JP2010047752A - 樹脂粒子 - Google Patents
樹脂粒子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010047752A JP2010047752A JP2009171795A JP2009171795A JP2010047752A JP 2010047752 A JP2010047752 A JP 2010047752A JP 2009171795 A JP2009171795 A JP 2009171795A JP 2009171795 A JP2009171795 A JP 2009171795A JP 2010047752 A JP2010047752 A JP 2010047752A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- acid
- polyurethane resin
- group
- meth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
Abstract
【解決手段】 樹脂(R)を含有するコア層(Q)の表面に結晶性ポリウレタン樹脂(U)を含有するシェル層(S)が付着されてなる樹脂粒子(C)であって、(U)の融解熱の最大ピーク温度(Ta)が40〜100℃であり、かつ軟化点と融解熱の最大ピーク温度(Ta)の比(軟化点/Ta)が0.8〜1.55である樹脂粒子を用いる。
【選択図】 なし
Description
本発明は従来技術における上記の事情に鑑みてなされたものである。すなわち、低温短時間での溶融、および加熱接着性に優れた、粒径が均一である樹脂粒子を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、樹脂(R)を含有するコア層(Q)の表面に結晶性ポリウレタン樹脂(U)を含有するシェル層(S)が付着されてなる樹脂粒子(C)であって、(U)の融解熱の最大ピーク温度(Ta)が40〜100℃であり、かつ軟化点とTaの比(軟化点/Ta)が0.8〜1.55である樹脂粒子;並びに、融解熱の最大ピーク温度(Ta)が40〜100℃であり、軟化点とTaの比(軟化点/Ta)が0.8〜1.55である結晶性ポリウレタン樹脂(U)が水性媒体中に分散されてなる、コア・シェル型樹脂粒子製造用ポリウレタン樹脂エマルション;である。
1.低温短時間で溶融する。
2.加熱接着性が良好である。
3.粒径が均一である。
4.耐熱保存安定性が良好である。
本発明において、「結晶性」とは、樹脂の軟化点と融解熱の最大ピーク温度(Ta)との比(軟化点/Ta)が0.8〜1.55であり、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指す。また、「非結晶性」とは、樹脂の軟化点と融解熱の最大ピーク温度との比(軟化点/Ta)が1.55より大きく4以下であることを指す。
尚、樹脂がその分子構造中に結晶性セグメントと非結晶セグメントを有するブロック構造の場合でも、示差走査熱量測定(DSC)において、明確な吸熱ピークを有し、(軟化点/Ta)が0.8〜1.55である場合は、これも結晶性樹脂とする。
(S)は3層以上(例えば3〜5層)から形成されていてもよいが、1層または2層が好ましい。
なお、コア層(Q)としては、樹脂(R)を含有する粒子状であることが好ましく、シェル層(S)は、結晶性ポリウレタン樹脂(U)を含有する粒子状、それが被膜化された(U)を含有する被膜状のいずれでもよい。
<軟化点>
降下式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点とする。
示差走査熱量計{たとえば、セイコー電子工業社製、DSC210}を用いて、測定試料を200℃まで昇温してから、降温速度10℃/分で0℃まで冷却した後、昇温速度20℃/分で昇温して吸発熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、吸発熱量の最大ピークに対応する温度を融解熱の最大ピーク温度(Ta)とする。
〔条件1〕 G’(Ta+20)=50〜1×106[Pa]
〔条件1−2〕 G’(Ta+20)=100〜5×105[Pa]
(Ta+20)℃におけるG’が50Pa以上であると、樹脂の強度が良好である。
本発明において、動的粘弾性測定値(貯蔵弾性率G’、損失弾性率G”)は、Rheometric Scientific社製 動的粘弾性測定装置 RDS−2を用い周波数1Hz条件下で測定される。測定温度範囲は30℃〜200℃で、この温度間の溶融粘弾性を測定することによって、温度−G’、温度−G”の曲線として得ることができる。
〔条件1〕を満たす(U)は、(U)を構成する組成中の結晶性成分の比率を調整すること等により得ることができる。例えば結晶性成分の比率を増加させると、G’(Ta+20)の値は小さくなる。結晶性成分としては、直鎖構造を有するポリオール、ポリイソシアネート等が挙げられる。また樹脂分子量を低下させることでもG’(Ta+20)の値は小さくなる。
降下式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、試料の熱膨張によるピストンのわずかな上昇が行われた後、再びピストンが明らかに下降し始める点の温度をグラフから読み取り、この値を溶融開始温度(X)とする。
〔条件2〕 |LogG”(X+20)−LogG”(X)|>2.0
[G’:貯蔵弾性率[Pa]、G”:損失弾性率[Pa]]
〔条件2−2〕 |LogG”(X+20)−LogG”(X)|>2.5
〔条件2−3〕 |LogG”(X+15)−LogG”(X)|>2.5
〔条件2−4〕 |LogG”(X+12)−LogG”(X)|>2.5
(U)の溶融開始温度(x)が上記範囲内であり、かつ〔条件2〕を満たすと、樹脂の低粘性化速度が速く、低温短時間で溶融することができる。〔条件2〕は、どれだけ早く、少ない熱で定着できるかという、樹脂のシャープメルト性の指標であり、実験的に求めたものである。
(X)の好ましい範囲、および〔条件2〕を満たす(U)は、(U)の構成成分中の結晶性成分の比率を調整すること等により得ることができる。例えば、結晶性成分の比率を大きくすると、(Ta)と(X)の温度差が小さくなる。
上記および以下において、%は特に断りのないかぎり、重量%を意味する。
なお、カルボキシル基は、その少なくとも一部が塩基で中和されていてもよい。カルボキシル基の塩基中和率は20〜100%が好ましく、40〜100%がさらに好ましい。カルボキシル基含量は、カルボキシル基が中和されたカルボキシレート基(−COO-)であっても、該カルボキシレート基からカルボキシル基に換算した含有量をカルボキシル基含量とする。
上記炭素数1〜30のモノアミンとしては、炭素数1〜30の1級および/または2級アミン(エチルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン等)、炭素数3〜30の3級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、ラウリルジメチルアミン等)が挙げられる。4級アンモニウムとしては炭素数4〜30のトリアルキルアンモニウム(ラウリルトリメチルアンモニウム等)などが挙げられる。
これらの中で、好ましくは、アルカリ金属、4級アンモニウム、およびモノアミンであり、さらに好ましくは、ナトリウム、および炭素数1〜20のモノアミンであり、特に好ましくは、炭素数3〜20の3級モノアミンである。
(a1)としては、炭素数6〜24のジアルキロールアルカン酸が使用でき、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸(DMBA)、2 ,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸などが挙げられる。これらの塩、例えばアミン類(トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、モルホリンなど)の塩および/またはアルカリ金属塩(ナトリウム塩など)も使用できる。
これらのうち、好ましくはDMPAおよびDMBAである。
なお、以下において重量の単位はいずれもgである。
目標とするカルボキシル基含量(%)=[(a1)の仕込量に基づくCOOHに相当する重量÷樹脂成分の全重量]×100
ここで、後述する方法で結晶性ポリウレタン樹脂(U)を作成する場合、
樹脂成分の全重量=(ウレタン化反応時の溶媒以外の仕込重量)+(必要により用いる後述の、伸長剤、架橋剤、および停止剤の合計仕込み重量)+〔(U)のエマルションを作製する場合に伸長剤として作用する水の重量〕
