以下、本発明に係る遊技機の実施形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図面に沿って説明する。なお、後述する各実施の形態では、本発明の遊技機を所謂第1種特別電動役物を使用したパチンコ機として述べるが、本発明はこれに限らず、所謂第2種特別電動役物や所謂第3種特別電動役物等を使用したパチンコ機にも適用可能であることは勿論である。
図1は、本発明に係る実施の形態におけるパチンコ機1の外部構造を示す正面図である。本パチンコ機1は、同図に示すように、発射ハンドル9の操作による発射装置72(図19参照)の作動で遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤7の遊技領域7aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当たりが発生した状態でアタッカー17に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成されている。上記確率変動当たり(「確変当たり」とも言う)とは、抽選の結果、確変モードの大当たりが当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当たりとして「通常当たり」がある。
図1に示すように、本実施形態におけるパチンコ機1は、開口を有する枠体状の筐体2と、この筐体2に開閉可能に装着された前扉3とを有しており、前扉3の前面には、透明ガラス6を有するガラス枠5が開閉可能に取り付けられている。透明ガラス6の奥側には、遊技盤7が配設されている。前扉3における遊技盤7の左右上方には演出用照明装置23が配設されており、前扉3における遊技盤7の下方左部にはスピーカー(図示せず)を有する放音装置8が配設されている。また、ガラス枠5における右側部には、前扉3を筐体2側に施錠又は解放するための施錠装置4が配設されている。なお、筐体2及び前扉3等から遊技機本体が構成されている。
前扉3における遊技盤7の下方には上皿13が設けられており、上皿13における左上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口18が設けられ、上皿13における右上部壁面には、球貸ボタン14a及びプリペイドカード返却ボタン14bが設けられている。
また、前扉3における上皿13の下方には下皿15が配設されており、該下皿15の右部には、発射装置72(図19参照)を操作して遊技球を遊技領域7aに向けて打ち出すための発射ハンドル9が配設されている。更に下皿15には、上皿13からオーバーフローした遊技球が放出される球放出口19が形成されており、下皿15の左部には灰皿24が配設されている。なお、図1中の符号10は、発射ハンドル9の操作で発射された遊技球を遊技領域7aに導くガイドレールを示し、符号22はアウト口を示している。また、本パチンコ機1には、遊技中に遊技領域7aにて入賞することなく落下してアウト口22に入り込んだ遊技球をパチンコ機背面側に導くアウト球通路(図示せず)が設けられている。
遊技領域7aには、遊技球ステージSを有するセンター飾り(センター役物)12が中央部分に配設されている。センター飾り12の中央には開口部11が形成されており、遊技盤7には、開口部11から画面31aを露出させた状態の図柄表示装置31が遊技盤裏面から装着されている。センター飾り12の下部左方には、大当たり抽選に寄与しない一般の入賞が行われる入賞口29,30が配設されており、センター飾り12の下方には、入賞口としての始動チャッカー16と、アタッカー17とが順次配設されている。
始動チャッカー16は、大当たり抽選実行の契機となり得る入賞が行われるものであり、開放位置と閉止位置とに開閉動作するように始動チャッカー開閉ソレノイド70(図19参照)によって作動させられる。始動チャッカー16の直上方には、所謂命釘としての一対の障害釘82が打ち込まれている。
アタッカー17は、大当たり発生時に開放され、遊技領域7aに打ち出されて転動落下する遊技球を入賞させるものであり、大当たり発生中、例えば、1回の開放で10個の入球を完了した時点で閉じ、当該開閉動作を15回繰り返すように構成される。なお、これらの入球数並びに開閉動作の回数は、10個や15回に限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。
遊技領域7aには、センター飾り12の左方に風車75が配設されており、遊技球ステージSの下方における始動チャッカー16の左側には、普通図柄作動ゲート(スルーゲート)84が配設されている。この普通図柄作動ゲート84は、始動チャッカー16を開閉動作させるための抽選の契機となる遊技球通過が行われる役物である。
そして、遊技領域7aにおける普通図柄作動ゲート84、入賞口29,30及び始動チャッカー16等の周囲には、遊技球ステージSから零れた遊技球や、発射されてから遊技球ステージSに関与せずに落下してくる遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘81を含む多数の障害釘が打ち込まれている。また、遊技球ステージSにおけるワープ導入口32の周囲及びその上方側にも、遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘50を含む多数の障害釘が打ち込まれている。このような本パチンコ機1では、遊技領域7aに打ち出された遊技球Baを始動チャッカー16等に、遊技球ステージSを介して入球させ又は遊技球ステージSを介さず直接入球させ得るように遊技が進められる。
なお、本実施形態における「ワープ導入」という語句は、遊技領域7aに打ち出された遊技球を、当該遊技領域7aの比較的下側に位置する不図示の道釘等を経ることなく、始動チャッカー16の上に導くことを意味する概念である。また、上記「道釘」とは、遊技領域7aにおいて始動チャッカー16左右に打ち込まれた複数本の障害釘(図示せず)の列を意味するもので、上方から転動落下してきた遊技球を始動チャッカー16方向に導く役割を担っている。
次に、本パチンコ機1におけるセンター飾り12の構造について図2ないし図17を参照して詳細に説明する。図2は、センター飾り12を遊技盤7から取り外した状態で示す正面図、図3は、該センター飾り12を斜め上方から見下ろす状態で示す斜視図、図4は、センター飾り12をその可動演出装置39から文字盤部42を取り外した状態で示す正面図、図5は、センター飾り12の振り分け装置Dを拡大して示す斜視図である。
