JP2007031603A - 樹脂粒子の製造法 - Google Patents

樹脂粒子の製造法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007031603A
JP2007031603A JP2005218341A JP2005218341A JP2007031603A JP 2007031603 A JP2007031603 A JP 2007031603A JP 2005218341 A JP2005218341 A JP 2005218341A JP 2005218341 A JP2005218341 A JP 2005218341A JP 2007031603 A JP2007031603 A JP 2007031603A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
resin particles
particles
acid
dispersion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005218341A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadao Takigawa
唯雄 滝川
Toshihiko Kano
敏彦 金生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP2005218341A priority Critical patent/JP2007031603A/ja
Publication of JP2007031603A publication Critical patent/JP2007031603A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

【課題】 本発明の課題は、樹脂の種類や分子量にかかわらず、分散後に樹脂粒子同士が合一することがなく、粒度分布がシャープな樹脂粒子を得ることである。
【解決手段】 樹脂(b)の前駆体(b0)若しくはその溶剤溶液(b0’)からなる分散相(DP)を、マイクロチャネル(M)を介して、樹脂(a)からなる樹脂粒子(A)の分散液からなる連続相(CP)中に分散させることにより、前駆体(b0)からなる粒子(B0)若しくはその溶剤溶液(b0’)からなる粒子(B0’)を形成させると同時に、粒子(B0)又は粒子(B0’)の表面に樹脂粒子 (A)を付着させて、さらに前駆体(b0)を重合反応させて、粒子(B0’)の場合はさらに溶剤を除去することにより樹脂(b)からなる樹脂粒子(B)の表面に樹脂粒子(A)が付着してなる樹脂粒子(C)の分散液を得ることを特徴とする樹脂粒子の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は粒径が均一である樹脂粒子の製造方法、さらに詳しくは、マイクロチャネルを用いる樹脂粒子の製造方法に関するものである。
従来より、あらかじめ溶剤に樹脂を溶解させた樹脂溶液を、有機微粒子、界面活性剤、水溶性ポリマー等の分散(助)剤存在下で水性媒体中に分散させ、これを加熱または減圧等によって溶剤を除去し、樹脂粒子を得る方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この方法によれば、粒子径が微細かつ粒度分布がシャープな粒子を得ることが可能である。しかしながらこの方法では、樹脂の種類や分子量によって、シャープな粒度分布を有する粒子が得られない場合があった。
一方、樹脂を含む分散相を、マイクロチャネル(M)を介して、連続相(CP)中に吐出させ分散することにより樹脂粒子を得る方法が知られている(例えば、特許文献2、3、4参照)。この方法によれば、均一な粒子径を有する樹脂粒子を得ることができるが、樹脂の種類や分子量によって、分散後に樹脂粒子同士が合一し、シャープな粒度分布が得られない場合があった。
特開2002−284881号公報 特開2004−347979号公報 特開2000−84384号公報 特開2002−119841号公報
本発明の課題は、樹脂の種類や分子量にかかわらず、分散後に樹脂粒子同士が合一することがなく、粒度分布がシャープな樹脂粒子を得ることである。
本発明は、従来技術における上記の事情に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、第1の発明;
樹脂(b)の溶剤溶液からなる分散相(DP)を、マイクロチャネル(M)を介して、樹脂(a)からなる樹脂粒子(A)の分散液からなる連続相(CP)中に分散させることにより、樹脂(b)の溶剤溶液粒子(B’)を形成させると同時に、溶剤溶液粒子(B’)の表面に樹脂粒子 (A)を付着させて、さらに溶剤を除去することにより樹脂(b)からなる樹脂粒子(B)の表面に樹脂粒子(A)が付着してなる樹脂粒子(C)の分散液を得ることを特徴とする樹脂粒子の製造方法であり、
第2の発明;
樹脂(b)の前駆体(b0)若しくはその溶剤溶液(b0’)からなる分散相(DP)を、マイクロチャネル(M)を介して、樹脂(a)からなる樹脂粒子(A)の分散液からなる連続相(CP)中に分散させることにより、前駆体(b0)からなる粒子(B0)若しくはその溶剤溶液(b0’)からなる粒子(B0’)を形成させると同時に、粒子(B0)又は粒子(B0’)の表面に樹脂粒子 (A)を付着させて、さらに前駆体(b0)を重合反応させて、粒子(B0’)の場合はさらに溶剤を除去することにより樹脂(b)からなる樹脂粒子(B)の表面に樹脂粒子(A)が付着してなる樹脂粒子(C)の分散液を得ることを特徴とする樹脂粒子の製造方法である。
本発明の製造方法で得られる樹脂粒子は、粒度分布がシャープな樹脂粒子である。このため、粉体特性に優れた樹脂粒子が得られる。
まず、第1の発明である樹脂粒子の製造方法について説明する。
<連続相(CP)>
本発明において、樹脂(a)としては、連続相中に溶解せず、分散しうる樹脂であればいかなる樹脂であっても使用でき、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であっても良いが、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂(a)としては、上記樹脂の2種以上を併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子 の分散体が得られやすいという観点からビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂およびそれらの併用である。
ビニル系樹脂は、ビニル系モノマーを単独重合または共重合したポリマーである。ビニル系モノマーとしては、下記(1)〜(10)が挙げられる。
(1)ビニル系炭化水素:(1−1)脂肪族ビニル系炭化水素:アルケン類、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、前記以外のα−オレフィン等;アルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン。
(1−2)脂環式ビニル系炭化水素:モノ−もしくはジ−シクロアルケンおよびアルカジエン類、例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン等;テルペン類、例えばピネン、リモネン、インデン等。
(1−3)芳香族ビニル系炭化水素:スチレンおよびそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよび/またはアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン等;およびビニルナフタレン。
(2)カルボキシル基含有ビニル系モノマー及びその塩:炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸ならびにその無水物およびそのモノアルキル(炭素数1〜24)エステル、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニル系モノマー。
(3)スルホン基含有ビニル系モノマー、ビニル系硫酸モノエステル化物及びこれらの塩:炭素数2〜14のアルケンスルホン酸、例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸;およびその炭素数2〜24のアルキル誘導体、例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミド、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等]、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル、および硫酸エステルもしくはスルホン酸基含有モノマー;ならびそれらの塩等。
(4)燐酸基含有ビニル系モノマー及びその塩:(メタ)アクリロイルオキシアルキル(C1〜C24)燐酸モノエステル、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)ホスホン酸類、例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸。なお、上記(2)〜(4)の塩としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、アミン塩もしくは4級アンモニウム塩が挙げられる。
(5)ヒドロキシル基含有ビニル系モノマー:ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテル等。
(6)含窒素ビニル系モノマー:(6−1)アミノ基含有ビニル系モノマー:アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4ービニルピリジン、2ービニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチルα−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール、これらの塩等(6−2)アミド基含有ビニル系モノマー:(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチルN−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等(6−3)ニトリル基含有ビニル系モノマー:(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレート等(6−4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニル系モノマー:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニル系モノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)
(6−5)ニトロ基含有ビニル系モノマー:ニトロスチレン等。
(7)エポキシ基含有ビニル系モノマー:グルシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
(8)ハロゲン元素含有ビニル系モノマー:塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレン等。
(9)ビニルエステル、ビニル(チオ)エーテル、ビニルケトン、ビニルスルホン類:(9−1)ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系モノマー[ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等;
(9−2)ビニル(チオ)エーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒドロ1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル2−エチルメルカプトエチルエーテル、アセトキシスチレン、フェノキシスチレン、(9−3)ビニルケトン、例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルフェニルケトン;ビニルスルホン、例えばジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルフォン、ジビニルスルフォン、ジビニルスルフォキサイド等。