である。伸長剤として作用する水の重量は以下の式によって計算される(NCO基2分子と水1分子が反応する)。
伸長剤として作用する水の重量={プレポリマーの残存NCOの当量数−(アミン系伸長剤の当量数+架橋剤の当量数+停止剤の当量数)}×18÷2
なお、当量数は当該分子のモル数×1分子当たりの平均官能基数である。
(U)中にスルホン酸アニオン基(−SO3-)を含有させるためには、分子内にスルホン酸アニオン基および活性水素原子含有基(とくにヒドロキシル基)を含有する化合物(a2)を(U)を構成するポリオール成分の1つとして使用するのが好ましい。
(a2)の好ましい炭素数は3〜50であり、さらに好ましくは3〜30、特に好ましくは4〜15である。
(a2)としては、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸、3,4−ジヒドロキシブタンスルホン酸、3,6−ジヒドロキシ−2−トルエンスルホン酸等が使用できる。またこれらの塩、例えばアミン類(トリエチルアミン、アルカノールアミン、モルホリンなど)の塩および/またはアルカリ金属塩(ナトリウム塩など)も使用できる。
これらのうち、好ましいものは、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸、および3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウムである。
また、(U)中のウレタン基[−NH−COO−(分子量59)]の含有量は、耐溶剤性向上の観点から、好ましくは3〜35%、さらに好ましくは5〜32%、特に好ましくは7〜30%である。(U)中のウレタン基の含有量が35%以下であると、(C)の粘性が良好となり、3%以上であると、(C)樹脂強度が良好となる。
なお、(U)の製造時に、触媒および/または添加物としてアミン化合物を使用した場合は、それらを差し引く必要があり、使用したアミン化合物の沸点が70℃未満の場合は、試料を130℃で2時間、減圧乾燥した後、測定する方法が挙げられる。また、使用したアミン化合物の沸点が70℃以上の場合は、試料をそのまま測定し、アミン化合物の仕込量から計算されるN原子含量を、定量したN原子含量から引いたものをN原子含量とする方法が挙げられる。
NMR測定については、「NMRによるポリウレタン樹脂の構造研究:武田研究所報34(2)、224−323(1975)」に記載の方法で行うことができる。すなわちH1−NMRを測定して、化学シフト6ppm付近のウレア基由来の水素の積分量と化学シフト7ppm付近のウレタン基由来の水素の積分量の比率からウレア基とウレタン基の重量比を測定し、該重量比と上記のN原子含量からウレア基の含有量およびウレタン基の含有量を算出する。
ウレア基の含有量、ウレタン基の含有量の調整は、原料の組成や仕込み当量を、適宜調整すればよい。
イソシアネート基含有量は、過剰当量(1.1倍〜10倍)のアミン(例えばジ−n−ブチルアミン)を添加し、トルエン溶液中常温(25℃)下で30分撹拌し、含有するイソシアネート基と反応させた後、残ったアミンを塩酸で逆滴定することにより測定できる。
(U)としては、イソシアネート基末端となるようにポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させた後、得られた反応物の末端イソシアネート基と、モノアミンおよび/またはモノアルコールなどの停止剤等のイソシアネート基と反応性の添加剤とを反応させ、イソシアネート基含有量を0.1%以下とさせたポリウレタン樹脂(U1)であるか、ヒドロキシル基末端となるようにポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応されて得られたポリウレタン樹脂(U2)であることが、(U)中のウレア基の含有量を上記の好ましい範囲に調整するのが容易であり、熱特性が良好になるので好ましい。
また、(U)は、本発明の樹脂粒子(C)を製造する際、水性媒体に分散されたエマルションとして用いるのが好ましい。
(U1)の作製方法としては、(U1)のガラス転移点、軟化開始温度および流出温度の観点から、鎖伸長剤(f)および架橋剤(x)を用いない方法〔すなわち、イソシアネート基末端となるようにポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させた後、反応物の末端イソシアネート基と、モノアミンおよび/またはモノアルコールなどの停止剤(e2)とを反応させる方法〕が好ましい。
(U)が、ポリウレタン樹脂(U1)である場合、(U1)の水酸基価は、好ましくは0〜2であり、さらに好ましくは0〜1、特に好ましくは0である。
(U)が、ポリウレタン樹脂(U2)である場合、(U2)の水酸基価は、好ましくは1〜200であり、さらに好ましくは2〜150、特に好ましくは3〜100である。
(U)の水酸基価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定される。
(U)の水酸基価が200mgKOH/g以下であれば、(U)の耐水性が良好となる。
(b)のうち、さらに好ましいのはIPDI、HDIおよびこれらの併用である。
(a)のうち、好ましいのは、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、低分子ジオールおよびこれらの併用である。
低分子量の多価アルコールとしては、水酸基当量が30〜150の2〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコール、および水酸基当量が30〜150の2〜8価またはそれ以上の多価フェノールのアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)低モル付加物が使用できる。
上記脂肪族多価アルコールとしては、直鎖もしくは分岐の脂肪族2価アルコール[エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−,1,3−,2,3−または1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールおよび1,12−ドデカンジオールなど]、脂環式2価アルコール[環状基を有する低分子ジオール、たとえば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、特公昭45−1474号公報記載のもの]、脂肪族3価アルコール[グリセリン、トリメチロールプロパン、トリアルカノールアミンなど]、および脂肪族4〜8価またはそれ以上のアルコール[ペンタエリスリトール、ジグリセリン、トリグリセリン、ジペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、ソルバイドなど]が挙げられる。
AOが付加される多価フェノールとしては、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなどが挙げられる。
結晶性の観点から、これらのうち好ましいのは、直鎖の脂肪族2価アルコールであり、さらに好ましいのは、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,12−ドデカンジオールおよびこれらの併用である。
結晶性の観点から、これらのうち好ましいのは、炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸およびこれらの併用であり、さらに好ましいのは、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸およびこれらの併用である。
また、後述の脂肪族ポリエーテルポリオール又は芳香族環含有ポリエーテルポリオールと多価カルボン酸からなるポリエステルポリオールも挙げられる。
これらのうち好ましいのは、直鎖状ポリエステルポリオール、および直鎖状ポリエステルポリオールと他のポリエステルポリオールの併用であり、さらに好ましいのは直鎖状ポリエステルジオール、および直鎖状ポリエステルジオールと他のポリエステルジオールの併用である。
ポリラクトンポリオールとしては、例えばポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール、ポリカプロラクトントリオールなどが挙げられる。
