。また、袋ナット8の内周面にはネジ溝が形成されており、管状部材7の端部においてネジ溝の螺合方向へ回動自在に掛け止められている。
一方、連結管部6の外周面には、袋ナット8のネジ溝に螺合するネジ山が形成される。これにより、袋ナット8を連結管部6に締結してゆくと、連結管部6の衝合端面5aと管状部材7の衝合端面5bとの距離が徐々に縮まり、完全に締結すると衝合端面5a,5b同士が衝合して面接触し、通過ラインが接続される。また、連結管部6の衝合端面5aには、流路4を外部に対して封止するシール構造が適用されている。
なお、この管継手10は作業機械の油圧配管路上に介装されており、管継手10内部の流路4には高圧の作動油が流通する。また、図3に示すように、管状部材7には高圧ホースとしてのワイヤーブレードホース9が取り付けられている。
図4のA部拡大図を図1に示す。連結管部6の上端部には、衝合端面5aと流路内面4aとの角部を半径外側方向へ切削して形成された環状の溝部1が設けられている。この溝部1の環状の周壁をなす周面1aは、連結管部6の軸心Cを通る任意の断面において、軸心Cに対して所定の傾斜角度θを持つように環状に切削形成されて、衝合端面5aから連結管部6の軸方向へかけて拡径するテーパ面として形成されている。つまり、周面1aは、衝合端面5a側において最小径となり、溝部1の底面1b側へ進むに連れて環径が拡大している。
図4のA部拡大図を図1に示す。連結管部6の上端部には、衝合端面5aと流路内面4aとの角部を半径外側方向へ切削して形成された環状の溝部1が設けられている。この溝部1の環状の周壁をなす周面1aは、連結管部6の軸心Cを通る任意の断面において、軸心Cに対して所定の傾斜角度θを持つように環状に切削形成されて、衝合端面5aから連結管部6の軸方向へかけて拡径するテーパ面として形成されている。つまり、周面1aは、衝合端面5a側において最小径となり、溝部1の底面1b側へ進むに連れて環径が拡大している。
なお、管継手10の施工過程において、この溝部1の形状は、流路内面4a側から外側へ向けて略垂直に切削工具を押し付けて切削加工されたものである。本実施形態では、溝部1の衝合端面5aからの切削深さが、図1に示すように、d1に設定されている。また、周面1aの傾斜角度θは、20°前後に設定されている。
溝部1の内部には、リングシール2と内径リング3とが環装されている。リングシール2は、図2に示すように、溝部1に弾性的に環装されるOリング状のシール部材である。リングシール2は、その断面形状を図3(a)に示すように、不等辺四角形様の角形に形成されて、角リングシールとして設けられている。
溝部1の内部には、リングシール2と内径リング3とが環装されている。リングシール2は、図2に示すように、溝部1に弾性的に環装されるOリング状のシール部材である。リングシール2は、その断面形状を図3(a)に示すように、不等辺四角形様の角形に形成されて、角リングシールとして設けられている。
なお、図1に示すように、連結管部6と管状部材7とが接続されていない状態では、リングシール2が、溝部1の衝合端面からの切削深さd1に、つぶし代d3を加算した軸方向高さを有しており、溝部1内に環装されたリングシール2の上端部2dが衝合端面5aの延長面よりもつぶし代d3分だけ突出するようになっている。また、この突出した上端部2dは、連結管部6と管状部材7とが接続されると、管状部材7側の衝合端面5bによって押圧されるようになっている。これにより、リングシール2が上下方向に圧縮されて変形し、周面1a,衝合端面5b及び後述する内径リング3に着接するようになっている。
リングシール2の外径面2b(すなわち、リングシール2の外縁をなす面)には溝部1の周面1aと略同一の傾斜が設けられている。また、リングシール2が溝部1に取り付けられたときに、リングシールの外径面2bが衝合端面5aに対して傾斜するように形成されて着接するのに対し、リングシール2の内径面2a(すなわち、リングシール2の内縁をなす面)は、衝合端面5aに対して略垂直に形成されている。
また、この内径面2aには、内径面2aをリングシール2の半径外側方向へ凹設した凹部2cが形成されている。この凹部2cは、図3(a)に示すように、リングシール2の断面において、内径面2aの上下方向中間部付近を内側へ押し込んだような窪みとして形成されるとともに、図2に示すように、リングシール2の全内径面2aに亘って環状の溝として形成されている。
一方、リングシール2のさらに内側には、図1に示すように、内径面2aに当接して環装される金属製の内径リング3が設けられている。内径リング3の外周面は、リングシール2の内径面2aと同様に、衝合端面5aに対して略垂直に形成されてている。これにより、リングシール2と内径リング3とが面接触するようになっている。
また、この内径リング3の軸方向高さd2は、溝部1の切削深さd1と同一の大きさになるように形成されている。これにより、管継手10が接続されて衝合端面5a,5bが衝合したときに、内径リング3の端面3bも衝合端面5bに衝合することになる。したがって、内径リング3を介して軸力の伝達がなされる。
