JP2007038469A - インクミストの飛散防止装置、記録装置及び液体噴射装置 - Google Patents

インクミストの飛散防止装置、記録装置及び液体噴射装置 Download PDF

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【課題】発生した浮遊状態のインクミストを記録装置本体内部側に拡散して流れ込ませないように遮蔽できるインクミストの飛散防止装置を提供する。
【解決手段】記録ヘッド13のノズル開口から吐出されたインクのうち記録の実行に使用されることなく記録装置本体3内においてミスト状になって浮遊するインクミストAの周辺への飛散、付着を防止する装置であり、キャリッジ10の移動方向の端部に設けられるフラッシング領域31、32内、あるいはフラッシング領域31、32から記録実行領域33に移行する境界付近に設けられる飛散防止壁34によって構成されており、飛散防止壁34とキャリッジ10との間に形成されている隙間35は部品公差等を考慮して可能な限り最小な値に設定されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、記録ヘッドのノズル開口から吐出されたインクのうち記録の実行に使用されることなく記録装置本体内においてミスト状になって浮遊するインクミストの周辺への飛散、付着を防止するインクミストの飛散防止装置及び該インクミストの飛散防止装置を備えた記録装置に関する。
更に本発明は、インク等の液体をそのヘッドから吐出(噴射)して被記録材(被液体噴射材)に記録を実行する(液体を付着する)インクジェット式記録装置などの液体噴射装置及び該液体噴射装置において設けられる液体ミストの飛散防止装置に関するものである。
ここで液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録材に記録を実行するプリンタ、プロッタ、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録材に相当する被液体噴射材に噴射して、前記液体を前記被液体噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
以下、記録装置の一例としてインクジェットプリンタを例に採って本発明が発案される背景となる従来技術と該従来技術の問題点について説明する。インクジェットプリンタでは、記録ヘッドのノズル開口におけるインクの目詰まりやインク流路内に混入した気泡を取り除くためにクリーニング操作と呼ばれるインクの強制的な吸引排出処理を行い、ワイピング部材によってノズル開口面に付着したインクや異物を払い、拭き落としている。
また、インクジェットプリンタには定期的(例えば数秒毎に数十ショット/1ノズル程度)に記録の実行とは関係なく記録ヘッドのノズル開口から少量のインク滴を吐出させるフラッシング操作が実行されている。このフラッシング操作は、上記クリーニング操作時においてワイピング部材による払拭操作でノズル開口面に生じた不揃いのメニスカスを回復させたり、インク滴の吐出の少ないノズル開口等において生ずるインクの増粘化に伴う目詰まりを防止する目的で実行される操作である。
そして、フラッシング操作は、クリーニング操作後のタイミングでは混色防止のために実行され、印刷開始時のタイミングと印刷中には定期的に各ノズル開口から数千〜数万ショットのインクの吐出が実行されることもある。また、フラッシング操作は、キャッピング手段が備えられているホームポジション側のフラッシング領域と、これと反対側のキャリッジの移動端側のフラッシング領域において実行される構成が通常である。そして、このうちキャリッジの移動端側のフラッシング領域は、キャッピング手段内のインクのオーバーフロー防止のためと、キャリッジの移動ロスを少なくしてスループットを向上させる等のために使用されている。
下記の特許文献1と特許文献2には、このようなクリーニング操作とフラッシング操作が実行可能なインクジェットプリンタが開示されている。そして、これらのインクジェットプリンタには、記録の実行に使用されることなくプリンタ本体内においてミスト状になって浮遊するインクミストの周辺への飛散、付着を防止するインクミストの飛散防止装置が設けられている。特許文献1では、ホームポジションと反対側のキャリッジの移動方向端部のフラッシング領域にインク回収ユニットを設けたインクミストの飛散防止装置が開示されている。
