JP2007039338A - シリカ系複合顆粒 - Google Patents

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Abstract

【課題】特異な錠剤硬度改善特性を示す新規なシリカ系複合微粒子を提供すること。
【解決手段】 シリカ系複合顆粒。シリカとオリゴ糖(三〜十糖類のいずれか又はそれらの混合物をいう。以下同じ。)とを必須成分として顆粒化(造粒)されている。オリゴ糖として、通常、キシロオリゴ糖を使用する。当該、シリカ系複合微粒子は、シリカ換算で2%前後の配合量に錠剤硬度改善のピーク値を示す。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なシリカ系複合顆粒に関し、特に、錠剤の硬度(強度)を付与するのに好適なシリカ系複合顆粒に係る発明である。
ここで「顆粒」とは、本来の概念である、粉体を造粒した粒で、粒径が100〜1000μmのもの(化学工学協会編「新版化学工学辞典」丸善、p86)の他に、100μm未満10μmのものまで含む概念である。
ここで、「錠剤」とは、「タブレット(tablet)機(打錠機)」や「ブリケット(briquette)機」等の粉体圧縮成形により製剤されるものをいい、形状も、円板状、円柱状、矩形板状、球状等、特に限定されるものではない。
ここでは、シリカ系複合顆粒を錠剤に適用する場合を例に採り説明するが、本発明のシリカ系複合顆粒は、塗料、接着剤等の改質用添加剤としての適用も期待できる。
本発明者らは、多孔質シリカと薬効成分とのシリカ固体分散体粒子(シリカ系複合顆粒)について、先に提案している(非特許文献1)。
そして、当該シリカ系複合顆粒を、成形性の見地から内部滑剤(ステアリン酸マグネシウム「Mg−st」)を含有し、成形性に劣る糖類系賦形剤(マンニトール)と組み合わせた場合、錠剤硬度が、単なる物理混合系に比して、格段に向上することを報告している(非特許文献2)。
なお、本発明の特許性に影響を与えるものではないが、シリカを含有する錠剤に関連する公知技術文献として、特許文献1〜3等が存在する。
粉体工学学会編「粉体工学会誌第40巻」2003年、p157〜162 川島嘉明編「粉体に関する討論会講演論文集」平成16年9月22日、p132〜134 特開昭60−209518号(第5頁左上欄、同右下欄等) 特開平2−17822号(第3頁右下欄等) 国際公開第97/40828号(第2頁下2行等)
本発明は、上記文献公知発明におけるシリカ系複合顆粒とは異質な錠剤硬度改善特性を示す新規なシリカ系複合顆粒を提供することを目的とする。
本発明のシリカ系複合顆粒は、上記非特許文献2に記載の研究開発の過程で、シリカとオリゴ糖を造粒により複合顆粒とし、該複合顆粒の錠剤化に際して、少量添加すれば錠剤硬度が格段に向上することを見出して下記構成のシリカ系複合顆粒(顆粒)に想到した。
シリカとオリゴ糖(三〜十糖類のいずれかまたはそれらの混合物をいう。以下、同じ。)とを必須成分として顆粒(造粒)化されてなることを特徴とする。
本シリカ系複合顆粒は、通常、シリカ/オリゴ糖の二成分系とするが、オリゴ糖以外の単糖類、二糖類また七糖類以上の多糖類を、さらには、薬効成分を少量配合することも可能である。
シリカ(二酸化けい素)としては、比表面積の大きなものが望ましく(50m2/g以上)、例えば、多孔質シリカ又はコロイドシリカ粉末を使用する。
ここで、多孔質シリカとしては、例えば、細孔容積:0.3〜2.0mL/g、比表面積:50〜800m2/g、平均細孔径:2〜500nm、平均粒子径:1〜100μmの物性特性を有するものを使用できる。より具体的には、冨士シリシア化学から食品添加用として「サイロページ」の商品シリーズ名(登録商標)で製造販売されているものを挙げることができる。
また、コロイドシリカとしては、粒径0.01〜1.0μmのものを使用し、より具体的には、日本アエロジル社から「アエロジル」の商品シリーズ名(登録商標)で製造販売されているものを挙げることができる。
ここで、前記シリカとオリゴ糖との組成比(質量比)が、前者/後者=1/0.2〜1/5、さらに1/0.5〜1/2、さらには1/0.8〜1/1.5であることが望ましい。
オリゴ糖とは、通常、三〜六糖類を意味するが、本願発明では、ニ糖類を除く三〜十糖類又はそれらの混合物を意味する。具体的には、キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、マルトオリゴ糖、環状オリゴ糖等を挙げることができる。これらのうちで、キシロオリゴ糖が望ましい。
また、シリカ系複合顆粒は、前記の如く、10〜1000μmの粒径の造粒物を意味する。造粒法としては、特に限定されないが、直接的に球状顆粒を造粒できる流動層造粒、攪拌造粒(混合造粒)、噴霧乾燥造粒、噴射造粒等が望ましい。(「化学工学協会編「化学工学便覧 改定四版」(昭53−10−25)丸善、p1036〜1037、1038〜1039等参照)。
そして、上記構成のシリカ系複合顆粒を、薬効成分及びシリカ系複合顆粒に使用したオリゴ糖または他の賦形剤(シリカ系複合顆粒を除く。)とともに含有させて錠剤組成物として錠剤化して使用する。
上記多糖類系(ポリサッカロイド)賦形剤としては、微結晶セルロース、低置換度(置換度1以下、以下同じ)のセルロースエーテル、セルロースエステル、又はそれらの誘導体等のセルロース誘導体、さらには、デキストリン、プルラン、麦芽還元糖水あめ、及び低置換度の澱粉エステル、澱粉エーテル等の各種化工澱粉(澱粉誘導体)を挙げることができる。これらのうちで、微結晶セルロース、より具体的には、「セルフィア」(旭化成ケミカル社登録商標名)が打錠性に優れており望ましい。なお、賦形剤としては、従来使用されていた、ニ糖類も用いることができるが、ヘミセルロース(植物細胞壁中でセルロースと結合して存在する多糖類、例えば、多糖類キシラン)を使用すると、後述のキシロオリゴ糖との良好な混和性(Compatibility)を期待できる。
錠剤化は、通常、圧縮ロール、ブリケッティングロール、打錠機を使用して行う(同前p1039)。
前記シリカ系複合顆粒のシリカ換算配合量は、0.5〜3.5%、さらには、1〜2.5%が望ましい。本発明のシリカ系複合顆粒は、硬度改善ピーク値が2%前後にあるため、相対的に多量のシリカを配合する必要がなく、相対的に、錠剤組成物の設計自由度が増大する。
なお、本発明のシリカ系複合顆粒は、錠剤組成物としてばかりでなく、塗料組成物や接着剤組成物等への改質剤としての適用も期待できるものである。
以下、本発明を確認するために行った実施例(試験例)について説明する。
本実施例で使用したオリゴ糖/シリカ複合顆粒は、下記のようにして調製した。
キシロオリゴ糖(株式会社サッポロビール製)の1〜10%水溶液に等量の多孔質シリカ(「サイロページ720」冨士シリシア株式会社製)を分散させた、分散液を以下に示す条件で、噴霧乾燥造粒をする。
入熱温度:150℃、排熱温度:60〜80℃、スプレー圧:0.13MPa、送液速度:10mL/min、ノズル径:0.4mm
次に、表1に示す処方の組成物をサンプルピンの中で振とう混合(3min)して調製した混合粉体300mgを、直径8mmの臼に充填して、単発打錠機を用いて圧縮圧:200Mpa、圧縮速度:10min-1の条件で圧縮(打錠)した。
上記で調製した各試験例の錠剤について、シリカゲルを封入したアルミ製袋にいれて24h以上保持したものを試料(サンプル)とした。
そして、30mm/minの圧縮速度で直径方向に破断するまで圧縮して、破断時の荷重値を錠剤硬さ(強度)とした。
その結果を示す図1から、本発明のシリカ系複合顆粒を用いた各実施例は、物理混合させた各比較例に比して、格段に硬度が向上し、しかも、ピーク値がシリカ換算で2.5%前後のところに現れていることが分かる。
Figure 2007039338
本発明に係る複合化微粒子と同比率の物理混合物との対照試験結果を示すグラフ図。