また、この内径リング3の軸方向高さd2は、溝部1の切削深さd1と同一の大きさになるように形成されている。これにより、管継手10が接続されて衝合端面5a,5bが衝合したときに、内径リング3の端面3bも衝合端面5bに衝合することになる。したがって、内径リング3を介して軸力の伝達がなされる。
また、リングシール2と当接する内径リング3の外周面側には、半径外側方向へ突出した突起部3aが設けられている。この突起部3aは、内径リング3の全外周面に亘って環状の突起として形成されて、リングシール2の凹部2cに嵌合するようになっている。
なお、内径リング3の内径は、流路4の内径と同一もしくはそれよりも大きく形成されている。
なお、内径リング3の内径は、流路4の内径と同一もしくはそれよりも大きく形成されている。
[作用・効果]
以上のような構成により、本実施形態の管継手のシール構造は以下のような作用・効果を奏する。
まず、本シール構造の施工時には、連結管部6の衝合端面5aと流路内面4aとの角部において、流路内面4a側から外側へ向けて略垂直に切削工具を押し付けて切削加工される。溝部1の周面1aは、衝合端面5aから連結管部6の軸方向へかけて拡径するテーパ面として形成される。ここで、切削工具の押し付け方向が流路内面4aに対し略垂直であるから、溝部1の底面1bも精度良く略垂直に形成することが容易である。また、周面1aのテーパ勾配については、切削工具の刃形状によって容易に設定できる。さらに本シール構造の場合、衝合端面15に対して切削工具を斜めに配置して切削する必要がないため、切削施工自体を容易とすることができ、溝部1の周面1a,底面1bの切削精度を高めることができる。
以上のような構成により、本実施形態の管継手のシール構造は以下のような作用・効果を奏する。
まず、本シール構造の施工時には、連結管部6の衝合端面5aと流路内面4aとの角部において、流路内面4a側から外側へ向けて略垂直に切削工具を押し付けて切削加工される。溝部1の周面1aは、衝合端面5aから連結管部6の軸方向へかけて拡径するテーパ面として形成される。ここで、切削工具の押し付け方向が流路内面4aに対し略垂直であるから、溝部1の底面1bも精度良く略垂直に形成することが容易である。また、周面1aのテーパ勾配については、切削工具の刃形状によって容易に設定できる。さらに本シール構造の場合、衝合端面15に対して切削工具を斜めに配置して切削する必要がないため、切削施工自体を容易とすることができ、溝部1の周面1a,底面1bの切削精度を高めることができる。
次に、環状のリングシール2の外径面2bを手に持ち、リングシール2全体を絞って半径内側方向へ縮径させながら溝部1の中へ押し込むと、リングシール2が溝部2内へ弾性的に環装される。ここで、リングシール2の外径面2bの傾斜は、溝部1の周面1aの傾斜と略同一となっているため、外径面2bの全体を周面1aに着接させることができる。また、周面1aが衝合端面5aにおいて最小径となる環状溝として形成されているため、溝部1内からリングシール2を離脱しにくくすることができる。
そして、リングシール2の内側に内径リング3が環装される。内径リング3の外周面はリングシール2の内径面2aと面接触するとともに、内径リング3の外周面側の突起部3aはリングシール2の内径面2aの凹部2cと嵌合する。このとき、溝部1内におけるリングシール2及び内径リング3の配置状態は図1に示すとおりである。
したがって、本シール構造によれば、図6に示された従来のシール構造と比較して、リングシール2の内径面2a側に隙間なく内径リング3を配置できる。また、このとき、リングシール2の外径面2bは溝部1の周面1aに着接しているため、リングシール2の径方向への移動を何れの方向についても拘束できる。さらに、突起部3aと凹部2cとが嵌合するため、リングシール2の上下方向への移動についても拘束できる。つまり、リングシール2のガタを略完全に詰めることができ、リングシール2表面の摩耗を防止できる。
したがって、本シール構造によれば、図6に示された従来のシール構造と比較して、リングシール2の内径面2a側に隙間なく内径リング3を配置できる。また、このとき、リングシール2の外径面2bは溝部1の周面1aに着接しているため、リングシール2の径方向への移動を何れの方向についても拘束できる。さらに、突起部3aと凹部2cとが嵌合するため、リングシール2の上下方向への移動についても拘束できる。つまり、リングシール2のガタを略完全に詰めることができ、リングシール2表面の摩耗を防止できる。
連結管部6に管状部材7を接続させる際、リングシール2に管状部材7の端部が接触したとしても、溝部1の周面1aは衝合端面5a側において最小径となる傾斜を有しているため、溝部1内からリングシール2が離脱することもない。さらに、リングシール2は、略角形の角リングシール形状となっているため、溝部1内での座り性がよく、接続時にねじれを生じることもない。また、連結管部6と管状部材7とが接続されていない状態において、リングシール2が、溝部1の衝合端面からの切削深さd1に、つぶし代d3を加算した軸方向高さを有しているため、連結管部6と管状部材7との接続時には、リングシール2をつぶし代d3分だけ上下方向へ圧縮することができ、周面1a,衝合端面5b及び内径リング3に着接させることができる。なお、本シール構造では、テーパ状に形成された周面1aに対してリングシール2が面接触するため、溝内1への座り性をより向上させることができる。
