JP4629690B2 - 樹脂粒子 - Google Patents
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Description
本発明は従来技術における上記の事情に鑑みてなされたものである。すなわち、帯電特性、耐熱保存安定性に優れた粒径が均一である樹脂粒子を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、曇点以上の温度の樹脂(a)の水性液(W)と、樹脂(b)もしくはその有機溶剤溶液(O)とが混合され、(W)の曇点以上の温度を保ちながら(W)中に(O)が分散され、(W)中で(b)からなる樹脂粒子(B)が形成されることにより得られる、樹脂粒子(B)の表面に樹脂(a)からなる樹脂粒子(A)が付着された構造の樹脂粒子の水性分散体から、さらに水性媒体が除去されてなる樹脂粒子(C);並びに、曇点以上の温度の樹脂(a)の水性液(W)と、樹脂(b)もしくはその有機溶剤溶液(O)とを混合し、(W)の曇点以上の温度を保ちながら(W)中に(O)を分散させ、(W)中で(b)からなる樹脂粒子(B)を形成させることにより得られる、樹脂粒子(B)の表面に(a)からなる樹脂粒子(A)が付着した構造の樹脂粒子の水性分散体を得て、さらに該水性分散体から水性媒体を除去する樹脂粒子(C)の製造方法;である。
1.帯電特性に優れ、粒径が均一である。
2.耐熱保存安定性、粉体流動性に優れる。
3.水中で分散により得られる樹脂粒子であるため、低コストで製造できる。
4.加熱溶融した塗膜の機械的物性も良好である。
水性液(W)の曇点は、好ましくは10〜60℃、さらに好ましくは15〜35℃、とくに好ましくは20〜30℃である。曇点が10〜60℃であると、樹脂粒子(B)の表面に樹脂粒子(A)が付着した構造の樹脂粒子(C)の粒度分布の調整が容易であるとともに、(a)中に含まれる親水性骨格部分同士の合着により、一旦表面に付着した樹脂粒子(A)が分散工程中あるいは水性媒体の除去工程時に造膜して、樹脂(a)からなる被膜を形成し、表面が平滑な樹脂粒子(C)が得られやすい。
本発明において、曇点とは、樹脂(a)を完全に溶解させた水性液(W)を、1℃/分で昇温したときに、樹脂が析出し始める温度を意味する。
カルボキシル基の含有量〔塩基で中和されている場合は、カルボキシル基(−COOH基)に換算した含有量〕は、(a)の重量に基づいて1〜50%が好ましい。下限は、さらに好ましくは2%、とくに好ましくは5%、最も好ましくは6%であり、上限は、さらに好ましくは45%、とくに好ましくは40%、最も好ましくは35%である。
塩基中和率や、カルボキシル基含有量が上記範囲の下限以上であると、樹脂(a)が水性媒体中に分散しやすく、微細な球状の樹脂粒子(A)の水性分散液(W1)を容易に得ることができる。
上記炭素数1〜30のモノアミンとしては、炭素数1〜30の1級および/または2級アミン(エチルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン等)、炭素数3〜30の3級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、ラウリルジメチルアミン等)が挙げられる。4級アンモニウムとしては炭素数4〜30のトリアルキルアンモニウム(ラウリルトリメチルアンモニウム等)などが挙げられる。
これらの中で、好ましくは、アルカリ金属、4級アンモニウム、モノアミン、およびポリアミンであり、さらに好ましくは、ナトリウム、および炭素数1〜20のモノアミンであり、とくに好ましくは、炭素数3〜20の3級モノアミンである。
また、ビニル系樹脂、およびポリエステル樹脂の場合、それらを形成するカルボキシル基またはその塩を含有するモノマーの好ましい炭素数は3〜30であり、さらに好ましくは3〜15、とくに好ましくは3〜8である。
スルホン酸アニオン基(−SO3 -)基含有量が上記範囲の下限以上や樹脂を形成するスルホン酸アニオン基(−SO3 -)を含有するモノマーの炭素数が上記範囲の上限以下であると、樹脂(a)が水性媒体中に分散しやすく、微細な球状の樹脂粒子(A)の水性分散液(W1)を容易に得ることができる。
ビニル系樹脂は、ビニル系モノマーを単独重合または共重合したポリマーである。ビニル系モノマーとしては、下記(1)〜(10)が挙げられる。
(1−1)脂肪族ビニル系炭化水素:アルケン類、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、前記以外のα−オレフィン等;アルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン。
(1−2)脂環式ビニル系炭化水素:モノ−もしくはジ−シクロアルケンおよびアルカジエン類、例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン等;テルペン類、例えばピネン、リモネン、インデン等。
(1−3)芳香族ビニル系炭化水素:スチレンおよびそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよび/またはアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン等;およびビニルナフタレン。
炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸ならびにその無水物およびそのモノアルキル(炭素数1〜24)エステル、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニル系モノマー。なお、上記(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/またはメタアクリル酸を意味し、以下同様の記載法を用いる。
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸、例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸;およびその炭素数2〜24のアルキル誘導体、例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミド、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等]、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル、および下記一般式(1−1)〜(1−3)で示される硫酸エステルもしくはスルホン酸基含有モノマー;ならびそれらの塩等。
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CH2=CHCH2−OCH2CHCH2O−Ar−R (1−1)
