JP2007035312A - 燃料電池の排出ガス処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 希釈容器と、アノードオフガスを前記希釈容器内に導入するアノードオフガス導入路と、前記希釈ガスを前記希釈容器内に導入する希釈ガス導入部と、前記希釈ガス導入部から導入される希釈ガスを連通させる連通路と、を備える。連通路は、前記希釈容器底面の各隅部を通るように周縁側に沿って形成され、記連通路の底面側には、少なくとも2箇所に開口部が形成されている。
【選択図】 図1
Description
そこで、この種の燃料電池では、アノードオフガスが循環するアノードオフガス循環路から定期的に排出弁を開放して前記不純物を含むアノードオフガスを排出し、アノードオフガス中の不純物濃度を低減させている。
特許文献1には従来の排出ガス処理装置の一例が開示されている。この排出ガス処理装置では、カソードオフガス流路(酸素オフガス排出流路)から分岐した分岐導入流路を希釈器に接続して、該分岐導入流路を介して希釈器内にカソードオフガスを導入している。
すなわち、上述した従来の技術のように、希釈ガスとしてカソードオフガスを用いる場合には、希釈用に新たにガスを用意する必要が無い点で好ましいものの、カソードオフガス中には多量の水分が含まれているので、希釈処理を継続するにつれて希釈容器内に水が滞留してしまう。その結果、希釈容器内に滞留した水が、希釈性能を低下させる虞があるという問題がある。
また、希釈ガスとしてカソードオフガスを用いない場合であっても、アノードオフガス中にも水分が含まれているので、希釈処理を継続していくとやはり希釈容器内に水が滞留して、同様の問題を引き起こす虞がある。
本発明は、希釈容器の形状自由度を制限せずに、排液性を良好に確保でき、レイアウト性を向上できる燃料電池の排出ガス処理装置を提供することを目的とする。
この発明によれば、前記連通路は、前記希釈容器の壁面を利用して形成して、該壁面を構成要素の一部とすることで、残りの部分のみを前記希釈容器とは別の部材で形成すればよいので、前記連通路を前記希釈容器と独立した配管によって形成する場合に比して、連通路の形成に必要な部材を略半分程度に抑えることができる。従って、希釈容器に必要な部品点数を低減できるとともに、希釈容器を軽量化することが可能となる。
この発明によれば、希釈容器の姿勢が変動して傾斜する場合であっても、傾斜状態に応じて各開口部の少なくともいずれかに排液を集中させて連通路に排出することができる。従って、希釈容器の様々な傾斜状態に対応して希釈容器内から排液を行うことができ、排液性能をさらに向上することができる。
この発明によれば、車両に発生する振動や車両の姿勢に伴って希釈容器に振動が発生したり傾斜した場合であっても、前記連通路に形成された各開口部の少なくともいずれかにより希釈容器内の液体を連通路に排出することができる。よって、搭載される車両に適した形状に希釈容器の形状を設定しつつ、排液性を良好に確保することができる。
請求項2に係る発明によれば、排液性をさらに良好に確保することができ、希釈容器のレイアウト性をさらに向上できる。
請求項3に係る発明によれば、希釈容器に必要な部品点数を低減できるとともに、希釈容器を軽量化することが可能となる。
請求項5に係る発明によれば、搭載される車両に適した形状に希釈容器の形状を設定しつつ、排液性を良好に確保することができる。
図1は、この発明に係る排出ガス処理装置を備えた燃料電池システムの概略構成図であり、この実施例では燃料電池車両に搭載されている。
燃料電池1は、反応ガスを電気化学反応させて電力を得るタイプのもので、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜2をアノード3とカソード4とで両側から挟み込んで形成されたセルを複数積層して構成されており(図1では単セルのみを示す)、アノード3に燃料ガスとして水素ガス(反応ガス)を供給し、カソード4に酸化剤ガスとして酸素(反応ガス)を含む空気を供給すると、アノード3で触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜2を通過してカソード4まで移動して、カソード4で酸素と電気化学反応を起こして発電し、水が生成される。カソード側で生じた生成水の一部は固体高分子電解質膜2を透過してアノード側に逆拡散するため、アノード側にも生成水が存在する。
そのため、この燃料電池システムでは、ECU40により、燃料電池システムが一定時間連続運転したと判断されたとき、あるいは、燃料電池1の発電の安定性が低下したと判断されたときに、不純物排出要求ありと判断して排出弁21を開き、不純物を含むアノードオフガスをアノードオフガス路18からアノードオフガス排出路22を介して排出ガス処理装置50に排出し、燃料電池1のアノード3を流通する水素ガス中の不純物濃度を所定値以下となるように管理して、燃料電池1の発電を安定した状態に保持する。
