JP2007035750A - 半導体ウエハ加工用粘着テープおよび半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体ウエハ加工用粘着テープおよび半導体装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007035750A
JP2007035750A JP2005213926A JP2005213926A JP2007035750A JP 2007035750 A JP2007035750 A JP 2007035750A JP 2005213926 A JP2005213926 A JP 2005213926A JP 2005213926 A JP2005213926 A JP 2005213926A JP 2007035750 A JP2007035750 A JP 2007035750A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor wafer
adhesive tape
processing
weight
semiconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005213926A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatoshi Isobe
雅俊 磯部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2005213926A priority Critical patent/JP2007035750A/ja
Publication of JP2007035750A publication Critical patent/JP2007035750A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Dicing (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

【課題】薄型の半導体素子や異型(長尺)の半導体素子を製造する際に好適に用いることが可能な半導体ウエハ加工用粘着テープ及び半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】フィルム基材1の一方面側に、主として酢酸ビニルモノマーの重合体を含むベース樹脂と、少なくとも1種以上のエネルギー線硬化型樹脂と、架橋剤とを含む樹脂組成物で構成されている粘着層2を有し、半導体ウエハに貼着して使用される半導体ウエハ加工用粘着テープ10であって、前記ベース樹脂100重量部に対して前記架橋剤を8重量部以上含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウエハ加工用粘着テープおよび半導体装置の製造方法に関する。
従来、半導体装置を製造する工程において、半導体ウエハを切断する際に半導体ウエハ加工用の粘着テープが用いられている。この粘着テープは、半導体ウエハに貼り付け、ダイシング、エキスパンド等を行い、半導体ウエハを切断して得られた半導体素子をピックアップするために用いられる。
この粘着テープは半導体ウエハに貼り付ける際には所定の粘着力を有しているが、半導体素子をピックアップする前には粘着力を低下させて半導体素子のピックアップを容易としている。粘着力を低下させる手法には、紫外線等を粘着剤層に照射し、粘着剤層を重合硬化反応させ、粘着力を低下させる方法が知られている(例えば特許文献1、2参照)。
最近の技術動向としてはチップの薄型、小型化が進んでおり、粘着特性においてますます厳しいものが要求されてきている。そのため、従来から用いられていた半導体ウエハ加工用粘着テープでは適用する半導体ウエハの種類によってウエハマウント、ダイシングといった各工程における条件を一定に保つことが非常に困難となっている。
特に厚さが200μm程度以下の薄型の半導体素子では、ピックアップする際にニードルが突き刺さったり、「半導体素子のしなり」によって、チップが割れてしまったりする場合があった。
また、液晶ドライバ等に用いられるような半導体ウエハでは、例えば1mm×15mm、2mm×20mm等の異型(長尺)の半導体素子が必要となっている。そのため、半導体素子と粘着テープとの接着面積が大きくなり、ピックアップ時の半導体素子の傾きが生じてしまう場合があった。
特開昭60−196956号公報 特開昭60−223139号公報
本発明の目的は、条件の異なる半導体素子を製造する際に適用可能な半導体ウエハ加工用粘着テープを提供することを目的とするものであり、特に薄型の半導体素子や異型(長尺)の半導体素子を製造する際に好適に用いることが可能な半導体ウエハ加工用粘着テープを提供するものである。
また、本発明の別の目的は、上述の半導体ウエハ加工用粘着テープを用いた半導体装置の製造方法を提供するものである。
このような目的は、下記(1)〜(12)に記載の本発明により達成される。
(1)フィルム基材の一方面側に、主として酢酸ビニルモノマーの重合体を含むベース樹脂と、少なくとも1種以上のエネルギー線硬化型樹脂と、架橋剤とを含む樹脂組成物で構成されている粘着層を有し、半導体ウエハに貼着して使用される半導体ウエハ加工用粘着テープであって、前記ベース樹脂100重量部に対して前記架橋剤を8重量部以上含有することを特徴とする半導体ウエハ加工用粘着テープ。
(2)前記ベース樹脂は、アクリル系モノマーおよび前記酢酸ビニルモノマーとの共重合体である上記(1)に記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
(3)前記ベース樹脂は、アクリル系モノマー、前記酢酸ビニルモノマーおよび官能基含有モノマーとの共重合体である上記(1)または(2)に記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
(4)前記酢酸ビニルモノマーの重合体の含有量は、前記ベース樹脂全体の50〜90重量%である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
(5)前記エネルギー線硬化型樹脂は、分子量の異なる2つ以上のエネルギー線硬化型樹脂の混合物である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
(6)前記エネルギー線硬化型樹脂は、第1エネルギー線硬化型樹脂と、前記第1エネルギー線硬化型樹脂よりも重量平均分子量が高い第2エネルギー線硬化型樹脂とを含んでいるものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
