JP2007029875A - 静的破砕工法及びそれに用いる詰込用冶具 - Google Patents
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Abstract
【課題】
破砕対象物の穿孔深さが深い場合でも容易に静的破砕材を装填することが可能であり、破砕作業を極めて安全かつ効率良く行うことを可能とする静的破砕工法及びそれに用いる詰込用冶具を提供すること。
【解決手段】
破砕対象物に穿孔1を設け、該穿孔内に膨張性破砕材を充填し、該破砕材の膨張により破砕対象物を破砕する静的破砕工法において、穿孔内に配置される底板と、該底板より面積が大きくかつ穿孔外に配置される天板と、両者を連結する連結手段とからなる補助具を備えると共に、膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した補助具付き静的破砕材30と、該補助具を具備せず、膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した補助具無し静的破砕材40とを用い、該穿孔内には、少なくとも1つ以上の補助具無し静的破砕材40を充填し、穿孔内の入口近傍には補助具付き静的破砕材30を配置することを特徴とする。
【選択図】 図5
破砕対象物の穿孔深さが深い場合でも容易に静的破砕材を装填することが可能であり、破砕作業を極めて安全かつ効率良く行うことを可能とする静的破砕工法及びそれに用いる詰込用冶具を提供すること。
【解決手段】
破砕対象物に穿孔1を設け、該穿孔内に膨張性破砕材を充填し、該破砕材の膨張により破砕対象物を破砕する静的破砕工法において、穿孔内に配置される底板と、該底板より面積が大きくかつ穿孔外に配置される天板と、両者を連結する連結手段とからなる補助具を備えると共に、膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した補助具付き静的破砕材30と、該補助具を具備せず、膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した補助具無し静的破砕材40とを用い、該穿孔内には、少なくとも1つ以上の補助具無し静的破砕材40を充填し、穿孔内の入口近傍には補助具付き静的破砕材30を配置することを特徴とする。
【選択図】 図5
Description
本発明は、静的破砕工法及びそれに用いる詰込用冶具に関し、詳しくは、破砕対象物に穿孔を設け、該穿孔内に膨張性破砕材を充填し、該破砕材の膨張により破砕対象物を破砕する静的破砕工法及びそれに用いる詰込用冶具に関する。
従来、塩害や長期使用による老朽化による補修または改修が必要な道路や橋梁等のコンクリート面を破砕して補修する方法として、ピックハンマやブレーカ等を用いる方法やウォータージェット工法等の、機械的に衝撃振動を加えコンクリート面を破砕する方法が採用されている。前記破砕方法は振動を伴う作業であり、コンクリート等の粉塵が発生し作業環境が悪化する等の問題があり、更に、橋梁等の構造物の下方面あるいは垂直面の破砕作業は、非常な労力を必要としている。またウォータージェットによるはつり作業は装置が大規模なものとなり、後片付けに手間がかかる上、コストが高い。特に、水中におけるコンクリート構造物の破砕には、作業面で大変な手間がかかっている。
また、これらの方法は機械的な衝撃振動が発生するため、コンクリート補修の必要部分のみではなく不必要部分の内部に亀裂が生じる可能性や、鉄筋等の補強部材に損傷を与える可能性があるという問題があった。
また、これらの方法は機械的な衝撃振動が発生するため、コンクリート補修の必要部分のみではなく不必要部分の内部に亀裂が生じる可能性や、鉄筋等の補強部材に損傷を与える可能性があるという問題があった。
これに対し、セメント等の膨張材を破砕材として用いてコンクリート等の構造体を静的に破砕する方法が、提案されている。特許文献1乃至特許文献3においては、特に、破砕対象物に充填された破砕材の吹き出し防止や、破砕材の膨張圧力を有効に利用するため、破砕対象物に設けられた穿孔内において、破砕材を天板と底板とからなる2つの板状体の間に保持する構成が開示されている。
特開昭60−85193号公報
特開昭61−36463号公報
特開平9−234389号公報
図1は、従来の破砕材の保持の様子を示したものである。図1のように、穿孔1の内部に、底板3と天板4を棒状又は紐状のつなぎ材である連結手段で構成される補助具を配置すると共に、該底板3と該天板4との間に、膨張性破砕材2を配置する。この構成により、該破砕材2が膨張することにより、上下方向の圧力は、底板3及び天板4により抑圧され、穿孔口からの破砕材の吹き出しが効果的に抑制される。しかも、この底板3及び天板4の作用により、内部圧力は、穿孔部の穿孔方向に対する垂直な方向(図1の横方向)に主に作用することとなり、破砕対象物を容易に破砕することが可能となる。この際の穿孔1の内壁等に作用する圧力の状態を、図2に示す。
