JP4199219B2 - 静的破砕用補助具及びそれを用いた静的破砕工法 - Google Patents

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Description

本発明は、静的破砕用補助具及びそれを用いた静的破砕工法に関し、詳しくは、破砕対象物に穿孔を設け、該穿孔内に膨張性破砕材を充填し、該破砕材の膨張により破砕対象物を破砕する静的破砕工法に用いる静的破砕用補助具であり、該静的破砕用補助具を用いた静的破砕工法に関する。
従来、塩害や長期使用による老朽化のため補修または改修が必要な道路や橋梁等のコンクリート面を破砕して補修する方法として、ピックハンマやブレーカ等を用いる方法やウォータージェット工法等の、機械的に衝撃振動を加えコンクリート面を破砕する方法が採用されている。前記破砕方法は振動を伴う作業であり、コンクリート等の粉塵が発生し作業環境が悪化する等の問題があり、更に、橋梁等の構造物の下方面あるいは垂直面の破砕作業は、非常な労力を必要としている。またウォータージェットによるはつり作業は装置が大規模なものとなり、後片付けに手間がかかる上、コストが高い。特に、水中におけるコンクリート構造物の破砕には、作業面で大変な手間がかかっている。
また、これらの方法は機械的な衝撃振動が発生するため、コンクリート補修の必要部分のみではなく不必要部分の内部に亀裂が生じる可能性や、鉄筋等の補強部材に損傷を与える可能性があるという問題があった。
これに対し、セメント等の膨張材を破砕材として用いてコンクリート等の構造体を静的に破砕する方法が、提案されている。特許文献1乃至特許文献3においては、特に、破砕対象物に充填された破砕材の吹き出し防止や、破砕材の膨張圧力を有効に利用するため、破砕対象物に設けられた穿孔内において、破砕材を天板と底板とからなる2つの板状体の間に保持する構成が開示されている。
特開昭60−85193号公報 特開昭61−36463号公報 特開平9−234389号公報
図1は、従来の破砕材の保持の様子を示したものである。図1のように、穿孔1の内部に、底板3と天板4を棒状又は紐状のつなぎ材である連結手段で構成される補助具を配置すると共に、該底板3と該天板4との間に、膨張性破砕材2を配置する。この構成により、該破砕材2が膨張することにより、上下方向の圧力は、底板3及び天板4により抑圧され、穿孔口からの破砕材の吹き出しが効果的に抑制される。しかも、この底板3及び天板4の作用により、内部圧力は、穿孔部の穿孔方向に対する垂直な方向(図1の横方向)に主に作用することとなり、破砕対象物を容易に破砕することが可能となる。この際の穿孔1の内壁等に作用する圧力の状態を、図2に示す。
しかしながら、従来のものは、膨張性破砕材の上方向の圧力により天板4が浮き上がるのを防止するため、底板と天板との各面積を同じに構成しており、しかも、膨張性破砕材を底板3と天板4とにより、漏れが無いよう保持する必要があり、図1に示すように天板の位置が、穿孔1の内部に配置されていた。しかも、破砕対象物に穿孔1を形成する場合には、角欠けや穿孔機の軸ぶれなどにより、穿孔口に欠け部6が生じ易く、天板4の位置は、より一層、穿孔1の内部に配置されることとなっていた。
このような従来の補助具を利用する場合には、穿孔1の内部における穿孔方向に対し垂直な方向の圧力分布を見ると、図2の10に示すように、穿孔方向の中央部分を中心とする圧力分布10となり、穿孔口付近(欠け部6近傍)には、殆ど膨張圧が付与されていないこととなる。
上記問題を解決するため、本出願人は、以下の特許文献4及び5において、破砕対象物に穿孔を設け、該穿孔内に膨張性破砕材を充填し、該破砕材の膨張により破砕対象物を破砕する静的破砕工法に用いる静的破砕用補助具において、穿孔内に配置される底板と、該底板より面積が大きくかつ穿孔外に配置される天板と、両者を連結する連結手段とを有することを特徴とする静的破砕用補助具を提案した。
特願2004−292859号(出願日:平成16年10月5日) 特願2005−92990号(出願日:平成17年3月28日)
