JP2007039036A - 注出具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 紙製容器に対する装着を容易にし、しかも確実に固定することができる注出具を提供する。
【解決手段】 液体が密閉された紙製容器に装着される注出具であって、一端部が先端にいくにしたがって細くなるように形成された円筒状の本体1と、本体1の外周面に形成され、一端部を基端として螺旋状に延びる雄ネジ9と、本体1の外周面において雄ネジ9の終端より軸方向に所定長さ離れた本体1の他端部側に形成され、紙製容器の表面に当接するフランジ7とを備え、本体1には、液体を排出する排出路11が形成されており、この排出路11はフランジ7を挟んで本体1の一端部側に液体の流入口13を有する一方、本体1の他端部側に排出口15を有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液体が密閉された紙製容器に装着される液体の注出具に関する。
飲料などの液体を密閉した紙製容器の中には、プラスチックなどで形成された注出具が予め取り付けられているものが多くある。この注出具にはキャップが設けられており、一旦容器を開封した後もキャップを閉じることにより容器の密閉が可能であるため、利便性が高い。
ところが、このような注出具付きの容器は、消費者にとっての利便性は高いものの、多くの問題を抱えている。すなわち、注出具の材料費やこれを取り付けるための製造設備が高くなるというコスト的な問題に加え、漏出を防止するための管理工程が必要となり、製造が複雑になるという問題がある。また、運搬や保管においても、注出具が容器の表面から突出しているため、容器を真っ直ぐに積み上げるためには傾きを防止するための部材が必要となる。また、注出具を取り付けることにより、容器の強度に偏りがでるため、容器の紙材の強度を補強する必要もある。このほか、注出具は容器に対して強固に接着されているため、取り外しにくく、分別廃棄の観点からも問題となっていた。
このような問題を解決するために、例えば、特許文献1に示されたような注出具が提案されている。この文献に開示された注出具は、予め注出具が取り付けられていない紙製容器に装着されるものであり、先端に刃が設けられた筒の中間部に吸盤とパッキンとを取り付けている。そして、注出具を容器に装着する際には、刃を容器に差し込んで穴を開け、吸盤が容器の表面に吸着するまで、筒を押し込む。これにより、パッキンが穴を塞ぎつつ、吸盤が容器に吸着するため、筒が容器に固定される。その後、この筒を介して容器内の飲料を注ぎ出す。
実開平7−31619号公報
しかしながら、上記文献の注出具では、筒の先端に刃が設けられているものの、比較的厚い紙で形成された容器に筒を差し込むには大きい力が必要となる。また、筒が挿入されたとしても、吸盤の吸着力は不安定であるため、不意に吸盤が外れることも予想され、これによって飲料が漏出することも考えられる。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、紙製容器に対する装着を容易にし、しかも確実に固定することができる注出具を提供することを目的とする。
本発明は、液体が密閉された紙製容器に装着される注出具であって、上記問題を解決するためになされたものであり、一端部が容器に貫入される鋭利な突部となっている円筒状の本体と、前記本体の外周面に形成され、前記一端部を基端として螺旋状に延びる雄ネジと、前記本体の外周面において前記雄ネジの終端から所定長さ離れた前記本体の他端部側に形成され、飲料容器の表面に係合するフランジとを備え、前記本体には、液体を排出する排出路が形成されており、当該排出路は前記フランジを挟んで前記本体の一端部側に液体の流入口を有する一方、前記本体の他端部側に排出口を有している。
この構成によれば、一端部の先端が細くなっている円筒状の本体の外周面に螺旋状の雄ネジを形成しているため、本体の一端部を紙製容器にねじ込みながら回転すると、容器の紙材に形成された穴の周縁部に雄ネジが螺合していく。これにより、回転に伴って穴が徐々に押し広げられるため、本体を比較的小さい力で容器内に進入させることができる。したがって、本体を紙製容器に対して容易に装着することができる。そして、本体部には雄ネジの終端から軸方向に所定長さ離れた他端部側にフランジが設けられているため、本体がある程度進入したところで、フランジが容器表面に当接し、これによって注出具が容器を固定することができる。このとき、上記所定長さは特には限定されないが、これを調節して、雄ネジの終端とフランジとで容器の紙材を挟持するようにすることもできる。また、本体の一端部は、例えば円錐状に形成することができ、さらに先端を尖った形状にすることができる。
