JP2007036816A - 移動体用デジタル放送受信装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】受信状態の良否を報知することで、固定向けデジタル放送と移動体向けデジタル放送との間で自動的に切り替わる場合のユーザの不満を解消する。
【解決手段】固定向けエリアと移動体向けエリアとそれらのエリアの境界にまたがるグレーゾーンとが存在し、グレーゾーン以外の固定向けエリアを第1のエリア(1)、グレーゾーンの固定側エリアを第2のエリア(2)、グレーゾーンの移動側エリアを第3のエリア(3)、その外側の移動体向けエリアを第4のエリア(4)と規定する。各エリアに応じて受信状態の良否を示すインジケータを表示する。また、グレーゾーンである第2のエリア(2)及び第3のエリア(3)においては、インジケータを点滅表示させてグレーゾーンに存在することをユーザに容易に認識させると共に、「もうすぐ固定向け(移動体向け)放送に切り替わります」というメッセージを報知する。
【選択図】 図5
【解決手段】固定向けエリアと移動体向けエリアとそれらのエリアの境界にまたがるグレーゾーンとが存在し、グレーゾーン以外の固定向けエリアを第1のエリア(1)、グレーゾーンの固定側エリアを第2のエリア(2)、グレーゾーンの移動側エリアを第3のエリア(3)、その外側の移動体向けエリアを第4のエリア(4)と規定する。各エリアに応じて受信状態の良否を示すインジケータを表示する。また、グレーゾーンである第2のエリア(2)及び第3のエリア(3)においては、インジケータを点滅表示させてグレーゾーンに存在することをユーザに容易に認識させると共に、「もうすぐ固定向け(移動体向け)放送に切り替わります」というメッセージを報知する。
【選択図】 図5
Description
例えば車両などの移動体に搭載され、または移動体としての人に携帯される移動体用デジタル放送受信装置に関する。
日本において2003年より地上波デジタルテレビ放送が開始され、この地上波デジタルテレビ放送において、固定向けデジタル放送と移動体向けデジタル放送がなされる予定である。この固定向け地上波デジタルテレビ放送は、MPEG2規格によって圧縮された高ビットレートのため鮮明画像を提供できる。一方、移動体向け地上波デジタルテレビ放送は、H.264規格によって圧縮された低ビットレートのため移動体での受信に適している。
なお、固定向けデジタル放送とは、フルセグメント放送(12セグメント放送または13セグメント放送)、Aプロファイル用放送と同義であり、移動体向けデジタル放送とは、1セグメント放送、Cプロファイル用放送、携帯向けデジタル放送、部分受信放送と同義である。
ところで、移動体向けデジタル放送は、低ビットレートのため解像度が粗くなり、ディスプレイサイズによってはその解像度の粗さが目立ち、デジタル放送の特徴の1つである高品質画像の提供といった優位性を相対的に薄れさせることとなる。もちろん、固定向けデジタル放送は、基本的には移動体受信には不向きである。移動によるフェージングや送信所からの電波が弱くなり、ある電界レベル(弱電界)以下になると、全く受信できなくなるというデジタル特有の性質が顕著に現れ、継続受信が困難となるため、車両等で移動しながら固定向けデジタル放送を受信しようとすると、移動による映像・音声の途切れの問題や、弱電界地域でテレビ放送を全く受信することができなくなる問題が発生する。
このように、移動体での受信に際しては、移動によるフェージングや送信所からの電波が弱くなることへの対処を考慮すると、総合的には移動体向けデジタル放送の方が適しているとも考えられるが、移動速度や環境によっては移動体での受信であっても固定向けデジタル放送を受信できる状況もあり得る。つまり、移動体であれば常に移動体向けデジタル放送しか受信できないというわけではなく、状況によっては固定向けデジタル放送も受信可能であるため、受信できるのであれば相対的に高品位の固定向けデジタル放送を受信できるようにした方がユーザへのサービス提供の観点からは好ましい。
そこで、本願出願人は、移動体でのデジタル放送受信に関して、極力高品質の放送コンテンツを受信できるようにすることを目的として、特許文献1に開示されるような移動体用デジタル放送受信装置を提案した。この移動体用デジタル放送受信装置においては、サイマル放送か否かを判定し、サイマル放送である場合には、それら同一番組を放送している固定向けデジタル放送と移動体向けデジタル放送との間での切替を実行するというものである。
特開2004−166173号公報(図1、図7)
このように、固定向けデジタル放送と移動体向けデジタル放送との間で自動的に切り替わる機能は有用ではあるが、ユーザ側から見た場合、次のような問題がある。
(1)固定向けデジタル放送から移動体向けデジタル放送への自動切替を固定向けデジタル放送における受信状況がどの程度悪化したら行うかによっても変わってくるが、固定向けデジタル放送の受信エリアの限界付近では、データの受信処理やデコード処理時に一時的に映像が表示できなくなる可能性がある。特に、図3に例示するように、デジタルテレビの放送波の電波強度は、マクロ的に見れば送信所からの距離が長くなればなるほど低下はするが、単純に低下するのではなく、ミクロ的に見れば、上下に脈動している。特に、地上波デジタルテレビ放送波の場合は、フェージングや周辺建物等の影響によって電界レベルが大きく変動するため、受信地点によって固定向けデジタル放送受信が不可能となる地点が散発する。したがって、映像が突然表示できなくなる事態も発生し易い。そして、そのような表示不能状態が突然発生すると、ユーザにとっては不満の原因となる。
(1)固定向けデジタル放送から移動体向けデジタル放送への自動切替を固定向けデジタル放送における受信状況がどの程度悪化したら行うかによっても変わってくるが、固定向けデジタル放送の受信エリアの限界付近では、データの受信処理やデコード処理時に一時的に映像が表示できなくなる可能性がある。特に、図3に例示するように、デジタルテレビの放送波の電波強度は、マクロ的に見れば送信所からの距離が長くなればなるほど低下はするが、単純に低下するのではなく、ミクロ的に見れば、上下に脈動している。特に、地上波デジタルテレビ放送波の場合は、フェージングや周辺建物等の影響によって電界レベルが大きく変動するため、受信地点によって固定向けデジタル放送受信が不可能となる地点が散発する。したがって、映像が突然表示できなくなる事態も発生し易い。そして、そのような表示不能状態が突然発生すると、ユーザにとっては不満の原因となる。
(2)また、固定向けデジタル放送と移動体向けデジタル放送との間での切替を行った場合には、切替直後においては、受信、デコードで所定時間(受信機の能力にもよるが、例えば2秒程度といった時間が考えられる。)の映像表示不能状態が発生する。その状態が突然発生すると、やはりユーザにとっては不満の原因となる。
(3)また、上述のように、固定向けデジタル放送の映像品質の方が移動体向けデジタル放送の映像品質よりも良好であるが、固定向けデジタル放送から移動体向けデジタル放送へ切り替わったことをユーザが知らなかった場合、映像品質が突然悪化したことの原因を即座に理解することができず、ユーザがとまどってしまう。そして、そのような状態が発生することは、やはりユーザにとっては不満の原因となる。 そこで、上記の問題を解決し、受信状態の良否を報知することで、固定向けデジタル放送と移動体向けデジタル放送との間で自動的に切り替わる場合のユーザの不満を解消することのできる移動体用デジタル放送受信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の移動体用デジタル放送受信装置(1:なお、この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための最良の形態」欄において説明した構成要素を括弧内に示すが、この記載によって特許請求の範囲を限定することを意味するものではない。)は、移動体に搭載され、または移動体としての人に携帯され、送信所から送信される地上波デジタルテレビ放送波による固定向けデジタル放送及び移動体向けデジタル放送を受信するための受信装置である。そして、 固定向けデジタル放送を受信する固定向けデジタル放送受信手段(11)と、移動体向けデジタル放送を受信する移動体向けデジタル放送受信手段(12)と、固定向けデジタル放送受信手段(11)にて受信した固定向けデジタル放送または移動体向けデジタル放送受信手段(12)にて受信した移動体向けデジタル放送を選択的に出力する出力手段(16)とを備えている。