図3及び図4は、特に、特許文献5に開示される技術を説明する図であり、図3のように、破砕対象物に設けられた穿孔1に対し、穿孔1の下面7から離れた位置に底板3が配置されている。連結用具23の上部には、天板20が固定手段21により連結され、天板20と底板3との間には、膨張性破砕材が穿孔内部に充填されている。
天板は、底板の面積より大きく、好ましくは、穿孔1の口部の面積より大きな面積を有するよう構成すると共に、該天板20を穿孔1外に配置することで、穿孔1の欠け部6が発生している穿孔口部付近にも、十分な膨張性破砕材を充填配置できる。そして、破砕材の膨張圧力は、天板20により、上方圧力が抑えられ、穿孔口の周辺に対して、従来のものより格段に強い破砕力を発生させることが可能となる。参考までに、穿孔方向に対して垂直な方向の圧力分布22を、図3に模式的示す。
図3のように、底板の面積より天板の面積が大きくなるため、破砕材の膨張で底板に加わる下方の力より、天板に加わる上方の力が大きくなり、天板が浮き上がることが懸念されるが、実際には、破砕材の横方向の膨張により、破砕材と穿孔1の内壁面との摩擦力が増加するため、天板の浮き上がりは、殆ど無いことが確認されている。
このように、穿孔の口部付近にも破砕材の膨張圧力を効果的に付与することで、破砕対象物の表面側へのクラック発生を加速することができ、結果として破砕スピードを上げることができる。
しかも、図3に示すように穿孔下面7の付近には隙間が形成されるため、穿孔下面7には全く膨張圧が掛らない。
図4は、袋体25の内部に不図示の膨張性破砕材を収容し、静的破砕用補助具を取り付けた概略図である。
具体的には、袋体25内に、連結手段である連結用具23を取り付けた底板3を挿入し、該袋体を膨張性破砕材で満たす。袋体25の開口は、ヒートシールなど適切な締結手段により閉塞し、袋体25から突出する連結用具23には、天板20、固定手段26及び連結用具を引っ張るための牽引手段24が取り付けられる。
膨張性破砕材を、不織布や繊維状のネットなどのように透水性のある袋体に収容し、カプセル状に小分けして用いる方法が、簡便であり、作業者への安全性も高い。以下では、膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容したカプセルのことを「静的破砕材」という。
他方、静的破砕用補助具を備えた静的破砕材を製造する際には、図4の袋体25内に底板及び連結用具23を収容し、その後、袋体25の開口部(天板20が配置される側)から膨張性破砕材を袋体内に充填することが必要である。
このような作業は、作業自体が煩雑であると共に、製造コストが高くなるという欠点を有している。
しかも、袋体の開口部をヒートシールなどで閉塞した際に、袋体25から連結用具23が突出しているため、袋体の開口部を完全に閉塞することは困難である。このため静的破砕材を取り扱う際に、開口部の隙間から内部の膨張性破砕材が漏出することが危惧される。
本発明の目的は、上記問題を解決し、静的破砕材の製造時に、作業の煩雑化を防止すると共に、製造コストの増加を抑制し、静的破砕材を使用する際には容易に装着可能な静的破砕用補助具を提供することである。
また、静的破砕材に限らず、固練りした膨張性破砕材やスラリー状の膨張性破砕材に対しても使用可能な静的破砕用補助具を提供することである。
しかも、このような静的破砕用補助具を用いることにより、破砕作業を極めて安全かつ効率良く行うことを可能とする静的破砕工法を提供する。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、破砕対象物に穿孔を設け、該穿孔内に膨張性破砕材を充填し、該破砕材の膨張により破砕対象物を破砕する静的破砕工法に用いる静的破砕用補助具において、該穿孔外に配置される天板と、膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した静的破砕材に対し、静的破砕材の外部から挿入可能な先端部、該天板を取り付けるための係合部、及び該係合部に対して該先端部と反対側に突出する把持部を備えた取付具とを有することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の静的破砕用補助具において、該静的破砕材に挿入される該取付具の先端部には、膨張性破砕材の膨張により係止される係止部を有することを