JP2007038453A - ライナ成形装置、ライナ成形方法及びライナ - Google Patents

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【課題】 ライナによる容器の密封性を従来よりも一段と向上できるライナ成形装置、ライナ成形方法及びライナを提供することにある。
【解決手段】 飲料容器用キャップ2の天板部7の内面8に位置決めされた溶融した合成樹脂材3を押圧成形手段4の押圧面6によって押圧し、天板部7の内面8にライナを成形するライナ成形装置1において、押圧面6に形成され、この押圧面6の環状凹部12まで合成樹脂材3を押し広げるように当該合成樹脂材3を放射状に押圧する突出部13を設けるようにした。従って、突出部1によって合成樹脂材3を中心部から環状凹部12まで確実に導くことができるので、一部が欠けた不完全な成形部分を有したライナを成形し難くでき、かくしてライナによる容器の密封性を従来よりも一段と向上できる。
【選択図】 図1

Description

本発明はライナ成形装置、ライナ成形方法及びライナに関し、例えばスポーツドリンク等の清涼飲料水やコーヒー等の飲み物を封入して販売するための飲料容器に用いられるキャップ(以下、これを飲料容器用キャップと呼ぶ)にライナを成形する際に適用して好適なものである。
近年、飲料容器として、ガラスや合成樹脂製のものに代えて、アルミニウム等の金属製でなるボトル型の飲料容器が用いられており、これに伴い、飲料容器を閉止する飲料容器用キャップについてもアルミニウム等の金属製で形成されたものが用いられている。
そして、このような金属製でなる飲料容器用キャップの天板部の内面には、例えば、ポリプロピレンとゴムとを混合したものやポリエチレン、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等のような比較的軟質の合成樹脂材で成形されたライナが設けられており、このライナが閉止時に容器口部の頂部に当接し容器内部を密封し得るようになされている。
ところで、このようなライナを飲料容器用キャップ内に成形する際には、ライナ成形装置が用いられており、飲料容器用キャップ内の天板部に所定量の溶融した合成樹脂材を供給した後、このライナ成形装置によって合成樹脂材を天板部に押圧して飲料容器用キャップ内にライナを成形するようになされている(例えば特許文献1)。
この際、従来のライナ成形装置(ライナー形成治具)では、合成樹脂材を押圧する押圧面に所定値以上の表面粗さを形成することにより、押圧面と合成樹脂との間の空気を均一に分散させ、ライナの一部に欠けが生じることを防止することが提案されている。
特開2003−200959号公報
しかしながら、かかる構成のライナ成形装置の押圧面は、所定値以上の表面粗さが設けられているものの、あくまで押圧面全体がほぼ平面形状に形成されていることから、ライナの成形時、単に上方から下方へ合成樹脂材を押圧するだけなので、合成樹脂材の供給量の変化や、天板部に対する合成樹脂材の供給位置によっては、溶融した合成樹脂材を押圧面の周縁部まで押し広げてゆくことができずに、一部が欠けたライナが飲料容器用キャップ内に成形されてしまうおそれがある。この場合、不完全な成形部分を有したライナにより容器の密封性が低下してしまうという問題があった。
本発明は、以上の問題点を考慮してなされたもので、ライナによる容器の密封性を従来よりも一段と向上できるライナ成形装置、ライナ成形方法及びライナを提供しようとするものである。
本発明の請求項1記載のライナ成形装置は、飲料容器用キャップの天板部の内面に位置決めされた溶融した合成樹脂材を押圧成形手段の押圧面によって押圧し、前記天板部の内面にライナを成形するライナ成形装置において、前記押圧面に形成され、前記押圧面の周縁部まで前記合成樹脂材を押し広げるように該合成樹脂材を放射状に押圧する突出部を備えるものである。
また、本発明の請求項2記載のライナ成形装置は、前記突出部は、前記押圧面の中心部から前記押圧面の周縁部に向けて傾斜する傾斜面を備えるものである。
また、本発明の請求項3記載のライナ成形方法は、飲料容器用キャップの天板部の内面に位置決めされた溶融した合成樹脂材を押圧成形手段の押圧面によって押圧し、前記天板部の内面にライナを成形するライナ成形方法において、前記押圧面に形成された突出部によって、前記押圧面の周縁部まで前記合成樹脂材を押し広げるように該合成樹脂材を放射状に押圧するものである。
