JPH0211082Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、授乳用乳首に関し、特に、合成紙な
どの容器に無菌パツクされて市販される牛乳、豆
乳その他の飲料食品の容器に直接取り付けて当該
飲料食品を乳児に供することができるようにする
授乳用乳首に関する。

技術的背景及びその問題点 いわゆるパツク入牛乳は、合成紙等から作られ
た容器に牛乳を無菌状態で封入し、市販されてい
る。これを乳児に与える場合、牛乳を哺乳びんに
移し替えて行う。従つて、使用する哺乳びんは清
潔に保たねばならず、汚れたものを使用すれば乳
児に病気を起す虞れもある。従つてまた、使用し
た哺乳びんの洗浄は、気の使う煩わしい作業であ
る。

このような点に鑑み、パツク入り牛乳に差し込
んで使用する乳首が開発されている。例えば、そ
のような例として特開昭61−181466号に開示され
たものがある。

すなわち、この先行技術に係る乳首は、パツク
容器に差し込まれる円筒状の差込部材と、該差込
部材に取り付けられてパツク容器の外側に設定さ
れる乳首部材とからなり、差込部材には、容器内
部と乳首部材の内部空所を連通する通液路が設け
られており、該通液路を通してパツク内の牛乳等
の飲料食品を飲むことができるようにしている。

しかし、この乳首では、次のような問題があつ
た。すなわち、この乳首では、その差込部材を差
し込むときに、パツクにあらかじめ設けてあるス
トロー用の穴を通して差し込むようになつてお
り、当該差込部材の径が小さく、従つて、該部材
に貫通するように設けられる通液路も径が小さい
ものとなる。

しかし、乳首はそれを取り付けた容器やパツク
を逆さに若しくは傾斜しただけで、当該乳首の内
部空所内に飲料食品が自然に流入するようにする
ことが好ましく、そのためには通液路の径を大き
くする必要があり、上記の如くストローの通液路
程度の径では、乳首部材の内部空所内に飲料食品
が自然に流入する状態にはならない。

考案の目的 本考案は、上記の点に鑑み、取り付けたパツク
を傾斜若しくは逆さにしただけで、乳首部材の内
部空所内に飲料食品が自然に流入するのを可能と
するような程度の通液路を設けることが出来る乳
首を提供することを目的とするものである。

考案の構成並びにその作用効果 すなわち、本考案に係る乳首は、パツク入り飲
料食品のパツク容器に差し込まれる差込部材と、
該差込部材に取り付けられてパツク容器の外側に
設定される乳首部材とを有し、 差込部材は、当該差込部材が容器に差し込まれ
たときに該容器の外側位置となり、乳首が取り付
けられる外側部分と、容器の内側位置となる内側
部分と、外側部分と内側部分との間に設けられ差
込部材が容器に差し込まれたときに容器の壁の外
表面に当接するフランジと、外側部分と内側部分
とを貫通して形成され、容器内部と乳首部材の内
部空所とを連通する通液路とからなり、 内側部分は、フランジから容器の内方に向かつ
て延びる円筒状部と、該円筒状部の内端に連設さ
れ内方先端に向かつて先細りとされた差込部とか
らなり、差込部は複数枚の三角形ブレードからな
り、各三角形ブレードはその第１の辺が上記円筒
状部に近く該円筒状部の中心軸線上にある一端か
ら半径方向に放射状に延びて円筒状部の内方端部
の円形壁に連結されており、第２の辺は上記一端
から上記中心軸線に沿つて当該差込部の内方先端
まで延びて相互に接合されており、第３の辺は第
１の辺の半径方向外側端部から上記内方先端に向
けて延びており、上記円筒状部の円筒形外面に
は、その内側端部からフランジに向けて螺旋状の
ねじ山が設けられていることを特徴とする。

本考案に係る乳首は、上記の通り、その差込部
材の差込部が、その内方先端に向けて先細りとな
る複数の三角形ブレードからなるので、従来の円
筒状の差込部材に比べてパツクへの差し込みが容
易となり、差込部に続く円筒状部分の径を大きく
することが出来る。従つて、当該差込部材に設け
られる通液路の径を大きくすることが出来、上記
した如き先行技術に係る乳首の問題点を解消する
ことが出来る。

実施例 以下、本考案を添付図面に示した実施例に基づ
き説明する。

第１図に示すように、本考案に係る乳首１０は
パツク容器Ｐに差し込まれる差込部材１２と、該
差込部材に取り付けられる乳首部材１４とを有し
ている。

差込部材１２は、それが容器Ｐに差込まれたと
きに、同容器の外側となる外側部分１６と、内側
となる内側部分１８と、内外側部分を仕切り且つ
容器Ｐの外壁面に係合されるフランジ２０とを有
している。

