JP2011213881A - 樹脂粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 帯電特性、耐熱保存安定性、および熱特性に優れた粒径が均一である樹脂粒子を提供する。
【解決手段】
第1の樹脂(a)を含有する粒子状または被膜状の1層以上のシェル層(P)と第2の樹脂(b)を含有する1層のコア層(Q)とで構成されるコア・シェル型の樹脂粒子(C)であって、(P)と(Q)の重量比率が(0.1:99.9)〜(70:30)であり、(C)の揮発分が2重量%以下であり、且つ(a)が、融解熱の最大ピーク温度(Ta)が40〜100℃、融解開始温度(Tb)と(Ta)の比(Tb)/(Ta)が0.6〜1.0、かつ酸価が0.01〜240(mgKOH/g)の条件を満たすビニル樹脂であることを特徴とする電子写真トナー、静電記録トナー、または静電印刷トナー用樹脂粒子。
【選択図】 なし

Description

本発明は樹脂粒子に関する。さらに詳しくは、電子写真トナー、静電記録トナー、または静電印刷トナーの用途に有用な、樹脂粒子およびその製造方法に関する。
粒径が均一で、かつ、電気的特性、熱的特性、化学的安定性等に優れた樹脂粒子として、ポリマー微粒子を分散安定剤として得られた樹脂粒子が知られている(特許文献1参照)。
特開2002−284881号公報
しかしながら、このポリマー微粒子を用いる方法では、それが残存して樹脂表面上に付着して、定着、帯電の阻害物質となることがあった。そのため、電子写真、静電記録、静電印刷などに用いられるトナーとしては、十分に主樹脂の性能(帯電特性、耐熱保存安定性、低温定着性等)を発揮できているとは必ずしも言えなかった。
本発明は従来技術における上記の事情に鑑みてなされたものである。すなわち、帯電特性、耐熱保存安定性、および熱特性に優れた粒径が均一である樹脂粒子を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題点を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は下記2発明である。
[1] 第1の樹脂(a)を含有する粒子状または被膜状の1層以上のシェル層(P)と第2の樹脂(b)を含有する1層のコア層(Q)とで構成されるコア・シェル型の樹脂粒子(C)であって、(P)と(Q)の重量比率が(0.1:99.9)〜(70:30)であり、(C)の揮発分が2重量%以下であり、且つ(a)が、融解熱の最大ピーク温度(Ta)が40〜100℃、融解開始温度(Tb)と(Ta)の比(Tb)/(Ta)が0.6〜1.0、かつ酸価が0.01〜240(mgKOH/g)の条件を満たすビニル樹脂であることを特徴とする電子写真トナー、静電記録トナー、または静電印刷トナー用樹脂粒子。
[2] 第1の樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)と、第2の樹脂(b)もしくはその有機溶剤溶液、または、樹脂(b)の前駆体(b0)もしくはその有機溶剤溶液(O)とを混合し、(W)中に(O)を分散させ、(b0)もしくはその有機溶剤溶液を用いる場合には、さらに(b0)を反応させて、(W)中で(b)を含有する樹脂粒子(B)を形成させることにより、樹脂粒子(B)の表面に樹脂粒子(A)が付着された樹脂粒子(C1)の水性分散体(X1)を得て、(X1)から水性媒体を除去する工程、または、上記(X1)中において、さらに(B)に付着された(A)を、有機溶剤に溶解する、および/または、溶融することにより、(B)で構成されるコア層(Q)の表面に(A)が被膜化されたシェル層(P)を形成させた樹脂粒子(C2)の水性分散体(X2)を得て、(X2)から水性媒体を除去する工程を含む上記[1]の電子写真トナー、静電記録トナー、または静電印刷トナー用樹脂粒子(C)の製造方法。
本発明の樹脂粒子および本発明の樹脂粒子の製造方法により得られる樹脂粒子は以下の効果を有する。
1.熱特性に優れ、粒径が均一である。
2.耐熱保存安定性、粉体流動性に優れる。
3.帯電特性に優れる。
4.水中で分散により得ることが可能な樹脂粒子であるため、低コストで製造できる。
本第1発明の樹脂(a)を含有する粒子状または被膜状の1層以上のシェル層(P)と樹脂(b)を含有する1層のコア層(Q)とで構成されるコア・シェル型の樹脂粒子(C)〔シェル層が粒子状のものを樹脂粒子(C1)、被膜状のものを樹脂粒子(C2)とする。〕において、シェル層(P)とコア層(Q)の重量比率は、樹脂粒子(C)の粒径均一性、保存安定性、定着性等の観点から、(0.1:99.9)〜(70:30)であり、好ましくは(1:99)〜(50:50)、さらに好ましくは(1.5:98.5)〜(30:70)である。シェル部の重量が少なすぎると耐ブロッキング性が低下することがある。またシェル部の重量が多すぎると定着特性が低下することがある。
(P)は2層以上(例えば2〜5層)から形成されていてもよいが、1層が好ましい。
また、(C)の揮発分は、通常2%以下、さらに好ましくは1%以下である。揮発分が、2%を越えると、耐熱保存安定性が低下することがある。本発明において揮発分は、試料を150℃で45分間加熱後の重量の減少量を意味する。なお、上記および以下において%は、とくに断りのない限り重量%を意味する。
樹脂(a)はビニル樹脂である。ビニル樹脂とは、ビニルモノマーを単独重合または共重合したポリマーである。さらに樹脂(a)は樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面に固着されてなるか、又は、樹脂粒子(B)の表面に被膜が形成し得るビニル樹脂であればいかなる種類の樹脂であっても使用でき、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。
ビニル樹脂(a)の融解熱の最大ピーク温度(Ta)は40〜100℃であり、保存安定性の観点から、好ましくは45〜90℃、さらに好ましくは50〜80℃である。(Ta)が低すぎると保存安定性が低下し、(Ta)が高すぎると低温定着性が悪化する。
(Tb)と(Ta)の比(Tb)/(Ta)は0.6〜1.0であり、好ましくは0.65〜1.0である。(Tb)/(Ta)が小さいと融解が緩やかに起こり耐熱保存性と定着性が悪化する。
本発明において、融解熱の最大ピーク温度(Ta)および融解開始温度(Tb)は、次のように測定される値である。
<融解熱の最大ピーク温度、融解開始温度>
示差走査熱量計(DSC){たとえば、セイコー電子工業社製、DSC210}を用いて、測定する。
融解熱の最大ピーク温度(Ta)と融解開始温度(Tb)の測定に供する試料は、前処理として、130℃で溶融した後、130℃から70℃まで1.0℃/分の速度で降温し、次に70℃から10℃まで0.5℃/分の速度で降温する。ここで、一度DSCにより、昇温速度20℃/分で昇温して吸発熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、このとき観測される20℃〜100℃にある吸熱ピーク温度を「Ta*」とする。複数ある場合は最も吸熱量が大きいピークの温度をTa*とする。最後に試料を(Ta*−10)℃で6時間保管した後、(Ta*−15)℃で6時間保管する。
次いで、上記試料を、DSCにより、あらかじめ昇温速度20℃/分で120℃まで昇温して、降温速度90℃/分で−20℃まで冷却した後、昇温速度20℃/分で120℃まで昇温して吸発熱変化を測定して、同様のグラフを描き、吸発熱量の最大ピークに対応する温度を、融解熱の最大ピーク温度(Ta)とする。さらに上記グラフより低温側のベースラインと変曲点の接線の交点を融解開始温度(Tb)とする。
ビニル樹脂(a)の酸価は0.01〜240(mgKOH/g、以下同じ)であり、好ましくは1〜150であり、さらに好ましくは30〜120である。酸価が上記範囲未満であると、本第2発明の製造方法を適用する場合に、ビニル樹脂(a)が水系媒体中に分散しづらく、微細な球状の樹脂粒子(A)の水性分散液(W)を容易に得ることが困難となる。また、樹脂粒子(C)の帯電特性が悪化する。
<酸価>
酸価とは、試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数をいう。
試料を適量三角フラスコに正しくはかりとり、これに中性メチルアルコール・アセトン(1/1)溶液(以下、中性溶剤という)50mlを加えて溶解する。次に)フェノールフタレイン指示薬数滴を加え、0.1mol/l水酸化カリウム滴定用溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。酸価が5未満の場合は、ミクロビュレットを使用する。
本第2発明においてビニル樹脂(a)は、シェル層(P)を形成しうるビニル樹脂で、上記を満たす樹脂であればいかなる樹脂であっても使用できる。
ビニル樹脂(a)を構成するモノマーとしては、下記(m1)〜(m12)等が挙げられる。
(m1)アルキル基の炭素数が12〜50であるアルキル(メタ)アクリレート
直鎖もしくは分岐の炭素数12〜50(好ましくは炭素数8〜30の直鎖)のアルキル基を有するものであり、具体例としては、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、および2−デシルテトラデシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(m2)カルボキシル基含有ビニルモノマーおよびその金属塩:
炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸ならびにその無水物およびそのモノアルキル(炭素数1〜24)エステル、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニルモノマー。
(m3)ビニル炭化水素:
(m3−1)脂肪族ビニル炭化水素:
アルケン類、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、前記以外のα−オレフィン等;アルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン。
(m3−2)脂環式ビニル炭化水素:モノ−もしくはジ−シクロアルケンおよびアルカジエン類、例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン等;テルペン類、例えばピネン、リモネン、インデン等。
(m3−3)芳香族ビニル炭化水素:スチレンおよびそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよび/またはアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン等;およびビニルナフタレン。
(m4)スルホン基含有ビニルモノマー、ビニル硫酸モノエステル化物およびこれらの塩:炭素数2〜14のアルケンスルホン酸、例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸;およびその炭素数2〜24のアルキル誘導体、例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミド、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等]、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル、および下記一般式(1−1)〜(1−3)で示される硫酸エステルもしくはスルホン酸基含有モノマー;ならびそれらの塩等。
O−(AO)nSO3

CH2=CHCH2−OCH2CHCH2O−Ar−R (1−1)

CH=CH−CH3

R−Ar−O−(AO)nSO3H (1−2)

CH2COOR’

HO3SCHCOOCH2CH(OH)CH2OCH2CH=CH2 (1−3)

(式中、Rは炭素数1〜15のアルキル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nが複数の場合同一でも異なっていてもよく、異なる場合はランダムでもブロックでもよい。Arはベンゼン環を示し、nは1〜50の整数を示し、R’はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基を示す。)
(m5)燐酸基含有ビニルモノマーおよびその塩:
(メタ)アクリロイルオキシアルキル(C1〜C24)燐酸モノエステル、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)ホスホン酸類、例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸。
なお、上記(m2)、(m4)〜(m5)の塩としては、金属塩、アンモニウム塩、およびアミン塩(4級アンモニウム塩を含む)が挙げられる。金属塩を形成する金属としては、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Zn、Ba、Zr、Ca、Mg、Na、およびK等が挙げられる。好ましくはアルカリ金属塩、およびアミン塩であり、さらに好ましくは、ナトリウム塩および炭素数3〜20の3級モノアミンの塩である。
(m6)ヒドロキシル基含有ビニルモノマー:
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテル等
(m7)含窒素ビニルモノマー:
(m7−1)アミノ基含有ビニルモノマー:アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4ービニルピリジン、2ービニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチルα−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール、これらの塩等
(m7−2)アミド基含有ビニルモノマー:(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチルN−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等
(m7−3)ニトリル基含有ビニルモノマー:(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレート等
(m7−4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニルモノマー:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニルモノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)(6−5)ニトロ基含有ビニルモノマー:ニトロスチレン等
(m8)エポキシ基含有ビニルモノマー:
グルシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等
(m9)ハロゲン元素含有ビニルモノマー:
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレン等
(m10)(m1)以外のビニルエステル、ビニル(チオ)エーテル、ビニルケトン、ビニルスルホン類:
(m10−1)ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα−エトキシアクリレート、炭素数1〜11のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニルモノマー[ポリエチレングリコール(数平均分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(数平均分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド(エチレンオキサイドを以下EOと略記する)10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールEO30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等
(m10−2)ビニル(チオ)エーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒドロ1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル2−エチルメルカプトエチルエーテル、アセトキシスチレン、フェノキシスチレン等
(m10−3)ビニルケトン、例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルフェニルケトン;
ビニルスルホン、例えばジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルフォン、ジビニルスルフォン、ジビニルスルフォキサイド等
(m11)その他のビニルモノマー:
イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等
(m12)ポリエステル鎖含有ビニルモノマー:
ポリエステル鎖を有し数平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて測定、以下Mnと略記)500〜100000であるビニルモノマーである。
ポリエステル鎖の部分としては、ラクトン開環重合物、およびジオール(1)とジカルボン酸(3)の重縮合物が挙げられる。
ジオール(1)としては、後述のものが挙げられ、好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド(以下AOと略記する)〔EO、プロピレンオキサイド(以下POと略記する)、ブチレンオキサイド(以下BOと略記する)など〕付加物であり、さらに好ましくは炭素数2〜12の直鎖アルキレングリコールであり、特に好ましくは、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及び1,10−デカンジオールである。
ジカルボン酸(3)としては、後述のものが挙げられ、好ましいものは、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸、炭素数4〜20のアルケンジカルボン酸、および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸であり、さらに好ましくは炭素数4〜36の直鎖アルカンジカルボン酸であり、特に好ましくは、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、及びオクタデカンジカルボン酸である。
ラクトン開環重合物としては、上記ジオ−ル(1)を含有するポリオールを開始剤として、必要により触媒の存在下で、炭素数3〜12のラクトン(β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等)モノマーを開環重合させて得られ、末端に水酸基を有するものが挙げられる。これらのうち、好ましくは、ε−カプロラクトンである。
ポリエステル鎖含有ビニルモノマー(m12)の製造方法としては、
〔1〕上記ポリエステル鎖と、ヒドロキシル基含有ビニルモノマー(m6)あるいはカルボキシル基含有ビニルモノマー(m2)をエステル化反応させることにより、ポリエステル鎖にラジカル重合可能な不飽和基を導入する方法、
(2)上記ポリエステル鎖とヒドロキシル基含有ビニルモノマー(m6)とを、後述のポリイソシアネート(5)とウレタン化反応させることにより、ポリエステル鎖にラジカル重合可能な不飽和基を導入しウレタン結合を有するモノマーを製造する方法、
(3)ヒドロキシル基含有ビニルモノマー(m6)を開始剤として、前記炭素数3〜12のモノラクトンの開環重合することにより、ポリエステル鎖にラジカル重合可能な不飽和基を導入する方法、
等が挙げられる。
これらのうち好ましい方法としては、(1)および(2)の方法であり、さらに好ましくは(2)の方法である。
なお、(m12)として、相当する組成の市販品を用いることもできる。
本第2発明において、微細な球状樹脂粒子(A)の水性分散液(W)を得るため、かつ得られる樹脂粒子(C)〔(C1)または(C2)〕が耐熱保存安定性、帯電特性に優れる、粒径が均一な樹脂粒子(C1)の水性分散体(X1)を得るために、ビニル樹脂(a)は、カルボキシル基を含有することが好ましい。カルボキシル基はその少なくとも一部が塩基で中和されていてもよい。カルボキシル基の塩基中和率は、20〜100当量%が好ましく、40〜100当量%がさらに好ましい。
カルボキシル基の含有量〔塩基で中和されている場合は、カルボキシル基(−COOH基)に換算した含有量〕は、(a)の重量に基づいて0.1〜15%が好ましい。下限は、さらに好ましくは0.5%、とくに好ましくは1%、最も好ましくは3%であり、上限は、さらに好ましくは12%、とくに好ましくは10%である。
塩基中和率や、カルボキシル基含有量が上記範囲の下限以上であると、ビニル樹脂(a)が水系媒体中に分散しやすく、微細な球状の樹脂粒子(A)の水性分散液(W)を容易に得ることができる。また、得られる樹脂粒子(C)の帯電特性が向上する。
カルボキシル基の含有量は、(m2)中のカルボキシル基含有ビニルモノマーの使用量等で調整できる。
また、本第2発明において、微細な球状樹脂粒子(A)の水性分散液(W)を得るために、ビニル樹脂(a)は、スルホン酸アニオン基(−SO3 -)を含有することが好ましい。スルホン酸アニオン基(−SO3 -)の合計含有量は(a)の重量に基づいて0.001〜10%が好ましい。下限は、さらに好ましくは0.002%であり、上限は、さらに好ましくは5%、とくに好ましくは2%、最も好ましくは1%である。また、樹脂を形成するスルホン酸アニオン基(−SO3 -)を含有するモノマーの好ましい炭素数は3〜50、更に好ましくは3〜30、特に好ましくは4〜15である。
