JP2006341589A - 記録制御方法及び記録制御プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 打ち捨てられた液体の残留を防止することができる記録制御方法及び記録制御プログラムを提供することにある。
【解決手段】 被記録媒体に液体を吐出して記録する記録制御方法であって、前記被記録媒体の全面に記録する全面記録処理と、前記全面記録処理により前記被記録媒体の外側に打ち捨てられた液体を所定条件に応じて洗い流す洗い流し処理とを含む。前記所定条件は、全面記録処理開始から規定時間経過したときである。また、前記所定条件は、規定時間内の全面記録処理時の打ち捨て液体量が所定量以下のときである。これにより、被記録媒体から外れて打ち捨てられた液体は洗い流されるので、当該液体の残留を防止することができる。
【選択図】 図9

Description

本発明は、被記録媒体に液体を吐出して記録する記録制御方法及び記録制御プログラムに関する。
例えば、記録装置の1つであるインクジェット式プリンタには、被記録媒体の1つとしての記録用紙に余白無く全面に記録を行う、いわゆる縁無し記録を実行可能なものがある。このようなインクジェット式プリンタは、記録用紙に向かってインク滴を吐出する複数のノズル列を有する記録ヘッドと、記録用紙を支持して記録ヘッドに対する記録用紙の位置を規定するプラテンと、廃インクを貯留する廃インクタンクを備えている。そして、プラテンには、記録用紙の縁から外れたインクを打ち捨てるための溝穴が形成されており、インク打ち捨て溝穴と廃インクタンク入口とを繋ぐ廃インク誘導路が並設されている。この廃インク誘導路内には、スポンジ状のポリウレタン等の空隙率が高くインク吸収性の良い材料から成るインク吸収材が装着されている。そして、インク打ち捨て溝穴から廃インク誘導路内に流れ込んできたインクは、インク吸収材に吸収されて廃インクタンク入口へ誘導され、廃インクタンク内に貯留されるようになっている。
特開2003−211706号公報
ところで、近年いわゆる顔料系インクを用いたインクジェット式プリンタが登場している。顔料系インクは、染料系インクと比較して記録用紙の表面にあるインク吸着層への浸透力が劣るという性質を有している。したがって、廃インク誘導路内のインク吸収材に対する浸透性も染料系インクより低いので、顔料系インクを使用するインクジェット式プリンタにおいては、廃インク誘導路内に配設するインク吸収材をよりインク吸収性の高いものにする必要があった。しかし、インク吸収性の高いインク吸収材は、同時にインク保持力も高いので、インクが残留し易く廃インクタンク入口まで伝わりにくい。したがって、顔料系インクが廃インクタンク入口まで誘導される途中で、一部の顔料系インクがインク吸収材内、あるいはインク吸収材上に残留してしまうおそれがある。
本発明は、上記のような種々の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、打ち捨てられた液体の残留を防止することができる記録制御方法及び記録制御プログラムを提供することにある。
上記目的達成のため、本発明の記録制御方法では、被記録媒体に液体を吐出して記録する記録制御方法であって、前記被記録媒体の全面に記録する全面記録処理と、前記全面記録処理により前記被記録媒体の外側に打ち捨てられた液体を所定条件に応じて洗い流す洗い流し処理とを含むことを特徴としている。これにより、被記録媒体から外れて打ち捨てられた液体は洗い流されるので、当該液体の残留を防止することができる。
また、前記所定条件は、全面記録処理開始から規定時間経過したときであることを特徴としている。これにより、液体が経時変化によって固化して残留してしまうことを防止することができる。また、前記所定条件は、規定時間内の全面記録処理時の打ち捨て液体量が所定量以下のときであることを特徴としている。これにより、液体が少量であるために流れずに残留してしまうことを防止することができる。
また、前記洗い流し処理は、前記所定条件が充足して記録処理が行われた後に実行されることを特徴としている。これにより、洗い流し処理を記録処理に継続させて行うことができるので、処理時間を短縮させることができる。また、前記洗い流し処理は、対応可能な前記被記録媒体の内の最大の被記録媒体の外側にて実行されることを特徴としている。これにより、残留した液体を全て洗い流すことができる。
また、前記洗い流し処理は、前記規定時間内に実行された前記全面記録処理時の最大の被記録媒体の外側にて実行されることを特徴としている。これにより、洗い流すために必要な液体の量を少量で済ますことができる。また、前記洗い流し処理は、前記被記録媒体の両側にて実行されることを特徴としている。これにより、液体を一方の側から他方の側へ流すときに他方の側で完全に流し切ることができる。また、前記洗い流し処理は、前記液体の内の増粘し難い液体を噴射することで実行されることを特徴としている。これにより、洗い流し用の液体が残留することは無く、増粘し易い液体と共に洗い流すことができる。
また、前記所定条件は、特定の前記液体が所定の使用率以上のときであることを特徴としている。これにより、無駄な洗い流し処理を防止することができるので、液体の消費コストを抑制することができる。また、前記特定の液体は、増粘して固化し易い液体であることを特徴としている。これにより、特に当該液体の残留による固着を防止することができるので、洗い流し処理を長期に亘ってスムーズに行うことができる。また、前記所定の使用率は、前記特定の液体の消費量と前記全液体の消費量の比率で表されることを特徴としている。これにより、例えば検出センサや演算装置等による電気的な信号処理により所定の使用率を数値化することができるので、洗い流し処理の実行可否の判断を確実に制御することができる。
