JP2007035897A - 回路接着シート及び微細接続構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温、短時間接続性良好かつ、高信頼性の回路接着シートの提供。
【解決手段】少なくとも硬化剤及び硬化性の絶縁性樹脂からなる回路接着シートであって、回路接着シートの片側表面から厚み方向沿ってシート厚の1/3倍以内の領域中の硬化剤濃度がそれ以外の領域の平均濃度の1.1倍から10倍の範囲である回路接着シート。この回路接着シートは、導電性粒子を配合していても良く、また、少なくとも硬化性の絶縁性樹脂を含む接着シートに、転写媒体表面に分散した状態で存在する固形の硬化剤を転写することにより得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、低温、短時間接続性に優れた回路接着シート及び接続構造体に関する。
これまで、微細回路を接続するための回路接着シートに関して、接続性確保、短絡防止のために、種々の組成の検討および、回路接着シート構成の検討がなされている。
例えば、加熱によりラジカルを発生する硬化剤及びラジカル重合性物質を含む硬化剤層と導電性粒子及びラジカル重合性物質を含み加熱によりラジカルを発生する硬化剤を含まない導電粒子層とを積層する方法(特許文献1参照)、熱膨張係数を調整して接続信頼性を確保するため、無機質充填材を含む接着樹脂層と接着樹脂組成物を主成分とする接着剤層を積層する方法(特許文献2参照)、あるいは、接続時の熱ストレスを緩和して信頼性を確保するため、接着剤組成物に微小なゴム粒子を配合する方法(特許文献3参照)、接着性樹脂の伸びによる接続信頼性低下を抑制するため、弾性変形する粒子に金めっきした導電性粒子と小径のカプセル化した潜在性硬化剤を用いる方法(特許文献4参照)、導電性粒子を含む層と含まない層を積層し、隣接する回路間の短絡を防止し、接続性を確保する方法(特許文献5,6参照)、等が公知である。
しかしながら、接続時の熱ストレス緩和、熱膨張係数のミスマッチ等を緩和する従来技術においては、より低温、短時間等の条件下では、充分な硬化が得られず、初期接続性、接続信頼性が満足できるものではなかった。
一方、圧着時には、接続性を確保するために接続部分から接着性樹脂を排除しなければならないため、充分な接続性確保のためには、高反応性の硬化剤を配合することには限界があった。また、一般に回路接着シートを作製する方法としては、予め溶剤等に硬化性樹脂及び硬化剤を添加して、溶剤を乾燥することによりシート化する方法が用いられるが、反応性の高い硬化剤を使用した場合は、溶剤の存在により保存性が低下してしまうため、電気的接続性の確保と接着強度、および保存性に満足のいくものではなかった。また、導電性粒子の種類、構成等による接続信頼性改良等の従来技術においても低温、短時間接続の場合は、接続信頼性確保を満足できるものではなかった。
特開平10−273630号公報 特開平10−226769号公報 特開平11−50032号公報 特許第2586154号 特開平6−45024号公報 特開2003−49152号公報
本発明は、微細回路の隣接する回路間の接着強度、電気的接続性を損なうことなく、保存性が良好で、低温、短時間で接続可能な回路接着シート、その製造方法、およびそれを用いた微細接続構造体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、硬化剤濃度が回路シートの膜厚方向において特定の分布状態を形成していることを特徴とする回路接着シートを用いることによって、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は次の通りのものである。
(1)少なくとも硬化剤及び硬化性の絶縁性樹脂からなる回路接着シートであって、回路接着シートの片側表面から厚み方向に沿ってシート厚の1/3倍の領域の硬化剤濃度が、それ以外の領域の硬化剤濃度の1.1〜10倍であることを特徴とする回路接着シート。
(2)硬化性の絶縁性樹脂との反応性が異なる少なくとも2種の硬化剤を含み、かつ回路接着シートの片側表面から厚み方向に沿ってシート厚の1/3倍の領域に、最も反応性の高い硬化剤を含むことを特徴とする上記(1)に記載の回路接着シート。
(3)少なくとも硬化剤の1種が固形の硬化剤であり、その平均粒径が回路接着シートのシート厚の1/50倍以上1/3倍以下であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の回路接着シート。
(4)回路接着シートの平均膜厚の1/10〜1倍の平均粒径の導電性粒子を配合してなる上記(1)〜(3)に記載の回路接着シート。
(5)少なくとも硬化剤と硬化性の絶縁性樹脂とを含む接着シートに、転写媒体表面に分散した状態で存在する固形の硬化剤を転写することにより回路接着シートを得ることを特徴とする上記(1)〜(4)に記載の回路接着シートの製造方法。
(6)2軸延伸可能なフィルム上に粘着層を設けて積層体を形成し、該積層体の上に固形の硬化剤を付着させて固形硬化剤付着フィルムを作製し、該固形硬化剤付着フィルムを50%から1000%の範囲内で2軸延伸して保持し、少なくとも硬化剤と硬化性の絶縁性樹脂とを含んでなる接着シートに該固形硬化剤を転写することによって硬化剤濃度の高い領域を有する回路接着シートを作製する工程を含むことを特徴とする上記(1)〜(4)に記載の回路接着シートの製造方法。
(7)上記(1)〜(4)に記載の回路接着シートの硬化剤濃度の高い面を回路基板側に接触させて電子回路部品と回路基板とを接続することを特徴とする微細接続構造体の接続方法。
