JP2007039665A - レーザ加工用表面保護シート - Google Patents

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Abstract

【課題】被着体の表面を保護することができ、かつレーザ切断加工時にドロスが生じ難い、レーザビーム照射面の反対側の面に貼付することを目的とするレーザ加工用表面保護シートを提供すること。
【解決手段】レーザビーム6をワーク2に照射して切断加工を行う際に前記ワーク2のレーザビーム照射面2aの反対側の面に貼付するためのレーザ加工用表面保護シート1であって、基材層とその片面に設けられた粘着剤層とを備え、基材層はJIS K7199(1999)に基づいて290℃で測定される溶融粘度が200Pa・s以下である樹脂材料からなり、基材層の厚さが0.01〜0.12mmである、レーザ加工用表面保護シート1。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザビームを照射して切断加工されるワークに貼付されるレーザ加工用表面保護シートに関する。
金属板、塗装した金属板、アルミサッシ、樹脂板、化粧銅板、塩化ビニルラミネート鋼板、ガラス板等の部材を運搬、加工または養生する際等に、それら部材の表面を保護するために樹脂材料製のシートを貼り付けることは従来から行われている。
表面保護シートに必要な特性としては、被着体に貼り付けた後に保護シートの浮きや剥がれがなく、剥離除去に際しては粘着層が被着体へ残留しないことが挙げられる。さらには表面保護シートが貼られた状態で被着体を加工した際に表面保護シートの浮きや剥がれ、被着体への傷や糊残り等が発生しないことが要求される。例えば、特許文献1〜2には、金属板用表面保護シートが開示されている。
板状等の部材の加工方法のうち、レーザ切断加工は優れた長所がある。そのような長所としては、打抜き加工とは異なり、種々の金型を必要とせず設計データを入力するだけで実施可能であり、加工対象物(以下、ワークとも呼ぶ)が特に金属板である場合には打抜き加工よりも短期間で実施でき、ワークが肉厚であっても実施でき、潤滑油を使用しないで実施できることが挙げられる。そのため、レーザ切断加工の市場は拡大傾向にある。但し、レーザ切断加工には、高圧(0.5〜1.5MPa程度)のアシストガス供給が必要になる。
ところで、外観上の理由などから、表面保護シートが貼付されたままの状態でワークをレーザ切断加工に供することが望ましい場合がある。そのような場合には、アシストガスの影響により表面保護シートがワークから不所望に剥離してしまうという問題があった。こういった問題の解決手段として、特許文献3〜5には、レーザ切断加工の際に剥がれを抑制できるレーザ切断加工法が提案されている。これらの加工方法では、保護シートの剥がれを抑制することが可能である。
特開2000−328022号公報 特開2002−302657号公報 特開平2−295688号公報 特開平7−241688号公報 特開2001−212690号公報
しかし、特許文献3〜5に開示の方法はいずれも、ワークのうちのレーザビームが照射される面における表面保護シートの剥離が問題にされている。その理由は、アシストガスによる影響はレーザビームが照射される面においてのみ発現するからであると考えられる。一方、ワークのうちのレーザビームが照射される面の反対側の面に表面保護シートを貼付することは実際には行われていなかった。本発明者らがレーザビームが照射される面の反対側の面に上記先行文献の表面保護シートを貼付した状態で、レーザ切断加工を実際に行ったところ、表面保護シートを貼付しないでレーザ切断加工を行った場合には全く見出されていなかった新たな問題が生じることがわかった。すなわち、切断箇所の近傍にバリ(ドロス)が生じていたのである。図2はそのようなドロスの説明図である。同図(A)は斜視図であり、レーザ切断加工によって円筒状の貫通孔300が形成されている。本発明者らが試行したレーザ切断加工では、ワーク200の表面保護シート100が貼付される面とは反対側の面200aにレーザビームを照射した。同図(B)は同図(A)のI−I断面図であり、レーザビームを照射した面200aとは反対側の面に高さtのドロス210が生じている。このようにドロス210が生じると、該ドロスを除去するさらなる工程が必要となり好ましくない。さらに、ワーク200をレーザ切断加工する際には、表面保護シート100と接する面はほとんどの場合に鋭利な台になっており、この表面保護シート100が存在しない場合にはワークを設置するときにこのワーク自体が傷ついてしまう可能性がある。
