JP5040503B2 - 半導体基板加工用粘着テープおよび半導体基板加工用粘着テープの製造方法、並びに半導体装置の製造方法 - Google Patents
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更にまた、上述の半導体基板加工用粘着テープの製造方法、並びに半導体基板加工用粘着テープを用いた半導体装置の製造方法を提供するものである。
(1)基材フィルムと粘着層と離型フィルムを含む半導体基板加工用粘着テープであって、基材フィルム側の粘着層面に気泡部を有し、かつ前記気泡部の粘着層厚み方向の長さが粘着層厚みの5〜85%の長さであることを特徴とする半導体基板加工用粘着テープ、
(2)前記半導体基板加工用粘着テープが半導体基板切断工程で使用される(1)項記載の半導体基板加工用粘着テープ、
(3)前記粘着層が、離型フィルム上にリバースグラビア塗工方式で粘着層形成され、更にそれらをフィルム基材とラミネートを行なう方法で製造された(1)項記載の半導体基板加工用粘着テープ、
(4)前記粘着層の厚みが5〜30μmである(1)〜(3)項のいずれかに記載の半導体基板加工用粘着テープ、
(5)前記粘着層がエネルギー線の照射により硬化する(1)〜(4)項のいずれかに記載の半導体基板加工用粘着テープ、
(6)(1)〜(5)項のいずれかに記載の半導体基板加工用粘着テープの製造方法、
(7)(1)〜(5)項のいずれかに記載の半導体基板加工用粘着テープを用いて製造する半導体装置の製造方法、
である。
また、粘着層の厚みを5〜30μm、気泡部の粘着層厚み方向の長さを粘着層厚みの5〜85%にすることにより屑の外部への排出を抑制が効率よく行なわれることになり、半導体素子の汚染に対して効果的である。
本発明の半導体基板加工用粘着テープは、その用途を半導体基板切断工程であるダイシングに限定したものであって、テープの層構成としてフィルム基材と粘着層と剥離処理した離型フィルムからなる3層構成の半導体基板加工用粘着テープであって、粘着層が離型フィルム上にリバースグラビア塗工方式で粘着層形成され、更にそれらをフィルム基材とラミネートを行なう方法で製造されることを特徴とする。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、上記に記載の半導体基板加工用粘着テープを用いることを特徴とする半導体装置の製造方法に関する。
図1は、半導体基板加工用粘着テープを模式的に示す断面図である。
図1に示すように、半導体基板加工用粘着テープ10は、フィルム基材1と、フィルム基材1の一方の面側に設けられた粘着層2と剥離処理した離型フィルム3で構成されている。
図2は、図1を拡大表示したものである。本発明がリバースグラビア方式で製造することの特徴としては、粘着層2とフィルム基材層1の間に設ける気泡部4を形成するところにある。また、この気泡部4が粘着層2と離型フィルム3の間に形成するのではなく、粘着層2とフィルム基材層1の間に形成するために、その製造順序として、離型フィルム3上に粘着層2を形成し、最終的にフィルム基材1とラミネートを行なう方式で製造することを特徴としている。ここで設けられた気泡部4が基材屑、粘着剤屑、半導体基板屑の外部への排出を抑制するポケットの役割を果たすこととなる。
フィルム基材1を構成する材料は、紫外線、電子線等のエネルギー線を透過するものであれば特に限定されない。具体的にはポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のオレフィン系共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポチエチレンテレフタレート系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ビニルイソプレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂およびこれらの熱可塑性樹脂の混合物を用いることができる。これらの中でもポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートから選ばれる1種以上が好ましく、特にオレフィン系共重合体とスチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーとの混合物が好ましい。これにより、フィルム基材1を透明にすることができ、それによってエネルギー線の照射による粘着層2の硬化を容易にすることができる。さらに、半導体基板加工用粘着テープ10を拡張するエキスパンド工程があるが、拡張後の半導体基板加工用粘着テープ10の緩みを収縮回復によって防止することができる。
このような機能を有するために、粘着層2は次のような樹脂組成物(A)〜(F)で構成されている。
このようなエネルギー線硬化型樹脂(B)としては、例えば紫外線、電子線等のエネルギー線の照射によって、三次元架橋可能な重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上分子内に有する低分子量化合物が広く用いられる。そのようなエネルギー線硬化型樹脂として、具体的にはトリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート等、芳香族系、脂肪族系等のウレタンアクリレート(オリゴマー)等を挙げることができる。これらの中でもウレタンアクリレートが好ましい。これにより粘着力を向上することができる。
