JP2007039997A - ドア等開閉アシスト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ドア等の開閉動作に伴う労力を軽減できるような装置を簡素に且つ安価に構成する。
【解決手段】 ドア3の上部にギヤボックス9を備えたアシストユニット4を取付け、ギヤボックス9内に、巻き取りギヤ14や走行ギヤ15やゼンマイバネ16等を設ける。一方、ドアレール2に、巻き取りギヤ14に噛合する第1ラック5と、走行ギヤ15に噛合する第2ラック6を設け、ドア3を開閉する初期の段階で、第1ラック5に噛合する巻き取りギヤ14の回転によって、ゼンマイバネ16が巻き上げられて弾性力が蓄勢されるようにし、巻き取りギヤ14が第1ラック5を外れた状態で第2ラック6が走行ギヤ15に噛合し、またゼンマイバネ16が解放されるようにし、そのときの解放力で走行ギヤ15が回転して、ドア開閉の残りのストロークがアシストされるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばスライド式のドアや窓(以下、ドア等という。)の開閉を助力するアシスト装置に関する。
従来、例えば自動車おもちゃ等の駆動源として、車輪を後退側に回転させることによりゼンマイを巻き上げて弾性力を蓄勢しておき、自動車おもちゃから手を離すことにより走行用かけ上がり歯車を介して車輪を前進方向に回転させるいわゆるプルバック式ゼンマイ駆動のおもちゃ等が知られている。
一方、介護施設や病院等の引違い窓の開閉装置として、介護者などがそばにいなくても窓を開放できるようにするため、リモートコントロール操作により窓を開閉できるようにし、この際、電動モータで窓を閉める際、ゼンマイバネを巻き上げて弾性力を蓄勢し、窓を開くとき、ゼンマイバネの解放力を利用することによって、手動では窓の開放を阻止するようにした技術(例えば、特許文献1参照。)なども知られている。
特開2004−250946号公報
ところが、上記特許文献1の引違い窓の開閉装置の場合、リモートコントロール操作するための設備構成が複雑で、設備費用もかかり、また開閉作動の際にコントローラ等を必要とするため、例えば家のドアの開閉機構などに採用すると、室外に出る場合でもコントローラ等を持参しなければならず、不便であった。
一方、スライド式のドアの場合、開閉動作のすべてを手で操作するのは労力がかかるため、開閉労力を軽減することができれば好ましかった。
そこで、本発明は簡素で且つ安価な構成ながら、ドア等の開閉動作の労力を軽減できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、ドア等の開放または閉鎖をアシストする装置として、ドア等に一体に取り付けられるギヤボックスと、ドア等レールの端部付近に設けられ且つ前記ギヤボックスの第1歯車が噛合する所定長さの第1ラックと、前記第1歯車の回転によって巻き上げられて弾性力を蓄勢するギヤボックス内のゼンマイバネと、このゼンマイバネに歯車列を介して噛合するギヤボックスの第2歯車と、この第2歯車に噛合し且つ前記ドア等レールに設けられる第2ラックを設け、ドア等開閉の初期の段階で前記第1ラックに噛合する第1歯車を回転させることによってゼンマイバネを巻き上げて弾性力を蓄勢するとともに、第1歯車が第1ラックを外れると、ゼンマイバネの解放力が歯車列を介して第2歯車に伝達され、ドア等開閉の残りのストロークの駆動力がアシストされるようにした。
すなわち、プルバック式ゼンマイ駆動の自動車おもちゃの原理を活用し、自動車おもちゃの場合は、車輪を後退側に回転させてゼンマイを巻き上げて弾性力を蓄勢することにより、ゼンマイバネを解放させると車輪が前進側に回転するようになっているが、本発明の場合は、第1歯車を前進側に回転させてゼンマイを巻き上げた後、ゼンマイバネを解放すると、第2歯車も前進側に回転するような歯車列にしておく。
このことにより、ドア等の開閉を操作する人は、ドア等開閉の初期段階だけ力が必要であるが、その後は自動的に開閉されることになり、労力が軽減される。また、装置構成は簡素であり、安価に構成できる。
なお、このような装置は、ドア等の解放側または閉鎖側のいずれか一方だけに設けるようにしてもよく、両方に設けるようにしてもよい。
また、本発明では、前記ドア等開閉アシスト装置として、ドア等開放用のギヤボックスと、ドア等閉鎖用ギヤボックスとを一対設けるようにした。
このように、一対設ければ、ドア等の開放、閉鎖の両方の操作が楽になり、便利である。
第1歯車と第1ラックの噛合によってドア等の開閉の初期段階でゼンマイバネを巻き上げて弾性力を蓄勢し、その後、このゼンマイバネの解放力を利用して残りの開閉ストローク動作がアシストされるようにすることで、ドア等開閉が楽に行えるようになり、しかも装置構成は簡素で且つ安価である。