脂肪族ポリエーテルポリオールとしては、脂肪族低分子量活性水素原子含有化合物(水酸基当量が30〜150の2〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコール、および活性水素原子含有基として1級もしくは2級アミノ基を含有する化合物)のAO付加物等が使用できる。
AOが付加される脂肪族多価アルコールとしては、前記のものが挙げられる。
AOが付加される1級もしくは2級アミノ基を含有する化合物としては、アルキル(炭素数1〜12)アミン(モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン、モノオクチルアミン等)、および(ポリ)アルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数2〜6、アルキレン基の数1〜4、ポリアミンの数2〜5)(ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等)などが挙げられる。
AOが付加される多価フェノールとしては、前記のものが挙げられる。芳香族アミンとしてはアニリンおよび後述の炭素数6〜30の芳香族ポリアミンなどが挙げられる。
芳香族環含有ポリエーテルポリオールとしては、ビスフェノール骨格を有するポリオール、例えばビスフェノールAのEO2〜20モル付加物[ビスフェノールAのEO2モル付加物、ビスフェノールAのEO4モル付加物、ビスフェノールAのEO6モル付加物、ビスフェノールAのEO8モル付加物、ビスフェノールAのEO10モル付加物、ビスフェノールAのEO20モル付加物等]およびビスフェノールAのPO2〜20モル付加物[ビスフェノールAのPO2モル付加物、ビスフェノールAのPO3モル付加物、ビスフェノールAのPO5モル付加物等]、並びにレゾルシンのEOもしくはPO付加物などが挙げられる。
変性ヒマシ油は、ヒマシ油とポリオールとのエステル交換および/またはAO付加により製造できる。ひまし油系ポリオールとしては、ヒマシ油、トリメチロールプロパン変性ヒマシ油、ペンタエリスリトール変性ヒマシ油、ヒマシ油のEO(4〜30モル)付加物などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、モノエチルアミン、モノブチルアミンおよびモノエタノールアミンである。
上記ウレタン化反応においては反応を促進させるため、必要により通常のウレタン反応に使用される触媒を使用してもよい。触媒には、アミン触媒、たとえばトリエチルアミン、N−エチルモルホリン、トリエチレンジアミンおよび米国特許第4524104号明細書に記載のシクロアミジン類[1,8−ジア ザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(サンアプロ・製造、DBU)など];錫系触媒、たとえばジブチル錫ジラウリレート、ジオクチル錫ジラウリレートおよびオクチル酸錫;チタン系触媒、たとえばテトラブチルチタネート;ビスマス系触媒、たとえば硝酸ビスマス、トリフェニルビスマスが挙げられる。
ポリアミンとしては、炭素数2〜30の脂肪族ポリアミン、および炭素数6〜30の芳香族ポリアミン等が挙げられる。
脂肪族ポリアミンとしては、例えばエチレンジアミン、トリメチレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジアミン;ジエチレントリアミンなどのポリアルキレンポリアミン;ジシクロヘキシルメタンジアミンおよびイソホロンジアミンなどの環状ポリアミン;ピペラジン、N−アミノエチルピペラジンおよび複素環式ポリアミン;が挙げられる。芳香族ポリアミンとしては、例えばフェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジフェニルエーテルジアミン、ポリフェニルメタンポリアミンおよびキシリレンジアミン等が挙げられる。
(f)および(x)の使用量は、プレポリマー(U1)中に残存するイソシアネート基1当量に対して(f)および(x)の1級および2級アミノ基が、好ましくは0〜1.0当量、さらに好ましくは0.2〜0.6当量である。
ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/5、さらに好ましくは1.5/1〜1/4、とくに好ましくは1/1.3〜1/3である。
スルファミン酸基を有するジオールとしては、スルファミン酸ジオール[N,N−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル基のC1〜6)またはそのAO付加物(AOとしてはEOまたはPOなど、AOの付加モル数1〜6):例えばN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸およびN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸PO2モル付加物など];ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェートなどが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12の直鎖の脂肪族ジオール、炭素数6〜24のジアルキロールアルカン酸、ビスフェノール骨格を有するポリオール、およびこれらの併用である。
これらのうち好ましいものは、3〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコールおよびノボラック樹脂のAO付加物であり、さらに好ましいものはノボラック樹脂のAO付加物である。
3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(4)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
なお、ジカルボン酸(3)または3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(4)としては、上述のものの酸無水物または炭素数1〜4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
金属塩とする方法としては、例えば、COOH基を有するポリエステルと該当する金属の水酸化物とを反応することにより得られる。
上記脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどの脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
上記脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
上記芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
また、上記ポリイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。
具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDIなど)、ウレタン変性TDIなどのポリイソシアネートの変性物およびこれらの2種以上の混合物[たとえば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
これらのうちで好ましいものは6〜15の芳香族ポリイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ポリイソシアネート、および炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネートであり、とくに好ましいものはTDI、MDI、HDI、水添MDI、およびIPDIである。
(11−1)脂肪族ビニル系炭化水素:アルケン類、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、前記以外のα−オレフィン等;アルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン。
(11−2)脂環式ビニル系炭化水素:モノ−もしくはジ−シクロアルケンおよびアルカジエン類、例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン等;テルペン類、例えばピネン、リモネン、インデン等。
(11−3)芳香族ビニル系炭化水素:スチレンおよびそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよび/またはアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン等;およびビニルナフタレン。
炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸ならびにその無水物およびそのモノアルキル〔炭素数1〜27〕エステル、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニル系モノマー。なお、上記(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/またはメタアクリル酸を意味し、以下同様の記載法を用いる。モノアルキル(炭素数1〜27)エステルを構成するアルキル鎖は、耐加水分解性を向上させるという観点から、分岐構造を持つものが好ましい。
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸、例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸;およびその炭素数2〜24のアルキル誘導体、例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミド、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等]、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル、および下記一般式(1−1)〜(1−3)で示される硫酸エステルもしくはスルホン酸基含有モノマー;ならびそれらの塩等。
|
CH2=CHCH2−OCH2CHCH2O−Ar−R (1−1)
CH=CH−CH3
|
R−Ar−O−(AO)nSO3H (1−2)
CH2COOR’
|
HO3SCHCOOCH2CH(OH)CH2OCH2CH=CH2 (1−3)
(式中、Rは炭素数1〜15のアルキル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nが複数の場合同一でも異なっていてもよく、異なる場合はランダムでもブロックでもよい。Arはベンゼン環を示し、nは1〜50の整数を示し、R’はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基を示す。)
(メタ)アクリロイルオキシアルキル(C1〜C24)燐酸モノエステル、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)ホスホン酸類、例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸。
好ましくはアルカリ金属塩、およびアミン塩であり、さらに好ましくは、ナトリウム塩および炭素数3〜20の3級モノアミンの塩である。
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテル等
(16−1)アミノ基含有ビニル系モノマー:アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4ービニルピリジン、2ービニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチルα−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール、これらの塩等
(16−2)アミド基含有ビニル系モノマー:(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチルN−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等
(16−3)ニトリル基含有ビニル系モノマー:(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレート等
(16−4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニル系モノマー:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニル系モノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)
(16−5)ニトロ基含有ビニル系モノマー:ニトロスチレン等
グルシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレン等
(19−1)ビニルエステル、例えばビニルブチレート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基(直鎖もしくは分岐)を有するアルキル(メタ)アクリレート(好ましくは炭素数5〜30)[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、2−デシルテトラデシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(フマル酸ジアルキルエステル)(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(マレイン酸ジアルキルエステル)(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系モノマー[ポリエチレングリコール(数平均分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(数平均分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド(エチレンオキサイドを以下EOと略記する)10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールEO30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等
(19−2)ビニル(チオ)エーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒドロ1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル2−エチルメルカプトエチルエーテル、アセトキシスチレン、フェノキシスチレン等
(19−3)ビニルケトン、例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルフェニルケトン;
ビニルスルホン、例えばジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルフォン、ジビニルスルフォン、ジビニルスルフォキサイド等
イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等
共重合体の具体例としては、スチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−ブタジエン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−(メタ)アクリル酸共重合体、およびこれらの共重合体の塩などが挙げられる。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8220
カラム(一例): Guardcolumn α、TSKgel α−M
試料溶液 : 0.125%のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液
注入量 : 100μl
流量 : 1ml/分
測定温度 : 40℃
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
<ガラス転移点(Tg)>
ガラス転移点は非結晶性樹脂に特有の物性であり、融解熱の最大ピーク温度とは区別される。そして、融解熱の最大ピーク温度の測定において、「吸発熱量」と「温度」とのグラフの最大ピーク温度以下でのベースラインの延長線と、最大ピークの立ち上がり部分から最大ピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点に対応する温度をガラス転移点(Tg)とする。
なお、樹脂粒子(C)のシェル層(S)を2層以上とする場合は、得られた樹脂粒子を含有する水性分散体と、(U)を含むポリウレタン樹脂エマルションとを混合する操作を繰り返せばよい。
水性媒体の使用量は、(U)の含有量が、得られるエマルションの重量に基づいて、好ましくは5〜60%、さらに好ましくは8〜50%となるような量である。