しかしながら、従来のものは、膨張性破砕材の上方向の圧力により天板4が浮き上がるのを防止するため、底板と天板との各面積を同じに構成しており、しかも、膨張性破砕材を底板3と天板4とにより、漏れが無いよう保持する必要があり、図1に示すように天板の位置が、穿孔1の内部に配置されていた。しかも、破砕対象物に穿孔1を形成する場合には、角欠けや穿孔機の軸ぶれなどにより、穿孔口に欠け部6が生じ易く、天板4の位置は、より一層、穿孔1の内部に配置されることとなっていた。
このような従来の補助具を利用する場合には、穿孔1の内部における穿孔方向に対し垂直な方向の圧力分布を見ると、図2の10に示すように、穿孔方向の中央部分を中心とする圧力分布10となり、穿孔口付近(欠け部6近傍)には、殆ど膨張圧が付与されていないこととなる。
上記問題を解決するため、本出願人は、以下の特許文献4及び5において、破砕対象物に穿孔を設け、該穿孔内に膨張性破砕材を充填し、該破砕材の膨張により破砕対象物を破砕する静的破砕工法に用いる静的破砕用補助具において、穿孔内に配置される底板と、該底板より面積が大きくかつ穿孔外に配置される天板と、両者を連結する連結手段とを有することを特徴とする静的破砕用補助具を提案した。
特願2004−292859号(出願日:平成16年10月5日)
特願2005−92990号(出願日:平成17年3月28日)
図3及び図4は、特に、特許文献5に開示される技術を説明する図であり、図3のように、破砕対象物に設けられた穿孔1に対し、穿孔1の下面7から離れた位置に底板3が配置されている。連結用具23の上部には、天板20が固定手段21により連結され、天板20と底板3との間には、膨張性破砕材が穿孔内部に充填されている。
天板は、底板の面積より大きく、好ましくは、穿孔1の口部の面積より大きな面積を有するよう構成すると共に、該天板20を穿孔1外に配置することで、穿孔1の欠け部6が発生している穿孔口部付近にも、十分な膨張性破砕材を充填配置できる。そして、破砕材の膨張圧力は、天板20により、上方圧力が抑えられ、穿孔口の周辺に対して、従来のものより格段に強い破砕力を発生させることが可能となる。参考までに、穿孔方向に対して垂直な方向の圧力分布22を、図3に模式的示す。
図3のように、本発明では、底板の面積より天板の面積が大きくなるため、破砕材の膨張で底板に加わる下方の力より、天板に加わる上方の力が大きくなり、天板が浮き上がることが懸念されるが、実際には、破砕材の横方向の膨張により、破砕材と穿孔1の内壁面との摩擦力が増加するため、天板の浮き上がりは、殆ど無いことが確認されている。
このように、穿孔の口部付近にも破砕材の膨張圧力を効果的に付与することで、破砕対象物の表面側へのクラック発生を加速することができ、結果として破砕スピードを上げることができる。
しかも、図3に示すように穿孔下面7の付近には隙間が形成されるため、穿孔下面7には全く膨張圧が掛らない。
しかも、図3に示すように穿孔下面7の付近には隙間が形成されるため、穿孔下面7には全く膨張圧が掛らない。
図4は、袋体25の内部に不図示の膨張性破砕材を収容し、静的破砕用補助具を取り付けた概略図である。
具体的には、袋体25内に、連結手段である連結用具23を取り付けた底板3を挿入し、該袋体を静的破砕材で満たす。袋体25の開口は、ヒートシールなど適切な締結手段により閉塞し、袋体25から突出する連結用具23には、天板20、固定手段26及び連結用具を引っ張るための牽引手段24が取り付けられる。
膨張性破砕材を、不織布や繊維状のネットなどのように透水性のある袋体に収容し、カプセル状に小分けして用いる方法が、簡便であり、作業者への安全性も高い。
具体的には、袋体25内に、連結手段である連結用具23を取り付けた底板3を挿入し、該袋体を静的破砕材で満たす。袋体25の開口は、ヒートシールなど適切な締結手段により閉塞し、袋体25から突出する連結用具23には、天板20、固定手段26及び連結用具を引っ張るための牽引手段24が取り付けられる。
膨張性破砕材を、不織布や繊維状のネットなどのように透水性のある袋体に収容し、カプセル状に小分けして用いる方法が、簡便であり、作業者への安全性も高い。
他方、破砕対象物を全壊若しくは表面より深い位置まで破壊するためには、破砕対象物に設けられる穿孔の深さを深くする必要がある。
このような深い穿孔に、静的破砕補助具を備えた静的破砕材を充填するためには、穿孔の深さ以上の長さを有する連結用具23を使用する必要がある。
このような深い穿孔に、静的破砕補助具を備えた静的破砕材を充填するためには、穿孔の深さ以上の長さを有する連結用具23を使用する必要がある。
しかしながら、連結用具の長さを長くするに従い、静的破砕材を穿孔内に挿入する作業が難しくなり、また、連結用具を引っ張り膨張性破砕材の充填密度を上げる作業も、連結用具の長さに反比例して困難なものとなる。