CH=CH−CH3
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R−Ar−O−(AO)nSO3H (1−2)
CH2COOR’
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HO3SCHCOOCH2CH(OH)CH2OCH2CH=CH2 (1−3)
(式中、Rは炭素数1〜15のアルキル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nが複数の場合同一でも異なっていてもよく、異なる場合はランダムでもブロックでもよい。Arはベンゼン環を示し、nは1〜50の整数を示し、R’はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基を示す。)
(メタ)アクリロイルオキシアルキル(C1〜C24)燐酸モノエステル、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)ホスホン酸類、例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸。
好ましくはアルカリ金属塩、およびアミン塩であり、さらに好ましくは、ナトリウム塩および炭素数3〜20の3級モノアミンの塩である。
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテル等
(6−1)アミノ基含有ビニル系モノマー:アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4ービニルピリジン、2ービニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチルα−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール、これらの塩等
(6−2)アミド基含有ビニル系モノマー:(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチルN−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等
(6−3)ニトリル基含有ビニル系モノマー:(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレート等
(6−4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニル系モノマー:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニル系モノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)
(6−5)ニトロ基含有ビニル系モノマー:ニトロスチレン等
グルシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレン等
(9−1)ビニルエステル、例えば、酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(フマル酸ジアルキルエステル)(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(マレイン酸ジアルキルエステル)(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系モノマー[ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド(エチレンオキサイドを以下EOと略記する)10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールEO30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等
(9−2)ビニル(チオ)エーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒドロ1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル2−エチルメルカプトエチルエーテル、アセトキシスチレン、フェノキシスチレン等
(9−3)ビニルケトン、例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルフェニルケトン;
ビニルスルホン、例えばジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルフォン、ジビニルスルフォン、ジビニルスルフォキサイド等
イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等
ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/5、さらに好ましくは1.5/1〜1/4、とくに好ましくは1/1.3〜1/3である。
カルボキシル基の含有量を前記の好ましい範囲内とするために、水酸基が過剰なポリエステルをポリカルボン酸で処理してもよい。
カルボキシル基を有するジオールとしては、ジアルキロールアルカン酸[C6〜24のもの、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、2 ,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸など]が挙げられる。
スルホン酸基もしくはスルファミン酸基を有するジオールとしては、スルファミン酸ジオール[N,N−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル基のC1〜6)またはそのAO付加物(AOとしてはEOまたはPOなど、AOの付加モル数1〜6):例えばN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸およびN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸PO2モル付加物など];ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェートなどが挙げられる。
これらの中和塩基を有するジオールの中和塩基としては、例えば前記炭素数3〜30の3級アミン(トリエチルアミンなど)および/またはアルカリ金属(ナトリウム塩など)が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、炭素数4〜36のポリエチレングリコール、カルボキシル基を有するジオール、ビスフェノール類のAO付加物、およびこれらの併用である。