(10)その他のビニル系モノマー:イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等。ビニル系モノマーの共重合体としては、上記(1)〜(10)の任意のモノマー同士を、2元またはそれ以上の個数で、任意の割合で共重合したポリマーが挙げられるが、例えばスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸、ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、ポリオールと、ポリカルボン酸またはその酸無水物またはその低級アルキルエステルとの重縮合物などが挙げられる。ポリオールとしてはジオール(11)および3価以上のポリオール(12)が、ポリカルボン酸またはその酸無水物またはその低級アルキルエステルとしては、ジカルボン酸(13)および3価以上のポリカルボン酸(14)およびこれらの酸無水物または低級アルキルエステルが挙げられる。ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ジオール(11)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;その他、ポリラクトンジオール(ポリε−カプロラクトンジオールなど)、ポリブタジエンジオール、ポリエステルジオール(脂肪族あるいは芳香族ポリオール、及び脂肪族あるいは芳香族ポリカルボン酸から合成されるポリエステルジオールなど)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはポリエステルジオール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
3価以上のポリオール(12)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);トリスフェノール類(トリスフェノールPAなど);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記トリスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物;上記ノボラック樹脂のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。アクリルポリオール[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニル系モノマーの共重合物など]
これらのうち好ましいものは、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコールおよびノボラック樹脂のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはノボラック樹脂のアルキレンオキサイド付加物である。
ジカルボン酸(13)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデセニルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);炭素数8以上の分岐アルキレンジカルボン酸[ダイマー酸、アルケニルコハク酸(ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸など)、アルキルコハク酸(デシルコハク酸、ドデシルコハク酸、オクタデシルコハク酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸(14)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ジカルボン酸(13)または3価以上のポリカルボン酸(14)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
ポリウレタン樹脂としては、ポリイソシアネート(15)と活性水素基含有化合物(D){水、ポリオール[前記ジオール(11)および3価以上のポリオール(12)]、ジカルボン酸(13)、3価以上のポリカルボン酸(14)、ポリアミン(16)、ポリチオール(17)等}との重付加物などが挙げられる。
ポリイソシアネート(15)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネートおよびこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)またはその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(たとえば5〜20重量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)]、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。上記脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどの脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられる。上記脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。上記芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。また、上記ポリイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDIなど)、ウレタン変性TDIなどのポリイソシアネートの変性物およびこれらの2種以上の混合物[たとえば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。これらのうちで好ましいものは6〜15の芳香族ポリイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ポリイソシアネート、および炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネートであり、とくに好ましいものはTDI、MDI、HDI、水添MDI、およびIPDIである。
ポリアミン(16)の例としては、脂肪族ポリアミン類(C2 〜C18):(1)脂肪族ポリアミン{C2〜C6 アルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)、ポリアルキレン(C2〜C6)ポリアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなど〕};(2)これらのアルキル(C1〜C4)またはヒドロキシアルキル(C2〜C4)置換体〔ジアルキル(C1〜C3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミンなど〕;(3)脂環または複素環含有脂肪族ポリアミン〔3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなど〕;(4)芳香環含有脂肪族アミン類(C8 〜C15)(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミンなど)、脂環式ポリアミン(C4 〜C15):1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4´−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)など、複素環式ポリアミン(C4 〜C15):ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジンなど、芳香族ポリアミン類(C6 〜C20):(5)非置換芳香族ポリアミン〔1,2−、1,3−および1,4−フェニレンジアミン、2,4´−および4,4´−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4´,4”−トリアミン、ナフチレンジアミンなど;核置換アルキル基〔メチル,エチル,n−およびi−プロピル、ブチルなどのC1〜C4アルキル基)を有する芳香族ポリアミン、たとえば2,4−および2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、4,4´−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジエチル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジブチル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1,3,5−トリエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリイソプロピル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジイソプロピル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジブチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3´,5,5´−テトラメチルベンジジン、3,3´,5,5´−テトライソプロピルベンジジン、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトライソプロピル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラブチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3´−メチル−2´,4−ジアミノジフェニルメタン,3,5−ジイソプロピル−3´−メチル−2´,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジエチル−2,2´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´,5,5´−テトライソプロピル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´,5,5´−テトライソプロピル−4,4´−ジアミノジフェニルスルホンなど〕、およびこれらの異性体の種々の割合の混合物;(6)核置換電子吸引基(Cl,Br,I,Fなどのハロゲン;メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基;ニトロ基など)を有する芳香族ポリアミン〔メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン;4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチル−5,5´−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3´−ジクロロベンジジン、3,3´−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフイド、4,4´−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4´−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4´−メチレンビス(2−フルオロアニリン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリンなど〕;(7)2級アミノ基を有する芳香族ポリアミン〔上記(4)〜(6)の芳香族ポリアミンの−NH2 の一部または全部が−NH−R´(R´はアルキル基たとえばメチル,エチルなどの低級アルキル基)で置き換ったもの〕〔4,4´−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼンなど〕、ポリアミドポリアミン:ジカルボン酸(ダイマー酸など)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(上記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミンなど)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミンなど、ポリエーテルポリアミン:ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコールなど)のシアノエチル化物の水素化物などが挙げられる。
ポリチオール(17)としては、エチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオールなどが挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ポリエポキシド(18)の開環重合物、ポリエポキシド(18)と活性水素基含有化合物(D){水、ポリオール[前記ジオール(11)および3価以上のポリオール(12)]、ジカルボン酸(13)、3価以上のポリカルボン酸(14)、ポリアミン(16)、ポリチオール(17)等}との重付加物、またはポリエポキシド(18)とジカルボン酸(13)または3価以上のポリカルボン酸(14)の酸無水物との硬化物などが挙げられる。