また、特許文献2には、用紙の印刷面を覆うカバー部材をキャリッジに対して設けるようにしたインクミストの飛散防止装置が開示されている。しかし、これらいずれのインクミストの飛散防止装置によっても、発生したインクミストの上方への移動を完全に抑えることはできず、上方へ移動したインクミストは、図6に示すように、キャリッジ110の移動に伴ってプリンタ本体103の上部ケーシング130とキャリッジ110との間に形成されている広い開口空間部135を通ってプリンタ本体103の更に内部に流れ込み、周辺の部材に付着したり、用紙の印刷面に付着して印刷品質を悪くしていた。
特開2001−80092号公報 特開2000−263767号公報
そこで本発明は、このような背景技術及び背景技術が抱えていた問題点の存在を踏まえてなされたものであって、フラッシング操作等によって発生し上方に移動した浮遊状態のインクミストを記録装置本体内部側に流れ込ませないように遮蔽して効率的にインクミストを回収し得るインクミストの飛散防止装置及び該インクミストの飛散防止装置を備えた記録装置等を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明の第1の態様に係るインクミストの飛散防止装置は、記録ヘッドのノズル開口から吐出されたインクのうち記録の実行に使用されることなく記録装置本体内においてミスト状になって浮遊するインクミストの周辺への飛散、付着を防止するインクミストの飛散防止装置であって、前記インクミストの飛散防止装置は、キャリッジの移動方向の端部に設けられるフラッシング領域内に、あるいはフラッシング領域から記録実行領域に移行する境界付近に設けられる飛散防止壁によって構成されており、該飛散防止壁とキャリッジとの間に形成される隙間は部品公差等を考慮して可能な最小値に設定されていることを特徴とするものである。
また本発明の第2の態様に係るインクミストの飛散防止装置は、本発明の第1の態様において、前記飛散防止壁とキャリッジとの間に形成される隙間は2〜3mm以下、好ましくは1.5mm以下に設定されていることを特徴とするものである。
これら本発明の第1の態様または第2の態様によれば、フラッシング操作等によって発生し上方に移動した浮遊状態のインクミストは、当該飛散防止壁によってフラッシング領域部分の一カ所に留められ、記録装置本体の内部全体への拡散が防止されているから、記録装置本体内部に存している周辺の部材や被記録材へのインクミストの飛散、付着が防止できる。
特に、飛散防止壁とキャリッジとの間に形成される隙間を2〜3mm以下、好ましくは1.5mm以下に設定した場合にはインクミストの遮蔽効果が高まり、一層周辺の部材や被記録材へのインクミストの飛散、付着が防止できる。
本発明の第3の態様に係るインクミストの飛散防止装置は、本発明の第1の態様または第2の態様において、前記飛散防止壁はキャリッジの移動方向に対してほぼ直交する向きに壁面が位置するように設けられるリブ形状の部材によって構成されていることを特徴とするものである。
本発明の第3の態様によれば、インクミストの記録装置本体内部に向かう流れを確実に最も効果的に防止でき、加えて飛散防止壁をリブ形状の部材によって構成することによって飛散防止壁の構造を簡単にし、記録装置本体における上部ケーシングの機械的強度を向上させることが可能となる。
本発明の第4の態様に係るインクミストの飛散防止装置は、本発明の第1〜第3のいずれか1つの態様において、前記飛散防止壁は記録装置本体の既存の構成を利用することにより、あるいは記録装置本体に対して別途新たな構成を付加することによって構成されていることを特徴とするものである。
本発明の第4の態様によれば、飛散防止壁を記録装置本体の既存の構成を利用することによって構成した場合には部品の有効利用が図れ、インクミストの飛散防止装置の加工、組立コストの大幅な削減を図ることが可能となる。また新たな構成として飛散防止壁を記録装置本体に対して設けた場合には、最適な位置に所望の形状、大きさの飛散防止壁を設けることが可能となり、飛散防止壁によるインクミストの飛散防止効果を高めることが可能となる。