上記注出具においては、雄ネジの終端から連続し、フランジと平行に本体の外周に沿って延びる雄ネジ延長部をさらに設け、この雄ネジ延長部とフランジとで、紙製容器を構成する紙材を挟持するように構成することが好ましい。このようにすると、本体の外周面に沿って互いに平行なフランジと雄ネジ延長部とによって紙材が挟持されるため、注出具を容器に対してさらに確実に固定することができる。
また、本体に、空気流入路をさらに形成し、当該空気流入路がフランジを挟んで本体の一端部側に空気の排出路を有する一方、本体の他端部側に流入口を有するように構成することが好ましい。これにより、液体の排出時に容器内に空気を流入させることができるため、液体の排出を容易に行うことができる。
また、フランジを、本体の軸方向に沿って移動可能とし、任意の位置に保持可能に構成することができる。こうすることで、本体を容器に装着した後、フランジをさらに容器に対して押し込むことができ、注出具をより強固に固定することができる。フランジの軸方向の移動は、例えばフランジを本体の外周面にネジ止めすることで行うことができる。
また、雄ネジが、一端部の先端を基端とするように構成すると、一端部の先端から容器の紙材が雄ネジに螺合するため、小さい力であっても、本体を容器内に容易に進入させることができる。
本発明に係る注出具によれば、紙製容器に対する装着を容易にし、しかも確実に固定することができる。
以下、本発明に係る液体の注出具の実施形態について説明する。以下の説明においては、複数の実施形態を通じて、同一又は同種の部分には、同一符号を付して説明を省略することがある。
(第1実施形態)
まず、本発明に係る液体の注出具の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は第1実施形態に係る注出具の斜視図、図2は図1の注出具の断面図である。
この注出具は、樹脂などで形成され、飲料が密閉された紙製容器に装着して、飲料を注ぎ出すためのものである。図1及び図2に示すように、この注出具は、直線状に延びる第一部3と第二部5とが連結されたL字型の本体1を備えている。本体1は断面円形の中空に形成されており、第一部3の一端部は、先端にいくほど細くなるように尖っている。また、第一部3の中間部にはフランジ7が形成されており、一端部の先端1aとフランジ7との間には、螺旋状に延びる雄ネジ9が形成されている。この雄ネジ9は、一端部の先端1aを基端とし、フランジ7の直下付近を終端とするように延びている。すなわち、雄ネジ9の終端から軸方向に所定長さ離れた位置にフランジ7が形成されている。
図2に示すように、本体1の中空部分は、飲料が排出される排出路11を構成しており、一端部側に形成された流入口13から流入した飲料は、排出路11を介して、本体1の他端部に形成された排出口15から排出される。また、本体1の他端部には、排出口15を閉鎖するためのキャップ17が着脱自在にネジ止めされている。
次に、上記のように構成された注出具の使用方法について説明する。まず、図
3に示すような紙製容器Bを準備する。この紙製容器Bは、ブロック状に形成されたものであり、上面に上述した注出具が取り付けられる。なお、容器Bを構成する紙材は、紙の表裏にポリエチレン樹脂からなる薄膜を積層したものを用いることができ、これによって強度を高めることができる。
次に、容器Bの上面に本体1の一端部を突き刺し、回転させながらねじ込んでいく。これにより、容器Bには穴が形成され、本体1の回転に伴って穴の周縁部Cが押し広げられつつ雄ネジ9に沿ってフランジ7側に近づいていく。そして、図2に示すように、フランジ9が容器B上面に当接した時点でねじ込みを停止する。このとき、容器上面の紙材は、雄ネジ9の終端9aとフランジ7とで挟持された状態となり、これによって注出具が容器Bに固定される。飲料を排出する際には、図4に示すように、キャップ17を取り外した後、容器Bを傾けて排出口15から飲料を注ぎ出し、所望の量を注ぎ出した後には、キャップ17を取り付けて飲料を保管する。また、飲料を全て使用した後には、装着時と逆方向に注出具を回転させて容器Bから取り外す。その後、注出具を洗浄をすれば、別の容器に装着して再使用することができる。なお、装着時に容器Bの紙材が厚く、本体1の先端1aが突き刺しにくい場合には、刃物などで切り込みを入れて小孔を形成した後、この小孔に本体の先端1aを挿入すればよい。