前記エネルギー線重合開始剤(C)としては、例えば2−2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノン等が挙げられる。
具体的には上述の方法で離型フィルム3に前記樹脂組成物を塗布して、80〜100℃×30秒間〜10分間程度、乾燥することにより表面に凹凸を持った粘着層2を形成することができる。グラビアロールの番手は粗いほど大きな凹凸を形成することが可能である。
図3ないし図5に基づいて、本発明の半導体装置の製造方法について説明する。
図3に示すように、ダイサーテーブル5の上に半導体加工基板用粘着テープ10を設置し、その中心部に半導体基板6を設置すると共に、半導体基板6の周囲にリング7を設置して半導体基板6を固定する。そして、ブレード8で半導体基板6を切断して、半導体基板6を個片化する。この際、半導体基板加工用粘着テープ10は、緩衝作用を有しており、半導体基板6を切断する際の半導体素子の割れ、欠け等を防止している。なお、半導体基板加工用粘着テープ10に半導体基板6およびリング7を予め貼着した後に、ダイサーテーブル5に設置しても良い。
具体的には、まず図4に示すように個片化した半導体基板6(半導体素子)を半導体基板加工用粘着テープ10に搭載した状態でエネルギー線照射装置によってエネルギー線9を照射して、粘着層2を硬化させる。これにより、粘着層2を構成するエネルギー線硬化型樹脂が硬化して粘着力を低下させる。このように、半導体基板6に対する半導体基板加工用粘着テープ10の粘着力を低下させることで個片化された半導体基板6(半導体素子)をピックアップするのが容易となる。次に、図5に示すように半導体基板6を半導体基板加工用粘着テープ10に貼着した状態でエキスパンド装置11に設置する。次に、エキスパンド装置11で半導体基板加工用粘着テープ10を伸ばして個片化した半導体基板6を一定間隔(A方向)に開く。そして、一定間隔に開かれた半導体基板6(個片化した物を半導体素子という)をエジェクターヘッド111のニードル112で突き上げる。
そして、半導体素子をニードル112で突き上げるとともに、真空コレット、エアピンセット等で外部への排出を抑制する方法によってピックアップして、半導体素子を所定の基板等に搭載することによって半導体装置を得ることができる。
例えば、リングの形状は円形でなくてもよい。
(実施例1)
1.粘着層の製造
2−エチルヘキシルアクリレート29.7重量%、酢酸ビニル69.3重量%および2−ヒドロキシエチルメタクリレート1重量%を常法によりトルエン溶媒中にて溶液重合させ重量平均分子量150,000のベース樹脂Aを得た。
このベース樹脂100重量部に対して、エネルギー線硬化型樹脂として2官能ウレタンアクリレート100重量部(三菱レイヨン社製、重量平均分子量が11,000)と、架橋剤としてトリレンジイソシアネートの多価アルコール付加体(コロネートL、日本ポリウレタン社製)15重量部と、エネルギー線重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン5重量部とを酢酸エチルに溶解した後、剥離処理したポリエステルフィルム(厚さ38μm)に乾燥後の厚さが20μmになるように#30の番手のグラビアロールを用いてグラビアコート方式で塗工し、80℃で5分間乾燥して粘着層を得た。
基材フィルムとして軟質塩ビフィルム(可塑剤30重量部、厚さ80μm)を用いた。この基材フィルムに、上述の粘着層を30℃でラミネートロールを用いてラミネートして半導体基板加工用粘着テープを得た。基材フィルムと粘着層間の気泡については、任意の5つの気泡について粘着層厚み方向の長さを実体顕微鏡で確認・計測し、5点測定した平均値の0.01μmの位を四捨五入して平均長さとした。平均長さは15.3μmであった。
グラビアロールの番手を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
グラビアロールの番手を#20として、粘着層厚み方向気泡平均長さ17.0μmの半導体基板加工用粘着テープを得た。
グラビアロールの番手を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
グラビアロールの番手を#50として、粘着層厚み方向気泡平均長さ5.7μmの半導体基板加工用粘着テープを得た。
粘着層の厚みを以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
粘着層の厚みを10μmとして、粘着層厚み方向気泡平均長さ7.5μmの半導体基板加工用粘着テープを得た。
粘着層の厚みを以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
粘着層の厚みを30μmとして、気泡サイズ約20.8μmの半導体基板加工用粘着テープを得た。
グラビアロールの番手、粘着層厚みを以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
グラビアロールの番手を#20、粘着層厚みを30μmとして、気泡サイズ約24.2μmの半導体基板加工用粘着テープを得た。
グラビアロールの番手、粘着層厚みを以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
グラビアロールの番手を#60、粘着層厚みを5μmとして、気泡サイズ約0.3μmの半導体基板加工用粘着テープを得た。
グラビアロールの番手、粘着層厚みを以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
グラビアロールの番手を#100、粘着層厚みを3μmとして、気泡の存在が確認できない半導体基板加工用粘着テープを得た。