本発明は、保護シート本来の役割である被着体の表面の保護が可能であり、かつレーザ切断加工時にドロスが生じ難い、レーザビーム照射面の反対側の面に貼付することを目的とするレーザ加工用表面保護シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、レーザビームの照射面の反対側の面に貼付した表面保護シートによってレーザ切断加工時のワークの溶融物がアシストガスで吹き飛び難くなり、その結果としてドロスが発生し易くなることを見出して、そのような問題が生じ難いレーザ加工用表面保護シートを見出した。本発明の特徴は以下のとおりである。
(1)レーザビームをワークに照射して切断加工を行う際に前記ワークのレーザビーム照射面の反対側の面に貼付するためのレーザ加工用表面保護シートであって、基材層とその片面に設けられた粘着剤層とを備え、基材層はJIS K7199(1999)に基づいて290℃で測定される溶融粘度が200Pa・s以下である樹脂材料からなり、基材層の厚さが0.01〜0.12mmである、レーザ加工用表面保護シート。
(2)樹脂材料がポリエステル系樹脂からなる(1)記載のレーザ加工用表面保護シート。
(3)ポリエステル系樹脂がポリエチレンテレフタレート樹脂である(2)記載のレーザ加工用表面保護シート。
(4)樹脂材料がポリオレフィン系樹脂からなる(1)記載のレーザ加工用表面保護シート。
(5)ワークが金属板である(1)〜(4)のいずれかに記載のレーザ加工用表面保護シート。
(6)金属板がステンレス板である(5)記載のレーザ加工用表面保護シート。
(7)金属板がアルミニウム板である(5)記載のレーザ加工用表面保護シート。
本発明のレーザ加工用表面保護シートでは、レーザ切断加工の際にドロスが発生し難くなる。よって、特に金属板などのワークのレーザ照射面とは反対側の面に傷がつきにくいように保護した状態のままレーザ切断加工に供することが可能になる。本発明の一実施態様では、アシストガスによる剥がれの少ない表面保護シートをレーザビームが照射される面(図2(B)の200a側)に設けることにより、従来は不可能とされていた、ワークの両面へシートを貼った状態におけるレーザ切断加工が可能になる。
本発明のレーザ加工用表面保護シートは、基材層と粘着剤層とを備える。基材層は特定の溶融粘度を呈する樹脂材料からなり、厚さが特定の範囲内である。粘着剤層は基材層の片面に形成される。
基材層を構成する樹脂材料の溶融粘度は、JIS K7199(1999)に基いて測定される。より具体的には、以下のようにして測定試料をサンプリングして、キャピラリーダイを用いて290℃において、試験圧力と体積流量との測定を介して溶融粘度を求める。測定試料をサンプリングする具体的な方法は以下のとおりである。
・基材層を構成する樹脂材料が明らかである場合は、その樹脂材料をペレット状にして測定試料を得る。
・粘着剤層と基材層とが分離可能である場合には、有機溶剤等を用いて粘着剤層を除去し、基材層のみを細かくカットして測定試料を得る。
・粘着剤層と基材層とが分離困難である場合には、表面保護シート全体を細かくカットしてなるものを測定試料として、該測定試料を測定して得た溶融粘度を以って基材層を構成する樹脂材料の溶融粘度であると定める。
・基材層が多層構造である場合には、基材層全体を細かくカットして測定試料を得る。
本発明では、上述のようにして測定される溶融粘度が、200Pa・s以下、好ましくは150Pa・s以下、より好ましくは20〜100Pa・sである樹脂材料を基材層の材料とする。溶融粘度が200Pa・sを超えるとレーザ切断箇所において基材層が吹き飛び難くなる結果としてドロスが発生し易くなる。溶融粘度が上記好ましい範囲内であれば、アシストガスによるドロスの吹き飛びが一層容易になり、フィルムの製膜もより容易になる。
