JP2007038900A - 車両の駆動力配分制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、常に車両状態に最適なトルクを副駆動輪に伝達することができ、また、充電系装置に負担のかからないシステムを構築することにある。
【解決手段】この発明は、駆動力配分装置を備えた車両の駆動力配分制御装置において、駆動力配分装置での滑り量を算出する滑り量算出手段を備え、副駆動輪に伝達するトルクを算出する伝達トルク算出手段を備え、算出された伝達トルクに応じて駆動力配分装置の駆動電流値を算出する駆動電流算出手段を備え、駆動力配分装置の温度を検出する温度検出手段を備え、検出された駆動力配分装置の温度に応じて最大駆動電流値を設定する最大駆動電流設定手段を備え、算出される滑り量の値に応じて設定された最大駆動電流値を補正する最大駆動電流補正手段を備え、算出された駆動電流値が補正された最大駆動電流値よりも大きい場合には、駆動電流値として最大駆動電流値を出力する駆動電流制御手段を備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は車両の駆動力配分制御装置に係り、特に、常に車両状態に最適なトルクを副駆動輪に伝達することが可能であり、また、充電系装置に負担のかからないシステムを構築することが可能な車両の駆動力配分制御装置に関する。
車両には、エンジンの駆動力を前輪及び後輪に伝達し、四輪すべてを駆動する四輪駆動車がある。この車両には、エンジンからの駆動力を車両の走行状態に応じて主駆動輪及び副駆動輪へと配分する駆動力配分装置を備えた駆動力配分制御装置を設けているものがある。
従来の車両の駆動力配分制御装置には、駆動力配分装置の作動温度が耐久性に影響を与えることから、温度推定装置を用いて駆動力配分装置の作動温度を推定するものがある。
特開平1−122728号公報
また、従来の車両の駆動力配分制御装置には、駆動力配分装置を構成する摩擦板が所定温度を超えた場合に、摩擦板を完全締結状態または完全解放状態にする制御を行うものがある。
特開昭61−178232号公報
また、従来の車両の駆動力配分制御装置には、油温と差回転から駆動力配分装置の駆動電流を制御するものがある。
特開昭63−251635号公報
また、従来の車両の駆動力配分制御装置には、検出油温に基づいて駆動力配分装置を構成する湿式多板クラッチの締結力を変更するものがある。
特開平8−337127号公報
また、従来の車両の駆動力配分制御装置には、作動油の温度をパラメータとして駆動力配分装置を構成するオイルポンプに印加する電圧を補正するものがある。
特開2001−206092号公報
ところで、前記各特許文献に開示される車両の駆動力配分制御装置においては、駆動電流により駆動される駆動力配分装置の機械的機構が持つ伝達トルク特性に対して、駆動力配分装置の油温によって駆動電流を制御して機械的機構の伝達トルク特性を変更することは行われていた。
しかし、駆動力配分装置は、低温状態において、常温状態と比べて伝達トルクが大きくなる特性を持っているため、駆動電流値が同じでも、駆動力配分装置の周辺の温度によって、駆動力配分装置が副駆動輪に配分する伝達トルクが大きく異なっており、必要以上のトルクが伝達される場合がある。
即ち、駆動力配分制御装置は、車両に取り付けられた様々なセンサ情報から、副駆動輪に伝達すべきトルクを求め、あらかじめ決められている「伝達トルク−駆動電流値」の特性を基に、駆動力配分装置に出力する駆動電流値を決定する。
この「伝達トルク−駆動電流値」の特性は、駆動力配分装置自体の温度や雰囲気温度によって大きく異なるため、伝達トルクが常温より高くなる特性をもっている低温時に、常温時と同じ駆動電流値で駆動すると、駆動力配分装置自体や、駆動力配分装置と連結しているディファレンシャル、トランスファ等に最大耐久トルク以上のトルクがかかる場合がある。
このため、従来の車両の駆動力配分制御装置においては、必要以上のトルクが伝達される場合を考慮して、駆動力配分装置自体や、この駆動力配分装置と連結しているディファレンシャル、トランスファ等を、最大耐久トルク以上のトルクに耐え得る剛性の高い構造としなければならず、重量の増加やコストアップを招く問題がある。
また、従来の車両の駆動力配分制御装置においては、駆動力配分装置が必要以上のトルクを伝達する際に、必要以上の駆動電流が流れることになるため、バッテリや発電機等の充電系装置に大きな負担がかかる問題がある。