(7)前記ベース樹脂100重量部に対して、前記エネルギー線硬化型樹脂が80〜130重量部である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
(8)JIS Z 0237に準じて測定する24時間後の保持力が、10mm以下である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
(9)製造後7日間以上経過した後の前記半導体ウエハ加工用粘着テープを前記半導体ウエハに貼着して20分間経過後の半導体ウエハに対する粘着力をA[cN/25mm]とし、該半導体ウエハ加工用粘着テープに200mJ/cm2の紫外線照射した直後の半導体ウエハに対する粘着力をB[cN/25mm]としたときの比(A/B)は、5〜30である上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
(10)製造後7日間以上経過した後の前記半導体ウエハ加工用粘着テープを前記半導体ウエハに貼着して20分間経過後の該半導体ウエハに対する粘着力をA[cN/25mm]とし、貼着してから常温、常圧で暗所に30日間以上放置後の該半導体ウエハに対する粘着力をB1[cN/25mm]としたときに、粘着力の差(B1−A)が、100[cN/25mm]以下となるものである上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
(11)前記粘着力Aは、50〜300[cmN/25mm]である上記(10)に記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
(12)上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の半導体ウエハ加工用粘着テープを用いることを特徴とする半導体装置の製造方法。
本発明によれば、条件の異なる半導体素子を製造する際に適用可能な半導体ウエハ加工用粘着テープを提供することができ、特に薄型の半導体素子や異型(長尺)の半導体素子を製造する際に好適に用いることが可能な半導体ウエハ加工用粘着テープを提供することができる。
また、前記ベース樹脂としてアクリル系モノマーと、酢酸ビニルモノマーとの共重合体を用いる場合、硬さ、粘着力、凝集力およびタックのバランスに優れる粘着層を得ることができる。
また、前記ベース樹脂100重量部に対して、前記エネルギー線硬化型樹脂が80〜130重量部とした場合、エネルギー線照射後の粘着力を適度に低下することができ、半導体素子のピックアップ性を特に向上することができる。
以下、本発明の半導体ウエハ加工用粘着テープおよび半導体装置の製造方法について詳細に説明する。
本発明の半導体ウエハ加工用粘着テープは、フィルム基材の一方面側に、主として酢酸ビニルモノマーの重合体を含むベース樹脂と、少なくとも1種以上のエネルギー線硬化型樹脂と、架橋剤とを含む樹脂組成物で構成されている粘着層を有し、半導体ウエハに貼着して使用される半導体ウエハ加工用粘着テープであって、前記ベース樹脂100重量部に対して前記架橋剤を8重量部以上含有することを特徴とする。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、上記に記載の半導体ウエハ加工用粘着テープを用いることを特徴とする。
まず、半導体ウエハ加工用粘着テープについて添付する図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、半導体ウエハ加工用粘着テープを模式的に示す断面図である。
図1に示すように、半導体ウエハ加工用粘着テープ10は、フィルム基材1と、フィルム基材1の一方の面側に設けられた粘着層2とで構成されている。
フィルム基材1は、粘着層2を支持する機能を有している。また、半導体ウエハをダイシングした後のエキスパンド工程で機械的強度を保持する機能をも有している。
フィルム基材1を構成する材料は、紫外線、電子線等のエネルギー線を透過するものであれば特に限定されない。具体的にはポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のオレフィン系共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポチエチレンテレフタレート系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ビニルイソプレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂およびこれらの熱可塑性樹脂の混合物を用いることができる。これらの中でもポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートから選ばれる1種以上が好ましく、特にオレフィン系共重合体とスチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーとの混合物が好ましい。これにより、フィルム基材1を透明にすることができ、それによってエネルギー線の照射による粘着層2の硬化を容易にすることができる。さらに、後述する図5に示すような半導体ウエハ加工用粘着テープ10をエキスパンドした時の半導体ウエハ加工用粘着テープ10の緩みを防止することができる。
フィルム基材1の厚さは、特に限定されないが、50〜150μmが好ましく、特に80〜120μmが好ましい。厚さが前記範囲内であると、特に作業性に優れる。
また、フィルム基材1としては、後述する粘着層2を構成する材料と反応する官能基(例えばヒドロキシル基、カルボキシル基等)を有していることが好ましく、さらにフィルム基材1と粘着層2との密着性を向上するために、フィルム基材1の表面をコロナ処理、アンカーコート等で表面処理することが好ましい。
このようなフィルム基材1の一方面側(図1中の上側)に、粘着層2が設けられる。粘着層2は、初期は半導体ウエハ5に粘着する機能を有しており、半導体ウエハ5を切断した後は容易に剥離可能となる機能を有している。
このような機能を有するために、粘着層2は次のようなもので構成されている。
前記ベース樹脂は、主として酢酸ビニルモノマーの重合体を含む。これにより、粘着層2の凝集力を向上することができる。これにより、半導体ウエハ加工用粘着テープ10のせん断強度を向上することができる。せん断強度が向上すると、後述するエキスパンド工程においてリングと半導体加工用ウエハ粘着テープ10とのズレが生じ難くなる。
前記ベース樹脂は、アクリル系モノマーと、前記酢酸ビニルモノマーとの共重合体であることが好ましく、特に前記アクリル系モノマーと、前記酢酸ビニルモノマーと、官能基含有モノマーとの共重合体であることが好ましい。これにより、粘着層2の硬さ、粘着力および凝集力、タックとのバランスに優れる粘着層2を得ることができる。これにより、半導体ウエハ貼着後の経過時間と粘着特性のバランスが実使用上の作業性に合致することができ、それによって作業効率を向上させることができる。