本発明のポリエポキシド(18)は、分子中に2個以上のエポキシ基を有していれば、特に限定されない。ポリエポキシド(18)として好ましいものは、硬化物の機械的性質の観点から分子中にエポキシ基を2〜6個有するものである。ポリエポキシド(18)のエポキシ当量(エポキシ基1個当たりの分子量)は、通常65〜1000であり、好ましいのは90〜500である。エポキシ当量が1000を超えると、架橋構造がルーズになり硬化物の耐水性、耐薬品性、機械的強度等の物性が悪くなり、一方、エポキシ当量が65未満のものを合成するのは困難である。
ポリエポキシド(18)の例としては、芳香族系ポリエポキシ化合物、複素環系ポリエポキシ化合物、脂環族系ポリエポキシ化合物あるいは脂肪族系ポリエポキシ化合物が挙げられる。芳香族系ポリエポキシ化合物としては、多価フェノール類のグリシジルエーテル体およびグリシジルエステル体、グリシジル芳香族ポリアミン、並びに、アミノフェノールのグリシジル化物等が挙げられる。多価フェノールのグリシジルエーテル体としては、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ハロゲン化ビスフェノールAジグリシジル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテル、カテキンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ピロガロールトリグリシジルエーテル、1,5−ジヒドロキシナフタリンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、オクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、テトラメチルビフェニルジグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフチルクレゾールトリグリシジルエーテル、トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル、ジナフチルトリオールトリグリシジルエーテル、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテル、p−グリシジルフェニルジメチルトリールビスフェノールAグリシジルエーテル、トリスメチル−tret−ブチル−ブチルヒドロキシメタントリグリシジルエーテル、9,9’−ビス(4−ヒドキシフェニル)フロオレンジグリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4−フェニルエチル)テトラクレゾールグリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4−フェニルエチル)フェニルグリシジルエーテル、ビス(ジヒドロキシナフタレン)テトラグリシジルエーテル、フェノールまたはクレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル体、リモネンフェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル体、ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル体、フェノールとグリオキザール、グルタールアルデヒド、またはホルムアルデヒドの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体、およびレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体等が挙げられる。多価フェノールのグリシジルエステル体としては、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。グリシジル芳香族ポリアミンとしては、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミン等が挙げられる。さらに、本発明において前記芳香族系として、P−アミノフェノールのトリグリシジルエーテル、トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートとグリシドールの付加反応によって得られるジグリシジルウレタン化合物、前記2反応物にポリオールも反応させて得られるグリシジル基含有ポリウレタン(プレ)ポリマーおよびビスフェノールAのアルキレンオキシド(エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド)付加物のジグリシジルエーテル体も含む。複素環系ポリエポキシ化合物としては、トリスグリシジルメラミンが挙げられる;脂環族系ポリエポキシ化合物としては、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエール、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、およびビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ブチルアミン、ダイマー酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。また、脂環族系としては、前記芳香族系ポリエポキシド化合物の核水添化物も含む;脂肪族系ポリエポキシ化合物としては、多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル体、多価脂肪酸のポリグリシジルエステル体、およびグリシジル脂肪族アミンが挙げられる。多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル体としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルおよびポリグリセロールンポリグリシジルエーテル等が挙げられる。多価脂肪酸のポリグリシジルエステル体としては、ジグリシジルオキサレート、ジグリシジルマレート、ジグリシジルスクシネート、ジグリシジルグルタレート、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルピメレート等が挙げられる。グリシジル脂肪族アミンとしては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミンが挙げられる。また、本発明において脂肪族系としては、ジグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体も含む。これらのうち、好ましいのは、脂肪族系ポリエポキシ化合物および芳香族系ポリエポキシ化合物である。本発明のポリエポキシドは、2種以上併用しても差し支えない。
樹脂粒子(A)は、樹脂(b)の溶剤溶液粒子(B’)の表面に付着することで、(B’)同士が合一し、粒度分布が悪化することを防ぐ。そのため、樹脂粒子 (A)は、(B’)を形成させる温度において、連続相(CP)に溶解しにくいことが好ましい特性としてあげられる。
また、樹脂粒子(A)は、樹脂粒子(B)の表面に付着することで、(B)同士が合一し、粒度分布が悪化することを防ぐ。そのため、樹脂粒子 (A)は、(B)を形成させる温度においても、連続相(CP)に溶解しにくいことが好ましい特性としてあげられる。
樹脂(a)のガラス転移温度(Tg)は、樹脂粒子 (C)の粒径均一性、粉体流動性、保存時の耐熱性、耐ストレス性の観点から、好ましくは0℃〜300℃、さらに好ましくは20℃〜250℃、より好ましくは50℃〜200℃である。連続相(CP)を作成する温度よりTgが低いと、合一を防止したり、分裂を防止したりする効果が小さくなり、粒径の均一性を高める効果が小さくなる。なお、本発明におけるTgは、DSC測定から求められる値である。
硬さの規格であるショアD硬度において、樹脂粒子 (A)の硬さは好ましくは30以上、特に45〜100の範囲であるのが好ましい。また、水中、溶剤中に一定時間浸漬した場合における硬度も上記範囲にあるのが好ましい。
樹脂粒子 (A)が連続相(CP)に対して、溶解するのを低減する観点から、樹脂(a)の分子量、SP値(SP値の計算方法はPolymer Engineering and Science,Feburuary,1974,Vol.14,No.2 P.147〜154による)、結晶性、架橋点間分子量等を適宜調整するのが好ましい。
樹脂(a)の数平均分子量(GPCにて測定、以下Mnと略記)は、好ましくは200〜500万、さらに好ましくは2,000〜500,000である。樹脂(a)のSP値は、好ましくは7〜18、さらに好ましくは8〜14である。樹脂(a)の融点(DSCにて測定)は、好ましくは50℃以上、さらに好ましくは80℃以上である。
また、樹脂粒子 (C)の、耐熱性、耐水性、耐薬品性、粒径の均一性等を向上させたい場合には、樹脂(a)に架橋構造を導入させても良い。かかる架橋構造は、共有結合性、配位結合性、イオン結合性、水素結合性等、いずれの架橋形態であってもよい。樹脂(a)に架橋構造を導入する場合の架橋点間分子量は、好ましくは30以上、さらに好ましくは50以上である。
連続相(CP)は樹脂粒子(A)の分散液であり、分散液の媒体(CP0)としては水性液、有機溶媒が挙げられる。樹脂粒子(A)は連続相(CP)の重量に対して、好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは3〜15重量%含有される。該有機溶媒は樹脂(a)及び樹脂(b)が難溶解性であるものが好ましい。
水性液としては水、水と水溶性有機溶剤の混合溶液(有機溶剤の比率は30重量%以下が好ましい。)が挙げられる。水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルフォルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン等が挙げられる。
有機溶媒としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素系溶剤;n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン等のの脂肪族または脂環式炭化水素系溶剤;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどのハロゲン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエステル系またはエステルエーテル系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶剤;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤、N−メチルピロリドンなどの複素環式化合物系溶剤、ならびにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。これらのうちで、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンが好ましい。
有機溶媒の沸点は、溶剤除去性の観点から10〜150℃が好ましく、さらに好ましくは30〜100℃、特に好ましくは40〜90℃である。
樹脂(a)を樹脂粒子 (A)の分散液にする方法は、特に限定されないが、以下の(J1)〜(J8)が挙げられる。
(J1)ビニル系樹脂の場合において、モノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法または分散重合法等の重合反応により、直接、樹脂粒子 (A)の分散液を製造する方法
(J2)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加あるいは縮合系樹脂の場合において、前駆体(モノマー、オリゴマー等)またはその溶剤溶液を必要に応じ適当な分散剤存在下で媒体中に分散させ、その後に加熱したり、硬化剤を加えたりして硬化させて樹脂粒子 (A)の分散液を製造する方法
(J3)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加あるいは縮合系樹脂の場合において、前駆体(モノマー、オリゴマー等)またはその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化しても良い)中に必要に応じ適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法
(J4)あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い)により作成した樹脂を機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂粒子 を得た後、必要に応じ適当な分散剤を添加し、媒体中に分散させる方法
(J5)あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い)により作成した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子 を必要に応じ適当な分散剤を添加し、媒体中にに分散させる方法