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1又は2に記載の静的破砕用補助具において、該天板と該取付具とは一体的に成形されていることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1又は2に記載の静的破砕用補助具において、該天板には、該取付具を貫通配置するための開口又は切り込みによる開口部が形成され、該取付具には、該開口部に係合し、該天板が該静的破砕材から外れるのを防止するように該係合部が形成されていることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の静的破砕用補助具を用いた静的破砕工法において、膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した静的破砕材に対し吸水させる吸水工程と、破砕対象物に設けられた穿孔に、該静的破砕材を挿入配置する静的破砕材挿入工程と、該吸水工程の前後又は該静的破砕材挿入工程の後に、該静的破砕材に該静的破砕用補助具を取付ける補助具取付工程とを有することを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項に記載の静的破砕工法において、該補助具取付工程は、2つ以上の静的破砕材に対し、一つの静的破砕用補助具を取付けることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項に記載の静的破砕工法において、該静的破砕材挿入工程の前に、静的破砕用補助具を有しない静的破砕材を、該穿孔内に予め充填する予備充填工程を有し、その後、穿孔内の残余の空洞に静的破砕用補助具を備えた該静的破砕材を挿入配置することを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項5乃至7のいずれかに記載の静的破砕工法において、膨張性破砕材を含むスラリーを該穿孔内に注入した後、該静的破砕材挿入工程又は該予備充填工程を行うことを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項5乃至7のいずれかに記載の静的破砕工法において、膨張性破砕材を含むスラリーを静的破砕材に付着した後、該静的破砕材挿入工程又は該予備充填工程を行うことを特徴とする。
請求項1に係る発明により、破砕対象物に穿孔を設け、該穿孔内に膨張性破砕材を充填し、該破砕材の膨張により破砕対象物を破砕する静的破砕工法に用いる静的破砕用補助具において、該穿孔外に配置される天板と、膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した静的破砕材に対し、静的破砕材の外部から挿入可能な先端部、該天板を取り付けるための係合部、及び該係合部に対して該先端部と反対側に突出する把持部を備えた取付具とを有するため、静的破砕材に関しては、静的破砕用補助具の部品を内蔵すること無く製造することが可能なため、静的破砕材の製造に係る作業時の煩雑化を防止すると共に、製造コストの増加を抑制することが可能となる。しかも、本発明に係る静的破砕用補助具は、該取付具を静的破砕材に挿入することで容易に天板を取付けることができ、破砕作業を極めて安全かつ効率良く行うことが可能となる。また、静的破砕用補助具を静的破砕材に取り付ける際には、該把持部を持って静的破砕用補助具を容易に静的破砕材に挿入することができ、しかも、静的破砕用補助具を取り付けた静的破砕材を穿孔内に挿入する際に、該把持部を持って容易に静的破砕材を穿孔内に挿入できるなど、静的破砕作業に伴う作業性を改善することが可能となる。
請求項2に係る発明により、静的破砕材に挿入される取付具の先端部には、膨張性破砕材の膨張により係止される係止部を有するため、膨張性破砕材が膨張するに従い、該取付具は静的破砕材の内部でより強固に固定されることとなり、結果として該取付具に保持されている天板で、静的破砕材の膨張を抑圧することが可能となる。
請求項に係る発明により、天板と取付具とは一体的に成形されているため、天板と取付具とを組合わせる作業が不要となり、静的破砕用補助具の取扱いを簡便に行うことが可能となる。