前記アクリル系モノマーとしては、例えばアクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、エチルアクリレート、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。これらの中でもエチルアクリレート、ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートの中から選ばれた1種以上が好ましい。これにより、良好な粘着性に加えて、凝集力の制御が可能となる。さらに、他成分との相溶性を調整することが可能となる。
また、前記官能基含有モノマーとしては、例えばメタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、無水マレイン酸等が挙げられる。
前記ベース樹脂は、上述したように主として前記酢酸ビニルモノマーの重合体を含んでおり、その含有量が前記ベース樹脂全体の50重量%以上であれば特に限定されない。具体的には、前記酢酸ビニルモノマーの重合体の含有量は、前記ベース樹脂全体の55〜90重量%が好ましく、特に60〜85重量%が好ましい。これにより、粘着層2の粘着力と、凝集力とのバランスを向上することができる。また、異型の半導体素子等のピックアップを容易にすることができる。
また、前記ベース樹脂は、アクリル系モノマーの重合体を含んでいても良いが、その含有量は、特に限定されず、前記ベース樹脂全体の10〜50重量%が好ましく、特に20〜40重量%が好ましい。これにより、粘着層2の粘着力と、凝集力とのバランスを向上することができる。
また、前記ベース樹脂は、官能基含有モノマーの重合体を含んでいても良いが、その含有量は、特に限定されず、前記ベース樹脂全体の0.1〜30重量%が好ましく、特に2〜10重量%が好ましい。これにより、粘着層2の粘着力を向上することができる。
前記ベース樹脂は、特に限定されないが、少量の水酸基を有することが好ましく、具体的には前記ベース樹脂全体の3重量%以下であることが好ましく、特に1重量%以下であることが好ましい。含有量が前記範囲内であると、後述する架橋剤との反応により粘着力を適度に制御することができる。このような水酸基は、前記酢酸ビニルモノマーに由来するものであることが好ましい。
前記樹脂組成物は、少なくとも1種以上のエネルギー線硬化型樹脂を含んでいる。これにより、エネルギー線照射後の粘着力を低下させることができる。
このようなエネルギー線硬化型樹脂としては、例えば紫外線、電子線等のエネルギー線の照射によって、三次元架橋可能な重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上分子内に有する低分子量化合物が広く用いられる。そのようなエネルギー線硬化型樹脂として、具体的にはトリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート等、芳香族系、脂肪族系等のウレタンアクリレート(オリゴマー)等を挙げることができる。これらの中でもウレタンアクリレートが好ましい。これにより粘着力を向上することができる。
前記エネルギー線硬化型樹脂は、特に限定されないが、分子量の異なる2つ以上のエネルギー線硬化型樹脂であることが好ましい。これにより、エネルギー線の照射による樹脂の架橋度を制御し、ピックアップ性を向上することができる。このような、分子量の異なる2つ以上のエネルギー線硬化型樹脂としては、例えば第1エネルギー線硬化型樹脂と、前記第1エネルギー線硬化型樹脂よりも重量平均分子量が高い第2エネルギー線硬化型樹脂との組み合わせが挙げられる。
前記第1エネルギー線硬化型樹脂の重量平均分子量(Mw1)と、前記第2エネルギー線硬化型樹脂の重量平均分子量(Mw2)の比は(Mw1/Mw2)、特に限定されないが、5〜50が好ましく、特に10〜30が好ましい。比が前記範囲内であると、エネルギー線照射後の粘着層2の粘着力を低減することができ、ピックアップ性を特に向上することができる。
さて、具体的に前記第1エネルギー線硬化型樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、5,000〜30,000が好ましく、特に8,000〜15,000が好ましい。重量平均分子量が前記範囲内であると、架橋状態が最適化されると予想され、それによってピックアップ性を特に向上することができる。
また、具体的に前記第2エネルギー線硬化型樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、300〜2,000が好ましく、特に500〜1,000が好ましい。重量平均分子量が前記範囲内であると、特に半導体ウエハ5表面への濡れ性を向上することができる。
前記第1エネルギー線硬化型樹脂の含有量は、特に限定されないが、前記ベース樹脂100重量部に対して80〜130重量部が好ましく、特に90〜120重量部が好ましい。含有量が前記範囲内であると、他の成分との分散を均一にすることができ、それによってピックアップ性を特に向上することができる。
前記第2エネルギー線硬化型樹脂の含有量は、特に限定されないが、前記ベース樹脂100重量部に対して5〜30重量部が好ましく、特に10〜20重量部が好ましい。含有量が前記範囲内であると、特に架橋密度を向上することができ、それによってピックアップ性を向上することができる。
このような前記第1エネルギー線硬化型樹脂、前記第2エネルギー線硬化型樹脂、および必要に応じて第3エネルギー線硬化型樹脂等を含むエネルギー線硬化型樹脂全体の含有量は、特に限定されないが、前記ベース樹脂100重量部に対して60〜130重量部が好ましく、特に80〜120重量部が好ましい。含有量が前記範囲内であると、特にエネルギー線照射後の粘着力が適度に低下するため、半導体素子のピックアップ性を向上することができる。
このように、前記樹脂組成物では、通常の半導体ウエハ加工用粘着テープに用いられるエネルギー線硬化型樹脂の含有量よりも、多くのエネルギー線硬化型樹脂を含有することができる。これは、前記ベース樹脂が前記酢酸ビニルモノマーの重合体を主成分として有しているために初期の剛性に優れており、多くのエネルギー線硬化型樹脂を含有しても半導体ウエハ加工用粘着テープ10に要求される特性を充足することができるからである。
前記エネルギー線硬化型樹脂の重合開始を容易とするために、前記樹脂組成物にはエネルギー線重合開始剤を含んでいても良い。