水性媒体中の水と親水性溶剤との重量比は、好ましくは100/0〜50/50、さらに好ましくは100/0〜70/30 である。
(s)および/または水性媒体に親水性溶剤を使用した場合には、ポリウレタン樹脂エマルション製造後に必要によりこれらを留去してもよい。
1)錨型撹拌方式、
2)回転子−固定子式方式[例えば「エバラマイルダー」(荏原製作所製)]、
3)ラインミル方式[例えばラインフローミキサー]、
4)静止管混合式[例えばスタティックミキサー]、
5)振動式[例えば「VIBRO MIXER」(冷化工業社製)]、
6)超音波衝撃式[例えば超音波ホモジナイザー]、
7)高圧衝撃式[例えばガウリンホモジナイザー(ガウリン社)]、
8)乳化式[例えば膜乳化モジュール]、
9)遠心薄膜接触式[例えばフィルミックス]。
これらのうち、好ましいのは、1)、2)、5)、8)および9)である。
必要により、鎖伸長剤(f)による鎖伸長、架橋剤(x)による架橋および/または停止剤(e2)による反応停止を行う場合には、連続式の乳化機[好ましくは上記2)例えばエバラマイルダー]を用いて、プレポリマー(p1)を水性媒体中に分散させ、次いでバッチ式乳化機[好ましくは上記1)錨型撹拌方式]を用いて(f)、(x)および/または(e2)を加えて混合して(p1)と反応させるのが好ましい。
ポリウレタン樹脂エマルションの粘度は、好ましくは20〜1,000mPa・s、さらに好ましくは25〜500mPa・sである。粘度の測定は、BL型粘度計で25℃で行うことができる。
ポリウレタン樹脂エマルションにおけるポリウレタン樹脂の粒子径は、好ましくは10〜250nm、さらに好ましくは20〜220nmである。この範囲であればエマルションの経日安定性がよい。
分散装置としては、一般に乳化機、分散機として市販されているものであれば特に限定されず、例えば、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。このうち粒径の均一化の観点で好ましいものは、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサーが挙げられる。
アニオン界面活性剤(k−1)としては、カルボン酸またはその塩、硫酸エステル塩、カルボキシメチル化物の塩、スルホン酸塩およびリン酸エステル塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤(k−2)としては、第4級アンモニウム塩型界面活性剤およびアミン塩型界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤(k−3)としては、カルボン酸塩型両性界面活性剤、硫酸エステル塩型両性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤およびリン酸エステル塩型両性界面活性剤等が挙げられる。
非イオン界面活性剤(k−4)としては、AO付加型非イオン界面活性剤および多価アルコ−ル型非イオン界面活性剤等が挙げられる。
これら界面活性剤(k)の具体例としては、特開2006−206848号公報に記載のものが挙げられる。
界面活性剤(k)の含有量としては、好ましくは0.01〜30%であり、さらに好ましくは0.1〜20%である。
また、添加剤は、必ずしも、水性媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加したり、有機溶剤および/または可塑剤とともに上記添加剤を含浸させることもできる。
添加剤は(U)が水性媒体に分散されてなるポリウレタン樹脂エマルション中に含有させ、シェル層(S)に含ませることもできる。
コア層(Q)中の(c)の含有量は、好ましくは20%以下、さらに好ましくは1〜15%である。(d)の含有量は、好ましくは10%以下、さらに好ましくは0.5〜8%である。(c)と(d)の合計含有量は、好ましくは25%以下、さらに好ましくは1〜20%である。
また、離型性の観点から、(c)のMnは、好ましくは400〜5000、さらに好ましくは1000〜3000、とくに1500〜2000である。尚、上記および以下においてワックスのMnは、GPCを用いて測定される(溶媒:オルソジクロロベンゼン、基準物質:ポリスチレン)。
(d)のMnは、好ましくは1500〜10000、とくに1800〜9000である。
変性ワックス(d)の合成におけるパーオキサイド系開始剤の量は、(d)の原料の合計重量に基づいて、好ましくは0.2〜10%、さらに好ましくは0.5〜5%である。
油溶性パーオキサイド重合開始剤としては、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシビバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノニルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニトリルパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシラウレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジイソブチルジパーオキシフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジt−ブチルパーオキシヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、ピナンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイドおよびクメンパーオキサイド等が挙げられる。
ワックス(c)および変性ワックス(d)を樹脂(R)を含有するコア層(Q)中に分散させる方法としては、(c)および(d)と、(R)とを、それぞれ有機溶剤溶液もしくは分散液とした後、それら同士を混合する方法等が挙げられる。
〔1〕水性樹脂分散体を減圧下または常圧下で乾燥する方法
〔2〕遠心分離器、スパクラフィルター、フィルタープレスなどにより固液分離し、得られた粉末を乾燥する方法
〔3〕水性樹脂分散体を凍結させて乾燥させる方法(いわゆる凍結乾燥)
等が例示される。
上記〔1〕、〔2〕において、得られた粉末を乾燥する際、流動層式乾燥機、減圧乾燥機、循風乾燥機など公知の設備を用いて行うことができる。
また必要に応じ、風力分級器などを用いて分級し、所定の粒度分布とすることもできる。
表面被覆率(%)=[(S)に覆われている部分の面積/{(S)に覆われている部分の面積+(Q)が露出している部分の面積}]×100
なお、体積平均粒径は、レーザー式粒度分布測定装置[例えば、商品名:LA−920(堀場製作所製)、や商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]、光学系としてレーザードップラー法を用いるELS−800(大塚電子社製)などを用いて測定できる。
また、(C)の体積分布の変動係数は、粒径均一性の観点から、30%以下であるのが好ましく、0.1〜15%であるのがさらに好ましい。
また、粒径均一性から、[体積平均粒径/個数平均粒径]の値は、1.0〜1.4であるのが好ましく、1.0〜1.2であるのがさらに好ましい。
なお、体積平均粒径および個数平均粒径は、マルチサイザーIII(コールター社製)で同時に測定することができる。
粉体流動性を向上させたい場合には、(C)のBET値比表面積が0.5〜5.0m2/gであるのが好ましい。本発明のBET比表面積は、比表面積計例えばQUANTASORB(ユアサアイオニクス製)を用いて測定(測定ガス:He/Kr=99.9/0.1vol%、検量ガス:窒素)したものである。
同様に粉体流動性の観点から、(C)の表面平均中心線粗さRaが0.01〜0.8μmであるのが好ましい。Raは、粗さ曲線とその中心線との偏差の絶対値を算術平均した値のことであり、例えば、走査型プローブ顕微鏡システム(東陽テクニカ製)で測定することができる。
撹拌機および温度計を備えた反応装置に、水酸基価56の1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸からなるポリエステルジオール(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「ニッポラン 4073」)を74部、1,9−ノナンジオールを20部、2,2−ジメチロールプロピオン酸を47部、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウムを9部、ヘキサメチレンジイソシアネートを100部、トリエチルアミンを4部およびアセトンを250部、窒素を導入しながら仕込んだ。その後50℃に加熱し、10時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート基末端ウレタン樹脂溶液を製造した。次いで、n−ブチルアミンを8部およびトリエチルアミンを31部加え、50℃で3時間反応させ、ポリウレタン樹脂溶液を得た。反応終了時のNCO含量は0%であった。