以上のように、本実施形態によれば、先端が尖った本体1の外周面に雄ネジ9を形成しているため、紙製容器Bに本体1の先端を挿入して回転すると、回転に伴って雄ネジ9が紙材に形成された穴の周縁Cに螺合しつつ、穴が押し広げられていくため、本体1を容器B内に容易にねじ込むことができる。そして、雄ネジ9の終端付近にはフランジ7が設けられているため、本体1が所定量ねじ込まれた後には、フランジ7が容器Bの表面に当接する。このとき、フランジ7と雄ネジ9の終端9aとで紙材を挟持できることから、注出具を容器Bに対して確実に固定することができる。したがって、従来例の注出具よりも容器に対して、容易に装着でき、しかも確実に固定することができる。
なお、図5に示すように、本体1内に空気の流通路を形成することもできる。すなわち、排出路11と平行して本体内にL字型の流通路19を形成するとともに、本体1の一端部及び他端部にそれぞれ空気の排出口21及び流入口23を形成する。これにより、飲料を注ぎ出すときには、空気流通路19から容器B内に空気が流入するため、容器内から飲料が排出されやすくなる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る注出具の第2実施形態について説明する。図6は本実施形態に係る注出具の斜視図であり、図7は図6の断面図である。この実施形態が第1実施形態と異なるのは、主として雄ネジの構成であり、以下で説明する以外の部分は第1実施形態とほぼ同様であるため、その説明を省略する。
図6及び図7に示すように、この実施形態に係る注出具は、真っ直ぐに延びる本体1を有している。本体1の一端部の先端からは、雄ネジ9が螺旋状に延びており、フランジ7付近で終端している。そして、この雄ネジ9の終端からはフランジ7と平行に延びる雄ネジ延長部31が形成されている。この雄ネジ延長部31は、螺旋状の雄ネジ9の終端と連続し、フランジ7との間に容器Bの紙材の厚さ程度の隙間33を形成しつつ、フランジ7と平行に延びている。そして、雄ネジ延長部31は本体1を約一周した後、雄ネジ9と交差する直前で終端している。より詳細には、雄ネジ延長部31の終端と雄ネジ9との間には、少なくとも紙材の厚さ程度の隙間35が形成されている。
本体1の一端部とは反対側の他端部にはキャップ37が取り付けられている。この他端部の開口周縁にはフランジ39が形成されており、キャップ37には、このフランジ39に係止する係止片37aが設けられている。またキャップ37を失わないように、本体1とキャップ37とは帯片41によって連結されている。
上記のように構成された注出具は、次のように使用される。まず、図8に示すように、本体1の一端部を容器Bに突き刺し、回転させながらねじ込んでいく。すると、容器Bの穴の周縁部Cは押し広げられながら雄ネジ9に沿ってフランジ7に近づいていく。そして、上述した隙間35を通過して雄ネジ9が終端すると、穴の周縁部Cは雄ネジ延長部31とフランジ7との隙間33に入り込む。そして、図9に示すように、穴の周縁部Cのほぼ全周が、雄ネジ延長部31とフランジ7との隙間33に入り込んだ時点で回転を停止する。その後、飲料を注ぎ出すときにはキャップ37を開けて、飲料を排出する。