(J6)あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い)により作成した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、またはあらかじめ溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂粒子 を析出させ、次いで、溶剤を除去して樹脂粒子 を得た後、該樹脂粒子必要に応じを適当な分散剤を添加し、媒体中にに分散させる方法
(J7)あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い)により作成した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、必要に応じ適当な分散剤を添加し、媒体中に分散させ、これを加熱または減圧等によって溶剤を除去する方法
(J8)あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い)により作成した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に必要に応じ適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法
上記(J1)〜(J8)の方法において、併用する乳化剤または分散剤としては、公知の界面活性剤(S)、高分子活性剤(T)等を用いることができる。また、乳化または分散の助剤として溶剤(U)、可塑剤(V)等を併用することができる。
界面活性剤(S)としては、アニオン界面活性剤(S−1)、カチオン界面活性剤(S−2)、両性界面活性剤(S−3)、非イオン界面活性剤(S−4)などが挙げられる。界面活性剤(S)は2種以上の界面活性剤を併用したものであってもよい。
アニオン界面活性剤(S−1)としては、カルボン酸またはその塩、硫酸エステル塩、カルボキシメチル化物の塩、スルホン酸塩及びリン酸エステル塩が挙げられる。
カチオン界面活性剤(S−2)としては、第4級アンモニウム塩型、アミン塩型などが挙げられる。
本発明で用いる両性界面活性剤(S−3)としては、カルボン酸塩型両性界面活性剤、硫酸エステル塩型両性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤、リン酸エステル塩型両性界面活性剤などが挙げられ、カルボン酸塩型両性界面活性剤は、さらにアミノ酸型両性界面活性剤とベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。
非イオン界面活性剤(S−4)としては、アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤および多価アルコ−ル型非イオン界面活性剤などが挙げられる。
高分子活性剤(T)としては、セルロース系化合物(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびそれらのケン化物など)、ゼラチン、デンプン、デキストリン、アラビアゴム、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、アクリル酸(塩)含有ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸の水酸化ナトリウム部分中和物、アクリル酸ナトリウム−アクリル酸エステル共重合体)、スチレン−無水マレイン酸共重合体の水酸化ナトリウム(部分)中和物、水溶性ポリウレタン(ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール等とポリイソシアネートの反応生成物等)などが挙げられる。
可塑剤(V)は、乳化分散の際に必要に応じて連続相(CP)中に加えても、分散相(DP)中に加えても良い。可塑剤(V)としては、何ら限定されず、以下のものが例示される。
(V1)フタル酸エステル[フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソデシル等];
(V2)脂肪族2塩基酸エステル[アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸−2−エチルヘキシル等];
(V3)トリメリット酸エステル[トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリオクチル等];
(V4)燐酸エステル[リン酸トリエチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジール等];
(V5)脂肪酸エステル[オレイン酸ブチル等];
(V6)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
樹脂粒子 (A)の粒径は、通常、樹脂粒子 (B)の粒径よりも小さくなり、粒径均一性の観点から、粒径比[樹脂粒子 (A)の体積平均粒径]/[樹脂粒子 (C)の体積平均粒径]の値が0.0001〜0.3の範囲であるのが好ましく、0.0003〜0.2がさらに好ましく、0.0006〜0.1が特に好ましい。かかる粒径比が、上記範囲内であると、(A)が(B)の表面に効率よく吸着し、得られる(C)の粒度分布がシャープになりやすい。
樹脂粒子(A)の体積平均粒径は、粒度分布シャープ化の観点から好ましくは0.01〜30μm、さらに好ましくは0.02〜10μm、特に好ましくは0.05〜5μmである。
樹脂粒子 (A)の体積平均粒径は、所望の粒径の樹脂粒子 (C)を得るのに適した粒径になるように、上記粒径比の範囲で適宜調整することができる。例えば、体積平均粒子径1μmの樹脂粒子 (C)を得たい場合には、好ましくは0.0005〜0.3μm、特に好ましくは0.001〜0.2μmの範囲、10μmの樹脂粒子 (C)を得たい場合には、好ましくは0.005〜3μm、特に好ましくは0.05〜2μm、100μmの粒子(C)を得たい場合には、好ましくは0.05〜30μm、特に好ましくは0.1〜20μmである。なお、体積平均粒径は、レーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)やマルチタイザーIII(コールター社製)で測定できる。
<分散相(DP)>
分散相(DP)は樹脂(b)の溶剤溶液である。溶剤(DP0)としては、上記(CP0)で例示される有機溶媒、水性液を使用することができる。
樹脂(b)は溶剤溶液の重量に対して、好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは40〜60重量%含有される。
媒体(CP0)と溶剤(DP0)の組み合わせとしては、(CP0)に水性液を用いる場合は(DP0)は有機溶媒が好ましく、また(CP0)に有機溶媒を用いる場合は(DP0)は水性液が好ましい。
分散相(DP)の溶剤(DP0)及び連続相(CP)の媒体(CP0)の溶解度パラメータの差の好ましい範囲は5〜17、さらに好ましくは8〜17である。
本発明の樹脂(b)としては、樹脂(a)と同様に、公知の樹脂であればいかなる樹脂であっても使用でき、その具体例についても、(a)と同様のものが使用できる。(b)は、用途・目的に応じて適宜好ましいもの選択することができる。一般に、樹脂(b)として好ましいものは、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド樹脂およびポリエステル樹脂が挙げられる。
樹脂(b)のMn、融点、Tg、SP値は、用途によって好ましい範囲に適宜調整すればよい。例えば、樹脂粒子 (C)、樹脂粒子 (B)をスラッシュ成形用樹脂、粉体塗料として用いる場合、(b)のMnは、通常2,000〜50万、好ましくは4,000〜20万である。(b)の融点(DSCにて測定、以下融点はDSCでの測定値)、通常0℃〜200℃、好ましくは、35℃〜150℃である。(b)のTgは通常−60℃〜100℃、好ましくは、−30℃〜60℃である。(b)のSP値は、通常7〜18、好ましくは8〜14である。液晶ディスプレイ等の電子部品製造用スペーサー、電子測定機の標準粒子として用いる場合、(b)のMnは、通常2万〜1,000万、好ましくは4万〜200万である。(b)の融点(DSCにて測定、以下融点はDSCでの測定値)、通常40℃〜300℃、好ましくは、70℃〜250℃である。(b)のTgは通常−0℃〜250℃、好ましくは、50℃〜200℃である。(b)のSP値は、通常8〜18、好ましくは9〜14である。電子写真、静電記録、静電印刷などに使用されるトナーとして用いる場合、(b)のMnは、通常1,000〜500万、好ましくは2,000〜50万である。(b)の融点(DSCにて測定、以下融点はDSCでの測定値)、通常20℃〜300℃、好ましくは、80℃〜250℃である。(b)のTgは通常20℃〜200℃、好ましくは、40℃〜200℃である。(b)のSP値は、通常8〜16、好ましくは9〜14である。
<マイクロチャネル(M)>
マイクロチャネル乳化装置としては、分散相と連続相を貫通孔(流路)を形成した隔壁で分離し、貫通孔(流路)を介して分散相を連続相中に押し出す構造を有する装置であれば、特に限定されず、公知のもの(例えば上記特許文献2〜4が挙げられる。)を使用することができる。
マイクロチャネルをフォトリソグラフィ技術により作成する場合、エッチングの方法としてはウェットエッチング、ドライエッチングのいずれであってもよいが、流路の寸法精度の観点からドライエッチングが好ましい。
マイクロチャネルを形成する基板の材質は特に限定されないが、後述の樹脂(b)の前駆体(b0)や溶剤(U)等に溶解したり、膨潤しないものが好ましく、例えば無機ガラス、シリコン、ステンレス等が挙げられる。マイクロチャネル表面は連続相との親和性が良好であることが好ましく、例えば連続相が水と樹脂粒子(A)から構成される場合、マイクロチャネル表面は親水性であることが好ましい。このためマイクロチャネル表面を化学的に処理してもよく、例えば連続相(CP)と親和性のある官能基(例えば、連続相が水である場合、親水性基)を有する有機物質や無機物質によるコーティング、蒸着、スパッタリング、CVD等の方法を用いることができる。
マイクロチャネルの形成法としては、基板上に流路となる溝をフォトリソグラフィ技術により形成しておき、これをガラス等の平板とあわせることによりチャネルを形成する方法や、基板上にフォトリソグラフィ技術により貫通孔を形成する方法などが挙げられる。マイクロチャネルの流路断面の大きさは、樹脂粒子(C)の目的粒径に応じ適宜設定することが好ましく、例えば5μmの(C)を得たい場合、1〜10μm、好ましくは2〜6μm、30μmの(C)を得たい場合、10〜50μm、好ましくは15〜40μmである。また流路断面の形状は特に限定されず、円、楕円、三角形、正方形、長方形等でもよい。この中で好ましいのは楕円形、長方形である。2つの流路間の距離は、流路断面の最も長い辺を(L)とすると、L〜15×Lが好ましく、さらに2×L〜10×Lが好ましい。L以下であると、マイクロチャネルより生成した樹脂粒子(B)同士が合一しやすくなる。また10×L以上であると、樹脂粒子(C)の生産性が悪くなる。
<樹脂粒子(C)の形成>
分散相(DP)を、マイクロチャネル(M)を介して、連続相(CP)中に分散させる
ことにより、樹脂(b)の溶剤溶液粒子(B’)を形成させると同時に、溶剤溶液粒子(B’)の表面に樹脂粒子 (A)を付着させて分散液を得る。このようにして得られた分散液からさらに溶剤を除去して、樹脂(b)からなる樹脂粒子(B)の表面に樹脂粒子(A)が付着してなる樹脂粒子(C)の分散液を得る。
分散相(DP)の圧力(絶対圧力)は、粒子形成が可能な範囲で適宜制御することが好ましく、具体的には0.1kPa以下が好ましい。
分散相(DP)と連続相(CP)の体積流量比は、好ましくは1:99〜70:30、より好ましくは10:90〜65:35、さらに好ましくは20:80〜60:40である。(DP)と(CP)の体積流量比がこの範囲であると、廃液の発生も少なく、樹脂粒子(C)の生産性も高くなる。(DP)及び(CP)の流量及び流量比は、樹脂粒子(C)の目的粒径に応じて、粒度分布が悪化しない範囲で適宜制御することが好ましい。
連続相(CP)は、樹脂粒子(A)の他に、前述の界面活性剤(S)、高分子活性剤(T)、溶剤(U)、可塑剤(V)等を含んでもよい。(CP)の粘度は粒径均一性の観点から1〜1,000mPa・s(B型粘度計による測定値、測定温度25℃)が好ましく、さらに好ましくは5〜500mPa・sである。分散相(DP)の粘度は粒径均一性の観点から1〜5000mPa・s(B型粘度計による測定値、測定温度25℃)が好ましく、さらに好ましくは10〜1000mPa・sである。(DP)の粘度が高い場合は、前述の溶剤(U)、可塑剤(V)と混合したり、高温にして粘度を上記好ましい範囲まで低下させることが好ましい。連続相(CP)と分散相(DP)の粘度比は、樹脂粒子(C)の目的粒径に応じて適宜設定することが好ましい。
分散相(DP)の温度の好ましい範囲は5〜98℃、さらに好ましくは10〜60℃である。一般的に、分散相(DP)の粘度が高い場合は、粘度を下げるために温度を高く設定することが望ましい。
連続相(CP)の温度の好ましい範囲は5〜98℃、さらに好ましくは10〜60℃である。
分散相(DP)の温度と連続相(CP)の温度の差は特に限定されないが、小さい方が好ましい。