上記目的達成のため、本発明の記録制御プログラムでは、コンピュータで実行可能な記録制御プログラムであって、上記各制御ステップを備えたことを特徴としている。これにより、上記各作用効果を奏する記録制御プログラムを提供することができる。上記目的達成のため、本発明の記録制御装置では、上記各制御ステップを実行可能なことを特徴としている。これにより、上記各作用効果を奏する記録制御装置を提供することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る記録装置の1つであるインクジェット式プリンタの外観構成の全体を斜め前方から見た斜視図である。このインクジェット式プリンタ100は、例えばJIS規格のA4判からJIS規格のA2判といった比較的大型のサイズのいわゆるカットされた用紙及びロール状の用紙に印刷できる卓上型の大型のプリンタであり、全体が幅方向に長く延びる略直方体状のハウジング101で覆われている。
このハウジング101の上面には、矩形状の窓部102が形成されている。この窓部102は、透明もしくは半透明の窓カバー103によって覆われている。窓カバー103は、その上部の回動軸を中心に図示矢印a方向に回動可能に取り付けられている。ユーザは、窓カバー103を持ち上げて窓部102を開放することにより、窓部102を通して内部機構のメンテナンス作業等を行うことができる。
ハウジング101の前面両側には、複数のインクカートリッジが抜き差しされるカートリッジ収納部104がそれぞれ形成されている。各インクカートリッジは、印刷用の各色のインクを貯留している。各カートリッジ収納部104は、透明もしくは半透明のカートリッジカバー105によって覆われている。カートリッジカバー105は、その下部の回動軸を中心に図示矢印b方向に回動可能に取り付けられている。ユーザは、カートリッジカバー105を軽く押して係止部を外しカートリッジ収納部104を開放することにより、インクカートリッジの交換作業等を行うことができる。
ハウジング101の前面右側のカートリッジ収納部104の上部には、プリンタ動作を指示する操作部110が配設されている。操作部110は、パワーをオン・オフするパワー系、用紙の頭出し等を操作したりインクのフラッシング等を操作する操作系、画像処理等を行う処理系等のボタン111と、状態を表示する液晶パネル112等を備えている。ユーザは、液晶パネル112を見て確認しながらボタン111を操作することができる。
ハウジング101の前面右側のカートリッジ収納部104の下部には、廃液タンク120が抜き差しされるタンク収納部106が形成されている。この廃液タンク120は、記録ヘッド162(図5参照)のクリーニング処理時やインクカートリッジの交換時、あるいは縁無し記録の際に廃棄される廃インク等を貯留する。ユーザは、廃液タンク120を引き出すことにより、内部に溜まっている廃インク等の廃棄作業等を行うことができる。
ハウジング101の背面には、ロール状の用紙を給紙する給紙部130が上部後方に突き出るように配設されている。給紙部130の内部には、1本のロール状の用紙がセット可能な図示しないロール紙ホルダが配設され、給紙部130の前面には、跳ね上げ式の開閉可能なロール紙カバー131が図示しないロール紙ホルダを覆うように取り付けられている。ユーザは、ロール紙カバー131を持ち上げて給紙部130を開放することにより、ロール状の用紙の取り付け・取り外し作業等を行うことができる。なお、ロール紙カバー131の上面は、カットされた用紙を手差しで給紙案内することが可能な給紙案内面に形成されている。ここで給紙される用紙は、用紙端が検知センサ157b(図3参照)により検出されてフロントフィードやバックフィード等が制御される。
ハウジング101の前面中央、すなわち一対のカートリッジ収納部104の間には、印刷前のカットされた用紙及び印刷後のカットされた用紙またはロール状の用紙を積載する給排紙トレイ200が抜き差しされる給排紙部140が形成されている。なお、この給排紙部140は、搬送時に折り曲げることが不可能な厚手の用紙を手差しで給紙することが可能なようにも形成されている。
この給排紙部140には、給排紙トレイ200の前部が差し込まれ、給排紙トレイ200の後部が突き出るようにして固定される。給排紙トレイ200は、カセット型に形成されており、内部に印刷前の給紙されるカットされた用紙が積層収納され、上部に印刷後の排紙されるカットされた用紙またはロール状の用紙が積層載置されるようなっている。このような給排紙トレイ200の詳細構造について、図2〜図4を参照して以下説明する。
図2は、上記給排紙トレイ200の外観構成の全体を斜め前方から見た斜視図である。この給排紙トレイ200は、箱状に形成された給紙トレイ210と、この給紙トレイ210の上面を覆う蓋状に形成された排紙トレイ230を備えている。給排紙トレイ200は、給排紙方向に伸縮自在に形成されており、不使用のときはコンパクトに格納しておくことができ、また使用のときは種々のサイズのカットされた用紙に対応可能になっている。
図3及び図4は、給排紙トレイ200が装着された給排紙部140を示す斜視図である。カットされた用紙を積層載置する場合は、図3に示すように、ロール紙案内部240は排紙部材239aの上面に格納した状態、すなわち排紙部材239aの上面はフラットな面にする。これにより、排紙ローラ155(図5参照)を通って排紙されるカットされた用紙は、断面がL字状に形成された案内部145の側面及び底面と排紙部材239a〜239dの上面とで形成される排紙受け面上にスムーズに積層載置される。