これらのうち好ましいものは、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコールおよびノボラック樹脂のAO付加物であり、さらに好ましいものはノボラック樹脂のAO付加物である。
3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(14)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
なお、ジカルボン酸(13)または3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(14)としては、上述のものの酸無水物または炭素数1〜4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
上記脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどの脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
上記脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
上記芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
また、上記ポリイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。
具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDIなど)、ウレタン変性TDIなどのポリイソシアネートの変性物およびこれらの2種以上の混合物[たとえば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
これらのうちで好ましいものは6〜15の芳香族ポリイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ポリイソシアネート、および炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネートであり、とくに好ましいものはTDI、MDI、HDI、水添MDI、およびIPDIである。
(W)中に(O)を分散させる際の(W)と(O)の混合物の温度は、(W)の曇点以上で混合物の沸点以下であれば特に限定されないが、(曇点+2℃)〜(曇点+10℃)が好ましい。
なお、樹脂粒子(A)は、樹脂粒子(B)の表面に一旦そのまま吸着されるが、前記の好ましい範囲内の曇点を有する樹脂(a)の水性液(W)を用いた場合、上記分散工程の継続中あるいは後述する水性媒体の除去工程時、とくに水性媒体の除去工程時に膜状化して、樹脂(a)からなる被膜を形成する場合が多い。
その塩としては、これらのナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩、アンモニウム塩、4級アンモニウム塩およびアルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等)などの塩があげられる。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩、アンモニウム塩、4級アンモニウム塩およびアルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等)等が挙げられる。
硫酸化油としては、例えば、ヒマシ油、落花生油、オリーブ油、ナタネ油、牛脂および羊脂などの硫酸化物の塩等が挙げられる。
硫酸化脂肪酸エステルとしては、例えば、オレイン酸ブチルおよびリシノレイン酸ブチル等の硫酸化物の塩等が挙げられる。
硫酸化オレフィンとしては、例えば、商品名:ティーポール(シェル社製)等が挙げられる。
アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩等が挙げられる。
スルホコハク酸ジエステル塩としては、例えば、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩などが挙げられる。
芳香環含有化合物のスルホン酸塩としては、アルキル化ジフェニルエーテルのモノまたはジスルホン酸塩およびスチレン化フェノールスルホン酸塩などが挙げられる。
高級アルコールリン酸エステル塩としては、例えば、ラウリルアルコールリン酸モノエステルジナトリウム塩およびラウリルアルコールリン酸ジエステルナトリウム塩等が挙げられる。
高級アルコールEO付加物リン酸エステル塩としては、例えば、オレイルアルコールEO5モル付加物リン酸モノエステルジナトリウム塩等が挙げられる。
第4級アンモニウム塩型界面活性剤としては、炭素数3〜40の3級アミンと4級化剤(例えば、メチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライド、ベンジルクロライドおよびジメチル硫酸などのアルキル化剤並びにEOなど)との反応等で得られ、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)、セチルピリジニウムクロライド、ポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライドおよびステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェートなどが挙げられる。
第1級アミン塩型界面活性剤としては、例えば、炭素数8〜40の脂肪族高級アミン(例えば、ラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミンおよび、ロジンアミンなどの高級アミン)の無機酸塩または有機酸塩および低級アミン(炭素数2〜6)の高級脂肪酸(炭素数8〜40、ステアリン酸、オレイン酸など)塩などが挙げられる。
また、第3級アミン塩型界面活性剤としては、例えば、炭素数4〜40の脂肪族アミン(例えば、トリエチルアミン、エチルジメチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンなど)、脂肪族アミン(炭素数2〜40)のEO(2モル以上)付加物、炭素数6〜40の脂環式アミン(例えば、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルヘキサメチレンイミン、N−メチルモルホリンおよび1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセンなど)、炭素数5〜30の含窒素ヘテロ環芳香族アミン(例えば、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾールおよび4,4’−ジピリジルなど)の無機酸塩または有機酸塩およびトリエタノールアミンモノステアレート、ステアラミドエチルジエチルメチルエタノールアミンなどの3級アミンの無機酸塩または有機酸塩などが挙げられる。