樹脂粒子(B)は、樹脂粒子(A)が(B)の表面に付着し、樹脂粒子(C)となることにより安定化される。樹脂粒子(B)の表面は樹脂粒子(A)で充分に被覆されることが好ましい。
このため、樹脂粒子(B)が生成された後、乾燥等が行われる前に、充分な滞留時間を与えることが好ましい。また、樹脂粒子(B)が合一したり、分裂したりしない程度に攪拌することが好ましい。
樹脂粒子 (C)の粒径均一性、粉体流動性、保存安定性等の観点からは、樹脂粒子 (B)の表面の5%以上が樹脂粒子 (A)で覆われているのが好ましく、(B)の表面の30%以上が(A)で覆われているのが更に好ましい。なお、表面被覆率は、走査電子顕微鏡(SEM)で得られる像の画像解析から下式に基づいて求めることができる。
表面被覆率(%)=[樹脂粒子(A)に覆われている部分の面積/{樹脂粒子(A)に覆われている部分の面積+樹脂粒子 (B)が露出している部分の面積}]×100
樹脂粒子 (C)は、実質的に小樹脂粒子 (A)と大樹脂粒子 (B)から構成され、樹脂粒子 (A)が樹脂粒子 (B)の表面に付着した形で存在する。両粒子の付着力を強めたい場合には、連続相(CP)中に分散した際に、樹脂粒子 (A)と樹脂粒子 (B)が正負逆の電荷を持つようにしたり、樹脂粒子 (A)と樹脂粒子 (B)が同一の電荷を持つ場合には、界面活性剤(S)または高分子活性剤(T)のうち樹脂粒子 (A)及び樹脂粒子 (B)と逆電荷を持つものを使用したり、樹脂(a)と樹脂(b)のSP値差を2以下にしたりすることが有効である。
本発明の樹脂粒子 (B)は、樹脂粒子 (A)の樹脂粒子 (B)に対する粒径比、及び、樹脂粒子(C)の分散液中における樹脂粒子 (A)による樹脂粒子 (B)表面の被覆率、樹脂粒子(C)の分散液中における樹脂粒子 (B)/水性媒体界面上で樹脂粒子 (A)が樹脂粒子 (B)側に埋め込まれている深さ、を変えることで粒子表面を平滑にしたり、粒子表面に所望の凹凸を付与したりすることができる。樹脂粒子 (A)による樹脂粒子 (B)表面の被覆率や樹脂粒子 (A)が樹脂粒子 (B)側に埋め込まれている深さは、以下のような方法で制御することができる。
(1):樹脂粒子(C)の分散液を製造する際に、樹脂粒子 (A)と樹脂粒子 (B)が正負逆の電荷を持つようにすると被覆率、深さが大きくなる。この場合、樹脂粒子 (A)、樹脂粒子 (B)各々の電荷を大きくするほど、被覆率、深さが大きくなる。
(2):樹脂粒子(C)の分散液を製造する際に、樹脂粒子 (A)と樹脂粒子 (B)が同極性(どちらも正、またはどちらも負)の電荷を持つようにすると、被覆率は下がり、深さが小さくなる傾向にある。この場合、一般に活性剤(S)及び/又は高分子活性剤(T)[特に樹脂粒子 (A)及び樹脂粒子 (B)と逆電荷を有するもの]を使用すると被覆率が上がる。また、高分子活性剤(T)を使用する場合には、高分子活性剤(T)の分子量が大きいほど深さが小さくなる。
(3):連続相を構成する媒体が水である場合、樹脂粒子(C)の分散液を製造する際に、樹脂(a)がカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等の酸性官能基を有する樹脂(一般に酸性官能基1個当たりの分子量が1,000以下であるのが好ましい)である場合に、水性媒体のpHが低いほど被覆率、深さが大きくなる。逆に、pHを高くするほど被覆率、深さが小さくなる。
(4):連続相を構成する媒体が水である場合、樹脂粒子(C)の分散液を製造する際に、樹脂(a)がが1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基等の塩基性官能基を有する樹脂(一般に塩基性官能基1個当たりの分子量が1,000以下であるのが好ましい)である場合に、水性媒体のpHが高いほど被覆率、深さが大きくなる。逆に、pHを低くするほど被覆率、深さが小さくなる。
(5):樹脂(a)と樹脂(b)のSP値差を小さくするほど被覆率、深さが大きくなる。
脱溶剤の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができ、例えばエバポレーター等により減圧脱溶剤する方法等が挙げられる。昇温により脱溶剤する場合は、樹脂粒子(C)同士が合一しないように適宜温度を設定することが好ましい。
<媒体の除去方法>
樹脂粒子(C)の分散液から媒体を除去する方法としては、(WA1):樹脂粒子(C)の分散液を減圧下または常圧下で乾燥する方法、(WA2):遠心分離器、スパクラフィルター、フィルタープレスなどにより固液分離し、得られた粉末を乾燥する方法、(WA3):樹脂粒子(C)の分散液を凍結させて乾燥させる方法(いわゆる凍結乾燥)等が例示される。樹脂粒子(C)の分散液中に樹脂粒子(C)を溶解あるいは膨潤させ得る溶剤を含む場合、まず(WA1)の方法で溶剤をほぼ完全に除去した後に、(WA1)〜(WA3)のいずれかの方法により、媒体を除去することが好ましい。樹脂粒子(C)に、界面活性剤等の不純物を残留させたくない場合は、上記(WA2)で得たスラリーを再度、不純物を含有しない媒体に分散し、再度(WA2)を行う操作を繰り返すことにより、不純物を洗浄することが好ましい。上記(WA1)、(WA2)において、得られた粉末を乾燥する際、流動層式乾燥機、減圧乾燥機、循風乾燥機など公知の設備を用いて行うことができる。また、必要に応じ、風力分級器などを用いて分級し、所定の粒度分布とすることもできる。乾燥時の温度は、樹脂粒子(C)同士が合一しないように適宜設定することが好ましい。具体的には樹脂粒子(C)のガラス転移温度より10〜20℃低い温度に設定することが好ましい。
次に、第2の発明である樹脂粒子(C)の製造方法について説明する。
第2の発明では、第2の発明の樹脂(b)の溶剤溶液の代わりに、樹脂(b)の前駆体(b0)又はその溶剤溶液を用いる点、粒子(B0’)を形成させて(b0)を重合反応させる点以外は、第2の発明と同様の操作を用いることができる。
<前駆体(b0)の説明>
樹脂(b)の前駆体(b0)としては、化学反応により樹脂(b)になりうるものであれば特に限定されず、例えば、樹脂(b)がビニル系樹脂である場合は、(b0)は、先述のビニル系モノマー(単独で用いても、混合して用いてもよい)およびそれらの溶剤溶液が挙げられ、樹脂(b)が縮合系樹脂(例えば、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂)である場合は、(b0)は、反応性基を有するプレポリマー(α)と硬化剤(β)の組み合わせが例示される。
ビニル系モノマーを前駆体(b0)として用いる場合、重合開始剤や連鎖移動剤を含んでもよい。
上記、重合開始剤としては、パーオキサイド系重合開始剤(I)、アゾ系重合開始剤(II)等が挙げられる。また、パーオキサイド系重合開始剤(I)と還元剤とを併用してレドックス系重合開始剤(III)を形成してもよい。更には、(I)〜(III)のうちから2種以上を併用してもよい。
(I)パーオキサイド系重合開始剤としては、(I−1)油溶性パーオキサイド系重合開始剤:アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシビバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノニルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニトリルパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシラウレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジイソブチルジパーオキシフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジt−ブチルパーオキシヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、ピナンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド等(I−2)水溶性パーオキサイド系重合開始剤:過酸化水素、過酢酸、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等。
(II)アゾ系重合開始剤:(II−1)油溶性アゾ系重合開始剤:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサン1−カーボニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等(II−2)水溶性アゾ系重合開始剤:アゾビスアミジノプロパン塩、アゾビスシアノバレリックアシッド(塩)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等。
(III)レドックス系重合開始剤(III−1)非水系レドックス系重合開始剤:ヒドロペルオキシド、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル等の油溶性過酸化物と、第三アミン、ナフテン酸塩、メルカプタン類、有機金属化合物(トリエチルアルミニウム、トリエチルホウ素、ジエチル亜鉛等)等の油溶性還元剤とを併用(III−2)水系レドックス系重合開始剤:過硫酸塩、過酸化水素、ヒドロペルオキシド等の水溶性過酸化物と、水溶性の無機もしくは有機還元剤(2価鉄塩、亜硫酸水素ナトリウム、アルコール、ポリアミン等)とを併用等が挙げられる。
前駆体(b0)としては、反応性基を有するプレポリマー(α)と硬化剤(β)の組み合わせを用いることもできる。ここで「反応性基」とは硬化剤(β)と反応可能な基のことをいう。
この場合、前駆体(b0)を反応させて樹脂(b)を形成する方法としては、反応性基含有プレポリマー(α)および硬化剤(β)及び必要により溶剤(DP0)を含む分散相(DP)を、連続相(CP)中に分散させ、必要により加熱により反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)を反応させて樹脂(b)からなる樹脂粒子 (B)を形成させる方法;反応性基含有プレポリマー(α)又はその溶剤溶液を連続相(CP)中に分散させ、ここに硬化剤(β)を加え反応させて、樹脂(b)からなる樹脂粒子 (B)を形成させる方法;反応性基含有プレポリマー(α)が水と反応して硬化するものである場合は、反応性基含有プレポリマー(α)又はその溶剤溶液を連続相(CP)が水性液である場合には連続相に分散させることで水と反応させて、(b)からなる樹脂粒子 (B)を形成させる方法等が例示できる。
反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基と、硬化剤(β)の組み合わせとしては、下記(K1)、(K2)などが挙げられる。
(K1):反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基が、活性水素化合物と反応可能な官能基(α1)であり、硬化剤(β)が活性水素基含有化合物(β1)であるという組み合わせ。
(K2):反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基が活性水素含有基(α2)であり、硬化剤(β)が活性水素含有基と反応可能な化合物(β2)であるという組み合わせ。これらのうち、水中での反応率の観点から、(1)がより好ましい。
上記組合せ(K1)において、活性水素化合物と反応可能な官能基(α1)としては、イソシアネート基(α1a)、ブロック化イソシアネート基(α1b)、エポキシ基(α1c)、酸無水物基(α1d)および酸ハライド基(α1e)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、(α1a)、(α1b)および(α1c)であり、特に好ましいものは、(α1a)および(α1b)である。ブロック化イソシアネート基(α1b)は、ブロック化剤によりブロックされたイソシアネート基のことをいう。
上記ブロック化剤としては、オキシム類[アセトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、ジエチルケトオキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、メチルエチルケトオキシム等];ラクタム類[γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム、γ−バレロラクタム等];炭素数1〜20の脂肪族アルコール類[エタノール、メタノール、オクタノール等];フェノール類[フェノール、m−クレゾール、キシレノール、ノニルフェノール等];活性メチレン化合物[アセチルアセトン、マロン酸エチル、アセト酢酸エチル等];塩基性窒素含有化合物[N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、2−ヒドロキシピリジン、ピリジンN−オキサイド、2−メルカプトピリジン等];およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいのはオキシム類であり、特に好ましいものはメチルエチルケトオキシムである。