また、本発明の請求項4記載のライナ成形方法は、前記突出部によって前記押圧面の中心部から前記押圧面の周縁部に向けて次第に前記合成樹脂材を押し広げてゆくように押圧するものである。
また、本発明の請求項5記載のライナは、請求項3又は4記載のライナ成形方法によって成形され、表面側に凹みを有するものである。
本発明の請求項1記載のライナ成形装置及び請求項3記載のライナ成形方法では、以上のように構成することにより、ライナ成形時、単に上方から下方へ合成樹脂材を押圧するだけでなく、中心部から周縁部の方向に向けても合成樹脂材を押し広げてゆくことができることから、合成樹脂材を中心部から周縁部まで確実に導くことができるので、一部が欠けた不完全な成形部分を有したライナを成形し難くでき、かくしてライナによる容器の密封性を従来よりも一段と向上できる。
また、本発明の請求項2記載のライナ成形装置及び請求項4記載のライナ成形方法では、以上のように構成することにより、押圧面の中心部付近から周縁部に向けて合成樹脂材を従来よりも一段とスムーズに押し広げてゆくことができ、かくして押圧面の中心部から最も離れた当該押圧面の周縁部まで合成樹脂材を確実に導くことができる。
また、請求項5記載のライナでは、以上のように構成することにより、中心部から周縁部の方向に向けて合成樹脂材を押し広げてゆくライナ成形方法で成形されることから、その一部が欠けた不完全な成形部分を有することがないので容器の密封性を従来よりも一段と向上できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1において、1はライナ成形装置を示し、このライナ成形装置1は、一般的に用いられているボトル型の飲料容器(図示せず)を閉止するための飲料容器用キャップ2にライナを成形するように構成されている。
ライナ成形装置1は、溶融された合成樹脂材3を押圧する押圧成形手段4と、ほぼ円筒状に形成され、押圧成形手段4の外周側に設けられた外郭成形手段5とで構成され、これら押圧成形手段4及び外郭成形手段5が上方に配置した図示しない駆動装置に装着されている。
そして、ライナ成形装置1は、外郭成形手段5によって囲まれた所定領域内において、押圧成形手段4の先端部に形成した押圧面6で合成樹脂材3を飲料容器用キャップ2の天板部7の内面8に押圧し得るようになされている。
外郭成形手段5は、その外郭が飲料容器用キャップ2の天板部7及びこの天板部7の周縁から垂下した筒部9の形状に対応して形成されており、天板部7及び筒部9で取り囲まれた飲料容器用キャップ2内に挿入し得るようになされている。
図2に示すように、押圧成形手段4にはその先端部に押圧面6を有しており、この押圧面6によって飲料容器用キャップ2の天板部7の内面8に供給された合成樹脂材3を上方から下方に押圧するようになされている。
実際上、この押圧面6は、ほぼ平面形状でなる平面部11と、この平面部11の外方に一体形成された環状凹部12とを備えるとともに、当該平面部11の中心部付近に突出部13が一体成形された構成を有する。
突出部13は、平面部11のほぼ中心部付近から押圧面6の周縁部としての環状凹部12に向けて傾斜する傾斜面14を有しており、この突出部13のみが平面部11上から突出し得るように形成されている。
すわなち、突出部13は、頂点15を中心としてその周囲に傾斜面14が形成されており、合成樹脂材3を放射状に押圧できるように構成されている。
実際上、この実施の形態の場合、突出部13は、球面のように湾曲状に膨らんだなだらかな曲面をなしており、頂点15付近が丸みを有するように形成され、かつその頂点15が平面部11の中心部に一致するように設けられている。
以上の構成において、ライナ成形装置1を用いてライナを成形する場合、図1に示すように、まず飲料容器用キャップ2の開口端部17を上方に向け、飲料容器用キャップ2の天板部7における内面8の中心付近に溶融させた合成樹脂材3を供給する。
次いで、図3(A)に示すように、ライナ成形装置1は、上方から押圧成形手段4及び外郭成形手段5を飲料容器用キャップ2内に挿入させ、外郭成形手段5の先端部18を天板部7の内面8に当接させた後、図3(B)に示すように、押圧成形手段4をさらに下降させて天板部7に供給されている合成樹脂材3を押圧面6で押し広げてゆく。
かくして、ライナ成形装置1は、図3(C)に示すように、押圧面6の外郭となる環状凹部12により環状凸部19が形成され、金属製キャップ2の天板部7の内面8に合成樹脂材3から形成した環状凸部19を有するライナ20を接着する。