なお、案内部145の底面には、スポンジマット145aが貼着されている。このスポンジマット145aは、1枚目のカットされた用紙を載置した後、2枚目のカットされた用紙が排紙されてきたとき、2枚目のカットされた用紙の先端が1枚目のカットされた用紙を突付いて排紙受け面から突き落としてしまうことを防止するための滑り止めの機能を有している。
一方、ロール状の用紙を積層載置する場合は、図4に示すように、排紙部材239aの上面に格納されているロール紙案内部240の第1の案内板241の他長辺側にユーザが指を掛けて後方に向かって旋回させる。すると、第2の案内板242が第1の案内板241に引っ張られて、長手方向の一端側が持ち上げられ、長手方向の他端側が排紙部材239aの上面に形成されている溝239aaに沿って後方に摺動する。そして、第1の案内板241と第2の案内板242とがなす角度が鋭角になるまで、第1の案内板241を旋回させる。
これにより、第2の案内板242は、その長手方向の一端側が案内部の側面の頂部に近接して滑り台状になる。このため、排紙ローラを通って排紙されるロール状の用紙がカールしていても、その先端が案内部側に巻き込まれてしまうことはなく、その先端は滑り台状の第2の案内板242上を滑走して排紙部材239a〜239dの上面側に導かれる。したがって、ロール状の用紙は、第2の案内板242と排紙部材239a〜239dの上面とで形成される排紙受け面上にスムーズに積層載置される。
図5は、図1のインクジェット式プリンタ100の内部構成の概略を示す断面側面図である。ハウジング101内には、給排紙部140、搬送部150、記録部160と、本発明の特徴的な部分である制御部170等が配設されている。給排紙部140には、カットされた用紙を給紙するためのホッパ141、給紙ローラ142、分離部材143等が配設されている。ホッパ141は、カットされた用紙が載置可能な平板状に形成されており、一端が給紙ローラ142と分離部材143の近傍に位置し、他端が装着されている給排紙トレイ200の給紙トレイ210の底面に近接して位置するように配設されている。そして、ホッパ141は、一端側の裏面にハウジング101の底面に一端が取り付けられた圧縮バネ144の他端が取り付けられており、この圧縮バネ144の伸縮により他端側を中心に一端側が旋回するように配設されている。
給紙ローラ142は、断面の一部が切り欠かれたD字状に形成されており、間欠的に回転してホッパ141上のカットされた用紙を摩擦搬送するようになっている。分離部材143は、上面が粗面に形成されており、給紙ローラ142によりカットされた用紙が重送されたときに下層のカットされた用紙を最上層のカットされた用紙から摩擦分離するようになっている。ここで、ホッパ141上に載置されたカットされた用紙と給紙ローラ142との関係について図を参照して説明する。
図6は、ホッパ141上に載置されたカットされた用紙と給紙ローラ142との接触状態を示す図である。図6(A)は、ホッパ141上に最大枚数のカットされた用紙Pが載置された場合であり、この場合はホッパ141が上昇したとき、最上層のカットされた用紙P1が給紙ローラ142の切り欠き部分には接触せず、少なくとも円弧開始点142a以降の円周に接触するように調節されている。
また、図6(B)は、ホッパ141上に最小枚数(1枚)のカットされた用紙P1が載置された場合であり、この場合はホッパ141が上昇したとき、そのカットされた用紙P1が給紙ローラ142の円弧開始点142aから少し回転した点142bに接触するように調節されている。この接触点142bは、接触点142bから円弧終了点142cまでの円周長さが、用紙P1の先端psからサブローラ151とその従動ローラ152aとの接触点151aまでの間隔と同一長aとなるときの点である。
以上のように調節することにより、ホッパ141上に載置されるカットされた用紙Pが最大枚数以下であれば、最上層のカットされた用紙P1の先端psがサブローラ151とその従動ローラ152aとの接触点151aに届くまで、カットされた用紙P1は給紙ローラ142からレリースされないので、カットされた用紙P1をサブローラ151に確実に受け渡すことができ、給紙ミスを無くすことができる。
搬送部150には、用紙を搬送するためのサブローラ151とその従動ローラ152a、152b、152c、紙送りローラ153とその従動ローラ154、排紙ローラ155とギザローラ156及び用紙を検知する検知センサ157a、157b等が配設されている。サブローラ151は、給紙トレイ210から給紙されるカットされた用紙を排紙トレイ230に排紙するために、カットされた用紙を従動ローラ152a、152b、152cとともに挟持してU字状に反転搬送させるようになっている。また、サブローラ151は、給紙部130から給紙されるロール状の用紙を排紙トレイ230に排紙するために、ロール状の用紙を従動ローラ152cとともに挟持して搬送させるようになっている。
紙送りローラ153は、反転搬送されてきたカットされた用紙もしくは給紙されてくるロール状の用紙を従動ローラ154とともに挟持してプラテン163へ送り出すようになっている。排紙ローラ155は、プラテン163を通過してくる用紙をギザローラ156とともに挟持して排紙トレイ230上へ排紙するようになっている。検知センサ157aは、給紙されてくるカットされた用紙のスキュー取りの際の搬送量を検知するようになっている。検知センサ157bは、反転搬送されてくるカットされた用紙もしくは搬送されてくるロール状の用紙の頭出しの際の搬送量を検知するようになっている。
記録部160には、キャリッジ161、記録ヘッド162、プラテン163、吸引ダクト164及び廃インク流動部165等が配設されている。キャリッジ161は、図示しないキャリッジベルトに連結されており、図示しないキャリッジ駆動装置によってキャリッジベルトが作動すると、キャリッジベルトの動きに連行され、図示しないガイド軸に案内されて往復移動するようになっている。尚、このキャリッジ161には、光学式であって、プラテン163上に挿入された用紙の両端部を測定することにより紙幅を特定する紙幅検出センサ157cが搭載されている。