すなわち、図2ないし図4に示すように、センター飾り12は、上記開口部11を中央部に有する略筒状の前枠体12a及び後枠体12bを接合した状態で備えており、前枠体12aの周囲には、その複数箇所から外方に張り出すようにブラケット部27が形成されている。各ブラケット部27には、枠体12a,12bを遊技盤7に埋め込んだ形でネジ止めするために表裏貫通した孔27aが形成されている。
センター飾り12は、遊技球ステージSの左右幅方向の一側にワープ導入口32を有しかつ他側に可動演出装置39を有すると共に、ワープ導入口32、可動演出装置39及び遊技球ステージSにて囲まれる位置に、図柄表示装置31の画面31aを露出する開口部11を有している。
つまり、センター飾り12は、開口部11の下部に遊技球ステージSを有し、かつ該ステージSの左側中央部にワープ導入口32を有しており、遊技球ステージSの左側に、ワープ導入口32から導入した遊技球をステージS上に放出する放出口33を有している。また、センター飾り12は、ワープ導入口32の上部に、図柄表示装置31の画面31a上で演じられる演出内容に関連した電子銃を模った役物90を有しており、最上部中央に、画面31a上で演じられる演出内容に関連した飛行可能な自動車を模った演出照明装置25を有している。この演出照明装置25は、車体部25cを有し、かつ車体部25cの上部にフロントガラス部25aを有している。また車体部25cの左側には、大当たり抽選保留表示装置47及び特別図柄表示装置48が配置されている。
センター飾り12は更に、遊技球ステージSの右端部に、開放抽選保留表示装置を含む普通図柄表示装置91を有しており、該普通図柄表示装置91の上方に可動演出装置39を有している。この可動演出装置39は、画面31a上の表示演出内容に関連する形状の文字盤部42及び針状部材41を有し、かつ該文字盤部42が遊技球ステージSの右側から左側に向かって画面31aに徐々に近接するように傾斜している。つまり、可動演出装置39は、センター飾り12に向かい着座し画面31aを注視して遊技する遊技者に対し、画面31aの右方にて遊技者の目に直接的に対面するように全体が傾斜して配置されている。
なお、図4において、可動演出装置39は、文字盤部42(図11参照)を取り外した状態で、該文字盤部42の背面側に配置された多数のLED74と、針状部材41との位置関係が分かるように記載されている。
センター飾り12は、下部のブラケット部27の中央部に第1放出部(球放出口)53を有しており、この第1放出部53は、始動チャッカー16の直上方に位置して、放出されて落下する遊技球Baが一対の障害釘82の間を通って始動チャッカー16にほぼ確実に(つまり、97〜99%の高確率で)入賞し得るように位置決め形成されている。
センター飾り12は、遊技球ステージS上に、ワープ導入口32から導入されて放出口33から放出された遊技球Baの進路を振り分ける振り分け装置Dを有している。この振り分け装置Dは、図5に示すように、遊技球ステージSのほぼ全域を占めるもので、ワープ導入口32から導入された遊技球を、始動チャッカー16に向けて落下させる第1放出部53と、この第1放出部53に隣接して始動チャッカー16とは異なる方向に落下させる第2放出部73と、第1放出部53の上側面に有する一対の案内リブ部67aを介して始動チャッカー16に向けて落下させる第3放出部67と、を有している。
遊技球ステージSの前部における第3放出部67の左右には、第1放出部53の外周面に沿って左右に滑らかに傾斜する傾斜面76が形成されており、その更に左右には、遊技球ステージSから傾斜面76等を介して落下したり、遊技球ステージS下方の不図示の導釘で弾かれたりした遊技球を、一旦受け止めて始動チャッカー16側方に落下させるテーブル部77が設けられている。左側のテーブル部77は、傾斜面76に隣接する球受け部77bと、上方からの遊技球を球受け部77bに案内するガイド壁77aとを有している。右側のテーブル部77は、左側のテーブル部77のようなガイド壁77aは有さず、第2放出部73からの遊技球を下方に導くように傾斜面76に隣接して形成された球受け部77bのみを有している。
ついで、遊技球ステージSと始動チャッカー16との間に介在された上記振り分け装置Dのより詳細な構造について図6ないし図8に沿って説明する。図6は、遊技球ステージSから振り分け装置Dを構成する部分のみを抜き出して描いた斜視図、図7は、図4のC−C線で断面したC−C矢視断面図、図8は、前枠部12aにおける遊技球ステージSの近傍のみを抜粋して示す斜視図である。
すなわち、図6に示すように、振り分け装置Dは、第1放出部53に連通する球導入口35を中央部に有しており、該球導入口35を挟んで互いに逆方向に延びる第1、第2の球導入路44,45を有している。これら球導入路44,45は、球導入口35に向かって徐々に下降するようにそれぞれ傾斜している。また、球導入口35の内径は、遊技球1個が余裕をもって通過し得る寸法に設定されている。
上記球導入路44,45は、球導入口35を挟んで互いに所定距離(例えば、遊技球の直径11〜12[mm]の場合に7〜9[mm]程度)をあけた状態にて略平行に延びる一対のガイドリブ46a,46bを有している。つまり、上記球導入路44,45の延在方向の中間部分に球導入口35が位置して形成されている。そして、上記球導入路44,45の外周側には、ワープ導入口32から導入された遊技球Baを一方向(図6における反時計回り方向)に回転移動させる遊技球回転移動路37が配置されている。この回転移動路37は、後述する通過面37b,37c以外の箇所は略々水平な面として形成されている。また、ガイドリブ46a,46bは、端部開口Opに臨む部位において、遊技球回転移動路37での遊技球の一方向回転移動時の上流側Uが下流側Lより短く形成されている。これにより、上記球導入路44,45は、遊技球回転移動路37を一方向(本実施形態では反時計回り方向)に回転移動する遊技球Baの勢いが弱った場合に、該遊技球Baを端部開口Opから導入し易くして、一対のガイドリブ46a,46b間の転動面(ガイド面)44a,45a上を転動させて球導入口35に導くように構成される。