反応性基含有プレポリマー(α)の骨格としては、ポリエーテル(αw)、ポリエステル(αx)、エポキシ樹脂(αy)およびポリウレタン(αz)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、(αx)、(αy)および(αz)であり、特に好ましいものは(αx)および(αz)である。ポリエーテル(αw)としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド、ポリテトラメチレンオキサイドなどが挙げられる。ポリエステル(αx)としては、ジオール(11)とジカルボン酸(13)の重縮合物、ポリラクトン(ε−カプロラクトンの開環重合物)などが挙げらる。エポキシ樹脂(αy)としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)とエピクロルヒドリンとの付加縮合物などが挙げられる。ポリウレタン(αz)としては、ジオール(11)とポリイソシアネート(15)の重付加物、ポリエステル(αx)とポリイソシアネート(15)の重付加物などが挙げられる。
ポリエステル(αx)、エポキシ樹脂(αy)、ポリウレタン(αz)などに反応性基を含有させる方法としては、(AA1):二以上の構成成分のうちの一つを過剰に用いることで構成成分の官能基を末端に残存させる方法、(AA2):二以上の構成成分のうちの一つを過剰に用いることで構成成分の官能基を末端に残存させ、さらに残存した該官能基と反応可能な官能基及び反応性基を含有する化合物を反応させる方法などが挙げられる。
上記方法(AA1)では、水酸基含有ポリエステルプレポリマー、カルボキシル基含有ポリエステルプレポリマー、酸ハライド基含有ポリエステルプレポリマー、水酸基含有エポキシ樹脂プレポリマー、エポキシ基含有エポキシ樹脂プレポリマー、水酸基含有ポリウレタンプレポリマー、イソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーなどが得られる。構成成分の比率は、例えば、水酸基含有ポリエステルプレポリマーの場合、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率が、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]のモル比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。他の骨格、末端基のプレポリマーの場合も、構成成分が変わるだけで比率は同様である。
上記方法(AA2)では、上記方法(AA1)で得られたプレプリマーに、ポリイソシアネートを反応させることでイソシアネート基含有プレポリマーが得られ、ブロック化ポリイソシアネートを反応させることでブロック化イソシアネート基含有プレポリマーが得られ、ポリエポキサイドを反応させることでエポキシ基含有プレポリマーが得られ、ポリ酸無水物を反応させることで酸無水物基含有プレポリマーが得られる。官能基および反応性基を含有する化合物の使用量は、例えば、水酸基含有ポリエステルにポリイソシアネートを反応させてイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーを得る場合、ポリイソシアネートの比率が、イソシアネート基[NCO]と、水酸基含有ポリエステルの水酸基[OH]のモル比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。他の骨格、末端基を有するプレポリマーの場合も、構成成分が変わるだけで比率は同様である。
反応性基含有プレポリマー(α)中の1分子当たりに含有する反応性基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。上記範囲にすることで、硬化剤(β)と反応させて得られる硬化物の分子量が高くなる。反応性基含有プレポリマー(α)の数平均分子量は、通常500〜30,000、好ましくは1,000〜20,000、さらに好ましくは2,000〜10,000である。反応性基含有プレポリマー(α)の重量平均分子量は、1,000〜50,000、好ましくは2,000〜40,000、さらに好ましくは4,000〜20,000である。反応性基含有プレポリマー(α)の粘度は、100℃において、通常2,000ポイズ以下、好ましくは1,000ポイズ以下である。2,000ポイズ以下にすることで、少量の溶剤で粒度分布のシャープな樹脂粒子 (C)が得られる点で好ましい。
活性水素基含有化合物(β1)としては、脱離可能な化合物でブロック化されていてもよいポリアミン(β1a)、ポリオール(β1b)、ポリメルカプタン(β1c)および水(β1d)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、(β1a)、(β1b)および(β1d)であり、さらに好ましいもは、(β1a)および(β1d)であり、特に好ましいもは、ブロック化されたポリアミン類および(β1d)である。(β1a)としては、ポリアミン(16)と同様のものが例示される。(β1a)として好ましいものは、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンおよびそれらの混合物である。
(β1a)が脱離可能な化合物でブロック化されたポリアミンである場合の例としては、前記ポリアミン類と炭素数3〜8のケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、炭素数2〜8のアルデヒド化合物(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド)から得られるアルジミン化合物、エナミン化合物、およびオキサゾリジン化合物などが挙げられる。
ポリオール(β1b)としては、前記のジオール(11)およびポリオール(12)と同様のものが例示される。ジオール(11)単独、またはジオール(11)と少量のポリオール(12)の混合物が好ましい。ポリメルカプタン(β1c)としては、エチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオールなどが挙げられる。
必要により活性水素基含有化合物(β1)と共に反応停止剤(βs)を用いることができる。反応停止剤を(β1)と一定の比率で併用することにより、(b)を所定の分子量に調整することが可能である。反応停止剤(βs)としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなど);モノアミンをブロックしたもの(ケチミン化合物など);モノオール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、フェノール;モノメルカプタン(ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタンなど);モノイソシアネート(ラウリルイソシアネート、フェニルイソシアネートなど);モノエポキサイド(ブチルグリシジルエーテルなど)などが挙げられる。
上記組合せ(AA2)における反応性基含有プレポリマー(α)が有する活性水素含有基(α2)としては、アミノ基(α2a)、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)(α2b)、メルカプト基(α2c)、カルボキシル基(α2d)およびそれらが脱離可能な化合物でブロック化された有機基(α2e)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、(α2a)、(α2b)およびアミノ基が脱離可能な化合物でブロック化された有機基(α2e)であり、特に好ましいものは、(α2b)である。アミノ基が脱離可能な化合物でブロック化された有機基としては、前記(β1a)の場合と同様のものが例示できる。
活性水素含有基と反応可能な化合物(β2)としては、ポリイソシアネート(β2a)、ポリエポキシド(β2b)、ポリカルボン酸(β2c)、ポリ酸無水物(β2d)およびポリ酸ハライド(β2e)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、(β2a)および(β2b)であり、さらに好ましいものは、(β2a)である。
ポリイソシアネート(β2a)としては、ポリイソシアネート(15)と同様のものが例示され、好ましいものも同様である。ポリエポキシド(β2b)としては、ポリエポキシド(18)と同様のものが例示され、好ましいものも同様である。
ポリカルボン酸(β2c)としては、ジカルボン酸(β2c−1)および3価以上のポリカルボン酸(β2c−2)が挙げられ、(β2c−1)単独、および(β2c−1)と少量の(β2c−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(β2c−1)としては、前記ジカルボン酸(13)と、ポリカルボン酸としては、前記ポリカルボン酸(5)と同様のものが例示され、好ましいものも同様である。
ポリカルボン酸無水物(β2d)としては、ピロメリット酸無水物などが挙げられる。ポリ酸ハライド類(β2e)としては、前記(β2c)の酸ハライド(酸クロライド、酸ブロマイド、酸アイオダイド)などが挙げられる。さらに、必要により(β2)と共に反応停止剤(βs)を用いることができる。
硬化剤(β)の比率は、反応性基含有プレポリマー(α)中の反応性基の当量[α]と、硬化剤(β)中の活性水素含有基[β]の当量の比[α]/[β]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。なお、硬化剤(β)が水(β1d)である場合は水は2価の活性水素化合物として取り扱う。
反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)からなる前駆体(b0)を反応させた樹脂(b)が樹脂粒子 (B)および樹脂粒子 (C)の構成成分となる。反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)を反応させた樹脂(b)の重量平均分子量は、通常3,000以上、好ましくは3,000〜1000万、さらに好ましくは,5000〜100万である。
また、反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)との反応時に、反応性基含有プレポリマー(α)および硬化剤(β)と反応しないポリマー[いわゆるデッドポリマー]を系内に含有させることもできる。この場合(b)は、反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)を反応させて得られた樹脂と、反応させていない樹脂の混合物となる。
伸長および/または架橋反応時間は、プレポリマー(α)の有する反応性基の構造と硬化剤(β)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは30分〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは50〜120℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的には、例えばイソシアネートと活性水素化合物の反応の場合には、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
<樹脂粒子(C)>
第1の発明と第2の発明である樹脂粒子(C)の製造方法により得られる樹脂粒子(C)について、説明する。
樹脂粒子 (C)の粒径均一性、保存安定性等の観点から、樹脂粒子 (C)は、好ましくは0.01〜60重量%の(A)と40〜99.99重量%の(B)からなり、0.1〜50重量%の(A)と50〜99.9重量%の(B)からなるのがさらに好ましい。
樹脂粒子(C)の体積平均粒径は、工業的な利用価値の観点から好ましくは0.1〜1000μm、さらに好ましくは1〜500μm特に好ましくは5〜300μmである。
樹脂粒子 (C)の粒径均一性、粉体流動性、保存安定性等の観点からは、樹脂粒子 (B)の表面の5%以上が樹脂粒子 (A)で覆われているのが好ましく、(B)の表面の30%以上が(A)で覆われているのが更に好ましい。なお、表面被覆率は、走査電子顕微鏡(SEM)で得られる像の画像解析から下式に基づいて求めることができる。
表面被覆率(%)=[樹脂粒子 (A)に覆われている部分の面積/樹脂粒子 (A)に覆われている部分の面積+樹脂粒子 (B)が露出している部分の面積]×100
樹脂粒子 (C)の粒径均一性は、樹脂粒子 (C)の体積基準の粒度分布の変動係数、及び樹脂粒子 (C)の体積平均粒径/樹脂粒子 (C)の個数平均粒径の値で評価することが出来る。
粒径均一性の観点から、樹脂粒子 (C)の体積基準の粒度分布の変動係数は、0.1〜10%が好ましく、0.1〜9%がさらに好ましく、0.1〜8%が特に好ましい。また、樹脂粒子 (C)の体積平均粒径/樹脂粒子 (C)の個数平均粒径の値は、1.4以下であるのが好ましく、1.0〜1.2であるのが更に好ましい。なお、体積平均粒径および個数平均粒径は、マルチタイザーIII(コールター社製)で同時に測定することができる。