[式中、Rは1価の炭化水素基;nは1または2;mは1または2;Mは水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムカチオン、アミンカチオン、アルカノールアミンカチオンなどである。]
AO付加型非イオン界面活性剤は、炭素数8〜40の高級アルコ−ル、炭素数8〜40の高級脂肪酸または炭素数8〜40のアルキルアミン等に直接AO(炭素数2〜20)を付加させるか、グリコ−ルにAOを付加させて得られるポリアルキレングリコ−ルに高級脂肪酸などを反応させるか、あるいは多価アルコ−ルに高級脂肪酸を反応して得られたエステル化物にAOを付加させるか、高級脂肪酸アミドにAOを付加させることにより得られる。
これらのうち好ましいものは、EOおよびEOとPOのランダムまたはブロック付加物である。
AOの付加モル数としては10〜50モルが好ましく、該AOのうち50〜100%がEOであるものが好ましい。
有機溶剤(u)の具体例としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素系溶剤;n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素系溶剤;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどのハロゲン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエステル系またはエステルエーテル系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶剤;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤、N−メチルピロリドンなどの複素環式化合物系溶剤、ならびにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
水性液(W)は、水と樹脂(a)からなるが、水以外にこれらの有機溶剤(u)のうち水と混和性の溶剤(イソプロパノール、酢酸エチル、メチルイソブチロケトン、メチルエチルケトン、アセトン等)を含有してもよい。含有される溶剤は、樹脂粒子(A)の凝集を引き起こさないもの、樹脂粒子(A)を溶解しないもの、および樹脂粒子(C)の造粒を妨げることがないものであればどの種であっても、またどの程度の含有量であってもかまわないが、乾燥後の樹脂粒子(C)中に残らないものが好ましく、使用量は水に対して飽和量もしくはそれに近い量であることが好ましい。
なお、本発明で、水性液(W)あるいは、樹脂(b)もしくはその有機溶剤溶液(O)中に必要により用いる有機溶剤(u)は、得られる樹脂粒子(C)中に実質的に残存しなければ(好ましくは2%以下、とくに1%以下)、(C)の水性分散体形成後、どの段階で除去してもよい。
可塑剤(v)としては、何ら限定されず、以下のものが例示される。
(v1)フタル酸エステル[フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソデシル等];
(v2)脂肪族2塩基酸エステル[アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸−2−エチルヘキシル等];
(v3)トリメリット酸エステル[トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリオクチル等];
(v4)燐酸エステル[リン酸トリエチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジール等];
(v5)脂肪酸エステル[オレイン酸ブチル等];
(v6)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(A)の体積平均粒径は、一般的には、0.0005〜30μmが好ましい。上限は、さらに好ましくは20μm、とくに好ましくは10μmであり、下限は、さらに好ましくは0.01μm、とくに好ましくは0.02μm、最も好ましくは0.04μmである。ただし、例えば、体積平均粒径1μmの樹脂粒子(C)を得たい場合には、好ましくは0.0005〜0.3μm、とくに好ましくは0.001〜0.2μmの範囲、10μmの樹脂粒子(C)を得た場合には、好ましくは0.005〜3μm、とくに好ましくは0.05〜2μm、100μmの粒子(C)を得たい場合には、好ましくは0.05〜30μm、とくに好ましくは0.1〜20μmである。
なお、体積平均粒径は、レーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)やマルチサイザーIII(コールター社製)、光学系としてレーザードップラー法を用いるELS−800(大塚電子社製)などで測定できる。もし、各測定装置間で粒径の測定値に差を生じた場合は、ELS−800での測定値を採用する。
なお、上記粒径比が得やすいことから、後述する樹脂粒子(B)の体積平均粒径は、0.1〜300μmが好ましい。さらに好ましくは0.5〜250μm、特に好ましくは1〜200μmである。
一般に、樹脂(b)として好ましいものは、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、およびそれらの併用であり、さらに好ましいのは、ポリウレタン樹脂、およびポリエステル樹脂であり、とくに好ましいのは、1,2−プロピレングリコールを構成単位として含有する、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂である。
樹脂(b)のsp値は、好ましくは7〜18、さらに好ましくは8〜16、とくに好ましくは9〜14である。
例えば、樹脂粒子(C)をスラッシュ成形用樹脂、粉体塗料として用いる場合、(b)のMnは、好ましくは2,000〜50万、さらに好ましくは4,000〜20万である。(b)の融点(DSCにて測定、以下融点はDSCでの測定値)は、好ましくは0℃〜200℃、さらに好ましくは35℃〜150℃である。(b)のTgは、好ましくは−60℃〜100℃、さらに好ましくは−30℃〜60℃である。
液晶ディスプレイ等の電子部品製造用スペーサー、電子測定機の標準粒子として用いる場合、(b)のMnは、好ましくは2万〜1,000万、さらに好ましくは4万〜200万である。(b)の融点は、好ましくは40℃〜300℃、さらに好ましくは70℃〜250℃である。(b)のTgは、好ましくは0℃〜250℃、さらに好ましくは50℃〜200℃である。