管状部材7に掛け止められた袋ナット8を連結管部6に螺合させて管継手10を接続すると、衝合端面5aから突出したリングシール2の上端部2dが下方向へ押し付けられ、リングシール2が上下方向に圧縮されて変形し、周面1a,衝合端面5b及び内径リング3に密着する。ここで、内径リング3の軸方向の高さd2は、溝部1の切削高さd1と同じ大きさであるから、衝合端面5aに対向接触する管状部材7の衝合端面5bは、内径リング3の端面3bにも接触することになる。これにより、衝合端面5a,5bを介して軸力が内径リング3にも伝達される。
ここで、本シール構造によれば、図6に示された従来のシール構造と比較して、リングシール2のガタがほとんどなく、その分内径リング3の端面3bの面積が大きくなる。したがって、内径リング3が負担する軸方向の応力を小さくでき、内径リング3自体の変形を防止でき、ひいては管継手全体の剛性・強度を高めることができる。これにより、袋ナット8の緩みを防止できる。なお、内径リング3と衝合端面5bとの接触面積は、内径リング3の肉厚を変更することで任意に設定できる。
[その他]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態では、リングシール2の内径面2aにおいて半径外側方向へ凹設された凹部2cが形成されるとともに、内径リング3の外周面側に凹部2cと嵌合する突起部3aが形成されているが、リングシール2と内径リング3との嵌合形状は任意である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態では、リングシール2の内径面2aにおいて半径外側方向へ凹設された凹部2cが形成されるとともに、内径リング3の外周面側に凹部2cと嵌合する突起部3aが形成されているが、リングシール2と内径リング3との嵌合形状は任意である。
例えば、図3(b)に示すように、リングシール2の内径面2aにおいて、半径内側方向へ突設された第2突起部2c′を形成してもよい。この場合、図5に示すように、内径リング3の外周面側に第2突起部2c′と嵌合する形状の凹み(第2凹部)3a′を形成することにより、上述の実施形態と同一の作用効果を奏するものとなる。
なお、溝部1の周面1aは、リングシール2の形状に応じた面形状を備えることが好ましく、例えば、Oリング形状やXリング形状のリングシール2を用いる場合には、それらのリングシール外形に合わせて適宜面形状を設定してもよい。
なお、溝部1の周面1aは、リングシール2の形状に応じた面形状を備えることが好ましく、例えば、Oリング形状やXリング形状のリングシール2を用いる場合には、それらのリングシール外形に合わせて適宜面形状を設定してもよい。
また、上述の実施形態では、リングシール2の内径面2a及び内径リング3の外周面が衝合端面5aに対して略垂直に形成されているが、これらの面が衝合端面5aに対して傾斜して形成されてもよい。
また、リングシール2の内径面2aの凹部2cは、全内径面2aに亘って環状に形成されていなくてもよく、例えば、内径面2aを部分的に凹んだ部分を設けるのでもよい。またこれに対応して、内径リング3の突起部3aについても、全外周面に亘って形成される必要はない。さらに、これらの凹部2c及び突起部3aは必須の構成要素ではない。
また、リングシール2の内径面2aの凹部2cは、全内径面2aに亘って環状に形成されていなくてもよく、例えば、内径面2aを部分的に凹んだ部分を設けるのでもよい。またこれに対応して、内径リング3の突起部3aについても、全外周面に亘って形成される必要はない。さらに、これらの凹部2c及び突起部3aは必須の構成要素ではない。
また、上述の実施形態では、リングシール2として角リングシールが用いられているが、OリングシールやXリングシール等、種々のリングシールを適用可能である。
1 溝部
1a 周面
1b 底面
2 リングシール
2a 内径面
2b 外径面
2c 凹部
2c′ 第2突起部
3 内径リング
3a 突起部
3a′ 第2凹部
3b 端面
4 流路
4a 流路内面
5a,5b 衝合端面
6 連結管部
7 管状部材
8 袋ナット
9 ワイヤーブレードホース
10 管継手
1a 周面
1b 底面
2 リングシール
2a 内径面
2b 外径面
2c 凹部
2c′ 第2突起部
3 内径リング
3a 突起部
3a′ 第2凹部
3b 端面
4 流路
4a 流路内面
5a,5b 衝合端面
6 連結管部
7 管状部材
8 袋ナット
9 ワイヤーブレードホース
10 管継手
Claims (9)
- 内部にそれぞれ流路を有した被接続部材を互いに接続する管継手における衝合端面のシール構造であって、
該管継手の少なくとも何れか一方の該衝合端面と該流路の内面との角部を半径外側方向へ切削して形成された環状の溝部と、