本発明の第5の態様に係る記録装置は、下面にノズル開口を備え、ノズル開口から吐出されるインクによって記録を実行する記録ヘッドと、該記録ヘッドを主走査方向に往復移動させるキャリッジと、該記録ヘッド及びキャリッジを内部に備える記録装置本体と、該記録装置本体内において記録の実行に使用されることなくミスト状になって浮遊するインクミストの周辺への飛散、付着を防止するインクミストの飛散防止装置とを備える記録装置であって、前記インクミストの飛散防止装置は本発明の第1〜第4のいずれか1つの態様のインクミストの飛散防止装置であることを特徴とするものである。
本発明の第5の態様によれば、フラッシング操作等によって発生し上方に移動した浮遊状態のインクミストを当該飛散防止壁によってフラッシング領域部分の一カ所に留め、記録装置本体の内部全体への拡散を防止して、記録装置本体内部に存している周辺の部材や被記録材へのインクミストの飛散、付着を防止できるインクミストの飛散防止装置を備えた記録装置を提供することが可能となる。また、インクミストの飛散、付着を防止することによって周辺部材のインクミストによる汚損や被記録材のインク汚れを防止して高品質の記録の実行が図られる。
本発明の第6の態様に係る液体噴射装置は、下面にノズル開口を備え、ノズル開口から噴射される液体によって所望の作業を実行する液体噴射ヘッドと、該液体噴射ヘッドを主走査方向に往復移動させるキャリッジと、該液体噴射ヘッド及びキャリッジを内部に備える液体噴射装置本体と、該液体噴射装置本体内において作業の実行に使用されることなくミスト状になって浮遊する液体ミストの周辺への飛散、付着を防止する液体ミストの飛散防止装置とを備える液体噴射装置であって、前記液体ミストの飛散防止装置は、キャリッジの移動方向の端部に設けられるフラッシング領域内に、あるいはフラッシング領域から作業実行領域に移行する境界付近に設けられる飛散防止壁によって構成されており、該飛散防止壁とキャリッジとの間に形成される隙間は部品公差等を考慮して可能な最小値に設定されていることを特徴とするものである。
以下、本願発明に係るインクミストの飛散防止装置及び該インクミストの飛散防止装置を備えた液体噴射装置の一例である記録装置について説明する。最初に本願発明の液体噴射装置、そしてその一例である記録装置を実施するための最良の形態としてインクジェットプリンタ100を採り上げて、その全体構成の概略を図面に基づいて説明する。
図1はインクジェットプリンタの外観を示す斜視図、図2はインクジェットプリンタの内部構造を示す側断面図である。
ここで説明するインクジェットプリンタ100は、図1に示すように液体噴射装置本体の一例である記録装置本体としてのプリンタ本体3の上面前方寄りに上面カバー4、前面上部右隅部に操作ボタン6、前面上部にディスクトレイカバー7、前面下部に排出用スタッカ50、上面後方寄りに自動給送装置2を備えたインクジェットプリンタである。
尚、インクジェットプリンタ100としては、この他、スキャナ装置を搭載した複写機としての機能を備えるものや、デジタルカメラで撮影した写真が記録されたメモリーカード等の挿入部を有し、パーソナルコンピュータを起動しないで直接印刷を実行できる機能を備えるものも勿論含まれる。また、操作ボタン6の位置は上記位置に限定されず、前面、上面の適宜の個所に設置可能であり、ディスクトレイに対応していないインクジェットプリンタに対しても本発明は適用可能である。
上面カバー4は、奥部側に設けられる図示しないヒンジ部を回動中心として手前側を上方へ拡開できる開閉式のカバーである。そして、上面カバー4を拡開することによって、プリンタ本体3の内部へのアクセスが可能となり、インクカートリッジの交換等のメンテナンス作業ができるようになっている。また、ディスクトレイカバー7は、図示しないディスクトレイの挿入口を覆っているカバーである。ディスクトレイカバー7は、上部側に設けられる図示しないヒンジ部を回動中心として、下部側を前方に向けて拡開できるようになっている。
そして、ディスクトレイを使用する場合には、ディスクトレイカバー7を拡開し、CD−R、CD−RW、DVD等の光ディスクをラベル面を上にしてディスクトレイにセットし、ディスクトレイの挿入口に挿入する。尚、ディスクトレイを所定の挿入位置まで手挿し挿入すると、ディスクトレイは自動的に搬送経路内に導かれるようになっている。排出用スタッカ50は、下部側に設けられる図示しないヒンジ部を回動中心として上部側を手前に拡開できるようになっている。尚、排出用スタッカ50は、記録実行時において拡開され、拡開された排出用スタッカ50の上面が、記録が実行された用紙Pが積畳される載置面51になっている。