前記エネルギー線重合開始剤としては、例えば2−2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノン等が挙げられる。
前記エネルギー線重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、前記ベース樹脂100重量部に対して1〜15重量部が好ましく、特に3〜10重量部が好ましい。含有量が前記範囲内であると、特にエネルギー線照射(特に紫外線照射)に対する反応効率が向上する。
本発明では、前記架橋剤を前記ベース樹脂100重量部に対して8重量部以上含有することを特徴とする。
従来の架橋剤は、ベース樹脂に対して2〜3重量部または多くても5重量部程度含有するものであった。これは、従来の半導体ウエハ加工用粘着テープでは、ベース樹脂としてアクリル系樹脂を主成分とするものであるため、多くの架橋剤を添加すると紫外線等のエネルギー線照射前の剛性が不十分となるものであった。ゆえに、エネルギー線照射後の粘着力が比較的強いものであった。そのため、サイズが10mm以上の長尺のチップや、厚さが100μm以下の薄型のチップ等ではチップをピックアップする際にチップが割れてしまうことがあった。
これに対して、本発明の半導体ウエハ加工用粘着テープ10では、ベース樹脂として前記酢酸ビニルモノマーの重合体を主として含んでいるため、前記架橋剤をベース樹脂に対して8重量部以上含有しても初期の剛性が十分維持されているものである。さらに、通常よりも多い架橋剤を含有しているため、エネルギー線照射後に、前述した長尺のチップおよび薄型のチップ等に対してもピックアップすることが容易な粘着力とすることができる。さらに、初期の高い剛性およびエネルギー線照射後に粘着力が大きく低下することにより、通常のサイズのチップから前述した特殊な形状のチップまでを1つの半導体ウエハ加工用粘着テープ10で対応することが可能となる。さらに、ベース樹脂100重量部に対して8重量部以上の架橋剤を含んでいるため、初期の粘着力の低下する割合が大きく、一度粘着力が低下した後の粘着力の経時変化が小さくなるものである。
このように、前記架橋剤の含有量は、前記ベース樹脂100重量部に対して8重量部以上であるが、9〜30重量部が好ましく、特に10〜25重量部が好ましい。含有量が前記範囲内であると、特にエネルギー線照射前の粘着力を適度な値に調整することができ、ダイシング時のチップの飛びを防止することができる。
前記架橋剤としては、例えばエポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、メチロール系架橋剤、キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、多価金属キレート系架橋剤等が挙げられる。これらの中でもイソシアネート系架橋剤が好ましい。これにより、特に半導体ウエハへの粘着層2の親和性とピックアップ性とのバランスを向上することができる。
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えば多価イソシアネートのポリイソシアネート化合物およびポリイソシアネート化合物の三量体、前記ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネート化合物の三量体または末端イソシアネートウレタンプレポリマーをフェノール、オキシム類などで封鎖したブロック化ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
多価イソシアネートの具体例としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4−4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2−4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4−4’−ジイソシアネート、ジシキウロヘキシルメタン−2−4’−ジイソシアネート等が挙げられる。これらの中でも2,4−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4−4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートの中から選ばれる1種以上が好ましい。これにより、特にイソシアネート自体の凝集と架橋のバランスを向上することができる。
前記樹脂組成物は、特に限定されないが、エネルギー線硬化重合開始剤、帯電防止剤、粘着付与剤等を含んでいても良い。
前記エネルギー線硬化重合開始剤としては、例えば2−2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノン等が挙げられる。
前記帯電防止剤としては、例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤等の界面活性剤、温度依存しないようなものとしてはカーボンブラック、銀、ニッケル、アンチモンドープスズ酸化物、スズドープインジウム酸化物等の粉体が挙げられる。
前記帯電防止剤の含有量は、特に限定されないが、前記ベース樹脂100重量部に対して10〜50重量部が好ましく、特に20〜30重量部が好ましい。含有量が前記範囲内であると、特に粘着特性と帯電防止性能とのバランスに優れる。これにより、エキスパンド時あるいはピックアップ時に発生する静電気を抑制できるため、チップの信頼性を向上することができる。
前記粘着付与剤としては、例えばロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂等が挙げられる。これにより、凝集力を高めることができ、粘着力を向上することができる。
前記粘着付与剤の含有量は、特に限定されないが、前記ベース樹脂100重量部に対して5〜30重量部が好ましく、特に10〜20重量部が好ましい。含有量が前記範囲内であると、特にピックアップ性に悪影響を及ぼさない程度にタック性を向上することができる。
前記樹脂組成物で構成される粘着層2を、フィルム基材1に形成して本発明の半導体ウエハ加工用粘着テープを得ることができる。
フィルム基材1に粘着層2を形成する方法としては、例えば前記樹脂組成物を溶剤に溶解して、コンマコーター、グラビアコーター、ダイコーター、リバースコーター等の公知の方法で塗布する方法が挙げられる。
具体的には上述の方法でフィルム基材1に前記樹脂組成物を塗布して、80〜100℃×30秒間〜10分間程度、乾燥することにより粘着層2を形成することができる。
このような粘着層2の厚さは、特に限定されないが、5〜30μmが好ましく、特に10〜20μmが好ましい。厚さが前記下限値未満であると粘着力が充分でなくダイシング時にウエハが飛散する場合があり、前記上限値を超えるとチップのピックアップが困難になる場合がある。