請求項に係る発明により、天板には、取付具を貫通配置するための開口又は切り込みによる開口部が形成され、該取付具には、該開口部に係合し、該天板が該静的破砕材から外れるのを防止するように係合部が形成されているため、異なるサイズ・形状や材質で構成される天板や取付具を、種々に組合わせて使用することができ、静的破砕作業に適合した静的破砕用補助具を提供することが可能となる。
請求項に係る発明により、上述した静的破砕用補助具を用いた静的破砕工法において、膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した静的破砕材に対し吸水させる吸水工程と、破砕対象物に設けられた穿孔に、該静的破砕材を挿入配置する静的破砕材挿入工程と、該吸水工程の前後又は該静的破砕材挿入工程の後に、該静的破砕材に該静的破砕用補助具を取付ける補助具取付工程とを有するため、静的破砕作業を行う際に静的破砕材と静的破砕用補助具とを組合わせるだけで、容易に静的破砕作業を行うことができ、例えば、静的破砕材の保管中に、静的破砕用補助具を取り付けた静的破砕材の中から膨張性破砕材が漏出するなどの不具合を除去することができ、しかも、静的破砕用補助具の取付時期は、吸水工程の前後に限らず、静的破砕材を穿孔内に挿入した後であっても可能であるため、静的破砕作業の作業工程に応じた適切な取付時期を選択することも可能となる。
請求項に係る発明により、補助具取付工程は、2つ以上の静的破砕材に対し、一つの静的破砕用補助具を取付けるため、穿孔の深さが深い又は幅が広い場合など、複数の静的破砕材を同時に穿孔内に充填する必要がある場合でも、単一の静的破砕用補助具を用いて複数の静的破砕材を一体的に構成し、あたかも、単一の静的破砕材のように取り扱うことが可能となる。これにより、多様な形状の穿孔に対し静的破砕作業を簡便に行うことが可能となる。
請求項に係る発明により、静的破砕材挿入工程の前に、静的破砕用補助具を有しない静的破砕材を、穿孔内に予め充填する予備充填工程を有し、その後、穿孔内の残余の空洞に静的破砕用補助具を備えた該静的破砕材を挿入配置するため、穿孔の深さが深い又は幅が広い場合などでも、効率よく静的破砕作業を行うことが可能となる。
請求項に係る発明により、膨張性破砕材を含むスラリーを穿孔内に注入した後、静的破砕材挿入工程又は予備充填工程を行うため、特に穿孔内の最深部に該スラリーが充填され、穿孔内での膨張性破砕材の充填率を高め、より効果的に静的破砕作業を行うことが可能となる。
請求項に係る発明により、膨張性破砕材を含むスラリーを静的破砕材に付着した後、該静的破砕材挿入工程又は該予備充填工程を行うため、特に穿孔の内壁と静的破砕材との隙間に該スラリーが充填され、穿孔内での膨張性破砕材の充填率を高め、より効果的に静的破砕作業を行うことが可能となる。
本発明に係る静的破砕用補助具及びそれを用いた静的破砕工法について以下の好適例により説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の静的破砕用補助具は、破砕対象物に穿孔を設け、該穿孔内に膨張性破砕材を充填し、該破砕材の膨張により破砕対象物を破砕する静的破砕工法に用いる静的破砕用補助具において、該穿孔外に配置される天板と、膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した静的破砕材に対し、静的破砕材の外部から挿入可能な先端部、該天板を取り付けるための係合部、及び該係合部に対して該先端部と反対側に突出する把持部を備えた取付具とを有することを特徴とする。
以下では、静的破砕材を用いた例を中心に説明する。
図5は、本発明の静的破砕用補助具を取付けた静的破砕材の概略を示す図であり、図5(a)は斜視図、図5(b)は、図5(a)の断面図を示す。
静的破砕材30は、透水性のある袋体32の内部に膨張性破砕材31を充填したものであり、通常、スティック状を形成している。静的破砕用補助具40は、軸状の取付具と天板41からなり、特に、取付具は、膨張性破砕材の内部で係止される係止部42を兼ねた先端部、取付具に天板41を固定又は係合させるための接続部(係合部)44、及び作業者が把持するための把持部43とを有している。