(8)上記(7)に記載の微細接続構造体の接続方法により接続された電子回路部品と回路基板とを含むことを特徴とする微細接続構造体。
本発明の回路接着シートは、保存性が良好で、低温、短時間で圧着した時の良好な接続性を確保することが出来る。また、本発明の回路接着シートを用いて得られた微細接続構造体は、隣接する接続端子間の良好な絶縁特性を有し、かつ接続した接続端子間の良好な電気的接続性を有する。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の回路接着シートに用いる硬化性の絶縁性樹脂としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、光及び熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等を用いることができる。取り扱いの容易さから、熱硬化性の絶縁性樹脂を用いることが好ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を用いることができるが、エポキシ樹脂が特に好ましい。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、グリシジルエーテル基、グリシジルエステル基、脂環式エポキシ基を有する化合物、分子内の二重結合をエポキシ化した化合物が好ましい。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂あるいは、それらの変性エポキシ樹脂を用いることができる。
本発明の回路接着シートに用いる硬化剤としては、前記硬化性の絶縁性樹脂を硬化できるものであればよい。硬化性の絶縁性樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合は、100℃以上で熱硬化性樹脂と反応する硬化剤が好ましい。エポキシ樹脂を硬化性樹脂として用いる場合は、硬化剤は、保存性の点から潜在性硬化剤であることが好ましく、例えば、イミダゾール系硬化剤、カプセル型イミダゾール系硬化剤、カチオン系硬化剤、ラジカル系硬化剤、ルイス酸系硬化剤、アミンイミド系硬化剤、ポリアミン塩系硬化剤、ヒドラジド系硬化剤等を用いることができる。保存性、低温反応性の点から、カプセル型のイミダゾール系硬化剤が好ましい。また、高反応性の硬化剤を樹脂あるいはセラミックスからなるマイクロカプセル等に封入し、熱可塑性樹脂、ワックス等でコーティングしたマイクロカプセル型硬化剤を用いることも好適である。
本発明においては、硬化剤の濃度が、回路接着シートの片側表面から厚み方向に沿ってシート厚の1/3倍の領域にそれ以外の領域の硬化剤濃度の1.1〜10倍であることを特徴としている。
本発明の回路接着シートにおいては、膜厚方向の硬化剤濃度に分布があり、圧着時に接続面の絶縁性樹脂を効果的に排除することができ、硬化剤を均一配合する構造に比較してより少量の硬化剤で効果的に接続性を付与することが可能である。
本発明に用いる硬化剤としては、一種類の硬化剤を用いて濃度に分布を持たせても良いが、本発明に用いる硬化性樹脂に対して反応性の異なる2種以上の硬化剤を用いることが好ましく、かつ回路接着シートの片側表面から厚み方向に沿って平均膜厚の1/3倍以内の領域に最も反応性の高い硬化剤を含むことが好ましい。
本発明に用いる硬化剤の少なくとも1種以上が固形の硬化剤であることが好ましい。
固形硬化剤としては、例えば、アミンアダクト系硬化剤(イミダゾール化合物とエポキシ樹脂との反応物)、ヒドラジド系硬化剤、ジシアンジアミド系硬化剤、および、それらを2種以上組み合わせた複合系硬化剤等である。また、保存性の観点から、固形硬化剤を熱可塑性樹脂、ワックス等でコーティングすることが好ましい。
また、固形硬化剤は、その平均粒径が本発明の回路接着シートの平均膜厚の1/50以上1/3倍以下であることが好ましく、1/20倍以上1/10倍以下であることが更に好ましい。硬化性の点から1/50倍以上が好ましく、接続性の点から1/3倍以下であることが好ましい。
硬化剤の平均粒径は、気流分散型のレーザー式粒度分布計(JOEL社製、HELOS)で測定できる。
本発明において、硬化性樹脂に対して硬化剤の反応性が高いとは、硬化剤と硬化性樹脂との反応開始温度が低い、あるいは、反応速度が速いということを意味している。反応開始温度に関しては、反応性の異なる2種の硬化剤を比較した場合に、反応性が高い硬化剤が、反応性の低い硬化剤より、10℃以上低いことが好ましく、20℃以上低いことが更に好ましい。反応開始温度に関しては、本発明に用いる硬化性樹脂と硬化剤を平均配合量で混合し、DSC等で測定することができる。
反応速度に関しては、温度を変えた条件で反応率を測定し、アレニウスプロット等の方法を用いて測定することができる。反応速度に関しては、10%以上速いことが好ましく、20%以上速いことが更に好ましい。たとえば、保存性を高めるためのカプセル化を施していない硬化剤は、カプセル化しているものよりも反応性が高い。
また、通常の製法では、硬化剤を予め、絶縁性接着剤溶液中に配合する方式をとる場合が多いが、その場合は、溶剤の影響を無視できず、絶縁性接着剤溶液中での硬化剤と硬化性樹脂との反応等の懸念から使用可能な潜在性付与方法に制限があった。また、溶剤乾燥時の加熱による硬化剤と硬化性樹脂との反応の懸念から硬化剤の種類に制限があった。本発明の回路接着シートの製造方法では、既に溶剤を含まない状態の絶縁性接着シートへ、乾式で硬化剤を転写する方法も可能である。従って、溶剤に対する使用可能な潜在性付与の材料、構成の制限も少なく、その効果を発揮することができる。
次いで本発明の回路接着シートについて説明する。