該被接続部材の接続時に該管継手の他方、及び、該溝部において環状の周壁をなす内周面に着接する断面形状を有して、該溝部の内部に弾性的に環装されたリングシールと、
該リングシールの内径面に当接して該溝部内に環装された内径リングと
を備えたことを特徴とする、管継手のシール構造。 - 該溝部は、該衝合端面において最小径となる環状溝として形成される
ことを特徴とする、請求項1記載の管継手のシール構造。 - 該溝部は、該衝合端面から該被接続部材の軸方向へかけて拡径するテーパ面として形成された該内周面を有するとともに、
該リングシールは、該内周面に対して面接触する外径面を有する
ことを特徴とする、請求項2記載の管継手のシール構造。 - 該内径リングは、該溝部の該衝合端面からの切削深さと同一の大きさの軸方向高さを有する
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の管継手のシール構造。 - 該内径リングは、該衝合端面に対して略鉛直な筒状の外形を有するとともに、
該リングシールは、該内径リングの外形に面接触する該内径面を有する
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の管継手のシール構造。 - 該内径リングは、該リングシールとの当接面において半径外側方向へ突出する突起部を有するとともに、
該リングシールは、該内径リングとの当接面において該突起部に嵌合する凹部を有する
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の管継手のシール構造。 - 該内径リングは、該リングシールとの当接面において半径内側方向へ凹設された第2凹部を有するとともに、
該リングシールは、該内径リングとの当接面において該第2凹部に嵌合する第2突設部を有する
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の管継手のシール構造。 - 該リングシールは、断面形状が略角形に形成された角リングシールとして設けられる
ことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の管継手のシール構造。 - 該リングシールは、該溝部の該衝合端面からの切削深さに該被接続部材の接続時におけるつぶし代を加算した軸方向高さを有する
ことを特徴とする、請求項1〜8の何れか1項に記載の管継手のシール構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005225436A JP2007040416A (ja) | 2005-08-03 | 2005-08-03 | 管継手のシール構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005225436A JP2007040416A (ja) | 2005-08-03 | 2005-08-03 | 管継手のシール構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007040416A true JP2007040416A (ja) | 2007-02-15 |
Family
ID=37798595
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005225436A Withdrawn JP2007040416A (ja) | 2005-08-03 | 2005-08-03 | 管継手のシール構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007040416A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011127738A (ja) * | 2009-12-21 | 2011-06-30 | Asahi Organic Chemicals Industry Co Ltd | 配管装置 |
US8302972B2 (en) * | 2004-09-23 | 2012-11-06 | Huhnseal Ab | Sealing system for joints |
-
2005
- 2005-08-03 JP JP2005225436A patent/JP2007040416A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8302972B2 (en) * | 2004-09-23 | 2012-11-06 | Huhnseal Ab | Sealing system for joints |
JP2011127738A (ja) * | 2009-12-21 | 2011-06-30 | Asahi Organic Chemicals Industry Co Ltd | 配管装置 |
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