しかも、穿孔口付近に天板20を適正に配置することが不可欠であるため、穿孔の深さに対応する複数種類の長さを有する静的破砕用補助具並びにそれを組み込んだ静的破砕材を用意する必要があり、製造コストが高くなるという欠点がある。
しかも、穿孔口付近に天板20を適正に配置することが不可欠であるため、穿孔の深さに対応する複数種類の長さを有する静的破砕用補助具並びにそれを組み込んだ静的破砕材を用意する必要があり、製造コストが高くなるという欠点がある。
本発明の目的は、上記問題を解決し、破砕対象物の穿孔深さが深い場合でも容易に静的破砕材を装填することが可能であり、破砕作業を極めて安全かつ効率良く行うことを可能とする静的破砕工法及びそれに用いる詰込用冶具を提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、破砕対象物に穿孔を設け、該穿孔内に膨張性破砕材を充填し、該破砕材の膨張により破砕対象物を破砕する静的破砕工法において、穿孔内に配置される底板と、該底板より面積が大きくかつ穿孔外に配置される天板と、両者を連結する連結手段とからなる補助具を備えると共に、膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した補助具付き静的破砕材と、該補助具を具備せず、膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した補助具無し静的破砕材とを用い、該穿孔内には、少なくとも1つ以上の補助具無し静的破砕材を充填し、穿孔内の入口近傍には補助具付き静的破砕材を配置することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の静的破砕工法において、該補助具無し静的破砕材の膨張開始時間は、該補助具付き静的破砕材の膨張開始時間より等しいか遅いことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の静的破砕工法において、該補助具付き静的破砕材のスティック長は、100mm以下であることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の静的破砕工法における補助具無し静的破砕材を穿孔内に詰め込むための詰込用冶具において、穿孔の内径よりも小さい外径を有する棒状部と、該棒状部に直接又は間接的に接続され穿孔の内径より大きい外径を有する押圧部とを有することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の詰込用冶具において、該棒状部と押圧部との距離が調整可能であることを特徴とする。
請求項1に係る発明により、穿孔内に配置される底板と、該底板より面積が大きくかつ穿孔外に配置される天板と、両者を連結する連結手段とからなる補助具を備えると共に、膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した補助具付き静的破砕材と、該補助具を具備せず、膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した補助具無し静的破砕材とを用い、該穿孔内には、少なくとも1つ以上の補助具無し静的破砕材を充填し、穿孔内の入口近傍には補助具付き静的破砕材を配置するため、破砕対象物の穿孔深さが深い場合でも、補助具付き静的破砕材の長さを長くする必要が無く、効率的に破砕対象物を破壊することが可能となる。
請求項2に係る発明により、補助具無し静的破砕材の膨張開始時間は、補助具付き静的破砕材の膨張開始時間より遅いことが好ましい。穿孔口付近に充填される補助具付き静的破砕材が最初に膨張し、穿孔口付近を強固に密閉する状態となる。その後、穿孔内部に配置された補助具無し静的破砕材が膨張しても、穿孔口付近は補助具付き静的破砕材が蓋をしているため、穿孔内部で膨張が進行し、破砕対象物を効率的に破壊することが可能となる。また、補助具無し静的破砕材が穿孔口から吹き出すことも防止され、極めて安全に作業を行うことができる。膨張開始時間が等しい場合には、補助具付き静的破砕材が若干押し出されるが、すぐに静的破砕材の膨張反応により、穿孔壁面との摩擦力が増加し、穿孔内に固定されるので破砕は可能である。
請求項3に係る発明により、補助具付き静的破砕材のスティック長は、100mm以下であるため、穿孔内に補助具付き静的破砕材を効率よく装填できると共に、穿孔内に配置した状態でも、補助具の連結手段を操作し、容易に膨張性破砕材の充填率を高めることが可能となる。
請求項4に係る発明により、静的破砕工法における補助具無し静的破砕材を穿孔内に詰め込むための詰込用冶具において、穿孔の内径よりも小さい外径を有する棒状部と、該棒状部に直接又は間接的に接続され穿孔の内径より大きい外径を有する押圧部とを有するため、穿孔内に補助具無し静的破砕材を配置し、該詰込用冶具で該静的破砕材を押圧することで、容易に穿孔内に静的破砕材を詰め込むことが可能となる。しかも、該詰込用冶具は、押圧部は、穿孔内に侵入することが困難であるため、静的破砕材が穿孔口より常に一定の深さの位置まで充填することが可能となる。