取付具と天板との関係は、図5(b)に示すように同一材料で一体的に成形したり、天板と取付具とを別々に形成し、両者を接続部44で接着固定することも可能である。
また、図6に示すように、天板51に開口部55を形成し、該開口部に取付具50を挿入して使用することも可能である。この場合には、取付具50は、図6(a)に示すように、係止部52、把持部53及び天板と係合する係合部54とから構成され、例えば、天板51の開口部55から係止部52を挿入し、係合部54により天板51を不図示の静的破砕材に天板を押し付けることが可能となる。
取付具50に代わるの他の取付具としては、ネジ釘などの既製品でも代用可能であり、例えば、ネジ釘の頂部を係合部として、またネジ山を係止部として使用することができる。さらに、必要に応じて、ネジ釘の頂部と天板との間にワッシャーを介在させることも可能である。
また、上述した天板や取付具の材質は、金属に限らず使用に耐えうる機械的強度を有するものであれば、プラスチック、木材、セラミックなどの材料も利用可能である。
天板51に形成する開口部の形状としては、図6(a)や図7(a)に示すように、円形の開口であっても良いが、これに限らず、図7(b)のように切り込み部56を形成し、後述する取付具の係止部の幅が大きくなった場合でも、必要以上に天板に形成する開口部の面積が多くならないよう抑制することも可能である。天板の開口部の面積は、静的破砕材を押圧する観点から、可能な限り少ない方が好ましい。
取付具の係止部の形状としては、図5(a)に示すように棒状先端に円錐上のアンカー部を形成したものや、図6(a)のように取付具自体を板状体で形成し、先端部に矢印状のアンカー部を形成する。さらに、図8(a)に示すように、係止部を複数の突出部から構成するものや、図8(b)のように先端部を螺旋状に構成するものなど多様な形状が選択可能である。一般的に係止部の横方向の幅が大きくなるに従い、膨張性破砕材の中での取付具を係止する効果は高くなるが、係止部の幅(図5では円錐部の底面の直径、図6では矢印の先端部分の最大幅など)が大きくなると、図6のように天板51の開口部55を貫通させて取付具を装着する場合では、天板の開口部の面積がより大きくなる上、静的破砕材に静的破砕用補助具を装着する際に、静的破砕材の袋体が大きく裂け、収容されている膨張性破砕材が漏出する可能性が高くなるなどの不具合を生じる。これらを総合的に判断して係止部の幅は設定される。
次に、本発明に係る静的破砕工法について説明する。
本発明の静的破砕工法は、膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した静的破砕材に対し吸水させる吸水工程と、破砕対象物に設けられた穿孔に、該静的破砕材を挿入配置する静的破砕材挿入工程と、該吸水工程の前後又は該静的破砕材挿入工程の後に、該静的破砕材に該静的破砕用補助具を取付ける補助具取付工程とを有することを特徴とする。
図9は、静的破砕工法の一例を示したものであり、図9(a)及び(b)のように、水70の中に、静的破砕材30を投入し、静的破砕材の内部に水を浸透させる。
次に、図9(c)のように、含水させた静的破砕材30に静的破砕用補助具40を挿入して取り付け、図9(d)に示す静的破砕用補助具を備えた静的破砕材を作成する。
その後、破砕対象物に予め形成した穿孔1に静的破砕材30を挿入し、破砕対象物を破砕する。
静的破砕材30に静的破砕用補助具40を取付ける作業は、図9のように、静的破砕材に対し吸水させる吸水工程後に行うものに限らず、吸水工程前に静的破砕用補助具を取り付け、その後吸水工程を行うことも可能である。
さらには、静的破砕用補助具を装着しない静的破砕材を吸水工程後に穿孔内に挿入し、その後、静的破砕用補助具を穿孔内に収容した静的破砕材に挿入することも可能である。
静的破砕工法の応用例について更に説明する。
図10及び図11は、膨張性破砕材を含むスラリーを別途形成し、該スラリーと共に静的破砕材を穿孔内に充填する技術を示したものである。
このようなスラリーを使用するものは、本出願人が行った先の出願である特許文献6にも開示されている。
特願2005−223602号(出願日:平成17年8月2日)