そして、このような装置をドア等の開放用、閉鎖用として一対設ければ一層便利である。
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで図1は本発明に係るドア等開閉アシスト装置が適用されるドアの全体概要図、図2は図1のA−A線方向から見た説明図、図3はドアレールに対するラックの取付け状態を示す説明図、図4はドアの上部に取り付けられるアシストユニットの斜視図、図5は同アシストユニットの正面図(a)と平面図(b)、図6、図7はギヤボックスの内部構造の説明図である。
本発明に係るドア等開閉アシスト装置は、スライド式ドアや窓の開閉に際して、開閉動作の労力軽減を図ることができるようにされ、ドア等開閉の初動だけは人力で行うものの、その後は人力削減が図れるようにしたことを特徴としている。
すなわち、図1に示すように、本発明に係る開閉アシスト装置は、本実施例ではドア枠の上がまち等に取付けられるドアレール2に沿って走行自在なドア3の開閉をアシストする装置として適用され、ドア3の上部に取り付けられる一対のアシストユニット4と、ドアレール2の内側上面に取り付けられる第1ラック5、第2ラック6を備えている。
そして、第1ラック5と第2ラックは、図3にも示すように、ドアレール2の内側下面の二本の平行な凹条溝7a、7b内に埋め込まれた状態で配設されるとともに、第1ラック5は、一方側の凹条溝7aの長手方向の両側端部付近に比較的短い長さで二ヶ所設けられ、第2ラック6は他方側の凹条溝7b内の中間部付近に一本の長い長さで設けられている。
そして、第1ラック5を使用して、後述するアシストユニット4のギヤボックス9に内蔵されるゼンマイバネ16を巻き上げて弾性力を蓄勢しておき、その後、同ゼンマイバネ16の解放力を利用して第2ラック6によりドア3の残りのストロークの駆動力をアシストするようにしている。
前記アシストユニット4は、図4、図5に示すように、略L字型のブラケット8と、このブラケット8に固定されるギヤボックス9を備えており、前記ブラケット8の側面には、一対の走行ローラ10が回転可能に設けられるとともに、図2に示すように、ブラケット8の下面がドア3の上端面にネジ11で固定されている。
そして、図2に示すように、走行ローラ10が、ドアレール2の内側側面のレール部2a上を走行自在にされている。
次に、前記ギヤボックス9について図6、図7に基づき説明する。
ここで、図6は、ギヤボックス9の外部を覆う前面側の前ケースを取り外した状態を斜め前方から見た説明図で、図7は後面側のケースを取り外した状態を斜め後方から見た説明図であり、また、一部の歯車は歯を省略して現わしている。
ギヤボックス9は、前面側の前ケース12と、後面側の後ケース13で覆われており、後ケース13の両側部に前記ブラケット8に取り付けるためのフランジ部13aが設けられるとともに、このケース12、13内にゼンマイバネ16や歯車列が内装され、ケース12、13の上方外部に、第1歯車としての巻き取りギヤ14と、第2歯車としての走行ギヤ15の一部が飛び出した状態で設けられ、巻き取りギヤ14が、前記第1ラック5に噛合可能とされ、走行ギヤ15が前記第2ラック6に噛合可能とされている(図2)。
そして、巻き取りギヤ14が所定方向に回転(例えば左回転)すると、第1遊動歯車17、ゼンマイ歯車18を介してゼンマイ歯車18と同じ軸18aのゼンマイバネ16が巻き上げられて(左回転で)弾性力が蓄勢できるようにされ、次に、ゼンマイバネ16が解放されてゼンマイ歯車18が逆方向に回転(右回転)すると、固定歯車20、第2遊動歯車21を介して走行ギヤ15が左回転するようにしている。このため、巻き取りギヤ14、第1遊動歯車17、ゼンマイ歯車18、固定歯車20、第2遊動歯車21、走行ギヤ15は歯車列を構成するとともに、第1遊動歯車17と第2遊動歯車21の歯車軸21a(第1遊動歯車17の歯車軸は図に現れず)は長孔で軸支されており、一定方向のみの回転で他の歯車と噛合し、それと逆方向の回転では、他の歯車との噛合が外れるようにされている。
すなわち、巻き取りギヤ14がゼンマイバネ16の巻き上げ方向に回転する場合、第1遊動歯車17は巻き取りギヤ14やゼンマイ歯車18に噛合するとともに、第2遊動歯車21は固定歯車20や走行ギヤ15との噛合が外れるよう偏位し、ゼンマイバネ16が解放されてゼンマイ歯車18が逆方向に回転する場合、第2遊動歯車21は固定歯車20や走行ギヤ15に噛合するとともに、第1遊動歯車17は巻き取りギヤ14やゼンマイ歯車18との噛合が外れるよう偏位する。