電子写真、静電記録、静電印刷などに使用されるトナーとして用いる場合、(b)のMnは、好ましくは1,000〜500万、さらに好ましくは2,000〜50万である。(b)の融点は、好ましくは20℃〜300℃、さらに好ましくは80℃〜250℃である。(b)のTgは、好ましくは20℃〜200℃、さらに好ましくは40℃〜150℃である。
上記及び以下においてDSCによるTgは、セイコー電子工業(株)製DSC20,SSC/580を用いてASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
フローテスター測定には、島津製作所製の高架式フローテスターCFT500型を用いる。フローテスター測定の条件は下記のとおりであり、以下測定は全てこの条件で行われる。
(フローテスター測定条件)
荷重:30kg/cm2、昇温速度:3.0℃/min、
ダイ口径:0.50mm、ダイ長さ:10.0mm
〔1〕:(C)の水性分散体を製造する際に、樹脂粒子(A)と樹脂粒子(B)が正負逆の電荷を持つようにすると吸着力が発生し、この場合、樹脂粒子(A)、樹脂粒子(B)各々の電荷を大きくするほど、吸着力が強くなる。
〔2〕:(C)の水性分散体を製造する際に、樹脂粒子(A)と樹脂粒子(B)が同極性(どちらも正、またはどちらも負)の電荷を持つようにすると、吸着力は下がる傾向にある。この場合、一般に界面活性剤(s)および/または水溶性ポリマー(t)[とくに樹脂粒子(A)および樹脂粒子(B)と逆電荷を有するもの]を使用すると吸着力が上がる。
〔3〕:(C)の水性分散体を製造する際に、樹脂(a)がカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等の酸性官能基を有する樹脂(一般に酸性官能基1個当たりの分子量が1,000以下であるのが好ましい)である場合に、水性媒体のpHが低いほど吸着力が大きくなる。逆に、pHを高くするほど吸着力が小さくなる。
〔4〕:(C)の水性分散体を製造する際に、樹脂(a)が1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基等の塩基性官能基を有する樹脂(一般に塩基性官能基1個当たりの分子量が1,000以下であるのが好ましい)である場合に、水性媒体のpHが高いほど吸着力が大きくなる。逆に、pHを低くするほど吸着力が小さくなる。
〔5〕:樹脂粒子(A)と樹脂粒子(B)のΔsp値を小さくすると吸着力が大きくなる。
本発明で使用する分散装置は、一般に乳化機、分散機として市販されているものであればとくに限定されず、例えば、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。このうち粒径の均一化の観点で好ましいものは、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサーが挙げられる。
樹脂(b)もしくはその有機溶剤溶液(O)の粘度は、粒径均一性の観点から、好ましくは10〜5万mPa・s(B型粘度計で測定)、さらに好ましくは100〜1万mPa・sである。
分散時の温度としては、好ましくは0〜150℃(加圧下)、さらに好ましくは5〜98℃である。分散体の粘度が高い場合は、高温にして粘度を上記好ましい範囲まで低下させて、乳化分散を行うのが好ましい。
樹脂(b)の有機溶剤溶液に用いる溶剤は、樹脂(b)を常温もしくは加熱下で溶解しうる溶剤であればとくに限定されず、具体的には、有機溶剤(u)と同様のものが例示される。好ましいものは樹脂(b)の種類によって異なるが、(b)とのsp値差が3以下であるのが好適である。また、樹脂粒子(C)の粒径均一性の観点からは、樹脂(b)を溶解させるが、樹脂(a)からなる樹脂粒子(A)を溶解させにくい溶剤が好ましい。
水洗時に、水性分散体の温度が、樹脂(a)の水性液(W)の曇点未満の温度となれば、樹脂(a)が水性媒体に可溶となるため、(C)を(W)の曇点以上水性分散体の沸点以下の温度〔好ましくは(曇点+2℃)〜(曇点+40℃)〕を保って水洗することで、樹脂粒子(B)の表面に付着している樹脂粒子(A)またはそれが膜状化した樹脂(a)からなる被膜を溶解させずに不純物を除去できる。
〔1〕:水性樹脂分散体を減圧下または常圧下で乾燥する方法
〔2〕:遠心分離器、スパクラフィルター、フィルタープレスなどにより固液分離し、得られた粉末を乾燥する方法
〔3〕:水性樹脂分散体を凍結させて乾燥させる方法(いわゆる凍結乾燥)
等が例示される。
上記〔1〕、〔2〕において、得られた粉末を乾燥する際、流動層式乾燥機、減圧乾燥機、循風乾燥機など公知の設備を用いて行うことができる。
また、必要に応じ、風力分級器などを用いて分級し、所定の粒度分布とすることもできる。
表面被覆率(%)=[樹脂(a)に覆われている部分の面積/樹脂(a)に覆われている部分の面積+樹脂粒子(B)が露出している部分の面積]×100
また、粒径均一性から、樹脂粒子(C)の[体積平均粒径/個数平均粒径]の値は、1.0〜1.4であるのが好ましく、1.0〜1.2であるのがさらに好ましい。
(C)の体積平均粒径は、用途により異なるが、一般的には0.1〜300μmが好ましい。上限は、さらに好ましくは250μm、特に好ましくは200μmであり、下限は、さらに好ましくは0.5μm、特に好ましくは1μmである。
なお、体積平均粒径および個数平均粒径は、マルチサイザーIII(コールター社製)で同時に測定することができる。
粉体流動性を向上させたい場合には、(C)のBET値比表面積が0.5〜5.0m2/gであるのが好ましい。本発明のBET比表面積は、比表面積計、例えばQUANTASORB(ユアサアイオニクス製)を用いて測定(測定ガス:He/Kr=99.9/0.1vol%、検量ガス:窒素)したものである。
同様に粉体流動性の観点から、(C)の表面平均中心線粗さRaが0.01〜0.8μmであるのが好ましい。Raは、粗さ曲線とその中心線との偏差の絶対値を算術平均した値のことであり、例えば、走査型プローブ顕微鏡システム(東陽テクニカ製)で測定することができる。
なお、平均円形度は、光学的に粒子を検知して、投影面積の等しい相当円の周囲長で除した値である。具体的には、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2000;シスメックス社製)を用いて測定する。所定の容器に、予め不純固形物を除去した水100〜150mlを入れ、分散剤として界面活性剤(ドライウエル;富士写真フィルム社製)0.1〜0.5mlを加え、さらに測定試料0.1〜9.5g程度を加える。試料を分散した懸濁液を超音波分散器(ウルトラソニッククリーナ モデル VS−150;ウエルボクリア社製)で約1〜3分間分散処理を行ない、分散濃度を3,000〜10,000個/μLにして樹脂粒子の形状および分布を測定する。