回路接着シートの厚みは2μm以上40μm以下であることが好ましく、5μm以上30μm以下であることがより好ましい。機械的接続強度の観点から2μm以上が好ましく、接続時の絶縁性樹脂の流動による絶縁性樹脂の流れ出し量が過剰となることを防止する観点から40μm以下であることが好ましい。
本発明の回路接着シートにおいて、該回路接着シートの厚み方向に対して、硬化剤粒子の存在している位置は、焦点方向の変位を測定できるレーザー顕微鏡により測定することができる。またこのとき同時に、硬化剤粒子の個数を測定することもできる。前記レーザー顕微鏡を用いて焦点方向の変位を測定する場合、その変位測定分解能は0.1μm以下であることが好ましく、0.01μm以下であることが特に好ましい。
本発明の回路接着シートに導電性粒子を配合する場合、導電性粒子の平均粒径は回路接着シートのシート厚の1/10〜1倍が好ましい。
次に、回路接着シートの製造方法について説明する。
本発明の回路接着シートの製造方法としては、平滑な板上に硬化剤を散布して分散させ、この分散させた硬化剤を少なくとも硬化性樹脂を含む接着シートに転写する方法を用いることができる。
硬化剤粒子を散布する方法としては、硬化剤粒子を除電処理して散布することが好ましい。除電処理の方法は、例えば、散布装置の粒子吹き出し口にアースをとることによって行われる。このとき用いる平滑な板としては、ガラス板、テフロン(登録商標)板、金属板等を用いることができる。
硬化剤粒子の移動、凝集を防止するため、平滑な板上に粘着層を形成することが好ましく、接着シートへの硬化剤粒子の転写を容易にするため、弱粘着性の粘着層を設けることが好ましい。粘着剤としては、天然ゴム系、合成ゴム系、シリコーン系の粘着剤を用いることができる。粘着層の厚みは、1μmから10μmの範囲が好ましく、2μmから5μmの範囲がより好ましい。粘着層の厚みが薄すぎる場合は、粘着効果が不足し、厚すぎる場合は、転写が不充分となる。連続処理する場合は、粘着層を形成したフィルムを用いて、平滑な板上で転写することが好ましい。
本発明の回路接着シートは、回路接着シートの片側表面から一部の硬化剤粒子の一部分が露出していても差し支えない。
本発明の回路接着シートのより好ましい製造方法としては、2軸延伸可能なフィルム又はシート上に、粘着層を形成し、その上に硬化剤粒子を単層配列し、それらを延伸することにより、該硬化剤粒子を分散配列させ、延伸した状態を保った状態で、少なくとも硬化剤及び硬化性の絶縁性樹脂からなる接着シートに転写させる方法がある。
2軸延伸可能なフィルムまたはシートとしては、公知の樹脂フィルム等を用いることができるが、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂等の単独あるいは共重合体等、又は、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、シリコーンゴム等のゴムシート等の柔軟で延伸可能な樹脂フィルムを用いることが好ましい。ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂が特に好ましい。延伸後の収縮率は10%以下になることが好ましい。
2軸延伸可能なフィルムまたはシート上に硬化剤粒子を単層配列し、固定する方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、少なくとも熱可塑性樹脂を含む粘着層を該2軸延伸可能なフィルム上に形成し、その上に硬化剤粒子を接触させて付着させ、ゴムロール等で荷重をかけて単層に配置する方法を採ることができる。この場合、隙間無く充填するためには、付着−ロール操作を数回繰り返す方法が好ましい。球状の硬化剤粒子の場合、最密充填が最も安定した構造なので比較的容易に充填することができる。あるいは、該2軸延伸可能なフィルム上に粘着剤を塗布して接着層を形成し、その上に硬化剤粒子を付着させ、必要なら数回付着を繰り返し、単層で分散配置する方法等を用いることができる。
粘着層の厚みは、使用する硬化剤粒子の平均粒径の1/50から3倍の範囲が好ましく、1/10から2倍の範囲がより好ましい。硬化剤粒子付着時及び延伸時に硬化剤粒子を保持する観点から、粘着層の厚みは該硬化剤粒子の平均粒径の1/50以上が好ましく、延伸後の接着シートへの粒子転写の観点から3倍以下が好ましい。粘着層形成方法としては、粘着剤を溶剤又は水に分散又は溶解したものを、グラビアコーター、ダイコーター、ナイフコーター、バーコーター等の公知の方法で塗布し、乾燥する方法を用いることができる。ホットメルトタイプの粘着剤を使用する場合は、無溶剤でロールコートすることができる。
粘着層に使用する粘着剤は、公知のものを使用することができるが、加熱しながら2軸延伸する場合は、非熱架橋性の粘着剤を用いることが好ましい。具体的には、天然ゴムラテックス系粘着剤、合成ゴムラテックス系粘着剤、合成樹脂エマルジョン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体粘着剤等を単独で、又は組み合わせて用いることができる。
該硬化剤粒子を粘着層に付着させるにあたっては、ほぼ隙間無く単層に配置すること(密集充填)が好ましい。密集充填する方法としては、前述の、2軸延伸可能なフィルム上に硬化剤粒子を分散配列し、固定する方法を用いることができる。なお、密集充填とは、充填された硬化剤粒子間の平均粒子間隔が、平均粒径の1/2以下であるように充填することをいうものとする。より好ましくは、充填された粒子間の平均粒子間隔が、平均粒径の1/5以下である。