スルホン酸アニオン基(−SO3 -)基含有量が上記範囲の下限以上や樹脂を形成するスルホン酸アニオン基(−SO3 -)を含有するモノマーの炭素数が上記範囲の上限以下であると、ビニル樹脂(a)が水系媒体中に分散しやすく、微細な球状の樹脂粒子(A)の水性分散液(W)を容易に得ることができる。また、得られる樹脂粒子(C)の耐ブロッキング性、及び帯電特性が向上する。
スルホン酸アニオン基の含有量は、(m4)中のスルホン基含有ビニルモノマーの使用量等で調整できる。
上記の中和塩を形成する塩基としては、アンモニア、炭素数1〜30のモノアミン、後述のポリアミン(6)、4級アンモニウム、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、およびアルカリ土類金属(カルシウム塩、マグネシウム塩等)などが挙げられる。
上記炭素数1〜30のモノアミンとしては、炭素数1〜30の1級および/または2級アミン(エチルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン等)、炭素数3〜30の3級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、ラウリルジメチルアミン等)が挙げられる。4級アンモニウムとしては炭素数4〜30のトリアルキルアンモニウム(ラウリルトリメチルアンモニウム等)などが挙げられる。
これらの中で、好ましくは、アルカリ金属、4級アンモニウム、モノアミン、およびポリアミンであり、さらに好ましくは、ナトリウム、および炭素数1〜20のモノアミンであり、とくに好ましくは、炭素数3〜20の3級モノアミンである。
また、ビニル樹脂、およびポリエステル樹脂を形成するカルボキシル基またはその塩を含有するモノマーの好ましい炭素数は3〜30であり、さらに好ましくは3〜15、とくに好ましくは3〜8である。
ビニル樹脂(a)を構成する上記ビニルモノマーとして、アルキル基の炭素数が12〜50であるアルキル(メタ)アクリレート(m1)を含有することが、保存安定性が向上することから好ましい。
(m1)は単独のモノマーでも複数のモノマーを併用してもよい。これらの中で好ましいのは、ベヘニル(メタ)アクリレートである。
(a)中の(m1)の含有量は、好ましくは30〜90%、さらに好ましくは40〜85%、とくに好ましくは50〜80%である。(m1)の含有量が30%以上であると結晶性を持ちシャープメルトすることで保存安定性と低温定着性に優れ、高温高湿下での帯電特性が良好となる。
上記ビニルモノマーとして、カルボキシル基含有ビニルモノマーおよびその金属塩(m2)を含有することは、前述のように微細な球状樹脂粒子(A)の水性分散液(W)を得るため、かつ帯電特性、粒度分布が向上することから好ましい。
(m2)は単独のモノマーでも複数のモノマーを併用してもよい。これらの中で好ましいのは、(メタ)アクリル酸、および無水マレイン酸であり、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸である。
(a)中の(m2)の含有量は、0.1〜20%が好ましい。下限は、さらに好ましくは1%、とくに好ましくは3%、最も好ましくは5%であり、上限は、さらに好ましくは18%、とくに好ましくは15%である。(m2)の含有量が下限以上であると、ビニル樹脂(a)が水系媒体中に分散しやすく、微細な球状の樹脂粒子(A)の水性分散液(W)を容易に得ることができる。また、得られる樹脂粒子(C)の粒度分布が向上する(狭くなる。)。
ビニル樹脂(a)を構成するビニルモノマーとして、さらに(m10)の中の炭素数1〜11のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含有することは、粒度分布が向上することから好ましい。(a)中の炭素数1〜11のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの含有量は、好ましくは0.1〜40%、さらに好ましくは5〜35%である。
ビニル樹脂(a)としては、上記(m1)〜(m12)の任意のビニルモノマー同士を、2元またはそれ以上の個数で、融解熱の最大ピーク温度(Ta)が40〜100℃、融解開始温度(Tb)と(Ta)の比(Tb)/(Ta)が0.6〜1.0、かつ酸価が0.01〜240となるように、任意の割合で共重合したポリマーが挙げられる。
(Tb)/(Ta)の値を調整する方法としては、(Ta)/(Tb)を大きくする場合、ビニルモノマー中のアルキル基の炭素数が12〜50であるアルキル(メタ)アクリレート(m1)の比率を高める、共重合体の分子量を大きくする等の方法が挙げられる。
(a)の具体例としては、スチレン−ベヘニル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸−ベヘニル(メタ)アクリレート共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸−ベヘニル(メタ)アクリレート共重合体、ベヘニル(メタ)アクリレート−メチル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、ベヘニル(メタ)アクリレート−メチル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、ベヘニル(メタ)アクリレート−メチル(メタ)アクリレート−スチレンスルホン酸共重合体、ベヘニル(メタ)アクリレート−メチル(メタ)アクリレート−アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸共重合体、ベヘニル(メタ)アクリレート−メチル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸−アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸共重合体、ポリエステル鎖含有ビニルモノマー(m12)−ベヘニル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリエステル鎖含有ビニルモノマー(m12)−ベヘニル(メタ)アクリレート−メチル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸−スチレンスルホン酸共重合体、およびこれらの共重合体の塩などが挙げられる。
なお、ビニル樹脂(a)が、水性分散体(X1)中で樹脂粒子(A)を形成する場合、少なくとも(X1)を形成する条件下(5〜90℃が好ましい。)で水に完全に溶解していないことが必要である。そのため、ビニル樹脂が共重合体である場合には、ビニル樹脂を構成する疎水性モノマーと親水性モノマーの比率は、選ばれるモノマーの種類によるが、一般に疎水性モノマーが10%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。疎水性モノマーの比率が、10%以下になるとビニル樹脂が水溶性になり、樹脂粒子(C1)および(C2)の粒径均一性が損なわれる。ここで、親水性モノマーとは水に任意の割合で溶解するモノマーをいい、疎水性モノマーとは、それ以外のモノマー(基本的に水に混和しないモノマー)をいう。
樹脂粒子(B)は樹脂(b)より構成される。本発明において、樹脂(b)としては、熱可塑性樹脂(b1)、又は該熱可塑性樹脂を微架橋した樹脂(b2)、又は熱可塑性樹脂を海成分、硬化樹脂を島成分とするポリマーブレンド(b3)のいずれであってもよい。樹脂(b)としては、2種以上を併用しても差し支えない。(b)は、用途・目的に応じて適宜好ましいものを選択することができる。樹脂(b)としては、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。このうちさらに好ましいのは、微細球状樹脂粒子の分散体が得られやすいという観点からビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂およびそれらの併用である。
以下、樹脂(b)として好ましい樹脂であるビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、およびエポキシ樹脂につき、詳細に説明する。
ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合または共重合したポリマーである。ビニルモノマーとしては、前記と同様のものを用いることができる。
ポリエステル樹脂としては、ポリオールと、ポリカルボン酸またはその酸無水物またはその低級アルキルエステルとの重縮合物、およびこれらの重縮合物の金属塩などが挙げられる。ポリオールとしてはジオール(1)および3〜8価またはそれ以上のポリオール(2)が、ポリカルボン酸またはその酸無水物またはその低級アルキルエステルとしては、ジカルボン酸(3)および3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(4)およびこれらの酸無水物または低級アルキルエステルが挙げられる。
ポリオールとポリカルボン酸の反応比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/5、さらに好ましくは1.5/1〜1/4、とくに好ましくは1.2/1〜1/3である。
水酸基が過剰なポリエステルをポリカルボン酸で処理してもよい。
ジオール(1)としては、炭素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなど);炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);炭素数4〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);上記アルキレングリコールまたは脂環式ジオールのAO(EO、PO、BOなど)付加物(付加モル数1〜120);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)のAO(EO、PO、BOなど)付加物(付加モル数2〜30);ポリラクトンジオール(ポリε−カプロラクトンジオールなど);およびポリブタジエンジオールなどが挙げられる。
ジオールとしては、上記のヒドロキシル基以外の官能基を有しないジオール以外に、他の官能基を有するジオール(1a)を用いてもよい。(1a)としては、カルボキシル基を有するジオール、スルホン酸基もしくはスルファミン酸基を有するジオール、およびこれらの塩等が挙げられる。
カルボキシル基を有するジオールとしては、ジアルキロールアルカン酸[C6〜24のもの、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、2 ,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸など]が
挙げられる。
スルホン酸基もしくはスルファミン酸基を有するジオールとしては、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸、スルホイソフタル酸ジ(エチレングリコール)エステル、スルファミン酸ジオール[N,N−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル基のC1〜6)またはそのAO付加物(AOとしてはEOまたはPOなど、AOの付加モル数1〜6):例えばN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸およびN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸PO2モル付加物など];ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェートなどが挙げられる。
これらの中和塩基を有するジオールの中和塩基としては、例えば炭素数3〜30の3級アミン(トリエチルアミンなど)および/またはアルカリ金属(ナトリウム塩など)が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、カルボキシル基を有するジオール、ビスフェノール類のAO付加物、およびこれらの併用である。
3〜8価またはそれ以上のポリオール(2)としては、炭素数3〜36の3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(アルカンポリオールおよびその分子内もしくは分子間脱水物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、およびポリグリセリン;糖類およびその誘導体、例えばショ糖、およびメチルグルコシド);多価脂肪族アルコールのAO付加物(付加モル数2〜120);トリスフェノール類(トリスフェノールPAなど)のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど)のAO付加物(付加モル数2〜30);アクリルポリオール[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニルモノマーの共重合物など];などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコールおよびノボラック樹脂のAO付加物であり、さらに好ましいものはノボラック樹脂のAO付加物である。
ジカルボン酸(3)としては、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸など)およびアルケニルコハク酸(ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸など);炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸〔ダイマー酸(2量化リノール酸)など〕、炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸など);炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケンジカルボン酸、および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(4)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
なお、ジカルボン酸(3)または3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(4)としては、上述のものの酸無水物または炭素数1〜4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
ポリウレタン樹脂としては、ポリイソシアネート(5)と活性水素含有化合物{水、ポリオール[前記ジオール(1)〔ヒドロキシル基以外の官能基を有するジオール(1a)を含む〕、および前記3〜8価またはそれ以上のポリオール(2)]、ポリカルボン酸[前記ジカルボン酸(3)、および前記3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(4)]、上記ポリオールと上記ポリカルボン酸の重縮合により得られるポリエステルポリオール、炭素数6〜12のラクトンの開環重合体、ポリアミン(6)、ポリチオール(7)、およびこれらの併用等}の重付加物、並びに(5)と活性水素含有化合物を反応させてなる末端イソシアネート基プレポリマーと、該プレポリマーのイソシアネート基に対して当量の1級および/または2級モノアミン(8)とを反応させて得られる、アミノ基含有ポリウレタン樹脂が挙げられる。
ポリウレタン樹脂中のカルボキシル基の含有量は、0.1〜10%が好ましい。
ポリイソシアネート(5)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネートおよびこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)またはその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(たとえば5〜20%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)]、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
上記脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどの脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
上記脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
上記芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
また、上記ポリイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。
具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDIなど)、ウレタン変性TDIなどのポリイソシアネートの変性物およびこれらの2種以上の混合物[たとえば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
これらのうちで好ましいものは6〜15の芳香族ポリイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ポリイソシアネート、および炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネートであり、とくに好ましいものはTDI、MDI、HDI、水添MDI、およびIPDIである。
ポリアミン(6)の例としては、脂肪族ポリアミン類(C2〜C18):〔1〕脂肪族ポリアミン{C2〜C6アルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)、ポリアルキレン(C2〜C6)ポリアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなど〕};〔2〕これらのアルキル(C1〜C4)またはヒドロキシアルキル(C2〜C4)置換体〔ジアルキル(C1〜C3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミンなど〕;〔3〕脂環または複素環含有脂肪族ポリアミン〔3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなど〕;〔4〕芳香環含有脂肪族アミン類(C8〜C15)(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミンなど)、脂環式ポリアミン(C4〜C15):1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4´−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)など、複素環式ポリアミン(C4〜C15):ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジンなど、芳香族ポリアミン類(C6〜C20):〔1〕非置換芳香族ポリアミン〔1,2−、1,3−および1,4−フェニレンジアミン、2,4´−および4,4´−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4´,4”−トリアミン、ナフチレンジアミンなど;核置換アルキル基〔メチル,エチル,n−およびi−プロピル、ブチルなどのC1〜C4アルキル基)を有する芳香族ポリアミン、たとえば2,4−および2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、4,4´−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3´,5,5´−テトラメチルベンジジン、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3´−メチル−2´,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジエチル−2,2´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´,5,5´−テトライソプロピル−4,4´−ジアミノジフェニルスルホンなど〕、およびこれらの異性体の種々の割合の混合物;〔3〕核置換電子吸引基(Cl,Br,I,Fなどのハロゲン;メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基;ニトロ基など)を有する芳香族ポリアミン〔メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン;4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチル−5,5´−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3´−ジクロロベンジジン、3,3´−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフイド、4,4´−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4´−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4´−メチレンビス(2−フルオロアニリン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリンなど〕;〔4〕2級アミノ基を有する芳香族ポリアミン〔上記〔1〕〜〔3〕の芳香族ポリアミンの−NH2の一部または全部が−NH−R´(R´はアルキル基たとえばメチル,エチルなどの低級アルキル基)で置き換ったもの〕〔4,4´−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼンなど〕、ポリアミドポリアミン:ジカルボン酸(ダイマー酸など)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(上記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミンなど)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミンなど、ポリエーテルポリアミン:ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコールなど)のシアノエチル化物の水素化物などが挙げられる。