また、振り分け装置Dでは、球導入口35を挟んで対峙する球導入路44,45からそれぞれに球導入口35に到った遊技球を、該球導入口35内で噛み合う現象(球噛み現象)を発生させないように構成されている。つまり、これら球導入路44,45の球導入口35との各接合部位が鉛直方向(図の上下方向)に所定量(例えば2〜5[mm])オフセットされ、それら両球導入路44,45からそれぞれに導入された遊技球の球導入口35での噛み合いを防止する球噛み防止構造が形成されている。
また、第2の球導入路45の球導入口35との接合部位には、その延在方向と略直交する方向(球導入路45の幅方向)に広げられて膨出する遊技球逃げ部45eが形成されている。この遊技球逃げ部45eの存在により、球導入口35に臨む部位の幅が遊技球の直径の1.3〜1.5倍広がったことで、上記球噛み防止構造による球噛み合い防止の効果がより高められている。
なお、上記遊技球逃げ部45eと同様の構造を第1の球導入路44側に形成すれば、当該球噛み合い防止効果を更に高めることができる。また、本実施の形態では、球導入口35を、上記球導入路44,45の延在方向の中間部分に位置させているが、例えば、球導入口35を、それら球導入路44,45の延在方向の端部又はその近傍に位置させて構成することもでき、その際にもほぼ同様の作用効果を得ることができる。
振り分け装置Dは、上述した遊技球回転移動路37と、球放出口33から該回転移動路37上に放出された遊技球Baを案内するガイド部38と、を有している。遊技球回転移動路37は、後述する通過面37a,37b,37c,37d,37e,37fを有しており、ガイド部38は、後述する平行部38a、傾斜ガイド面38b、湾曲面38c、平行部38d、傾斜ガイド面38e、平行部38g、及び湾曲面38hを有している。
平行部38aは、ガイドリブ46a,46bと略々平行に延在して、球放出口33から放出された遊技球Baをそのまま案内する。通過面37aは、平行部38aに案内される遊技球Baをその慣性に従って移動させる。傾斜ガイド面38bは、通過面37aを転動する遊技球Baを通過面37bに向かって球導入口35側に若干接近するように傾斜する。通過面37bは、傾斜ガイド面38bで案内される遊技球Baを通過させ、通過面37cは、通過面37bを通過した遊技球Baを更に通過させる。湾曲面38cは、通過面37cからの遊技球Baを受けつつ移動方向を180°変更して折り返させ、通過面37dは、湾曲面38cで方向を変えられた遊技球Baを更に転動させて通過させる。平行部38dは、ガイドリブ46a,46bと略々平行に延在して、通過面37dからの遊技球Baを通過面37eに送り、傾斜ガイド面38eは、平行部38dから通過面37eに向かって球導入口35側に若干接近するように傾斜する。通過面37fは、通過面37eからの遊技球Baを受け、湾曲面38hは、通過面37fから平行部38gに沿って転動する遊技球Baを受けつつその移動方向を180°変更して折り返させる。また、通過面37b及び通過面37eは、球導入口35を挟んで互いに対向し、かつ球導入口35から離れる方向に徐々に下降するように傾斜している。
振り分け装置Dの前部中央には、球導入口35から落下した遊技球を第1放出部53に送るように該放出部53に連通する連通開口34が形成されている。振り分け装置Dは、上記傾斜ガイド面38b,38eにより、平行部38a,38dに沿って転動移動してきた遊技球Baがやや球導入口35側に寄るように方向を僅かに変えられることで、通過面37b,37eの傾斜に沿って直ちには第3放出部67やテーブル部77側、或いは振り分け装置Dの後方側に転落しないで通過面37c,37f側に容易に通過できるように構成されている。
振り分け装置Dにおける通過面37eの後方には、通過面37eから後方側に落下した遊技球Baを第2放出部73に案内するための傾斜面51が形成されている。この傾斜面51は、一端部51aから他端部51bに向かって下降するように傾斜されており、通過面37eや他の箇所から受け入れた遊技球Baを傾斜に沿って他端部51bに向けて転動移動させる。他端部51bの切れ目部から導入部51cが形成されており、この他端部51bから導入部51cに落下導入された遊技球Baは、第2放出部73に送られ、該第2放出部73を介して遊技球ステージSの前部下方に落下させられる。
また図7から、振り分け装置Dにおける第1の球導入路44、球導入口35、第1放出部53、第3放出部67、及び傾斜面51等の相互位置関係を理解することができる。すなわち、振り分け装置Dの前後方向(図7の左右方向)の中央部分には、上述した球導入口35が位置しており、該球導入口35から紙面奥方向に延びるように第1の球導入路44が形成されている。
第1の球導入路44は、上述した第2の球導入路45と同様に、第1放出部53に向かって下降するように傾斜して設けられており、転動面44aの両縁部にそれぞれ所定高さ(例えば1〜3mm程度)のガイドリブ46a,46bを有している。第1放出部53の前後方向には、遊技球ステージSの前方に向かって下降するように傾斜する通過面37bと、該ステージSの後方に向かって下降するように傾斜する通過面37eとがそれぞれ形成されている。通過面37bはその中央部分から、前方に位置する第3放出部67に連絡されており、通過面37eは、後方に次第に広がる形で(図6参照)傾斜面51に連絡されている。また、球導入口35の周囲に位置する遊技球回転移動路37の紙面奥方向には、平行部38g、湾曲面38h、及び放出口33がそれぞれ配置されている。
また、図8に示すように、前枠部12aの遊技球ステージSの前部には、第1放出部53と、その上部の第3放出部67(案内リブ部67a)とが配置されている。第1放出部53の後方には、上述した球導入口35の下部に位置して該球導入口35に連通し、かつ第1放出部53に連通開口34(図6参照)を介して連通する球誘導路36が設けられている。上記ステージS前部の第1放出部53の左右には、案内リブ部67aに導入されずに落下する遊技球を一旦受けてステージS下方に落下させる、上述したガイド壁77a及び球受け部77bを有するテーブル部77が配設されている。
以上の構成を有する振り分け装置Dは、遊技球ステージSに導入された遊技球Baを、第1放出部53又は第3放出部67に導いて始動チャッカー16に比較的高い確率(97〜99%(つまり、略100%))で入賞させ、或いは、第2放出部73に導いて始動チャッカー16に比較的低い確率(0〜96%、より好ましくは35〜45%)で入賞させ得るように機能する。