この発明は、温度に応じて最大駆動電流値で駆動電流値に制限をかけて必要以上のトルクを伝達させなくすることで、常に車両状態に最適なトルクを副駆動輪に伝達することを可能とし、また、駆動力配分装置自体やディファレンシャル、トランスファ等に最大耐久トルク以上のトルクがかかることを防止し、さらに、バッテリや発電機等の充電系装置に負担のかからないシステムを構築することを目的とする。
この発明は、エンジンからの駆動力を車両の走行状態に応じて、主駆動輪及び副駆動輪へと配分する駆動力配分装置を備えた車両の駆動力配分制御装置において、前記主駆動輪の回転速度及び前記副駆動輪の回転速度から前記駆動力配分装置での滑り量を算出する滑り量算出手段を備え、前記副駆動輪に伝達するトルクを算出する伝達トルク算出手段を備え、この伝達トルク算出手段により算出された伝達トルクに応じて、前記駆動力配分装置を駆動する駆動電流値を算出する駆動電流算出手段を備え、前記駆動力配分装置の温度を検出する温度検出手段を備え、この温度検出手段により検出された前記駆動力配分装置の温度に応じて、最大駆動電流値を設定する最大駆動電流設定手段を備え、前記滑り量算出手段により算出される滑り量の値に応じて、前記最大駆動電流設定手段により設定された最大駆動電流値を補正する最大駆動電流補正手段を備え、前記駆動電流算出手段により算出された駆動電流値が、前記最大駆動電流補正手段により補正された最大駆動電流値よりも大きい場合には、駆動電流値として最大駆動電流値を出力する駆動電流制御手段を備えていることを特徴とする。
この発明の車両の駆動力配分制御装置は、駆動力配分装置を駆動する駆動電流値が、補正された最大駆動電流値よりも大きい場合には、駆動電流値として最大駆動電流値を出力することにより、温度に応じて最大駆動電流値で駆動電流値に制限を設けて必要以上のトルクを伝達させなくしているため、温度によって車両周囲の環境が変化しても、必要以上のトルクを伝達することはないので、運転者自身が環境変化に気を配る必要がなく、これにより、常に車両状態に最適なトルクを副駆動輪に伝達することが可能であり、また、駆動力配分装置自体や、この駆動力配分装置と連結しているディファレンシャル、トランスファ等を、必要以上のトルクに耐え得る剛性の高い構造とする必要がなく、重量の増加やコストアップを回避することができ、さらに、必要以上のトルクを伝達させないことから、駆動力配分装置に必要以上に駆動電流が流れることがないので、バッテリや発電機等の充電系装置に負担のかからないシステムを構築することが可能である。
この発明の車両の駆動力配分制御装置は、駆動力配分装置を駆動する駆動電流値が、補正された最大駆動電流値よりも大きい場合には、駆動電流値として最大駆動電流値を出力することにより、常に車両状態に最適なトルクを副駆動輪に伝達することが可能であり、また、重量の増加やコストアップを回避することができ、さらに、充電系装置に負担のかからないシステムを構築するものである。
以下図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。
図1〜図7は、この発明の実施例を示すものである。図7において、2は車両、4はエンジン、6はトランスミッション、8は前側ディファレンシャル、10R・10Lは右前車軸・左前車軸、12R・12Lは主駆動輪である右前車輪・左前車輪、14はトランスファ、16はプロペラシャフト、18は駆動力配分装置、20は後側ディファレンシャル、22R・22Lは右後車軸・左後車軸、24R・24Lは副駆動輪である右後車輪・左後車輪である。
この車両2は、前側に横置き搭載したエンジン4の駆動力をトランスミッション6により変換して前側ディファレンシャル8に伝達し、右・左前車軸10R・10Lにより右・左前車輪12R・12Lを駆動する。また、この車両2は、トランスミッション6の出力する駆動力の一部をトランスファ14により取り出して、プロペラシャフト16と駆動力配分装置18とを介して後側ディファレンシャル20に伝達し、右・左後車軸22R・22Lにより右・左後車輪24R・24Lを駆動する。したがって、この車両2は、いわゆる4輪駆動車である。
前記駆動力配分装置18は、エンジン4からの駆動力を車両2の走行状態に応じて、主駆動輪である右・左前車輪12R・12L及び副駆動輪である右・左後車輪24R・24Lへと配分する。駆動力配分装置18は、電子的に制御可能なクラッチ26とこのクラッチ26の締結力を決定するコイル28とによって構成され、コイル28を駆動力配分制御装置30に接続している。駆動力配分装置18は、駆動力配分制御装置30からの制御信号である駆動電流によりコイル28を駆動されてクラッチ26の締結力を決定され、右・左後車輪24R・24Lに伝達するトルクを決定する。
