JP6186346B2 - 合成桁コンクリートの撤去方法 - Google Patents

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本発明は、合成桁コンクリートを破砕して撤去する方法に関する。
道路橋構造には鋼桁と鉄筋コンクリート床版を一体にした合成桁と、非一体である非合成桁がある。いずれの場合も、経年劣化が進み、既設床版の取り替え工事が増加している。取り替え工事に際しては、鉄筋コンクリート床版を撤去する必要がある。
合成桁の鉄筋コンクリート床版を取り替える工法として、鉄筋コンクリート床版の支間部をカッターで切断して撤去した後、鋼桁(主桁)上に残ったコンクリートをはつって撤去する方法が知られている。通常、主桁の上フランジの上には鉄筋やスタッドジベルが固定されているため、コンクリート床版がこれら鉄筋やスタッドジベルからはがれにくく、撤去作業が容易ではない。また、撤去作業に時間がかかる、はつり作業中に騒音が発生する等の課題があることから、撤去作業の容易化、騒音の低減が望まれている。
本件出願人の一人である横河工事株式会社は、本願に先立ち、コンクリート床版に形成した複数の装填孔に静的破砕剤を注入し、その静的破砕剤でコンクリートを破砕する方法を提案した(特許文献1)。
特開2003−247212号公報
前記特許文献1記載の方法は、従来の工法よりも騒音を低減できる工法として広く採用されてきたが、この工法は鋼桁とコンクリート床版の分離に主眼をおいたものであり、静的破砕剤での破砕後は桁上にコンクリート床版のコンクリートが多く残存することから、これを撤去するのに時間を要するという難点があった。また、静的破砕剤は破砕までに数時間以上の待機時間を要するという難点があった。
本発明の解決課題は、合成桁コンクリートの効率的な撤去を可能とすることで、工期の短縮及び騒音の低減を図ることのできる合成桁コンクリートの撤去方法を提供することにある。
本発明の合成桁コンクリートの撤去方法(以下「コンクリート撤去方法」という)は、鋼桁上に一体化された既設鉄筋コンクリート床版の支間部を搬出可能な大きさのブロック(以下「床版ブロック」という)に切断して撤去し、当該床版ブロックの撤去後に前記鋼桁の上フランジの上に残存する鉄筋コンクリート(以下「残存コンクリート」という。明細書及び特許請求の範囲において同じ。)を撤去する方法であって、残存コンクリートの橋軸方向と橋軸直角方向の双方又はいずれか一方に切り込み溝を形成して当該残存コンクリートを二以上に区画し、当該残存コンクリートに一又は二以上の装填孔を形成し、当該装填孔に破砕剤を装填し、装填孔に装填した破砕剤の外側に孔埋め材を充填して孔埋めをし、当該破砕剤を点火して当該破砕剤の膨張圧で残存コンクリートを破砕し、残存コンクリートを上フランジの上から撤去する方法である。
前記合成桁コンクリートの撤去方法において、装填孔に装填する破砕剤として、非火薬破砕剤を用いることができる。この場合、特に、ガスの膨張圧を利用する非火薬破砕剤を用いることができる。
前記コンクリート撤去方法において、切り込み溝の形成時に、残存コンクリートとともに当該残存コンクリート内の鉄筋をも切断するのが好ましい。
前記コンクリート撤去方法において、切り込み溝は、残存コンクリートの上面から少なくともその厚さ方向半分よりも下側であって鋼桁の上フランジに到達しない深さとするのが望ましい。例えば、残存コンクリートの上面から、上フランジの上面の10mm程度上までの深さにすると、残存コンクリートが非火薬破砕剤の膨張圧で破砕し易くなる。
前記コンクリート撤去方法において、装填孔は残存コンクリートの上面から少なくともその厚さ方向半分よりも下側であって鋼桁の上フランジに接触しない程度の深さに形成することができる。例えば、装填孔の底が鋼桁の上フランジの10mm程度手前までの深さとすると、残存コンクリートが非火薬破砕剤の膨張圧で破砕し易くなる。装填孔は残存コンクリートの底面からあけることもできる。
前記コンクリート撤去方法において、装填孔は、残存コンクリートの上面から下向きに又は/及び残存コンクリートの下面側であって鋼桁の上フランジの側方から斜め上向きに形成することもできる。