また、自動給送装置2は、被液体噴射材の一例である複数枚の被記録材P(以下単に用紙Pともいう)を積畳し得る給送用トレイ5と、給送用トレイ5上の用紙Pを給送用ローラ14に向けて押上げるホッパ16と、ホッパ16との挟圧送り作用によって給送用トレイ5上の上位の用紙Pをピックアップする給送用ローラ14と、最上位の用紙Pのみが給送されるように重送された後続の用紙Pを最上位の用紙Pから分離する分離作用部の一例である図示しない分離パッドと、分離された後続の用紙Pを給送用トレイ5上に戻す図示しない戻し機構とを備えている。
尚、図1においてプリンタ本体3の上面後方寄りの部位に見えているのは、給送用トレイカバー9であり、奥部側に設けられる図示しないヒンジ部を回動中心として、手前側を上方に、そして斜め後方に向けて拡開することによって内部の給送用トレイ5が使用できるようになっている。また、プリンタ本体3の内部には用紙Pを自動給送し、記録ポジション26、そして排出用スタッカ50に向けて搬送する単票紙用の自動搬送経路が設けられている。
次に、用紙Pの自動搬送経路に従ってインクジェットプリンタ100の内部構造の概略を説明する。先ず最も搬送方向上流側に用紙Pを積畳する被液体噴射材積畳部の一例である給送用トレイ5が設けられている。また、給送用トレイ5には用紙Pの一方の側縁(エッジ)に当接し、給送用トレイ5に対して固定状態で設けられる固定エッジガイド15Aと、用紙Pの他方の側縁(エッジ)に当接し、給送用トレイ5に対して用紙Pの幅方向(主走査方向Xとなる)に移動可能な状態で設けられる可動エッジガイド15Bとが設けられている。
これら固定エッジガイド15Aと可動エッジガイド15Bは、用紙Pの幅方向の位置合わせを行うと共に用紙Pの搬送方向(副走査方向Yとなる)への円滑な搬送を案内する役割を有している。そして、給送用トレイ5上の用紙Pは、給送用ローラ14の回転軸17の回転に伴って、ホッパ16が所定のタイミングで上昇し、給送用ローラ14に向けて押し上げられる。そして、給送用ローラ14の回転に伴って最上面に位置する用紙Pから順番に給送用ローラ14近傍に設けられる分離作用部の一例である図示しない分離パッド等の力を借りて単位数ずつピックアップして搬送方向下流に向って送られる。
給送用ローラ14の下流には、用紙Pの通過を検出する被液体噴射材検出手段の一例である図示しない被記録材検出手段(以下単に検出レバーという)が設けられており、検出レバーの下流には搬送用駆動ローラ19aと搬送用従動ローラ19bとによって構成される搬送用ローラ19が設けられている。このうち搬送用従動ローラ19bは、搬送用従動ローラ用のローラホルダ18の下流側において軸支され、当該ローラホルダ18は、図示しない回転軸を中心に回動可能に設けられ、且つ図示しないねじりコイルばねによって搬送用従動ローラ19bが常に搬送用駆動ローラ19aに圧接したニップ状態になるように回動付勢されている。
また、ローラホルダ18の搬送方向下流には補助押えローラ18cが設けられており、補助押えローラ18cは図示しない補助押えローラ用のローラホルダに対して従動回転可能に軸支されている。尚、補助押えローラ18cは、用紙P終端の浮き上がりに起因するヘッド擦れを防止する等の目的で設けられている。そして、搬送用ローラ19によって挟圧された状態で搬送される用紙Pは、補助押えローラ18cの下方を通って記録ポジション26に導かれる。
記録ポジション26には、用紙Pに記録を実行する液体噴射実行手段の一例である記録実行手段の主たる構成要素として、主走査方向Xに往復可能に走行し得るキャリッジガイド軸12によって軸支されたキャリッジ10が設けられている。そして、該キャリッジ10の下面には、用紙Pに液体の一例であるインクを吐出(噴射)して記録を実行する液体噴射ヘッドの一例である記録ヘッド13が搭載されている。また、キャリッジ10には液体カートリッジの一例である図示しないインクカートリッジが装着されている。