本発明の樹脂粒子 (C)は、樹脂粒子 (A)と樹脂粒子 (B)の粒径、及び、樹脂粒子 (A)による樹脂粒子 (B)表面の被覆率を変えることで粒子表面に所望の凹凸を付与することができる。粉体流動性を向上させたい場合には、(C)のBET値比表面積が0.5〜5.0m2/gであるのが好ましい。本発明のBET比表面積は、比表面積計例えばQUANTASORB(ユアサアイオニクス製)を用いて測定(測定ガス:He/Kr=99.9/0.1vol%、検量ガス:窒素)したものである。同様に粉体流動性の観点から、(C)の表面平均中心線粗さRaが0.01〜0.8μmであるのが好ましい。Raは、粗さ曲線とその中心線との偏差の絶対値を算術平均した値のことであり、例えば、走査型プローブ顕微鏡システム(東陽テクニカ製)で測定することができる。
樹脂粒子 (C)の形状は、粉体流動性、溶融レベリング性等の観点から球状であるのが好ましい。その場合、粒子(A)および粒子(B)も球状であるのが好ましい。(C)はWadellの実用球形度が0.85〜1.00であるのが好ましい。なお、Wadell実用球形度は、粒子の投影面積に等しい面積を持つ円の直径と粒子の投影像に外接する最小面積の円との直径の比から求められる。粒子の投影像は、例えば走査電子顕微鏡(SEM)によって撮影することができる。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の記載において「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
以下の実施例では特許文献3と同型の市販のクロスフロー型マイクロチャネル乳化装置(イーピーテック社製)を用いた(チャネル型式:MS310)。マイクロチャネルの概念図は図1、2の通りである。
製造例1
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、スチレン化フェノールポリエチレンオキサイド付加物(エレミノールHB−12、三洋化成工業社製)47部とビスフェノールAジグリシジルエーテル(エピコート828、油化シェル社製)232部を投入し均一に溶解させた。攪拌下で反応容器に水を滴下した。水を31部投入したところで、系が乳白色に乳化した。更に水を224部滴下し、乳濁液(1)を得た。加熱して、系内温度70℃まで昇温した後、エチレンジアミン20部を水446部に溶解した液を70℃を維持したまま2時間かけて滴下した。滴下後、70℃で5時間、90℃で5時間反応、熟成してアミン硬化エポキシ樹脂水性分散液[エマルジョンA1]を得た。[エマルジョンA1]をレーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、0.81μmであった。以下、[エマルジョンA2]、[エマルジョンA3]も同様の方法で測定した。また、[エマルジョンA1]の一部を遠心分離し、更に水を加えて遠心分離する工程を2回繰り返した後、乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTg(DSCで測定、以下Tgについて同様)は120℃であった。
製造例2
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン139部、メタクリル酸138部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[エマルジョンA2]を得た。[エマルジョンA2]をLA−920で測定した体積平均粒径は、0.15μmであった。[エマルジョンA2]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは154℃であった。
製造例3
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物343部、イソフタル酸166部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、110℃まで冷却し、トルエン中にてイソホロンジイソシアネート17部を入れて110℃で5時間反応を行い、次いで脱溶剤し、重量平均分子量72,000、遊離イソシアネート含量0.7%の[ウレタン変性ポリエステル(1)]を得た。上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物570部、テレフタル酸217部を常圧下、230℃で6時間重縮合し、数平均分子量2,400、水酸基価51、酸価5の変性されていない[ポリエステル(2)]を得た。[ウレタン変性ポリエステル(1)]200部と[ポリエステル(2)]800部を酢酸エチル2,000部に溶解、混合し、[樹脂溶液1]を得た。[樹脂溶液1]の一部を減圧乾燥し、樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは55℃であった。ビーカー内に、水500部、ノニルフェノールエチレンオキサイド14モル付加物(ノニポール200、三洋化成工業製)4部を入れ均一に溶解した。TK式ホモミキサーで18,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液1]を投入し15分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付の反応容器に移し、昇温して酢酸エチルを留去し、さらに98℃まで昇温して5時間反応させて、[ウレタン変性ポリエステル(1)]の水伸長反応物と[ポリエステル(2)]の混合物からなる[エマルジョンA3]を得た。[エマルジョンA3]をLA−920で測定した体積平均粒径は、0.21μmであった。また、[エマルジョンA3]の一部を遠心分離し、更に水を加えて遠心分離する工程を2回繰り返した後、乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは64℃であった。
製造例4
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、ポリカプロラクトンジオール(分子量2,000)787部、ポリエーテルジオール(分子量4,000、EO含量50重量%、PO含量50重量%)800部を仕込み、120℃で減圧脱水した。脱水後の水分は0.05%であった。次いでHDI55.5部、水添MDI65.5部およびジブチル錫ジラウレート0.6部を添加し80℃で5時間反応を行った。得られた生成物を[水溶性高分子T1]とする。次いで、[エマルジョンA1]100部、[水溶性高分子T1]1部および水107部を混合攪拌し、乳白色の液体を得た。これを[連続相1]とする。
製造例5
水784部、[エマルジョンA2]136部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業製)80部を混合攪拌し、乳白色の液体を得た。これを[連続相2]とする。
製造例6
水634部、[エマルジョンA3]286部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業製)154部を混合攪拌し、乳白色の液体を得た。これを[連続相3]とする。
製造例7
ポリビニルアルコール(「PVA−235」、(株)クラレ製)1部を水100部に溶解した。これを[連続相4]とする。
製造例8
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、ヒドロキシル価が56のポリカプロラクトンジオール[「プラクセルL220AL」、ダイセル化学工業(株)製]2,000部を投入し3mmHgの減圧下で110℃に加熱して1時間脱水を行った。続いてIPDIを457部を投入し、110℃で10時間反応を行い末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。該ウレタンプレポリマーの遊離イソシアネート含量は3.6%であった。これを[プレポリマー1]とする。
製造例9
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、エチレンジアミン50部とMIBK50部を仕込み、50℃で5時間反応を行った。得られたケチミン化合物を[硬化剤1]とする。
製造例10
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、トルエン50部、[ポリエステル(2)]50部を仕込み、混合、均一化させ、[ポリエステル溶液1]を得た。
製造例11 [ポリエステル(3)の合成]
攪拌装置及び脱水装置のついた反応容器に、ビスフェノールA・EO2モル付加物681部、ビスフェノールA・PO2モル付加物81部、テレフタル酸275部、アジピン酸7部、無水トリメリット酸22部、ジブチルチンオキサイド2部を投入し、常圧、230℃で5時間脱水反応を行った後、3mmHgの減圧下で5時間脱水反応を行い、[ポリエステル3]を得た。[ポリエステル3]はTg54℃、数平均分子量2200、重量平均分子量9500、酸価0.8、水酸基価53であった。
製造例12 [プレポリマー2の合成]
オートクレーブに、製造例6で得られた[ポリエステル3]407部、イソホロンジイソシアネート108部、酢酸エチル485部を投入し、密閉状態で100℃、5時間反応を行い、分子末端にイソシアネート基を有する[プレポリマー溶液1]を得た。[プレポリマー溶液1]のNCO含量は1.7%であった。
実施例1
ビーカー内に[プレポリマー1]150部と[硬化剤1]6部とを混合して分散相1を調製した。図1のマイクロチャネル乳化装置において連続相として[連続相1]を25mg/hr流動させ、、分散相として[分散相1]を5mg/hr流動させた。[連続相1]の流れの中に分散相1の液を吐出させて、粒子(B0)の表面に樹脂粒子 (A)が付着した樹脂粒子の分散液を得た。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に該分散液を投入し、50℃で10時間反応を行い水性分散体(F10)を得た。次いでブロッキング防止剤[「サイロイド978」、富士デヴィソン化学製]1部および耐光安定剤[「DIC−TBS」、大日本インキ化学工業製]0.5部を加えて遠心分離機で濾別、循風乾燥機で50℃の条件で乾燥を行い樹脂粒子 (F1)を得た。
実施例2
実施例1において、[連続相1]の代わりに[連続相2]を用いた以外は実施例1と同様にして水性分散体(F20)を得て、次いで濾別、乾燥を行い樹脂粒子 (F2)を得た。
実施例3
実施例1において、[連続相1]の代わりに[連続相3]を用いた以外は実施例1と同様にして水性分散体(F30)を得て、次いで濾別、乾燥を行い樹脂粒子 (F3)を得た。
実施例4
ビーカー内に[ポリエステル溶液1]150部を入れて[分散相2]を調製した。図1のマイクロチャネル乳化装置において[連続相1]を25mg/hr、[分散相2]を5mg/hr流動させて、実施例1と同じく分散液を得た。エバポレーターに該分散液を投入し、温度30℃、圧力50Torrで30分間脱溶剤を行い水性分散体(F40)を得た。次いで濾別、乾燥を行い樹脂粒子 (F4)を得た。
実施例5
実施例4において、[連続相1]の代わりに[連続相2]を用いた以外は実施例4と同様にして水性分散体(F50)を得て、次いで濾別、乾燥を行い樹脂粒子 (F5)を得た。
実施例6
実施例4において、[連続相1]の代わりに[連続相3]を用いた以外は実施例4と同様にして水性分散体(F60)を得て、次いで濾別、乾燥を行い樹脂粒子 (F6)を得た。
実施例7
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]150部を入れて[分散相3]を調製した。図1のマイクロチャネル乳化装置において[連続相1]を25mg/hr、[分散相3]を5mg/hr流動させて、実施例1と同じく分散液を得た。エバポレータに該分散液を投入し、温度50℃、圧力50Torrで30分間脱溶剤を行った後、温度50℃で10時間反応を行い、水性分散体(F70)を得た。次いで濾別、乾燥を行い樹脂粒子(F7)を得た。
比較例1
実施例1において[連続相1]の代わりに[連続相4]を使用した以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子 (G1)を得た。
比較例2
実施例4において[連続相1]の代わりに[連続相4]を使用した以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子 (G2)を得た。
物性測定例
実施例1〜7および比較例1〜2で得た樹脂粒子 (F1)〜(F7)と(G1)、(G2)を水に分散して粒度分布、及び体積平均粒径をマルチサイザーIII(コールター社製)で測定した。
樹脂粒子(A)の体積平均粒径、樹脂粒子(C)の体積平均粒径、樹脂粒子(A)の体積平均粒径/樹脂粒子(C)体積平均粒径、樹脂粒子(C)の体積平均粒径/樹脂粒子(C)個数平均粒径、樹脂粒子 (C)の体積基準の粒度分布の変動係数を表1に示した。ここで変動係数とは、(標準偏差/体積平均粒径×100)の計算式より算出される値である。
また、分散相粘度、連続相粘度を表1に示した。測定は東機産業社製ブルックフィールド型(B型)粘度計を使用し、25℃で測定した。