前記合成桁コンクリートの撤去方法において、残存コンクリートの外周を飛散防止用と防音用の双方又はいずれか一方の養生をした後に、破砕剤を点火して残存コンクリートを破砕するようにすることもできる。
本発明のコンクリート撤去方法は、次の効果を奏する。
(1)残存コンクリートの橋軸方向と橋軸直角方向の双方又はいずれか一方に切り込み溝を形成して自由端を設けるため、周辺のコンクリートによる拘束がなく、残存コンクリートが破砕され易くなる。
(2)破砕剤として、非火薬破砕剤(例えば、テルミット反応などのガスの膨張圧によって膨張する非火薬破砕剤)を用いた場合、瞬発的に残存コンクリートを破砕することができるため、従来の静的破砕剤を用いる場合よりも作業時間を短縮することができる。
(3)橋軸方向と橋軸直角方向の双方に切り込み溝を形成した場合、破砕後の残存コンクリートの塊が小型化するため、撤去作業を行いやすく、作業時間を短縮することができる。
(4)切り込み溝の形成時に残存コンクリートとともに、残存コンクリート内の鉄筋をも切断した場合、鉄筋同士或いは鉄筋とコンクリートの結合が弱くなるため、残存コンクリートが破砕しやすくなる。
(5)切り込み溝を鋼桁の上フランジの直近までの深さとした場合、自由端が広がって破砕範囲が広がるため、非火薬破砕剤の一度の爆発で残存コンクリートを広範囲に渡って破砕することができ、残存コンクリートの撤去作業の効率が向上する。
(6)装填孔を鋼桁の上フランジの直近までの深さとした場合、非火薬破砕剤で残存コンクリートの底近くまで破砕範囲が広がるため、残存コンクリートを広範囲に渡って破砕することができ、残存コンクリートの撤去作業の効率が向上する。装填孔を底面からもあけた場合は、より一層破砕され易くなる。
(7)残存コンクリートの外周を飛散防止用と防音用の双方又はいずれか一方の養生をした後に、破砕剤を点火して残存コンクリートを破砕するようにすれば、残存コンクリートを破砕する際の音や破砕による残存コンクリートの飛散を防止することができる。
合成桁コンクリート床版の支間部を撤去する作業の説明図。 (a)は切り込み溝を形成した残存コンクリートの正面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(b)の側面図。 (a)は複数の装填孔を削孔した残存コンクリートの正面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(b)の側面図。 底側から装填孔を削孔した残存コンクリートを示すものであって、(a)は装填孔を深く形成した場合の正面図、(b)は装填孔を(a)よりも浅く形成した場合の正面図。 (a)は装填孔に非火薬破砕剤を装填し、孔埋めをした残存コンクリートの正面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(b)の側面図。 破砕による残存コンクリート破砕のイメージ図。 破砕前の試験体の写真。 破砕後の試験体の写真。 破砕後のコンクリート破片の写真。
(実施形態)
本発明のコンクリート撤去方法の一例を、図面を参照して説明する。このコンクリート撤去方法は、図1のように、鋼桁Aに支持された既設鉄筋コンクリート床版Bの支間部を搬出可能な大きさの床版ブロックCに切断して撤去し、当該床版ブロックCの撤去後に鋼桁Aの上フランジDの上に残った残存コンクリート10を撤去する方法であって、上フランジDの上の残存コンクリート10の橋軸方向及び橋軸直角方向に切り込み溝1(図2(a)〜(c))を形成し、当該残存コンクリート10に一又は二以上の装填孔2(図3(a)〜(c))を形成し、当該装填孔2にテルミット反応によって膨張する非火薬破砕剤3(図5(a)〜(c))を装填し、当該非火薬破砕剤3を点火して当該非火薬破砕剤3の膨張圧で残存コンクリート10を破砕し、当該破砕後の残存コンクリート10を上フランジDの上から撤去する方法である。以下、詳細に説明する。
[支間部の撤去]