記録ヘッド162は、例えばブラックインクを吐出するブラックインク用記録ヘッドと、シアン、マゼンタ、イエローの4色のインクをそれぞれ吐出する複数のカラーインク用記録ヘッドとを備えている。そして、記録ヘッド162は、圧力発生室とそれに繋がるノズル開口が設けられており、圧力発生室内にインクを貯留して所定圧で加圧することにより、ノズル開口から用紙に向けてコントロールされた大きさのインク滴を吐出するようになっている。
プラテン163は、記録可能な最大用紙幅より若干大きい長さで主走査方向に延びる細長略矩形平板状に形成されたプラテン本体630と、このプラテン本体630の搬送方向上流側の下面より垂直下方向に延びる複数のプラテン垂直部631を備えている。このプラテン163は、紙送りローラ153と排紙ローラ155の間であって記録ヘッド162と対向するように配設されており、搬送されてくる用紙をプラテン本体630上で面支持するようになっている。このような構成のプラテン163の詳細について、さらに図を参照して説明する。
図7及び図8は、上記プラテン163の詳細を示す斜視図及び平面図である。このプラテン本体630の上面には、縁無し記録の際に用紙の紙端より外れたインク滴を打ち捨てるための略矩形状の打ち捨て溝穴632が形成されている。プラテン垂直部631の内部には、打ち捨て溝穴632から廃インク流動部165へ繋がる廃インク通路635が形成されている。そして、プラテン本体630の打ち捨て溝穴632からプラテン垂直部631の廃インク通路635にかけて、打ち捨て溝穴632に打ち捨てられた廃インクを吸収して廃インク流動部165へ誘導するインク吸収材60が装着されている。
さらに、プラテン本体630の上面には、打ち捨て溝穴632を挟んで用紙搬送方向に延びる複数のリブ634が所定の間隔を有して配列されている。各リブ634は、主走査方向の断面が略台形状であってレール状に形成されている。そして、各リブ634の頂面には、吸引ダクト164に連通した複数の吸引孔634aが用紙搬送方向に二列形成されている。
吸引ダクト164は、プラテン163の直下に配設され、全ての吸引孔634aを覆うことが可能なように主走査方向に延びる樋状に形成されている。そして、吸引ダクト164の一端側には図示しない吸引ファンが連結されている。このような構成において、吸引ファンを回転させることにより、各吸引孔634aから吸気された空気は、吸引ダクト164を通って吸引ファンから外部に排気される。これにより、プラテン163の上面に用紙が供給されると、用紙の下面側に負圧が発生し、用紙は各リブ634の頂面に吸着されるので、用紙の浮き上がりを防止することができ、記録精度を高精度に維持することができる。
廃インク流動部165は、上面が開放された主走査方向に延びる容器状に形成されている。この廃インクトレイ165は、プラテン本体630と略同一長であって、上面が開放され、底面が一側部側の上端から他側部側の下端に向かって傾斜した面に形成された細長の略直方体状に形成されている。そして、この底面上には、上述したインク吸収材60と同様のインク吸収材が配設されている。廃インクトレイ165は、インク吸収材60を伝って流れ落ちてくる縁無し記録の際の廃インクを、底面上のインク吸収材で受けて斜め下方へ伝え、廃液タンク120に流し込むようになっている。
制御部170は、プリンタコントローラを構成する図示しないメイン基板を備えている。このメイン基板は、図示しないCPU、ROM、RAM、ASIC等の制御素子や記憶素子、及びその他の各種回路素子が装着されている。そして、プリントエンジンを構成する給排紙部140、搬送部150、記録部160等をROMに格納されている記録制御プログラムにより制御するようになっている。ここで、背景技術でも述べたように、特に顔料系インクを用いて縁無し記録を行うと、打ち捨てられた顔料系インクが廃インク流動部165から廃液タンク120まで誘導される途中でインク吸収材内、あるいはインク吸収材上に残留してしまうおそれがある。そこで、制御部170では、以下に説明するような制御を行っている。
図9は、本発明の記録制御方法の一実施形態を説明するフローチャートである。先ず、今回の記録が縁無し記録であるか否かを確認し(ステップS1)、縁無し記録でないときは縁有り記録を開始してメインプログラムにリターンする(ステップS2)。一方、ステップS1において、今回の記録が縁無し記録であるときは、縁有り記録から縁無し記録に移行した直後からの実経過時間Tを測定する縁無し記録経過タイマを確認する(ステップS3)。
そして、実経過時間Tが0のときは、縁無し記録経過タイマのカウントをスタートさせ(ステップS4)、さらに縁無し記録を行ったときの打ち捨てインク量Wを測定する縁無し記録インク量検出センサのカウントをスタートさせる(ステップS5)。そして、縁無し記録を開始してメインプログラムにリターンする(ステップS6)。一方、実経過時間Tが予め設定されている規定経過時間xを越えていないときは、縁無し記録を開始してメインプログラムにリターンする(ステップS2)。
一方、実経過時間Tが規定経過時間x以上のときは縁無し記録を開始し(ステップS7)、縁無し記録を行ったときの全ての打ち捨てインク量Wが予め設定されている所定インク量y以下であるか否かを確認する(ステップS8)。そして、全ての打ち捨てインク量Wが所定インク量yを越えているときはメインプログラムにリターンする。一方、全ての打ち捨てインク量Wが所定インク量y以下のときは、指定された位置でインクの洗い流し処理を実行し(ステップS9)、縁無し記録経過タイマのカウント及び縁無し記録インク量検出センサのカウントをリセットしてメインプログラムにリターンする(ステップS10、S11)。