記録ヘッド13の下方には、記録ヘッド13と対向して記録ヘッド13のヘッド面と用紙Pとの間のプラテンギャップPGを規定するプラテン28が設けられている。そして、キャリッジ10とプラテン28との間に用紙Pを主走査方向Xと直交する副走査方向Yに所定の搬送量で搬送する動作と、記録ヘッド13を主走査方向Xに一往復させる間に記録ヘッド13から用紙Pにインクを噴射する動作とを交互に繰り返すことによって、用紙Pの記録面の全面に亘って所望の記録が実行される。尚、上記プラテンギャップPGは、高精度の記録を実行する上で極めて重要な要素となっており、用紙Pの厚さの変化やディスクトレイ等の使用に応じて適宜調節されるようになっている。
記録ヘッド13の下流には、排出用駆動ローラ20aと、排出用従動ローラ20bとによって構成される被液体噴射材排出手段の一例である排出用ローラ20が設けられている。また、排出用ローラ20の搬送方向下流には用紙Pの排出を補助する排出用補助ローラ22が設けられている。この排出用補助ローラ22も被液体噴射材排出手段に属し、排出用補助駆動ローラ22aと、排出用補助従動ローラ22bとによって構成されている。そして、排出用補助ローラ22によって排出された用紙Pは、更に搬送方向下流に位置する被液体噴射材受け部の一例である排出用スタッカ50上の載置面51に排出されるようになっている。
排出用従動ローラ20bと排出用補助従動ローラ22bは、その外周に複数の歯を有する歯付きローラであり、それぞれを保持するローラホルダによって自由回転可能に軸支されている。また、上記搬送用従動ローラ19bは、搬送用駆動ローラ19aよりその軸芯位置が幾分搬送方向下流側に位置するように配設されている。このような配設態様をとることによって、用紙Pは搬送用ローラ19と排出用ローラ20との間において僅かに下に凸となる俗に「逆ぞり」と呼ばれている湾曲状態が形成される。これにより記録ヘッド13に対向する位置にある用紙Pは、プラテン28に押し付けられ、用紙Pの浮き上がりが防止されて正常に記録が実行されるようになっている。
[実施例]
次に、このようなインクジェットプリンタ100に対して設けられる本願発明に係るインクミストの飛散防止装置1について説明する。
図3は本発明のインクミストの飛散防止装置を適用した上部ケーシンクの一部とキャリッジを拡大して示す側断面図である。また図4は本発明のインクミストの飛散防止装置をホームポジション側のフラッシング領域内に設置した状態を示す一部破断正面図、図5は本発明のインクミストの飛散防止装置をホームポジションとは反対側のキャリッジの移動端側のフラッシング領域と記録実行領域の境界付近に設置した状態を示す一部破断正面図である。
本発明のインクミストの飛散防止装置1は、記録ヘッド13の図示しないノズル開口から吐出されたインクのうち記録の実行に使用されることなくプリンタ本体3内においてミスト状になって浮遊するインクミストAの周辺への飛散、付着を防止するために設けられている。そして、本実施例ではプリンタ本体3の上部ケーシング30に対してインクミストの飛散防止装置1が設けられている。
インクミストの飛散防止装置1は、キャリッジ10の移動方向(主走査方向Xでもある)の両端部、即ち、ホームポジション側のフラッシング領域31内に1つと、これと反対側のキャリッジ10の移動端側のフラッシング領域32から作業実行領域としての記録実行領域33に移行する境界付近に1つの計2つ設けられている。また、インクミストの飛散防止装置1は、飛散防止壁34によって構成されており、該飛散防止壁34とキャリッジ10の上面との間には、キャリッジ10の自由な往復移動を可能にすると共に部品公差や組立てのバラ付き等を考慮して可能な限り最小な値に設定されている隙間35が形成されている。
尚、上記隙間35は2〜3mm以下、好ましくは1.5mm以下に設定する。因みにこのような寸法範囲に隙間35を設定すると、インクミストAのプリンタ本体3内部への流入が防止され、効果的な遮蔽作用が発揮される。また、飛散防止壁34は、キャリッジ10の移動方向に対してほぼ直交する向きに壁面が位置するように設けられているリブ形状の部材によって構成されている。また、本実施例では上部ケーシング30に対して飛散防止壁34を設ける構成を採用しているから、飛散防止壁34は上部ケーシング30の機械的強度を向上させる補強リブとしても機能している。
次に、図4、図5に基づいて本発明のインクミストの飛散防止装置1のインクミストAに対する作用状態を(1)ホームポジション側と、これと反対側の(2)移動端側に分けて説明する。