請求項5に係る発明により、棒状部と押圧部との距離が調整可能であるため、使用する補助具付き静的破砕材の長さに応じて、押圧部から棒状部先端までの長さを調整することが可能となる。
本発明に係る静的破砕工法及びそれに用いる詰込用冶具について以下の好適例により説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の静的破砕工法は、破砕対象物に穿孔を設け、該穿孔内に膨張性破砕材を充填し、該破砕材の膨張により破砕対象物を破砕する静的破砕工法において、穿孔内に配置される底板と、該底板より面積が大きくかつ穿孔外に配置される天板と、両者を連結する連結手段とからなる補助具を備えると共に、膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した補助具付き静的破砕材と、該補助具を具備せず、膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した補助具無し静的破砕材とを用い、該穿孔内には、少なくとも1つ以上の補助具無し静的破砕材を充填し、穿孔内の入口近傍には補助具付き静的破砕材を配置することを特徴とする。
本発明の静的破砕工法は、破砕対象物に穿孔を設け、該穿孔内に膨張性破砕材を充填し、該破砕材の膨張により破砕対象物を破砕する静的破砕工法において、穿孔内に配置される底板と、該底板より面積が大きくかつ穿孔外に配置される天板と、両者を連結する連結手段とからなる補助具を備えると共に、膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した補助具付き静的破砕材と、該補助具を具備せず、膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した補助具無し静的破砕材とを用い、該穿孔内には、少なくとも1つ以上の補助具無し静的破砕材を充填し、穿孔内の入口近傍には補助具付き静的破砕材を配置することを特徴とする。
図5は、本発明の静的破砕工法の概略を示す図であり、図5(a)又は図5(b)のように、補助具無し静的破砕材40を穿孔1の内部に、1つ以上配置し、穿孔口付近には補助具付き静的破砕材30を配置している。
補助具付き静的破砕材30は、特許文献4又は5に示すように、例えば図4のような補助具を有する静的破砕材を使用することが可能である。
補助具付き静的破砕材30は、特許文献4又は5に示すように、例えば図4のような補助具を有する静的破砕材を使用することが可能である。
また、補助具無し静的破砕材40の膨張開始時間は、補助具付き静的破砕材30の膨張開始時間と同時でも可能だが、より遅く設定することが好ましい。これは、穿孔口付近に充填される補助具付き静的破砕材が最初に膨張し、穿孔口付近を強固に密閉する状態となり、その後、穿孔内部に配置された補助具無し静的破砕材が膨張しても、穿孔口付近は補助具付き静的破砕材が蓋をしているため、穿孔内部で膨張が進行し、破砕対象物を効率的に破壊することが可能となるためである。また、補助具付き静的破砕材による穿孔口付近での蓋の効果により、補助具無し静的破砕材が穿孔口から吹き出すことも防止され、極めて安全に作業を行うことができる。
膨張開始時間の調整は、膨張性破砕材に混入する反応促進剤の分量や、静的破砕材に水を含ませる際の水温などにより、容易に調整することが可能である。
補助具付き静的破砕材のスティック長Lは、100mm以下であることが好ましい。穿孔の内径の大きさにもよるが、Lが100mmを超えると、穿孔内に補助具付き静的破砕材を装填するのが難しくなり、しかも、穿孔内に配置した状態で、補助具の連結手段を操作(例えば、図4の連結用具23に接続される牽引手段24を固定手段26に対して引き上げる作業)しても、静的破砕材全体に渡り膨張性破砕材の充填率を高めることが困難となる。
次に、本発明の詰込用冶具は、穿孔の内径よりも小さい外径を有する棒状部と、該棒状部に直接又は間接的に接続され穿孔の内径より大きい外径を有する押圧部とを有することを特徴とする。
図6は、詰込用冶具の概略を示す図であり、図7は該冶具を用いて補助具無し静的破砕材40を穿孔内部に詰め込む様子を示す図である。
図6は、詰込用冶具の概略を示す図であり、図7は該冶具を用いて補助具無し静的破砕材40を穿孔内部に詰め込む様子を示す図である。
図6(a)の詰込用冶具では、穿孔の内径よりも小さい外径を有する棒状部50と、該円筒状部50に直接に接続され穿孔の内径より大きい外径を有する押圧部51から構成される。棒状部50や押圧部51の形状は、図6に示すように円柱状のものに限らず、角柱状のものであっても良く、さらに、押圧部51については、作業者が把持し易いように、手の形状に併せて滑らかな凹凸を設けた形状とすることも可能である。