グラビアロールの番手、粘着層厚みを以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
グラビアロールの番手を#15、粘着層厚みを30μmとして、気泡サイズ約27.0μmの半導体基板加工用粘着テープを得た。
4インチの半導体基板(厚さ625μm)に、ポリエステルフィルムを剥離した後の半導体基板加工用粘着テープを貼り付けた後に、5mm×5mmのサイズに個片化した。個片化した後に、全てのカットライン上を実体顕微鏡(×50倍)で観察し、個片化された半導体素子の表面まで達している基材フィルムのヒゲの個数をカウントした。各符号は、以下の通りである。
◎:ヒゲの発生はなかった。
○:ヒゲの発生個数が1〜30個であった。
△:ヒゲの発生個数が31〜100個であった。
×:ヒゲの発生個数が101個以上であった。
4インチの半導体基板(厚さ625μm)に、ポリエステルフィルムを剥離した後の半導体基板加工用粘着テープを貼り付けた後に、5mm×5mmのサイズに個片化した。個片化した後に、任意の半導体素子10個の表面を実体顕微鏡(×50倍)で観察し、付着物があるかどうかを確認した。各符号は、以下の通りである。
◎:10個全ての半導体素子において付着物はなかった。
○:1〜9個の半導体素子において付着物があった。
△:半導体素子10個全てに付着物があったが、全ての辺(1素子は4辺)ではない。
×:全ての半導体素子の4辺全てに付着物があった。
4インチの半導体基板(厚さ625μm)に、ポリエステルフィルムを剥離した後の半導体基板加工用粘着テープを貼り付けた後に、5mm×5mmのサイズに個片化した。個片化した後に、任意の半導体素子10個をピックアップし、半導体素子を半導体基板加工用粘着テープから取り外した状態で素子の側面(切断面)を実体顕微鏡(×50倍)で観察し、付着物があるかどうかを確認した。各符号は、以下の通りである。
◎:10個全ての半導体素子において付着物はなかった。
○:1〜9個の半導体素子において付着物があった。
△:半導体素子10個全てに付着物があったが、全ての辺(1素子は4辺)ではない。
×:全ての半導体素子の4辺全てに付着物があった。
4インチの半導体基板(厚さ625μm)に、ポリエステルフィルムを剥離した後の半導体基板加工用粘着テープを貼り付けた後に、5mm×5mmのサイズに個片化した。個片化した後に、任意の半導体素子10個をピックアップし、半導体素子を半導体基板加工用粘着テープから取り外した状態で素子の裏面(半導体基板加工用粘着テープに貼着していた面)を実体顕微鏡(×50倍)で観察し、粘着層の剥がれがあるかどうかを確認した。各符号は、以下の通りである。
◎:10個全ての半導体素子において粘着層の剥がれはなかった。
○:1〜9個の半導体素子において粘着層の剥がれがあった。
△:半導体素子10個全てに粘着層の剥がれがあったが、裏面全体ではない。
×:全ての半導体素子の裏面全体に粘着層の剥がれがあった。
4インチの半導体基板(厚さ625μm)に、ポリエステルフィルムを剥離した後の半導体基板加工用粘着テープを貼り付けた後に、5mm×5mmのサイズに個片化した。個片化した後に、全ての半導体素子、周辺の端材をピックアップし、半導体素子を半導体基板加工用粘着テープから全て取り外した状態で半導体基板加工用粘着テープのカットライン全てを実体顕微鏡(×50倍)で観察し、屑の外部への排出を抑制しているかどうかを確認した。各符号は、以下の通りである。
◎:全てのカットラインにおいて、ムラなく屑が外部への排出を抑制されている。
○:全てのカットラインにおいて屑が外部への排出を抑制されているが、外部への排出を抑制できていない部分もある。
△:屑が外部への排出を抑制できていないカットラインが少なくとも1つ以上存在している。
×:全てのカットラインにおいて、屑が外部への排出を抑制されていない。
また、実施例5、6は、半導体素子の汚染防止に対して特に優れていた。
また、実施例3、7は、粘着層の剥がれ防止に対して特に優れていた。
2 粘着層
3 離型フィルム
4 気泡部
10 半導体基板加工用粘着テープ
5 ダイサーテーブル
6 半導体基板
7 リング
8 ブレード
9 エネルギー線
11 エキスパンド装置
111 エジェクターヘッド
112 ニードル
Claims (7)
- 基材フィルムと粘着層と離型フィルムを含む半導体基板加工用粘着テープであって、基材フィルム側の粘着層面に気泡部を有し、かつ前記気泡部の粘着層厚み方向の長さが粘着層厚みの5〜85%の長さであることを特徴とする半導体基板加工用粘着テープ。
- 前記半導体基板加工用粘着テープが半導体基板切断工程で使用される請求項1記載の半導体基板加工用粘着テープ。
- 前記粘着層が、離型フィルム上にリバースグラビア塗工方式で粘着層形成され、更にそれらをフィルム基材とラミネートを行なう方法で製造された請求項1記載の半導体基板加工用粘着テープ。
- 前記粘着層の厚みが5〜30μmである請求項1〜3のいずれかに記載の半導体基板加工用粘着テープ。
- 前記粘着層がエネルギー線の照射により硬化する請求項1〜4のいずれかに記載の半導体基板加工用粘着テープ。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の半導体基板加工用粘着テープの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の半導体基板加工用粘着テープを用いて製造する半導体装置の製造方法。
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