〔1〕:樹脂粒子(C)からなる水性樹脂分散体を製造する際に、樹脂粒子(A)と樹脂粒子(B)が正負逆の電荷を持つようにすると被覆率、深さが大きくなる。この場合、樹脂粒子(A)、樹脂粒子(B)各々の電荷を大きくするほど、被覆率、深さが大きくなる。
〔2〕:樹脂粒子(C)からなる水性樹脂分散体を製造する際に、樹脂粒子(A)と樹脂粒子(B)が同極性(どちらも正、またはどちらも負)の電荷を持つようにすると、被覆率は下がり、深さが小さくなる傾向にある。この場合、一般に活性剤(s)および/または水溶性ポリマー(t)[とくに樹脂粒子(A)および樹脂粒子(B)と逆電荷を有するもの]を使用すると被覆率が上がる。また、水溶性ポリマー(t)を使用する場合には、水溶性ポリマー(t)の分子量が大きいほど深さが小さくなる。
〔3〕:樹脂粒子(C)からなる水性樹脂分散体を製造する際に、樹脂(a)がカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等の酸性官能基を有する樹脂(一般に酸性官能基1個当たりの分子量が1,000以下であるのが好ましい)である場合に、水性媒体のpHが低いほど被覆率、深さが大きくなる。逆に、pHを高くするほど被覆率、深さが小さくなる。
〔4〕:樹脂粒子(C)からなる水性樹脂分散体を製造する際に、樹脂(a)が1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基等の塩基性官能基を有する樹脂(一般に塩基性官能基1個当たりの分子量が1,000以下であるのが好ましい)である場合に、水性媒体のpHが高いほど被覆率、深さが大きくなる。逆に、pHを低くするほど被覆率、深さが小さくなる。
〔5〕:樹脂(a)と樹脂(b)のsp値差を小さくするほど被覆率、深さが大きくなる。
また、本発明においては、添加剤は、必ずしも、水性媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加したり、有機溶剤(u)および/または可塑剤(v)とともに上記添加剤を含浸させることもできる。
(B)中の(c)の含有量は、好ましくは20%以下、さらに好ましくは1〜15%である。(d)の含有量は、好ましくは10%以下、さらに好ましくは0.5〜8%である。(c)と(d)の合計含有量は、好ましくは25%以下、さらに好ましくは1〜20%である。
ワックス(c)としては、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、カルボニル基含有ワックスおよびこれらの混合物等が挙げられるが、このうち、とくに好ましいのはパラフィンワックス(c1)である。(c1)としては、融点50〜90℃で炭素数20〜36の直鎖飽和炭化水素を主成分とする石油系ワックスが挙げられる。
また、離型性の観点から、(c)のMnは、好ましくは400〜5000、さらに好ましくは1000〜3000、とくに1500〜2000である。尚、上記および以下においてワックスのMnは、GPCを用いて測定される(溶媒:オルソジクロロベンゼン、基準物質:ポリスチレン)。
(d)のMnは、好ましくは1500〜10000、とくに1800〜9000である。Mnが1500〜10000の範囲では、樹脂粒子(C)の機械強度が良好である。
変性ワックス(d)の合成におけるパーオキサイド系開始剤の量は、(d)の原料の合計重量に基づいて、好ましくは0.2〜10%、さらに好ましくは0.5〜5%である。
油溶性パーオキサイド重合開始剤としては、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシビバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノニルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニトリルパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシラウレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジイソブチルジパーオキシフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジt−ブチルパーオキシヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、ピナンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイドおよびクメンパーオキサイド等が挙げられる。
ワックス(c)および変性ワックス(d)を(b)中に分散させる方法としては、(c)および(d)と、(b)とを、それぞれ有機溶剤溶液もしくは分散液とした後、それら同士を混合する方法等が挙げられる。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソプロパノール130部を仕込み、攪拌下、メタクリル酸メチル215部、メタクリル酸72部、ポリエチレングリコール(平均オキシエチレン単位数は14)モノメタクリル酸エステル18部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)10部、過酸化ベンゾイル(25%含水品)60部の混合溶液を、120分間かけて滴下した。この重合溶液50部をさらに撹拌下のイオン交換水60部で希釈し、加熱することで樹脂が析出し水性分散液[微粒子分散液W−1]を得た。樹脂が析出した温度(曇点)は23℃であった。[微粒子分散液W−1]をLA−920およびELS−800で測定した体積平均粒径は、いずれも0.11μmであった。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソプロパノール130部を仕込み、攪拌下、メタクリル酸メチル215部、メタクリル酸72部、スチレン化フェノールエチレンオキサイド16モル付加物硫酸エステルナトリウム塩18部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)10部、過酸化ベンゾイル(25%含水品)60部の混合溶液を、120分間かけて滴下した。この重合溶液50部をさらに撹拌下のイオン交換水60部で希釈し、加熱することで樹脂が析出し水性分散液[微粒子分散液W−2]を得た。樹脂が析出した温度(曇点)は21℃であった。[微粒子分散液W−2]をLA−920およびELS−800で測定した体積平均粒径は、いずれも0.10μmであった。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソプロパノール130部を仕込み、攪拌下、メタクリル酸メチル107部、メタクリル酸180部、スチレン化フェノールエチレンオキサイド16モル付加物硫酸エステルナトリウム塩18部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)2部、過酸化ベンゾイル(25%含水品)60部の混合溶液を、120分間かけて滴下した。