以上のように、本実施形態によれば、雄ネジ9の終端から連続し、フランジ7と平行に延びる雄ネジ延長部31が形成されているため、本体1の容器B内への進入に伴って穴の周縁部Cが雄ネジ9に沿って移動すると、周縁部Cは雄ネジ延長部31とフランジ7との隙間33に入り込む。これにより、穴の周縁部Cは、本体の外周面に沿って平行に延びる雄ネジ延長部31とフランジ7との間で挟持される。すなわち、容器Bの紙材に形成された穴の周縁部Cを表面及び裏面の両側から挟むため、注出具をより確実に容器に固定することができる。なお、本実施形態では、空気の流通路を形成していないが、必要に応じて形成してもよいのは勿論である。また、飲料を排出しやすくするために、第1実施形態のように本体をL字形に形成してもよいし、ネジ止めのキャップを設けることもできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、飲料の排出路の流入口は、図2及び図7に示すように、本体の一端部の一部に設けることもできるが、図10に示すように複数の流入口を形成することもできる。同図では、本体1の外周面の周方向に沿って所定角度おきに、軸方向に延びる複数の流入口51が形成されている。これにより、流入口の面積が大きくなるため、飲料を確実に排出することができる。
また、雄ネジ9は、ねじ込み易さから、本体1の一端部の先端1aを基端として延びているが、先端よりも若干フランジ7側を基端とすることもできる。
また、フランジ7と雄ネジ延長部31との間に、容器の穴周縁Cを強固に挟持するために、フランジ7を本体1の軸方向に移動可能とすることができる。例えば、本体の外周面に雌ネジを形成し、フランジをこの雌ネジに螺合させると、フランジを軸方向の任意の位置に保持することができる。例えば、注出具が装着された状態で、フランジを回転させながら容器表面に対してさらに押し込むと、より強固に注出具を固定することができる。特に、第2実施形態で、この構成を採用すると有利である。すなわち、図11に示すように、雄ネジ延長部31から他端部側に向けて、雌ネジ61を形成し、この雌ネジ61にフランジ7が螺合するように構成する。これにより、フランジ7が本体1の軸方向に沿って移動可能となる。そして、注出具を容器に装着した際に、フランジ7を容器Bの表面側にねじ込めば、雄ネジ延長部31とフランジ7との隙間33が小さくなり、容器Bの紙材を強固に挟持することができる。その結果、注出具をさらに確実に固定することが可能となる。
上記実施形態では、飲料が密閉された紙製容器に対して注出具を装着しているが、本発明に係る注出具は、飲料に限らず、液体が密閉された紙製容器全般に対して適用することができる。
本発明に係る注出具の第1実施形態の斜視図である。 図1の断面図である。 図1の注出具が装着される紙製容器の一部斜視図である。 図1の注出具が容器に装着された状態を示す斜視図である。 図1の注出具の他の例を示す断面図である。 本発明に係る注出具の第2実施形態を示す斜視図である。 図6の断面図である。 図6の注出具の容器への装着を示す断面図である。 図6の注出具の容器への装着を示す断面図である。 図6の注出具の他の例を示す斜視図である。 図6の注出具の他の例を示す斜視図である。
符号の説明
1 本体
7 フランジ
9 雄ネジ
11 排出路
13 流入口
15 排出口
19 空気流通路
31 雄ネジ延長部

Claims (5)

  1. 液体が密閉された紙製容器に装着される注出具であって、
    一端部が先端にいくにしたがって細くなるように形成された円筒状の本体と、
    前記本体の外周面に形成され、前記一端部を基端として螺旋状に延びる雄ネジと、
    前記本体の外周面において、前記雄ネジの終端から所定長さ離れた前記本体の他端部側に形成され、紙製容器の表面に当接するフランジとを備え、
    前記本体には、液体を排出する排出路が形成されており、当該排出路は前記フランジを挟んで前記本体の一端部側に液体の流入口を有する一方、前記本体の他端部側に排出口を有している、注出具。
  2. 前記雄ネジの終端から連続し、前記フランジと平行に前記本体の外周に沿って延びる雄ネジ延長部をさらに備え、
    当該雄ネジ延長部と前記フランジとで、紙製容器を構成する紙材を挟持する、請求項1に記載の注出具。
  3. 前記本体には、空気流入路がさらに形成されており、当該空気流入路は前記フランジを挟んで前記本体の一端部側に空気の排出路を有する一方、前記本体の他端部側に流入口を有している、請求項1または2に記載の注出具。
  4. 前記フランジは、前記本体の軸方向に沿って移動可能であり、任意の位置に保持可能に構成されている、請求項1から3のいずれかに記載の注出具。
  5. 前記雄ネジは、前記一端部の先端を基端とする、請求項1から4のいずれかに記載の注出具。


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