次に、図9及び図10に沿って、可動演出装置39のセンター飾り12への配置構成について説明する。図9は、後枠部12bを装着した状態でのセンター飾りを示す背面図、図10は、後枠部12bを取り外した状態のセンター飾り12を示す背面図である。
図9に示すように、センター飾り12の背面側を構成する後枠部12bは、中央部に開口部11を有しており、背面視における開口部11の左側部の前側(図9の紙面奥側)に可動演出装置39が固定支持されている。
この可動演出装置39が配設される後枠部12bの左側部には、窓部116a,116b及び窓部117a,117bが設けられている。これら窓部116a及び窓部116bは、それぞれ、後述する伝達ギヤ83の軸受け83a及び後述する伝達ギヤ58の軸受け58a(図12参照)を背面側から回避させる開口として形成され、これにより、伝達ギヤ58,83は後枠部12bの前側の限られた領域内に有効に配設されている。
また、窓部117aは、後述する回転部材89及び伝達ギヤ83(図12参照)の一部を背面側から回避させる開口として形成され、窓部117bは、後述する伝達ギヤ58(図12参照)の一部を背面側から回避させる開口として形成されている。これにより、伝達ギヤ58,83及び回転部材89は、後枠部12bの前側の限られた領域内に有効に配設される。更に、これら窓部116a,116b,117a,117bは、上記伝達ギヤ58,83及び回転部材89の回転時の摩擦に起因する摩擦熱を放出させる放熱口としても機能する。
また、図10において、開口部11の左側部には、可動演出装置39の伝達ギヤ58,83及び回転部材89等が配置されている。開口部11の上部中央には、演出照明装置25を発光させる不図示の発光素子(LED)が実装された基板119や、大当たり抽選保留表示装置47及び特別図柄表示装置48(図2参照)を発光させる不図示のLEDが実装された基板120が配設されている。また開口部11の右側上部には、役物90(図2参照)を発光させる不図示のLEDが実装された基板121が配設されており、開口部11の下部中央には遊技球ステージSが配設されている。
次いで、図11ないし図15に沿って可動演出装置39の説明を行う。図11は、センター飾りから取り外した状態の可動演出装置を示す斜視図、図12は、図11のA-A線に沿って一部断面したA-A矢視断面図、図13は、可動演出装置39の減速機構を抜粋して示す正面図、図14は、図13のB-B線に沿って断面したB-B矢視断面図、図15は、可動演出装置39の減速機構を抜粋して示す側面図である。
図11に示すように、可動演出装置39は、図柄表示装置31の画面31a上に表示される演出内容(表示演出内容)に関連するキャラクタ(主人公)が用いる腕時計状のアイテムとして構成されており、同図上部に文字盤部42を有し、同図下部に、針状部材41を回転駆動させる駆動モータ43を有している。
文字盤部42は、半透明のプラスチック等の合成樹脂から形成されるもので、文字盤部42の背面側(図12の右方側)に配設される発光基板56に実装された多数のLED74から射出される指向性をもつ光を拡散透過させる拡散プレートとして機能する。これらLED74には、電気的接続ケーブルであるハーネスがそれぞれに結線されており、後述する演出制御手段64により、各ハーネスを介してLED74にそれぞれ通電駆動されることで、色や発光タイミング等が異なる様々な発光パターンの制御がなされる。
文字盤部42には、円形状の文字盤部42の中心と一致する回転軸c2を中心として回転するように支持された、照明演出装置25の形状を模写した針状部材41が設けられている。駆動モータ43の回転軸109(図14,図15参照)の回転中心c1と、上記文字盤部42の回転軸c2とは、相互に平行に配設されている。針状部材41は、空陸両用車の外縁部形状を模った外枠部41aと、レンズカットが施された状態で外枠部41aの内方に嵌め込まれる透明窓部41bとから構成されている。
また、可動演出装置39は、図12に示すように、下部に有する駆動モータ43の回転軸109(図14,図15参照)に連結されて回転する伝達ギヤ58と、回転軸c1,c2と平行に延びる回転軸c3を中心に回転自在に支持され且つ伝達ギヤ58に噛合する伝達ギヤ83と、伝達ギヤ83に噛合する小ギヤ86を後部に一体に有する回転部材89とを備えている。これら伝達ギヤ58,83及び回転部材89等により、駆動モータ43の回転を所定のギヤ比で減速して針状部材41に伝達する減速機構が構成されている。この減速機構は、全体として壁状の支持部材105によって背面側から堅固に支持されている。
駆動モータ43は、ケース部43aを可動演出装置39の前側に向け、かつ回転軸109を可動演出装置39の後側(背面側、図12の右方)に位置する伝達ギヤ58側に向くように配設されている。そして、伝達ギヤ58は、不図示の軸継手(自在継手)を介して回転軸109の回転を伝えられ、支持部材105に固着された軸受け58aで摺動支持された回転軸部材58b(図14,図15参照)を中心に回転するように支持されている。つまり、伝達ギヤ58と駆動モータ43の回転軸109との間には、これら回転軸109と伝達ギヤ58との間の軸芯ずれを吸収する軸継手が介在されている。なお、図14及び図15に示す符号110は、回転軸109を伝達ギヤ58側に連結するためのボス部を示している。
本実施の形態では、上記軸継手を用いたことにより、駆動モータ43の個体差に起因して支持部材105への取り付け位置に公差(誤差)を有する場合、これによる回転軸109及び伝達ギヤ58間の軸芯ずれを確実に吸収し、駆動モータ43の回転を時計針状部材41側に円滑に伝達することができる。
また、伝達ギヤ83には、その回転の中心となる回転軸部材83bが設けられており(図14,図15参照)、その前面側(図12の左方)端部は軸受け83cで支持され、背面側(図12の右方)端部は支持部材105に設けられた軸受け83aで支持されている。これにより、伝達ギヤ83は、ギヤ58からの回転が伝達された際に回転軸c3を中心として回転する。