本発明のコンクリート撤去方法では、図1(a)(b)に示すように、鋼桁Aに支持された既設鉄筋コンクリート床版Bの支間部を搬出可能な大きさのブロックCに切断して撤去する。既設鉄筋コンクリート床版Bの切断には、既存のコンクリートカッターを用いることができる。切断した床版ブロックCは、クレーンなどの既存の揚重機で吊り上げて撤去するとか、他の機器を使用して撤去することができる。
[切り込み溝の形成]
支間部の床版ブロックCを撤去する前に、図2(a)〜(c)に示すように、残存コンクリート10の橋軸方向及び橋軸直角方向に切り込み溝1を形成する。切り込み溝1とは一定の幅及び深さを有する切り込みのことを意味する。図2(a)〜(c)に示す例では、橋軸方向の切り込み溝(以下「橋軸方向溝」という)1aが一本と、橋軸直角方向の切り込み溝(以下「直角方向溝」という)1bが複数本(図2(b)(c)には複数本のうちの四本が現れている)形成され、それら切り込み溝1によって、残存コンクリート10が複数の区画領域11a〜11fに区画されている。橋軸方向溝1aは、橋軸直角方向の中心部に長手方向に沿って形成され、四本の直角方向溝1bは橋軸方向溝1aに直交する方向に、等間隔(略等間隔)で平行(略平行)に形成されている。橋軸方向溝1aは二本以上形成することもできる。直角方向溝1bは一本であってもよい。直角方向溝1bを複数本形成する場合、異なる間隔で設けることもできる。
本実施形態では橋軸方向溝1aと直角方向溝1bの双方を設ける場合を一例としているが、切り込み溝1は橋軸方向溝1aと直角方向溝1bのいずれか一方のみ形成することもできる。この場合、残存コンクリート10は、橋軸方向溝1a又は直角方向溝1bのみによって二以上の区画領域11に区画される。直角方向溝1bのみでも残存コンクリート10を破砕することができるが、本件出願人の実験では、橋軸方向溝1aを入れたときの方がより効果的に残存コンクリート10を破砕できることが確認された。したがって、特に制約がない限り、残存コンクリート10には、橋軸方向溝1a及び直角方向溝1bの双方(少なくとも橋軸方向溝1a)を形成するのが好ましい。
橋軸方向溝1a及び直角方向溝1bの深さは、残存コンクリート10の上面10aから、少なくともその厚さ方向半分よりも下であって鋼桁Aの上フランジDに到達しない深さとするのが望ましい。例えば、残存コンクリート10の上面10aから上フランジDの上面の10mm程度上までの深さとすることができる。切り込み溝1の深さはこれより浅くても深くてもよく、全ての切り込み溝1の深さを同じ深さとすることも異なる深さとすることもできる。切り込み溝1は垂直方向に設けるほか、必要に応じて垂直方向の仮想軸線に対して斜めに設けることもできる。
切り込み溝1の形成時には、残存コンクリート10のコンクリートEとともに当該残存コンクリート10内の鉄筋Fも併せて切断するのが好ましい。鉄筋F(特に主鉄筋)をも切断する(鉄筋Fを不連続とする)ことで、コンクリートE同士の結合力や、コンクリートEと鉄筋Fの結合力を弱めることができ、残存コンクリート10を破砕し易くなるというメリットがある。
[装填孔の削孔]
切り込み溝1で区画されたそれぞれの区画領域11a〜11fには非火薬破砕剤3を装填するための複数の装填孔2を形成し、それぞれの装填孔2に非火薬破砕剤3を一つずつ装填する。装填孔2は既存のハンマードリルなどを用いて形成することができる。削孔に際して、ドリルがコンクリートE内の鉄筋Fに当たったときは、位置をずらして削孔し直すか、コアドリルに代えて残りを削孔することができる。削孔し直す場合、特に、削孔を断念した装填孔2の近くに装填孔2をあけ直す場合には、当該断念した装填孔2が非火薬破砕剤3の破砕圧の逃げ道とならないように、モルタルや注入型接着系アンカー、砂などの埋め戻し材で孔埋めを行っておくのが好ましい。装填孔2の深さや形状は非火薬破砕剤3の形状に合わせて変更することができ、細長のカートリッジ型の非火薬破砕剤3を用いている本実施形態では、当該細長の非火薬破砕剤3を装填可能な細長形状であって、当該非火薬破砕剤3を装填した後に、非火薬装填材3の外側に空間4ができる程度の深さとしてある。