このようにして得られた半導体ウエハ加工用粘着テープ10のJIS Z 0237に準じて測定する24時間後の保持力は、特に限定されないが、10mm以下であることが好ましく、特に8mm以下であることが好ましく、最も0.01〜6mmが好ましい。保持力が前記範囲内であると、後述するエキスパンド工程において半導体ウエハ加工用粘着テープ10がリングからずれるのを特に防止することができる。
製造後7日間以上経過した後の半導体ウエハ加工用粘着テープ10を、半導体ウエハ5に貼着して20分経過後の半導体ウエハ5に対する粘着力をA[cN/25mm]とし、その半導体ウエハ加工用粘着テープ10に200mJ/cm2の紫外線8を照射した直後の半導体ウエハ5に対する粘着力をB[cN/25mm]としたとき、その比(A/B)は、特に限定されないが、5〜30であることが好ましく、特に10〜20であることが好ましい。比が前記範囲内であると、紫外線8を照射する前に要求される特性と紫外線8を照射した後に要求される特性の両方が特に向上する。前記範囲内であると、特に液晶ドライバ用の半導体素子を製造するために用いる半導体ウエハを加工する際に好適に用いることができる。
また、7日間以上経過した後の上記粘着力Aは経過日数により変化することがあるが、本発明での主として酢酸ビニルモノマーの重合体を含むベース樹脂と、少なくとも1種以上のエネルギー線硬化型樹脂と、架橋剤とを含む樹脂組成物で構成されている粘着層を有し、半導体ウエハに貼着して使用される半導体ウエハ加工用粘着テープであって、前記ベース樹脂100重量部に対して前記架橋剤を8重量部以上含有することにより、この変化を抑制することができる。
さらに製造後7日間以上経過した後の半導体ウエハ加工用粘着テープ10を、半導体ウエハ5に貼着してから常温、常圧で暗所に30日間以上放置後の半導体ウエハ5に対する粘着力をB1[cN/25mm]としたときに、粘着力の差(B1−A)は、特に限定されないが、100[cN/25mm]以下であることが好ましく、特に80[cN/25mm]以下であることが好ましい。粘着力の差が前記範囲内であると、ダイシング工程後の半導体素子のピックアップを一度に行なう必要が無く、複数回に分けて行なうことが容易となる。
前記粘着力Aは、特に限定されないが、50〜300[cN/25mm]が好ましく、特に80〜250[cN/25mm]が好ましい。前記粘着力Aが前記範囲内であると、エネルギー線照射後の粘着力をさらに低下することができ、薄型の半導体素子や異型の半導体素子をピックアップするのが特に容易となる。
次に、半導体装置の製造方法について説明する。
図2ないし図5に基づいて、本発明の半導体装置の製造方法について説明する。
図2に示すように、ダイサーテーブル4の上に半導体加工ウエハ用粘着テープ10を設置し、その中心部に半導体ウエハ5を設置すると共に、半導体ウエハ5の周囲にリング6を設置して半導体ウエハ5を固定する。そして、ブレード7で半導体ウエハ5を切断して、図3に示すように半導体ウエハ5を個片化する。この際、半導体ウエハ加工用粘着テープ10は、緩衝作用を有しており、半導体ウエハ5を切断する際の半導体素子の割れ、欠け等を防止している。なお、半導体ウエハ加工用粘着テープ10に半導体ウエハ5およびリング6を予め貼着した後に、ダイサーテーブル4に設置しても良い。
次に、半導体ウエハ加工用粘着テープ10をエキスパンド装置9で伸ばして、個片化した半導体ウエハ5(半導体素子)を一定間隔で開いた後にピックアップして、基板に設置する。
具体的には、まず図4に示すように個片化した半導体ウエハ5(半導体素子)を半導体ウエハ加工用粘着テープ10に搭載した状態で紫外線照射装置によって紫外線8を照射して、粘着層2を硬化させる。これにより、粘着層2を構成するエネルギー線硬化型樹脂が硬化して粘着力を低下させる。このように、半導体ウエハ5に対する半導体ウエハ加工用粘着テープ10の粘着力を低下させることで個片化された半導体ウエハ5(半導体素子)をピックアップするのが容易となる。次に、半導体ウエハ5を半導体ウエハ加工用粘着テープ10に貼着した状態でエキスパンド装置9に設置する。次に、エキスパンド装置9で半導体ウエハ加工用粘着テープ10を伸ばして個片化した半導体ウエハ5を一定間隔(A方向)に開く。そして、一定間隔に開かれた半導体ウエハ5(半導体素子)をエジェクターヘッド91のニードル92で突き上げる。
そして、半導体素子をニードル92で突き上げるとともに、真空コレット、エアピンセット等で吸着する方法によってピックアップして所定の基板等に搭載することによって半導体装置を得ることができる。
さて、このような半導体ウエハ5を個片化する際の切断サイズ(個片化された半導体ウエハの面積)は、特に限定されないが、1〜625mm2となるのが好ましく、特に4〜100mm2となるのが好ましい。サイズが前記下限値未満であるとダイシング時に飛散してしまう半導体素子の数が増えてしまう場合があり、前記上限値を超えるとピックアップ性が低下する場合がある。
また、半導体ウエハ5の厚さも特に限定されないが、100〜600μmが好ましく、特に200〜500μmが好ましい。厚さが前記下限値未満であるとピックアップ時に半導体ウエハの割れが発生しやすくなる場合があり、前記上限値を超えるとダイシング時に半導体素子が飛散しやすくなる場合がある。
本発明の半導体装置の製造方法について、添付の図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、各部の構成は同等の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
例えば、リングの形状は円形でなくても良く、照射するエネルギー線も紫外線に限定されない。
以下、本発明を実施例および比較例により、更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
1.粘着層の製造
2−エチルヘキシルアクリレート29.7重量%、酢酸ビニル69.3重量%および2−ヒドロキシエチルメタクリレート1重量%を常法によりトルエン溶媒中にて溶液重合させ重量平均分子量150,000のベース樹脂Aを得た。
このベース樹脂100重量部に対して、エネルギー線硬化型樹脂として2官能ウレタンアクリレート100重量部(三菱レイヨン社製、重量平均分子量が11,000)と、架橋剤としてトリレンジイソシアネートの多価アルコール付加体(コロネートL、日本ポリウレタン社製)15重量部と、エネルギー線重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン5重量部とを酢酸エチルに溶解した後、剥離処理したポリエステルフィルム(厚さ38μm)に乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、80℃で5分間乾燥して粘着層を得た。