硬化剤粒子を単層配列させた2軸延伸可能なフィルムを延伸させる方法としては、公知の方法を用いることができるが、均一分散配列という点から、2軸延伸装置を用いることが好ましい。粒子間隔の点から延伸度合いは、50%以上、1000%以下であることが好ましく、50%以上、300%以下であることがより好ましい。なお、100%延伸するとは、延伸方向に沿って延伸した部分の長さが延伸前の長さの100%であることを言う。延伸方向は、任意であるが、延伸角度が90°の2軸延伸が好ましく、同時延伸が好ましい。2軸延伸の場合、各方向の延伸度合いは同じであっても異なっていても構わない。
2軸延伸後のフィルムの膜厚は、転写する接着性シート及び接着性シートのベースフィルムの膜厚を合計した厚みの1/10から1倍であることが好ましく、1/5から1/2であることが特に好ましい。延伸後のフィルムのハンドリング性の観点から、1/10以上であることが好ましく、延伸後の接着性シートへの硬化剤粒子転写の観点から1倍以下であることが好ましい。
2軸延伸装置としては、同時2軸連続延伸装置が好ましい。
同時2軸連続延伸装置としては、公知のものを使用することができるが、長辺側をチャック金具で固定し、それらの間隔を縦横同時に延伸することにより連続延伸するテンター型延伸機が好ましい。延伸度を調整する方式としては、スクリュー方式、パンタグラフ方式を用いることが可能だが、調整の精度の観点から、パンタグラフ方式がより好ましい。加熱しながら延伸する場合は、延伸部分の手前に予熱ゾーンを設けて、延伸部分の後方に熱固定ゾーンを設けることが好ましい。好ましくは、2軸延伸可能なフィルムは長尺のフィルムであり、接着シートも長尺の接着シートである。本願明細書において長尺とは長さが10m以上であることを指す。長尺の接着シートを用いれば連続して接続構造体を生産することができ効率がよい。
接着シートは硬化剤及び硬化性の絶縁性樹脂を含んでなる接着層であり、この接着シートは通常は剥離可能なベースフィルム(保持フィルム)上に形成される。このため、得られる回路接着シートは、通常は剥離可能なベースフィルム上に形成される。本願明細書では、この回路接着シートとベースフィルムとの積層体を回路接着シートと言うことがある。
本発明の回路接着シートは、少なくとも硬化剤及び硬化性の絶縁性樹脂からなる単層のシートであってもよいし、さらに該シートに導電性粒子を含まず少なくとも絶縁性樹脂を含む樹脂シートを積層した複層のシートであっても構わない。
本発明の回路接着シートには、硬化剤及び硬化性の絶縁性樹脂以外に、熱可塑性樹脂等を配合しても構わない。熱可塑性樹脂を配合することにより、容易にシート状に形成することが出来る。この場合の配合量は、硬化剤及び硬化性の絶縁性樹脂を合わせた成分100質量部に対して200質量部以下であることが好ましく、100質量部以下であることが特に好ましい。
本発明の硬化性の絶縁性樹脂に配合できる熱可塑性樹脂は、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキル化セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等であり、それらから選ばれる1種を用いても良いし、2種以上の樹脂を組み合わせて用いても差し支えない。これらの樹脂の中、水酸基、カルボキシル基等の極性基を有する樹脂は、接着強度の点から好ましい。また、熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が80℃以上である熱可塑性樹脂を1種以上含むことが好ましい。
本発明の回路接着シートには、導電性粒子を配合することができる。
本発明の回路接着シートに配合する導電性粒子の平均粒径は、回路接着シートの膜厚の1/10倍から1倍の範囲であることが好ましい。
本発明において導電性粒子の平均粒径は、導電性粒子の平均直径を意味する。
回路接着シートにおける導電性粒子の配合量としては、硬化剤及び硬化性の絶縁性樹脂を合わせた成分100質量部に対して、0.5質量部から20質量部であることが好ましく、1質量部から10質量部であることが特に好ましい。絶縁性の観点から20質量部以下が好ましく、電気的接続性の観点から0.5質量部以上が好ましい。
導電性粒子としては、貴金属被覆された樹脂粒子、貴金属被覆された金属粒子、金属粒子、貴金属被覆された合金粒子及び合金粒子の中から選ばれた1種以上を用いることが好ましい。
貴金属被覆された樹脂粒子としては、ポリスチレン、ベンゾグアナミン、ポリメチルメタアクリレート等の球状粒子にニッケル、および金をこの順に被覆したものを用いることが好ましい。
接続する微細接続端子(バンプ)硬度に応じて、より柔軟な樹脂粒子を用いて貴金属被覆された樹脂粒子を形成することができる。
接続するバンプ硬度がビッカース硬度で50Hv未満である場合は、ポリメタアクリレート樹脂等の柔軟な樹脂粒子を用いることが好ましい。また、バンプ硬度が50Hv以上である場合は、ベンゾグアナミン樹脂等の硬質樹脂粒子を用いることが好ましい。
貴金属被覆された金属粒子としては、ニッケル、銅等の金属粒子に金、パラジウム、ロジウム等の貴金属を最外層に被覆したものを用いることが好ましい。被覆する方法としては、蒸着法、スパッタリング法等の薄膜形成法、乾式ブレンド法によるコーティング法、無電解めっき法、電解めっき法等の湿式法を用いることができる。量産性の点から、無電解めっき法が好ましい。
金属粒子としては、銀、銅、ニッケル等の金属から選ばれるものを用いることが好ましい。合金粒子としては、融点が150℃以上500℃以下のものが好ましく、さらには150℃以上350℃以下の低融点合金粒子を用いることがより好ましい。融点が500℃以下であると、接続端子間に金属結合を形成することも可能であり、接続信頼性の点から好ましい。また、耐熱接続信頼性の観点から、融点が150℃以上であることが好ましい。