さらに、固定向けデジタル放送の受信状況を検出する固定向けデジタル放送受信状況検出手段(11,14)と、移動体向けデジタル放送の受信状況を検出する移動体向けデジタル放送受信状況検出手段(12,14)と、固定向けデジタル放送受信状況検出手段(11,14)によって検出された受信状況に基づき、固定向けデジタル放送が適切に受信できる状態であれば固定向けデジタル放送を出力手段に出力させ、固定向けデジタル放送が適切に受信できない状態であれば移動体向けデジタル放送を出力手段(16)に出力させる制御手段(14,15)と、を備えており、制御手段(14,15)が次のような制御を実行する。
つまり、制御手段(14,15)は、固定向けデジタル放送受信状況検出手段(11,14)によって検出された受信状況または移動体向けデジタル放送受信状況検出手段(12,14)によって検出された受信状況に基づき、固定向けデジタル放送の受信状態の良否または前記移動体向けデジタル放送の受信状態の良否を、報知手段(16)を介して、ユーザが認識可能な態様で報知するのである。なお、デジタル放送の受信状況としては、例えばデジタル放送による受信データを復調したときのビットエラー率や受信電界レベルなどが考えられる。
移動体用デジタル放送受信装置は例えば車両等の移動体に搭載される等して用いられるのであるが、移動体用の放送受信装置といっても、常に移動体向けデジタル放送しか受信できないというわけではない。例えば、停車時や低速走行時には固定向けデジタル放送を受信可能な場合も想定される。さらに言えば、低速走行とは言えない走行状態であっても、周囲環境によっては受信可能となることも考えられる。確実な受信を主眼とするならば、移動体向けデジタル放送を受信しておけばよいが、固定向けデジタル放送の方が相対的に高品質の放送コンテンツを受信できるため、受信できるのであれば相対的に高品位の固定向けデジタル放送を受信できるようにした方がユーザへのサービス提供の観点からは好まし。そこで、受信可能であれば相対的に高品位の固定向けデジタル放送を受信し、受信不可能になれば移動体向けデジタル放送を受信することが考えられる。これによって、移動体でのデジタル放送受信に関して、極力高品質の放送コンテンツを受信できる。
しかしながら、上記「発明が解決しようとする課題」において説明したように、自動に切り替わるだけでは、ユーザが不満を感じてしまう事態が生じる。そこで、本発明のように受信状態の良否を報知すれば、例えば固定向けデジタル放送の受信状態が非常に悪化していることをユーザは認識することができ、その後、自動的に移動体向けデジタル放送に切り替わっても、ユーザとしては心構えができているため特にとまどうこともない。また、移動体向けデジタル放送は固定向けデジタル放送に比較して映像品質が悪いが、そのように映像品質が悪化したことの原因を事前に理解しておくことができるため、やはりユーザがとまどうことがない。このようなことから、ユーザは不満を感じなくて済む。
ところで、本発明においては、受信状態の良否をユーザが認識可能な態様で報知できればよいので、報知手段(16)としては、そのような報知が可能なものであればよい。したがって、表示等によって視覚的に報知しても良いし、音声によって聴覚的に報知しても良い。また、出力手段(16)において放送映像を表示している場合であっても、その出力手段とは別の表示を行う報知手段(16)を採用しても良い。
但し、請求項2に示すように、報知手段(16)が少なくとも表示によって報知が可能に構成されており、さらに、表示によって報知が可能な報知手段(16)が出力手段(16)と同一の表示装置として構成されているのであれば、制御手段(14,15)は、デジタル放送の映像を表示させている表示装置に、受信状態の良否も表示させることが考えられる。このようにすれば、デジタル放送の映像を見ている最中に同じ表示装置にて受信状態の良否も確認できるため、容易かつ迅速な確認ができる。なお、このように同じ画面中に放送映像と受信状態の良否も表示させるのであれば、放送映像の内容をなるべく隠さないよう、受信状態の良否を画面の隅の方に(相対的に)小さく表示させることが好ましい。
そして、このように放送映像を表示している表示装置に受信状態の良否も表示するのであれば、請求項3に示すように、受信状態の良否を、ユーザが視覚で直感的に認識可能な態様で表示させることが好ましい。例えば複数のセグメントを表示可能にしておき、受信状態がよい程多くのセグメントを表示させる、というように、例えば電源残量の表示でよく用いられているインジケータの手法を用いることが考えられる。あるいは、上記複数のセグメントについて長さを異ならせ、受信状態がよい程長いセグメントまで表示させる、というように、携帯電話における電波状態の良否を示す表示等でよく用いられているインジケータの手法を用いることが考えられる。もちろん、これ以外の態様での表示であってもよい。
これまでの説明でも分かるように、固定向けデジタル放送と移動体向けデジタル放送との間での切り替わりにおける受信状態の良否報知が本発明の主眼である。したがって、この点に着目すれば、さらに請求項4に示すようにするとよい。
まず、前提の理解のために、地上波デジタルテレビ放送波による受信エリアに関して説明する。受信エリアに関しては、固定向けデジタル放送の受信限界L2の内側である固定向けエリアと、移動体向けデジタル放送の受信限界L4の内側かつ固定向けエリアの外側である移動体向けエリアと、固定向けデジタル放送の受信限界L2を基準として前記固定向けエリア側の所定範囲及び移動体向けエリア側の所定範囲で構成されるグレーゾーンとが存在する(図2、図3参照)。図3に例示するように、デジタルテレビの放送波の電波強度は、マクロ的に見れば送信所からの距離が長くなればなるほど低下はするが、単純に低下するのではなく、ミクロ的に見れば上下に脈動している。したがって、固定向けデジタル放送の受信限界L2の内側であっても状況によっては固定向けデジタル放送を受信できないこともあり得るし、逆に固定向けデジタル放送の受信限界L2の外側であっても固定向けデジタル放送を受信できることもある。そのような範囲をグレーゾーンと称する。
そして、本発明においては、下記のようにエリアを規定し、エリアに応じた受信状態の良否表示を行う。つまり、送信所から近い順に、グレーゾーンの固定向けエリア側の受信限界であるグレーゾーン固定側限界L1の内側を第1のエリア、グレーゾーン固定側限界L1と固定向けデジタル放送の受信限界L2の間を第2のエリア、固定向けデジタル放送の受信限界L2とグレーゾーンの移動体向けエリア側の受信限界であるグレーゾーン移動側限界L3との間を第3のエリア、前記グレーゾーン移動側限界L3と移動体向けデジタル放送の受信限界L4との間を第4のエリア、移動体向けデジタル放送の受信限界L4より外側を第5のエリアとする。
制御手段は、固定向けデジタル放送受信状況検出手段によって検出された受信状況または移動体向けデジタル放送受信状況検出手段によって検出された受信状況に基づき、第1〜第5のエリアの何れに存在するかを判定する。そして、第1のエリアに存在する場合は、固定向けデジタル放送の受信状態の良否を表示し、第4のエリアに存在する場合は、移動体向けデジタル放送の受信状態の良否を表示する。また、第2のエリア及び第3のエリアに存在する場合は、その時点で受信している側のデジタル放送の受信状態の良否を表示すると共に、グレーゾーンに存在することがユーザに認識可能なように、第1のエリア及び第4のエリアに存在する場合とはユーザが視覚的に区別可能な態様で受信状態の良否を表示する。例えば、第1及び第4のエリアに存在する場合は上記インジケータを点灯させ、第2のエリア及び第3のエリアに存在する場合は、インジケータを点滅させる、といった表示制御が考えられる。もちろん、このような点灯・点滅といった区別だけでなく、表示色を変更したり、表示サイズを変更したり、というように種々の態様が考えられる。
また、このような受信状態の良否の表示だけでなく、請求項5に示すようなメッセージを報知しても良い。請求項5に示す移動体用デジタル放送受信装置の場合は、制御手段(S14,15)が、さらに、第2のエリアから第3のエリアへ移動しているか否か、及び前記第3のエリアから第2のエリアへ移動しているか否かを判定する移動方向判定手段(S14)を有している。そして、制御手段(S14,15)が、第2のエリア及び第3のエリアに存在する場合は、次のような制御を実行する。つまり、移動方向判定手段(S14)によって第2のエリアから第3のエリア方向へ移動していると判定された場合、もうすぐ移動体向けデジタル放送へ切り替わる旨を報知し、第3のエリアから第2のエリア方向へ移動していると判定された場合、もうすぐ固定向けデジタル放送へ切り替わる旨を報知するのである。