撹拌機および温度計を備えた反応装置に、水酸基価56の1,6−ヘキサンジオールとセバシン酸からなるポリエステルジオール(豊国製油(株)製、商品名「HS 2H−200S」)を197.5部、2,2−ジメチロールプロピオン酸を10部、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウムを2.5部、イソホロンジイソシアネートを40部、トリエチルアミンを8部およびアセトンを250部、窒素を導入しながら仕込んだ。その後50℃に加熱し、15時間かけてウレタン化反応を行い、ヒドロキシル基末端ウレタン樹脂溶液を製造した。ウレタン化反応終了時のNCO含量は0%であった。
撹拌機および温度計を備えた反応装置に、水酸基価112の1,4−ブタンジオールとテレフタル酸からなるポリエステルジオールを201部、2,2−ジメチロールプロピオン酸を3部、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウムを1.5部、イソホロンジイソシアネートを44.5部、トリエチルアミンを3部およびアセトンを250部、窒素を導入しながら仕込んだ。その後50℃に加熱し、15時間かけてウレタン化反応を行い、ヒドロキシル基末端ウレタン樹脂溶液を得た。ウレタン化反応終了時のNCO含量は0%であった。
撹拌機および温度計を備えた反応装置に、水酸基価56の1,4−ブタンジオールとアジピン酸からなるポリエステルジオール(三洋化成工業(株)製、商品名「サンエスター 4620」)を99部、水酸基価112の1,4−ブタンジオールとアジピン酸からなるポリエステルジオール(三洋化成工業(株)製、商品名「サンエスター 4610」)を50部、2,2−ジメチロールプロピオン酸を17部、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウムを17部、ヘキサメチレンジイソシアネートを67部、トリエチルアミンを3部およびアセトンを250部、窒素を導入しながら仕込んだ。その後50℃に加熱し、10時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー溶液を得た。ウレタン化反応終了時のNCO含量は1.7%であった。
撹拌機および温度計を備えた反応装置に、ノナメチレンジオールを111部、2,2−ジメチロールプロピオン酸を21部、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウムを1部、ヘキサメチレンジイソシアネートを117部、トリエチルアミンを15部およびアセトンを250部、窒素を導入しながら仕込んだ。その後50℃に加熱し、15時間かけてウレタン化反応を行い、ヒドロキシル基末端ウレタン樹脂溶液を得た。ウレタン化反応終了時のNCO含量は0%であった。
撹拌機および温度計を備えた反応装置に、水酸基価56の1,2−プロピレングリコールとイソフタル酸からなるポリエステルジオールを197.5部、2,2−ジメチロールプロピオン酸を10部、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウムを2.5部、イソホロンジイソシアネートを40部、トリエチルアミンを8部およびアセトンを250部、窒素を導入しながら仕込んだ。その後50℃に加熱し、15時間かけてウレタン化反応を行い、ヒドロキシル基末端ウレタン樹脂溶液を製造した。ウレタン化反応終了時のNCO含量は0%であった。
撹拌機および温度計を備えた反応装置に、水酸基価278のポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製、商品名「PEG−400」)を92部、2,2−ジメチロールプロピオン酸を38部、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウムを3部、イソホロンジイソシアネートを122部、トリエチルアミンを3部およびアセトンを250部、窒素を導入しながら仕込んだ。その後50℃に加熱し、15時間かけてウレタン化反応を行った、ウレタン化反応終了時のNCO含量は0%であった。次いで、トリエチルアミン29部を添加・混合し、ヒドロキシル基末端ウレタン樹脂溶液を得た。
製造例1のポリウレタン樹脂溶液を40℃に冷却後、攪拌下、水1800部中に注ぎ乳化させ、アセトンを留去し(ポリウレタン樹脂エマルション1)を得た。このポリウレタン樹脂エマルションをELS−800で測定した体積平均粒径は0.05μmであった。洗浄および乾燥してポリウレタン樹脂を単離してポリウレタン樹脂(U−1)を得た、(U−1)のTaは50℃、軟化点とTaの比(軟化点/Ta)は1.1、G’(Ta+20)は5×104であった。また、溶融開始温度(X)は41℃、|LogG”(X+20)−LogG”(X)|は3.8であった。
製造例2のポリウレタン樹脂溶液を40℃に冷却後、攪拌下、水1800部中に注ぎ乳化させ、アセトンを留去し(ポリウレタン樹脂エマルション2)を得た。このポリウレタン樹脂エマルションをELS−800で測定した体積平均粒径は0.15μmであった。洗浄および乾燥してポリウレタン樹脂を単離してポリウレタン樹脂(U−2)を得た、(U−2)のTaは70℃、軟化点とTaの比(軟化点/Ta)は1.0、G’(Ta+20)は9×102であった。また、溶融開始温度(X)は60℃、|LogG”(X+20)−LogG”(X)|は4.2であった。
製造例3のポリウレタン樹脂溶液を40℃に冷却後、攪拌下、水1800部中に注ぎ乳化させ、アセトンを留去し(ポリウレタン樹脂エマルション3)を得た。このポリウレタン樹脂エマルションをELS−800で測定した体積平均粒径は0.3μmであった。洗浄および乾燥してポリウレタン樹脂を単離してポリウレタン樹脂(U−3)を得た、(U−3)のTaは90℃、軟化点とTaの比(軟化点/Ta)は1.2、G’(Ta+20)は3×105であった。また、溶融開始温度(X)は78℃、|LogG”(X+20)−LogG”(X)|は2.7であった。
製造例4のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー溶液を40℃に冷却後、攪拌下、水1800部中に注ぎ乳化させ、さらに、n−ブチルアミン4.5部、ヘキサメチレンジアミン9.5部およびトリエチルアミン10部を加え、攪拌しながら5時間反応させた後、アセトンを留去し(ポリウレタン樹脂エマルション4)を得た。このポリウレタン樹脂エマルションをELS−800で測定した体積平均粒径は0.05μmであった。洗浄および乾燥してポリウレタン樹脂を単離してポリウレタン樹脂(U−4)を得た、(U−4)のTaは80℃、軟化点とTaの比(軟化点/Ta)は0.9、G’(Ta+20)は9×104であった。また、溶融開始温度(X)は69℃、|LogG”(X+20)−LogG”(X)|は3.6であった。
製造例5のポリウレタン樹脂溶液を40℃に冷却後、攪拌下、水1800部中に注ぎ乳化させ、アセトンを留去し(ポリウレタン樹脂エマルション5)を得た。このポリウレタン樹脂エマルションをELS−800で測定した体積平均粒径は0.3μmであった。洗浄および乾燥してポリウレタン樹脂を単離してポリウレタン樹脂(U−5)を得た、(U−5)のTaは75℃、軟化点とTaの比(軟化点/Ta)は1.4、G’(Ta+20)は4×105であった。また、溶融開始温度(X)は66℃、|LogG”(X+20)−LogG”(X)|は2.9であった。
比較製造例1のポリウレタン樹脂溶液を40℃に冷却後、攪拌下、水1800部中に注ぎ乳化させ、アセトンを留去し(ポリウレタン樹脂エマルション6’)を得た。このポリウレタン樹脂エマルションをELS−800で測定した体積平均粒径は0.3μmであった。洗浄および乾燥してポリウレタン樹脂を単離してポリウレタン樹脂(U’−6)を得た、(U’−6)はTaが検出されなかった。また、溶融開始温度(X)は52℃、|LogG”(X+20)−LogG”(X)|は1.2であった。