貴金属被覆された合金粒子としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、錫、亜鉛、ビスマス、インジウム等から選ばれた2種以上からなる合金粒子に上記方法等を用いて貴金属被覆したものを用いることができる。
合金粒子としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、錫、亜鉛、ビスマス、インジウム等から選ばれた2種以上からなる合金粒子が好ましい。融点が150℃以上500℃以下の合金粒子を用いる場合は、予め粒子表面にフラックス等を被覆しておくことが好ましい。いわゆるフラックスを用いることにより、表面の酸化物等を取り除くことができ好ましい。フラックスとしては、アビエチン酸等の脂肪酸等を用いることができる。
導電性粒子の平均粒径と最大粒径の比は2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。該導電性粒子の粒度分布はより狭いほうが好ましく、該導電性粒子の粒径分布の幾何標準偏差は、1.2〜2.5であることが好ましく、1.2〜1.4であることが特に好ましい。幾何標準偏差が上記値であると粒径のバラツキが小さくなる。通常、接続する2端子間に一定のギャップが存在する場合には、粒径が揃っているほど、導電性粒子が有効に機能すると考えられる。
粒度分布の幾何標準偏差とは、粒度分布のσ値(累積84.13%の粒径値)を累積50%の粒径値で除した値である。粒度分布のグラフの横軸に粒径(対数)を設定し、縦軸に累積値(%、累積個数比、対数)を設定すると粒径分布はほぼ直線になり、粒径分布は対数正規分布に従う。累積値とは全粒子数に対して、ある粒径以下の粒子の個数比を示したもので、%で表す。粒径分布のシャープさはσ(累積84.13%の粒径値)と平均粒径(累積50%の粒径値)の比で表現される。σ値は実測値あるいは、前述グラフのプロット値からの読み取り値である。
平均粒径及び粒度分布は、公知の方法、装置を用いて測定することができ、湿式粒度分布計、レーザー式粒度分布計等を用いることができる。あるいは、電子顕微鏡等で粒子を観察し、平均粒径、粒度分布を算出しても構わない。
導電性粒子の平均粒径は、回路接着シートのシート厚の1/10〜1倍が好ましく、より好ましくは1/10〜1/2倍、更に好ましくは1/10〜1/3倍である。
本発明の回路接着シートは、上記構成成分に添加剤を配合しても差し支えない。
回路接着シートと被着物との密着性を向上させるために、添加剤として、カップリング剤を配合することができる。該カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミカップリング剤等を用いることができるが、シランカップリング剤が好ましい。該シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン等を用いることができる。
該カップリング剤の配合量は硬化剤および硬化性の絶縁性樹脂を合わせた成分100質量部に対して、0.01質量部から1質量部が好ましい。密着性向上の観点から0.01質量部以上が好ましく、信頼性の観点から1質量部以下が好ましい。
さらに、吸湿時において、回路接着シート中のイオン性成分による絶縁性低下を防止するため、添加剤としてイオン捕捉剤を配合することができる。該イオン捕捉剤としては、有機イオン交換体、無機イオン交換体、無機イオン吸着剤等を用いることができるが、耐熱性に優れる無機イオン交換体が好ましい。該無機イオン交換体としては、ジルコニウム系化合物、ジルコニウムビスマス系化合物、アンチモンビスマス系化合物、マグネシウムアルミニウム化合物を用いることができる。交換するイオンのタイプとしては、陽イオンタイプ、陰イオンタイプ、両イオンタイプがあるが、イオンマイグレーション直接の原因になる金属イオン(陽イオン)、電気伝導度を上昇させ、金属イオンの生成原因になる陰イオンを両方とも交換できるため両イオンタイプが好ましい。
配合する該イオン捕捉剤の平均粒径は、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.01μm以上1μm以下であることがより好ましい。
イオン捕捉剤の配合量としては、樹脂成分100質量部に対して0.01質量部から3質量部であることが好ましい。配合量が0.01質量部未満の場合は、イオン捕捉効果が不充分であり、電気的接続の観点から3質量部以下が好ましい。
次に、微細接続端子を有する電子回路部品とそれに対応する回路を有する回路基板とを回路接着シートで電気的に接続する、本発明の接続方法を説明する。該接続方法において、該電子回路部品とそれに対応する回路を有する回路基板とは、本発明の回路接着シートを用いて電気的に接続する。
本発明の回路接着シートの硬化剤濃度の高い面を、相対的に配線高さの低い回路基板側に接触させ、相対的に配線高さの高い回路部品側から熱圧着することにより、接続することが好ましい。
硬化剤濃度の高い面を相対的に配線高さの低い回路基板面に配置することにより、より接続強度を高め、信頼性を高めることができる。
回路接着シートの膜厚は、接続する配線高さの和の1倍〜2倍であることが好ましい。微細接続構造体の機械的強度の観点から1倍以上が好ましく、接続時に回路接着シートの樹脂流動による過剰な樹脂のはみ出しを防ぐという観点から2倍以下であることが好ましい。
本発明において、回路接着シートは、硬化剤及び硬化性の絶縁性樹脂を含んでなる接着層であり、この接着シートは通常は剥離可能なベースフィルム(保持フィルム)上に形成される。このため、得られる回路接着シートは、通常は剥離可能なベースフィルム上に形成される。