図3(b)に示すように、本実施形態では、一つの区画領域11a〜11fに六つの装填孔2が形成してあり、それぞれの装填孔2に非火薬破砕剤3を一つずつ装填してある。装填孔2の形成位置(非火薬破砕剤の装填位置)には様々なバリエーションが考えられるが、ここでは、図3(b)に示すように、それぞれの区画領域11a〜11fの幅方向中心部分に五つの非火薬破砕剤3を等間隔で列配置(列装填)すると共に、その中心にある非火薬破砕剤3の内側に一つの非火薬破砕剤3を単独配置(単独装填)できるようにしてある。本件出願人の実験では、図3(a)〜(c)のように、橋軸方向溝1aを挟んで隣接する区画領域11a及び11dの橋軸方向溝1aに近い位置に単独配置された非火薬破砕剤3を対向させ、単独配置されたそれぞれの非火薬破砕剤3の外側に非火薬破砕剤3を列配置できるようにすることで、残存コンクリート10を確実に破砕することができた。なお、図3(a)〜(c)に示す装填孔2の削孔位置はあくまでも一例であり、千鳥配列で削孔するなど、前記以外の配置とすることもできる。
図3(a)〜(c)に示す例は、残存コンクリート10の上面10aから装填孔2を設ける場合の例であるが、装填孔2は図4(a)(b)に示すように、残存コンクリート10の下面10b側から削孔することもできる。残存コンクリート10の下面10bには鋼桁Aの上フランジDがあるため、残存コンクリート10の下面10b側から削孔する場合は、図4(a)(b)のように、上フランジDのない部分(上フランジDの側方部分)から、上フランジDの上方に向けて斜め内向きに削孔するのが好ましい。
図4(a)は、装填孔2の深さを、図中の奥行き方向に間隔をあけて形成される装填孔2の先端部分が正面から見たときに重なるような深さとした場合の例を示すもの、図4(b)は装填孔2の深さを、図中の奥行き方向に間隔をあけて形成される装填孔2の先端部分が正面から見たときに重ならないような深さとした場合の例を示すものである。図4(a)(b)に実線で表した装填孔2の角度(上フランジDと装填孔2との間の角度)は40°であるが、図4(a)(b)に破線で示すような角度(60°)とか、他の角度とすることもできる。削孔角度はこれ以外であってもよい。
装填孔2は残存コンクリート10の横面(側方)から形成してもよい。場合によっては、一つの区画領域11に対して、その上下、左右、前後の複数面から削孔することもできる。また、装填孔2の深さや形状は、装填する非火薬破砕剤3との関係で適宜設計することができる。
[非火薬破砕剤の装填]
装填孔2の形成後、図5(a)〜(c)に示す要領で、残存コンクリート10に形成した装填孔2内に非火薬破砕剤3を装填する。非火薬破砕剤3の破砕圧を確実に残存コンクリート10に伝達するため、非火薬破砕剤3は装填孔2の底まで押し込むと共に、当該非火薬破砕剤3の外周と装填孔2の内周面との間の空間4に孔埋め材5を充填する(孔埋めを行う)。孔埋めには、モルタルや注入型接着系アンカー、砂などの孔埋め材5を用いることができる。孔埋めにモルタルを用いる場合、作業効率の観点から、速硬性の高いモルタルを用いるのが好ましい。注入型接着系アンカーを用いるときは、例えば、旭化成ジオテック株式会社製のARケミカルセッター(登録商標)EA−500Wなどを用いることができる。モルタルや注入型接着系アンカー、砂はこれら以外のものを用いることもできる。また、孔埋め材5にはモルタルや注入型接着系アンカー、砂以外のものを代用することもできる。
装填する非火薬破砕剤3は、火薬類取締法の適用を受けない点で火薬類と区別されるものである。非火薬破砕剤3には、テルミット反応などの瞬発的に発生するガスの膨張圧を利用するものを用いることができ、例えば、本件出願人の一人であるカヤク・ジャパン株式会社製のNRCを用いることができる。この非火薬破砕剤3は、テルミット反応によって膨張する細長のカートリッジ型であり、点火すると瞬時に膨張するものである。非火薬破砕剤3はこれ以外であってもよく、破砕対象物(この実施形態では、残存コンクリート10)のサイズや硬度等に応じて最適なものを自作して用いることもできる。これら非火薬破砕剤3は、破砕剤を入れた容器内に点火具を固定し、接続用の脚線を結線し、発破器等の点火装置を用いて点火できるようにしておく。