以上のように、縁無し記録のときに打ち捨てられたインクは洗い流されるので、廃インク流動部165から廃液タンク120まで誘導される途中でのインク吸収材内、あるいはインク吸収材上の残留を防止することができる。このときの残留し易いインクはマゼンタやブラックの増粘し易いインクであることから、インク洗い流し処理に用いられるインクとしては、シアンやイエローの増粘し難いインクで実行される。これにより、洗い流し用のシアンやイエローのインクが残留することは無く、マゼンタやブラックのインクと共に洗い流すことができる。
また、このインク洗い流し処理は、縁無し記録経過タイマによる縁有り記録から縁無し記録に移行した直後からの実経過時間T及び縁無し記録インク量検出センサによる縁無し記録を行ったときの打ち捨てインク量Wを測定し、これらの所定の条件が充足されたときに行うようにしている。したがって、打ち捨てられたインクが経時変化によって固化して残留してしまうことを防止することができると共に、打ち捨てられたインクが少量であるために流れずに残留してしまうことも防止することができる。なお、実経過時間Tと打ち捨てインク量Wの何れか一方のみを測定してインク洗い流し処理に移行するようにしても良い。
また、インク洗い流し処理は、上記所定条件が充足して記録処理が行われた後に実行されるので、インク洗い流し処理を当該記録処理に継続させて行うことができ、一連の処理時間を短縮させることができる。このときのインク洗い流し処理が行われる指定位置は、インクジェット式プリンタ100が対応可能な用紙の内の最大の用紙の両側縁の外側に位置する打ち捨て溝穴632である。これにより、廃インク流動部165の一側部側の上端から他側部側の下端に向かう底面に沿って流れ落ちる洗い流し用のインクは、その底面に配設されているインク吸収材に残留したインクを全て洗い流すことができる。さらに、廃インク流動部165の他側部側の下端で流れ落ちる洗い流し用のインクは、その場所で滞留してしまったインクを完全に洗い流すことができる。
なお、上記規定経過時間x内に実行された縁無し記録処理時の最大の用紙の両側縁の外側にてインク洗い流し処理を実行しても良く、これにより、洗い流すために必要なインクの量を少量で済ますことができる。また、用紙の両側縁の外側にてインク洗い流し処理を実行するようにしたが、廃インク流動部165の一側部側の上端から他側部側の下端に向かう底面に沿って流れ落ちる側のみでインク洗い流し処理を実行するようにしても良く、これにより、洗い流すために必要なインクの量をさらに少量で済ますことができる。
ここで、縁無し記録処理を大量に行うユーザにとっては、インク洗い流し処理により使用されるインク量が増大する一方になり、ユーザのインクコストが増加してしまうことになる。特に、いわゆる4色機と呼ばれるインク色がシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのコンシューマ向けの小型のインクジェット式プリンタよりも、いわゆる8色機と呼ばれるインク色がシアン、マゼンタ、イエロー、フォトブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ、グレー、マットブラック等のプロフェッショナル向けの大型のインクジェット式プリンタで問題となる。そこで、縁無し記録処理を実行した後、あるインクが一定量以上打ち捨てられたときにのみ、インク洗い流し処理を実行することにより、上記問題を解消することができる。そして、制御部170では、以下に説明するような制御を行っている。
図10及び図11は、本発明の記録制御方法の別の実施形態を説明するフローチャートである。先ず、縁無し記録の実行が完了したか否かを確認し(ステップS21)、縁無し記録の実行が完了していないときは、メインプログラムにリターンする。一方、ステップS21において、縁無し記録の実行が完了したときは、紙幅検出センサ157cがオフであるか否かを確認し(ステップS22)、紙幅検出センサ157cがオフであるときは、メインプログラムにリターンする。
一方、ステップS22において、紙幅検出センサ157cがオンであるときは、プラテン163上に用紙が有るか否かを確認し(ステップS23)、プラテン163上に用紙が有るときは、ロール紙の記録が完了した後であると判断して、そのインクジェット式プリンタ100が4色機であるか否かを確認する(ステップS24)。そして、ステップS24において、そのインクジェット式プリンタ100が8色機であるときは、特定の色のインクが所定の使用率以上であるか否かを確認する(ステップS25)。
ここで、上述したように、縁無し記録処理を大量に行う8色機のインクジェット式プリンタのユーザにとっては、インク洗い流し処理により使用されるインク量が増大する一方になり、ユーザのインクコストが増加してしまうことになる。そこで、縁無し記録処理を実行した後、特定のインク、例えば増粘して固化し易い(堆積し易い)インクが所定の使用率以上、例えばマゼンタのインクの消費量と全色のインクの消費量の比率が40%以上のときにのみ、インク洗い流し処理を実行する。この40%は、8色機のインクジェット式プリンタではインク堆積する条件が限られているため、スループットを意識した判定を行うために設定された数値であり、特に限定されるものではない。なお、マゼンタの代わりにフォトブラックやマットブラックであっても良い。
上記インクの消費量は、記録開始命令から記録終了(リセットで終了した場合も含む)までのインクカートリッジ消費量である。したがって、記録開始時のフラッシングやタイマクリーニング、定期フラッシング等で消費したインクも使用率の計算に含まれる。また、使用率を求めるときは、オーバーフローを考慮し、インク消費量は下位4ビットを無視する。