駆動力配分制御装置30には、右前車輪回転速度センサ32R・左前車輪回転速度センサ32L、右後車輪回転速度センサ34R・左後車輪回転速度センサ34L、吸気温センサ36、外気温センサ38、車両制御装置40が接続されている。
前記右・左前車輪回転速度センサ32R・32L、右・左後車輪回転速度センサ34R・34Lは、右・左前車輪12R・12L、右・左後車輪24R・24Lの各回転速度を測定する。これら各回転速度センサ32R・32L、34R・34Lは、通常の四輪駆動車が備えているアンチ・ロック・ブレーキシステム(ABS)の車輪回転速度センサを流用することができる。
前記吸気温センサは36は、エンジン4に取り付けられ、エンジン4のシリンダに吸い込まれていく空気の温度を測定する。前記外気温センサ38は、エンジン4からの熱の影響を受けないような部分に取り付けられ、外気の温度を測定する。
前記車両制御装置40は、少なくともエンジン4を制御するエンジンコントローラ40−1やトランスミッション6を制御するトランスミッションコントローラ40−2から構成されており、これら各コントローラ40−1、40−2から、エンジン回転速度やスロットル開度、変速段等の、駆動力配分装置18を制御するために必要なセンサ情報をCAN通信により駆動力配分制御装置30に入力する。
駆動力配分制御装置30は、各種センサ32R・32L、34R・34L、36、38、40から駆動力配分装置18を制御するために必要なセンサ情報を入力し、駆動力配分装置18を構成するクラッチ26の締結力(伝達トルク)を求め、この締結力に応じた駆動電流を制御信号としてコイル28に出力する。駆動力配分装置18は、駆動力配分制御装置30からの駆動電流によりコイル28を駆動されてクラッチ26の締結力を決定され、クラッチ26の締結力に応じて配分された伝達トルクを右・左後車輪24R・24Lに伝達する。
この駆動力配分制御装置30は、滑り量算出手段42と、伝達トルク算出手段44と、駆動電流算出手段46と、温度検出手段48と、最大駆動電流設定手段50と、最大駆動電流補正手段52と、駆動電流制御手段54とを備えている。
前記滑り量算出手段42は、右・左前車輪12R・12Lの回転速度及び右・左後車輪24R・24Lの回転速度から、駆動力配分装置18での滑り量を算出する。前記伝達トルク算出手段44は、滑り量やエンジン回転速度等のセンサ情報から右・左後車輪24R・24Lに伝達するトルクを算出する。前記駆動電流算出手段46は、この伝達トルク算出手段44により算出された伝達トルクに応じて、駆動力配分装置18のコイル28を駆動する駆動電流値を算出する(図6参照)。
前記温度検出手段48は、駆動力配分装置18に取り付けられ、駆動力配分装置18自体の温度、または駆動力配分装置18周囲の雰囲気験温度を測定する。なお、この実施例においては、駆動力配分装置18自体の温度を測定するものとして説明する。前記最大駆動電流設定手段50は、この温度検出手段48により検出された駆動力配分装置18の温度に応じて、最大駆動電流値を設定する。この最大駆動電流設定手段50は、温度検出手段48により検出された駆動力配分装置18の温度が低くなるほど、最大駆動電流値を小さい値に設定する(図5参照)。
前記最大駆動電流補正手段52は、滑り量算出手段42により算出される滑り量の値に応じて、最大駆動電流設定手段50により設定された最大駆動電流値を補正する。この最大駆動電流補正手段52は、滑り量算出手段42の算出する滑り量の値が伝達トルクに応じて変化する滑り量判定値より大きい状態となり、且つ伝達トルクに応じて変化する滑り量継続時間を経過した場合には、最大駆動電流値の補正を実行する。前記駆動電流制御手段54は、駆動電流算出手段46により算出された駆動電流値が、最大駆動電流補正手段52により補正された最大駆動電流値より大きい場合には、駆動電流値として最大駆動電流値を出力する。
次に、図1〜図6に従った作用を説明する。
駆動力配分制御装置30は、図1・図2に示す如く、イグニッションスイッチのONにより電源を供給されて制御がスタートすると(100)、各センサ32R・32L、34R・34L、36、38、40、48から入力するセンサ情報により、駆動力配分装置18自体の温度(Th)と図5に示す「温度−最大駆動電流値」の特性テーブルから、最大駆動電流値(Amax)の初期値を求める(102)。最大駆動電流値(Amax)は、駆動力配分装置18の温度(Th)が低いほど小さい値になる。