2.半導体ウエハ加工用粘着テープの製造
基材フィルムとして軟質塩ビフィルム(可塑剤30重量部、厚さ80μm)を用いた。この基材フィルムに、上述の粘着層を30℃でラミネートロールを用いてラミネートして半導体ウエハ加工用粘着テープを得た。
(実施例2)
粘着層の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
架橋剤の配合量を8重量部とした。
(実施例3)
粘着層の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
架橋剤の配合量を30重量部とした。
(実施例4)
粘着層の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
エネルギー線硬化型樹脂の配合量を70重量部とした。
(実施例5)
粘着層の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
エネルギー線硬化型樹脂の配合量を140重量部とした。
(実施例6)
ベース樹脂として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
ベース樹脂として、2−エチルヘキシルアクリレート49.5重量%、酢酸ビニル49.5重量%および2−ヒドロキシエチルメタクリレート1重量%を常法によりトルエン溶媒中にて溶液重合させ重量平均分子量150,000のベース樹脂Bを得たものを用いた。
(実施例7)
粘着層の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
エネルギー線硬化型樹脂の配合量を120重量部とし、架橋剤の配合量を8重量部とした。
(実施例8)
粘着層の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
エネルギー線硬化型樹脂の配合量を80重量部とし、架橋剤の配合量を30重量部とした。
(比較例1)
粘着層の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
架橋剤の配合量を5重量部とした。
(比較例2)
ベース樹脂として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
ベース樹脂として、2−エチルヘキシルアクリレート99重量%および2−ヒドロキシエチルメタクリレート1重量%を常法によりトルエン溶媒中にて溶液重合させ重量平均分子量150,000のベース樹脂Cを得たものを用いた。
各実施例および各比較例で得られた半導体ウエハ加工用粘着テープについて以下の評価を行なった。評価内容を、評価項目と共に示す。得られた結果を表1に示す。
・半導体ウエハ加工用粘着テープを製造し、7日間経過した後に半導体ウエハの鏡面に貼り付け20分経過後の粘着力AをJIS Z 0237に準じて評価した。N=10で測定し、平均値を整数1の位で四捨五入した。
・粘着力Aを評価したのと同様の条件で処理した半導体ウエハ加工用粘着テープを20分経過後に200mJ/cm2の紫外線照射し、照射直後の半導体ウエハの鏡面に対する粘着力BをJIS Z 0237に準じて評価した。N=10で測定し、平均値を小数第一位で四捨五入した。
・粘着力Aを評価したのと同様の条件で処理した半導体ウエハ加工用粘着テープを半導体ウエハに貼着してから、常温、常圧で暗所に30日間放置後の半導体ウエハの鏡面に対する粘着力B1をJIS Z 0237に準じて評価した。N=10で測定し、平均値を整数1の位で四捨五入した。
Figure 2007035750
表1から明らかなように、実施例1〜8は、前記粘着力Aが低く、薄型の半導体素子や異型の半導体素子をピックアップするのが容易であると考えられる。
また、実施例1〜6および8は、前記粘着力Aと前記粘着力Bとの比が5〜30の範囲内であり、半導体ウエハ加工用粘着テープに紫外線照射前および照射後の両方の特性に優れていることが予想される。
次に、各実施例および各比較例で得られた半導体加工用粘着テープを用いて半導体ウエハを加工する際の加工性を評価した。評価項目を内容と共に示す。得られた結果を表2に示す。
1.保持力
JIS G 4305に規定されるSUS304鋼板に、ポリエステルフィルムを剥離した後の半導体加工用粘着テープを貼り付けて23℃、24時間保持した後にズレ量をJIS Z 0237に準拠して測定した。
2.半導体素子の飛び
4インチの半導体ウエハ(厚さ625μm)に、ポリエステルフィルムを剥離した後の半導体加工用粘着テープを貼り付けた後に、1mm×1mmのサイズに個片化した。この際に半導体素子が飛ぶか否かで、半導体素子の飛びを評価した。なお、個片化は同じ半導体加工用粘着テープについて5回繰り返した。各符号は、以下の通りである。
◎:5回のいずれにおいても半導体素子の飛びが1つも無かった。
○:半導体素子の飛びが1つも無かったのが、3回以上で5回未満であった。
△:半導体素子の飛びが1つも無かったのが、1〜2回であった。
×:5回のいずれにおいても半導体素子の飛びが有った。
3.エキスパンド時の半導体加工用粘着テープのリングからのズレ
4インチの半導体ウエハ(厚さ625μm)に、ポリエステルフィルムを剥離した後の半導体加工用粘着テープを貼り付けた後に、1mm×1mmのサイズに個片化した後、105%エキスパンドした際のリングからの半導体加工用粘着テープのズレを、当初の貼り付け位置からのズレで評価した。各符号は、以下の通りである。
◎:ズレが無い。
○:ズレが1mm未満。
△:ズレが1mm以上。
×:剥がれる。
4.ピックアップ性
4インチの半導体ウエハ(厚さ100μm)に、ポリエステルフィルムを剥離した後の半導体加工用粘着テープを貼り付けて、10×10mmのサイズに個片化した。紫外線を照射して105%エキスパンドした後、ニードルの突き上げ量を変えて半導体素子のピックアップ性を評価した。なお、評価は、N=100で行なった。各符号は、以下の通りである。
◎:全ての半導体素子が、2mm未満の突き上げ量でピックアップ可能であった。
○:70〜99個の半導体素子が、2mm未満の突き上げ量でピックアップ可能であった。
△:1〜69個の半導体素子が、2mm未満の突き上げ量でピックアップ可能であった。
×:全ての半導体素子が、2mm未満の突き上げ量でピックアップ不可であった。
なお、ここで「ピックアップ不可」には、「チップの割れ」を含む。
Figure 2007035750
表2から明らかなように、実施例1A〜8Aは、保持力に優れており、エキスパンド工程における半導体ウエハ加工用粘着テープがリングからずれるのを防止できることが確認された。