本願明細書では、この回路接着シートとベースフィルムとの積層体をも回路接着シートと言うことがある。
本発明はまた、上記微細接続方法により接続された微細接続構造体にも関する。
本発明の微細接続構成体を構成する回路基板の材質は、有機基板でも無機基板でも、差し支えない。有機基板としては、ポリイミドフィルム基板、ポリアミドフィルム基板、ポリエーテルスルホンフィルム基板、エポキシ樹脂をガラスクロスに含浸させたリジッド基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂をガラスクロスに含浸させたリジッド基板等を用いることができる。無機基板としては、シリコン基板、ガラス基板、アルミナ基板、窒化アルミ基板等を用いることができる。配線基板の配線材料は、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物等の無機配線材料、金メッキ銅、クロム−銅、アルミニウム、金バンプ等の金属配線材料、アルミニウム、クロム等の金属材料でインジウム錫酸化物等の無機配線材料を覆った複合配線材料等を用いることができる。
本発明の回路接着シートを適用する用途、あるいは本発明の微細接続構造体を構成する電子回路部品としては、液晶ディスプレイ機器、プラズマディスプレイ機器、エレクトロルミネッセンスディスプレイ機器等の表示機器の配線板接続用途および、それら機器のLSI等の電子部品実装用途、その他の機器の配線基板接続部分、LSI等の電子部品実装用途に使用することができる。上記表示機器の中でも、信頼性を必要とされるプラズマディスプレイ機器、エレクトロルミネッセンスディスプレイ機器に用いるのが好ましい。
次に、実施例および比較例によって本発明を説明する。
[実施例1]
フェノキシ樹脂(ガラス転移温度98℃、数平均分子量14000)35g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190、25℃粘度、14000mPa・S)28g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.4gを酢酸エチル−トルエンの混合溶剤(混合比1:1)に溶解し、固形分50%溶液とする。
マイクロカプセル型潜在性イミダゾール硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(マイクロカプセルの平均粒径4μm、活性温度125℃、硬化剤含有量12g)37gを前記固形分50%溶液に配合分散させた。その後、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ベースフィルム)上に塗布し、60℃で10分間送風乾燥し、膜厚20μmのフィルム状の接着シートを得た。接着シート中における硬化剤濃度は11.9重量%であり、平均含有量は2.62g/mであった。
厚さ40μmの無延伸ポリエチレンフィルム上に、粘着層としてニトリルゴムラテックス−メチルメタアクリレートのグラフト共重合体接着剤を3μmの厚みで塗布したものに、前記マイクロカプセル型潜在性イミダゾール硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂より反応性の高い硬化剤として、平均粒径4.0μmのアミンアダクト(エポキシ樹脂とイミダゾールの付加体、軟化点105℃、真密度1.21g/cm)ほぼ隙間無く単層塗布した。すなわち、該硬化剤粒子を該フィルム上にほぼ敷き詰めるように散布し、過剰な硬化剤粒子を軟質ゴムからなるスクレバーで掻き落とした。この操作を2回繰り返すことにより、隙間無く単層塗布した硬化剤粒子付着フィルムを得た。
このフィルムを2軸延伸装置(東洋精機製X6H−S、パンタグラフ方式のコーナーストレッチ型の2軸延伸装置)を用いて縦横にそれぞれ10個のチャックを用いて固定し、その後20%/秒の速度で100%延伸して固定した。その後、この延伸フィルムに前記接着シートをラミネートした後、剥離し、回路接着シートを得た。
使用した硬化剤粒子は、ほぼすべて、回路接着シートへ転写された。
得られた回路接着シート中の硬化剤粒子のうち、無作為に100個を選び、焦点方向の変位を測定できるレーザー顕微鏡(キーエンス社製、VK9500、形状測定分解能0.01μm)を用いて、回路接着シート表面からの距離を測定した。その結果、移行した硬化剤は、全て転写面からシートの厚み方向にシート厚の1/3の領域における接着シート中に存在した。移行した硬化剤量は1.2g/mであり、転写面からシートの厚み方向にシート厚の1/3の領域における接着シート中の硬化剤濃度は、24.4重量%であり、それ以外の領域の濃度の2.05倍であった。
[実施例2]
フェノキシ樹脂(ガラス転移温度98℃、数平均分子量14000)37g、ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量136、半固形)37g、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン0.06gを酢酸エチル−トルエンの混合溶剤(混合比1:1)に溶解し、固形分50%溶液とする。
マイクロカプセル型潜在性イミダゾール硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(マイクロカプセルの平均粒径5μm、活性温度125℃、硬化剤含有量8.6g)26g、前記固形分50%溶液に配合分散させる。その後、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、60℃で15分間送風乾燥し、膜厚20μmのフィルム状の接着シートを得た。