薬剤の分量は、15g、20g、25gなど、撤去する残存コンクリート10の大きさや強度に応じて適宜変更することができる。また、必要に応じて、複数の装填孔2には薬量15gの非火薬破砕剤3を装填し、他の装填孔2には薬量20gの非火薬破砕剤3を装填するなど、薬量の異なる非火薬破砕剤3を組み合わせて使用することもできる。撤去作業を円滑に遂行するため、非火薬破砕剤3は残存コンクリート10の撤去作業を行う前に準備しておくのが望ましい。
[飛散養生及び防音養生]
非火薬破砕剤3の装填及び孔埋め後、実際に非火薬破砕剤3に点火をする前に、破砕する残存コンクリート10の外周を養生し、残存コンクリート10の飛散や破砕音を防止できるようにする。養生は様々な方法で行うことができるが、本件出願人が実験を行った際には、次の方法で飛散養生と防音養生を行った。
まず、飛散養生として、非火薬破砕剤3を装填して孔埋めをした残存コンクリート10の外周を断線防止用のゴムカバーで被覆し、その外側に布シートを被せ、その布シートを飛散防止用ワイヤーで巻き付けて固定し、布シートの上にクッション材を載せ、さらに二枚の布シートを被せた。飛散防止用ワイヤーは水平方向に巻くことにより、水平方向への飛散を防止することができ、垂直方向に巻くことにより垂直方向への飛散を防止できる。その後、防音養生として、飛散養生した残存コンクリート10の外側から防音シートを四枚重ねて被せ、その外側を石膏ボードで囲った。ここで示した養生方法は一例であり、養生は現場環境に応じたものとするのが好ましい。
[非火薬破砕剤による破砕]
以上の手順を踏んだ後、非火薬破砕剤3を点火して当該非火薬破砕剤3の膨張圧で残存コンクリート10を破砕する。破砕による残存コンクリート10の壊れ方のイメージを図6に示す。図6に示すように、非火薬破砕剤3の膨張圧を受けた残存コンクリート10は、その上方部10xが小さな塊の状態で吹き飛ぶとともに、両側方部10yが砕けて横に押し出された。残存コンクリート10は飛散防止用ワイヤーによって抑えてあるため、小さな塊が遠くまで飛び散ることがない。正面から見たときに非火薬破砕剤3に挟まれた内側の芯部分10zは吹き飛ぶことなく上フランジDの上に残るが、非火薬破砕剤3の破砕圧によってひびが入り、簡単に崩れる状態になっている。塊の状態のコンクリートはそのまま揚重機で吊り上げて撤去することができ、ひびが入った芯部分10zは軽くはつり取ることによって容易に撤去することができる。なお、非火薬破砕剤3は全てを同時に破砕させることもできるが、非火薬破砕剤3ごと或いは複数の非火薬破砕剤3のグループごとに、時間差(例えば、0.1秒)をもって破砕させてもよい。
(実験概要)
本件出願人は、鋼桁Aの上フランジD部分と残存コンクリート10部分を模した実物大試験体Xを製作し、非火薬破砕剤3の破砕による試験体Xの破砕実験を行った。本実験の概要は、図2〜図5に示すとおりである。具体的には、橋軸方向溝1aを試験体Xの橋軸直角方法(幅狭方向)の中心部に形成するとともに、その橋軸方向溝1aに直交する方向に直角方向溝1bを500mmピッチの等間隔で四本形成した。橋軸方向溝1aと直角方向溝1bは、上フランジDの10mm上に到達する深さとした。橋軸方向溝1aと直角方向溝1bによって区画された六つの区画領域11a〜11fの夫々に、橋軸方向溝1aに近い位置に一つの非火薬破砕剤3を単独配置するとともに、その外側に五つの非火薬破砕剤3を列配置した。それぞれの非火薬破砕剤3の薬量は15gとした。試験体Xを養生したのち、すべての非火薬破砕剤3を同時に点火して破砕させた。
(実験結果)
前記実験の結果を示すものとして、破砕前の試験体Xの写真を図7に、破砕後の試験体Xの写真を図8に、破砕により生じたコンクリート塊Yの写真を図9に示す。試験体Xは非火薬破砕剤3の破砕圧によって破壊され、上方部10xが図9のような塊で吹き飛ぶとともに、両側方部10yが砕けて横に押し出された。上フランジDの上には芯部分10zが残ったが、この芯部分10zには破砕圧によってひびが入り、簡単に崩れる状態になっていた。