ポリチオール(7)としては、炭素数2〜36のアルカンジチオール(エチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオールなど)等が挙げられる。
1級および/または2級モノアミン(8)としては、炭素数2〜24のアルキルアミン(エチルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミンなど)等が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ポリエポキシド(9)の開環重合物、ポリエポキシド(9)と活性水素基含有化合物{水、ポリオール[前記ジオール(1)および3〜8価またはそれ以上のポリオール(2)]、前記ジカルボン酸(3)、前記3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(4)、前記ポリアミン(6)、前記ポリチオール(7)等}との重付加物、またはポリエポキシド(9)とジカルボン酸(3)または3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(4)の酸無水物との硬化物などが挙げられる。
本発明に用いるポリエポキシド(9)は、分子中に2個以上のエポキシ基を有していれば、特に限定されない。ポリエポキシド(9)として好ましいものは、硬化物の機械的性質の観点から分子中にエポキシ基を2〜6個有するものである。ポリエポキシド(9)のエポキシ当量(エポキシ基1個当たりの分子量)は、好ましくは65〜1000であり、さらに好ましくは90〜500である。エポキシ当量が1000以下であると、架橋構造が強固になり硬化物の耐水性、耐薬品性、機械的強度等の物性が向上する。一方、エポキシ当量が65以上のものを合成するのは容易である。
ポリエポキシド(9)の例としては、芳香族ポリエポキシ化合物、複素環ポリエポキシ化合物、脂環族ポリエポキシ化合物あるいは脂肪族ポリエポキシ化合物が挙げられる。芳香族ポリエポキシ化合物としては、多価フェノール類のグリシジルエーテル体およびグリシジルエステル体、グリシジル芳香族ポリアミン、並びに、アミノフェノールのグリシジル化物等が挙げられる。多価フェノールのグリシジルエーテル体としては、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ハロゲン化ビスフェノールAジグリシジル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテル、カテキンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ピロガロールトリグリシジルエーテル、1,5−ジヒドロキシナフタリンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、オクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、テトラメチルビフェニルジグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフチルクレゾールトリグリシジルエーテル、トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル、ジナフチルトリオールトリグリシジルエーテル、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテル、p−グリシジルフェニルジメチルトリールビスフェノールAグリシジルエーテル、トリスメチル−tret−ブチル−ブチルヒドロキシメタントリグリシジルエーテル、9,9’−ビス(4−ヒドキシフェニル)フロオレンジグリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4−フェニルエチル)テトラクレゾールグリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4−フェニルエチル)フェニルグリシジルエーテル、ビス(ジヒドロキシナフタレン)テトラグリシジルエーテル、フェノールまたはクレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル体、リモネンフェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル体、ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル体、フェノールとグリオキザール、グルタールアルデヒド、またはホルムアルデヒドの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体、およびレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体等が挙げられる。多価フェノールのグリシジルエステル体としては、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。グリシジル芳香族ポリアミンとしては、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミン等が挙げられる。さらに、前記芳香族系として、P−アミノフェノールのトリグリシジルエーテル、トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートとグリシドールの付加反応によって得られるジグリシジルウレタン化合物、前記2反応物にポリオールも反応させて得られるグリシジル基含有ポリウレタン(プレ)ポリマーおよびビスフェノールAのアルキレンオキシド(エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド)付加物のジグリシジルエーテル体も含む。複素環ポリエポキシ化合物としては、トリスグリシジルメラミンが挙げられる;脂環族ポリエポキシ化合物としては、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエール、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、およびビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ブチルアミン、ダイマー酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。また、脂環族系としては、前記芳香族ポリエポキシド化合物の核水添化物も含む;脂肪族ポリエポキシ化合物としては、多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル体、多価脂肪酸のポリグリシジルエステル体、およびグリシジル脂肪族アミンが挙げられる。多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル体としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルおよびポリグリセロールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。多価脂肪酸のポリグリシジルエステル体としては、ジグリシジルオキサレート、ジグリシジルマレート、ジグリシジルスクシネート、ジグリシジルグルタレート、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルピメレート等が挙げられる。グリシジル脂肪族アミンとしては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミンが挙げられる。また、脂肪族系としては、ジグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体も含む。これらのうち、好ましいのは、脂肪族ポリエポキシ化合物および芳香族ポリエポキシ化合物である。ポリエポキシドは、2種以上併用しても差し支えない。
樹脂(b)のMnは、好ましくは1,000〜100万、さらに好ましくは2,000〜50万である。(b)の融解熱の最大ピーク温度(DSCにて測定、以下融解熱の最大ピーク温度はDSCでの測定値)は、好ましくは20℃〜150℃、さらに好ましくは30℃〜120℃である。また(b)の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて測定、以下Mwと略記)は、好ましくは1000〜100万、さらに好ましくは2000〜50万である。(b)のガラス転移温度(Tg)は好ましくは20℃〜100℃、さらに好ましくは、30℃〜80℃である。(b)のsp値(sp値の計算方法はPolymer Engineering and Science,Feburuary,1974,Vol.14,No.2 P.147〜154に記載された方法によって計算される)は、好ましくは8〜16、さらに好ましくは9〜14である。
本発明において、ビニル樹脂等のポリウレタン樹脂以外の樹脂の、MnおよびMwは、テトラヒドロフラン(THF)可溶分について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) : 東ソー製 HLC−8120
カラム(一例): TSKgelGMHXL(2本)
TSKgelMultiporeHXL−M(1本)
試料溶液 : 0.25%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μl
流量 : 1ml/分
測定温度 : 40℃
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
また、ポリウレタン樹脂のMnおよびMwは、GPCを用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) : 東ソー製 HLC−8220GPC
カラム(一例): Guardcolumn α
TSKgel α−M
試料溶液 : 0.125%のジメチルホルムアミド溶液
溶液注入量 : 100μl
流量 : 1ml/分
測定温度 : 40℃
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
また、ガラス転移温度(Tg)は、次のように測定される値である。
<ガラス転移温度>
ガラス転移温度は非結晶性樹脂に特有の物性であり、融解熱の最大ピーク温度(Ta)とは区別される。そして、前記の融解熱の最大ピーク温度の測定において、「吸発熱量」と「温度」とのグラフの最大ピーク温度以下でのベースラインの延長線と、最大ピークの立ち上がり部分から最大ピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点に対応する温度をガラス転移温度(Tg)とする。
添加剤として、樹脂粒子(B)で構成されるコア層(Q)中に、樹脂(b)と共に、ワックス(c)を含有すると離型性が向上し好ましい。また、さらにビニルポリマー鎖がグラフトした変性ワックス(d)を含有すると、耐熱保存安定性がより向上し好ましい。
(Q)中の(c)の含有量は、好ましくは20%以下、さらに好ましくは1〜15%である。(d)の含有量は、好ましくは10%以下、さらに好ましくは0.5〜8%である。(c)と(d)の合計含有量は、好ましくは25%以下、さらに好ましくは1〜20%である。
ワックス(c)は、溶融混練処理および/または有機溶剤(u)存在下加熱溶解混合処理した後に樹脂(b)に分散される。あるいはあらかじめ変性ワックス(d)と溶剤不存在下の溶融混練処理および/または有機溶剤(u)存在下加熱溶解混合処理した後に樹脂(b)に分散される。
ワックス(c)としては、耐熱保存性、フィルミング改良の観点から融解熱の最大ピーク温度が50〜90℃であることが好ましい。さらにより好ましくは60〜85℃である。(c)としては、合成ワックス、天然ワックスがあり、合成ワックスとしてはポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、カルボニル基含有ワックスおよびこれらの混合物等が挙げられる。このうち、好ましいのはパラフィンワックス(c1)、およびカルナウバワックス(c2)である。(c1)としては、炭素数20〜36の直鎖飽和炭化水素を主成分とする石油系ワックス等が挙げられ、(c2)としては、炭素数16〜36の動植物ワックス等が挙げられる。
また、離型性の観点から、(c)のMnは、好ましくは400〜5000、さらに好ましくは1000〜3000、とくに1500〜2000である。尚、上記および以下においてワックスのMnは、GPCを用いて測定される(溶媒:オルソジクロロベンゼン、基準物質:ポリスチレン)。
ワックス(c)は、ビニルポリマー鎖がグラフトした変性ワックス(d)と無溶媒下溶融混練処理および/または後述する有機溶剤(u)存在下の加熱溶解混合処理した後に、樹脂(b)に分散されるのが好ましい。この方法により、ワックス分散処理時に変性ワックス(d)を共存させることにより、(d)のワックス基部分が効率よく(c)表面に吸着、あるいはワックスのマトリクス構造内に一部絡みあうことにより、ワックス(c)表面と樹脂(b)との親和性が良好になり、(c)をより均一に樹脂粒子(B)中に内包することができ、分散状態の制御が容易になる。
変性ワックス(d)は、ワックスにビニルポリマー鎖がグラフトしたものである。(d)に用いられるワックスとしては上記ワックス(c)と同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。(d)のビニルポリマー鎖を構成するビニルモノマーとしては、前記ビニル樹脂を構成するモノマー(m1)〜(m12)と同様のものが挙げられるが、この中でとくに好ましいのは(m2)、(m3)、および(m7)である。ビニルポリマー鎖はビニルモノマーの単独重合体でもよいし、共重合体でもよい。
変性ワックス(d)におけるワックス成分の量(未反応ワックスを含む)は、0.5〜99.5%が好ましく、さらに好ましくは1〜80%、とくに好ましくは5〜50%、最も好ましくは10〜30%である。また(d)のTgは、樹脂粒子(C)の耐熱保存安定性の観点から、好ましくは40〜90℃、さらに好ましくは50〜80℃である。
(d)のMnは、好ましくは1500〜10000、とくに1800〜9000である。Mnが1500〜10000の範囲では、樹脂粒子(C)の機械強度が良好である。
変性ワックス(d)は、例えばワックス(c)を有機溶剤(例えばトルエンまたはキシレン)に溶解または分散させ、100〜200℃に加熱した後、ビニルモノマーをパーオキサイド系開始剤(ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、ターシャリブチルパーオキサイドベンゾエート等)とともに滴下して重合後、有機溶剤を留去することにより得られる。
変性ワックス(d)の合成におけるパーオキサイド系開始剤の量は、(d)の原料の合計重量に基づいて、好ましくは0.2〜10%、さらに好ましくは0.5〜5%である。
パーオキサイド系重合開始剤としては、油溶性パーオキサイド系重合開始剤および水溶性パーオキサイド系重合開始剤等が用いられる。
これらの開始剤の具体例としては、後述のものが挙げられる。
ワックス(c)と変性ワックス(d)を混合する方法としては、〔1〕それぞれの融解熱の最大ピーク温度以上の温度で溶融混練する方法、〔2〕(c)と(d)を有機溶剤(u)中に溶解あるいは懸濁させた後、冷却晶析、溶剤晶析等により液中に析出、あるいはスプレードライ等により気体中に析出させる方法、〔3〕(c)と(d)を有機溶剤(u)中に溶解あるいは懸濁させた後、分散機により機械的に湿式粉砕させる方法、等が挙げられる。これらの中では、〔2〕の方法が好ましい。
ワックス(c)および変性ワックス(d)を樹脂(b)中に分散させる方法としては、(c)および(d)と、(b)とを、それぞれ有機溶剤溶液もしくは分散液とした後、それら同士を混合する方法等が挙げられる。
本第1発明のコア・シェル型樹脂粒子(C)はどのような方法および過程で製造された樹脂粒子であってもよいが、コア・シェル型樹脂粒子を製造する方法として、次のような製造方法(I)〜(III)等が挙げられる。
(I)コア粒子を作成すると同時にコア・シェル構造にする方法例。
ビニル樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)と、樹脂(b)もしくはその有機溶剤溶液、または、樹脂(b)の前駆体(b0)もしくはその有機溶剤溶液(O)とを混合し、(W)中に(O)を分散させ、(b0)もしくはその有機溶剤溶液を用いる場合には、さらに(b0)を反応させて、(W)中で(b)を含有する樹脂粒子(B)を形成する方法。この場合、樹脂粒子(B)の造粒と同時に(B)表面に樹脂粒子(A)が付着してコア・シェル型樹脂粒子(C1)の水性分散体(X1)ができ、これからから水性媒体を除去することによって造られる。この際、(C1)の表面が被膜化してない場合、必要により、被膜化処理を施し、(B)の表面に(A)から形成された被膜を有する構造の樹脂粒子(C2)の水性分散体(X2)を形成させた後、これからから水性媒体を除去する。この工程は(X1)を得た後であればどの段階で処理してもよい。
(II)あらかじめ作製した樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)をビニル樹脂(a)を含有するコーティング剤(W’)でコーティングし、さらに必要ならばシェル層を被膜化することでコア・シェル型樹脂粒子(C2)を造る方法。この場合、コーティング剤(W’)は液体、固体、どのような形態であってもかまわず、さらに(a)の前駆体(a’)でコーティングした後に(a’)を反応させて(a)にしてもよい。また、用いる(B)は、乳化重合凝集法などで作製された樹脂粒子であっても、粉砕法で作製された樹脂粒子であっても、どのような製造法で作製されたものでもかまわない。またコーティング方法には、限定はなく、例えば、ビニル樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)中にあらかじめ作製した樹脂粒子(B)または(B)の分散体を分散させる方法や、(B)に(a)の溶解液をコーティング剤としてふりかける方法などが挙げられる。
(III)コア粒子を作成し、そのコア粒子の表面近傍を物理的および/または化学的に操作して別のシェル樹脂に変える方法。樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)をあらかじめ作製し、(B)の表面を熱処理および/または化学的処理(酸、およびアミン中和など)することで単一粒子(B)をコア・シェル型樹脂粒子(C2)に変化させる方法などがある。
これらの中では(I)[本第2発明]の製法が好ましい。
本発明における上記製造方法(I)においては、ビニル樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)中に、樹脂(b)もしくはその有機溶剤溶液、または樹脂(b)の前駆体(b0)もしくはその有機溶剤溶液(O)とを混合し、(W)中に(O)を分散させて、(b)を含有する樹脂粒子(B)が形成される際に、樹脂粒子(B)の表面に樹脂粒子(A)を吸着させることで樹脂粒子(C1)同士が合一するのを防ぎ、また、高剪断条件下で(C1)が分裂され難くする。これにより、(C1)の粒径を一定の値に収斂させ、粒径の均一性を高める効果を発揮する。そのため、樹脂粒子(A)は、分散する際の温度において、剪断により破壊されない程度の強度を有すること、水に溶解したり、膨潤したりしにくいこと、(b)もしくはその有機溶剤溶液、(b0)もしくはその有機溶剤溶液に溶解しにくいことが好ましい特性としてあげられる。
本第2発明においては、樹脂(a)の樹脂(b)に対するsp値差、また樹脂(a)の分子量を制御することで樹脂粒子(C1)の粒子表面を平滑にすることができる。
樹脂粒子(A)が水や分散時に用いる有機溶剤に対してに、溶解したり、膨潤したりするのを低減する観点から、ビニル樹脂(a)の分子量、sp値、結晶性、架橋点間分子量等を適宜調整するのが好ましい。