接着シート中における硬化剤濃度は8.56重量%であり、平均含有量は1.88g/mであった。
厚さ45μmの無延伸ポリエチレンフィルム上に実施例1と同じニトリルゴムラテックス−メチルメタアクリレートのグラフト共重合体接着剤を3μm塗布したものに平均粒径5μmの1,3−ビス(ヒドラジノエチル)−5−イソプロピルヒダントイン(融点120℃、真比重1.33)を実施例1と同様の方法によりほぼ隙間無く単層塗布した硬化剤粒子付着フィルムを得た。
このフィルムを実施例1と同様の方法により2軸延伸装置を用いて縦横にそれぞれ200%延伸して固定した。その後、この延伸フィルムに前記接着シートをラミネートした後、剥離し、回路接着シートを得た。
得られた回路接着シートの硬化剤粒子のうち、無作為に100個を選び、焦点方向の変位を測定できるレーザー顕微鏡(キーエンス社製、VK9500、形状測定分解能0.01μm)を用いて、回路接着シート表面からの距離を測定した。その結果、移行した硬化剤は、全て転写面からシートの厚み方向にシート厚の1/3の領域における接着シート中に存在した。移行した硬化剤量は0.73g/mであり、転写面からシートの厚み方向にシート厚の1/3の領域における接着シート中の硬化剤濃度は、16.84重量%であり、それ以外の領域の硬化剤濃度の1.97倍であった。
[実施例3]
フェノキシ樹脂(ガラス転移温度45℃、数平均分子量12000)20g、フェノキシ樹脂(ガラス転移温度98℃、数平均分子量14000)23g、ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量136、半固形)26g、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン0.1gを酢酸エチル−トルエンの混合溶剤(混合比1:1)に溶解し、固形分50%溶液とする。マイクロカプセル型潜在性イミダゾール硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(マイクロカプセルの平均粒径4μm、活性温度125℃、硬化剤含有量10.3g)31g、平均粒径3.0μmの金めっきプラスチック粒子5gを前記固形分50%溶液に配合分散させる。その後、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、60℃で15分間送風乾燥し、膜厚20μmのフィルム状の接着シートを得た。
接着シート中における硬化剤濃度は10.26重量%であり、平均含有量は2.26g/mであった。
実施例1と同様の方法によりほぼ隙間無く単層塗布した硬化剤粒子付着フィルムを得た。このフィルムを実施例1と同様の方法により2軸延伸装置を用いて縦横にそれぞれ250%延伸して固定した。その後、この延伸フィルムに前記接着シートをラミネートした後、剥離し、回路接着シートを得た。
得られた回路接着シートの硬化剤粒子のうち、無作為に100個を選び、焦点方向の変位を測定できるレーザー顕微鏡(キーエンス社製、VK9500、形状測定分解能0.01μm)を用いて、回路接着シート表面からの距離を測定した。その結果、移行した硬化剤は、全て転写面からシートの厚み方向にシート厚の1/3の領域における接着シート中に存在した。移行した硬化剤量は0.4g/mであり、転写面からシートの厚み方向にシート厚の1/3の領域における接着シート中の硬化剤濃度は、14.85重量%であり、それ以外の領域の硬化剤濃度の1.44倍であった。
[比較例1]
フェノキシ樹脂(ガラス転移温度98℃、数平均分子量14000)35g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190、25℃粘度、14000mPa・S)28g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.3gを酢酸エチル−トルエンの混合溶剤(混合比1:1)に溶解し、固形分50%溶液とする。
マイクロカプセル型潜在性イミダゾール硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(マイクロカプセルの平均粒径5μm、活性温度125℃、硬化剤含有量12g)37g、を前記固形分50%溶液に配合分散させた。
その後、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、60℃で15分間送風乾燥し、膜厚20μmのフィルム状の回路接着シートを得た。回路接着シート中における硬化剤濃度は11.9重量%であり、平均含有量は2.62g/mであった。
[比較例2]
フェノキシ樹脂(ガラス転移温度45℃、数平均分子量12000)42g、ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量136、半固形)32g、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン0.06gを酢酸エチル−トルエンの混合溶剤(混合比1:1)に溶解し、固形分50%溶液とする。
マイクロカプセル型潜在性イミダゾール硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(マイクロカプセルの平均粒径5μm、活性温度125℃、硬化剤含有量8.6g)26g、平均粒径3.0μmの金めっきプラスチック粒子6.0gを前記固形分50%溶液に配合分散させた。
その後、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、60℃で15分間送風乾燥し、膜厚20μmのフィルム状の回路接着シートを得た。回路接着シートにおける硬化剤濃度は8.1重量%であり、平均含有量は1.85g/mであった。