ステップS25において、マゼンタのインクの使用率が40%未満のときは、メインプログラムにリターンする。一方、ステップS25において、マゼンタのインクの使用率が40%以上のときは、検知センサ157bを監視しながら、用紙を所定量、例えばロール紙の白い部分の寸法(25.4mm(#180−#1)+8.58mm(#1−マルチセンサ)+10mm(マージン)=43.98mm)だけフロントフィードする(ステップS26)。
このフロントフィードを行う理由は以下の通りである。インク洗い流し処理により使用されるインクが用紙上に打たれてしまうことを防止するためには、用紙端を正確に検出する必要がある。そして、この用紙端を正確に検出するためには、検知センサ157bの読取位置に用紙が確実に存在しなければならないことと、検知センサ157bで用紙端を検出するときに用紙が安定した状態におかれていることが条件となる。このため、上記フロントフィードを行って上記各条件を満たすようにしている。
そして、検知センサ157bからの検出信号により用紙が無いか否かを確認し(ステップS27)、検知センサ157bからの検出信号により用紙が無いと判断したときは、エラー処理、すなわちロール紙エンドの処理を行う(ステップS28)。一方、ステップS27において、検知センサ157bからの検出信号により用紙が有ると判断したときは、紙幅検出センサ157cを動作させて(ステップS29)、前回の用紙端位置よりも所定量以上、例えば3mm以上ズレている(斜行している)か否かを確認する(ステップS30)。
そして、ステップS30において、前回の用紙端位置よりも所定量以上ズレているときは、用紙上で洗い流しを行わないように、用紙を元の位置までバックフィードして(ステップS34)、メインプログラムにリターンする。通常、ロール紙記録では、ギザローラ156無しの状態で記録しているため、用紙の往復移動によるギザ痕への影響を考慮し、用紙を本シーケンス実行開始時の位置に戻す。なお、用紙をカットする場合は、この後にギザローラ156を切り替える。
一方、ステップS30において、前回の用紙端位置よりも所定量以上ズレていないときは、ペーパーギャップ(記録ヘッド162のノズル形成面とプラテン163の上面(用紙の記録面)との距離)が所定値未満であるか否かを確認し(ステップS31)、ペーパーギャップが所定値未満であるときは、ペーパーギャップが所定値となるように切り替える(ステップS32)。
このペーパーギャップが所定値となるように切り替える理由は以下の通りである。ペーパーギャップが小さ過ぎると、インク洗い流し処理を実行した際に発生するインクミストが用紙の裏面に付着して用紙の裏面が汚染されるおそれがある。一方、ペーパーギャップが大き過ぎると、インク洗い流し処理を実行した際に発生するインクミストが装置内に多量に飛散して装置内の汚染の進行が早まるおそれがある。このため、ペーパーギャップを適正値に切り替えて上記各問題の発生を回避するようにしている。
ペーパーギャップは、用紙種類(用紙厚)に拠らずに常に一定となるように切り替えられるようになっている。本実施形態のインクジェット式プリンタ100は、例えば0.7mm(極薄紙(カット紙))/1.2mm(薄紙(カット紙))/1.5mm(普通紙(カット紙))/2.1mm(ロール紙)/2.6mm(厚紙(ボード紙))の5段階の切り替えが可能となっている。そして、0.7mm/1.2mm/1.5mmのペーパーギャップに切り替えた場合は、用紙の裏面の汚染が発生し、2.6mmのペーパーギャップに切り替えた場合は、装置内の汚染が発生する。このため、2.1mmのペーパーギャップに切り替えて上記各問題の発生を回避するようにしている。
そして、ペーパーギャップの切替後、もしくはステップS31において、ペーパーギャップが所定値以上であるときは、縁無し記録処理後のインク洗い流し処理のシーケンスを実行する(ステップS33)。そして、用紙を元の位置までバックフィードして(ステップS34)、メインプログラムにリターンする。なお、実際のペーパーギャップ切替動作は、インク洗い流し処理のシーケンスの最初のフラッシング後に実行する。
一方、ステップS23において、プラテン163上に用紙が無いときは、自動給紙(ASF)もしくは手差しの用紙の記録が完了した後であると判断して、ギザローラ156で機体内から用紙が排出されたか否かを確認し(ステップS35)、ギザローラ156で機体内から用紙が排出されていないときは、その用紙はボード紙等の厚紙であると判断して、メインプログラムにリターンする。なお、このインクジェット式プリンタ100では、厚紙の記録後は用紙をニップから外して待機する仕様であることから、機体内に用紙があるこの状態ではキャリッジ151が用紙に衝突するため、インク洗い流し処理のシーケンスを実行しない。
一方、ステップS35において、ギザローラ156で機体内から用紙が排出されたときは、そのインクジェット式プリンタ100が4色機であるか否かを確認する(ステップS36)。そして、ステップS36において、そのインクジェット式プリンタ100が8色機であるときは、マゼンタのインクの使用率が40%以上であるか否かを確認する(ステップS37)。そして、ステップS37において、マゼンタのインクの使用率が40%未満のときは、メインプログラムにリターンする。
一方、ステップS37において、マゼンタのインクの使用率が40%以上のときは、縁無し記録処理後のインク洗い流し処理のシーケンスを実行し(ステップS38)、メインプログラムにリターンする。以上により、縁無し記録処理を大量に行う8色機のインクジェット式プリンタのユーザにとっては、インク洗い流し処理が規制されるので、それに使用されるインク量を減少させることができ、ユーザのインクコストを低減させることができる。