次に、右・左前車輪12R・12Lの回転速度及び右・左後車輪24R・24Lの回転速度から駆動力配分装置18での滑り量(△N)を求め(104)、この滑り量(△N)やその他のセンサ情報(エンジン回転速度・スロットル開度・車速など)から右・左後車輪24R・24Lに伝達するトルク(Tr)を求める(106)。
前記(106)で求めたトルク(Tr)と図6に示す「伝達トルク−駆動電流値」の特性テーブルから、駆動電流値(Ad)を求め(108)、前記(106)で求めたトルク(Tr)と図3に示す「伝達トルク−滑り量判定値」の特性テーブルから、滑り量判定値(△Nj)を決定し(110)、前記(106)で求めたトルク(Tr)と図4に示す「伝達トルク−滑り量継続時間」の特性テーブルから、滑り量継続時間(△Nt)を決定し(112)、判断(114)に進む。
判断(114)においては、前記(104)で求めた滑り量(△N)が、前記(110)で求めた滑り量判定値(△Nj)よりも大きいか否かを判断する。
この判断(114)において、滑り量(△N)が滑り量判定値(△Nj)以上で大きい場合(114:YES)は、滑り量継続タイマカウンタ(△Ntc)を増加(インクリメント)し(116)、判断(118)に進む。また、この判断(114)において、滑り量(△N)が滑り量判定値(△Nj)未満で小さい場合(114:NO)は、判断(124)に進む。
判断(118)においては、滑り量継続タイマカウンタ(△Ntc)が前記(112)で求めた滑り量継続時間(△Nt)を経過したかどうかを判断する。
この判断(118)において、滑り量継続タイマカウンタ(△Ntc)が滑り量継続時間(△Nt)を経過している場合(118:YES)は、最大駆動電流値(Amax)に最大駆動電流値増加分(△A)を加算して補正された最大駆動電流値(hAmax)を求め(120)、滑り量継続タイマカウンタ(△Ntc)を0(零)にクリアして(122)、判断(124)に進む。
また、この判断(118)において、滑り量継続タイマカウンタ(△Ntc)が滑り量継続時間(△Nt)に達していない場合(118:NO)は、判断(124)に進む。
判断(124)においては、(120)で補正された最大駆動電流値(hAmax)が最大駆動電流制限値(Alim)以上であるか否かを判断する。
この判断(124)において、(120)で補正された最大駆動電流値(hAmax)が最大駆動電流制限値(Alim)を超えている場合(124:YES)は、最大駆動電流制限値(Alim)を最大駆動電流値(hAmax)に置き換えて(126)、判断(128)に進む。この判断(124)において、最大駆動電流値(Amax)が最大駆動電流制限値(Alim)に達していない場合(124:NO)は、補正された最大駆動電流値(hAmax)をそのままとして、判断(128)に進む。
判断(128)においては、(108)で求めた駆動電流値(Ad)と補正された最大駆動電流値(hAmax)とのどちらが大きいかを判断する。
この判断(128)において、駆動電流値(Ad)よりも最大駆動電流値(hAmax)が大きい場合(128:YES)は、駆動電流値(Ad)をそのまま出力して(130)、エンドにする(132)。一方、この判断(128)において、駆動電流値(Ad)が最大駆動電流値(hAmax)よりも大きい場合(128:NO)は、最大駆動電流値(hAmax)を駆動電流値(Ad)に置き換えて(134)、この駆動電流値(Ad)を出力して(130)、エンドにする(132)。
このフローチャートにおける(104)以下の処理は、所定周期毎に繰り返し実行・処理する。
このように、駆動力配分制御装置30は、イグニッションスイッチをONすると、各種センサ32R・32L、34R・34L、36、38、40からセンサ情報を入力し、駆動力配分装置18自体の温度(Th)と図5に示す「温度−最大駆動電流値」の特性テーブルから、最大駆動電流値(Amax)の初期値を決める。
なお、この実施例では、温度検出手段48により駆動力配分装置18自体の温度を測定して駆動電流値の制御に用いているが、駆動力配分装置18周囲の雰囲気温度を測定して駆動電流値の制御に用いることもできる。また、駆動力配分装置18の温度は、専用の温度検出手段48を設けることなく、エンジン4に既設の吸気温センサ36や外気温センサ38等の他の温度センサの値を使って求めてもよく、また、無条件に最大駆動電流値の初期値は0としてもよい。