内側部分１８は、フランジ２０の内側に連続し
て設けられる円筒状部分２２と、該円筒状部分か
ら尖つた内方端部２４に向けて先細りとされた差
込部２６とを有している。図示の実施例における
差込部は、円筒状部２２の中心軸線の下方延長線
を中心に放射状に伸びている４枚の三角形ブレー
ド３０から構成されている。第２図に示すよう
に、ブレード３０は相互に90゜の間隔をあけて設
けられており、各ブレード間には円筒状部２２の
内孔３２に連通している通液路３４を形成してい
る。一方、円筒状部の周面上にはねじ山３６が設
けられている。

外側部分１６は、内側部分１８の円筒状部２２
と同心の円筒形状に形成され、その内孔３８は円
筒状部２２の内孔３２と連通されている。外側部
分１６の外端縁の一部４０は斜目に切り取られて
いる。

乳首部材１４は、ゴムや合成樹脂から作られた
汎用のものでよく、その内部空所４２の下方開口
４４及びそれに続く上記外側部分１６の高さにほ
ぼ相当する部分の内径は、同外側部分１６の外径
と等しいかわずかに小さいものとされている。

この乳首部材を差込部材に取り付けるには、差
込部材の外側部分１６の外端縁における傾斜部分
４０と反対側にある部分の外周面１６′に、乳首
部材を外側部分１６に対して斜目にしながらその
下方開口４４の一側縁４４′を係合し、次にこの
係合部分を中心にして乳首部材を回動し、開口４
４の反対側の縁４４″を下方に動かして、該開口
４４全体を外側部分１６の外周面に嵌める。（こ
の場合、外側部分１６の外端縁に傾斜部分４０が
設けられているので、縁４４″を外側部分１６の
外周面に嵌めるのが容易になる。）次いで、その
乳首部材を差込部材１２のフランジ２０に当接す
るまで押し込む。

次に、本考案に係る乳首１０の使用方法を説明
する。

先ず、乳首１０の差込部材１２の内方端２４
を、パツク容器に予め設けられているストロー用
穴を覆うカバーまたは他の所要の容器外表面に当
て、同容器の内方へ差し込む。内側部分１８の差
込部２６が容器内に完全に差し込まれ、円筒状部
２２が容器の壁に至れば、乳首全体を回転し、同
円筒状部２２に設けたねじ山３６を容器の壁に螺
合させながら、内側部分１８全体を容器内へ入れ
る。

この状態にされると、乳首のまわりの容器の壁
は差込部材の円筒状部分２２の周面に密着し、内
部の飲料食品は、外部に洩れることがない。

尚、上記実施例では、ねじ山を差込部の円筒状
部にのみ設けたが、差込部材全体に設けてもよ
く、その場合、その差込に当つては、初めから回
転しながら行う。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る乳首の分解側面図；第
２図は同乳首の底面図；第３図は、第２図の−
線断面図；である。 １０……乳首、１２……差込部材、１４……乳
首部材、１６……外側部材、１８……内側部材、
２０……フランジ、２２……円筒状部、２６……
差込部、３０……三角形ブレード、３２，３４，
３８……通液路、３６……ねじ山。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 パツク入り飲料食品のパツク容器に差し込まれ
   る差込部材と、該差込部材に取り付けられてパツ
   ク容器の外側に設定される乳首部材とを有し、 差込部材は、当該差込部材が容器に差し込まれ
   たときに該容器の外側位置となり乳首が取り付け
   られる外側部分と、容器の内側位置となる内側部
   分と、外側部分と内側部分との間に設けられ差込
   部材が容器に差し込まれたときに容器の壁の外表
   面に当接するフランジと、外側部分と内側部分と
   を貫通して形成され、容器内部と乳首部材の内部
   空所とを連通する通液路とからなり、 内側部分は、フランジから容器の内方に向かつ
   て延びる円筒状部と、該円筒状部の内端に連設さ
   れ内方先端に向かつて先細りとされた差込部とか
   らなり、差込部は複数枚の三角形ブレードからな
   り、各三角形ブレードはその第１の辺が上記円筒
   状部に近く該円筒状部の中心軸線上にある一端か
   ら半径方向に放射状に延びて円筒状部の内方端部
   の円形壁に連結されており、第２の辺は上記一端
   から上記中心軸線に沿つて当該差込部の上記内方
   先端まで延びて、且つ、相互に接合されており、
   第３の辺は第１の辺の半径方向外側端部から上記
   内方先端に向けて延びており、上記円筒状部の円
   筒形外面には、その内側端部からフランジに向け
   て螺旋状のねじ山が設けられていることを特徴と
   するパツク入り飲料食品の乳首。