290℃で測定される溶融粘度が200Pa・s以下である樹脂材料としては、典型的にはポリエステル系樹脂からなり、中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリカーボネート等が挙げられる。その他、6−ナイロン、6,6−ナイロン、12−ナイロン等のアミド系ポリマー、HIPS、GPPS等のスチレン系ポリマー;ポリメチルメタアクリレート等のアクリル系ポリマー;プロピレン系ポリマーやエチレン系ポリマーやエチレン系共重合ポリマー等のポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。プロピレン系ポリマーとしては、単独系、ブロック系やランダム系等のものが挙げられる。エチレン系ポリマーとしては、低密度、高密度やリニア低密度等のものが挙げられる。エチレン系共重合ポリマーとしては、エチレンと、酢酸ビニル、メチルメタアクリレート、アクリル酸等の極性ポリマーとの共重合体などが挙げられる。これらのポリマーを1種のみ又は2種以上混合して樹脂材料としてもよい。上記列挙した樹脂の溶融粘度が必ず上記範囲内にあるわけではなく、これらの樹脂についてJISで定められた測定によって容易に本発明に使用できる樹脂を見出すことができる。また、基材層を多層構造等にしても構わない。
基材層には、本発明の効果を損なわない範囲内で、炭酸カルシウム、タルク、酸化カルシウム等の充填材、アンチブロッキング剤、滑剤、酸化チタン、着色を目的とした有機及び無機顔料、劣化防止等を目的とした酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤や帯電防止剤等の適宜な添加剤も配合することができる。さらに基材層の柔軟性向上のために可塑剤等も配合できる。また、背面処理剤、粘着剤、下塗り剤との密着性向上を目的として基材面にコロナ処理等の表面処理を施しても構わない。ドロスを防ぎ、かつ、保護シートとしての作用を確保する点から、基材層の厚さの下限は、0.01mmであり、好ましくは0.02mmである。基材層の厚さの上限は、0.12mmであり、好ましくは0.10mmであり、より好ましくは0.05mmである。
次に粘着剤層について説明する。
粘着剤層は、基材層の片面に設けられる。粘着剤層は典型的なワークであるステンレス板に対する粘着性を有していればよい。粘着剤層の材料としての粘着剤としては、公知のゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤が使用可能である。この中でも金属板への接着性、剥離性、コストの観点からゴム系粘着剤やアクリル系粘着剤が好ましい。これらの粘着剤を用いた粘着剤層はステンレス板以外の金属板やガラス板への粘着性も有していて好ましい。
ゴム系粘着剤としては例えば、天然ゴム系粘着剤や合成ゴム系粘着剤等が挙げられる。合成ゴム系粘着剤としてはポリブタジエン、ポリイソプレン、ブチルゴム、ポリイソブチレン、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体等のスチレン系エラストマー、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体やスチレン・エチレンブチレン・ランダム共重合体等のスチレン系エラストマー、エチレンプロピレンゴム、プロピレンブテンゴム、エチレンプロピレンブテンゴム等が主成分として用いられる。
アクリル系粘着剤としては例えば、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートを主成分とし、これに必要により共重合可能な改質用モノマーとして2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有モノマー、スチレンなどのスチレン系モノマー、酢酸ビニルなどのビニルエステル類等の他のモノマーを加えたモノマー混合物の共重合体が用いられる。アクリル系粘着剤は溶液重合法、エマルション重合法、UV重合法などの慣用の重合法により得られる。
必要に応じて、これら粘着剤の粘着特性の制御等を目的として、例えば架橋剤、粘着付与剤、軟化剤、オレフィン系樹脂、シリコーン系ポリマー、液状アクリル系共重合体、リン酸エステル系化合物、老化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤、紫外線吸収剤その他、例えば酸化カルシウムや酸化マグネシウムや炭酸カルシウム、シリカや酸化亜鉛、酸化チタンの如き充填剤や顔料などの適宜な添加剤を配合することができる。
粘着付与剤の配合は接着力の向上に有効であり、その配合量、は凝集力の低下による糊残り問題の発生を回避した接着力の向上などの点より、上述の粘着剤100重量部あたり0〜50重量部、就中0〜30重量部、特に0〜10重量部が好ましい。ここで0重量部は、粘着付与剤を配合しないということである。