このような構成において、インクジェット式プリンタ100にてカットされた用紙に印刷する場合の動作について図12及び図13を参照して説明する。給排紙部140に装着された給排紙トレイ200の給紙トレイ210内に積層収納されたカットされた用紙Pは、用紙束が給紙ローラ142の回転に機械的に同期した圧縮バネ144の復元によるホッパ141の上昇により給紙ローラ142に押付けられ、最上層のカットされた用紙Pのみが分離部材143により分離されて搬送部150へ給紙される。
そして、図12(A)に示すように、給紙されるカットされた用紙Pがサブローラ151とその従動ローラ152aとの接触点151aに到達すると、カットされた用紙Pのスキュー取りが行われる。このスキュー取り方法は、用紙厚によって異なる方法が採られる。すなわち、普通紙以下の薄手のカットされた用紙の場合は、カットされた用紙の先端を少しだけサブローラ151とその従動ローラ152aとの間に食い込ませ、その後にローラ151、152aを逆転させてカットされた用紙を撓ませることにより、カットされた用紙の先端を揃えてスキュー取りする方法が採られる。
一方、普通紙より厚手のカットされた用紙の場合は、カットされた用紙の先端をサブローラ151とその従動ローラ152aとの接触点151aに突き当て、給紙ローラ142をスリップさせることでカットされた用紙の先端を揃えてスキュー取りする方法が採られる。なお、上記食い込み量及び突き当て量は、検知センサ157aにより検知され、この検知量にしたがってスキュー取りが制御される。
このように、用紙厚によってスキュー取り方法を異ならせるのは、薄手のカットされた用紙は腰が無いために、給紙ローラ142はカットされた用紙上でスリップせずにカットされた用紙を送り出してしまうおそれがあるからであり、厚手のカットされた用紙は薄手のカットされた用紙を貼り合わせた構造であるため、ローラ151、152aを逆転させたときに剥離してしまうおそれがあるためである。
スキュー取りが完了したカットされた用紙Pは、図示しない紙送りモータにより駆動されているサブローラ151とその従動ローラ152a、152b、152cに挟持されてU字経路で反転、すなわち給紙方向とは逆方向に搬送される。そして、図12(B)に示すように、カットされた用紙Pの先端が検知センサ157bの検知位置DPに到達すると、カットされた用紙Pの印刷開始位置決めである頭出しが行われる。
すなわち、カットされた用紙Pの先端が、検知位置DPから紙送りローラ153とその従動ローラ154の間を通って図13(A)に示す頭出し位置HPに到達するまで、検知センサ157bにより搬送量が検知され、この検知量にしたがって頭出しが制御される。なお、従来の頭出しはサブローラ151より上流側に配設されている検知センサ157aにより行っていたが、この頭出しはサブローラ151より下流側に配設されている検知センサ157bにより行うので、検知量が少なくて済み、特に用紙厚による頭出し誤差を無くして頭出し精度を高めることができる。
その後、頭出しが完了したカットされた用紙Pは、図示しない紙送りモータにより駆動されている紙送りローラ153とその従動ローラ154に挟持されて記録部160へ搬送されることになる。したがって、サブローラ151とその従動ローラ152a、152b、152cによるカットされた用紙Pの挟持は搬送精度を悪化させる原因になるので、図13(B)に示すように、各従動ローラ152a、152b、152cはサブローラ151からレリースする。
搬送されるカットされた用紙Pは、図示しない吸引ファンによりプラテン163上に吸着されて平坦にされ、図示しないキャリッジモータとタイミングベルトにより走査されるキャリッジ161に搭載された記録ヘッド162により印刷される。このとき、インクジェット式記録装置100の制御部は、例えばイエロー、ダークイエロー、マゼンタ、ライトマゼンタ、シアン、ライトシアン、ブラックの計7色のインクカートリッジから記録ヘッド162へ各色インクを供給し、各色インクの吐出タイミング及びキャリッジ161や紙送りローラ153の駆動を制御して、高精度なインクドット制御、ハーフトーン処理等を実行する。そして、印刷が完了したカットされた用紙Pは、図示しない紙送りモータにより駆動されている排紙ローラ155とギザローラ156に挟持されて給排紙部140へ排紙され、給排紙トレイ200の排紙トレイ230上へ積層載置される。
以上のように、本発明の記録制御方法によれば、用紙を縁無し記録する際に用紙の外側に打ち捨てられたインクを所定条件に応じて洗い流す洗い流し処理を含んでいるので、当該インクの残留を防止することができる。この所定条件は、縁無し記録処理開始から規定時間経過したときであるので、インクが経時変化によって固化して残留してしまうことを防止することができる。また、所定条件は、規定時間内の縁無し記録処理時の打ち捨てインク量が所定量以下のときであるので、インクが少量であるために流れずに残留してしまうことを防止することができる。
また、洗い流し処理は、上記所定条件が充足して記録処理が行われた後に実行されるので、洗い流し処理を記録処理に継続させて行うことができ、処理時間を短縮させることができる。また、洗い流し処理は、対応可能な用紙の内の最大の用紙の外側にて実行されるので、残留したインクを全て洗い流すことができる。また、洗い流し処理は、規定時間内に実行された縁無し記録処理時の最大の用紙の外側にて実行されるので、洗い流すために必要なインクの量を少量で済ますことができる。また、洗い流し処理は、用紙の両側にて実行されるので、インクを一方の側から他方の側へ流すときに他方の側で完全に流し切ることができる。また、洗い流し処理は、インクの内の増粘し難いインクを噴射することで実行されるので、洗い流し用のインクが残留することは無く、増粘し易いインクと共に洗い流すことができる。