Claims (9)

  1. シリカとオリゴ糖(三〜十糖類のいずれかまたはそれらの混合物をいう。以下、同じ。)とを必須成分として顆粒化されてなることを特徴とするシリカ系複合顆粒。
  2. 前記シリカとオリゴ糖との組成比(質量比)が、前者/後者=1/0.2〜1/5である二成分系であることを特徴とする請求項1記載のシリカ系複合顆粒。
  3. 前記オリゴ糖がシクロオリゴ糖であることを特徴とする請求項1又は2記載のシリカ系複合顆粒。
  4. 前記シリカが多孔質シリカであることを特徴とする請求項1、2又は3記載のシリカ系複合顆粒。
  5. 噴霧乾燥型で造粒されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のシリカ系複合顆粒。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載のシリカ系複合顆粒を、機能成分及び賦形剤(シリカ系複合顆粒を除く。)とともに含有することを特徴とする錠剤組成物。
  7. 前記シリカ系複合顆粒のシリカ換算配合量が、0.5〜3.5%であることを特徴とする請求項6記載の錠剤組成物。
  8. 前記シリカ系複合顆粒のシリカ換算配合量が、1〜2.5%であることを特徴とする請求項の7記載の錠剤組成物。
  9. 前記賦形剤が、オリゴ糖系または多糖類系であることを特徴とする請求項6、7又は8いずれか記載の錠剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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