また、実施例1A、2Aおよび5A〜7Aは、半導体素子の飛びが1つも無かった。
また、実施例1A、3Aおよび8Aは、ピックアップ性にも特に優れていた。
本発明の半導体ウエハ加工用粘着テープは、半導体ウエハを切断する際に用いるダイシングテープ、半導体ウエハを研磨する際に用いる保護テープ等に好適に用いることができる。
半導体ウエハ加工用粘着テープを模式的に示す断面図である。 半導体ウエハを切断する方法を模式的に示す断面図である。 半導体ウエハに半導体ウエハ加工用粘着テープを貼着し、固定している状態を示す上面図である。 半導体ウエハ加工用粘着テープに紫外線を照射している状態を模式的に示す模式図である。 切断した半導体ウエハを個片化した状態を示す模式図である。
符号の説明
1 フィルム基材
2 粘着層
10 半導体ウエハ加工用粘着テープ
4 ダイサーテーブル
5 半導体ウエハ
6 リング
7 ブレード
8 紫外線
9 エキスパンド装置
91 エジェクターヘッド
92 ニードル

Claims (12)

  1. フィルム基材の一方面側に、
    主として酢酸ビニルモノマーの重合体を含むベース樹脂と、少なくとも1種以上のエネルギー線硬化型樹脂と、架橋剤とを含む樹脂組成物で構成されている粘着層を有し、半導体ウエハに貼着して使用される半導体ウエハ加工用粘着テープであって、
    前記ベース樹脂100重量部に対して前記架橋剤を8重量部以上含有することを特徴とする半導体ウエハ加工用粘着テープ。
  2. 前記ベース樹脂は、アクリル系モノマーおよび前記酢酸ビニルモノマーとの共重合体である請求項1に記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
  3. 前記ベース樹脂は、アクリル系モノマー、前記酢酸ビニルモノマーおよび官能基含有モノマーとの共重合体である請求項1に記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
  4. 前記酢酸ビニルモノマーの重合体の含有量は、前記ベース樹脂全体の50〜90重量%である請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
  5. 前記エネルギー線硬化型樹脂は、分子量の異なる2つ以上のエネルギー線硬化型樹脂の混合物である請求項1ないし4のいずれかに記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
  6. 前記エネルギー線硬化型樹脂は、第1エネルギー線硬化型樹脂と、前記第1エネルギー線硬化型樹脂よりも重量平均分子量が高い第2エネルギー線硬化型樹脂とを含んでいるものである請求項1ないし5のいずれかに記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
  7. 前記ベース樹脂100重量部に対して、前記エネルギー線硬化型樹脂が80〜130重量部である請求項1ないし6のいずれかに記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
  8. JIS Z 0237に準じて測定する24時間後の保持力が、10mm以下である請求項1ないし7のいずれかに記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
  9. 製造後7日間以上経過した後の前記半導体ウエハ加工用粘着テープを前記半導体ウエハに貼着して20分間経過後の半導体ウエハに対する粘着力をA[cN/25mm]とし、該半導体ウエハ加工用粘着テープに200mJ/cm2の紫外線を照射した直後の半導体ウエハに対する粘着力をB[cN/25mm]としたとき、粘着力の比(A/B)が5〜30である請求項1ないし8のいずれかに記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
  10. 製造後7日間以上経過した後の前記半導体ウエハ加工用粘着テープを前記半導体ウエハに貼着して20分間経過後の該半導体ウエハに対する粘着力をA[cN/25mm]とし、貼着してから常温、常圧で暗所に30日間以上放置後の該半導体ウエハに対する粘着力をB1[cN/25mm]としたときに、粘着力の差(B1−A)が、100[cN/25mm]以下となるものである請求項1ないし9のいずれかに記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
  11. 前記粘着力Aは、50〜300[cmN/25mm]である請求項10に記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の半導体ウエハ加工用粘着テープを用いることを特徴とする半導体装置の製造方法。
JP2005213926A 2005-07-25 2005-07-25 半導体ウエハ加工用粘着テープおよび半導体装置の製造方法 Pending JP2007035750A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005213926A JP2007035750A (ja) 2005-07-25 2005-07-25 半導体ウエハ加工用粘着テープおよび半導体装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005213926A JP2007035750A (ja) 2005-07-25 2005-07-25 半導体ウエハ加工用粘着テープおよび半導体装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007035750A true JP2007035750A (ja) 2007-02-08

Family

ID=37794669

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005213926A Pending JP2007035750A (ja) 2005-07-25 2005-07-25 半導体ウエハ加工用粘着テープおよび半導体装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007035750A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011233740A (ja) * 2010-04-28 2011-11-17 Nec Tokin Corp 磁性シート
JP2012209502A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体加工用粘着シート