(接続抵抗値測定方法)
厚み1.1mmのガラス基板上に配線幅80μm、配線ピッチ200μmのインジウムスズ酸化物(ITO、シート抵抗25Ω)配線を200本形成し、その配線上に、アルミ配線(チタン1重量部含む、5000Å)を形成する。この基板上に幅2mmの回路接着シートを仮張りし、2.5mm幅の圧着ヘッドを用いて、80℃、0.3MPa、3秒間加圧した後、ポリエチレンテレフタレートのベースフィルムを剥離する。そこへ、配線幅100μm、配線ピッチ200μm、厚み18μmの銅配線にニッケル1μm、金0.02μmのメッキを施した回路を200本有するフレキシブルプリント配線板(材質ポリイミド樹脂、厚み25μm)を配線位置を合わせて仮接続した後、160℃、5秒間、5MPa加圧圧着する。圧着後、接続端子間の抵抗値を四端子法の抵抗計で抵抗測定する。測定数20箇所の平均抵抗値を接続抵抗値とする。
(環境試験)
接続抵抗値測定法と同様にして、ガラス基板とフレキシブルプリント配線板を、回路接着シートを用いて圧着接続する。圧着後、圧着した基板を60℃、95%相対湿度中に250時間保持した後に取り出し、25℃、50%相対湿度環境中に1時間放置する。その後、接続抵抗値測定法と同様にして、接続抵抗値を測定し、環境試験後接続抵抗値とする。同じ基板のフレキシブルプリント配線板を幅10mmに切断し、インストロン(SHIMADU AGS−50A)を用いて90°ピール強度を測定する。引張り速度は50mm/分で行う。ピール強度が7.84N/cm以上のものを○、7.84N/cm未満のものを×とする。
(保存性)
回路接着シートを35℃の恒温室に3日間保存し、その後、接続抵抗測定法と同様にして圧着接続し、前記環境試験と同様にして、ピール強度を測定し、ピール強度が7.84N/cm以上のものを○、7.84N/cm未満のものを×とする。
以上の結果を表1に示す。
本実施例において、接続抵抗値測定法は、初期の電気的接続性を示す。
環境試験においては、接続抵抗値は電気的接続性の信頼性を示し、ピール強度は、接着強度の信頼性を示す。
表1において、実施例1〜3は、接続抵抗値及び環境試験後の抵抗値が低く、電気的接続性が良好であることを示している。環境試験後においてもピール強度が高いことより、接着強度が高いことがわかる。また、保存後のピール強度が、保存前の強度を維持していることより、保存性が良好であることがわかる。
表1に示すように、実施例1及び2では、導電性粒子は存在しないが、金属電極同士の食い込みにより、接触によって接続することが可能であった。
また、(接続抵抗値測定方法)の圧着条件は、160℃、5秒間、5MPa加圧で行っているが、170〜190℃、10〜15秒、5MPa加圧が一般的な条件であるため、低温、短時間での実施となる。
Figure 2007035897
本発明の回路接着シートは、低温、短時間接続性、接続信頼性に優れ、微細回路接続が求められる高精細なディスプレイ装置等の接続材料として好適である。

Claims (8)

  1. 少なくとも硬化剤及び硬化性の絶縁性樹脂からなる回路接着シートであって、回路接着シートの片側表面から厚み方向に沿ってシート厚の1/3倍の領域の硬化剤濃度が、それ以外の領域の硬化剤濃度の1.1〜10倍であることを特徴とする回路接着シート。
  2. 硬化性の絶縁性樹脂との反応性が異なる少なくとも2種の硬化剤を含み、かつ回路接着シートの片側表面から厚み方向に沿ってシート厚の1/3倍の領域に、最も反応性の高い硬化剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の回路接着シート。
  3. 少なくとも硬化剤の1種が固形の硬化剤であり、その平均粒径が回路接着シートのシート厚の1/50倍以上1/3倍以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の回路接着シート。
  4. 回路接着シートの平均膜厚の1/10〜1倍の平均粒径の導電性粒子を配合してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の回路接着シート。
  5. 少なくとも硬化剤と硬化性の絶縁性樹脂とを含む接着シートに、転写媒体表面に分散した状態で存在する固形の硬化剤を転写することにより回路接着シートを得ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の回路接着シートの製造方法。
  6. 2軸延伸可能なフィルム上に粘着層を設けて積層体を形成し、該積層体の上に固形の硬化剤を付着させて固形硬化剤付着フィルムを作製し、該固形硬化剤付着フィルムを50%から1000%の範囲内で2軸延伸して保持し、少なくとも硬化剤と硬化性の絶縁性樹脂とを含んでなる接着シートに該固形硬化剤を転写することによって硬化剤濃度の高い領域を有する回路接着シートを作製する工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の回路接着シートの製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の回路接着シートの硬化剤濃度の高い面を回路基板側に接触させて電子回路部品と回路基板とを接続することを特徴とする微細接続構造体の接続方法。
  8. 請求項7に記載の微細接続構造体の接続方法により接続された電子回路部品と回路基板とを含むことを特徴とする微細接続構造体。
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