これは、次のような切替制御を行うことが前提である。つまり、制御手段は、 固定向けデジタル放送を前記出力手段に出力させている状態で、移動方向判定手段によって第2のエリアから第3のエリア方向へ移動していると判定された場合には、グレーゾーン移動側限界L3を超えて第4のエリアに入った時点で移動体向けデジタル放送を出力手段に出力させ、一方、移動体向けデジタル放送を前記出力手段に出力させている状態で、移動方向判定手段によって前記第3のエリアから第2のエリア方向へ移動していると判定された場合には、グレーゾーン固定側限界L1を超えて第1のエリアに入った時点で固定向けデジタル放送を出力手段に出力させる。
このように出力を切り替える際の条件を、固定→移動に切り替える場合と、逆に移動→固定に切り替える場合とで変えたのは下記の理由からである。例えば固定向けデジタル放送の受信限界L2を基準として、これを下回った瞬間あるいは上回った瞬間の状態を捉えて固定→移動あるいは移動→固定に切り替えてしまうと、受信品質の切り替えが頻繁に起こってしまい、映像音声を視聴しているユーザにとって違和感を与えてしまうこととなる。したがって、そのような境界を挟んだ頻繁なレベル変動へ追従してしまうことを避けるため、ヒステリシスを設ける意図である。具体的には、固定向けデジタル放送を出力している第1のエリアから第2のエリア、第3のエリアと順番に移動してきた場合には、第3エリアから第4エリアへ移動する境界であるグレーゾーン移動側限界L3を超えた場合に初めて移動体向けデジタル放送に切り替えて出力する。一方、移動体向けデジタル放送を出力している第4のエリアから第3のエリア、第2のエリアと順番に移動してきた場合には、第2エリアから第1エリアへ移動する境界であるグレーゾーン固定側限界L1を超えた場合に初めて固定向けデジタル放送に切り替えて出力する。このようにすることで、固定向けデジタル放送受信不可エリアの境界において受信品質が頻繁に変動することを極力抑えながら、かつ極力高品質の放送コンテンツを受信できるようになる。
こういった切替制御を実行する際、それに伴ったメッセージを報知すると、ユーザにとって有用である。その際、例えば第1のエリアからグレーゾーンへ移動した場合であっても、その後また第1のエリアに戻ってくる場合もあれば、第4のエリアへ移動する場合もある。逆に、例えば第4のエリアからグレーゾーンへ移動した場合であっても、その後また第4のエリアに戻ってくる場合もあれば、第1のエリアへ移動する場合もある。つまり、グレーゾーンに存在したとしても、必ずしも固定向けデジタル放送と移動体向けデジタル放送との間での切り替わりが発生するとは限らない。したがって、単にグレーゾーンに存在する場合に「もうすぐ切り替わる」旨の報知をしてしまうと、切り替わらないケースが頻発することでユーザがとまどってしまう。
そこで、メッセージ報知に際しても、グレーゾーン内における移動方向を判定し、第2のエリアから第3のエリア方向へ移動していると判定された場合には、その後、第4のエリアへ移動する可能性が高いと考えられるため、「もうすぐ移動体向けデジタル放送へ切り替わる」旨を報知するようにした。一方、第3のエリアから第2のエリア方向へ移動していると判定された場合には、その後、第1のエリアへ移動する可能性が高いと考えられるため、「もうすぐ移動体向けデジタル放送へ切り替わる」旨を報知するようにした。
このような報知があれば、ユーザとしてはとまどうことがより少なくなり、より不満を感じなくて済む。
本発明の移動体用デジタル放送受信装置においては、制御手段(14,15)が、受信状況に応じて自動的に、固定向けデジタル放送と移動体向けデジタル放送との間での切り替わりを行う。但し、上述のように、グレーゾーンにおいて受信状況が悪化したことを認識したユーザとしては、自動的に切り替わるのを待たずに、自分で切り替えたいと考える場合もあり得る。
本発明の移動体用デジタル放送受信装置においては、制御手段(14,15)が、受信状況に応じて自動的に、固定向けデジタル放送と移動体向けデジタル放送との間での切り替わりを行う。但し、上述のように、グレーゾーンにおいて受信状況が悪化したことを認識したユーザとしては、自動的に切り替わるのを待たずに、自分で切り替えたいと考える場合もあり得る。
そこで、請求項6に示すように、ユーザからの固定向けデジタル放送と移動体向けデジタル放送との切り替え指示を受け付けるための切替指示受付手段(18)を備え、制御手段(14,15)が、切替指示受付手段(18)を介して切り替え指示を受け付けた場合、固定向けデジタル放送と移動体向けデジタル放送との間での切替制御を実行するようにしてもよい。
この場合、請求項7に示すようにしてもよい。つまり、制御手段(S14,15)は、第2のエリア及び第3のエリアに存在する場合には、デジタル放送の映像を表示させている表示装置に切替ボタンを表示させる(図5参照)。そして、切替指示受付手段は、表示装置(16)に表示された切替ボタンがユーザによってタッチされた場合に、切り替え指示を受け付けるよう構成するのである。
このように表示装置(16)に切替ボタンを表示すれば、ユーザとしては切り替え指示を、より容易かつ迅速に行うことができる
なお、第5のエリアに存在する場合には、固定向けデジタル放送は当然のこと、移動体向けデジタル放送も適切に受信できない。したがって、何ら対処をしないと、出力手段(16)からは見苦しい映像や雑音が出力されてしまう。
なお、第5のエリアに存在する場合には、固定向けデジタル放送は当然のこと、移動体向けデジタル放送も適切に受信できない。したがって、何ら対処をしないと、出力手段(16)からは見苦しい映像や雑音が出力されてしまう。
そこで請求項8に示すように、制御手段(S14,15)が、第5のエリアに存在する場合は、移動体向けデジタル放送の出力を停止し、移動体向けデジタル放送の映像を表示させていた表示装置においては、ブルーバック映像またはナビゲーション装置などの外部機器から入力した画像を表示させるようにすることが考えられる(図5参照)。
このようにすれば、デジタル放送が適切に受信できない場合に、出力手段(16)から見苦しい映像や雑音が出力されてしまうという不都合を回避できる。
ところで、請求項9に係る発明は、コンピュータを、請求項1〜8の何れかに記載の移動体用デジタル放送受信装置における制御手段として機能させるためのプログラムである。このプログラムは、例えば、FD,MO,DVD,CD−ROM,ハードディスク,メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶し、その記憶したプログラムを必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いることができる。この他、ROMやバックアップRAMをコンピュータ読み取り可能な記録媒体としてプログラムを記録しておき、このROM或いはバックアップRAMをコンピュータシステムに組み込んで用いてもよい。また、プログラムは、記録媒体に記憶されたものに限らず、ネットワークを介してロードして起動することにより用いてもよい。
ところで、請求項9に係る発明は、コンピュータを、請求項1〜8の何れかに記載の移動体用デジタル放送受信装置における制御手段として機能させるためのプログラムである。このプログラムは、例えば、FD,MO,DVD,CD−ROM,ハードディスク,メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶し、その記憶したプログラムを必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いることができる。この他、ROMやバックアップRAMをコンピュータ読み取り可能な記録媒体としてプログラムを記録しておき、このROM或いはバックアップRAMをコンピュータシステムに組み込んで用いてもよい。また、プログラムは、記録媒体に記憶されたものに限らず、ネットワークを介してロードして起動することにより用いてもよい。
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得る。
[構成の説明]
図1は、実施形態の移動体用デジタル放送受信装置1の概略構成図である。本移動体用デジタル放送受信装置1は、例えば車両等の移動体に搭載されたり、移動体としての人に携帯され、地上波デジタルテレビ放送を受信するための装置であり、固定向けデジタル放送受信機11と、移動体向けデジタル放送受信機12と、制御部14と、出力切替部15と、出力部16と、選局制御部17と、操作受付部18とを備える。
図1は、実施形態の移動体用デジタル放送受信装置1の概略構成図である。本移動体用デジタル放送受信装置1は、例えば車両等の移動体に搭載されたり、移動体としての人に携帯され、地上波デジタルテレビ放送を受信するための装置であり、固定向けデジタル放送受信機11と、移動体向けデジタル放送受信機12と、制御部14と、出力切替部15と、出力部16と、選局制御部17と、操作受付部18とを備える。