また、回転部材89には、小ギヤ86が回転する際の軸をなす連結回転軸部材92が、前面側(図12の左方)に延びるようにリベット111により固着されている。この連結回転軸部材92は、文字盤部42側に設けられた貫通孔112に摺動自在に支持され、その前面側(図12の左方)には、針状部材41がリベット113によって固着されている。これにより、小ギヤ86が、伝達ギヤ58,83を介して駆動モータ43からの回転を受けた際に、回転部材89と共に針状部材41が回転軸c2を中心として回転駆動されることとなる。
更に、図12及び図13に示すように、回転部材89の前側(図12の左方)の面には突起部115が突出形成されている。この突起部115は、回転部材89と針状部材41とを連結回転軸部材92に固着させる際には、針状部材41の透明窓部41bの略々中央部となるように位置させる(図13参照)。そして、可動演出装置39における突起部115と対向する位置には、非接触式センサであり、投光素子と受光素子とによって検出体による遮光を検知するフォト・インタラプタ97(図19参照)が配設されている。後述する演出制御手段64が、当該検知信号に基づき、回転部材89が回転した際の突起部115の位置(回転角度)、即ち、針状部材41の文字盤部42に対する位置(回転角度)の検出を行う。該検出に基づき、演出制御手段64(図19参照)が、針状部材41を文字盤部42上の所定の角度位置で止めるような演出制御を行う。また、上述した発光基板56に実装されるLED74と合わせて、該LED74を点滅発光させると共にそれに合わせた位置に針状部材41を回転移動させたりするような演出制御を行うことができる。
図16は、可動演出装置39から取り外した状態の針状部材41を示す斜視図である。同図に示すように、針状部材41の外枠部41aの背面側には、その外縁に沿うような枠をなす枠部93と、円柱形状で垂直に突設される2つの突起部69,69と、外枠部41aの中央部よりやや後方側(図16の右方)にて垂直に突設される略々円筒形状の挿入部材68とが設けられている。また、透明窓部41bは、その外縁に沿うような枠をなす枠部94と、上記突起部69,69を回避する切り欠き部95a,95aと、上記挿入部材68を回避する切り欠き部96aを有する湾曲部96とが設けられている。
針状部材41は、外枠部41aと透明窓部41bとが別部材にて形成されており、その製造工程においては、外枠部41aのみに銀色(銀色以外の色でも良い)のメッキ(例えば、真空蒸着メッキ)が施される。このメッキが施された後、外枠部41aの突起部69,69を透明窓部41bの切り欠き部95a,95aにくぐらせると共に、外枠部41aの挿入部材68を透明窓部41bの切り欠き部96aにくぐらせることにより、外枠部41aの枠部93と透明窓部41bの枠部94とが階段状となるように、外枠部41aと透明窓部41bとを重ね合わせる。そして、外枠部41aの突起部69,69をいわゆる焼きごてにて溶解させ、この溶けた突起部69を透明窓部41bの切り欠き部95aを囲っている段部95に溶着させることによって、外枠部41aと透明窓部41bとを相互に堅固に接合し、針状部材41として一体化させる。このように製造することによって、針状部材41は、透明窓部41bが汚損されずに、外枠部41aのみにメッキが施される美観の優れた遊技部品とされる。
図17は、センター飾り12から前枠部12aを取り外した状態で示す後枠部12bの正面図である。この後枠部12bは、中央部に開口部11を有しており、該開口部11の右側部には、可動演出装置39を斜め前方に向けて固定支持するための装着部20を有し、かつ開口部11の下部中央には、図6に示した振り分け装置Dを装着固定するための装着部26を有している。
装着部20には、可動演出装置39の背面部を固定して、文字盤部42を斜め前方に向けるためのボス部21a,21b,21c,21d,21eが配設されている。ボス部21d,21eは、当該後枠部12bを前枠部12a側に固定するためのボス部であるため、後枠部12bの内面に対して垂直に植設され、正面に向かって直立している。また、ボス部21a,21b,21cは、可動演出装置39を、その文字盤部42が遊技球ステージSの右側から左側に向かって画面31aに徐々に近接して傾斜する状態に支持し得るように、後枠部12bの中央部に向かうように斜めに植設されている。
ついで、本パチンコ機1の背面構造について図18を参照して説明する。同図は、本パチンコ機1の背面構造を示す背面図である。
すなわち、図18に示すように、パチンコ機1の前扉背面における上部左方には、賞球タンク28が取り付けられており、この賞球タンク28の下方に、サブ制御基板49、主制御基板40、及び払出し制御基板85がこの順に配設されている。また、前扉背面における上部右方には、外部端子板87が取り付けられており、この外部端子板87の下方に、整列待機通路78、賞球装置79、賞球排出通路80、電源ユニット52、及び発射装置72(図19参照)用の発射制御基板88がこの順に配設されている。パチンコ機1の前扉背面における左側部には、施錠装置4が配設されている。
次に、本実施形態におけるパチンコ機1の制御系を図19に沿って説明する。なお、同図は本パチンコ機の制御系を示すブロック図である。
すなわち、本制御系は、遊技制御装置(制御部)54と、該遊技制御装置54に電気的に接続された、始動チャッカー開閉ソレノイド70、アタッカー開閉ソレノイド71、放音装置8、演出用照明装置23、図柄表示装置31、発射装置72、及び可動演出装置39とを備えている。
遊技制御装置54は、図18に示した主制御基板40やサブ制御基板49等から構成されている。主制御基板40は、本パチンコ機1の動作全体を統括的に管理するものであり、当該パチンコ機1の動作全体を管理するシステムプログラム及び遊技用の実行プログラムが予め記憶された半導体メモリ等からなる記憶部(図示せず)と、これらのプログラムを実行する不図示のマイクロプロセッサ(MPU)とを備えている。また、サブ制御基板49は、主に画像表示、効果音等の演出、効果光等の表示制御を行うように構成されている。
遊技制御装置54は、入賞判定手段55、入賞信号出力手段56、抽選手段57、遊技制御手段59、保留手段60、作動制御手段61、作動判定手段62、作動決定手段63、演出制御手段64、表示制御手段65、及び発射制御手段66を備えている。
入賞判定手段55は、発射ハンドル9の操作で作動する発射装置(図示せず)によって遊技領域7aに打ち出された遊技球が始動チャッカー16、入賞口25,26、アタッカー17等の何れかに入賞したとき、当該入賞があった旨を判定する。