なお、以上のようなギヤボックス9の構成は、図1に示す左右のアシスト装置1のギヤボックス9において、両者のゼンマイバネ16の弾性力を蓄勢するための巻き上げ方向が逆方向にされており、回転方向については対称的な構成にされている。
以上のような開閉アシスト装置1の作用等を説明する。
図1に示すようなドアレール2の左一杯の位置にあるドア3を右に移動させて開閉する際、左側のアシストユニット4の巻き取りギヤ14は第1ラック5に噛合した状態にあり、走行ギヤ15は第2ラック6に噛合していない状態にある。この状態でドア3を右に向けて押して移動させると、第1ラック5に噛合する巻き取りギヤ14が回転してゼンマイバネ16を巻き上げる。なお、このとき、第2遊動歯車21は、固定歯車20や走行ギヤ15との噛合が外れるよう偏位しており、走行ギヤ15に回転は伝達されない。
次いで、走行ギヤ15が第2ラック6に噛合する位置までくると、巻き取りギヤ14は第1ラック5から外れた状態となり、ゼンマイバネ16の巻き取りが終了する。このため、ゼンマイバネ16が解放し、その解放力によってゼンマイ歯車18が逆転するようになり、第2遊動歯車21が固定歯車20や走行ギヤ15に噛合して走行ギヤ15に前進方向の回転が伝達される。このため、残りのドア3の開閉ストロークが助力される。なおこの際、第1遊動歯車17は、巻き取りギヤ14やゼンマイ歯車18との噛合が外れるよう偏位しているため、巻き取りギヤ14に回転は伝達されない。
ドア3が図1の右一杯の位置まで移動して来ると、右側のアシストユニット4の巻き取りギヤ14が右側の第1ラック5に噛合するようになる。しかし、この巻き取りギヤ14の回転方向は、このアシストユニット4にとってはゼンマイバネ16の巻き上げ方向とは逆方向の回転であるため、巻き取りギヤ14だけが空転するだけである。
そして、この状態で右一杯まで移動したドア3を左方に移動させる場合の要領は、前記の場合と同様であり、ドア3の両方向の移動が助力される。
以上のような要領により、ドア3を開閉する際、操作者は最初の初動だけに力を用いれば、その後は労力がかからず、楽に開け閉めすることができ、しかも装置構成を簡素にかつ安価にすることができる。
尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば、人が出入りするドアに限られず、戸棚等の扉に適用することも可能であるし、スライド式窓に適用することも可能である。また、ドアレール2の具体的構成等は例示である。また、ドア等開閉の際の一方側の動作だけをアシストするため、アシストユニット4を一方側だけに設けるようにしてもよい。
スライド式ドアや窓の開閉にあたり、開閉の初動だけに力を入れれば、その後は労力削減が図られて楽に開け閉めできるため、特に老人や子供が操作する機会の多いドア等には好適である。
本発明に係るドア等開閉アシスト装置が適用されるドアの全体概要図 図1のA−A線方向から見た説明図 ドアレールに対するラックの取付け状態を示す説明図 ドアの上部に取り付けられるアシストユニットの斜視図 同アシストユニットの正面図(a)と平面図(b) 前カバーを外した状態のギヤボックスの内部構造を斜め前方から見た説明図 後カバーを外した状態のギヤボックスの内部構造を斜め後方から見た説明図
符号の説明
2…ドアレール、3…ドア、4…アシストユニット、5…第1ラック、6…第2ラック、9…ギヤボックス、14…巻き取りギヤ(第1歯車)、15…走行ギヤ(第2歯車)、16…ゼンマイバネ。

Claims (2)

  1. ドア等の開放または閉鎖をアシストする装置であって、ドア等に一体に取り付けられるギヤボックスと、ドア等レールの端部付近に設けられ且つ前記ギヤボックスの第1歯車が噛合する所定長さの第1ラックと、前記第1歯車の回転によって巻き上げられて弾性力を蓄勢するギヤボックス内のゼンマイバネと、このゼンマイバネに歯車列を介して噛合するギヤボックスの第2歯車と、この第2歯車に噛合し且つ前記ドア等レールに設けられる第2ラックを備え、ドア等開閉の初期の段階で前記第1ラックに噛合する第1歯車を回転させることによってゼンマイバネを巻き上げて弾性力を蓄勢するとともに、第1歯車が第1ラックを外れると、ゼンマイバネの解放力が歯車列を介して第2歯車に伝達され、ドア等開閉の残りのストロークの駆動力がアシストされるようにしたことを特徴とするドア等開閉アシスト装置。
  2. 前記ドア等開閉アシスト装置は、ドア等開放用のギヤボックスと、ドア等閉鎖用のギヤボックスとを一対備えたことを特徴とする請求項1に記載のドア等開閉アシスト装置。
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