本移動体用デジタル放送受信装置1が受信するデジタル放送は地上波デジタルテレビ放送であり、図2,3に示すように、送信所から地上波デジタルテレビ放送波が放送されることで固定向け放送と移動体向け放送がなされる。具体的には、固定向け地上波デジタルテレビ放送は、MPEG2規格によって圧縮された高ビットレートのため相対的に鮮明画像を提供でき、一方、移動体向け地上波デジタルテレビ放送は、H.264規格によって圧縮された低ビットレートのため移動体での受信に適している。
なお、以下の説明では、固定向け地上波デジタルテレビ放送、移動体向け地上波デジタルテレビ放送を、それぞれ単に「固定向け放送」、「移動体向け放送」と称すこともある。また、固定向けデジタル放送とは、フルセグメント放送、Aプロファイル用放送と同義であり、移動体向けデジタル放送とは、1セグメント放送、Cプロファイル用放送、携帯向けデジタル放送、部分受信放送と同義である。
移動体向け放送を受信する場合は、固定向け放送を受信する場合と異なり、低ビットレートで送信されているため解像度の問題により映像・音声の品質は悪くなるが、信号レベルが低くなっても(つまり受信電波が弱くなっても)、受信することができるため、車両等の移動体に搭載された受信装置での受信に向いていると言える。しかしながら、本移動体用デジタル放送受信装置1が例えば車両等の移動体に搭載されて用いられるといっても、常に移動体向けデジタル放送しか受信できないというわけではない。例えば停車時や低速走行時には固定向けデジタル放送を受信可能な場合も想定される。さらに言えば、低速走行とは言えない走行状態であっても、周囲環境によっては受信可能となることも考えられる。
そこで、受信可能なのであれば相対的に高品位の固定向け放送を受信し、受信不可能になれば移動体向け放送を受信するため、上述のように固定向けデジタル放送受信機11と移動体向けデジタル放送受信機12とを備えるようにした。なお、図1においては、固定向けデジタル放送受信機11と移動体向けデジタル放送受信機12というようにそれぞれ別の受信機12を備えるようにしたが、必ずしも物理的に2台の受信機が必須というわけではない。例えば両方のデジタル放送を受信できる受信機であれば、当然ながら1台でも実施可能である。
固定向けデジタル放送受信機11は固定向け地上波デジタル放送を受信するための機器、移動体向けデジタル放送受信機12は移動体向け地上波デジタル放送を受信するための機器であり、各受信機11,12は、図示しないアンテナから放送信号を受信するためのフロントエンド、復調部、DEMUX(demultiplex)部、デコーダ等(いずれも図示せず)を備えている。なお、地上波デジタルテレビ放送は、固定向け放送信号と移動体向け放送信号とで同じ番組内容とするいわゆるサイマル放送の場合、同じチャンネル内に固定向け放送信号と移動体向け放送信号を含ませて放送することを前提とする。そのため、アンテナと各受信機11,12のフロントエンド間に図示しない分配器を挿入して、アンテナを両受信機11,12にて共用するよう構成されている。もちろん、各受信機11,12が個別にアンテナを備えるようにしてもよい。
ここで、フロントエンドは、選局制御部17からの選局制御信号i1,i2に基づいて所定のチャンネル周波数に同調し、中間周波数に変換・増幅する。また、このフロントエンドは中間周波数の信号レベルに基づいてTV放送信号のレベル変化(受信電界強度)を検出する機能も備えており、受信電界強度の検出結果を示す信号を受信状況データc1,c2として制御部14へ出力する。
また、復調部は、TV放送信号の復調、復号処理部であり、放送信号と同期を取りながら放送信号を復調し、誤り検出及び訂正を行った後、復号したトランスポートストリーム(Transport Streem:TS)をデコーダへ出力する。さらに、この復調部にてTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control:伝送多重制御信号)情報を認識でき、各受信機11,12の復調部からサイマル放送可否判定部13に対して電子番組表情報a1,a2を送信する。また、誤り訂正前後のビットエラー率(BER)も検出して、受信状況データc1,c2として制御部14に送信する。つまり、受信状況データc1,c2には、上述の受信電界強度を示す信号やBERが含まれる。
また、DEMUX部は、多重化されたTSを分離したり、有料放送などの暗号化されたTS信号を解読暗号鍵をもとに解読する(スクランブルを解除する)部分である。
また、DEMUX部は、多重化されたTSを分離したり、有料放送などの暗号化されたTS信号を解読暗号鍵をもとに解読する(スクランブルを解除する)部分である。
デコーダは、多重化解除されたTSを映像・音声の符号化方式に合わせて復号化し、映像・音声信号に変換する処理部である。このように各受信機11,12にて変換された映像・音声信号f1,f2は出力切替部15へ出力される。
なお、上述のように、各受信機11,12へ入力する時点での放送波中には、サイマル放送の場合、同じチャンネル内に固定向け放送信号と移動体向け放送信号が含まれているが、これらフロントエンド、復調部、デコーダに関しては、固定向けデジタル放送受信機11では固定向け放送の受信・復調・デコードを行い、移動体向けデジタル放送受信機12では移動体向け放送の受信・復調・デコードを行う。
制御部14は、受信状況の判定・移動方向判定・表示制御等の各種判定・制御を行う。
受信状況の判定は、各受信機11,12から得られる受信状況データc1,c2に基づいて行う。詳しくは、BER等の受信状況データc1に基づいて、固定向け放送の受信が可能かどうかを判定する。
受信状況の判定は、各受信機11,12から得られる受信状況データc1,c2に基づいて行う。詳しくは、BER等の受信状況データc1に基づいて、固定向け放送の受信が可能かどうかを判定する。
また、移動方向の判定は、受信状況データc1,c2の内、特に受信電界強度(電波強度)の履歴(変化状態)に着目して行う。例えば、数秒間隔で現時点での受信電界強度をモニターし、その結果を継続してメモリ(図示せず)に蓄積する。その過去履歴を参照して変化状態を分析することで、受信電界強度が「増加傾向」なのか「減少傾向」なのかを判定する。そして、増加傾向であれば送信所に近づく方向へ移動していると判定でき、減少方向であれば送信所から離れる方向へ移動していると判定できる。
また、表示制御は、固定向け放送と移動体向け放送とを切り替える制御信号dを出力切替部15へ送信したり、あるいは受信状態の良否を示すインジケータやメッセージの表示に関する制御、あるいは背景画をブルーバックへ切り替えたりする制御などである。
出力切替部15には固定向けデジタル放送受信機11及び移動体向けデジタル放送受信機12から出力される映像・音声信号f1,f2が入力しており、出力切替部15は、制御部14からの制御信号dに基づいて、映像・音声信号f1,f2のいずれか一方を出力部16へ出力する。
出力部16はディスプレイやスピーカ、及び表示制御や音声出力制御を司る機構を有しており、出力切替部15から入力した映像・音声信号gをディスプレイに表示したりスピーカから出力したりする。
選局制御部17は、固定向けデジタル放送受信機11及び移動体向けデジタル放送受信機12内のフロントエンドに対して選局制御信号i1,i2を出力することで選局制御を行う。この選局制御は、操作受付部18によって受け付けたユーザからの選局操作に基づいて行うことができる。ユーザからの操作に基づいて行う場合には、ユーザが操作受付部18を操作することにより受信すべき放送局を指定すると、選局制御部17が、その指令に基づき、その放送局の放送信号を選局させるための選局制御信号i1,i2を、固定向けデジタル放送受信機11及び移動体向けデジタル放送受信機12内のフロントエンドに対して出力する。各フロントエンドでは、その選局制御信号i1,i2に従い、指定された放送信号を選局する。
なお、操作受付部18は、メカニカルなスイッチであってもよいし、画面上に配置されたタッチスイッチであってもよいし、両者を併用しても良い。本実施形態では、後述するように、図5中のB,Cに示すように「切替ボタン」を表示し、その切替ボタンがユーザによってタッチされた場合に切り替え指示を受け付けるよう構成されている。
このように構成された本実施形態の移動体用デジタル放送受信装置1が車両に搭載されて使用される場合、車両が移動しながら地上波デジタルテレビ放送を受信することとなる。移動体向け放送は、固定向け放送を受信する場合と異なり、低ビットレートで送信されているため、解像度の問題により映像・音声の品質は悪くなるが、電波が弱くなっても受信することは可能である。しかし、車両が移動しているからといって、相対的に映像・音声の品質の良い固定向け放送が受信できないとも限らない。そこで、固定向け放送を受信している時、適切に受信できなくなった場合には、移動体向け放送を受信するよう自動的に切り替え、そのように切り替えて移動体向け放送を受信している最中に、固定向け放送が適切に受信できる状態に戻ったら、固定向け放送へ自動的に切り替える。