US11541639B2 (en) 2017-10-12 2023-01-03 Avery Dennison Corporation Low outgassing clean adhesive

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000109770A (ja) * 1998-10-07 2000-04-18 Lintec Corp 粘着シートの製造方法および粘着シート
JP2001226647A (ja) * 2000-02-18 2001-08-21 Kumamoto Nippon Denki Kk ウエハ貼着用粘着シート
JP2002121511A (ja) * 2000-10-19 2002-04-26 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体ウエハ加工用粘着シート
JP2002226804A (ja) * 2001-02-06 2002-08-14 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体基板加工用粘着シート
JP2003268322A (ja) * 2002-03-13 2003-09-25 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体基板加工用粘着シート
JP2004319810A (ja) * 2003-04-17 2004-11-11 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体ウエハ加工用粘着シート

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000109770A (ja) * 1998-10-07 2000-04-18 Lintec Corp 粘着シートの製造方法および粘着シート
JP2001226647A (ja) * 2000-02-18 2001-08-21 Kumamoto Nippon Denki Kk ウエハ貼着用粘着シート
JP2002121511A (ja) * 2000-10-19 2002-04-26 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体ウエハ加工用粘着シート
JP2002226804A (ja) * 2001-02-06 2002-08-14 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体基板加工用粘着シート
JP2003268322A (ja) * 2002-03-13 2003-09-25 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体基板加工用粘着シート
JP2004319810A (ja) * 2003-04-17 2004-11-11 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体ウエハ加工用粘着シート

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011233740A (ja) * 2010-04-28 2011-11-17 Nec Tokin Corp 磁性シート
JP2012209502A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体加工用粘着シート
US11541639B2 (en) 2017-10-12 2023-01-03 Avery Dennison Corporation Low outgassing clean adhesive

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4230080B2 (ja) ウエハ貼着用粘着シート
JP5302951B2 (ja) 粘着シート
KR102544301B1 (ko) 수지막 형성용 시트 적층체
JP2001203255A (ja) 半導体ウエハ保持保護用粘着シート
US11942353B2 (en) Adhesive tape for semiconductor processing and method for producing semiconductor device
US11842916B2 (en) Semiconductor processing adhesive tape and method of manufacturing semiconductor device
JP2008143924A (ja) 再剥離型粘着剤組成物、及び粘着テープ又はシート
JP5294366B1 (ja) ダイシングテープ
WO2006104151A1 (ja) ウエハダイシング用粘着テープおよびそれを用いたチップの製造方法
JP6207192B2 (ja) 半導体加工用粘着シート
JP2006216773A (ja) ダイシングシートおよび電子部品の製造方法
JP2017179029A (ja) ガラスダイシング用粘着シートおよびその製造方法
JP2007035750A (ja) 半導体ウエハ加工用粘着テープおよび半導体装置の製造方法
JP4781633B2 (ja) 粘着シート
JP2009246216A (ja) 半導体加工用粘着テープ
JP4805549B2 (ja) 粘着シート
JP2005235795A (ja) 半導体ウエハ加工用粘着テープ
JP5907472B2 (ja) 半導体ウエハ加工用粘着テープ
JP6264865B2 (ja) ダイシングフィルム
JP5040503B2 (ja) 半導体基板加工用粘着テープおよび半導体基板加工用粘着テープの製造方法、並びに半導体装置の製造方法
JP3439066B2 (ja) 半導体ウエハのダイシング方法
KR102638358B1 (ko) 유리 다이싱용 점착 시트 및 그 제조 방법
JPH1025455A (ja) 剥離用粘着テープ
WO2022201789A1 (ja) 半導体加工用粘着テープおよび半導体装置の製造方法
KR102638359B1 (ko) 유리 다이싱용 점착 시트 및 그 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080512

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101102

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110809

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111206