図10(a)に示すように、静的破砕材を穿孔1内に挿入した際には、穿孔1の最深部付近80や、静的破砕材の周辺付近81には、空洞などの隙間が形成されやすい。このような隙間は、膨張性破砕材が膨張した場合に膨張性破砕材はこれらの隙間を埋めながら膨張することとなるため、膨張圧力を十二分に高めることが困難となる。
このため図10(b)に示すように、これらの隙間に、別途調整した膨張性破砕材を含むスラリー(膨張性破砕材と水とを混合したもの。必要に応じて増粘剤を添加することも可能である。)82を充填し、穿孔1内における膨張性破砕材の充填率を高め、破砕作業の効率を高めることが可能となる。
スラリーを充填する方法としては、図11に示すように、スラリー90内に含水させた静的破砕材30を投入し、図11(b)のように、静的破砕材の周辺にスラリー92を付着させたり、予め穿孔1内部にスラリー91を投入して置き、その後、静的破砕材を穿孔内に挿入することで、穿孔の内壁と静的破砕材との間の隙間に、スラリーを充填させることができる。
次に、穿孔の深さが深い場合の静的破砕工法について説明する。
図12に示すように、穿孔の深さが深い場合には、一つの静的破砕材では十分に穿孔内を充填することが困難であることから、複数の静的破砕材30を穿孔内に挿入し、穿孔の開口部を覆う位置に静的破砕用補助具40の天板が配置されるよう設定する。
このような静的破砕工法は、本出願人が行った先の出願である特許文献7にも開示されている。
特願2005−218174号(出願日:平成17年7月28日)
静的破砕材30と静的破砕用補助具40との関係は、図12(a)に示すように、静的破砕用補助具を具備しない静的破砕材30を、先ず穿孔内に挿入して置き、その後、静的破砕用補助具40を備えた静的破砕材30を挿入し、該補助具の天板にて穿孔の開口部を塞ぐように構成する。
また、図12(b)に示すように複数の静的破砕材30を貫通するように静的破砕用補助具40を取り付け、複数の静的破砕材を一体的に穿孔内に挿入するよう構成することも可能である。
穿孔の幅が広い場合には、静的破砕材を並列的に配置し、穿孔の内部全体を静的破砕材で充填し、中央付近に配置される静的破砕材のみに静的破砕用補助具を取付け、該補助具の天板で穿孔の開口部全体を覆うよう構成する。
また、静的破砕用補助具の取付具、特に、静的破砕材の内部に挿入される係止部を複数本備えた取付具を用意し、複数の静的破砕材に各係止部を挿入し、単一の静的破砕用補助具で複数の静的破砕材を並列状態に保持するよう構成することも可能である。
図12(a)のように静的破砕用補助具を具備しない静的破砕材を穿孔内に挿入する方法としては、図13に示すように、穿孔の内径よりも小さい外径を有する棒状部101と該棒状部に接続され穿孔の内径より大きな外径を有する押圧部102から構成される専用の冶具100を用いて、静的破砕材30を穿孔内部に挿入するよう構成することも可能である。このような専用冶具については、特許文献7にも開示されている。
本発明に係る静的破砕用補助具は、上述した静的破砕材を使用する場合に限らず、固練りした膨張性破砕材やスラリー状の膨張性破砕材に対しても使用可能である。
例えば、膨張性破砕材に水を添加し固練りした塊状の膨張性破砕材を穿孔内に充填し、その後、静的破砕用補助具の取付具を穿孔内の膨張性破砕材に挿入することにより、容易に天板を穿孔外の開口部に配置することが可能となる。
また、上述したような膨張性破砕材を含むスラリーのみを用いて穿孔内に膨張性破砕材を充填した場合でも、同様にして静的破砕用補助具を配置することが可能である。
なお、固練りした膨張性破砕材とスラリー状の膨張性破砕材とを組合わせて使用することが可能であることは言うまでもない。
以上の説明のように、本発明によれば、静的破砕材の製造時に、作業の煩雑化を防止すると共に、製造コストの増加を抑制し、静的破砕材を使用する際には容易に装着可能な静的破砕用補助具を提供することができる。
また、静的破砕材に限らず、固練りした膨張性破砕材やスラリー状の膨張性破砕材に対しても使用可能な静的破砕用補助具を提供することができる。
しかも、このような静的破砕用補助具を用いることにより、破砕作業を極めて安全かつ効率良く行うことを可能とする静的破砕工法を提供することが可能となる。