しかしながら、上記「発明が解決しようとする課題」において説明したように、自動に切り替わるだけでは、ユーザがとまどい、不満を感じてしまう事態が生じる。そこで、本実施形態の移動体用デジタル放送受信装置1は、受信状態の良否その他をユーザに報知する。それでは、そのような受信状態の良否その他をユーザに報知する場合の移動体用デジタル放送受信装置1の実行する処理の流れについて説明するが、その前に、受信エリアに関して、図2及び図3を参照して説明しておく。
[受信エリアの説明]
地上波デジタルテレビ放送波による受信エリアに関して説明する。
図2に示すように、固定向けデジタル放送の受信限界L2の内側である固定向けエリアと、移動体向けデジタル放送の受信限界L4の内側かつ固定向けエリアの外側である移動体向けエリアと、これら固定向けエリア及び移動体向けエリアの境界部分にまたがって存在するグレーゾーンとがある。このグレーゾーンは、固定向けデジタル放送の受信限界L2を基準として固定向けエリア側の所定範囲及び移動体向けエリア側の所定範囲で構成される。図3に例示するように、デジタルテレビの放送波の電波強度は、マクロ的に見れば送信所からの距離が長くなればなるほど低下はするが、単純に低下するのではなく、フェージングや周辺建物等の影響によって、ミクロ的に見れば上下に脈動している。したがって、固定向けデジタル放送の受信限界L2の内側であっても状況によっては固定向けデジタル放送を受信できないこともあり得る。また、逆に固定向けデジタル放送の受信限界L2の外側であっても固定向けデジタル放送を受信できることもある。したがって、本実施形態では、そのような範囲をグレーゾーンと称することとする。
地上波デジタルテレビ放送波による受信エリアに関して説明する。
図2に示すように、固定向けデジタル放送の受信限界L2の内側である固定向けエリアと、移動体向けデジタル放送の受信限界L4の内側かつ固定向けエリアの外側である移動体向けエリアと、これら固定向けエリア及び移動体向けエリアの境界部分にまたがって存在するグレーゾーンとがある。このグレーゾーンは、固定向けデジタル放送の受信限界L2を基準として固定向けエリア側の所定範囲及び移動体向けエリア側の所定範囲で構成される。図3に例示するように、デジタルテレビの放送波の電波強度は、マクロ的に見れば送信所からの距離が長くなればなるほど低下はするが、単純に低下するのではなく、フェージングや周辺建物等の影響によって、ミクロ的に見れば上下に脈動している。したがって、固定向けデジタル放送の受信限界L2の内側であっても状況によっては固定向けデジタル放送を受信できないこともあり得る。また、逆に固定向けデジタル放送の受信限界L2の外側であっても固定向けデジタル放送を受信できることもある。したがって、本実施形態では、そのような範囲をグレーゾーンと称することとする。
そして、本実施形態においては、下記に示す報知制御のために、5つのエリアを規定し、エリアに応じた報知制御を行う。つまり、図5に(1)〜(5)で示すように、送信所から近い順に第1〜第5のエリアを規定する。
これら各エリアについて、図2及び図3も参照して説明する。
グレーゾーンの固定向けエリア側の受信限界であるグレーゾーン固定側限界L1の内側を第1のエリア(1)とする。この第1のエリア(1)は、受信状態の良好な固定向けデジタル放送が受信できるエリアである。したがって、このエリアを「固定向けエリア」と呼んでもよい。
グレーゾーンの固定向けエリア側の受信限界であるグレーゾーン固定側限界L1の内側を第1のエリア(1)とする。この第1のエリア(1)は、受信状態の良好な固定向けデジタル放送が受信できるエリアである。したがって、このエリアを「固定向けエリア」と呼んでもよい。
また、グレーゾーン固定側限界L1と固定向けデジタル放送の受信限界L2の間を第2のエリア(2)とし、固定向けデジタル放送の受信限界L2とグレーゾーンの移動体向けエリア側の受信限界であるグレーゾーン移動側限界L3との間を第3のエリア(3)とする。これら第2のエリア(2)及び第3のエリア(3)は、固定向けデジタル放送が受信できる場合と受信できない場合とが発生するエリアである。これらのエリアはグレーゾーン内のエリアではあるが、両者を区別するため、第2のエリア(2)を「グレーゾーン固定側エリア」、「第3のエリア(3)を「グレーゾーン移動側エリア」と呼んでもよい。
また、グレーゾーン移動側限界L3と移動体向けデジタル放送の受信限界L4との間を第4のエリア(4)とする。この第4のエリア(4)は、固定向けデジタル放送の受信はできず、移動体向けデジタル放送のみ受信できるエリアである。したがって、このエリアを「移動体向けエリア」と呼んでもよい。
また、移動体向けデジタル放送の受信限界L4より外側を第5のエリア(5)とする。この第5のエリアは移動体向けデジタル放送すら受信できないエリアである。したがって、このエリアを「受信不可エリア」と呼んでもよい。
[固定向け・移動体向け出力切替制御の説明]
ここで、固定向け・移動体向け出力切替制御に関して簡単に説明しておく。
上述したように、制御部14は、固定向け放送を受信しているとき、適切に受信できなくなった場合には移動体向け放送を受信するよう自動的に切り替え、そのように切り替えて移動体向け放送を受信している最中に、固定向け放送が適切に受信できる状態に戻ったら固定向け放送へ自動的に切り替える、という制御を行う。
ここで、固定向け・移動体向け出力切替制御に関して簡単に説明しておく。
上述したように、制御部14は、固定向け放送を受信しているとき、適切に受信できなくなった場合には移動体向け放送を受信するよう自動的に切り替え、そのように切り替えて移動体向け放送を受信している最中に、固定向け放送が適切に受信できる状態に戻ったら固定向け放送へ自動的に切り替える、という制御を行う。
この際、固定向け放送の受信が物理的に不可能な状態のために移動体向け放送を出力しているような状態から、固定向け放送の受信が物理的に可能な状態となった場合、即座に移動体向け放送から固定向け放送へ切り替えて出力すると仮定する。図3に示すグレーゾーンでは、頻繁に固定向け放送の受信可能状態と受信不可状態とが交錯することとなり、このような物理的な受信限界となる固定向けデジタル放送の受信限界L2を基準として、これを下回った瞬間あるいは上回った瞬間の状態を捉えて固定→移動あるいは移動→固定に切り替えてしまうと、受信品質の切り替えが頻繁に起こってしまい、映像音声を視聴しているユーザにとって違和感を与えてしまうこととなる。
そこで、固定向けデジタル放送受信が不可状態から、受信可能となった場合でも、すぐに移動体向け放送から固定向け放送へ切り替えるのではなく、ヒステリシスを持たせることにより、受信品質が頻繁に変動することを低減する。例えば、固定向け放送を適切に受信できる境界よりも所定レベル高い値を判定条件に用いる。このようにすれば、固定向け放送受信不可エリアの境界において受信品質が頻繁に変動することがなくなり、ユーザに違和感を与えなくなる。
そして、固定→移動に切り替わる場合の判定条件と、逆に移動→固定に切り替わる場合の判定条件とを同じにしてもよいが、本実施形態では、固定向けデジタル放送の電界レベルの変化傾向に応じてヒステリシスを設定している。具体的には、固定向けデジタル放送を出力している第1のエリアから第2のエリア、第3のエリアと順番に移動してきた場合には、第3エリアから第4エリアへ移動する境界であるグレーゾーン移動側限界L3を超えた場合に初めて移動体向けデジタル放送に切り替えて出力する。一方、移動体向けデジタル放送を出力している第4のエリアから第3のエリア、第2のエリアと順番に移動してきた場合には、第2エリアから第1エリアへ移動する境界であるグレーゾーン固定側限界L1を超えた場合に初めて固定向けデジタル放送に切り替えて出力する。
この移動方向の判定は、上述したように、受信電界強度(電波強度)の履歴(変化状態)に着目して行う。数秒間隔でモニターした受信電界強度の過去履歴を参照して変化状態を分析し、受信電界強度が「減少傾向」であれば第2のエリア(2)から第3のエリア(3)への移動であると判定し、受信電界強度が「増加傾向」であれば第3のエリア(3)から第2のエリア(2)への移動であると判定する。
このようにすることで、固定向け放送受信不可エリアの境界において受信品質が頻繁に変動することを極力抑えながら、かつ極力高品質の放送コンテンツを受信できるようになる。
[報知処理の説明]