(1)ホームポジション側(図4参照)
ホームポジション側のフラッシング領域31でフラッシング操作が実行されると、記録ヘッド13の図示しないノズル開口から吐出されたインクは、一定の間隙を隔ててその下方に設けられるキャッピング手段36内に打ち捨てられて回収される。この時、ノズル開口から吐出されたインクの一部はインクミストAとなって図中矢印で示すように外側方、そして上方へと移動し、符号37で示すキャリッジ10の側方領域に達する。
インクミストAが側方領域37に達した状態で、キャリッジ10が図中矢印で示すようにホームポジションと反対側の移動端側に向けて移動を開始すると、側方領域37に位置していたインクミストAは、キャリッジ10に引っ張られるように移動し、プリンタ本体3の内部に拡散して流れ込もうとする。しかし、キャリッジ10と上部ケーシング30との間の空間は、飛散防止壁34によってホームポジション側の空間と記録実行領域33側の空間とに区画されているため、上記インクミストAは飛散防止壁34に衝突し、飛散防止壁34にインクミストAが付着して前記拡散が防止される。
(2)移動端側(図5参照)
ホームポジションと反対側のキャリッジ10の移動端側のフラッシング領域32でフラッシング操作が実行されると、記録ヘッド13の図示しないノズル開口から吐出されたインクは、用紙Pの搬送を案内する搬送案内部材39に対して設けられているガイド筒40を通って下方に設けられる回収槽41内に打ち捨てられて回収される。この時、ノズル開口から吐出されたインクの一部は、インクミストAとなって図中矢印で示すように外側方、そして上方へと移動し、符号42で示す側方領域に達する。
インクミストAが側方領域42に達した状態でキャリッジ10が図中矢印で示すようにホームポジション側に向けて移動を開始すると、側方領域42に位置していたインクミストAは、キャリッジ10に引っ張られるように移動し、プリンタ本体3の内部に拡散して流れ込もうとする。しかし、キャリッジ10と上部ケーシング30との間の空間は、飛散防止壁34によってホームポジションと反対側のキャリッジ10の移動端側の空間と記録実行領域33側の空間とに区画されているため、上記インクミストAは飛散防止壁34に衝突し、飛散防止壁34にインクミストAが付着して前記拡散が防止される。
[他の実施例]
本願発明に係るインクミストの飛散防止装置1及び該インクミストの飛散防止装置1を適用した記録装置100等は、以上述べたような構成を基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内の部分的構成の変更や省略等を行なうことも勿論可能である。例えばインクミストの飛散防止装置1は、上部ケーシング30と一体のリブ形状の飛散防止壁34によって構成される他、上部ケーシング30に対して後付けするアタッチメントタイプの飛散防止壁34とすることが可能である。また、インクミストの飛散防止装置1は、上部ケーシング30に限らず、プリンタ本体3の他の部位、あるいはキャリッジ10の上蓋等他の個所に設けることが可能である。
また、インクミストの飛散防止装置1は、ホームポジション側と移動端側の両方に設ける他、インクミストAの飛散、付着が特に問題となるいずれか一方に1つのみ設けることも可能である。また、プリンタ本体3の既存の構成、例えば上部ケーシング30の天板の下面において下方に突出するように設けられている周面リブ44の一部を利用してインクミストの飛散防止装置1を構成することも可能である。この他、ホームポジション側のインクミストの飛散防止装置1をホームポジション側のフラッシング領域31と記録実行領域33の境界付近、移動端側のインクミストの飛散防止装置1を移動端側のフラッシング領域32内に設置することも可能である。
インクジェットプリンタの外観を示す斜視図。 インクジェットプリンタの内部構造を示す側断面図。 インクミストの飛散防止装置周辺を拡大して示す側断面図。 ホームポジション側でのフラッシング操作時の状態を示すインクジェットプリンタの一部破断正面図。 移動端側でのフラッシング操作時の状態を示すインクジェットプリンタの一部破断正面図。 従来のインクジェットプリンタの問題点を示す側断面図。
符号の説明
1 インクミストの飛散防止装置、2 自動給送装置、