詰込用冶具は、図7に示すように、穿孔1内に補助具無し静的破砕材40を配置し、詰込用冶具60で該静的破砕材40を押圧することで、容易に穿孔内に静的破砕材を詰め込むことが可能となる。しかも、詰込用冶具60は、押圧部51が穿孔1内に侵入することが困難なように、その径が設定されているため、静的破砕材40が穿孔口より常に一定の深さの位置まで充填することが可能となる。詰込用冶具を穿孔内に押し込む際は、必要に応じてハンマーなどの打撃手段を使用し、押圧部51の頭を打ちつけることで、容易に静的破砕材を穿孔内部に充填することも可能となる。
補助具無し静的破砕材40の充填位置(穿孔口から静的破砕材の上端までの距離)は、詰込用冶具の棒状部50の長さL’によって決まり、該長さL’は、補助具付き静的破砕材が穿孔内に侵入する部分の長さと同じにすることが好ましい。
さらに、図6(b)に示すように、棒状部52と押圧部51とをネジ53などを使用して、両者を連結すると共に、両者間の距離を調整可能とすることも可能である。この場合には、棒状部50の先端から押圧部51までの長さL’を、使用する補助具付き静的破砕材の長さに応じて、調整することが可能となる。
さらに、図6(b)に示すように、棒状部52と押圧部51とをネジ53などを使用して、両者を連結すると共に、両者間の距離を調整可能とすることも可能である。この場合には、棒状部50の先端から押圧部51までの長さL’を、使用する補助具付き静的破砕材の長さに応じて、調整することが可能となる。
以上の説明のように、本発明によれば、破砕対象物の穿孔深さが深い場合でも容易に静的破砕材を装填することが可能であり、破砕作業を極めて安全かつ効率良く行うことを可能とする静的破砕工法及びそれに用いる詰込用冶具を提供することが可能となる。
1 破砕対象物に形成された穿孔
2 膨張性破砕材
3 底板
4,20 天板
5,23 連結用具
6 欠け部
10,22 圧力分布
25 袋体
21,26 固定手段
30 補助具付き静的破砕材
40 補助具無し静的破砕材
50,52 棒状部
51 押圧部
53 ネジ
60 詰込用冶具
2 膨張性破砕材
3 底板
4,20 天板
5,23 連結用具
6 欠け部
10,22 圧力分布
25 袋体
21,26 固定手段
30 補助具付き静的破砕材
40 補助具無し静的破砕材
50,52 棒状部
51 押圧部
53 ネジ
60 詰込用冶具
Claims (5)
- 破砕対象物に穿孔を設け、該穿孔内に膨張性破砕材を充填し、該破砕材の膨張により破砕対象物を破砕する静的破砕工法において、
穿孔内に配置される底板と、該底板より面積が大きくかつ穿孔外に配置される天板と、両者を連結する連結手段とからなる補助具を備えると共に、膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した補助具付き静的破砕材と、
該補助具を具備せず、膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した補助具無し静的破砕材とを用い、
該穿孔内には、少なくとも1つ以上の補助具無し静的破砕材を充填し、穿孔内の入口近傍には補助具付き静的破砕材を配置することを特徴とする静的破砕工法。 - 請求項1に記載の静的破砕工法において、該補助具無し静的破砕材の膨張開始時間は、該補助具付き静的破砕材の膨張開始時間より等しいか遅いことを特徴とする静的破砕工法。
- 請求項1又は2に記載の静的破砕工法において、該補助具付き静的破砕材のスティック長は、100mm以下であることを特徴とする静的破砕工法。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の静的破砕工法における補助具無し静的破砕材を穿孔内に詰め込むための詰込用冶具において、穿孔の内径よりも小さい外径を有する棒状部と、該棒状部に直接又は間接的に接続され穿孔の内径より大きい外径を有する押圧部とを有する詰込用冶具。
- 請求項4に記載の詰込用冶具において、該棒状部と押圧部との距離が調整可能であることを特徴とする詰込冶具。
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JPH0122439B2 (ja) * | 1981-05-02 | 1989-04-26 | Okabe Kk | |
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-
2005
- 2005-07-28 JP JP2005218174A patent/JP2007029875A/ja active Pending
Patent Citations (5)
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