この重合溶液50部をさらに撹拌下のイオン交換水60部で希釈し、加熱することで樹脂が析出し水性分散液[微粒子分散液W−3]を得た。樹脂が析出した温度(曇点)は27℃であった。[微粒子分散液W−3]をLA−920およびELS−800で測定した体積平均粒径は、いずれも0.10μmであった。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水753部、アルキルアリルスルホコハク酸のナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)8部、スチレン58部、メタクリル酸58部、アクリル酸ブチル77部、過硫酸アンモニウム1部、界面活性剤(モノオレイン酸ポリオキシソルビタン)9部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−アルキルアリルスルホコハク酸のナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液W−4]を得た。[微粒子分散液W−4]をLA−920およびELS−800で測定した体積平均粒径は、いずれも0.10μmであった。[微粒子分散液W−4]は曇点を示さず、いかなる温度でも完全溶解しなかった。
[線形ポリエステルの合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール(以下プロピレングリコールと記載)701部(18.8モル)、テレフタル酸ジメチルエステル716部(7.5モル)、アジピン酸180部(2.5モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が150℃になった時点で取り出した。回収されたプロピレングリコールは316部(8.5モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化し[ポリエステルb1]を得た。[ポリエステルb1]のMnは8000であった。
なお、( )内のモル数は、相対的なモル比を意味する(以下同様)。
また、Mnは、テトラヒドロフラン(THF)可溶分につき、GPCを用いて下記の条件で測定した(以下同様)。
装置(一例) : 東ソー製 HLC−8120
カラム(一例): TSKgelGMHXL(2本)
TSKgelMultiporeHXL−M(1本)
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(Mw 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
[非線形ポリエステルの合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール557部(17.5モル)、テレフタル酸ジメチルエステル569部(7.0モル)、アジピン酸184部(3.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは175部(5.5モル)であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸121部(1.5モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ、軟化点が180℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化し[ポリエステルb2]を得た。[ポリエステルb2]のMnは8500であった。
ビーカー内に銅フタロシアニン20部と着色剤分散剤(ソルスパーズ28000;アビシア株式会社製)4部、[ポリエステルb2]20部および酢酸エチル56部を入れ、攪拌して均一分散させた後、ビーズミルによって銅フタロシアニンを微分散して、[着色剤分散液1]を得た。[着色剤分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は0.3μmであった。
温度計および撹拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン454部、低分子量ポリエチレン(三洋化成工業(株)製 サンワックス LEL−400:軟化点128℃)150部を投入し、窒素置換後170℃に昇温して十分溶解し、スチレン595部、メタクリル酸メチル255部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート34部およびキシレン119部の混合溶液を170℃で3時間で滴下して重合し、さらにこの温度で30分間保持した。次いで脱溶剤を行い、[変性ワックス1]を得た。[変性ワックス1]のグラフト鎖のsp値は 10.35(cal/cm3)1/2、Mnは1872、Mwは5194、Tgは56.9℃であった。
温度計および撹拌機の付いた反応容器中に、パラフィンワックス(融点73℃)10部、[変性ワックス1]1部、酢酸エチル33部を投入し、78℃に加熱して充分溶解し、1時間で30℃まで冷却を行いワックスを微粒子状に晶析させ、さらにウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、[ワックス分散液1]を得た。
温度計および撹拌機の付いた反応容器中に、カルナバワックス(融点80℃)10部、酢酸エチル33部を投入し、78℃に加熱して充分溶解し、1時間で30℃まで冷却を行いワックスを微粒子状に晶析させ、さらにウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、[ワックス分散液2]を得た。
温度計および撹拌機の付いた反応容器中に、[ポリエステルb1]10部および酢酸エチル10部を入れ、攪拌して均一分散させ、[樹脂溶液1]を得た。
温度計および撹拌機の付いた反応容器中に、[ポリエステルb2]10部および酢酸エチル10部を入れ、攪拌して均一分散させ、[樹脂溶液2]を得た。
ビーカー内に[樹脂溶液1]48部、[樹脂溶液2]12部、[ワックス分散液1]27部、および[着色剤分散液1]10部を入れ、25℃にてTK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて25℃の[樹脂溶液1A]を得た。