入賞信号出力手段56は、入賞判定手段55によって入賞が判定されたとき、対応する始動チャッカー16、入賞口25,26、アタッカー17等に入賞した旨の入賞信号を出力する。
抽選手段57は、入賞信号出力手段56からの入賞信号の入力時、最大保留球数(例えば4個)未満での入賞を契機として、次なる大当たりを当選させるまで遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態となる確率変動当たり、及び上記特殊状態とならない通常当たりのうちの何れか一方に当選するように、不図示の抽選用メモリから当たり当選乱数値を取得して、大当たり抽選を実行する。
そして、抽選手段57は、大当たり抽選で確変当たりに当選した場合、不図示の演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、確変当たりに対応する「111」、「333」や「777」等の図柄が図柄表示装置31の大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。なお、上記「大当たり有効ライン」は、大当たりを得るため図柄が一列に並ぶべき位置(ライン)を意味する。
抽選手段57はまた、抽選手段57での大当たり抽選で通常当たりが当選した場合、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、通常当たりに対応する「222」、「444」や「888」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。抽選手段57は更に、抽選手段57での大当たり抽選で外れた場合、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する「252」、「464」や「838」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。
遊技制御手段59は、放音装置8、演出用照明装置23に放音、発光の演出をさせる契機となる指令を、演出制御手段64に送る。また、遊技制御手段59は、予め設定された演出データや、抽選手段57での抽選結果に応じて、図柄表示装置31に表示すべき大当たり抽選に関連する演出内容に関する信号を、表示制御手段65に送る。更に遊技制御手段59は、表示制御手段65の制御で画面31aで行われる大当たり抽選結果に関連する演出表示に関連させて、可動演出装置39の針状部材41の回転駆動及び文字盤部42の発光駆動を行わせるための指令を、演出制御手段64に送る。
保留手段60は、抽選手段57から出力された変動パターン信号を入力し、変動パターンを、始動チャッカー16への入賞の都度に行われた抽選の結果となる保留球として順次記憶する。当該記憶状況は、大当たり抽選保留表示装置(図示せず)に、最大4個の保留球として点灯表示される。保留手段60は、例えば保留球数Hが0<H<5であるか否かを常時判定し、保留球数Hが4個表示されている間は、始動チャッカー16への入賞に拘わらず大当たり抽選は行わない。なお、保留球として点灯表示される保留球数は上記「最大4個」に限らず、例えば3個以下、又は5個以上として適宜設定することも可能である。
そして保留手段60は、保留(記憶)している変動パターンに係る信号を順次出力し、その変動パターン信号に基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターン信号を出力しないようにするための図柄変動禁止フラグを立てる(オンする)と共に、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマ(図示せず)をセットし、変動パターン信号の出力に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段60は、保留球の消費に応じて保留球数HがH<4となった場合、抽選手段57で行われる始動チャッカー16への入賞に応答した大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
作動制御手段61は、作動決定手段63の作動開始決定の旨の信号に基づき、始動チャッカー開閉ソレノイド70に駆動信号を送って該ソレノイド70を作動させ、始動チャッカー16を開放又は閉塞動作させる。更に作動制御手段61は、アタッカー開閉ソレノイド71に駆動信号を送って該ソレノイド71を作動させ、抽選手段57での抽選による大当たり発生時にアタッカー17を開放して所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返すように制御する。
作動判定手段62は、始動チャッカー開閉ソレノイド70及びアタッカー開閉ソレノイド71を作動させるための条件を満たすか否かを判定する。つまり、始動チャッカー開閉ソレノイド70にあって、始動チャッカー16の開閉の「条件を満たす」時とは、主制御基板85において抽選手段57の大当たり抽選とは別途行われる抽選で当選した場合である。アタッカー開閉ソレノイド71にあって、アタッカー17の開放の「条件を満たす」時とは、所謂リーチ(所謂スーパーリーチ、ノーマルリーチを含む)の状態から3つの同じ図柄が大当たり有効ライン上で揃って大当たりが発生した場合であり、アタッカー17の閉塞の「条件を満たす」時とは、大当たり発生時における全ての入賞を完了した場合である。
作動決定手段63は、作動判定手段62からの判定信号を受けて、始動チャッカー開閉ソレノイド70、アタッカー開閉ソレノイド71の作動開始をそれぞれに決定する。
演出制御手段(制御手段)64は、遊技制御手段59からの指令に応答して、放音装置8を放音駆動し、演出用照明装置23を発光駆動し、遊技者の聴覚や視覚に訴える演出を行う。また、演出制御手段64は、遊技制御手段59からの指令に応答して、表示制御手段65の制御で画面31aで行われる大当たり抽選結果に関連する演出表示に関連させて、可動演出装置39の針状部材41の回転駆動及び文字盤部42の発光駆動を行うべく、駆動モータ43に駆動信号を出力し、LED74に発光駆動信号を出力する。その際、演出制御手段64は、可動演出装置39に備えたフォト・インタラプタ97からの突起部115(つまり、針状部材41)の位置(回転角度)に関する検知信号に基づき、針状部材41の文字盤部42に対する位置(回転角度)の検出を行い、該検出に基づき、針状部材41を文字盤部42上の所定の角度位置で止める演出制御を行う。