次に、駆動力配分制御装置30は、右・左前車輪回転速度センサ32R・32L、及び右・左後車輪回転速度センサ34R・34Lから出力された回転速度信号を入力し、右前車輪回転速度32Rにより検出された回転速度と左前車輪回転速度センサ32Lにより検出された回転速度との平均を前車輪回転速度として、また、右後車輪回転速度センサ34Rにより検出された回転速度と左後車輪回転速度センサ34Lにより検出された回転速度との平均を後車輪回転速度として認識し、駆動力配分装置18での滑り量(△N)を「前車輪回転速度−後車輪回転速度」の絶対値として求める。
駆動力配分制御装置30は、4つの前・後車輪12R・12L、24R・24Lに取り付けられている各車輪回転速度センサ32R・32L、34R・34Lから求められる駆動力配分装置18での滑り量(△N)が、図3に示す滑り量判定値(△Nj)よりも大きい状態となり、且つ図4に示す滑り量継続時間(△Nt)を経過したと判断するたびに、最大駆動電流値(Amax)を最大駆動電流増加分(△A)だけ徐々に増加させる補正を行い、補正された最大駆動電流値(hAmax)を求める。
前記滑り量判定値(△Nj)や滑り量継続時間(△Nt)は、車両2の状態によって変化する伝達トルク(Tr)によって値が変わるが、図3・図4のような関係から求めることができる。
また、前記最大駆動電流値(Amax)の補正方法としては、一定量または可変量を加算して増加させてもよいし、滑り量(△N)や時間や伝達トルク(Tr)などを基に係数を求め、それを乗算して最大駆動電流値(Amax)を増加させててもよく、さらに、駆動力配分装置18自体の温度(Th)に応じて増加させてもよい。ただし、補正された最大駆動電流値(hAmax)が最大駆動電流制限値(Alim)よりも大きくなった場合は、最大駆動電流制限値(Alim)を最大駆動電流値(hAmax)とする。
なお、最大駆動電流制限値(Alim)は、駆動力配分装置18自体や、駆動力配分装置18と連結している後側ディファレンシャル20、トランスファ14等の最大耐久トルクから求められる。
そして、駆動力配分制御装置30は、最大駆動電流増加分(△A)で補正され、最大駆動電流制限値(Alim)により制限された最大駆動電流値(hAmax)と、右・左後車輪24R・24Lへの伝達トルクから求めた駆動電流値(Ad)とを比較し、駆動電流値(Ad)が最大駆動電流値(hAmax)よりも小さい場合は、駆動電流値(Ad)をそのまま出力し、一方、駆動電流値(Ad)が最大駆動電流値(hAmax)よりも大きい場合は、最大駆動電流値(hAmax)を駆動電流値(Ad)に置き換えて出力する。
このように、この車両2の駆動力配分制御装置30は、駆動力配分装置18を駆動する駆動電流値(Ad)が、補正された最大駆動電流値(hAmax)よりも大きい場合には、駆動電流値(Ad)として最大駆動電流値(hAmax)を出力することにより、最大駆動電流値(hAmax)で駆動電流値(Ad)に制限を設けて必要以上のトルクを伝達させなくしている。
このため、この駆動力配分制御装置30は、温度によって車両周囲の環境が変化しても、必要以上のトルクを伝達することはないので、運転者自身が環境変化に気を配る必要がなく、これにより、常に車両2の状態に最適なトルクを右・左後車輪24R・24Lに伝達することが可能である。
また、この駆動力配分制御装置30は、駆動力配分装置18自体や、この駆動力配分装置18と連結している後側ディファレンシャル20、トランスファ14等を、必要以上のトルクに耐え得る剛性の高い構造とする必要がなく、重量の増加やコストアップを回避することができ、さらに、必要以上のトルクを伝達させないことから、駆動力配分装置18に必要以上に駆動電流が流れることがないので、バッテリや発電機等の充電系装置に負担のかからないシステムを構築することが可能である。
また、この駆動力配分制御装置30の最大駆動電流設定手段50は、温度検出手段48により検出された駆動力配分装置18の温度(Th)が低くなるほど、最大駆動電流値(Amax)を小さい値に設定することにより、気温が零度を下回るような低温状態においても、必要以上の伝達トルク(Tr)を駆動力配分装置18に伝えることはないので、駆動力配分装置18を含めた駆動系構造の信頼性を向上させることが可能である。