Figure 2007031603
本発明の製造方法から得られる樹脂分散体および樹脂粒子 は、電子写真、静電記録、静電印刷などに用いられるトナー、スラッシュ成形用樹脂、粉体塗料、液晶等の電子部品製造用スペーサー、電子測定機器の標準粒子、電子ペーパー用粒子、各種ホットメルト接着剤、その他成形材料等に有用な樹脂粒子として極めて有用である。
マイクロチャネル基板
CNLの拡大図
符号の説明
DP:分散相
CP:連続相
X:樹脂粒子(C)の分散液
E1:分散相入口
E2:連続相入口
E3:樹脂粒子(C)の分散液出口

Claims (10)

  1. 樹脂(b)の溶剤溶液からなる分散相(DP)を、マイクロチャネル(M)を介して、樹脂(a)からなる樹脂粒子(A)の分散液からなる連続相(CP)中に分散させることにより、樹脂(b)の溶剤溶液粒子(B’)を形成させると同時に、溶剤溶液粒子(B’)の表面に樹脂粒子(A)を付着させて、さらに溶剤を除去することにより樹脂(b)からなる樹脂粒子(B)の表面に樹脂粒子(A)が付着してなる樹脂粒子(C)の分散液を得ることを特徴とする樹脂粒子の製造方法。
  2. 樹脂(b)の前駆体(b0)若しくはその溶剤溶液(b0’)からなる分散相(DP)を、マイクロチャネル(M)を介して、樹脂(a)からなる樹脂粒子(A)の分散液からなる連続相(CP)中に分散させることにより、前駆体(b0)からなる粒子(B0)若しくはその溶剤溶液(b0’)からなる粒子(B0’)を形成させると同時に、粒子(B0)又は粒子(B0’)の表面に樹脂粒子 (A)を付着させて、さらに前駆体(b0)を重合反応させて、粒子(B0’)の場合はさらに溶剤を除去することにより樹脂(b)からなる樹脂粒子(B)の表面に樹脂粒子(A)が付着してなる樹脂粒子(C)の分散液を得ることを特徴とする樹脂粒子の製造方法。
  3. 樹脂粒子(C)の分散液から媒体を除去し、樹脂粒子(C)を得ることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂粒子の製造方法。
  4. 連続相(CP)が、樹脂粒子(A)の水性分散液、又は樹脂(a)及び樹脂(b)が難溶解性である有機溶剤の樹脂粒子(A)の分散液である請求項1〜3いずれか1項に記載の樹脂粒子の製造方法。
  5. 樹脂粒子(A)の体積平均粒径/樹脂粒子 (C)の体積平均粒径の値が0.0001〜0.3、かつ、樹脂粒子(A)の体積平均粒径が0.01〜30μm、かつ、樹脂粒子(C)の体積平均粒径が0.1〜1000μmである請求項1〜4いずれか1項に記載の樹脂粒子の製造方法。
  6. 分散相(DP)の粘度が1〜5000mPa・sである請求項1〜5いずれか1項に記載の樹脂粒子の製造方法。
  7. 樹脂(a)および/または樹脂(b)が、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド樹脂およびポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つの樹脂である請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前駆体(b0)が、反応性基を有するプレポリマー(α)と硬化剤(β)からなる請求項2〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 硬化剤(β)が、活性水素基含有化合物又は活性水素基含有化合物をブロック化した化合物である請求項8に記載の樹脂粒子の製造方法。
  10. 樹脂粒子の粒子径分布の変動係数が0.1〜10%である請求項1〜9いずれか1項に記載の樹脂粒子の製造方法。




JP2005218341A 2005-07-28 2005-07-28 樹脂粒子の製造法 Pending JP2007031603A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005218341A JP2007031603A (ja) 2005-07-28 2005-07-28 樹脂粒子の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005218341A JP2007031603A (ja) 2005-07-28 2005-07-28 樹脂粒子の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007031603A true JP2007031603A (ja) 2007-02-08

Family

ID=37791232

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005218341A Pending JP2007031603A (ja) 2005-07-28 2005-07-28 樹脂粒子の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007031603A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008239967A (ja) * 2007-02-27 2008-10-09 Sekisui Plastics Co Ltd アクリル系樹脂粒子の製造方法及び樹脂粒子の製造方法
JP2008239969A (ja) * 2007-02-27 2008-10-09 Sekisui Plastics Co Ltd ポリスチレン含有アクリル系樹脂粒子の製造方法
JP2008239968A (ja) * 2007-02-27 2008-10-09 Sekisui Plastics Co Ltd アクリル系樹脂粒子の製造方法
WO2009031655A1 (ja) * 2007-09-07 2009-03-12 Kao Corporation 架橋樹脂粒子分散液
JP2009079207A (ja) * 2007-09-07 2009-04-16 Kao Corp 架橋樹脂粒子分散液
JP2010053329A (ja) * 2008-08-27 2010-03-11 Toray Ind Inc エポキシ樹脂硬化物微粒子、その分散液及び製造方法
JP2011026540A (ja) * 2009-01-30 2011-02-10 Sanyo Chem Ind Ltd 樹脂粒子及びその製造方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002284881A (ja) * 2000-02-16 2002-10-03 Sanyo Chem Ind Ltd 粒径が均一である樹脂分散体、樹脂粒子およびそれらの製造方法
JP2004067953A (ja) * 2002-08-09 2004-03-04 Toshiro Higuchi 単分散樹脂粒子の製造方法および製造装置
JP2004122107A (ja) * 2002-04-25 2004-04-22 Tosoh Corp 微小流路構造体、これを用いた微小粒子製造方法及び微小流路構造体による溶媒抽出方法
JP2005054023A (ja) * 2003-08-01 2005-03-03 Nippon Paint Co Ltd ポリマー粒子の製造方法
JP2005144356A (ja) * 2003-11-17 2005-06-09 Tosoh Corp 微小流路構造体及びこれを用いた微小粒子製造方法
JP2005152773A (ja) * 2003-11-25 2005-06-16 Tosoh Corp 微小流路による粒子製造方法
JP2006343627A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 Ricoh Co Ltd トナーの製造方法及びトナー

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002284881A (ja) * 2000-02-16 2002-10-03 Sanyo Chem Ind Ltd 粒径が均一である樹脂分散体、樹脂粒子およびそれらの製造方法
JP2004122107A (ja) * 2002-04-25 2004-04-22 Tosoh Corp 微小流路構造体、これを用いた微小粒子製造方法及び微小流路構造体による溶媒抽出方法
JP2004067953A (ja) * 2002-08-09 2004-03-04 Toshiro Higuchi 単分散樹脂粒子の製造方法および製造装置
JP2005054023A (ja) * 2003-08-01 2005-03-03 Nippon Paint Co Ltd ポリマー粒子の製造方法
JP2005144356A (ja) * 2003-11-17 2005-06-09 Tosoh Corp 微小流路構造体及びこれを用いた微小粒子製造方法
JP2005152773A (ja) * 2003-11-25 2005-06-16 Tosoh Corp 微小流路による粒子製造方法
JP2006343627A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 Ricoh Co Ltd トナーの製造方法及びトナー

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008239967A (ja) * 2007-02-27 2008-10-09 Sekisui Plastics Co Ltd アクリル系樹脂粒子の製造方法及び樹脂粒子の製造方法
JP2008239969A (ja) * 2007-02-27 2008-10-09 Sekisui Plastics Co Ltd ポリスチレン含有アクリル系樹脂粒子の製造方法
JP2008239968A (ja) * 2007-02-27 2008-10-09 Sekisui Plastics Co Ltd アクリル系樹脂粒子の製造方法
WO2009031655A1 (ja) * 2007-09-07 2009-03-12 Kao Corporation 架橋樹脂粒子分散液
JP2009079207A (ja) * 2007-09-07 2009-04-16 Kao Corp 架橋樹脂粒子分散液
US8409775B2 (en) 2007-09-07 2013-04-02 Kao Corporation Crosslinked resin particle dispersion liquid
JP2010053329A (ja) * 2008-08-27 2010-03-11 Toray Ind Inc エポキシ樹脂硬化物微粒子、その分散液及び製造方法
JP2011026540A (ja) * 2009-01-30 2011-02-10 Sanyo Chem Ind Ltd 樹脂粒子及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4130639B2 (ja) 樹脂分散体の製造方法及び樹脂粒子
US8563650B2 (en) Method for producing resin dispersions and resin particles
JP4531076B2 (ja) 電子写真トナーの母粒子用樹脂粒子の製造方法
JP4812557B2 (ja) 樹脂粒子の製造方法
JP2006321830A (ja) 樹脂粒子及びその製造法
EP1283236A1 (en) Resin dispersions having uniform particle diameters, resin particles and processes for producing both
JP4134057B2 (ja) 樹脂分散体および樹脂粒子
JP2007031603A (ja) 樹脂粒子の製造法
JP2009030002A (ja) 樹脂粒子の製造方法
JP4976237B2 (ja) 樹脂粒子および樹脂粒子の製造方法
JP4025844B2 (ja) 粒径が均一である樹脂分散体およびその製造方法
JP2011213881A (ja) 樹脂粒子及びその製造方法
JP2010189633A (ja) 樹脂分散体の製造方法及び樹脂粒子
JP2008101204A (ja) 樹脂分散体の製造方法及び樹脂粒子
JP2010155943A (ja) 樹脂粒子の製造方法
JP4625275B2 (ja) 樹脂分散体の製造方法及び樹脂粒子
JP2008208346A (ja) 樹脂粒子
JP4976228B2 (ja) 樹脂粒子および樹脂粒子の製造方法
JP2007009074A (ja) 樹脂粒子の製造法
JP5101208B2 (ja) 樹脂粒子および樹脂粒子の製造方法
JP2008007668A (ja) 樹脂粒子の製造法
JP2007246676A (ja) 樹脂粒子の製造方法及び樹脂粒子
JP4964834B2 (ja) 樹脂粒子
JP4629696B2 (ja) 樹脂粒子および樹脂粒子の製造方法
JP2008208354A (ja) 樹脂粒子

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091215

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100511