このとき、押圧面6では、中心部に突出部13を設けたことにより、当該中心部付近から合成樹脂材3を押圧し始め、傾斜面14によって当該合成樹脂材3を放射状に押圧する。このように、押圧面6では、単に上方から下方へ合成樹脂材3を押圧するだけでなく、中心部から環状凹部12の方向に向けても合成樹脂材3を押圧することができるので、中心部から環状凹部12まで合成樹脂材3を容易に押し広げてゆくことができ、かくして中心部から最も離れた環状凸部19が欠けたライナ20の成形を従来よりも一段と防止できる。
また、突出部13は、頂点15を中心としてその周囲に湾曲状の傾斜面14を設けたことにより、合成樹脂材3を押圧する際、当該合成樹脂材3を放射状に押圧できるので、中心部付近から環状凹部12に向けて確実に合成樹脂材3を均等に押し広げてゆくことができ、かくして環状凸部19の欠けたライナ20が成形されることを一段と確実に防止できる。
なお、このようなライナ成形装置1で成形されたライナ20には、周縁に欠けのない環状凸部19を有するとともに、突出部13に対応して表面側に凹みを有するものとなる。
ここで、この実施の形態の場合、突出部13は、直径寸法ΦAを押圧面6の直径寸法の約1/4程度以上に選定し、また、平面部11から頂上までの高さ寸法Bを押圧面6の直径寸法の約1/240程度以上に選定することが望ましい。
この場合、例えば約38mm程度の直径寸法でなる飲料容器用キャップ2に用いられる約36.5mm程度の直径寸法でなるライナ20を成形する場合について実験を行なった。
その結果、図4に示すように、従来の環状凹部12及び平面部11だけでなる押圧面(図示せず)を用いて1000個のライナを成形したときには、当該ライナの半径方向に1mm以上の欠け(以下、これをライナ欠け大と呼ぶ)が生じたライナは約6個あり、当該ライナの半径方向に1mm以下の欠け(以下、これをライナ欠け小と呼ぶ)が生じたライナは約21個あった。
ここで、ライナ成形装置1において、押圧面6のほぼ中心部に突出部13を設け、この突出部13の直径寸法ΦAを約15.5mm程度とし、高さ寸法Bを0.05mm程度とし、突出部13の曲率半径Rを約150mm程度に選定し、上述した実験を行ない1000個のライナを成形した場合(図4中の(1)の場合)には、ライナ欠け大が生じたライナは5個となり、ライナ欠け小が生じたライナは24個となり、不完全に成形されたライナの数は従来とほぼ変わらない結果となった。
しかしながら、本願発明のライナ成形装置1において、例えばこの突出部13の直径寸法ΦAを約7.8mm程度としても、高さ寸法Bを高くして0.15mm程度とし、突出部13の曲率半径Rを約50mm程度に選定し、上述した実験を行なった結果(図4中の(2)の場合)、1000個のライナのうちライナ欠け大が生じたライナは0個となり、かつライナ欠け小が生じたライナについても1個となり、ライナ欠けが発生した不完全な成形部分のあるライナの数を従来に比して格段的に減少させることができた。
また、本願発明のライナ成形装置1において、例えば突出部13の直径寸法ΦAを大きくして約15.5mm程度とし、高さ寸法Bを0.15mm程度とし、突出部13の曲率半径Rを約200mm程度に選定し、上述した実験を行なった場合(図4中の(3)の場合)でも、1000個のライナのうちライナ欠け大が生じたライナは0個となり、かつライナ欠け小が生じたライナについても2個となり、不完全な成形部分のあるライナの数を従来に比して格段的に減少させることができた。
このように、ライナ成形装置1では、押圧面6の環状凹部12まで合成樹脂材3を押し広げられるように適度な直径寸法ΦA、高さ寸法B及び曲率半径Rでなる突出部13を押圧面6の中心部に設けたことにより、環状凸部19に欠け等のないライナ20を一段と確実に成形できる。
以上の構成によれば、押圧面6の環状凹部12まで合成樹脂材3を押し広げるように放射状に押圧するような突出部13を押圧面6に設けるようにしたことにより、当該合成樹脂材3を中心部から環状凹部12まで確実に導くことができるので、一部が欠けた不完全な成形部分を有したライナを成形し難くでき、かくしてライナによる容器の密封性を従来よりも一段と向上できる。