ビーカー内に25℃のイオン交換水97部、25℃の[微粒子分散液W−1]15.4部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃を保ちながら、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液1A]75部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が合計で0.5%以下となるまで酢酸エチルおよびイソプロパノールを留去し、表面に[微粒子分散液W−1]由来の樹脂粒子が被膜化した樹脂粒子の水性樹脂分散体(X1)を得た。次いで(X1)100部に対して30℃に温調したイオン交換水300部を加えて攪拌した後(混合後28℃)、濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C1)を得た。
[微粒子分散液W−1]を[微粒子分散液W−2]に変更する以外、実施例1と同様にして、表面に[微粒子分散液W−2]由来の樹脂粒子が被膜化した樹脂粒子(C2)を得た。
ビーカー内に[樹脂溶液1]48部、[樹脂溶液2]12部、[ワックス分散液2]27部、および[着色剤分散液1]10部を入れ、33℃にてTK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて33℃の[樹脂溶液1B]を得た。
ビーカー内に33℃のイオン交換水97部、33℃の[微粒子分散液W−3]15.4部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで33℃を保ちながら、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液1B]75部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が合計で0.5%以下となるまで酢酸エチルおよびイソプロパノールを留去し、表面に[微粒子分散液W−3]由来の樹脂粒子が被膜化した樹脂粒子の水性樹脂分散体(X3)を得た。次いで(X3)100部に対して50℃に温調したイオン交換水300部を加えて攪拌した後(混合後40℃)、濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、揮発分を0.5%以下として、樹脂粒子(C3)を得た。
[微粒子分散液W−1]を[微粒子分散液W−4]に変更する以外、実施例1と同様にして、比較の樹脂粒子(C’1)を得た。
TK式ホモミキサーで攪拌する際の温度を25℃から10℃に変更する以外、実施例1と同様にして、比較の樹脂粒子(C’2)を得た。
実施例1〜3および比較例1〜2で得た樹脂粒子(C1)〜(C3)、および(C’1)〜(C’2)を水に分散して粒度分布(体積平均粒径等)をコールターカウンターで測定した。また、樹脂(a)による表面被覆率、平均円形度、表面平滑性、帯電特性、低温定着性、および耐熱保存安定性を測定した。その結果を表1に示す。
50ccの共栓付ガラス瓶に、樹脂粒子0.5g、鉄粉(日本鉄粉株式会社製「F−150」)10gを精秤し、共栓をして23℃、50%RHの雰囲気下でターブラシェーカミキサー(ウイリー・ア・バショッフェン社製)にセットし、回転数90rpmで2分攪拌する。攪拌後の混合粉体0.2gを目開き20μmステンレス金網がセットされたブローオフ粉体帯電量測定装置(京セラケミカル株式会社製TB−203)に装填し、ブロー圧10KPa,吸引圧5KPaの条件で、残存鉄粉の帯電量を測定し、定法により樹脂粒子の帯電量を算出する。なお、トナー用としてはマイナス帯電量が高いほど帯電特性が優れている。
50℃に温調された乾燥機に樹脂粒子を15時間静置し、ブロッキングの程度により下記の基準で評価した。
○ : ブロッキングが発生しない。
△ : ブロッキングが発生するが、力を加えると容易に分散する。
× : ブロッキングが発生し、力を加えても分散しない。
樹脂粒子にアエロジルR972(日本アエロジル社製)を1.0%添加し、よく混ぜて均一にした後、この粉体を紙面上に0.6mg/cm2となるよう均一に載せる(このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いる(上記の重量密度で粉体を均一に載せることができるのであれば他の方法を用いてもよい)。この紙を加圧ローラーに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/sec、定着圧力(加圧ローラ圧)10kg/cm2の条件で通した時のコールドオフセットの発生温度を測定した。
走査電子顕微鏡(SEM)を用い、樹脂粒子(C)表面を1万倍および3万倍拡大した写真にて評価した。
◎ : 表面に全く凹凸がなく、非常に平滑である。
○ : 表面に一部いびつな部位が観られるが、全体的には凹凸がほとんどなく、平滑である。
△ : 表面全体に凹凸があるが、樹脂粒子(A)由来の粒子状物体は確認できない。
× : 表面全体的にひどく凹凸である、または樹脂粒子(A)由来の粒子状物体が確認できる。
Claims (7)
- 曇点以上の温度の、オキシエチレン単位を2〜40重量%含有するビニル系樹脂(a
)の水性液(W)と、ポリエステル樹脂(b)もしくはその有機溶剤溶液(O)とが混合
され、(W)の曇点以上の温度を保ちながら(W)中に(O)が分散され、(W)中で(
b)からなる樹脂粒子(B)が形成されることにより得られる、樹脂粒子(B)の表面に
樹脂(a)からなる樹脂粒子(A)が付着された構造の樹脂粒子の水性分散体から、さら
に水性媒体が除去されてなる樹脂粒子(C)であって、前記水性液(W)の曇点が10〜
60℃である樹脂粒子(C)。 - 樹脂(a)が、少なくとも一部が塩基で中和されていてもよいカルボキシル基を1〜
50重量%含有する請求項1 記載の樹脂粒子。 - 樹脂(a)が、スルホン酸アニオン基(−SO3 -)を0.001〜10重量%含有する
請求項1または2記載の樹脂粒子。 - 樹脂粒子(B)が、ポリエステル樹脂(b)、ワックス(c)、およびビニル系ポリ
マー鎖がグラフトした変性ワックス(d)からなる請求項1〜3のいずれか記載の樹脂粒子。 - スラッシュ成形用樹脂、粉体塗料、電子部品製造用スペーサー、電子測定機器の標準
粒子、電子写真トナー、静電記録トナー、静電印刷トナーまたはホットメルト接着剤用で
ある請求項1〜4のいずれか記載の樹脂粒子。 - 曇点以上の温度の、オキシエチレン単位を2〜40重量%含有するビニル系樹脂(a
)の水性液(W)と、ポリエステル樹脂(b)もしくはその有機溶剤溶液(O)とを混合
し、(W)の曇点以上の温度を保ちながら(W)中に(O)を分散させ、(W)中で(b
)からなる樹脂粒子(B)を形成させることにより得られる、樹脂粒子(B)の表面に(
a)からなる樹脂粒子(A)が付着した構造の樹脂粒子の水性分散体を得て、さらに該水
性分散体から水性媒体を除去する樹脂粒子(C)の製造方法。 - 樹脂(a)の水性液(W)の曇点が10〜60℃である請求項6記載の製造方法。
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