さらに、この駆動力配分制御装置30の最大駆動電流補正手段52は、滑り量算出手段42の算出する滑り量(△N)の値が、伝達トルク(Tr)に応じて変化する滑り量判定値(△Nj)より大きい状態となり、且つ伝達トルク(Tr)に応じて変化する滑り量判継続時間(△Nt)を経過した場合には、最大駆動電流値(Amax)の補正を実行して補正された最大駆動電流値(hAmax)を求めることにより、滑り量(△N)を常時把握しており、最大駆動電流値(Amax)を、車両2の環境変化情報(実際の滑り量の変化)を取り込みつつ、最適な値に補正することができ、これにより、システムの信頼性と制御精度向上とを両立することが可能である。
なお、この実施例においては、駆動力配分装置18自体の温度、または駆動力配分装置18周囲の雰囲気験温度に応じて最大駆動電流値を設定したが、最大駆動電流値をエンジン回転速度やスロットル開度、変速段等の車両2の運転状態に応じて補正することにより、運転状態による駆動力配分装置18自体の温度、または駆動力配分装置18周囲の雰囲気験温度の変化を最大駆動電流値の設定に反映させることができ、より運転状態に適した最大駆動電流値を設定することができる。
この発明の車両の駆動力配分制御装置は、常に車両状態に最適なトルクを副駆動輪に伝達することが可能であり、また、重量の増加やコストアップを回避することができ、さらに、充電系装置に負担のかからないシステムを構築することができるものであり、四輪駆動車に適用することができる。
駆動力配分制御装置の実施例を示す制御フローチャートである。 図1に続く制御フローチャートである。 「伝達トルク−滑り量判定値」の特性テーブルを示す図である。 「伝達トルク−滑り量継続時間」の特性テーブルを示す図である。 「温度−最大駆動電流」の特性テーブルを示す図である。 「伝達トルク−駆動電流値」の特性テーブルを示すである。 駆動力配分制御装置のシステム構成図である。
符号の説明
2 車両
4 エンジン
6 トランスミッション
8 前側ディファレンシャル
12R 右前車輪
12L 左前車輪
14 トランスファ
16 プロペラシャフト
18 駆動力配分装置
20 後側ディファレンシャル
24R 右後車輪
24L 左後車輪
30 駆動力配分制御装置
32R 右前車輪回転速度センサ
32L 左前車輪回転速度センサ
34R 右後車輪回転速度センサ
34L 左後車輪回転速度センサ
36 吸気温センサ
38 外気温センサ
40 車両制御装置
42 滑り量算出手段
44 伝達トルク算出手段
46 駆動電流算出手段
48 温度検出手段
50 最大駆動電流設定手段
52 最大駆動電流補正手段
54 駆動電流制御手段

Claims (3)

  1. エンジンからの駆動力を車両の走行状態に応じて、主駆動輪及び副駆動輪へと配分する駆動力配分装置を備えた車両の駆動力配分制御装置において、前記主駆動輪の回転速度及び前記副駆動輪の回転速度から前記駆動力配分装置での滑り量を算出する滑り量算出手段を備え、前記副駆動輪に伝達するトルクを算出する伝達トルク算出手段を備え、この伝達トルク算出手段により算出された伝達トルクに応じて、前記駆動力配分装置を駆動する駆動電流値を算出する駆動電流算出手段を備え、前記駆動力配分装置の温度を検出する温度検出手段を備え、この温度検出手段により検出された前記駆動力配分装置の温度に応じて、最大駆動電流値を設定する最大駆動電流設定手段を備え、前記滑り量算出手段により算出される滑り量の値に応じて、前記最大駆動電流設定手段により設定された最大駆動電流値を補正する最大駆動電流補正手段を備え、前記駆動電流算出手段により算出された駆動電流値が、前記最大駆動電流補正手段により補正された最大駆動電流値よりも大きい場合には、駆動電流値として最大駆動電流値を出力する駆動電流制御手段を備えていることを特徴とする車両の駆動力配分制御装置。
  2. 前記最大駆動電流設定手段は、前記温度検出手段により検出された前記駆動力配分装置の温度が低くなるほど、最大駆動電流値は小さくなることを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動力配分制御装置。
  3. 前記最大駆動電流補正手段は、前記滑り量算出手段の算出する滑り量の値が、伝達トルクに応じて変化する滑り量判定値より大きい状態となり、且つ伝達トルクに応じて変化する滑り量継続時間を経過した場合には、最大駆動電流値の補正を実行することを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動力配分制御装置。
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