それでは、受信状態の良否その他をユーザに報知する処理を図4及び図5を用いて説明する。
それでは、受信状態の良否その他をユーザに報知する処理を図4及び図5を用いて説明する。
図4に示すように、本報知処理が開始すると、まず第1のエリア(1)に存在するか否か判断する(S10)。そして、第1のエリア(1)に存在する場合には(S10:YES)、出力部16のディスプレイに、図5中のAに示す表示を行う(S20)。具体的には、固定向けデジタル放送の映像が表示されている画面右上隅に、「固定向け」という表示と共に受信状態の良否を示すインジケータを表示する。ここでは、一例として、長さの異なる複数のセグメントを横に3本表示可能にしておき、受信状態がよい程長いセグメントまで表示させる構成を採用している。S20の処理後はS10へ戻る。
一方、第1のエリア(1)に存在しない場合には(S10:NO)、第2のエリア(2)に存在するか否か判断する(S30)。第2のエリア(2)に存在する場合には(S30:YES)、移動方向判定を行う(S40)。第2のエリア(2)はグレーゾーン内のエリアであるため、このS40での移動方向判定では、同じくグレーゾーン内のエリアである第3のエリア(3)から移動してきたものなのか否かを判定する。この移動方向判定は、上述したように、受信電界強度(電波強度)の履歴(変化状態)に着目して行う。数秒間隔でモニターした受信電界強度の過去履歴を参照して変化状態を分析し、受信電界強度が「増加傾向」であれば第3のエリア(3)から第2のエリア(2)への移動であると判定する。
そして、第3のエリア(3)から第2のエリア(2)への移動でない場合には(S40:NO)、出力部16のディスプレイに、図5中のBに示す表示を行う(S50)。具体的には、グレーゾーン内であるため、受信状態の良否を示すインジケータを点滅させる。この場合、受信状態は相対的には悪化しているので、例えば3本のセグメントの内の1本のみが点滅している、といった状態が想定される。また、この場合は、図2のαに示すように、第1のエリア(1)から第2のエリア(2)への移動してきた場合であると考えられ、その後、さらに第3のエリア(3)→第4のエリア(4)へ移動していくことが想定される。したがって、図5中のBに示すように、画面上に「もうすぐ移動体向け放送に切り替わります。」というメッセージを表示する。そしてさらに、画面右下隅に「切替ボタン」を表示する。なお、このメッセージに関しては、出力部16のディスプレイの表示による出力だけでなく、例えばスピーカから音声にて出力してもよい。
そして、操作受付部18(図1参照)を介して切替操作があったか否か判断する(S60)。具体的には、画面表示された切替ボタンがユーザによってタッチされると、タッチスイッチによって切り替え指示を受け付ける。そして、切替操作があれば(S60:YES)、出力部16のディスプレイに、図5中のDに示す表示を行う(S70)。具体的には、移動体向けデジタル放送の映像が表示されている画面右上隅に、「移動体向け」という表示と共に受信状態の良否を示すインジケータを表示する。なお、操作受付部18を介してS60に示す切替操作があった場合、制御部14から出力切替部15に制御信号dが出力され、その制御信号dに基づいて出力切替部15が、固定向けデジタル放送から移動体向けデジタル放送の映像へ切り替える。
S60にて否定判断、すなわち切替操作がない場合には(S60:NO)、S10へ戻る。
一方、S30にて否定判断、すなわち第2のエリア(2)に存在しない場合には(S30:NO)、第3のエリア(3)に存在するか否か判断する(S80)。第3のエリア(3)に存在する場合には(S80:YES)、移動方向判定を行う(S90)。第3のエリア(3)はグレーゾーン内のエリアであるため、このS90での移動方向判定では、同じくグレーゾーン内のエリアである第2のエリア(2)から移動してきたものなのか否かを判定する。つまり、受信電界強度の過去履歴を参照して変化状態を分析し、受信電界強度が「減少傾向」であれば第2のエリア(2)から第3のエリア(3)への移動であると判定する。
一方、S30にて否定判断、すなわち第2のエリア(2)に存在しない場合には(S30:NO)、第3のエリア(3)に存在するか否か判断する(S80)。第3のエリア(3)に存在する場合には(S80:YES)、移動方向判定を行う(S90)。第3のエリア(3)はグレーゾーン内のエリアであるため、このS90での移動方向判定では、同じくグレーゾーン内のエリアである第2のエリア(2)から移動してきたものなのか否かを判定する。つまり、受信電界強度の過去履歴を参照して変化状態を分析し、受信電界強度が「減少傾向」であれば第2のエリア(2)から第3のエリア(3)への移動であると判定する。
そして、第2のエリア(2)から第3のエリア(3)への移動である場合には(S90:YES)、出力部16のディスプレイに、図5中のBに示す表示を行う(S50)。第2のエリア(2)から第3のエリア(3)へ移動してきたということは、その後、さらに第3のエリア(3)→第4のエリア(4)へ移動していくことが想定されるからである。このS50及びそれ以降のS60及びS70の処理については、既に説明したのでここでは省略する。
一方、第2のエリア(2)から第3のエリア(3)への移動でない場合には(S90:NO)、出力部16のディスプレイに、図5中のCに示す表示を行う(S100)。第4のエリア(4)から第3のエリア(3)へ移動してきたと考えられるため、移動体向けデジタル放送を受信している。グレーゾーンであるため受信状態の良否を示すインジケータを点滅させるが、受信状態は良好なので、インジケータは3本とも点滅させることとなる。また、第2のエリア(2)から第3のエリア(3)への移動でないということは、図2のβに示すように、第4のエリア(4)から第3のエリア(3)へ移動してきたと考えられ、その後、さらに第2のエリア(2)→第1のエリア(1)へ移動していくことが想定される。したがって、図5中のCに示すように、画面上に「もうすぐ固定向け放送に切り替わります。」というメッセージを表示する。そしてさらに、画面右下隅に「切替ボタン」を表示する。
そして、操作受付部18を介して切替操作があったか否か判断する(S110)。切替操作があれば(S110:YES)、出力部16のディスプレイに、図5中のAに示す表示を行う(S120)。なお、操作受付部18を介してS110に示す切替操作があった場合、図4に示す報知制御処理とは別の切替制御処理において、移動体向けデジタル放送から固定向けデジタル放送の映像への切替制御が行われる。S120の処理後はS10へ戻る。また、切替操作がない場合も(S110:NO)、S10へ戻る。
ここまでの説明の中で、S40にて肯定判断の場合の処理について説明していないので、その点を説明しておく。S40にて肯定判断ということは、第3のエリア(3)から第2のエリア(2)へ移動して、現在第2のエリア(2)に存在する状態を意味する。この場合は、その後第1のエリア(1)へ移動していくことが想定されるため、(S90にて否定判断の場合と同様)S100へ移行し、図5中のCに示す表示を行う。その後のS110及びS120の処理については、既に説明したのでここでは省略する。
一方、S80にて否定判断、すなわち第3のエリア(3)に存在しない場合には(S80:NO)、第4のエリア(4)に存在するか否か判断する(S130)。第4のエリア(4)に存在する場合には(S130:YES)、出力部16のディスプレイに、図5中のDに示す表示を行う(S140)。
また、第4のエリア(4)に存在しない場合には(S130:NO)、第5のエリア(5)に存在することになるため、出力部16のディスプレイに、図5中のDに示す表示を行う(S150)。具体的には、それまで移動体向けデジタル放送の映像が表示されている画面に、ブルーバックの映像を表示させる。つまり、移動体向けデジタル放送の映像の出力を停止し、代わりにブルーバックの映像を表示させるのである。また、移動体向けデジタル放送の音声に関してもスピーカから出力を停止する。
S140,S150の処理後は、S10へ戻る。
[効果]
本実施形態の移動体用デジタル放送受信装置1によれば、次のような効果が得られる。
[効果]
本実施形態の移動体用デジタル放送受信装置1によれば、次のような効果が得られる。