粘着付与剤としては、例えば脂肪族系や芳香族系、脂肪族・芳香族共重合体系や脂環式系等の石油系樹脂、クマロンインデン系樹脂やテルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂や重合ロジン系樹脂、(アルキル)フェノール系樹脂やキシレン系樹脂、あるいはそれらの水添系樹脂などの粘着剤で公知の適宜なものを1種又は2種以上用いることができる。
軟化剤の配合は、通常、接着力の向上に有効である。軟化剤としては、例えば低分子量のジエン系ポリマー、ポリイソブチレン、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエンやそれらの誘導体を1種又は2種以上を用いることができ、その配合量は適宜設定して構わないが、特に前記に記載の粘着剤100重量部あたり0〜40重量部、就中0〜20重量部、特に0〜10重量部が好ましい。ここで0重量部は、軟化剤を配合しないということである。配合量が40重量部以下であれば高温や屋外暴露等でも糊残りが少ない。
粘着剤層の厚さは接着力などに応じて適宜設定でき、一般には0.001〜0.050mm、就中0.002〜0.020mm、特に0.003〜0.015mmとされる。粘着剤層は必要に応じて、実用に供されるまでの間、セパレータなどを仮着して保護することもできる。
レーザ加工用表面保護シートの形成は、例えば、溶剤に粘着剤組成物を溶解してなる溶液や熱溶融液を基材層に塗布する方法、セパレータ上に粘着剤層を形成した後に基材層に移着する方法、粘着剤層を形成するための材料を基材層上に押出成形塗布する方法、基材層と粘着剤層を二層もしくは多層にて共押出しする方法、基材層上に粘着剤層を単層ラミネートする方法又はラミネート層と共に粘着剤層を基材層上に二層ラミネートする方法、粘着剤層と基材層やラミネート層等とを二層又は多層ラミネートする方法などの、公知の接着シートの形成方法に準じて行うことができる。
本発明のレーザ加工用表面保護シートは、離型層を備えていてもよい。離型層を形成するための背面処理剤としては溶剤型や無溶剤型からなるシリコーン系ポリマーや長鎖アルキル系ポリマーからなるものが一般的である。具体的にはピーロイル(一方社油脂社製)、信越シリコーン(信越化学工業社製)等が入手可能である。離型層の形成方法としては、例えばグラビアロール等のロールコーターによる塗布方法やスプレー等による噴霧方法など公知の塗工方法を取り入れることができる。
以下、本発明のレーザ加工用表面保護シートの用途について説明する。
図1は、本発明のレーザ加工用表面保護シートの使用を模式的に表す。本発明のレーザ加工用表面保護シート1はレーザビーム6の照射により切断加工されるワーク2に貼付される。図示された装置では、レーザビーム6は、加工ヘッド3の集光レンズ31で集光された後、ノズル4からワーク2に照射される。但し、本発明ではレーザビームの発生装置は図示されたものに限定されない。ノズル4からは、レーザビーム6と共に、アシストガス7が0.5〜1.5MPa程度の高圧でワーク2に吹きつけられる。このアシストガス7は、ガスボンベなどといったガス供給手段5から、導入管51およびガス導入口41を経由して供給される。このアシストガス7は、ワーク2の材質及び要求される切断面品質に応じて各種ガスが使い分けられるが、典型的には、窒素ガスや空気などが用いられる。
ワーク2は、切断される対象物であり、金属板、塗装した金属板、アルミサッシ、樹脂板、化粧銅板、塩化ビニルラミネート鋼板、ガラス板等などが挙げられ、ドロスが発生し易くしかも美麗であることが求められる金属板、中でもステンレス板やアルミニウム板の場合に本発明の効果が特に顕在化する。
レーザビーム6を照射することによる切断加工は、ワーク2の片側からレーザビーム6を照射して照射した側の反対側にまで貫く切断部分を形成して、ワークの少なくとも一部を切り離す加工であり、図2に示すように円柱状の部分を除去する加工であってもよいし、大きなワークを複数の小片へと切り分ける加工であってもよい。本発明のレーザ加工用表面保護シート1は、このような切断加工に際して、加工対象であるワーク2のレーザビーム照射面2aの反対側の面に貼付するためのものである。言い換えれば、本発明のレーザ加工用表面保護シート1をワーク2に貼付したままの状態で、ワーク2の貼付面とは反対側の面2aにレーザビーム6が照射されて切断加工がなされる。本発明のレーザ加工用表面保護シート1は、ワーク2のレーザビーム照射面2aの反対側の面のうち、少なくとも切断加工によって切断される箇所に貼付される。ワーク2のうち、本発明のレーザ加工用表面保護シートが貼付された面はレーザ加工装置等への戴置により傷がつくのを抑制することができ、しかも、ドロスも発生し難い。