比較製造例2のポリウレタン樹脂溶液を40℃に冷却後、攪拌下、水1800部中に注ぎ乳化させ、アセトンを留去し(ポリウレタン樹脂エマルション7’)を得た。このポリウレタン樹脂エマルションをELS−800で測定した体積平均粒径は0.06μmであった。洗浄および乾燥してポリウレタン樹脂を単離してポリウレタン樹脂(U’−7)を得た、(U’−7)のTaは36℃、軟化点とTaの比(軟化点/Ta)は1.6、G’(Ta+20)は2×103であった。また、溶融開始温度(X)は33℃、|LogG”(X+20)−LogG”(X)|は1.9であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物67部、ビスフェノールA・PO3モル付加物700部、テレフタル酸260部および縮合触媒としてジブチルチンオキサイド1部を入れ、常圧で230℃で5時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で2時間反応した。次いで、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸24部を加え、常圧密閉下で2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化しポリエステル樹脂(R−1)を得た。(R−1)のMnは2,500、Tgは48℃であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物343部、アジピン酸20部、イソフタル酸146部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で5時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で2時間反応した。次いで、110℃まで冷却し、トルエン500部およびイソホロンジイソシアネート17部を入れて、110℃で5時間反応を行い、次いで脱溶剤し、取り出した。室温まで冷却後、粉砕し粒子化し、ポリウレタン樹脂(R−2)を得た。(R−2)のMnは12,000、Tgは49℃であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物382部、ビスフェノールA・PO3モル付加物200部、ビスフェノールA・EO2モル付加物133部、フェノールノボラック(平均重合度約5)のEO5モル付加物10部、テレフタル酸252部、イソフタル酸19部、無水トリメリット酸10部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、230℃で10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸50部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ軟化点が105℃になった時点で、ビスフェノールAジグリシジルエーテル20部を加え、軟化点120℃で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化しエポキシ樹脂(R−3)を得た。(R−3)の、Mnは2500、Tgは49℃であった。
温度計、撹拌機および窒素導入管の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン452部を入れ、窒素置換後170℃でスチレン845部、アクリル酸n−ブチル155部の混合モノマーと、開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド6.4部と、キシレン125部の混合物を3時間で滴下した。滴下後1時間170℃で熟成させ、重合を完結させた。その後減圧下で脱溶剤することによって、ビニル系樹脂(R−4)を得た。(R−4)の、Mnは5100、Tgは60℃であった。
温度計および撹拌機の付いた反応容器中に、ポリエステル樹脂(R−1)10部および酢酸エチル10部を入れ、攪拌して均一分散させ、(ポリエステル樹脂溶液1)を得た。
温度計および撹拌機の付いた反応容器中に、ポリウレタン樹脂(R−2)10部および酢酸エチル10部を入れ、攪拌して均一分散させ、(ポリウレタン樹脂溶液1)を得た。
温度計および撹拌機の付いた反応容器中に、エポキシ樹脂(R−3)10部および酢酸エチル10部を入れ、攪拌して均一分散させ、(エポキシ樹脂溶液1)を得た。
温度計および撹拌機の付いた反応容器中に、ビニル系樹脂(R−4)10部および酢酸エチル10部を入れ、攪拌して均一分散させ、(ビニル系樹脂溶液1)を得た。
ビーカー内にイオン交換水97部、(ポリウレタン樹脂エマルション1)10.5部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、(ポリエステル樹脂溶液1)75部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、(R)で構成されたコア層(Q)の表面に(U)が付着されたシェル層(S)が形成された樹脂粒子の水性樹脂分散体(F−1)を得た。次いで濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C−1)を得た。
(R)および(U)を表2の組み合わせで使用し、実施例1と同操作により、樹脂粒子(C−2)〜(C−8)を得た。
(R)および(U)を表3の組み合わせで使用し、実施例1と同操作により、比較の樹脂粒子(C’−9)および(C’−10)を得た。
[1]体積平均粒径
水に分散して体積平均粒径をコールターカウンター(ベックマンコールター社:マルチサイザーIII)で測定した。
[2]粒度分布
水に分散して粒度分布をコールターカウンター(ベックマンコールター社:マルチサイザーIII)で測定した。
[3]定温短時間での溶融性
日本テストパネル社製リン酸亜鉛処理鋼板標準板に市販のコロナ帯電方式スプレーガンを用いて膜圧が40〜60μmになるように静電塗装し、焼き付け温度を変化させて評価を行い、5分間焼き付けた後の目視確認による表面平滑性が良好となる最低温度を測定し、下記の基準で評価した。
○:100℃未満
×:100℃以上
[4]耐熱保存性
40℃の雰囲気で1日間静置し、ブロッキングの程度により下記の基準で評価した。
○:ブロッキングが発生しない。
×:ブロッキングが発生する。
[5]加熱接着性
日本テストパネル社製リン酸亜鉛処理鋼板標準板に市販のコロナ帯電方式スプレーガンを用いて膜圧が40〜60μmになるように静電塗装し、120℃で20分間焼き付けた後、JIS K6830に規定する方法に従い剪断接着試験を行った。接着性の評価基準は、以下の通りである。
○:凝集破壊
×:界面破壊
Claims (8)
- 樹脂(R)を含有するコア層(Q)の表面に結晶性ポリウレタン樹脂(U)を含有するシェル層(S)が付着されてなる樹脂粒子(C)であって、(U)の融解熱の最大ピーク温度(Ta)が40〜100℃であり、かつ軟化点とTaの比(軟化点/Ta)が0.8〜1.55である樹脂粒子。
- (U)が、溶融開始温度(X)が(Ta±30)℃の温度範囲であり、かつ以下の条件を満たす結晶性ポリウレタン樹脂である請求項1記載の樹脂粒子。
〔条件1〕G’(Ta+20)=50〜1×106[Pa]
〔条件2〕|LogG”(X+20)−LogG”(X)|>2.0
[G’:貯蔵弾性率[Pa]、G”:損失弾性率[Pa]] - (R)が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂およびビニル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項1または2記載の樹脂粒子。
- (U)がカルボキシル基を0.1〜10重量%、スルホン酸アニオン基を0.001〜10重量%含有する樹脂である請求項1〜3いずれか記載の樹脂粒子。
- (U)がイソシアネート基含有量が0.1重量%以下、ウレア基の含有量が0〜6重量%、ウレタン基の含有量が3〜35重量%、水酸基価が0〜200mgKOH/gとされた結晶性ポリウレタン樹脂である請求項1〜4いずれか記載の樹脂粒子。
- (U)が直鎖状ポリエステルポリオールを含有するポリオール成分とポリイソシアネート成分から得られる樹脂である請求項1〜5いずれか記載の樹脂粒子。
- (C)が、(U)が水性媒体に分散されたエマルションと樹脂(R)もしくはその有機溶剤溶液とが混合され、(U)のエマルション中に(R)もしくはその有機溶剤溶液が分散されることにより、(U)のエマルション中で(R)の樹脂粒子が形成され、(R)の樹脂粒子の表面に(U)が付着されることにより、(R)を含有するコア層(Q)の表面に(U)を含有するシェル層(S)が付着されてなる樹脂粒子(C)の水性分散体が得られ、さらに水性分散体から水性媒体が除去されて得られたものである請求項1〜6いずれか記載の樹脂粒子。