また、所定条件は、特定のインクが所定の使用率以上のときであるので、無駄な洗い流し処理を防止することができ、インクの消費コストを抑制することができる。また、特定の液体は、増粘して固化し易いインクであるので、特に当該インクの残留による固着を防止することができ、洗い流し処理を長期に亘ってスムーズに行うことができる。また、所定の使用率は、特定のインクの消費量と全インクの消費量の比率で表されるので、例えば検出センサや演算装置等による電気的な信号処理により所定の使用率を数値化することができ、洗い流し処理の実行可否の判断を確実に制御することができる。
洗い流す液体としてインクを例に説明したが、どのような液体であっても洗い流し処理として適用可能である。また、記録装置としてインクジェット式プリンタを例に説明したが、記録装置であれば、例えばファクシミリ装置、コピー装置等であっても適用可能である。また、記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を液体噴射ヘッドから被噴射媒体に噴射して液体を被噴射媒体に付着させる液体噴射装置の意味として、例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造に用いる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等を備えた装置にも適用可能である。
本発明の一実施の形態に係る記録装置の1つであるインクジェット式プリンタの外観構成の全体を斜め前方から見た斜視図である。 図1のプリンタの給排紙トレイの斜視図である。 図2の給排紙トレイの使用形態を示す斜視図である。 図2の給排紙トレイの別の使用形態を示す斜視図である。 図1のプリンタの内部構成の概略を示す断面側面図である。 図1のプリンタのホッパ上の用紙と給紙ローラとの接触状態を示す図である。 図1のプリンタのプラテンの詳細を示す斜視図である。 図7のプラテンの平面図である。 本発明の記録制御方法の一実施形態を説明するフローチャートである。 本発明の記録制御方法の別の実施形態を説明する第1のフローチャートである。 本発明の記録制御方法の別の実施形態を説明する第2のフローチャートである。 図1のプリンタの動作を説明するための第1の図である。 図1のプリンタの動作を説明するための第2の図である。
符号の説明
60 インク吸収材、100 インクジェット式プリンタ、101 ハウジング、104 カートリッジ収納部、105 カートリッジカバー、110 操作部、130 給紙部、140 給排紙部、150 搬送部、160 記録部、161 キャリッジ、162 記録ヘッド、163 プラテン、164 吸引ダクト、165 廃インク流動部、170 制御部、200 給排紙トレイ、210給紙トレイ、230 排紙トレイ、630 プラテン本体、631 プラテン垂直部、632 打ち捨て溝穴、634 リブ、634a 吸引孔、635 廃インク通路

Claims (13)

  1. 被記録媒体に液体を吐出して記録する記録制御方法であって、
    前記被記録媒体の全面に記録する全面記録処理と、
    前記全面記録処理により前記被記録媒体の外側に打ち捨てられた液体を所定条件に応じて洗い流す洗い流し処理とを含むことを特徴とする記録制御方法。
  2. 前記所定条件は、全面記録処理開始から規定時間経過したときであることを特徴とする請求項1に記載の記録制御方法。
  3. 前記所定条件は、規定時間内の全面記録処理時の打ち捨て液体量が所定量以下のときであることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録制御方法。
  4. 前記洗い流し処理は、前記所定条件が充足して記録処理が行われた後に実行されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の記録制御方法。
  5. 前記洗い流し処理は、対応可能な前記被記録媒体の内の最大の被記録媒体の外側にて実行されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の記録制御方法。
  6. 前記洗い流し処理は、前記規定時間内に実行された前記全面記録処理時の最大の被記録媒体の外側にて実行されることを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の記録制御方法。
  7. 前記洗い流し処理は、前記被記録媒体の両側にて実行されることを特徴とする請求項5又は6に記載の記録制御方法。
  8. 前記洗い流し処理は、前記液体の内の増粘し難い液体を噴射することで実行されることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の記録制御方法。
  9. 前記所定条件は、特定の前記液体が所定の使用率以上のときであることを特徴とする請求項1に記載の記録制御方法。
  10. 前記特定の液体は、増粘して固化し易い液体であることを特徴とする請求項9に記載の記録制御方法。
  11. 前記所定の使用率は、前記特定の液体の消費量と前記全液体の消費量の比率で表されることを特徴とする請求項9又は10に記載の記録制御方法。
  12. 請求項1〜11に記載の制御ステップを備えたことを特徴とするコンピュータで実行可能な記録制御プログラム。
  13. 請求項1〜11に記載の制御ステップを実行可能なことを特徴とする記録制御装置。
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