以下、実施例を用いて本発明をより詳しく説明するが、これらの例は本発明を何ら限定するものではない。
(実施例1)
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)30wt%、エチルアクリレート(EA)60%、メチルメタアクリレート(MMA)6wt%、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)4wt%を含むアクリル系粘着剤(ポリスチレン換算重量平均分子量は60万)100重量部を含む酢酸エチル溶液にイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、コロネートL)3重量部を添加して、アクリル系粘着剤溶液を得た。
厚み0.038mmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポン社製、テトロンフィルムG2)を基材層としてそのまま用いた。この基材層からサンプリングした樹脂材料の290℃における溶融粘度は74Pa・sであった。
上述の基材層の上にアクリル系粘着剤溶液を塗布して乾燥して、厚さ0.010mmの粘着剤層を形成し、レーザ加工用表面保護シートを得た。
(実施例2)
ポリブチレンテレフタレート(ウインテックポリマー社製、ジュラネックス200FP)をTダイ法にてダイス温度250℃で製膜することによって、厚さ0.04mmの基材層を得た。この基材層からサンプリングした樹脂材料の290℃における溶融粘度は26Pa・sであった。
この基材層に実施例1で用いたアクリル系粘着剤溶液を塗布して乾燥して厚さ0.005mmの粘着剤層を形成し、レーザ加工用表面保護シートを得た。
(実施例3)
基材層として、厚み0.05mmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポン社製、テトロンフィルムG2)を用いたことの他は実施例1と同様にして、レーザ加工用表面保護シートを得た。
(実施例4)
低密度ポリエチレン(三井化学社製、ミラソン68P)を基材層の材料として用い、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体(旭化成社製、タフテックH1062)100重量部と水添加石油樹脂(荒川化学社製、アルコンP−100)50重量部とを含む混合物を粘着剤層の材料として用い、これらを、Tダイ法にてダイス温度170℃で共押出しすることによって、厚さ0.05mmの基材層上に、厚さ0.01mmの粘着剤層が設けられたレーザ加工用表面保護シートを得た。上記基材層からサンプリングした樹脂材料の290℃における溶融粘度は47Pa・sであった。
(実施例5)
粘着剤層の厚さを5μmにしたことの他は実施例1と同様にして、レーザ加工用表面保護シートを得た。
(比較例1)
低密度ポリエチレン(三井化学社製、スミカセンF208)をインフレーション法にてダイス温度160℃で製膜することによって、厚さ0.11mmの基材層を得た。この基材層からサンプリングした樹脂材料の290℃における溶融粘度は285Pa・sであった。
この基材層の片面をコロナ放電処理に供し、該処理を施した面に実施例1で用いたアクリル系粘着剤溶液を塗布して乾燥して厚さ0.010mmの粘着剤層を形成し、レーザ加工用表面保護シートを得た。
(比較例2)
基材層の厚さを0.06mmにしたことの他は比較例1と同様にして、レーザ加工用表面保護シートを得た。
(比較例3)
基材層として、厚み0.125mmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人ディポン社製、テトロンフィルムG2)を用いたことの他は実施例1と同様にして、レーザ加工用表面保護シートを得た。この基材層からサンプリングした樹脂材料の290℃における溶融粘度は実施例1と同様に74Pa・sであった。
(比較例4)
ポリプロピレン(日本ポリプロピレン社製、ノバテックPP FL6H)をTダイ法にてダイス温度230℃で製膜することによって、厚さ0.04mmの基材層を得た。この基材層からサンプリングした樹脂材料の290℃における溶融粘度は422Pa・sであった。