3 プリンタ本体(記録装置本体)、4 上面カバー、5 給送用トレイ、
6 操作ボタン、7 ディスクトレイカバー、9 給送用トレイカバー、
10 キャリッジ、12 キャリッジガイド軸、13 記録ヘッド、14 給送用ローラ
、15A 固定エッジガイド、15B 可動エッジガイド、16 ホッパ、
17 回転軸(給送用ローラの)、18 ローラホルダ(搬送用従動ローラ用の)、
18c 補助押えローラ、19 搬送用ローラ、19a 搬送用駆動ローラ、
19b 搬送用従動ローラ、20 排出用ローラ、20a 排出用駆動ローラ、
20b 排出用従動ローラ、22 排出用補助ローラ、22a 排出用補助駆動ローラ、22b 排出用補助従動ローラ、26 記録ポジション、28 プラテン、
30 上部ケーシング、31 (ホームポジション側の)フラッシング領域、
32 (移動端側の)フラッシング領域、33 記録実行領域、34 飛散防止壁、
35 隙間、36 キャッピング手段、37 側方領域(ホームポジション側の)、
38 下部ケーシング、39 搬送案内部材、40 ガイド筒、41 回収槽、
42 側方領域(移動端側の)、44 周面リブ、50 排出用スタッカ、51 載置面100 インクジェットプリンタ(記録装置)、P 用紙(被記録材)、X 主走査方向
Y 副走査方向、PG プラテンギャップ、A インクミスト

Claims (6)

  1. 記録ヘッドのノズル開口から吐出されたインクのうち記録の実行に使用されることなく記録装置本体内においてミスト状になって浮遊するインクミストの周辺への飛散、付着を防止するインクミストの飛散防止装置であって、
    前記インクミストの飛散防止装置は、キャリッジの移動方向の端部に設けられるフラッシング領域内に、あるいはフラッシング領域から記録実行領域に移行する境界付近に設けられる飛散防止壁によって構成されており、該飛散防止壁とキャリッジとの間に形成される隙間は部品公差等を考慮して可能な最小値に設定されていることを特徴とするインクミストの飛散防止装置。
  2. 請求項1において、前記飛散防止壁とキャリッジとの間に形成される隙間は2〜3mm以下に設定されていることを特徴とするインクミストの飛散防止装置。
  3. 請求項1または2において、前記飛散防止壁はキャリッジの移動方向に対してほぼ直交する向きに壁面が位置するように設けられるリブ形状の部材によって構成されていることを特徴とするインクミストの飛散防止装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、前記飛散防止壁は記録装置本体の既存の構成を利用することにより、あるいは記録装置本体に対して別途新たな構成を付加することによって構成されていることを特徴とするインクミストの飛散防止装置。
  5. 下面にノズル開口を備え、ノズル開口から吐出されるインクによって記録を実行する記録ヘッドと、該記録ヘッドを主走査方向に往復移動させるキャリッジと、該記録ヘッド及びキャリッジを内部に備える記録装置本体と、該記録装置本体内において記録の実行に使用されることなくミスト状になって浮遊するインクミストの周辺への飛散、付着を防止するインクミストの飛散防止装置とを備える記録装置であって、
    前記インクミストの飛散防止装置は、請求項1〜4のいずれか1項に記載したインクミストの飛散防止装置であることを特徴とする記録装置。
  6. 下面にノズル開口を備え、ノズル開口から噴射される液体によって所望の作業を実行する液体噴射ヘッドと、該液体噴射ヘッドを主走査方向に往復移動させるキャリッジと、該液体噴射ヘッド及びキャリッジを内部に備える液体噴射装置本体と、該液体噴射装置本体内において作業の実行に使用されることなくミスト状になって浮遊する液体ミストの周辺への飛散、付着を防止する液体ミストの飛散防止装置とを備える液体噴射装置であって、
    前記液体ミストの飛散防止装置は、キャリッジの移動方向の端部に設けられるフラッシング領域内に、あるいはフラッシング領域から作業実行領域に移行する境界付近に設けられる飛散防止壁によって構成されており、該飛散防止壁とキャリッジとの間に形成される隙間は部品公差等を考慮して可能な最小値に設定されていることを特徴とする液体噴射装置。
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