仕切部53は、平面視で矩形状に形成されている。仕切部53はその上部を切り欠いた形状をなし、その切り欠き部68を除いて希釈容器51の内面に密接して固定されている。希釈容器51内は仕切部53によって、アノードオフガス導入管52および後述する希釈ガス放出孔58に連通する上流室54と、後述する混合ガス排出孔61に連通する下流室55に区画され、切り欠き部68よりも上側は上流室54と下流室55とを連通する連通ガス路56となる。
仕切部53の切り欠き部68は希釈容器51の軸心よりも十分上方に位置しており、アノードオフガス導入管52の軸心延長上にも仕切部53が存在する。したがって、図2に示すように、アノードオフガス放出孔52aから放出されるアノードオフガスの多くは仕切部53に向かって放出されることとなる。
なお、この実施例においては、希釈ガス路57は絞り部59を除き同一管径に形成されている。
この排出ガス処理装置では、コンプレッサ7から燃料電池1のカソード4に空気を供給している間は常時、燃料電池1のカソード4から排出される排出空気が、空気排出路9および圧力制御弁10を介して排出ガス処理装置50の希釈ガス路57に導入され、該希釈ガス路57を混合ガス排出路30に向かって流通しており、希釈ガス路57を流通する排出空気の一部が希釈ガス放出孔58から上流室54内に放出される。
さらに、この実施例では、アノードオフガス導入管52からアノードオフガスを仕切部53に向かって放出しているので、アノードオフガスに含まれる液体は、仕切部53に衝突して付着し、鉛直姿勢の仕切部53を伝わって落下していく。また、アノードオフガス中の蒸気も仕切部53に衝突することで凝縮を促進され、この凝縮液も鉛直姿勢の仕切部53を伝わって落下していく。つまり、仕切部53はアノードオフガス中の水分を捕捉し、希釈容器51の下方に集合させ易くする。
この実施例では、希釈容器51内底面に集まった希釈容器51内の液体を排液孔60…60を介して希釈ガス連通路57cに排出し、希釈ガスとともに希釈容器51の外に排出することができる。
よって、希釈容器51内に滞留する水を排液孔60…60に集中させる特別な形状に希釈容器51の形状を設計しなくても、排液性を良好に確保することができ、希釈容器51のレイアウト性を向上できる。
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、図7に示すように、希釈ガス路57を構成する上流側端部57aと下流側端部57bとを、希釈容器51の同一面に形成してもよい。この場合であっても、希釈ガス連通路57cを希釈容器51底面の四隅部を通るように周縁側に沿って形成して、希釈容器51底面の四隅部に対応する希釈ガス連通路57cの屈曲部に排液孔60…60を形成しているので、前述した実施例と同様に、排液性を良好に確保することができる。
前述した実施例では、希釈ガスとして燃料電池のカソードから排出される排出空気(カソードオフガス)を用いたが、希釈ガスはこれに限られるものではなく、例えば供給空気を用いてもよい。
また、前記アノードオフガス供給口、前記希釈ガス供給口、前記混合ガス排出口は、前記容器内に形成してもよいし、前記容器表面に形成してもよい。
また、前述した実施例では、排液孔60…60を希釈容器51底面の四隅部に対応して形成しているので、排液性を良好に確保できる点で好ましいが、排液孔60の形成箇所や個数はこれに限られるものではなく、少なくとも2箇所に排液孔60を希釈ガス連通路57cの底面側に形成すればよい。
3…アノード
50…排出ガス処理装置
51…希釈容器
52…アノードオフガス導入管(アノードオフガス導入路)
57…希釈ガス路
57c…希釈ガス連通路(連通路)
58…希釈ガス放出孔(希釈ガス導入部)
60…排液孔(開口部)
Claims (5)
- 燃料電池のアノードから排出されるアノードオフガスを希釈ガスと混合し排出する燃料電池の排出ガス処理装置において、
希釈容器と、
前記アノードオフガスを前記希釈容器内に導入するアノードオフガス導入路と、
前記希釈ガスを前記希釈容器内に導入する希釈ガス導入部と、
前記希釈ガス導入部から導入される希釈ガスを連通させる連通路と、を備え、
前記連通路は、前記希釈容器底面の各隅部を通るように周縁側に沿って形成され、
前記連通路の底面側には、少なくとも2箇所に開口部が形成されていることを特徴とする燃料電池の排出ガス処理装置。 - 前記連通路の底面側には、少なくとも3箇所に開口部が形成されており、
それぞれの開口部は、少なくとも互いに異なる2つの直線上の位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の排出ガス処理装置。 - 前記連通路は、前記希釈容器の壁面を利用して形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池の排出ガス処理装置。
- 前記それぞれの開口部は、希釈容器の底面形状が四角形であり、四角形の隅部になる位置に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の燃料電池の排出ガス処理装置。
- 前記燃料電池は、車両に搭載されるものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の燃料電池の排出ガス処理装置。
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