この基材層の片面をコロナ放電処理に供し、該処理を施した面に実施例1で用いたアクリル系粘着剤溶液を塗布して乾燥して厚さ0.010mmの粘着剤層を形成し、レーザ加工用表面保護シートを得た。
(比較例5)
ポリブチレンテレフタレート(ウインテックポリマー社製、ジュラネックス800FP)をTダイ法にてダイス温度270℃で製膜することによって、厚さ0.04mmの基材層を得た。この基材層からサンプリングした樹脂材料の290℃における溶融粘度は295Pa・sであった。
この基材層の片面に実施例1で用いたアクリル系粘着剤溶液を塗布して乾燥して厚さ0.005mmの粘着剤層を形成し、レーザ加工用表面保護シートを得た。
(溶融粘度の測定)
溶融粘度の測定は上述の方法により行い、具体的には、JIS K7199に記載のキャピラリーレオメーター(東洋精機社製、キャピログラフ1B)を使用し、ノズル径Dが1.0mm、ランド長Lが30mm、せん断速度が10sec−1にて測定を行った。
(レーザ切断加工条件)
炭酸ガスレーザ加工機(アマダ社製、LC−3015θII)および発振器(アマダ社製、OLC−420HII)を使用し、切断速度2200mm/min、出力3000W、周波数0Hz、デューティー100、窒素ガス圧力0.85MPa、ノズル直径2.0mm、ノズルギャップ0.3mmにて、レーザビームの焦点をワーク(金属板)の上面側より1.0mm下の位置として直線の切断加工を行った。
(レーザ切断加工試験)
ワークとして厚み2.0mmのSUS304(2B仕上げ)を用い、その片面に各実施例、比較例で得られたレーザ加工用表面保護シートを貼付した。前記シートを貼付した面の反対側の面に上述の条件でレーザビームを照射して切断加工試験を実施した。該試験の後、前記シートを貼付した面に生じたドロスの高さを測定した。切断端面の高さから金属板の厚み(2.0mm)を差し引いた値を、ドロスの高さとした。測定器はJIS B7503(1997)に記載の目量0.01mmのダイヤルゲージを使用し、測定は10mm間隔で10箇所行い、その平均値を求めた。結果を表1に示す。
また、ワークの片面に実施例5で得られたレーザ加工用表面保護シートを貼付し、ワークのもう一方の面にはSPV−M−4002E(日東電工社製)を貼付した試料を実施例6とした。実施例6においては、M−4002Eを貼り付けた面に上述の条件でレーザビームを照射して切断加工試験を実施した。
なお、表面保護シートを貼らずにレーザ切断加工に供したものを比較例6とした。
Figure 2007039665
表1に示されるように、各実施例のレーザ加工用表面保護シートは、表面保護シートを貼付しない例と同等程度にまでドロスの高さを小さくすることができることが明らかになった。
本発明のレーザ加工用表面保護シートの使用を模式的に表す。 レーザ切断加工により生じるドロスの説明図である。
符号の説明
1 レーザ加工用表面保護シート
2 ワーク
3 加工ヘッド
31 集光レンズ
4 ノズル
41 ガス導入口
5 ガス供給手段
51 導入管
6 レーザビーム
7 アシストガス
100 表面保護シート
200 ワーク
210 ドロス
300 貫通孔

Claims (7)

  1. レーザビームをワークに照射して切断加工を行う際に前記ワークのレーザビーム照射面の反対側の面に貼付するためのレーザ加工用表面保護シートであって、基材層とその片面に設けられた粘着剤層とを備え、基材層はJIS K7199(1999)に基づいて290℃で測定される溶融粘度が200Pa・s以下である樹脂材料からなり、基材層の厚さが0.01〜0.12mmである、レーザ加工用表面保護シート。
  2. 樹脂材料がポリエステル系樹脂からなる請求項1記載のレーザ加工用表面保護シート。
  3. ポリエステル系樹脂がポリエチレンテレフタレート樹脂である請求項2記載のレーザ加工用表面保護シート。
  4. 樹脂材料がポリオレフィン系樹脂からなる請求項1記載のレーザ加工用表面保護シート。
  5. ワークが金属板である請求項1〜4のいずれか一項に記載のレーザ加工用表面保護シート。
  6. 金属板がステンレス板である請求項5記載のレーザ加工用表面保護シート。
  7. 金属板がアルミニウム板である請求項5記載のレーザ加工用表面保護シート。
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