(1)受信可能であれば相対的に高品位の固定向けデジタル放送を受信し、受信不可能になれば移動体向けデジタル放送を受信し、これらを切り替えて出力することによって、移動体でのデジタル放送受信に関して、極力高品質の放送コンテンツを受信できる。しかし、上記「発明が解決しようとする課題」において説明したように、自動に切り替わるだけでは、ユーザが不満を感じてしまう事態が生じる。それに対して本実施形態の移動体用デジタル放送受信装置1においては、図5に示すように、受信状態の良否をインジケータによってユーザに報知している。そのため、固定向けデジタル放送の受信状態が非常に悪化していることをユーザは認識することができ、その後、自動的に移動体向けデジタル放送に切り替わっても、ユーザとしては心構えができているため特にとまどうこともない。また、移動体向けデジタル放送は固定向けデジタル放送に比較して映像品質が悪いが、映像の切り替わりによって映像品質が悪化したことの原因を事前に理解しておくことができるため、やはりユーザがとまどうことがない。このようなことから、ユーザは不満を感じなくて済む。
(2)グレーゾーンである第2のエリア(2)及び第3のエリア(3)においては、図5中のB,Cに示すようにインジケータを点滅表示させる。これによってグレーゾーンに存在することをユーザに容易に認識できる。
なお、インジケータを点滅させるのではなく、表示色を変更したり、表示サイズを変更したり、あるいはそれらを併用してもよい。
(3)グレーゾーンにおいては、受信状態の良否を示すインジケータ表示だけでなく、図5中のB,Cに示すようにメッセージを報知している。そしてこのメッセージは、エリア間の移動方向を加味している。つまり、グレーゾーンに存在している場合であっても、図2中にαで示すように送信所から離れる方向へ移動しているのであれば、「もうすぐ移動体向けデジタル放送へ切り替わる」旨を報知する。逆に、グレーゾーンに存在している場合であっても、図2中にβで示すように送信所へ近づく方向へ移動しているのであれば、「もうすぐ固定向けデジタル放送へ切り替わる」旨を報知する。
(3)グレーゾーンにおいては、受信状態の良否を示すインジケータ表示だけでなく、図5中のB,Cに示すようにメッセージを報知している。そしてこのメッセージは、エリア間の移動方向を加味している。つまり、グレーゾーンに存在している場合であっても、図2中にαで示すように送信所から離れる方向へ移動しているのであれば、「もうすぐ移動体向けデジタル放送へ切り替わる」旨を報知する。逆に、グレーゾーンに存在している場合であっても、図2中にβで示すように送信所へ近づく方向へ移動しているのであれば、「もうすぐ固定向けデジタル放送へ切り替わる」旨を報知する。
このように、移動方向も加味してメッセージを報知すれば、その後の状態がメッセージ通りになる可能性が高く、ユーザとしてはとまどうことがより少なくなり、より不満を感じなくて済む。
(4)グレーゾーンにおいて受信状況が悪化したことを認識したユーザとしては、自動的に切り替わるのを待たずに、自分で切り替えたいと考える場合もあり得る。そのような要望に応えるため、操作受付部18を介して切替指示を受け付けた場合には、出力部16から出力する放送を固定向けから移動体向け、あるいは逆に移動体向けから固定向けに強制的に切り替える。
この際、映像を表示させている出力部16のディスプレイに切替ボタンを表示させ(図5参照)、その切替ボタンがユーザによってタッチされた場合に、切り替え指示を受け付けるようにしている。そのため、ユーザとしては切り替え指示を、より容易かつ迅速に行うことができる
(5)第5のエリア(5)に存在する場合には、固定向けデジタル放送は当然のこと、移動体向けデジタル放送も適切に受信できない。したがって、何ら対処をしないと、出力手段(16)からは見苦しい映像や雑音が出力されてしまう。本実施形態の移動体用デジタル放送受信装置1によれば、それまで移動体向けデジタル放送の映像が表示されている画面に、ブルーバックの映像を表示させる。つまり、移動体向けデジタル放送の映像の出力を停止し、代わりにブルーバックの映像を表示させ、移動体向けデジタル放送の音声に関してもスピーカから出力を停止する。そのため、見苦しい映像や雑音が出力されてしまうという不都合を回避できる。
(5)第5のエリア(5)に存在する場合には、固定向けデジタル放送は当然のこと、移動体向けデジタル放送も適切に受信できない。したがって、何ら対処をしないと、出力手段(16)からは見苦しい映像や雑音が出力されてしまう。本実施形態の移動体用デジタル放送受信装置1によれば、それまで移動体向けデジタル放送の映像が表示されている画面に、ブルーバックの映像を表示させる。つまり、移動体向けデジタル放送の映像の出力を停止し、代わりにブルーバックの映像を表示させ、移動体向けデジタル放送の音声に関してもスピーカから出力を停止する。そのため、見苦しい映像や雑音が出力されてしまうという不都合を回避できる。
[その他]
(1)上記実施形態では、第5のエリア(5)に存在する場合には、それまで移動体向けデジタル放送の映像が表示されている画面に、ブルーバックの映像を表示させた。しかし、これ以外にも、例えば移動体用デジタル放送受信装置1が搭載されている車両にナビゲーション装置が搭載されている場合であれば、そのナビゲーション装置から入力した地図画像などを表示させてもよい。もちろん、ナビゲーション装置以外の車載機器であっても、表示装置へ表示させることのできる画像。映像を出力可能な外部機器から入力したものであってもよい。
(1)上記実施形態では、第5のエリア(5)に存在する場合には、それまで移動体向けデジタル放送の映像が表示されている画面に、ブルーバックの映像を表示させた。しかし、これ以外にも、例えば移動体用デジタル放送受信装置1が搭載されている車両にナビゲーション装置が搭載されている場合であれば、そのナビゲーション装置から入力した地図画像などを表示させてもよい。もちろん、ナビゲーション装置以外の車載機器であっても、表示装置へ表示させることのできる画像。映像を出力可能な外部機器から入力したものであってもよい。
(2)上記実施形態では、図5中のB,Cに示すように、グレーゾーンである第2のエリア(2)または第3のエリア(3)に存在する場合に限ってメッセージを報知した。これは、図2に示すαのような移動やβのような移動を推定して行ったものである。しかし、図2にγで示すような移動、つまり、第4のエリア(4)と第5のエリア(5)との間での移動に際してもメッセージを報知してもよい。例えば、第4のエリア(4)から第5のエリア(5)へ向かっていることを、図4のS40やS90にて説明したのと同様の手法で判断し、例えば「もうすぐ受信不可になります」と報知してもよい。その際、例えば画面に「ナビ切替」ボタンを表示し、そのボタンが押されたら、ナビゲーション装置による地図画面に強制的に切り替えるようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、図4のS40やS90にて説明したように、移動方向の判定を受信電界強度の履歴に基づいて行った。
しかし、例えば移動体用デジタル放送受信装置1が車両に搭載され、同じ車載機器としてナビゲーション装置からの情報に基づいて判定することも可能である。つまり、どのような方向に進行しているかはナビゲーション装置であれば容易に求めることができる。したがって、送信所の位置を登録しておき、その送信所の位置と車両の移動方向が分かれば、図4のS40やS90にて行いたい判定と同様の判定は実現可能である。
しかし、例えば移動体用デジタル放送受信装置1が車両に搭載され、同じ車載機器としてナビゲーション装置からの情報に基づいて判定することも可能である。つまり、どのような方向に進行しているかはナビゲーション装置であれば容易に求めることができる。したがって、送信所の位置を登録しておき、その送信所の位置と車両の移動方向が分かれば、図4のS40やS90にて行いたい判定と同様の判定は実現可能である。
(4)上記実施形態では、固定向けデジタル放送受信機11と移動体向けデジタル放送受信機12とは、図示しないアンテナを共用するようにしたが、アンテナだけでなく、フロントエンドまで両受信機11,12にて共用し、復調部以下から分離する構成を採用しても良い。さらに、復調部まで両受信機11,12で共用し、デコーダを分離する構成を採用しても良い。
(5)制御部14が受信状況を判定する情報としては、上述したBER等が代表的なものとして考えられるが、例えば音声信号の連続性に基づいて判定することも考えられる。これは、映像音声信号の場合、極力音声がとぎれることはないように対処しているため、音声信号が出力できない状態が所定時間継続すれば、それは受信状況が悪いと判断できる。但し、この場合は良し悪しの2値的な判断しかできないため、やはりBER等による正確な良否判定をすることが好ましい。
(5)上記実施形態における移動体用デジタル放送受信装置1は、車両等の移動体に搭載されることを前提としたが、例えば人が携帯する場合であっても同様に適用できる。つまり、受信装置を携帯した人が歩いたり、あるいは自動車や電車などの移動体の乗って移動する場合であれば、上述した移動体に搭載した場合と同様の事情になるからである。