本発明の合成桁コンクリートの撤去方法は、道路橋の鉄筋コンクリート床版を鋼桁Aから撤去する際に用いられるほか、鋼構造物に固定されたコンクリートを撤去(除去)する方法として広く利用可能なものである。
1 切り込み溝
1a 橋軸方向溝
1b 直角方向溝
2 装填孔
3 非火薬破砕剤
4 空間
5 孔埋め材
10 残存コンクリート
10a (残存コンクリート)の上面
10b (残存コンクリート)の下面
10x 上方部
10y 側方部
10z 芯部分
11、11a〜11f 区画領域
A 鋼桁
B 既設鉄筋コンクリート床版
C 床版ブロック
D 上フランジ
E コンクリート
F 鉄筋
X 試験体
Y コンクリート塊

Claims (8)

  1. 合成桁の鉄筋コンクリート床版の支間部を搬出可能な大きさのブロックに切断して撤去し、当該支間部の撤去後の残存コンクリートを撤去する合成桁コンクリートの撤去方法において、
    前記残存コンクリートの橋軸方向と橋軸直角方向の双方又はいずれか一方に切り込み溝を形成して当該残存コンクリートを二以上に区画し、
    前記残存コンクリートに一又は二以上の装填孔を形成し、
    前記装填孔に破砕剤を装填し、
    装填孔に装填した破砕剤の外側に孔埋め材を充填して孔埋めをし、
    前記破砕剤を点火して当該破砕剤の膨張圧で残存コンクリートを破砕し、残存コンクリートを上フランジの上から撤去する、
    ことを特徴とする合成桁コンクリートの撤去方法。
  2. 請求項1記載の合成桁コンクリートの撤去方法において、
    装填孔に装填する破砕剤が非火薬破砕剤である、
    ことを特徴とする合成桁コンクリートの撤去方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載の合成桁コンクリートの撤去方法において、
    装填孔に装填する破砕剤が、ガスの膨張圧を利用する非火薬破砕剤である、
    ことを特徴とする合成桁コンクリートの撤去方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の合成桁コンクリート床版の撤去方法において、
    切り込み溝の形成時に、残存コンクリートとともに当該残存コンクリート内の鉄筋をも切断する、
    ことを特徴とする合成桁コンクリートの撤去方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の合成桁コンクリートの撤去方法において、
    切り込み溝は、残存コンクリートの上面から少なくともその厚さ方向半分よりも下側であって鋼桁の上フランジに到達しない深さとする、
    ことを特徴とする鉄筋コンクリート床版の撤去方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の合成桁コンクリートの撤去方法において、
    装填孔を残存コンクリートの上面から少なくともその厚さ方向半分よりも下側であって鋼桁の上フランジに接触しないように形成する、
    ことを特徴とする合成桁コンクリート床版の撤去方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の合成桁コンクリートの撤去方法において、
    装填孔を残存コンクリートの上面から下向きに又は/及び残存コンクリートの下面側であって鋼桁の上フランジの側方から斜め上向きに形成する、
    ことを特徴とする合成桁コンクリート床版の撤去方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の合成桁コンクリート床版の撤去方法において、
    残存コンクリートの外周を飛散防止用と防音用の双方又はいずれか一方の養生をした後に、破砕剤を点火して残存コンクリートを破砕する、
    ことを特徴とする合成桁コンクリート床版の撤去方法。
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