従来の静的破砕用補助具を利用した破砕工法を示す図である。 図1の破砕材による内部圧力の状態を示す模式図である。 特許文献5に係る静的破砕用補助具を用いた場合の破砕材による内部圧力状態を示す模式図である。 特許文献5における膨張性破砕材を収容した袋体に静的破砕用補助具を装着した状態を示す図である。 本発明に係る静的破砕用補助具を備えた静的破砕材の概略を示す図である。 静的破砕用補助具の他の実施例を示す図である。 静的破砕用補助具の天板の形状を示す図である。 静的破砕用補助具の係止部の形状を示す図である。 本発明に係る静的破砕工法の一例を示す図である。 スラリーを用いない場合(a)とスラリーを用いた場合(b)の静的破砕材の使用状態を示す図である。 スラリーを用いた静的破砕工法の様子を示す図である。 深い穿孔を有する場合の静的破砕工法の様子を示す図である。 図12の静的破砕用補助具を具備しない静的破砕材の挿入方法を示す図である。
符号の説明
1 破砕対象物に形成された穿孔
2,31 膨張性破砕材
3 底板
4,20,41,51 天板
5,23 連結用具
6 欠け部
10,22 圧力分布
25,32 袋体
21,26 固定手段
30 静的破砕材
40,50 静的破砕用補助具
42,52,60,61 係止部(先端部)
43,53 把持部
44,54 係合部
55 開口部
56 切込み部
70 水
80,81 隙間
82,90,91,92 スラリー
100 専用冶具
101 棒状部
102 押圧部

Claims (9)

  1. 破砕対象物に穿孔を設け、該穿孔内に膨張性破砕材を充填し、該破砕材の膨張により破砕対象物を破砕する静的破砕工法に用いる静的破砕用補助具において、
    該穿孔外に配置される天板と、
    膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した静的破砕材に対し、静的破砕材の外部から挿入可能な先端部、該天板を取り付けるための係合部、及び該係合部に対して該先端部と反対側に突出する把持部を備えた取付具とを有することを特徴とする静的破砕用補助具。
  2. 請求項1に記載の静的破砕用補助具において、該静的破砕材に挿入される該取付具の先端部には、膨張性破砕材の膨張により係止される係止部を有することを特徴とする静的破砕用補助具。
  3. 請求項1又は2に記載の静的破砕用補助具において、該天板と該取付具とは一体的に成形されていることを特徴とする静的破砕用補助具。
  4. 請求項1又は2に記載の静的破砕用補助具において、該天板には、該取付具を貫通配置するための開口又は切り込みによる開口部が形成され、該取付具には、該開口部に係合し、該天板が該静的破砕材から外れるのを防止するように該係合部が形成されていることを特徴とする静的破砕用補助具。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載の静的破砕用補助具を用いた静的破砕工法において、
    膨張性破砕材を透水性のある袋体内に収容した静的破砕材に対し吸水させる吸水工程と、
    破砕対象物に設けられた穿孔に、該静的破砕材を挿入配置する静的破砕材挿入工程と、
    該吸水工程の前後又は該静的破砕材挿入工程の後に、該静的破砕材に該静的破砕用補助具を取付ける補助具取付工程とを有することを特徴とする静的破砕工法。
  6. 請求項に記載の静的破砕工法において、該補助具取付工程は、2つ以上の静的破砕材に対し、一つの静的破砕用補助具を取付けることを特徴とする静的破砕工法。
  7. 請求項に記載の静的破砕工法において、該静的破砕材挿入工程の前に、静的破砕用補助具を有しない静的破砕材を、該穿孔内に予め充填する予備充填工程を有し、その後、穿孔内の残余の空洞に静的破砕用補助具を備えた該静的破砕材を挿入配置することを特徴とする静的破砕工法。
  8. 請求項5乃至7のいずれかに記載の静的破砕工法において、膨張性破砕材を含むスラリーを該穿孔内に注入した後、該静的破砕材挿入工程又は該予備充填工程を行うことを特徴とする静的破砕工法。
  9. 請求項5乃至7のいずれかに記載の静的破砕工法において、膨張性破砕材を含むスラリーを静的破砕材に付着した後、該静的破砕材挿入工程又は該予備充填工程を行うことを特徴とする静的破砕工法。
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