表示制御手段(制御手段)65は、遊技制御手段59からの信号に従って、図柄表示装置31を駆動し、大当たり抽選結果を中心とした内容等の演出を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示する。
発射制御手段66は、発射ハンドル9の操作に応答して発射装置72を作動させ、不図示のハンマーの動作で遊技球を遊技領域7aに向けて順次打ち出させる。
また、始動チャッカー開閉ソレノイド70は、作動制御手段61から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、始動チャッカー16を開閉動作させる。アタッカー開閉ソレノイド71は、作動制御手段61から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、アタッカー17を開閉動作させる。
放音装置8は、演出制御手段64の制御に従ってスピーカー(図示せず)を駆動させ、演出に応じた効果音を発する。演出用照明装置23は、演出制御手段64の制御に従ってその内蔵する電飾ランプ(図示せず)を発光駆動(点灯、点滅)させ、演出に応じた照明を行う。図柄表示装置31は、表示制御手段65の制御に従って作動し、演出データや抽選手段57での抽選結果に応じた演出表示を行う。
発射装置72は、発射制御手段66からの発射制御信号に応答して不図示のハンマーを作動させ、遊技球を順次遊技領域7aに打ち出す。
可動演出装置39は、パルスモータ(ステッピングモータ)等からなる駆動モータ43と、多数のLED74と、フォト・インタラプタ97と、を有している。該LED74は、赤、緑、青(RGB)の光3原色を単一のパッケージ内に収容したもの、つまり、RGBを組み合わせた赤、緑、青に加えて赤紫、白、水色、黄色を有し、かつこれらに階調を加えたタイプのフルカラーLEDから構成される。フォト・インタラプタ97は、突起部115(つまり、針状部材41)の位置(回転角度)を検知し、その検知信号を演出制御手段64に送信する。
次に、本パチンコ機1による作用について、図20のフローチャートを併せて参照しつつ説明する。
すなわち、本パチンコ機1に対面して着座した遊技者が発射ハンドル9を握り、適宜の角度に回動操作すると(ステップS1)、発射制御手段66が、該操作に基づいて発射装置72を制御し、該発射装置72の作動で遊技球を所定の時間間隔で遊技領域7aに向けて連続的に発射させる。すると、遊技領域7aに打ち出されて転動落下する多数の遊技球は、始動チャッカー16や入賞口25,26に適時入賞し、或いは、これらに関与せずに転動落下して、遊技領域7a最下部のアウト口(図示せず)から遊技盤7背面側に排出される。
遊技領域7aに打ち出された遊技球Baの一部が、ワープ導入口32から放出口33を介して遊技球ステージSに放出されると、当該遊技球Baは、振り分け装置Dの遊技球回転移動路37上に送り込まれ、ガイドリブ38の平行部38a及び傾斜ガイド面38bを介して球導入口35側にやや寄る方向に導かれつつ通過面37bの傾斜に打ち勝って通過面37cに到る。この場合、通過面37cから湾曲面38cに向かう遊技球Baは、遊技球回転移動路37の移動の1回転目でありまだ慣性による勢いが残存しているため、通過面37cから湾曲面38cに到る途中でガイドリブ46bの端部開口Opにおける上流側Uから第2の球導入路45に導入されることなく、湾曲面38cに向かう。
そして、遊技球Baは、湾曲面38cで方向を反転させられた後、通過面37d、平行部38d及び傾斜ガイド面38eを介して球導入口35側にやや寄せられつつ、通過面37eの傾斜に打ち勝って通過面37f側に到る。この際、通過面37fから湾曲面38hに向かう遊技球Baは、遊技球回転移動路37の移動の略々1周目であり、遊技球回転移動路37との間の摩擦等に起因してその勢いが弱くなっているため、場合によっては、通過面37fから湾曲面38hに到る途中でガイドリブ46aの端部開口Opにおける上流側Uから第1の球導入路44に導入される。すると、当該遊技球Baは、第1の球導入路44の転動面44a上をガイドリブ46a,46bに案内されて転動移動し、球導入口35に落下し、連通開口34から図8の球誘導路36を介して第1放出部53に到り、該第1放出部53から始動チャッカー16に向けて落下する。このような現象は、遊技球Baが通過面37c側においても同様に起こり得る。つまり、遊技球Baが、通過面37cから湾曲面38cに到る途中でガイドリブ46bの端部開口Opにおける上流側Uから第2の球導入路45に導入され得る。
上記落下した遊技球Baは、殆どの場合、始動チャッカー16に高確率で入賞することになるが、障害釘82への当接状況によっては、始動チャッカー16に入賞できないこともある。
また、遊技球Baが、転動の勢いが弱まりながらも通過面37fから平行部38a側に移動できた場合、当該遊技球Baは、傾斜ガイド面38bで球導入口35側に寄せられてもその力が弱く、従って、通過面37bの傾斜に負けることが多い。その場合、その遊技球Baは、遊技球ステージS前方に移動し、案内リブ部67aに案内されて第3放出部67に導入されるか、傾斜面76側に移動してテーブル部77の最も低い球受け部77bから始動チャッカー16の側方に落下することとなる。第3放出部67から落下する遊技球Baは、殆どの場合、始動チャッカー16に高確率で入賞することになるが、障害釘82への当接状況によっては、始動チャッカー16に入賞できないこともある。また、球受け部77bから落下する遊技球Baは、始動チャッカー16と異なる方向に向かうが、場合によっては、障害釘82の左右に打ち込まれた所謂ジャンプ釘(図示せず)や、このジャンプ釘から左右方向に配列された道釘(図示せず)で弾き返されることで、障害釘82に絡んでその間を落下して始動チャッカー16に入球することもある。
一方、転動の勢いが弱まりながらも通過面37fから平行部38a側に移動できた遊技球Baが、傾斜ガイド面38bで球導入口35側に寄せられながら偶然的に球導入口35に落下した場合には、上述と同様、第1放出部53から始動チャッカー16に向けて落下することとなる。
ところで、始動チャッカー16や入賞口25,26の何れかに遊技球Baが入賞した場合には、入賞判定手段55が当該入賞を判定し、且つ入賞信号出力手段56が入賞信号を出力する(ステップS2)。この際、保留手段60は、保留球Hが0<H<5であるか否かを常時判定しており、0<H<5を満たすと判定したときには、保留している変動パターンに係る信号を、遊技制御手段59を介して表示制御手段65に順次送信し、図柄変動禁止フラグをオンすると共に、図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段60は、当該保留球の消費に応じて保留球数HがH<4となった場合、抽選手段57で行われる始動チャッカー16への入賞に応じた大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
そして、大当たり抽選で当選した場合(ステップS3)、抽選手段57が当たりフラグをオンすると、抽選手段57が、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、大当たりの種別、つまり確変当たり又は通常当たりに対応する変動パターンを決定する。
これにより、ステップS4において、図柄表示装置31に表示されるべき当たり図柄がセットされ、抽選手段57は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、当該変動パターン信号に基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターン信号を送信しないようにするために図柄変動禁止フラグをオンし、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。一方、大当たり抽選で外れた場合には、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する図柄が最終的に揃う旨の変動パターンが決定される。これにより、図柄表示装置31に表示される外れ図柄がセットされ、抽選手段57は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、図柄変動禁止フラグをオンし、図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。
以上のようにして、遊技制御手段59が、図柄表示装置31の画面31aに表示すべき演出内容に関する信号を、表示制御手段65に送信することに基づき、表示制御手段65は、図柄表示装置31を適時駆動し、大当たり抽選結果に関する内容等を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示することとなる(ステップS5)。
上記のような図柄表示装置31での演出表示において、遊技制御手段59が、演出制御手段64に、可動演出装置39の針状部材41の回転駆動及び文字盤部42の発光駆動を行わせる指令を送っていれば、演出制御手段64は、該指令を契機として、表示制御手段65の制御で画面31a上にて行われる大当たり抽選結果に関連する演出表示に関連させて、針状部材41の回転駆動及び文字盤部42の発光駆動を行う。この際の針状部材41の回転駆動は、回転速度が速いほど、或いは回転の継続時間が長いほど、抽選手段57での大当たり抽選の結果に関する、大当たりとなる確率を示す信頼度が高いものとなって、遊技者の期待感を高める形で視覚的に訴えられる。また、文字盤部42の発光駆動も、点滅速度が速いほど、或いは点滅の継続時間が長いほど、大当たりとなる確率を示す信頼度が高いものとなる。
そして、図柄表示装置31の画面上に表れた抽選結果が大当たり決定である場合、作動制御手段61は、作動決定手段63の作動開始決定の旨の信号に基づき、所定のタイミングでアタッカー開閉ソレノイド71に駆動信号を送り、当該ソレノイド71を作動させてアタッカー17を開放し、所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返させる。これにより、アタッカー17に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が球供給口18から上皿13に払い出されることとなる(ステップS6)。
以上説明した本実施の形態によれば、ワープ導入口32から振り分け装置Dに導入された遊技球Baが遊技球回転移動路37を回転移動しつつ、転動時の摩擦抵抗等に起因して次第にその勢いが弱まったとき、一対のガイドリブ46a,46bの端部開口Opから偶然的に進入して球導入口35に落下するという、遊技球そのものの動作に遊技者は期待感を持って注目し、一喜一憂しながら遊技に夢中になることができる。従って、ワープ導入口32から導入された遊技球の転動動作そのものを興味の対象として楽しむことで、遊技の興趣を高めたパチンコ機1が得られる。
また球導入口35が、第1、第2の球導入路44,45の中間、即ち、球導入路44,45の延在方向の略中間部分に位置してなるので、一対のガイドリブ46a,46bの端部開口Opを両端側に2箇所設けて、それら両端部開口Opからそれぞれに導入されるまでの遊技球Baそのものの動きを楽しみつつ遊技を進行させることができ、従って、遊技の興趣がより高まることとなる。
なお、第1、第2の球導入路44,45を一本の連続する球導入路44,45とする変形例を考えるとき、球導入口35を、当該一本の球導入路44,45の延在方向の端部又はその近傍に位置させて形成することも可能である。このような変形例によると、一対のガイドリブ46a,46bの端部開口Opを一端側に1箇所のみ設けるシンプルな構成が得られると共に、その端部開口Opから導入されるまでの遊技球そのものの動きを楽しみつつ遊技を進めることができるようになる。
また、本実施の形態及び上記変形例において、ガイドリブ46a,46bの端部開口Opに臨む部位が、遊技球回転移動路37での遊技球Baの一方向回転移動時の上流側Uが下流側Lにより短く形成されてなるので、遊技球回転移動路37を回転移動する遊技球Baの勢いが強い間はガイドリブ46a,46bの端部開口Opに導入されることは少ないが、遊技球Baの勢いが弱まってきた際には遊技者は端部開口Opに上手く導入されることに期待を膨らませ、遊技球Baの動きを注視して楽しむことができる。
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機も、本発明の範囲に含まれる。