ビニル樹脂(a)のMnは、好ましくは100〜100万、さらに好ましくは200〜50万、とくに好ましくは500〜100,000、sp値は、好ましくは7〜18、さらに好ましくは8〜14である。粒径の均一性等を向上させたい場合には、ビニル樹脂(a)に架橋構造を導入させてもよい。かかる架橋構造は、共有結合性、配位結合性、イオン結合性、水素結合性等、いずれの架橋形態であってもよい。(a)に架橋構造を導入する場合の架橋点間分子量は、好ましくは50以上、さらに好ましくは500以上、とくに好ましくは1000以上である。
樹脂粒子(A)の水性分散液(W)中に、水以外に後述の有機溶剤(u)のうち水と混和性の有機溶剤(アセトン、メタノール、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等)が含有されていてもよい。この際、含有される有機溶剤は、樹脂粒子(A)の凝集を引き起こさないもの、樹脂粒子(A)を溶解しないもの、および樹脂粒子(C1)の造粒を妨げることがないものであればどの種であっても、またどの程度の含有量であってもかまわないが、水と有機溶剤(u)の合計量の40%以下用いて、乾燥後の樹脂粒子(C)中に残らないものが好ましい。
ビニル樹脂(a)を樹脂粒子(A)の水性分散液(W)にする方法は、とくに限定されないが、以下の〔1〕〜〔6〕が挙げられる。
〔1〕ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法または分散重合法等の重合反応により、直接、樹脂粒子(A)の水性分散液を製造する方法
〔2〕あらかじめ重合反応により作成したビニル樹脂を機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級するすることによって樹脂粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法
〔3〕あらかじめ重合反応により作成したビニル樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法
〔4〕あらかじめ重合反応により作成したビニル樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、またはあらかじめ有機溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂粒子を析出させ、次いで、有機溶剤を除去して樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法
〔5〕あらかじめ重合反応により作成したビニル樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、これを加熱または減圧等によって有機溶剤を除去する方法
〔6〕あらかじめ重合反応により作成したビニル樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法
上記〔1〕〜〔6〕の方法において、併用する乳化剤または分散剤としては、公知の界面活性剤(s)、水溶性ポリマー(t)等を用いることができる。また、乳化または分散の助剤として有機溶剤(u)、可塑剤(v)等を併用することができる。
界面活性剤(s)としては、アニオン界面活性剤(s−1)、カチオン界面活性剤(s−2)、両性界面活性剤(s−3)、非イオン界面活性剤(s−4)などが挙げられる。界面活性剤(s)は2種以上の界面活性剤を併用したものであってもよい。(s)の具体例としては、以下に述べるものの他特開2002−284881号公報に記載のものが挙げられる。
アニオン界面活性剤(s−1)としては、カルボン酸またはその塩、硫酸エステル塩、カルボキシメチル化物の塩、スルホン酸塩およびリン酸エステル塩等が用いられる。
カルボン酸またはその塩としては、炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪酸またはその塩が使用でき、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸およびリシノール酸並びにヤシ油、パーム核油、米ぬか油および牛脂などをケン化して得られる高級脂肪酸の混合物等が挙げられる。
その塩としては、これらのナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩、アンモニウム塩、4級アンモニウム塩およびアルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等)などの塩があげられる。
硫酸エステル塩としては、高級アルコール硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪族アルコールの硫酸エステル塩)、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪族アルコールのEOまたはPO1〜10モル付加物の硫酸エステル塩)、硫酸化油(炭素数12〜50の天然の不飽和油脂または不飽和のロウをそのまま硫酸化して中和したもの)、硫酸化脂肪酸エステル(不飽和脂肪酸(炭素数6〜40)の低級アルコール(炭素数1〜8)エステルを硫酸化して中和したもの)および硫酸化オレフィン(炭素数12〜18のオレフィンを硫酸化して中和したもの)等が使用できる。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩、アンモニウム塩、4級アンモニウム塩およびアルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等)等が挙げられる。
高級アルコール硫酸エステル塩としては、例えば、オクチルアルコール硫酸エステル塩、デシルアルコール硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、ステアリルアルコール硫酸エステル塩、チーグラー触媒を用いて合成されたアルコール(例えば、商品名:ALFOL 1214:CONDEA社製)の硫酸エステル塩およびオキソ法で合成されたアルコール(例えば、商品名:ドバノール23、25、45、ダイヤドール115−L、115H、135:三菱化学製:、商品名:トリデカノール:協和発酵製、商品名:オキソコール1213、1215、1415:日産化学製)の硫酸エステル塩等が挙げられる。
高級アルキルエーテル硫酸エステル塩としては、例えば、ラウリルアルコールEO2モル付加物硫酸エステル塩およびオクチルアルコールEO3モル付加物硫酸エステル塩等が挙げられる。
硫酸化油としては、例えば、ヒマシ油、落花生油、オリーブ油、ナタネ油、牛脂および羊脂などの硫酸化物の塩等が挙げられる。
硫酸化脂肪酸エステルとしては、例えば、オレイン酸ブチルおよびリシノレイン酸ブチル等の硫酸化物の塩等が挙げられる。
硫酸化オレフィンとしては、例えば、商品名:ティーポール(シェル社製)等が挙げられる。
カルボキシメチル化物の塩としては、炭素数8〜16の脂肪族アルコールのカルボキシメチル化物の塩および炭素数8〜16の脂肪族アルコールのEOまたはPO1〜10モル付加物のカルボキシメチル化物の塩等が使用できる。
脂肪族アルコールのカルボキシメチル化物の塩としては、例えば、オクチルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、ラウリルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、ドバノール23のカルボキシメチル化ナトリウム塩、トリデカノールカルボキシメチル化ナトリウム塩等が挙げられる。
脂肪族アルコールのEO1〜10モル付加物のカルボキシメチル化物の塩としては、例えば、オクチルアルコールEO3モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、ラウリルアルコールEO4モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、およびトリデカノールEO5モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩などが挙げられる。
スルホン酸塩としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジエステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、イゲポンT型およびその他芳香環含有化合物のスルホン酸塩等が使用できる。
アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩等が挙げられる。
アルキルナフタレンスルホン酸塩としては、例えば、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩等が挙げられる。
スルホコハク酸ジエステル塩としては、例えば、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩などが挙げられる。
芳香環含有化合物のスルホン酸塩としては、アルキル化ジフェニルエーテルのモノまたはジスルホン酸塩およびスチレン化フェノールスルホン酸塩などが挙げられる。
リン酸エステル塩としては、高級アルコールリン酸エステル塩および高級アルコールEO付加物リン酸エステル塩等が使用できる。
高級アルコールリン酸エステル塩としては、例えば、ラウリルアルコールリン酸モノエステルジナトリウム塩およびラウリルアルコールリン酸ジエステルナトリウム塩等が挙げられる。
高級アルコールEO付加物リン酸エステル塩としては、例えば、オレイルアルコールEO5モル付加物リン酸モノエステルジナトリウム塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤(s−2)としては、第4級アンモニウム塩型界面活性剤およびアミン塩型界面活性剤等が使用できる。
第4級アンモニウム塩型界面活性剤としては、炭素数3〜40の3級アミンと4級化剤(例えば、メチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライド、ベンジルクロライドおよびジメチル硫酸などのアルキル化剤並びにEOなど)との反応等で得られ、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)、セチルピリジニウムクロライド、ポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライドおよびステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェートなどが挙げられる。
アミン塩型界面活性剤としては、1〜3級アミンを無機酸(例えば、塩酸、硝酸、硫酸、ヨウ化水素酸、リン酸および過塩素酸など)または有機酸(酢酸、ギ酸、蓚酸、乳酸、グルコン酸、アジピン酸、炭素数2〜24のアルキルリン酸、リンゴ酸およびクエン酸など)で中和すること等により得られる。
第1級アミン塩型界面活性剤としては、例えば、炭素数8〜40の脂肪族高級アミン(例えば、ラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミンおよび、ロジンアミンなどの高級アミン)の無機酸塩または有機酸塩および低級アミン(炭素数2〜6)の高級脂肪酸(炭素数8〜40、ステアリン酸、オレイン酸など)塩などが挙げられる。
第2級アミン塩型界面活性剤としては、例えば炭素数4〜40の脂肪族アミンのEO付加物などの無機酸塩または有機酸塩が挙げられる。
また、第3級アミン塩型界面活性剤としては、例えば、炭素数4〜40の脂肪族アミン(例えば、トリエチルアミン、エチルジメチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンなど)、脂肪族アミン(炭素数2〜40)のEO(2モル以上)付加物、炭素数6〜40の脂環式アミン(例えば、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルヘキサメチレンイミン、N−メチルモルホリンおよび1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセンなど)、炭素数5〜30の含窒素ヘテロ環芳香族アミン(例えば、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾールおよび4,4’−ジピリジルなど)の無機酸塩または有機酸塩およびトリエタノールアミンモノステアレート、ステアラミドエチルジエチルメチルエタノールアミンなどの3級アミンの無機酸塩または有機酸塩などが挙げられる。
両性界面活性剤(s−3)としては、カルボン酸塩型両性界面活性剤、硫酸エステル塩型両性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤およびリン酸エステル塩型両性界面活性剤などが使用できる。
カルボン酸塩型両性界面活性剤は、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤およびイミダゾリン型両性界面活性剤などが用いられる。アミノ酸型両性界面活性剤は、分子内にアミノ基とカルボキシル基を持っている両性界面活性剤であり、例えば、一般式(2)で示される化合物等が挙げられる。
[R−NH−(CH2)n−COO]mM (2)
[式中、Rは1価の炭化水素基;nは1または2;mは1または2;Mは水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムカチオン、アミンカチオン、アルカノールアミンカチオンなどである。]
一般式(2)で表される両面活性剤としては、例えば、アルキル(炭素数6〜40)アミノプロピオン酸型両性界面活性剤(ステアリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムなど);アルキル(炭素数4〜24)アミノ酢酸型両性界面活性剤(ラウリルアミノ酢酸ナトリウムなど)などが挙げられる。
ベタイン型両性界面活性剤は、分子内に第4級アンモニウム塩型のカチオン部分とカルボン酸型のアニオン部分を持っている両性界面活性剤であり、例えば、アルキル(炭素数6〜40)ジメチルベタイン(ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなど)、炭素数6〜40のアミドベタイン(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインなど)、アルキル(炭素数6〜40)ジヒドロキシアルキル(炭素数6〜40)ベタイン(ラウリルジヒドロキシエチルベタインなど)などが挙げられる。
イミダゾリン型両性界面活性剤としては、イミダゾリン環を有するカチオン部分とカルボン酸型のアニオン部分を持っている両性界面活性剤であり、例えば、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。
その他の両性界面活性剤として、例えば、ナトリウムラウロイルグリシン、ナトリウムラウリルジアミノエチルグリシン、ラウリルジアミノエチルグリシン塩酸塩、ジオクチルジアミノエチルグリシン塩酸塩などのグリシン型両性界面活性剤;ペンタデシルスルホタウリンなどのスルホベタイン型両性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤およびリン酸エステル塩型両性界面活性剤などが挙げられる。
非イオン界面活性剤(s−4)としては、AO付加型非イオン界面活性剤および多価アルコ−ル型非イオン界面活性剤などが使用できる。
AO付加型非イオン界面活性剤は、炭素数8〜40の高級アルコ−ル、炭素数8〜40の高級脂肪酸または炭素数8〜40のアルキルアミン等に直接AO(炭素数2〜20)を付加させるか、グリコ−ルにAOを付加させて得られるポリアルキレングリコ−ルに高級脂肪酸などを反応させるか、あるいは多価アルコ−ルに高級脂肪酸を反応して得られたエステル化物にAOを付加させるか、高級脂肪酸アミドにAOを付加させることにより得られる。
AOとしては、たとえばEO、POおよびBOが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、EOおよびEOとPOのランダムまたはブロック付加物である。
AOの付加モル数としては10〜50モルが好ましく、該AOのうち50〜100%がEOであるものが好ましい。
AO付加型非イオン界面活性剤としては、例えば、オキシアルキレンアルキルエ−テル(アルキレンの炭素数2〜24、アルキルの炭素数8〜40)(例えば、オクチルアルコールEO20モル付加物、ラウリルアルコールEO20モル付加物、ステアリルアルコールEO10モル付加物、オレイルアルコールEO5モル付加物、ラウリルアルコールEO10モルPO20モルブロック付加物など);ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル(アルキレンの炭素数2〜24、高級脂肪酸の炭素数8〜40)(例えば、ステアリル酸EO10モル付加物、ラウリル酸EO10モル付加物など);ポリオキシアルキレン多価アルコ−ル高級脂肪酸エステル(アルキレンの炭素数2〜24、多価アルコールの炭素数3〜40、高級脂肪酸の炭素数8〜40)(例えば、ポリエチレングリコール(重合度20)のラウリン酸ジエステル、ポリエチレングリコール(重合度20)のオレイン酸ジエステルなど);ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル(アルキレンの炭素数2〜24、アルキルの炭素数8〜40)(例えば、ノニルフェノールEO4モル付加物、ノニルフェノールEO8モルPO20モルブロック付加物、オクチルフェノールEO10モル付加物、ビスフェノールA・EO10モル付加物、スチレン化フェノールEO20モル付加物など);ポリオキシアルキレンアルキルアミノエ−テル(アルキレンの炭素数2〜24、アルキルの炭素数8〜40)および(例えば、ラウリルアミンEO10モル付加物、ステアリルアミンEO10モル付加物など);ポリオキシアルキレンアルカノ−ルアミド(アルキレンの炭素数2〜24、アミド(アシル部分)の炭素数8〜24)(例えば、ヒドロキシエチルラウリン酸アミドのEO10モル付加物、ヒドロキシプロピルオレイン酸アミドのEO20モル付加物など)が挙げられる。
多価アルコ−ル型非イオン界面活性剤としては、多価アルコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルAO付加物、多価アルコールアルキルエーテルおよび多価アルコールアルキルエーテルAO付加物等が使用できる。多価アルコールの炭素数としては3〜24、脂肪酸の炭素数としては8〜40、AOの炭素数としては2〜24である。
多価アルコール脂肪酸エステルとしては、例えば、ペンタエリスリトールモノラウレート、ペンタエリスリトールモノオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンジラウレート、ソルビタンジオレートおよびショ糖モノステアレートなどが挙げられる。
多価アルコール脂肪酸エステルAO付加物としては、例えば、エチレングリコールモノオレートEO10モル付加物、エチレングリコールモノステアレートEO20モル付加物、トリメチロールプロパンモノステアレートEO20モルPO10モルランダム付加物、ソルビタンモノラウレートEO10モル付加物、ソルビタンジステアレートEO20モル付加物およびソルビタンジラウレートEO12モルPO24モルランダム付加物などが挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテルとしては、例えば、ペンタエリスリトールモノブチルエーテル、ペンタエリスリトールモノラウリルエーテル、ソルビタンモノメチルエーテル、ソルビタンモノステアリルエーテル、メチルグリコシドおよびラウリルグリコシドなどが挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテルAO付加物としては、例えば、ソルビタンモノステアリルエーテルEO10モル付加物、メチルグリコシドEO20モルPO10モルランダム付加物、ラウリルグリコシドEO10モル付加物およびステアリルグリコシドEO20モルPO20モルランダム付加物などが挙げられる。
水溶性ポリマー(t)としては、セルロース系化合物(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびそれらのケン化物など)、ゼラチン、デンプン、デキストリン、アラビアゴム、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、アクリル酸(塩)含有ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸の水酸化ナトリウム部分中和物、アクリル酸ナトリウム−アクリル酸エステル共重合体)、スチレン−無水マレイン酸共重合体の水酸化ナトリウム(部分)中和物、水溶性ポリウレタン(ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール等とポリイソシアネートの反応生成物等)などが挙げられる。
本第2発明に用いる有機溶剤(u)は、乳化分散の際に必要に応じて水性媒体中に加えても、被乳化分散体中[樹脂(b)または(b0)を含む油相(O)中]に加えてもよい。
有機溶剤(u)の具体例としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素溶剤;n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素溶剤;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどのハロゲン溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエステルまたはエステルエーテル溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド溶剤、N−メチルピロリドンなどの複素環式化合物溶剤、ならびにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
可塑剤(v)は、乳化分散の際に必要に応じて水性媒体中に加えても、被乳化分散体中[樹脂(b)または(b0)を含む油相(O)中]に加えてもよい。
可塑剤(v)としては、何ら限定されず、以下のものが例示される。
(v1)フタル酸エステル[フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソデシル等];
(v2)脂肪族2塩基酸エステル[アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸−2−エチルヘキシル等];
(v3)トリメリット酸エステル[トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリオクチル等];
(v4)燐酸エステル[リン酸トリエチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジール等];
(v5)脂肪酸エステル[オレイン酸ブチル等];
(v6)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
本第2発明において用いる樹脂粒子(A)の粒径は、通常、形成される樹脂粒子(B)の粒径よりも小さく、粒径均一性の観点から、粒径比[樹脂粒子(A)の体積平均粒径]/[得られる樹脂粒子(C)の体積平均粒径]の値が0.001〜0.3の範囲であるのが好ましい。粒径比の下限は、さらに好ましくは0.003であり、上限は、さらに好ましくは0.25である。粒径比が、0.3以下であると(A)が(B)の表面に効率よく吸着するため、得られる(C1)または(C2)の粒径の均一性が高くなる傾向がある。
樹脂粒子(A)の体積平均粒径は、所望の粒径の樹脂粒子(C)を得るのに適した粒径になるように、上記粒径比の範囲で適宜調整することができる。
(A)の体積平均粒径は、一般的には、0.0005〜5μmが好ましい。上限は、さらに好ましくは3μm、とくに好ましくは2μmであり、下限は、さらに好ましくは0.01μm、とくに好ましくは0.02μm、最も好ましくは0.04μmである。ただし、例えば、体積平均粒径1μmの樹脂粒子(C)を得たい場合には、好ましくは0.0005〜0.3μm、とくに好ましくは0.001〜0.2μmの範囲、10μmの樹脂粒子(C)を得た場合には、好ましくは0.005〜3μm、とくに好ましくは0.05〜2μmである。
なお、体積平均粒径は、レーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)やマルチサイザーIII(コールター社製)、光学系としてレーザードップラー法を用いるELS−800(大塚電子社製)などで測定できる。もし、各測定装置間で粒径の測定値に差を生じた場合は、ELS−800での測定値を採用する。
なお、上記粒径比が得やすいことから、後述する樹脂粒子(B)の体積平均粒径は、0.1〜30μmが好ましい。さらに好ましくは0.5〜20μm、特に好ましくは1〜10μmである。
本第1発明において、コア層(Q)を構成する樹脂(b)の、シェル層(P)を構成する樹脂(a)に対する吸着力は、以下のような方法で制御することができる。
〔1〕:樹脂(a)と樹脂(b)が正負逆の電荷を持つようにすると吸着力が発生し、この場合、樹脂(a)、樹脂(b)各々の電荷を大きくするほど、吸着力が強くなり、コア樹脂(b)からシェル樹脂(a)が剥れることがなくなる。
〔2〕:樹脂(a)と樹脂(b)が同極性(どちらも正、またはどちらも負)の電荷を持つようにすると、シェル樹脂(a)のコア樹脂(b)に対する吸着力が弱まり、コア・シェル型を形成し難くかったり、また一度、形成してもコア樹脂(b)からシェル樹脂(a)が剥れることがある。この場合、一般に界面活性剤(s)および/または水溶性ポリマー(t)[とくに樹脂粒子(A)および樹脂粒子(B)と逆電荷を有するもの]を使用すると吸着力が養われ、コア・シェル型を形成し易くなったり、またコア樹脂(b)からシェル樹脂(a)が剥れることがなくなる。
〔3〕:水性分散液(W)および水性液体であるコーティング剤(W’)を製造する際に、樹脂(a)がカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等の酸性官能基を有する樹脂(一般に酸性官能基1個当たりの分子量が1,000以下であるのが好ましい)である場合に、水性媒体のpHが低いほど、吸着力が強くなる。逆に、pHを高くするほど、吸着力が弱くなる。
〔4〕:水性分散液(W)または水性液体であるコーティング剤(W‘)を製造する際に、樹脂(a)が1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基等の塩基性官能基を有する樹脂(一般に塩基性官能基1個当たりの分子量が1,000以下であるのが好ましい)である場合に、水性媒体のpHが高いほど吸着力が強くなる。逆に、pHを低くするほど吸着力が弱くなる。
〔5〕:樹脂(a)と樹脂(b)のsp値の差(Δsp値)を小さくすると吸着力が強くなる。ただし、Δsp値を小さくしすぎると、樹脂(a)と樹脂(b)が溶解してコア・シェル型粒子ではなくなることもある。
前記製造方法(I)において樹脂粒子(C1)または(C2)が、水性媒体中で形成される場合、樹脂粒子(C1)または(C2)は水性樹脂分散体から水性媒体を除去することにより得られる。水性媒体を除去する方法としては、
〔1〕水性樹脂分散体(X1)または(X2)を減圧下または常圧下で乾燥する方法
〔2〕遠心分離器、スパクラフィルター、フィルタープレスなどにより固液分離 し、得られた粉末を乾燥する方法
〔3〕水性樹脂分散体(X1)または(X2)を凍結させて乾燥させる方法(いわゆる凍結乾燥)
等が例示される。
上記〔1〕、〔2〕において、得られた粉末を乾燥する際、流動層式乾燥機、減圧乾燥機、循風乾燥機など公知の設備を用いて行うことができる。
また、必要に応じ、風力分級器などを用いて分級し、所定の粒度分布とすることもできる。
本発明の樹脂粒子(C)の形状の制御は、上記製造方法に応じて、以下の方法で行うことが出来る。
(1)製造方法(I)の場合
ビニル樹脂(a)と樹脂(b)のsp値差、また(a)の分子量を制御することで粒子形状や粒子表面性を制御することができる。sp値差が小さいといびつな形で表面平滑な粒子が得られやすく、また、sp値差が大きいと球形で表面はザラつきのある粒子が得られやすい。また、(a)の分子量が大きいと表面はザラつきのある粒子が得られやすく、分子量が小さいと表面平滑な粒子が得られやすい。ただし、(a)と(b)のsp値差は小さすぎても大きすぎても造粒困難になる。また樹脂粒子(a)の分子量も小さすぎると造粒困難になる。このことから、好ましい(a)と(b)のsp値差は0.01〜5.0でより好ましくは0.1〜3.0、さらに好ましくは0.2〜2.0である。また、好ましい樹脂粒子(a)のMwは100〜100万で、より好ましくは1000〜50万、さらに好ましくは2000〜20万、特に好ましくは3000〜10万である。
(2)製造方法(II)および製造方法(III)の場合
どちらの製造方法においてもあらかじめ作製する樹脂粒子(B)の形状に大きく影響し、樹脂粒子(C2)は樹脂粒子(B)とほぼ同じ形状になる。ただし、(B)がいびつな場合、製造方法(II)でより多くコーティング剤(W‘)を使用すると球形になる。また、製造方法(III)では(B)のTgより高温な加熱処理を施す場合、(C2)は球形になる。
樹脂粒子(C)の粒径均一性、粉体流動性、保存安定性等の観点からは、コア層(Q)の表面の70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、とくに好ましくは95%以上が粒子状または被膜状の1層以上のシェル層(P)で覆われているのがよい。なお、表面被覆率は、走査電子顕微鏡(SEM)で得られる像の画像解析から下式に基づいて求めることができる。
表面被覆率(%)=100×(P)に覆われている部分の面積/[(P)に覆われている部分の面積+(Q)が露出している部分の面積]
また、本発明の樹脂粒子を得るための前記製造方法(I)(本第2発明)においては、樹脂粒子(C)を得るための樹脂粒子(A)の樹脂粒子(B)に対する吸着力は、以下のような方法で制御することができる。
〔1〕水性分散体(X1)を製造する際に、樹脂粒子(A)と樹脂粒子(B)が正負逆の電荷を持つようにすると吸着力が発生し、この場合、樹脂粒子(A)、樹脂粒子(B)各々の電荷を大きくするほど、吸着力が強くなり樹脂粒子(A)の樹脂粒子(B)に対する被覆率が大きくなる。
〔2〕水性分散体(X1)を製造する際に、樹脂粒子(A)と樹脂粒子(B)が同極性(どちらも正、またはどちらも負)の電荷を持つようにすると、被覆率は下がる傾向にある。この場合、一般に界面活性剤(s)および/または水溶性ポリマー(t)[とくに樹脂粒子(A)および樹脂粒子(B)と逆電荷を有するもの]を使用すると吸着率が強くなり、被覆率が上がる。
〔3〕水性分散体(X1)を製造する際に、樹脂(a)がカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等の酸性官能基を有する樹脂(一般に酸性官能基1個当たりの分子量が1,000以下であるのが好ましい)である場合に、水性媒体のpHが低いほど被覆率が大きくなる。逆に、pHを高くするほど被覆率が小さくなる。
〔4〕水性分散体(X1)を製造する際に、樹脂(a)が1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基等の塩基性官能基を有する樹脂(一般に塩基性官能基1個当たりの分子量が1,000以下であるのが好ましい)である場合に、水性媒体のpHが高いほど被覆率が大きくなる。逆に、pHを低くするほど被覆率が小さくなる。
〔5〕樹脂(a)と、樹脂(b)のΔsp値を小さくすると被覆率が大きくなる。
本第2発明においては、水性樹脂分散体(X1)は、樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)中に、樹脂(b)またはその有機溶剤溶液を分散させて、(W)中で(b)を含有する樹脂粒子(B)を形成させることにより、(B)の表面に(A)が付着されてなる構造の樹脂粒子(C1)の水性分散体として得ることができる。
または、樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)中に、樹脂(b)の前駆体(b0)またはその有機溶剤溶液を分散させて、さらに、(b0)を反応させて、(W)中で(b)を含有する樹脂粒子(B)を形成させることにより、(B)の表面に(A)が付着されてなる構造の樹脂粒子(C1)の水性分散体として得ることができる。
なお、(b)と(b0)は併用してもよい。
樹脂(b)もしくはその有機溶剤溶液、または、樹脂(b)の前駆体(b0)もしくはその有機溶剤溶液(O)を水性分散液(W)に分散させる場合には、分散装置を用いることができる。
本発明で使用する分散装置は、一般に乳化機、分散機として市販されているものであればとくに限定されず、例えば、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。このうち粒径の均一化の観点で好ましいものは、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサーが挙げられる。
樹脂(b)を樹脂粒子(A)の水性分散液(W)に分散させる際、樹脂(b)は液体であることが好ましい。樹脂(b)が常温で固体である場合には、融解熱の最大ピーク温度以上の高温下で液体の状態で分散させたり、(b)の有機溶剤溶液を用いてもよい。
樹脂(b)もしくはその有機溶剤溶液、または、前駆体(b0)もしくはその有機溶剤溶液(O)の粘度は、は、粒径均一性の観点から、好ましくは10〜5万mPa・s(B型粘度計で測定)、さらに好ましくは100〜1万mPa・sである。
分散時の温度としては、好ましくは0〜150℃(加圧下)、さらに好ましくは5〜98℃である。分散体の粘度が高い場合は、温度を上げて粘度を上記好ましい範囲まで低下させて、乳化分散を行うのが好ましい。
樹脂(b)もしくは前駆体(b0)の有機溶剤溶液に用いる有機溶剤は、樹脂(b)を常温もしくは加熱下で溶解しうる溶剤であればとくに限定されず、具体的には、有機溶剤(u)と同様のものが例示される。好ましいものは樹脂(b)の種類によって異なるが、(b)とのsp値差が3以下であるのが好適である。また、樹脂粒子(C)の粒径均一性の観点からは、樹脂(b)を溶解させるが、樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)を溶解・膨潤させにくい溶剤が好ましい。
樹脂(b)の前駆体(b0)としては、化学反応により樹脂(b)になりうるものであれば特に限定されず、例えば、樹脂(b)がビニル樹脂である場合は、(b0)は、先述のビニルモノマー(単独で用いても、混合して用いてもよい)およびそれらの有機溶剤溶液が挙げられ、樹脂(b)が縮合系樹脂(例えば、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂)である場合は、(b0)は、反応性基を有するプレポリマー(α)と硬化剤(β)の組み合わせが例示される。
ビニルモノマーを前駆体(b0)として用いた場合、前駆体(b0)を反応させて樹脂(b)にする方法としては、例えば、油溶性開始剤、モノマー類および必要により有機溶剤(u)を含有する油相(O)を水溶性ポリマー(t)存在下、樹脂粒子(A)の水性分散液(W)中に分散懸濁させ、加熱によりラジカル重合反応を行わせる方法(いわゆる懸濁重合法)、モノマー類および必要により有機溶剤(u)を含有する油相(O)を乳化剤(界面活性剤(s)と同様のものが例示される)、水溶性開始剤を含む樹脂粒子(A)の水性分散液(W)中に乳化させ、加熱によりラジカル重合反応を行わせる方法(いわゆる乳化重合法)等が挙げられる。
上記油溶性または水溶性開始剤としては、パーオキサイド系重合開始剤(I)、アゾ系重合開始剤(II)等が挙げられる。また、パーオキサイド系重合開始剤(I)と還元剤とを併用してレドックス系重合開始剤(III)を形成してもよい。更には、(I)〜(III)のうちから2種以上を併用してもよい。
(I)パーオキサイド系重合開始剤としては、(I−1)油溶性パーオキサイド系重合開始剤:アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシビバレート、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、プロピオニトリルパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシラウレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジイソブチルジパーオキシフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド等
(I−2)水溶性パーオキサイド系重合開始剤:過酸化水素、過酢酸、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等
(II)アゾ系重合開始剤:
(II−1)油溶性アゾ系重合開始剤:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサン1−カーボニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等
(II−2)水溶性アゾ系重合開始剤:アゾビスアミジノプロパン塩、アゾビスシアノバレリックアシッド(塩)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等
(III)レドックス系重合開始剤
(III−1)非水系レドックス系重合開始剤:ヒドロペルオキシド、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル等の油溶性過酸化物と、第三アミン、ナフテン酸塩、メルカプタン類、有機金属化合物(トリエチルアルミニウム、トリエチルホウ素、ジエチル亜鉛等)等の油溶性還元剤とを併用
(III−2)水系レドックス系重合開始剤:過硫酸塩、過酸化水素、ヒドロペルオキシド等の水溶性過酸化物と、水溶性の無機もしくは有機還元剤(2価鉄塩、亜硫酸水素ナトリウム、アルコール、ポリアミン等)とを併用等が挙げられる。
前駆体(b0)としては、反応性基を有するプレポリマー(α)と硬化剤(β)の組み合わせを用いることもできる。ここで「反応性基」とは硬化剤(β)と反応可能な基のことをいう。この場合、前駆体(b0)を反応させて樹脂(b)を形成する方法としては、反応性基含有プレポリマー(α)および硬化剤(β)および必要により有機溶剤(u)を含む油相(O)を、樹脂粒子(A)の水性分散液(W)中に分散させ、加熱により反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)を反応させて樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)を形成させる方法;反応性基含有プレポリマー(α)またはその有機溶剤溶液を樹脂粒子(A)の水性分散液(W)中に分散させ、ここに水溶性の硬化剤(β)を加え反応させて、樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)を形成させる方法;反応性基含有プレポリマー(α)が水と反応して硬化するものである場合は、反応性基含有プレポリマー(α)またはその有機溶剤溶液を樹脂粒子(A)の水性分散液(W)に分散させることで水と反応させて、(b)を含有する樹脂粒子(B)を形成させる方法等が例示できる。
反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基と、硬化剤(β)の組み合わせとしては、下記〔1〕、〔2〕などが挙げられる。
〔1〕反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基が、活性水素化合物と反応可能な官能基(α1)であり、硬化剤(β)が活性水素基含有化合物(β1)であるという組み合わせ。
〔2〕反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基が活性水素含有基(α2)であり、硬化剤(β)が活性水素含有基と反応可能な化合物(β2)であるという組み合わせ。
これらのうち、水中での反応率の観点から、〔1〕がより好ましい。
上記組合せ〔1〕において、活性水素化合物と反応可能な官能基(α1)としては、イソシアネート基(α1a)、ブロック化イソシアネート基(α1b)、エポキシ基(α1c)、酸無水物基(α1d)および酸ハライド基(α1e)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、(α1a)、(α1b)および(α1c)であり、特に好ましいものは、(α1a)および(α1b)である。
ブロック化イソシアネート基(α1b)は、ブロック化剤によりブロックされたイソシアネート基のことをいう。
上記ブロック化剤としては、オキシム類[アセトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、ジエチルケトオキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、メチルエチルケトオキシム等];ラクタム類[γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム、γ−バレロラクタム等];炭素数1〜20の脂肪族アルコール類[エタノール、メタノール、オクタノール等];フェノール類[フェノール、m−クレゾール、キシレノール、ノニルフェノール等];活性メチレン化合物[アセチルアセトン、マロン酸エチル、アセト酢酸エチル等];塩基性窒素含有化合物[N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、2−ヒドロキシピリジン、ピリジンN−オキサイド、2−メルカプトピリジン等];およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち好ましいのはオキシム類であり、特に好ましいものはメチルエチルケトオキシムである。
反応性基含有プレポリマー(α)の骨格としては、ポリエーテル(αw)、ポリエステル(αx)、エポキシ樹脂(αy)およびポリウレタン(αz)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、(αx)、(αy)および(αz)であり、特に好ましいものは(αx)および(αz)である。
ポリエーテル(αw)としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド、ポリテトラメチレンオキサイドなどが挙げられる。
ポリエステル(αx)としては、ジオール(1)とジカルボン酸(3)の重縮合物、ポリラクトン(ε−カプロラクトンの開環重合物)などが挙げられる。
エポキシ樹脂(αy)としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)とエピクロルヒドリンとの付加縮合物などが挙げられる。
ポリウレタン(αz)としては、ジオール(1)とポリイソシアネート(5)の重付加物、ポリエステル(αx)とポリイソシアネート(5)の重付加物などが挙げられる。
ポリエステル(αx)、エポキシ樹脂(αy)、ポリウレタン(αz)などに反応性基を含有させる方法としては、
〔1〕二以上の構成成分のうちの一つを過剰に用いることで構成成分の官能基を末端に残存させる方法、
〔2〕二以上の構成成分のうちの一つを過剰に用いることで構成成分の官能基を末端に残存させ、さらに残存した該官能基と反応可能な官能基および反応性基を含有する化合物を反応させる方法などが挙げられる。
上記方法〔1〕では、水酸基含有ポリエステルプレポリマー、カルボキシル基含有ポリエステルプレポリマー、酸ハライド基含有ポリエステルプレポリマー、水酸基含有エポキシ樹脂プレポリマー、エポキシ基含有エポキシ樹脂プレポリマー、水酸基含有ポリウレタンプレポリマー、イソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーなどが得られる。
構成成分の比率は、例えば、水酸基含有ポリエステルプレポリマーの場合、ポリオール〔ジオール(1)等〕とポリカルボン酸〔ジカルボン酸(3)等〕の比率が、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1.01/1、さらに好ましくは1.5/1〜1.01/1、とくに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。他の骨格、末端基のプレポリマーの場合も、構成成分が変わるだけで比率は同様である。
上記方法〔2〕では、上記方法〔1〕で得られたプレプリマーに、ポリイソシアネートを反応させることでイソシアネート基含有プレポリマーが得られ、ブロック化ポリイソシアネートを反応させることでブロック化イソシアネート基含有プレポリマーが得られ、ポリエポキサイドを反応させることでエポキシ基含有プレポリマーが得られ、ポリ酸無水物を反応させることで酸無水物基含有プレポリマーが得られる。
官能基および反応性基を含有する化合物の使用量は、例えば、水酸基含有ポリエステルにポリイソシアネートを反応させてイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーを得る場合、ポリイソシアネートの比率が、イソシアネート基[NCO]と、水酸基含有ポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、好ましくは5/1〜1.01/1、さらに好ましくは4/1〜1.2/1、とくに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。他の骨格、末端基を有するプレポリマーの場合も、構成成分が変わるだけで比率は同様である。
反応性基含有プレポリマー(α)中の1分子当たりに含有する反応性基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。上記範囲にすることで、硬化剤(β)と反応させて得られる硬化物の分子量が高くなる。
反応性基含有プレポリマー(α)のMnは、好ましくは500〜30,000、さらに好ましくは1,000〜20,000、とくに好ましくは2,000〜10,000である。
反応性基含有プレポリマー(α)のMwは、好ましくは1,000〜50,000、さらに好ましくは2,000〜40,000、とくに好ましくは4,000〜20,000である。
反応性基含有プレポリマー(α)の粘度は、100℃において、好ましくは2,000ポイズ以下、さらに好ましくは1,000ポイズ以下である。2,000ポイズ以下にすることで、粒度分布のシャープな樹脂粒子(C)が得られる点で好ましい。
活性水素基含有化合物(β1)としては、脱離可能な化合物でブロック化されていてもよいポリアミン(β1a)、ポリオール(β1b)、ポリメルカプタン(β1c)および水(β1d)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、(β1a)、(β1b)および(β1d)であり、さらに好ましいもは、(β1a)および(β1d)であり、特に好ましいもは、ブロック化されたポリアミン類および(β1d)である。
(β1a)としては、ポリアミン(6)と同様のものが例示される。(β1a)として好ましいものは、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンおよびそれらの混合物である。
(β1a)が脱離可能な化合物でブロック化されたポリアミンである場合の例としては、前記ポリアミン(β1a)と炭素数3〜8のケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、炭素数2〜8のアルデヒド化合物(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド)から得られるアルジミン化合物、エナミン化合物、およびオキサゾリジン化合物などが挙げられる。
ポリオール(β1b)としては、前記のジオール(1)および3〜8価またはそれ以上のポリオール(2)と同様のものが例示される。ジオール(1)単独、またはジオール(1)と少量のポリオール(2)の混合物が好ましい。
ポリメルカプタン(β1c)としては、エチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオールなどが挙げられる。
必要により活性水素基含有化合物(β1)と共に反応停止剤(βs)を用いることができる。反応停止剤を(β1)と一定の比率で併用することにより、(b)を所定の分子量に調整することが可能である。
反応停止剤(βs)としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなど);
モノアミンをブロックしたもの(ケチミン化合物など);
モノオール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、フェノールなど);
モノメルカプタン(ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタンなど);
モノイソシアネート(ラウリルイソシアネート、フェニルイソシアネートなど);
モノエポキサイド(ブチルグリシジルエーテルなど)などが挙げられる。
上記組合せ〔2〕における反応性基含有プレポリマー(α)が有する活性水素含有基(α2)としては、アミノ基(α2a)、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)(α2b)、メルカプト基(α2c)、カルボキシル基(α2d)およびそれらが脱離可能な化合物でブロック化された有機基(α2e)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、(α2a)、(α2b)およびアミノ基が脱離可能な化合物でブロック化された有機基(α2e)であり、特に好ましいものは、(α2b)である。
アミノ基が脱離可能な化合物でブロック化された有機基としては、前記(β1a)の場合と同様のものが例示できる。
活性水素含有基と反応可能な化合物(β2)としては、ポリイソシアネート(β2a)、ポリエポキシド(β2b)、ポリカルボン酸(β2c)、ポリカルボン酸無水物(β2d)およびポリ酸ハライド(β2e)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、(β2a)および(β2b)であり、さらに好ましいものは、(β2a)である。
ポリイソシアネート(β2a)としては、ポリイソシアネート(5)と同様のものが例示され、好ましいものも同様である。
ポリエポキシド(β2b)としては、ポリエポキシド(9)と同様のものが例示され、好ましいものも同様である。
ポリカルボン酸(β2c)としては、ジカルボン酸(β2c−1)および3価以上のポリカルボン酸(β2c−2)が挙げられ、(β2c−1)単独、および(β2c−1)と少量の(β2c−2)の混合物が好ましい。
ジカルボン酸(β2c−1)としては、前記ジカルボン酸(3)と、ポリカルボン酸(β2c−2)としては、前記3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(4)と同様のものが例示され、好ましいものも同様である。
ポリカルボン酸無水物(β2d)としては、ピロメリット酸無水物などが挙げられる。
ポリ酸ハライド類(β2e)としては、前記(β2c)の酸ハライド(酸クロライド、酸ブロマイド、酸アイオダイド)などが挙げられる。
さらに、必要により(β2)と共に反応停止剤(βs)を用いることができる。
硬化剤(β)の比率は、反応性基含有プレポリマー(α)中の反応性基の当量[α]と、硬化剤(β)中の活性水素含有基[β]の当量の比[α]/[β]として、好ましくは1/2〜2/1、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.5、とくに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。なお、硬化剤(β)が水(β1d)である場合は水は2価の活性水素化合物として取り
扱う。
反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)とで構成される前駆体(b0)を水性分散液(W)中で反応させた樹脂(b)が樹脂粒子(B)および樹脂粒子(C)の構成成分となる。反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)を反応させた樹脂(b)のMwは、好ましくは3,000以上、さらに好ましくは3,000〜100万、とくに好ましくは,5000〜50万である。
また、反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)との水性分散液(W)中での反応時に、反応性基含有プレポリマー(α)および硬化剤(β)と反応しないポリマー[いわゆるデッドポリマー]を系内に含有させることもできる。この場合(b)は、反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)を水性分散液(W)中で反応させて得られた樹脂と、反応させていない樹脂(デッドポリマー)の混合物となる。
樹脂(b)もしくは前駆体(b0)100部に対する水性分散液(W)の使用量は、好ましくは50〜2,000重量部、さらに好ましくは100〜1,000重量部である。50重量部以上では(b)の分散状態が良好であり、2,000重量部以下であると経済的である。
本第2発明においては、とくに(b)もしくは(b0)の有機溶剤溶液(O)(とくに下記の好ましい溶剤)を用いる場合、有機溶剤を水性樹脂分散体(X1)中に好ましくは10〜50%(とくに20〜40%)用い、40℃以下で好ましくは1%以下(とくに0.5%以下)となるまで脱溶剤するのみで、樹脂粒子(A)が有機溶剤に溶解されて膜状化し、(B)の表面に(A)の被膜が形成されてなる樹脂粒子(C2)の水性樹脂分散体(X2)が得られる場合がある。しかし、(A)の被膜が形成されていない場合、あるいは(A)の少なくとも一部からの被膜が形成されている場合でも、さらに樹脂粒子(C2)表面の被膜の平滑性をより良好にするため、以下の操作を行うと、(B)で構成されるコア層(Q)の表面の少なくとも一部、好ましくは全面に(A)から形成された表面が平滑な被膜であるシェル層(P)を有する樹脂粒子(C2)の水性樹脂分散体(X2)が得られ、それから得られる(C2)の保存安定性がより優れる点から好ましい。
上記の方法としては、(B)に付着された(A)を有機溶剤に溶解させる方法、および、水性樹脂分散体(X1)を加熱して(A)を溶融し被膜化させる方法が挙げられ、これらの方法を併用してもよい。
樹脂粒子(A)を有機溶剤に溶解させて被膜化させる場合に用いる有機溶剤は、被膜化する際に(X1)中に添加してもよいが、(X1)を得る際の原料として、樹脂(b)もしくは前駆体(b0)の有機溶剤溶液を用い、その有機溶剤を、樹脂粒子(B)の形成後も直ちに除去せずにそれを用いる方が、(B)中に有機溶剤が含有されるため(A)の溶解が容易であり、樹脂の凝集が起こりにくく好ましい。
有機溶剤としては、(b)との親和性が高いものが好ましく、具体例としては、前記の有機溶剤(u)と同様のものが挙げられる。(u)の中で好ましいものは、被膜化の点から、テトラヒドロフラン、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、および酢酸エチルであり、さらに好ましくは酢酸エチルである。
(A)を有機溶剤に溶解させる際の、水性樹脂分散体中の有機溶剤濃度は、好ましくは3〜60%、さらに好ましくは10〜45%、とくに好ましくは15〜30%である。また、溶解は、水性樹脂分散体を、例えば1〜10時間攪拌することにより行い、溶解時の温度は、15〜45℃が好ましく、15〜30℃がさらに好ましい。
(A)を溶融して(B)の表面に被膜化させる場合、水性樹脂分散体(X1)中の固形分含量〔水および有機溶剤以外の成分の含量〕を、好ましくは1〜50%、さらに好ましくは5〜30%に調製する。また、このときの有機溶剤含有量(ガスクロマトグラフィーによる測定)は、好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下、とくに好ましくは0.5%以下である。(X1)中の固形分含量が多かったり、有機溶剤含有量が2%を越える場合、(X1)を60℃以上に昇温すると凝集物が発生することがある。溶融時の加熱の条件は、(A)が溶融される条件であればとくに限定されないが、例えば、撹拌下、好ましくは40〜100℃、さらに好ましくは45〜90℃、とくに好ましくは50〜80℃で、好ましくは1〜300分間加熱する方法が挙げられる。
なお、被膜化処理の方法とし、有機溶剤含有量が2%以下の樹脂粒子(C1)の水性分散体(X1)を加熱処理し、(A)をコア(Q)上で溶融させることでより表面が平滑な樹脂粒子(C2)を得る際の好ましい加熱処理温度は、(P)のTg以上であり、また80℃以下の温度範囲が好ましい。加熱処理温度が(P)のTg未満であると得られる樹脂粒子(C2)の表面平滑性はほとんど変化がない。また80℃を越える温度で加熱処理するとシェル層(P)がコア層(Q)から剥がれる場合がある。
これらの(A)の被膜化方法の中で、好ましい方法は、(A)を溶融させる方法、および(A)を溶解させる方法と(A)を溶融させる方法の併用である。
樹脂粒子(C1)は、実質的に、相対的に小さい樹脂粒子(A)と相対的に大きい樹脂粒子(B)から構成され、(A)が(B)の表面に付着された形で存在する。また、樹脂粒子(C2)は、(A)が(B)に付着後、溶解および/または溶融され、(B)の表面に(A)からの被膜が形成されたものである。
両粒子の付着力をさらに強めたい場合には、水性媒体中に分散した際に、(A)と(B)が正負逆の電荷を持つようにしたり、(A)と(B)が同一の電荷を持つ場合には、界面活性剤(s)または水溶性ポリマー(t)のうち、(A)および(B)と逆電荷を持つものを使用したり、また樹脂(a)と樹脂(b)のsp値差を前記の範囲内でできるだけ小さく(例えば2以下)したりすることが有効である。
粒径均一性の観点から、樹脂粒子(C)の体積分布の変動係数は、30%以下であるのが好ましく、0.1〜15%であるのがさらに好ましい。
また、粒径均一性から、樹脂粒子(C)の[体積平均粒径/個数平均粒径]の値は、1.0〜1.4であるのが好ましく、1.0〜1.2であるのがさらに好ましい。
(C)の体積平均粒径は、用途により異なるが、一般的には0.1〜30μmが好ましい。上限は、さらに好ましくは20μm、特に好ましくは10μmであり、下限は、さらに好ましくは0.5μm、特に好ましくは1μmである。
なお、体積平均粒径および個数平均粒径は、マルチサイザーIII(コールター社製)で同時に測定することができる。
本発明の樹脂粒子(C)は、原料の樹脂粒子(A)と樹脂粒子(B)の粒径、および、シェル層(P)によるコア層(Q)表面の被覆率を変えることで粒子表面に所望の凹凸を付与することができる。粉体流動性を向上させたい場合には、(C)のBET値比表面積が0.5〜5.0m2/gであるのが好ましい。本発明におけるBET比表面積は、比表面積計例えばQUANTASORB(ユアサアイオニクス製)を用いて測定(測定ガス:He/Kr=99.9/0.1vol%、検量ガス:窒素)したものである。
同様に粉体流動性の観点から、(C)の表面平均中心線粗さRaが0.01〜0.8μmであるのが好ましい。Raは、粗さ曲線とその中心線との偏差の絶対値を算術平均した値のことであり、例えば、走査型プローブ顕微鏡システム(東陽テクニカ製)で測定することができる。
樹脂粒子(C)の形状は、粉体流動性、溶融レベリング性等の観点から球状であるのが好ましい。(C)は平均円形度が0.95〜1.00であるのが好ましい。平均円形度は、さらに好ましくは0.96〜0.99である。なお、平均円形度は、光学的に粒子を検知して、投影面積の等しい相当円の周囲長で除した値である。具体的には、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2000;シスメックス社製)を用いて測定する。所定の容器に、予め不純固形物を除去した水100〜150mlを入れ、分散剤として界面活性剤(ドライウエル;富士写真フィルム社製)0.1〜0.5mlを加え、さらに測定資料0.1〜9.5g程度を加える。試料を分散した懸濁液を超音波分散器(ウルトラソニッククリーナ モデル VS−150;ウエルボクリア社製)で約1〜3分間分散処理を行ない、分散濃度を3,000〜10,000個/μLにして樹脂粒子の形状および分布を測定する。
本第2発明において、樹脂粒子(C1)は、樹脂粒子(A)の樹脂粒子(B)に対する粒径比、および、水性樹脂分散体(X1)中における樹脂粒子(A)による樹脂粒子(B)表面の被覆率、水性樹脂分散体(X1)中における樹脂粒子(B)/水性媒体界面上で樹脂粒子(A)が樹脂粒子(B)側に埋め込まれている深さ、を変えることで粒子表面を平滑にしたり、粒子表面に所望の凹凸を付与したりすることができる。
樹脂粒子(A)による樹脂粒子(B)表面の被覆率や樹脂粒子(A)が樹脂粒子(B)側に埋め込まれている深さは、以下のような方法で制御することができる。
〔1〕水性樹脂分散体(X1)を製造する際に、樹脂粒子(A)と樹脂粒子(B)が正負逆の電荷を持つようにすると被覆率、深さが大きくなる。この場合、樹脂粒子(A)、樹脂粒子(B)各々の電荷を大きくするほど、被覆率、深さが大きくなる。
〔2〕水性樹脂分散体(X1)を製造する際に、樹脂粒子(A)と樹脂粒子(B)が同極性(どちらも正、またはどちらも負)の電荷を持つようにすると、被覆率は下がり、深さが小さくなる傾向にある。この場合、一般に界面活性剤(s)および/または水溶性ポリマー(t)[とくに樹脂粒子(A)および樹脂粒子(B)と逆電荷を有するもの]を使用すると被覆率が上がる。また、水溶性ポリマー(t)を使用する場合には、水溶性ポリマー(t)の分子量が大きいほど深さが小さくなる。
〔3〕水性樹脂分散体(X1)を製造する際に、樹脂(a)がカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等の酸性官能基を有する樹脂(一般に酸性官能基1個当たりの分子量が1,000以下であるのが好ましい)である場合に、水性媒体のpHが低いほど被覆率、深さが大きくなる。逆に、pHを高くするほど被覆率、深さが小さくなる。
〔4〕水性樹脂分散体(X1)を製造する際に、樹脂(a)が1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基等の塩基性官能基を有する樹脂(一般に塩基性官能基1個当たりの分子量が1,000以下であるのが好ましい)である場合に、水性媒体のpHが高いほど被覆率、深さが大きくなる。逆に、pHを低くするほど被覆率、深さが小さくなる。
〔5〕樹脂(a)と樹脂(b)のSP値差を小さくするほど被覆率、深さが大きくなる。
本発明の電子写真トナー、静電記録トナー、または静電印刷トナー用樹脂粒子(C)は、(C)を構成するシェル層(P)および/またはコア層(Q)中に、前記のワックス(c)および変性ワックス(d)の他、通常着色剤を添加して用いる。また必要により他の添加剤(荷電制御剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤など)を混合しても差し支えない。
着色剤および他の添加剤としては、特に限定されず、トナー用として通常用いられるものであればよい。
樹脂粒子(C)の原料となる樹脂粒子(A)または樹脂粒子(B)中に着色剤や他の添加剤を添加する方法としては、水性樹脂分散体(X1)を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめ樹脂(a)または樹脂(b)もしくは前駆体(b0)と添加剤を混合した後、水性分散液(W)中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。
また、本発明においては、添加剤は、必ずしも、水性分散液(W)中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加したり、有機溶剤(u)および/または可塑剤(v)とともに上記添加剤を含浸させることもできる。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の記載において「部」は重量部を示す。
製造例1〔樹脂粒子(A)の水性分散液(W)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート、および窒素吹き込み管を備えた反応容器に、THF50部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、ベヘニルアクリレート〔炭素数22個の直鎖アルキル基を有するアルコールのアクリレート:ブレンマーVA(日油製)、以下同じ〕65部、アクリル酸15部、メタクリル酸メチル20部、THF50部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2部を仕込み、40℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下70℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から6時間、70℃で熟成し、ビニル樹脂(a−1)溶液を得た後、その一部を用い、THFを80℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(a−1)を得た。この樹脂の融解熱の最大ピーク温度(Ta)は61℃、融解開始温度(Tb)は53℃、(Tb)/(Ta)は0.87、Mwは40000、酸価は109であった。次にビニル樹脂(a−1)溶液40部に対し、トリエチルアミン4.3部を加えた。よく攪拌されているこの溶液に、水200部を加えることで、ビニル樹脂の水性分散液[微粒子分散液W1]を得た。[微粒子
分散液W1]をELS−800で測定した体積平均粒径は0.05μmであった。
製造例2〔樹脂粒子(A)の水性分散液(W)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート、および窒素吹き込み管を備えた反応容器に、THF50部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、ベヘニルアクリレート50部、アクリル酸15部、メタクリル酸メチル20部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル15部、THF50部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2部を仕込み、40℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下70℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から6時間、70℃で熟成し、ビニル樹脂(a−2)溶液を得た後、その一部を用い、THFを80℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(a−2)を得た。この樹脂の融解熱の最大ピーク温度(Ta)は55℃、融解開始温度(Tb)は48℃、(Tb)/(Ta)は0.87、Mwは50000、酸価は109であった。次にビニル樹脂(a−2)溶液40部に対し、トリエチルアミン4.3部を加えた。よく攪拌されているこの溶液に、水200部を加えることで、ビニル樹脂の水性分散液[微粒子分散液W2]を得た。[微粒子分散液W2]をELS−800で測定した体積平均粒径は0.10μmであった。
製造例3〔樹脂粒子(A)の水性分散液(W)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート、および窒素吹き込み管を備えた反応容器に、THF50部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、ベヘニルアクリレート75部、アクリル酸15部、メタクリル酸メチル10部、THF50部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2部を仕込み、40℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下70℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から6時間、70℃で熟成し、ビニル樹脂(a−3)溶液を得た後、その一部を用い、THFを80℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(a−3)を得た。この樹脂の融解熱の最大ピーク温度(Ta)は64℃、融解開始温度(Tb)は59℃、(Tb)/(Ta)は0.92、Mwは30000、酸価は109であった。次にビニル樹脂(a−3)溶液40部に対し、トリエチルアミン4.3部を加えた。よく攪拌されているこの溶液に、水200部を加えることで、ビニル樹脂の水性分散液[微粒子分散液W3]を得た。[微粒子分散液W3]をELS−800で測定した体積平均粒径は0.20μmであった。
製造例4〔樹脂粒子(A)の水性分散液(W)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート、および窒素吹き込み管を備えた反応容器に、THF50部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、ベヘニルアクリレート65部、アクリル酸10部、メタクリル酸メチル25部、THF50部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2部を仕込み、40℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下70℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から6時間、70℃で熟成し、ビニル樹脂(a−4)溶液を得た後、その一部を用い、THFを80℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(a−4)を得た。この樹脂の融解熱の最大ピーク温度(Ta)は61℃、融解開始温度(Tb)は54℃、(Tb)/(Ta)は0.89、Mwは40000、酸価は78であった。次にビニル樹脂(a−4)溶液40部に対し、トリエチルアミン2.9部を加えた。よく攪拌されているこの溶液に、水200部を加えることで、ビニル樹脂の水性分散液[微粒子分散液W4]を得た。[微粒子分散液W4]をELS−800で測定した体積平均粒径は0.30μmであった。
製造例5〔樹脂粒子(A)の水性分散液(W)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート、および窒素吹き込み管を備えた反応容器に、THF50部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、ベヘニルアクリレート60部、ステアリルアクリレート〔炭素数18個の直鎖アルキル基を有するアルコールのアクリレート:ブレンマーSA(日油製)〕5部、メタクリル酸5部、メタクリル酸メチル30部、THF50部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2部を仕込み、40℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下70℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から6時間、70℃で熟成し、ビニル樹脂(a−5)溶液を得た後、その一部を用い、THFを80℃で3時間減圧除去して、ビニル樹脂(a−5)を得た。この樹脂の融解熱の最大ピーク温度(Ta)は61℃、融解開始温度(Tb)は53℃、(Tb)/(Ta)は0.87、Mwは35000、酸価は33であった。次にビニル樹脂(a−5)溶液40部に対し、トリエチルアミン1.4部を加えた。よく攪拌されているこの溶液に、水200部を加えることで、ビニル樹脂の水性分散液[微粒子分散液W5]を得た。[微粒子分散液W5]をELS−800で測定した体積平均粒径は0.50μmであった。
比較製造例1〔比較用樹脂粒子の水性分散液(RW)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート、および窒素吹き込み管を備えた反応容器に、THF50部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、スチレン30部、メタクリル酸30部、アクリル酸ブチル40部、THF50部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2部を仕込み、40℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下70℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から6時間、70℃で熟成し、比較用ビニル樹脂(a’−1)溶液を得た後、その一部を用い、THFを80℃で3時間減圧除去して、比較用ビニル樹脂(a’−1)を得た。この樹脂の融解熱の最大ピーク温度(Ta)は確認されなかかった。また、Mwは30000、酸価は196であった。次にビニル樹脂(a’−1)溶液40部に対し、トリエチルアミン8.6部を加えた。よく攪拌されているこの溶液に、水237部を加えることで、比較用ビニル樹脂の水性分散液[微粒子分散液RW1]を得た。[微粒子分散液RW1]をELS−800で測定した体積平均粒径は0.10μmであった。
比較製造例2〔比較用樹脂粒子の水性分散液(RW)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート、および窒素吹き込み管を備えた反応容器に、THF50部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、ベヘニルアクリレート40部、アクリル酸40部、メタクリル酸メチル20部、THF50部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0部を仕込み、40℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下70℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から6時間、70℃で熟成し、比較用ビニル樹脂(a’−2)溶液を得た後、その一部を用い、THFを80℃で3時間減圧除去して、比較用ビニル樹脂(a’−2)を得た。この樹脂の融解熱の最大ピーク温度(Ta)は50℃、融解開始温度(Tb)は20℃、(Tb)/(Ta)は0.40、Mwは10000、酸価は290であった。次にビニル樹脂(a’−2)溶液40部に対し、トリエチルアミン11.5部を加えた。よく攪拌されているこの溶液に、水264部を加えることで、比較用ビニル樹脂の水性分散液[微粒子分散液RW2]を得た。[微粒子分散液RW2]をELS−800で測定した体積平均粒径は0.05μmであった。
比較製造例3〔比較の樹脂粒子の水性分散液(RW)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート、および窒素吹き込み管を備えた反応容器に、THF50部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、ベヘニルアクリレート80部、メタクリル酸メチル20部、THF50部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2部を仕込み、40℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下70℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から6時間、70℃で熟成し、比較用ビニル樹脂(a’−3)溶液を得た後、その一部を用い、THFを80℃で3時間減圧除去して、比較用ビニル樹脂(a’−3)を得た。この樹脂の融解熱の最大ピーク温度(Ta)は65℃、融解開始温度(Tb)は61℃、(Tb)/(Ta)は0.94、Mwは40000、酸価は0であった。次にビニル樹脂(a’−3)溶液40部に対し、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を加えた。よく攪拌されているこの溶液に、水195部を加えることで比較用ビニル樹脂の水性分散液[微粒子分散液RW3]を得た。[微粒子分散液RW3]をELS−800で測定した体積平均粒径は1.0μmであった。
製造例6〔樹脂(b)の製造〕
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物722部、テレフタル酸159部、アジピン酸170部、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート2部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸25部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化し[ポリエステル樹脂b1]を得た。[ポリエステル樹脂b1]のMwは25000、Tgは40℃、酸価は15であった。
製造例7〔樹脂(b)の製造〕
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物722部、テレフタル酸158部、アジピン酸152部、無水トリメリット酸16部および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート2部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸25部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化し[ポリエステル樹脂b2]を得た。[ポリエステル樹脂b2]のMwは80000、Tgは43℃、酸価は15であった。
製造例8〔樹脂(b)の製造〕
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール(以下プロピレングリコールと記載する)557部、テレフタル酸ジメチルエステル569部、アジピン酸184部、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは175部であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸121部を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ、軟化点が180℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化し[ポリエステル樹脂b3]を得た。[ポリエステル樹脂b3]のMwは8500、Tgは45℃、酸価は20、水酸基価は5であった。
製造例9〔樹脂(b)の製造〕
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、L−ラクチド800部、D−ラクチド200部、1,3プロパンジオール3.8部およびオクチル酸スズ1部を投入し、窒素置換後、160℃で6時間重合し、[ポリエステル樹脂b4]を得た。[ポリエステル樹脂b4]のMwは20000、Tgは40℃、水酸基価は20であった。
製造例10〔樹脂(b)の製造〕
温度計、撹拌機、窒素導入管の付いたオートクレーブ反応槽中にキシレン452部を入れ、窒素置換後170℃でスチレン 845部、アクリル 酸n−ブチル155部の混合モノマーと、開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド6.4部と、キシレン125部の混合物を3時間で滴下した。滴下後1時間170℃で熟成させ、重合を完結させた。その後減圧下で脱溶剤することによって樹脂[ビニル樹脂b5]を得た。[ビニル樹脂b5]のMwは14000、Tgは60℃であった。
製造例11〔樹脂(b)の前駆体(b0)の製造〕
撹拌機および温度計をセットした反応容器に、ヒドロキシル価が56のポリカプロラクトンジオール(プラクセルL220AL、ダイセル化学工業社製)2000部と酢酸エチル2457部を投入し、110℃に加熱して3mmHgの減圧下で1時間脱水を行った。続いてIPDI457部を投入し、110℃で10時間反応を行い、末端にイソシアネート基を有する[ウレタンプレポリマー1]を得た。[ウレタンプレポリマー1]のNCO含量は1.8%であった。
製造例12(着色剤分散液の製造)
ビーカー内に銅フタロシアニン16部と着色剤分散剤(ソルスパーズ71000;アビシア株式会社製)4部および酢酸エチル80部を入れ、攪拌して均一分散させた後、ビーズミルによって銅フタロシアニンを微分散して、[着色剤分散液1]を得た。[着色剤分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は0.3μmであった。
製造例13(着色剤分散液の製造)
ビーカー内に銅フタロシアニン16部と着色剤分散剤(ソルスパーズ28000;アビシア株式会社製)4部、着色剤分散剤(ソルスパーズ12000;アビシア株式会社製)1部および酢酸エチル80部を入れ、攪拌して均一分散させた後、ビーズミルによって銅フタロシアニンを微分散して、[着色剤分散液2]を得た。[着色剤分散液2]をLA−920で測定した体積平均粒径は0.3μmであった。
製造例14(変性ワックスの製造)
温度計および撹拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン454部、低分子量ポリエチレン(三洋化成工業(株)製 サンワックス LEL−400:軟化点128℃)150部を投入し、窒素置換後170℃に昇温して十分溶解し、スチレン595部、メタクリル酸メチル255部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート34部およびキシレン119部の混合溶液を170℃で3時間で滴下して重合し、さらにこの温度で30分間保持した。次いで脱溶剤を行い、[変性ワックス1]を得た。[変性ワックス1]のグラフト鎖のsp値は 10.35(cal/cm31/2、Mnは1872、Mwは5200、Tgは57℃であった。
製造例15(ワックス分散液の製造)
温度計および撹拌機の付いた反応容器中に、パラフィンワックス(融解熱の最大ピーク温度74℃)10部、酢酸エチル40部を投入し、78℃に加熱して充分溶解し、1時間で30℃まで冷却を行いワックスを微粒子状に晶析させ、あらかじめ作成しておいた酢酸エチル5部と[変性ワックス1]5部の溶解液と上記晶析物を混合し、さらにウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、[ワックス分散液1]を得た。
製造例16(ワックス分散液の製造)
温度計および撹拌機の付いた反応容器中に、カルナバワックス(融解熱の最大ピーク温度82℃)10部、酢酸エチル40部を投入し、78℃に加熱して充分溶解し、1時間で30℃まで冷却を行いワックスを微粒子状に晶析させ、あらかじめ作成しておいた酢酸エチル5部と[変性ワックス1]5部の溶解液と上記晶析物を混合し、さらにウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、[ワックス分散液2]を得た。
製造例17(ワックス分散液の製造)
温度計および撹拌機の付いた反応容器中に、パラフィンワックス(融解熱の最大ピーク温度67℃)10部、酢酸エチル40部を投入し、78℃に加熱して充分溶解し、1時間で30℃まで冷却を行いワックスを微粒子状に晶析させ、あらかじめ作成しておいた酢酸エチル5部と[変性ワックス1]5部の溶解液と上記晶析物を混合し、さらにウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、[ワックス分散液3]を得た。
製造例18(樹脂溶液の製造)
温度計および撹拌機の付いた反応容器中に、[ポリエステル樹脂b1]100部および酢酸エチル100部を入れ、攪拌して均一分散させ、[樹脂溶液1]を得た。
ビーカー内に[樹脂溶液1]173部、[ワックス分散液1]30部、[着色剤分散液1]31部および酢酸エチル52部を入れ、25℃にてTK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[樹脂溶液1A]を得た。
製造例19(樹脂溶液の製造)
温度計および撹拌機の付いた反応容器中に、[ポリエステル樹脂b2]100部および酢酸エチル100部を入れ、攪拌して均一分散させ、[樹脂溶液2]を得た。
ビーカー内に[樹脂溶液2]173部、[ワックス分散液2]30部、[着色剤分散液1]31部および酢酸エチル52部を入れ、25℃にてTK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[樹脂溶液2A]を得た。
製造例20(樹脂溶液の製造)
温度計および撹拌機の付いた反応容器中に、[ポリエステル樹脂b3]100部および酢酸エチル100部を入れ、攪拌して均一分散させ、[樹脂溶液3]を得た。
ビーカー内に[樹脂溶液3]173部、[ワックス分散液3]30部、[着色剤分散液2]31部および酢酸エチル52部を入れ、25℃にてTK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[樹脂溶液3A]を得た。
製造例21(樹脂溶液の製造)
温度計および撹拌機の付いた反応容器中に、[ポリエステル樹脂b4]100部および酢酸エチル100部を入れ、攪拌して均一分散させ、[樹脂溶液4]を得た。
ビーカー内に[樹脂溶液4]173部、[ワックス分散液1]30部、[着色剤分散液1]31部および酢酸エチル52部を入れ、25℃にてTK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[樹脂溶液4A]を得た。
製造例22(樹脂溶液の製造)
温度計および撹拌機の付いた反応容器中に、[ビニル樹脂b5]100部および酢酸エチル100部を入れ、攪拌して均一分散させ、[樹脂溶液5]を得た。
ビーカー内に[樹脂溶液5]173部、[ワックス分散液1]30部、[着色剤分散液1]31部および酢酸エチル52部を入れ、25℃にてTK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[樹脂溶液5A]を得た。
製造例23(樹脂溶液の製造)
ビーカー内に上記[樹脂溶液5]138部、[ウレタンプレポリマー1]35部、[ワックス分散液1]30部、[着色剤分散液1]31部および酢酸エチル52部を入れ、25℃にてTK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[樹脂溶液6A]を得た。
実施例1
ビーカー内にイオン交換水396部、[微粒子分散液W1]15部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液1A]281部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、(B)で構成されたコア層(Q)の表面に(A)のシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体(X1−1)を得た。次いで濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C1−1)を得た。
実施例2
ビーカー内にイオン交換水318部、[微粒子分散液W2]70部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液1A]266部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、(B)で構成されたコア層(Q)の表面に(A)のシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体(X1−2)を得た。次いで濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C1−2)を得た。
実施例3
ビーカー内にイオン交換水204部、[微粒子分散液W3]150部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液1A]243部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、(B)で構成されたコア層(Q)の表面に(A)のシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体(X1−3)を得た。次いで濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C1−3)を得た。
実施例4
ビーカー内にイオン交換水204部、[微粒子分散液W1]150部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液2A]243部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、(B)で構成されたコア層(Q)の表面に(A)のシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体(X1−4)を得た。次いで濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C1−4)を得た。
実施例5
ビーカー内にイオン交換水396部、[微粒子分散液W2]15部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液2A]281部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、(B)で構成されたコア層(Q)の表面に(A)のシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体(X1−5)を得た。次いで濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C1−5)を得た。
実施例6
ビーカー内にイオン交換水318部、[微粒子分散液W3]70部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液2A]266部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、(B)で構成されたコア層(Q)の表面に(A)のシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体(X1−6)を得た。次いで濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C1−6)を得た。
実施例7
ビーカー内にイオン交換水318部、[微粒子分散液W1]70部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液3A]266部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、(B)で構成されたコア層(Q)の表面に(A)のシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体(X1−7)を得た。次いで濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C1−7)を得た。
実施例8
ビーカー内にイオン交換水204部、[微粒子分散液W2]150部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液3A]243部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、(B)で構成されたコア層(Q)の表面に(A)のシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体(X1−8)を得た。次いで濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C1−8)を得た。
実施例9
ビーカー内にイオン交換水396部、[微粒子分散液W3]15部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液3A]281部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、(B)で構成されたコア層(Q)の表面に(A)のシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体(X1−9)を得た。次いで濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C1−9)を得た。
実施例10
ビーカー内にイオン交換水396部、[微粒子分散液W1]15部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液4A]281部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、(B)で構成されたコア層(Q)の表面に(A)のシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体(X1−10)を得た。次いで濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C1−10)を得た。
実施例11
ビーカー内にイオン交換水396部、[微粒子分散液W1]15部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液5A]281部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、(B)で構成されたコア層(Q)の表面に(A)のシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体(X1−11)を得た。次いで濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C1−11)を得た。
実施例12
ビーカー内にイオン交換水204部、[微粒子分散液W1]150部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液6A]243部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、(B)で構成されたコア層(Q)の表面に(A)のシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体(X1−12)を得た。次いで濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C1−12)を得た。
実施例13
ビーカー内にイオン交換水204部、[微粒子分散液W4]150部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液1A]243部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、(B)で構成されたコア層(Q)の表面に(A)のシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体(X1−13)を得た。次いで濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C1−13)を得た。
実施例14
ビーカー内にイオン交換水204部、[微粒子分散液W5]150部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液1A]243部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、(B)で構成されたコア層(Q)の表面に(A)のシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体(X1−14)を得た。次いで濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C1−14)を得た。
実施例15
実施例2で得た水性分散体(X1−2)を撹拌下60℃まで昇温して1時間撹拌した後、25℃まで冷却し、コア層(Q)の表面に(A)が被膜化されたシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体(X2−15)を得た。次いで濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C2−15)を得た。
実施例16
実施例6で得た水性分散体(X1−6)を撹拌下60℃まで昇温して1時間撹拌した後、25℃まで冷却し、コア層(Q)の表面に(A)が被膜化されたシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体(X2−16)を得た。次いで濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C2−16)を得た。
実施例17
実施例11で得た水性分散体(X1−11)を撹拌下60℃まで昇温して1時間撹拌した後、25℃まで冷却し、コア層(Q)の表面に(A)が被膜化されたシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体(X2−17)を得た。次いで濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C2−17)を得た。
比較例1
実施例1で得た水性分散体(X1−1)を、撹拌下85℃まで昇温して1時間撹拌した後、25℃まで冷却し、(P)がはがれて(Q)と分離した水性分散体(X1’−1)を得た。次いで同様に濾別、乾燥を行い、濾別により(P)が除かれて(Q)のみからなる樹脂粒子(C’−1)を得た。
比較例2
ビーカー内にイオン交換水204部、[微粒子分散液RW1]150部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液2A]243部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、(B)で構成されたコア層(Q)の表面に(A)のシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体(X1’−2)を得た。次いで濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C’−2)を得た。
比較例3
ビーカー内にイオン交換水39部、[微粒子分散液W1]188部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液3A]20部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、(B)で構成されたコア層(Q)の表面に(A)のシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体(X1’−3)を得た。次いで濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C’−3)を得た。
比較例4
ビーカー内にイオン交換水318部、[微粒子分散液RW2]70部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液1A]266部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、(B)で構成されたコア層(Q)の表面に(A)のシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体(X1’−4)を得た。次いで濾別し、40℃×3時間乾燥を行い、樹脂粒子(C’−4)を得た。
比較例5
比較例2で得た水性分散体(X1’−2)を撹拌下60℃まで昇温して1時間撹拌した後、25℃まで冷却し、コア層(Q)の表面に(A)が被膜化されたシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体(X2’−5)を得た。次いで濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C’−5)を得た。
比較例6
ビーカー内にイオン交換水318部、[微粒子分散液RW3]70部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液1A]266部を投入し2分間撹拌したが(B)で構成されたコア層(Q)の表面に(A)のシェル層(P)が形成された樹脂粒子の水性分散体は凝集してしまい、樹脂粒子を得ることができなかった。
物性測定例
実施例1〜17および比較例1〜5で得た樹脂粒子(C−1)〜(C−17)、および(C’−1)〜(C’−5)を水に分散して、粒度分布をマルチサイザーIIIで測定した。また、樹脂粒子の帯電特性、耐熱保存安定性、および低温定着性を測定した。その結果を表1〜2に示す。
Figure 2011213881
Figure 2011213881
帯電特性、耐熱保存安定性、および低温定着性の測定方法は以下の通りである。
〔帯電特性〕(帯電量)
50ccの共栓付ガラス瓶に、樹脂粒子0.5g、鉄粉(日本鉄粉株式会社製「F−150」)10gを精秤し、共栓をして23℃、50%RHの雰囲気下でターブラシェーカミキサー(ウイリー・ア・バショッフェン社製)にセットし、回転数90rpmで2分攪拌する。攪拌後の混合粉体0.2gを目開き20μmステンレス金網がセットされたブローオフ粉体帯電量測定装置(京セラケミカル株式会社製TB−203)に装填し、ブロー圧10KPa,吸引圧5KPaの条件で、残存鉄粉の帯電量を測定し、定法により樹脂粒子の帯電量を算出する。なお、トナー用としてはマイナス帯電量が−20[μC/g]より大きければ帯電特性が優れていると判断される。
〔耐熱保存安定性〕
50℃に温調された乾燥機に樹脂粒子を15時間静置し、ブロッキングの程度により下記の基準で評価した。
○ : ブロッキングが発生しない。
△ : ブロッキングが発生するが、力を加えると容易に分散する。
× : ブロッキングが発生し、力を加えても分散しない。
〔低温定着性〕(定着温度)
樹脂粒子にアエロジルR972(日本アエロジル社製)を1.0%添加し、よく混ぜて均一にした後、この粉体を紙面上に0.6mg/cm2となるよう均一に載せる(このと
き粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いる(上記の重量密度で粉体を均一に載せることができるのであれば他の方法を用いてもよい)。この紙を加圧ローラーに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/sec、定着圧力(加圧ローラ圧)1
0kg/cm2の条件で通した時のコールドオフセットの発生温度を測定した。
本発明の樹脂分散体および樹脂粒子は、粒径が均一で、帯電特性、耐熱保存安定性等に優れるため、電子写真、静電記録、静電印刷などに用いられるトナーに用いる樹脂粒子として極めて有用である。

Claims (9)

  1. 第1の樹脂(a)を含有する粒子状または被膜状の1層以上のシェル層(P)と第2の樹脂(b)を含有する1層のコア層(Q)とで構成されるコア・シェル型の樹脂粒子(C)であって、(P)と(Q)の重量比率が(0.1:99.9)〜(70:30)であり、(C)の揮発分が2重量%以下であり、且つ(a)が、融解熱の最大ピーク温度(Ta)が40〜100℃、融解開始温度(Tb)と(Ta)の比(Tb)/(Ta)が0.6〜1.0、かつ酸価が0.01〜240(mgKOH/g)の条件を満たすビニル樹脂であることを特徴とする電子写真トナー、静電記録トナー、または静電印刷トナー用樹脂粒子。
  2. 樹脂粒子(C)が、シェル層(P)が被膜状のコア・シェル型の樹脂粒子(C2)である請求項1記載の樹脂粒子。
  3. 樹脂(a)中に、少なくとも一部が塩基で中和されていてもよいカルボキシル基を0.1〜15重量%含有する請求項1または2記載の樹脂粒子。
  4. 樹脂(a)がアルキル基の炭素数が12〜50であるアルキル(メタ)アクリレート(m1)を必須構成単位とする請求項1〜3のいずれか記載の樹脂粒子。
  5. 樹脂(b)が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、およびビニル樹脂から選ばれる少なくとも1つの樹脂である請求項1〜4のいずれか記載の樹脂粒子。
  6. コア層(Q)が、さらにワックス(c)、およびビニルポリマー鎖がグラフトした変性ワックス(d)を含有する請求項1〜5のいずれか記載の樹脂粒子。
  7. ワックス(c)の融解熱の最大ピーク温度が50〜90℃である請求項6記載の樹脂粒子。
  8. 樹脂粒子(C)が、樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)と、樹脂(b)もしくはその有機溶剤溶液、または、樹脂(b)の前駆体(b0)もしくはその有機溶剤溶液(O)とが混合され、(W)中に(O)が分散され、(b0)もしくはその有機溶剤溶液を用いる場合には、さらに(b0)が反応されて、(W)中で(b)を含有する樹脂粒子(B)が形成されることにより、(B)の表面に(A)が付着されてなる樹脂粒子(C1)の水性分散体(X1)が得られ、(X1)から水性媒体が除去されて得られた樹脂粒子(C1)であるか、または、上記(X1)中において、さらに(B)で構成されるコア層(Q)の表面に(A)が被膜化されたシェル層(P)が形成された樹脂粒子(C2)が形成されることにより、(C2)の水性分散体(X2)が得られ、(X2)から水性媒体が除去されて得られた樹脂粒子(C2)である請求項1〜7のいずれか記載の樹脂粒子。
  9. 第1の樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)と、第2の樹脂(b)もしくはその有機溶剤溶液、または、樹脂(b)の前駆体(b0)もしくはその有機溶剤溶液(O)とを混合し、(W)中に(O)を分散させ、(b0)もしくはその有機溶剤溶液を用いる場合には、さらに(b0)を反応させて、(W)中で(b)を含有する樹脂粒子(B)を形成させることにより、樹脂粒子(B)の表面に樹脂粒子(A)が付着された樹脂粒子(C1)の水性分散体(X1)を得て、(X1)から水性媒体を除去する工程、または、上記(X1)中において、さらに(B)に付着された(A)を、有機溶剤に溶解する、および/または、溶融することにより、(B)で構成されるコア層(Q)の表面に(A)が被膜化されたシェル層(P)を形成させた樹脂粒子(C2)の水性分散体(X2)を得て、(X2)から水性媒体を除去する工程を含む請求項1記載の電子写真トナー、静電記録トナー、または静電印刷トナー用樹脂粒子(C)の製造方法。
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