また、押圧面6の中心部から最も離れた当該押圧面6の環状凹部12に向けて傾斜する傾斜面14によって当該環状凹部12に向けて次第に合成樹脂材3を押し広げてゆくようにしたことにより、押圧面6の中心部付近から環状凹部12に向けて合成樹脂材3を従来よりも一段とスムーズに押し広げてゆくことができ、かくして押圧面6の中心部から最も離れた当該押圧面6の環状凹部12まで合成樹脂材3を確実に導くことができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載した事項の範囲内で種々の変形実施をすることができ、例えば合成樹脂材やガラスでなる飲料容器用キャップや、化粧水用の容器等の各種容器に用いる種々のキャップにライナを成形する際に用いるようにして良い。また、平面部11と環状凹部12とが分割されて別体でなる押圧成形手段を適用するようにしても良い。さらに、平面部11と環状凹部12とからなる押圧面6において、平面部11全面に亘って突出部13を設け、当該平面部11の全体を湾曲状に突出させるようにしても良い。この場合、押圧面6は、平面部11全面に亘って設けられた突出部13と、環状凹部12とからなる。
例えば、図2との対応部分に同一符号を付して示す図5において、40は他の実施の形態による押圧成形手段を示し、この押圧成形手段40では、平面部11の全体に湾曲状に突出させた突出部41が設けられた構成を有する。
この場合、突出部41は、頂点42を中心としてその周囲に押圧面6の環状凹部12付近まで延びる傾斜面43が形成され、球面のように湾曲状に膨らんだなだらかな曲面を有した傾斜面43によって合成樹脂材3を放射状に押圧できるように構成されている。
ここで、図6に示すように、本願発明の押圧成形手段40において、例えば突出部41の直径寸法ΦAを約23.5mm程度とし、高さ寸法Bを0.20mm程度とし、突出部41の曲率半径Rを約340mm程度に選定して上述した実験を行なった。その結果、押圧成形手段40では、1000個のライナのうちライナ欠け大が生じたライナは0個となり、かつライナ欠け小が生じたライナについても1個となり、不完全に成形されたライナの数を従来に比して格段的に減少させることができた。
また、図2との対応部分に同一符号を付して示す図7のように、押圧成形手段50の突出部51をほぼ円錐状に形成するようにしても良い。この場合、突出部51は、頂点52を中心としてその周囲に僅かに凹むようにして形成された傾斜面53が設けられており、合成樹脂材3を放射状に押圧できるように構成されている。この場合であっても上述と同様の効果を得ることができる。
ライナ成形装置の全体構成を示す側断面図である。 押圧成形手段の詳細構成を示す側断面図である。 押圧成形手段によって合成樹脂材を押圧する様子を示す概略図である。 突出部の形状に応じた実験結果を示す表である。 他の実施の形態による押圧成形手段の詳細構成(1)を示す側断面図である。 他の実施の形態による突出部による実験結果を示す表である。 他の実施の形態による押圧成形手段の詳細構成(2)を示す側断面図である。
符号の説明
1 ライナ成形装置
2 飲料容器用キャップ(キャップ)
3 合成樹脂材
4 押圧成形手段
6 押圧面
7 天板部
8 内面
12 環状凹部(周縁部)
13、41、51 突出部
14、43、53 傾斜面

Claims (5)

  1. キャップの天板部の内面に位置決めされた溶融した合成樹脂材を押圧成形手段の押圧面によって押圧し、前記天板部の内面にライナを成形するライナ成形装置において、前記押圧面に形成され、前記押圧面の周縁部まで前記合成樹脂材を押し広げるように該合成樹脂材を放射状に押圧する突出部を備えることを特徴とするライナ成形装置。
  2. 前記突出部は、前記押圧面の中心部から前記押圧面の周縁部に向けて傾斜する傾斜面を備えることを特徴とする請求項1記載のライナ成形装置。
  3. キャップの天板部の内面に位置決めされた溶融した合成樹脂材を押圧成形手段の押圧面によって押圧し、前記天板部の内面にライナを成形するライナ成形方法において、前記押圧面に形成された突出部によって、前記押圧面の周縁部まで前記合成樹脂材を押し広げるように該合成樹脂材を放射状に押圧することを特徴とするライナ成形方法。
  4. 前記突出部によって前記押圧面の中心部から前記押圧面の周縁部に向けて次第に前記合成樹脂材を押し広げてゆくように押圧することを特徴とする請求項3記載のライナ成形方法。
  5. 請求項3又は4記載のライナ成形方法によって成形され、表面側に凹みを有することを特徴とするライナ。
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