1…移動体用デジタル放送受信装置、11…固定向けデジタル放送受信機、12…移動体向けデジタル放送受信機、14…制御部、15…出力切替部、16…出力部、17…選局制御部、18…操作受付部。
Claims (9)
- 移動体に搭載され、または移動体としての人に携帯され、送信所から送信される地上波デジタルテレビ放送波による固定向けデジタル放送及び移動体向けデジタル放送を受信するための移動体用デジタル放送受信装置であって、
固定向けデジタル放送を受信する固定向けデジタル放送受信手段と、
移動体向けデジタル放送を受信する移動体向けデジタル放送受信手段と、
前記固定向けデジタル放送受信手段にて受信した固定向けデジタル放送または前記移動体向けデジタル放送受信手段にて受信した移動体向けデジタル放送を選択的に出力する出力手段と、
前記固定向けデジタル放送の受信状況を検出する固定向けデジタル放送受信状況検出手段と、
前記移動体向けデジタル放送の受信状況を検出する移動体向けデジタル放送受信状況検出手段と、
前記固定向けデジタル放送受信状況検出手段によって検出された受信状況に基づき、前記固定向けデジタル放送が適切に受信できる状態であれば前記固定向けデジタル放送を前記出力手段に出力させ、前記固定向けデジタル放送が適切に受信できない状態であれば前記移動体向けデジタル放送を前記出力手段に出力させる制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記固定向けデジタル放送受信状況検出手段によって検出された受信状況または前記移動体向けデジタル放送受信状況検出手段によって検出された受信状況に基づき、前記固定向けデジタル放送の受信状態の良否または前記移動体向けデジタル放送の受信状態の良否を、報知手段を介して、ユーザが認識可能な態様で報知すること
を特徴とする移動体用デジタル放送受信装置。 - 請求項1に記載の移動体用デジタル放送受信装置において、
報知手段は、少なくとも表示によって報知が可能であり、
その表示によって報知が可能な報知手段は前記出力手段と同一の表示装置であり、
前記制御手段は、デジタル放送の映像を表示させている前記表示装置に、前記受信状態の良否も表示させること
を特徴とする移動体用デジタル放送受信装置。 - 請求項2に記載の移動体用デジタル放送受信装置において、
前記制御手段は、前記受信状態の良否を、ユーザが視覚で直感的に認識可能な態様で表示させること
を特徴とする移動体用デジタル放送受信装置。 - 請求項2または3に記載の移動体用デジタル放送受信装置において、
前記地上波デジタルテレビ放送波による受信エリアに関しては、固定向けデジタル放送の受信限界L2の内側である固定向けエリアと、移動体向けデジタル放送の受信限界L4の内側かつ前記固定向けエリアの外側である移動体向けエリアと、前記固定向けデジタル放送の受信限界L2を基準として前記固定向けエリア側の所定範囲及び移動体向けエリア側の所定範囲で構成されるグレーゾーンとが存在し、
前記送信所から近い順に、前記グレーゾーンの固定向けエリア側の受信限界であるグレーゾーン固定側限界L1の内側を第1のエリア、グレーゾーン固定側限界L1と前記固定向けデジタル放送の受信限界L2の間を第2のエリア、前記固定向けデジタル放送の受信限界L2と前記グレーゾーンの移動体向けエリア側の受信限界であるグレーゾーン移動側限界L3との間を第3のエリア、前記グレーゾーン移動側限界L3と移動体向けデジタル放送の受信限界L4との間を第4のエリア、前記移動体向けデジタル放送の受信限界L4より外側を第5のエリアとした場合、
前記制御手段は、
前記固定向けデジタル放送受信状況検出手段によって検出された受信状況または前記移動体向けデジタル放送受信状況検出手段によって検出された受信状況に基づき、前記第1〜第5のエリアの何れに存在するかを判定し、
前記第1のエリアに存在する場合は、固定向けデジタル放送の受信状態の良否を表示し、
前記第4のエリアに存在する場合は、移動体向けデジタル放送の受信状態の良否を表示し、
前記第2のエリア及び第3のエリアに存在する場合は、その時点で受信している側のデジタル放送の受信状態の良否を表示すると共に、グレーゾーンに存在することがユーザに認識可能なように、前記第1のエリア及び第4のエリアに存在する場合とはユーザが視覚的に区別可能な態様で前記受信状態の良否を表示すること
を特徴とする移動体用デジタル放送受信装置。 - 請求項4に記載の移動体用デジタル放送受信装置において、
前記制御手段は、
さらに、前記第2のエリアから第3のエリアへ移動しているか否か、及び前記第3のエリアから第2のエリアへ移動しているか否かを判定する移動方向判定手段を有し、
前記第2のエリア及び第3のエリアに存在する場合、前記移動方向判定手段によって前記第2のエリアから第3のエリア方向へ移動していると判定された場合、もうすぐ移動体向けデジタル放送へ切り替わる旨を報知し、一方、前記第3のエリアから第2のエリア方向へ移動していると判定された場合、もうすぐ固定向けデジタル放送へ切り替わる旨を報知し、
固定向けデジタル放送を前記出力手段に出力させている状態で、前記移動方向判定手段によって前記第2のエリアから第3のエリア方向へ移動していると判定された場合には、前記グレーゾーン移動側限界L3を超えて第4のエリアに入った時点で移動体向けデジタル放送を前記出力手段に出力させ、一方、移動体向けデジタル放送を前記出力手段に出力させている状態で、前記移動方向判定手段によって前記第3のエリアから第2のエリア方向へ移動していると判定された場合には、前記グレーゾーン固定側限界L1を超えて第1のエリアに入った時点で固定向けデジタル放送を前記出力手段に出力させること
を特徴とする移動体用デジタル放送受信装置。 - 請求項4または5に記載の移動体用デジタル放送受信装置において、
前記ユーザからの固定向けデジタル放送と移動体向けデジタル放送との切り替え指示を受け付けるための切替指示受付手段を備え、
前記制御手段は、
前記切替指示受付手段を介して切り替え指示を受け付けた場合、前記固定向けデジタル放送と前記移動体向けデジタル放送との間での切替制御を実行すること
を特徴とする移動体用デジタル放送受信装置。 - 請求項6に記載の移動体用デジタル放送受信装置において、
前記制御手段は、
前記第2のエリア及び第3のエリアに存在する場合には、デジタル放送の映像を表示させている前記表示装置に切替ボタンを表示させ、
前記切替指示受付手段は、
前記表示装置に表示された切替ボタンがユーザによってタッチされた場合に、前記切り替え指示を受け付けること
を特徴とする移動体用デジタル放送受信装置。 - 請求項4〜7の何れかに記載の移動体用デジタル放送受信装置において、
前記制御手段は、
前記第5のエリアに存在する場合は、前記移動体向けデジタル放送の出力を停止し、移動体向けデジタル放送の映像を表示させていた前記表示装置においては、ブルーバック映像またはナビゲーション装置などの外部機器から入力した画像を表示させること
を特徴とする移動体用デジタル放送受信装置。 - コンピュータを、請求項1〜8の何れかに記載の移動体用デジタル放送受信装置における制御手段として機能させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005218831A JP2007036816A (ja) | 2005-07-28 | 2005-07-28 | 移動体用デジタル放送受信装置及びプログラム |
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2009040904A1 (ja) * | 2007-09-26 | 2009-04-02 | Fujitsu Microelectronics Limited | ビデオデコーダおよびデジタル放送受信装置 |
JP2009105545A (ja) * | 2007-10-22 | 2009-05-14 | Aisin Aw Co Ltd | デジタル放送受信システム及びプログラム |
JP2010206431A (ja) * | 2009-03-03 | 2010-09-16 | Casio Hitachi Mobile Communications Co Ltd | デジタル放送受信装置、及び、プログラム |
JP2010278554A (ja) * | 2009-05-26 | 2010-12-09 | Toshiba Corp | 情報処理装置 |
-
2005
- 2005-07-28 JP JP2005218831A patent/JP2007036816A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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