- 融解熱の最大ピーク温度(Ta)が40〜100℃であり、軟化点とTaの比(軟化点/Ta)が0.8〜1.55である結晶性ポリウレタン樹脂(U)が水性媒体中に分散されてなる、コア・シェル型樹脂粒子製造用ポリウレタン樹脂エマルション。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009171795A JP5101574B2 (ja) | 2008-07-23 | 2009-07-23 | 樹脂粒子 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008190196 | 2008-07-23 | ||
JP2008190196 | 2008-07-23 | ||
JP2009171795A JP5101574B2 (ja) | 2008-07-23 | 2009-07-23 | 樹脂粒子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010047752A true JP2010047752A (ja) | 2010-03-04 |
JP5101574B2 JP5101574B2 (ja) | 2012-12-19 |
Family
ID=42065089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009171795A Active JP5101574B2 (ja) | 2008-07-23 | 2009-07-23 | 樹脂粒子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5101574B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011213881A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Sanyo Chem Ind Ltd | 樹脂粒子及びその製造方法 |
JP2012031374A (ja) * | 2010-07-06 | 2012-02-16 | Sanyo Chem Ind Ltd | ウレタン樹脂粒子 |
JP2014059444A (ja) * | 2012-09-18 | 2014-04-03 | Ricoh Co Ltd | トナー及びトナーの製造方法 |
WO2017169244A1 (ja) * | 2016-04-01 | 2017-10-05 | Dic株式会社 | 一液型水性樹脂組成物、及び、繊維積層体 |
US10619072B2 (en) | 2015-09-01 | 2020-04-14 | Kansai Paint Co., Ltd. | Urethane resin particles |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007057660A (ja) * | 2005-08-23 | 2007-03-08 | Fuji Xerox Co Ltd | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法 |
-
2009
- 2009-07-23 JP JP2009171795A patent/JP5101574B2/ja active Active
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007057660A (ja) * | 2005-08-23 | 2007-03-08 | Fuji Xerox Co Ltd | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法 |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011213881A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Sanyo Chem Ind Ltd | 樹脂粒子及びその製造方法 |
JP2012031374A (ja) * | 2010-07-06 | 2012-02-16 | Sanyo Chem Ind Ltd | ウレタン樹脂粒子 |
JP2014059444A (ja) * | 2012-09-18 | 2014-04-03 | Ricoh Co Ltd | トナー及びトナーの製造方法 |
US10619072B2 (en) | 2015-09-01 | 2020-04-14 | Kansai Paint Co., Ltd. | Urethane resin particles |
WO2017169244A1 (ja) * | 2016-04-01 | 2017-10-05 | Dic株式会社 | 一液型水性樹脂組成物、及び、繊維積層体 |
JP6288537B1 (ja) * | 2016-04-01 | 2018-03-07 | Dic株式会社 | 一液型水性樹脂組成物、及び、繊維積層体 |
CN108884314A (zh) * | 2016-04-01 | 2018-11-23 | Dic株式会社 | 单液型水性树脂组合物及纤维层叠体 |
CN108884314B (zh) * | 2016-04-01 | 2021-06-11 | Dic株式会社 | 单液型水性树脂组合物及纤维层叠体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5101574B2 (ja) | 2012-12-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5183519B2 (ja) | 樹脂粒子 | |
JP4457023B2 (ja) | 樹脂粒子 | |
JP5048619B2 (ja) | 非水系樹脂分散液 | |
JP4718392B2 (ja) | 樹脂粒子及び樹脂分散体 | |
JP5663007B2 (ja) | 非水系樹脂粒子分散液 | |
JP5291649B2 (ja) | 樹脂粒子 | |
JP2010077419A (ja) | 結晶性樹脂粒子 | |
JP5020841B2 (ja) | 樹脂粒子 | |
JP5442407B2 (ja) | 樹脂粒子の製造方法 | |
JP4134057B2 (ja) | 樹脂分散体および樹脂粒子 | |
JP4598807B2 (ja) | 樹脂粒子及び樹脂分散体 | |
JP4976237B2 (ja) | 樹脂粒子および樹脂粒子の製造方法 | |
JP5101574B2 (ja) | 樹脂粒子 | |
JP4170349B2 (ja) | 樹脂粒子および樹脂分散体 | |
JP2014080586A (ja) | 樹脂粒子の製造方法 | |
JP4431122B2 (ja) | 樹脂分散体及び樹脂粒子 | |
JP2006307195A (ja) | 樹脂粒子 | |
JP4629689B2 (ja) | 樹脂粒子 | |
JP5705505B2 (ja) | 樹脂粒子 | |
JP2008208346A (ja) | 樹脂粒子 | |
JP2008208354A (ja) | 樹脂粒子 | |
JP4629690B2 (ja) | 樹脂粒子 | |
JP5101208B2 (ja) | 樹脂粒子および樹脂粒子の製造方法 | |
JP4976228B2 (ja) | 樹脂粒子および樹脂粒子の製造方法 | |
JP4629696B2 (ja) | 樹脂粒子および樹脂粒子の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101227 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120529 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120918 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120926 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151005 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 5101574 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |