JP2007028844A - バッテリ状態管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】種類の異なるバッテリについて、その開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を統一的に扱うことができるバッテリの状態管理方法を提供する。
【解決手段】バッテリ容量試験についてのJIS規格に準拠した所定レベルの電流値の放電を行わせつつ、時間経過に伴うそのバッテリの出力電圧の推移を計測し、その計測結果を平均化して取得したバッテリの放電特性データに基づいてバッテリの状態管理を行う。また、各バッテリにおける放電試験の放電開始時から出力電圧の値が所定の降下基準電圧値になるまでの所要時間(放電終了時間)を計測し、その放電終了時間が一定の値になるように各バッテリの計測結果の時間軸を規格化するとともに、放電開始時における各バッテリの出力電圧値が所定の放電開始時基準電圧値に一致するように、その出力電圧値を増減シフトした後に、各バッテリの出力電圧値についての平均を行う。
【選択図】図9

Description

本発明は、車両に搭載されるバッテリ(本明細書では、鉛バッテリのことを指す)の状態を管理するバッテリ状態管理方法に関する。
バッテリの内部抵抗を加味してバッテリの状態管理を行う場合、内部抵抗はバッテリの開放電圧(充電残量)等によって変化するため、状態管理を正確に行うためには内部抵抗の開放電圧等に対する依存特性を予め知っておく必要がある。なお、バッテリの開放電圧はそのときの充電残量と相関関係がある。
しかし、従来では、バッテリは種類(容量、グレード、メーカ等)の違いがあるため、これらの影響によりバッテリの内部抵抗の開放電圧等に対する依存特性を統一的に扱うことが困難で、バッテリの種類ごとに内部抵抗の特性を評価して、条件設定等を行う必要があった。
そこで、本発明の解決すべき課題は、種類の異なるバッテリについて、その開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を統一的に扱うことができるバッテリの状態管理方法を提供することである。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明では、車両に搭載されるバッテリの状態を管理するバッテリ状態管理方法であって、略満充電状態にあるバッテリについて、バッテリ容量試験についての試験規格に準拠した所定レベルの電流値の放電を行わせつつ、時間経過に伴うそのバッテリの出力電圧の推移を計測し、前記バッテリにおける前記放電の開始時から前記出力電圧の値が所定の降下基準電圧値になるまでの所要時間を計測し、その所要時間が一定の値になるように、前記バッテリの時間経過に伴う前記出力電圧の推移を時間経過について規格化し、その規格化された出力電圧の変化態様に基づいて、バッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を導出し、その導出した内部抵抗の変化態様に基づいてバッテリの状態管理を行う。
また、請求項2の発明では、車両に搭載されるバッテリの状態を管理するバッテリ状態管理方法であって、略満充電状態にある複数のバッテリについて、バッテリ容量試験についての試験規格に準拠した所定レベルの電流値の放電を行わせつつ、時間経過に伴うそのバッテリの出力電圧の推移を計測し、前記各バッテリにおける前記放電の開始時から前記出力電圧の値が所定の降下基準電圧値になるまでの所要時間を計測し、その所要時間が一定の値になるように、前記各バッテリの時間経過に伴う前記出力電圧の推移を時間経過について規格化し、前記各バッテリの前記放電の進行に伴った各時点における前記出力電圧の各値を、規格化された同一時間上の値について平均化し、その平均化された出力電圧の変化態様に基づいて、バッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を導出し、その導出した内部抵抗の変化態様に基づいてバッテリの状態管理を行う。
また、請求項3の発明では、車両に搭載されるバッテリの状態を管理するバッテリ状態管理方法であって、略満充電状態にあるバッテリについて、バッテリ容量試験についての試験規格に準拠した所定レベルの電流値の放電を行わせつつ、時間経過に伴うそのバッテリの出力電圧の推移を計測し、前記放電の開始時又は開始後所定時間経過時における前記バッテリの前記出力電圧の値である実測初期値が所定の放電開始時基準電圧値に一致するように、その実測初期値の前記放電開始時基準電圧値からのずれ幅に応じて、前記バッテリの前記放電の進行に伴って計測した一連の前記出力電圧の値を増減シフトし、前記バッテリの前記放電の進行に伴った各時点における増減シフトされた前記出力電圧の各値を、同一時間上の値について平均化し、その増減シフトされた出力電圧の変化態様に基づいて、バッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を導出し、その導出した内部抵抗の変化態様に基づいてバッテリの状態管理を行う。
また、請求項4の発明では、車両に搭載されるバッテリの状態を管理するバッテリ状態管理方法であって、略満充電状態にある複数のバッテリについて、バッテリ容量試験についての試験規格に準拠した所定レベルの電流値の放電を行わせつつ、時間経過に伴うそのバッテリの出力電圧の推移を計測し、前記放電の開始時又は開始後所定時間経過時における前記各バッテリの前記出力電圧の値である実測初期値が所定の放電開始時基準電圧値に一致するように、その各実測初期値の前記放電開始時基準電圧値からのずれ幅に応じて、前記各バッテリの前記放電の進行に伴って計測した一連の前記出力電圧の値を増減シフトし、前記各バッテリの前記放電の進行に伴った各時点における増減シフトされた前記出力電圧の各値を、同一時間上の値について平均化し、その平均化された出力電圧の変化態様に基づいて、バッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を導出し、その導出した内部抵抗の変化態様に基づいてバッテリの状態管理を行う。
また、請求項5の発明では、車両に搭載されるバッテリの状態を管理するバッテリ状態管理方法であって、略満充電状態にあるバッテリについて、バッテリ容量試験についての試験規格に準拠した所定レベルの電流値の放電を行わせつつ、時間経過に伴うそのバッテリの出力電圧の推移を計測し、前記放電の開始時又は開始後所定時間経過時における前記バッテリの前記出力電圧の値である実測初期値が所定の放電開始時基準電圧値に一致するように、その実測初期値の前記放電開始時基準電圧値からのずれ幅に応じて、前記バッテリの前記放電の進行に伴って計測した一連の前記出力電圧の値を増減シフトするとともに、前記バッテリにおける前記放電の開始時から前記出力電圧の値が所定の降下基準電圧値になるまでの所要時間を計測し、その所要時間が一定の値になるように、前記バッテリの時間経過に伴う前記出力電圧の推移を時間経過について規格化し、その増減シフト及び規格化された出力電圧の変化態様に基づいて、バッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を導出し、その導出した内部抵抗の変化態様に基づいてバッテリの状態管理を行う。
また、請求項6の発明では、車両に搭載されるバッテリの状態を管理するバッテリ状態管理方法であって、略満充電状態にある複数のバッテリについて、バッテリ容量試験についての試験規格に準拠した所定レベルの電流値の放電を行わせつつ、時間経過に伴うそのバッテリの出力電圧の推移を計測し、前記放電の開始時又は開始後所定時間経過時における前記各バッテリの前記出力電圧の値である実測初期値が所定の放電開始時基準電圧値に一致するように、その各実測初期値の前記放電開始時基準電圧値からのずれ幅に応じて、前記各バッテリの前記放電の進行に伴って計測した一連の前記出力電圧の値を増減シフトするとともに、前記各バッテリにおける前記放電の開始時から前記出力電圧の値が所定の降下基準電圧値になるまでの所要時間を計測し、その所要時間が一定の値になるように、前記各バッテリの時間経過に伴う前記出力電圧の推移を時間経過について規格化し、前記各バッテリの前記放電の進行に伴った各時点における増減シフトされた前記出力電圧の各値を、規格化された同一時間上の値について平均化し、その平均化された出力電圧の変化態様に基づいて、バッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を導出し、その導出した内部抵抗の変化態様に基づいてバッテリの状態管理を行う。
また、請求項7の発明では、請求項1ないし6のいずれかの発明に係るバッテリ状態管理方法であって、前記略新品のバッテリの開放電圧の変化に対する前記内部抵抗の変化態様を表す第1の情報を予め取得しておき、前記略新品のバッテリの開放電圧値である初期基準開放電圧値と、所定負荷を接続して放電を行わせた際の前記略新品のバッテリの出力電圧である初期基準放電時電圧値とを前記電圧検出手段を介して計測し、横軸及び縦軸に前記開放電圧及び前記放電時電圧を採用した2次元座標上における前記初期基準開放電圧値及び前記初期基準放電時電圧値により決まる座標点と原点とを結ぶ直線を基準とし、その直線上の各点を、前記初期基準開放電圧値と前記初期基準放電時電圧値との差分値と、前記第1の記憶手段に記憶された前記第1の情報が表す前記内部抵抗の変化態様とに応じて変化させて得られた座標情報である第2の情報を導出する。
また、請求項8の発明では、請求項1ないし6のいずれかの発明に係るバッテリ状態管理方法であって、導出した前記バッテリの開放電圧の変化に対する前記内部抵抗の変化態様に基づき、略新品のバッテリの各充電残量における内部抵抗値RBの所定の基準内部抵抗値RBIに対する変化率(RB/RBI)を、前記略新品のバッテリの前記各充電残量に対応する開放電圧値VOIの関数f(VOI)として表す関数情報である第1の情報を予め取得しておき、前記略新品のバッテリの開放電圧値である初期基準開放電圧値VOIFと、所定負荷を接続して放電を行わせた際の前記略新品のバッテリの出力電圧である初期基準放電時電圧値VLIFとを前記電圧検出手段を介して計測し、前記第1の記憶手段に記憶された前記関数情報によって与えられる前記関数f(VOI)と、前記計測制御手段によって計測された前記初期基準開放電圧値VOIF及び前記初期基準放電時電圧値VLIFと、関係式:
Figure 2007028844
とを用いて、前記略新品のバッテリの前記開放電圧値VOIと前記放電時電圧値VLIとの関係を表す第2の情報を導出する。
請求項1に記載の発明によれば、バッテリにおける放電の開始時から出力電圧の値が所定の降下基準電圧値になるまでの所要時間を計測し、その所要時間が一定の値になるように、バッテリの時間経過に伴う出力電圧の推移を時間経過について規格化し、その規格化した出力電圧の変化態様に基づいてバッテリの状態管理を行うため、バッテリの容量のバラツキの影響を抑制した状態で、バッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を統一的に扱うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、バッテリ容量試験についての試験規格に準拠した所定レベルの電流値の放電を行わせつつ、時間経過に伴うそのバッテリの出力電圧の推移を計測し、その計測結果を平均化したものに基づいてバッテリの状態管理を行うため、容量、グレード等の種類の異なるバッテリや、種類は同じであっても個体差のあるバッテリについて、その開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を統一的に扱うことができ、その結果、バッテリの種類ごとに内部抵抗の特性評価や条件設定等を行う必要がない。
また、各バッテリにおける放電の開始時から出力電圧の値が所定の降下基準電圧値になるまでの所要時間を計測し、その所要時間が一定の値になるように、各バッテリの時間経過に伴う開放電圧の推移を時間経過について規格化し、その規格化したものを平均化するため、バッテリの容量のバラツキの影響を抑制した状態で、バッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を統一的に扱うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、放電の開始時又は開始後所定時間経過時におけるバッテリの出力電圧の値である実測初期値が所定の放電開始時基準電圧値に一致するように、その実測初期値の放電開始時基準電圧値からのずれ幅に応じて、バッテリの放電の進行に伴って計測した一連の出力電圧の値を増減シフトし、そのシフトした出力電圧の変化態様に基づいてバッテリの状態管理を行うため、バッテリの出力電圧のバラツキの影響を抑制した状態で、バッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を統一的に扱うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、バッテリ容量試験についての試験規格に準拠した所定レベルの電流値の放電を行わせつつ、時間経過に伴うそのバッテリの出力電圧の推移を計測し、その計測結果を平均化したものに基づいてバッテリの状態管理を行うため、容量、グレード等の種類の異なるバッテリや、種類は同じであっても個体差のあるバッテリについて、その開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を統一的に扱うことができ、その結果、バッテリの種類ごとに内部抵抗の特性評価や条件設定等を行う必要がない。
また、放電の開始時又は開始後所定時間経過時における各バッテリの出力電圧の値である実測初期値が所定の放電開始時基準電圧値に一致するように、その各実測初期値の放電開始時基準電圧値からのずれ幅に応じて、各バッテリの放電の進行に伴って計測した一連の出力電圧の値を増減シフトし、そのシフトしたものを平均化するため、バッテリの出力電圧のバラツキの影響を抑制した状態で、バッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を統一的に扱うことができる。
請求項5に記載の発明によれば、バッテリにおける放電の開始時から出力電圧の値が所定の降下基準電圧値になるまでの所要時間を計測し、その所要時間が一定の値になるように、バッテリの時間経過に伴う出力電圧の推移を時間経過について規格化し、その規格化した出力電圧の変化態様に基づいてバッテリの状態管理を行うため、バッテリの容量のバラツキの影響を抑制した状態で、バッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を統一的に扱うことができる。
また、放電の開始時又は開始後所定時間経過時におけるバッテリの出力電圧の値である実測初期値が所定の放電開始時基準電圧値に一致するように、その実測初期値の放電開始時基準電圧値からのずれ幅に応じて、バッテリの放電の進行に伴って計測した一連の出力電圧の値を増減シフトし、そのシフトした出力電圧の変化態様に基づいてバッテリの状態管理を行うため、バッテリの出力電圧のバラツキの影響を抑制した状態で、バッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を統一的に扱うことができる。
請求項6に記載の発明によれば、バッテリ容量試験についての試験規格に準拠した所定レベルの電流値の放電を行わせつつ、時間経過に伴うそのバッテリの出力電圧の推移を計測し、その計測結果を平均化したものに基づいてバッテリの状態管理を行うため、容量、グレード等の種類の異なるバッテリや、種類は同じであっても個体差のあるバッテリについて、その開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を統一的に扱うことができ、その結果、バッテリの種類ごとに内部抵抗の特性評価や条件設定等を行う必要がない。
また、各バッテリにおける放電の開始時から出力電圧の値が所定の降下基準電圧値になるまでの所要時間を計測し、その所要時間が一定の値になるように、各バッテリの時間経過に伴う出力電圧の推移を時間経過について規格化し、その規格化したものを平均化するため、バッテリの容量のバラツキの影響を抑制した状態で、バッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を統一的に扱うことができる。
また、放電の開始時又は開始後所定時間経過時における各バッテリの出力電圧の値である実測初期値が所定の放電開始時基準電圧値に一致するように、その各実測初期値の放電開始時基準電圧値からのずれ幅に応じて、各バッテリの放電の進行に伴って計測した一連の出力電圧の値を増減シフトし、そのシフトしたものを平均化するため、バッテリの出力電圧のバラツキの影響を抑制した状態で、バッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を統一的に扱うことができる。
請求項7及び8に記載の発明によれば、略新品のバッテリの充電残量(開放電圧)の変化に応じた開放電圧の変化に対するバッテリの内部抵抗の変化態様は、バッテリのグレード等が異なってもほぼ共通しているため、その開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を表す第1の情報と、略新品状態にあるときのバッテリの初期基準放電時電圧値と、所定負荷(これは各車両固有のものであってよい)に対する初期基準放電時電圧値とに基づいて、バッテリの状態評価の基準となる略新品状態にあるときのバッテリの開放電圧の変化に対する放電時電圧の変化態様を表す第2の情報を、車種ごとの固有のパラメータ設定を行うことなく、自動的に取得することができ、バラメータ設定のための人的及び装置的コストを軽減できるとともに、同一車種内の車両個体差によるバラツキにも容易に対応できる。
また、初期基準放電時電圧値の検出を行う際にバッテリに接続する所定負荷は、各車両に固有の負荷であってよいので、負荷に車両固有の負荷を用いることにより、バッテリにその車両固有の負荷を接続したときの固有の放電特性を反映した、車両固有のバッテリ評価基準を自動的に取得することができる。
<全体説明>
本実施形態に係るバッテリ状態管理方法の要部について説明する前に、本実施形態に係るバッテリ状態管理方法が適用されるバッテリ状態管理装置の全体的な構成について説明する。
<原理説明>
まず、このバッテリ状態管理装置におけるバッテリ状態の評価原理について説明する。
図1は、劣化状況及び充電残量の異なるバッテリについて開放電圧(バッテリが実質的に放電を行っていないときの出力電圧)とエンジン始動時の下限電圧(エンジン始動時の放電によりバッテリの出力電圧が低下したときのその最低電圧であり、本発明に係る放電時電圧に相当する)とを試験により計測した計測結果を示すグラフである。その横軸は各放電試験におけるエンジン始動時放電開始前のバッテリの開放電圧値に対応し、縦軸は各放電試験におけるエンジン始動時放電中のバッテリの下限電圧値に対応している。また、図1中の曲線G1は新品(実質的に新品であればよい(以下同様))のバッテリについての計測結果に基づいて描いたものであり、曲線G2〜G5は使用されてある程度劣化したバッテリについての計測結果に基づいて描いたものであり、曲線G2,G3,G4の順にバッテリの使用期間が長くなり劣化が進んでいる。なお、充電終了時(エンジン停止時)から一定時間経過時の開放電圧値を用いることにより、バッテリ1の放電特性取得や状態評価等の精度がより向上する。
図1のグラフより、バッテリの劣化が進むにつれて対応する曲線G1〜G5がグラフの概ね右方向(又は右下方向)にシフトしていることが分かる。特に、下限電圧値が所定の基準レベル(例えば、9V)以下の領域では、曲線G1を基準とした曲線G2〜G5の右方向へのシフト量が対応するバッテリの劣化の進みに応じて増加する傾向にあることが分かる。これより、曲線G1に対応した新品のバッテリのエンジン始動時放電特性(各充電残量に応じた各放電電圧値に対するエンジン始動時放電中の下限電圧値)を導出しておけば、これを基準としてバッテリの状態評価を行うことができる。
しかし、エンジン始動時にバッテリに接続される負荷の状況は、車種ごとに大きく相違する。このため、従来の手法を適用して、曲線G1に対応するバッテリのエンジン始動時放電特性を取得しようとすると、例えば、ある一定の基準条件の下で曲線G1に対応するバッテリのエンジン始動時放電特性を試験により検出し、その放電特性に対し、車種ごとに設定した調節パラメータを用いて微調整を行うこととなる。
そこで、本願発明者は、その従来手法の課題に着目し、車体固有の調節パラメータ等を使用することなく、車体固有のエンジン始動時の負荷状況を反映したバッテリのエンジン始動時放電特性等を自動的に取得できるようにすべく、対策を行った。その原理は以下の通りである。
図2は、バッテリのエンジン始動時の放電特性について説明するためのグラフであり、図2のグラフ中の曲線G1は図1の曲線G1に対応している。図3に示すように、エンジン始動時にバッテリ1に接続されるエンジン始動時負荷LS(バッテリの内部抵抗以外の負荷であって、スタータ、その他の抵抗要素等を含む)の抵抗値をRSとし、バッテリ1の内部抵抗値をRBとし、バッテリ1の開放電圧値をVOとし、バッテリ1にエンジン始動時負荷LSを接続して放電を行わせた際の出力電圧の最低値である下限電圧値をVLとすると、これらのパラメータRS,RB,VO ,VLの間には、次の関係が成り立つ。
Figure 2007028844
この式(1)をVLについて解くと次のようになる。
Figure 2007028844
この式(2)において、内部抵抗値RBが開放電圧値VO(すなわち、バッテリ1の充電残量)により変化しないと仮定すると、エンジン始動時負荷LSの抵抗値RSは開放電圧値VOの値に依らず一定であるため、図2のグラフの座標系の原点を通る直線G5に対応した式(値VO,VLの比例関係を表す式)が得られる。
実際には、式(2)における内部抵抗値RBは開放電圧値VO(バッテリ1の充電残量)の減少に伴って増加するため、下限電圧値VLの低下割合は、曲線G1のように開放電圧値VOの減少に伴って増大するようになっている。すなわち、図2のグラフの曲線G1の直線G1からの縦軸マイナス方向への乖離量が開放電圧値VOの減少に伴って徐々に大きくなるのは、開放電圧値VOの減少に伴う部抵抗値RBの増加によるものであるということができる。
そこで、本願発明者は、開放電圧値VO(バッテリ1の充電残量)の減少に伴うバッテリ1の内部抵抗値RBの増加割合は、新品のバッテリ1であればどのバッテリ1についてもほぼ共通した特性であることに着目し、その特性を有効に利用することにより、新品のバッテリ1のエンジン始動時負荷LSに対する車両固有の放電特性を容易に検出することが可能であることに思い至った。
すなわち、新品のバッテリ1における開放電圧値VOの減少に伴う内部抵抗値RBの増加割合に関する情報を予め取得してシステムに記憶させておき、工場での車両組立完成時、出荷時、車両がエンドユーザに引き渡されたとき、又はエンドユーザ引き渡し後一定期間内などのバッテリ1が新品の状態にあるときに、バッテリ1に対するエンジン始動時負荷LSを用いた放電特性(基準となる充電残量における新品のバッテリ1の開放電圧値VOとエンジン始動時負荷LSを接続した際の下限電圧値VL)の計測により、図2のグラフ上における車両固有の1つの計測点を取得し、その計測点と予め記憶された内部抵抗値RBの増加割合に関する情報とに基づいて、新品のバッテリ1のエンジン始動時負荷LSに対する車両固有の放電特性を取得できることが分かった。なお、前記車両固有の計測点については、複数回の計測を行って得られた計測結果について平均化(加重平均を含む)等の数値処理を施したものを利用してもよく、その場合、計測時のバッテリ1の開放電圧(充電残量)の値に応じて開放電圧が最大の計測点について優先的に利用したり、加重平均の寄与度を大きくする等の方法が考えられる。
より具体的には、まず、新品のバッテリ1の充電残量が満充電状態(実質的に満充電状態であればよい(以下同様))であるときの開放電圧値VOIF及び内部抵抗値RBIFと、充電残量が低下したときの各開放電圧値VOIにおける内部抵抗値RBIのRBIFに対する変化率(RBI/RBIF)とを試験により計測する。そして、新品のバッテリ1の開放電圧値VOIの変化に対する内部抵抗値RBIの変化率(RBI/RBIF)を、開放電圧値VOIを変数とした関数(例えば、式(3)のような関数)を近似的に求め、その関数に関する情報を予めシステムに記憶させておく。あるいは、その変形例として、各開放電圧値VOIの値とそれに対応する内部抵抗値RBIの変化率(RBI/RBIF)の各値とをデータテーブルにして予めシステムに記憶させるようにしてもよい。なお、各開放電圧値VOIにおける内部抵抗値RBIの変化率(RBI/RBIF)の具体的な計測方法については後述する。
Figure 2007028844
次に、工場での車両組立完成時等のバッテリ1が新品状態にあり、かつ、バッテリ1が満充電状態であるときに、開放電圧値(初期基準放電電圧値)VOIFと、そのバッテリ1のエンジン始動時負荷LSを接続した際のバッテリ1の下限電圧値(初期基準下限電圧値)VLIFとを計測する。バッテリ1が満充電状態であるか否かの判定は、例えばバッテリ1の開放電圧値を計測し、その値が満充電状態に対応した所定の基準レベル以上になっているか否かを判定することにより行われる。なお、上述の如く、初期基準放電電圧値VOIF及び初期基準下限電圧値VLIFの計測を複数回行ってそれらを平均等したものを利用してもよい。
この初期基準放電電圧値VOIF及び初期基準下限電圧値VLIFについての計測結果と、上式(3)の関数(又はそれと同等なデータテーブル)を用いることにより、車両に搭載された新品のバッテリ1のエンジン始動時負荷LSに対する開放電圧値VOIの変化に伴う下限電圧値VLIの変化を示す関係式は、次式で与えられる。
Figure 2007028844
ここで、上式(4)中のパラメータVLKは、図2のグラフの直線G5上における開放電圧値がVOIであるときの下限電圧値であり、下記の式(5)により与えられる。
Figure 2007028844
式(4)の関係式の導出は、例えば次のようにして行われる。すなわち、上式(1)の関係を図2のグラフにおける座標点PFについて当てはめることを考えた場合、開放電圧値がVOIFのとき(満充電時)の内部抵抗値RBをRBIFとすると、次の関係式(6)が得られる。
Figure 2007028844
また、上式(1)の関係を図2のグラフにおける座標点PIについて当てはめることを考えた場合、開放電圧値がVOIのときの内部抵抗値RBが上式(3)よりRB=f(VOI)・RBIFとして得られるため、次の関係式(7)が得られる。
Figure 2007028844
よって、関係式(6)の右辺を関係式(7)の左辺のパラメータ(RS/RBIF)に代入したものをパラメータVLIについて解くと、上記関係式(4)が得られる。
上式(6)の関係式は、別の観点から見ると、図2のグラフの直線G5を基準として、直線G5上の点を、上式(3)の関係により与えられるその点における開放電圧値VOIに応じたバッテリ1の内部抵抗値の変化率の変化態様に応じたシフト量で縦軸マイナス方向にシフトさせることにより、各充電残量(各開放電圧値VOI)における下限電圧値VLIを導出している。
このように導出した開放電圧値VOIと下限電圧値VLIと関係に関する情報は、車両固有のエンジン始動時負荷LSの抵抗値RSが反映されているため、この情報を用いることにより、車両固有の負荷環境等を反映したバッテリ1の状態評価を行うことができる。
ここで、図2のグラフ中の値VOIE,VLIEは、新品のバッテリ1が充電残量ゼロ(実質的に充電残量がゼロであればよい(以下同様))のときの開放電圧値及び下限電圧値にそれぞれ対応している。また、値VOIF,VOIEの具体例は、例えば12.8V,11.9Vである。
次に、新品のバッテリ1における開放電圧値VOの減少に伴う内部抵抗値RBの増加割合に関する情報の取得方法について概略的に説明する。すなわち、本実施形態では、種類の異なる複数の満充電状態の新品のバッテリ1に、JIS規格に準拠した一定電流値を放電させつつ、そのときのバッテリ1の出力電圧の推移を計測し、その計測結果に基づいて後述する標準化処理及び平均化処理を施すことにより、バッテリ1の種類の違いや個体差による特性の違いやバラツキが標準化及び平均化されたバッテリ1の放電特性データを取得する(この標準化及び平均化された放電特性データの取得方法についての詳細な内容は後述する)。図4のグラフ中の曲線G7は、そうして標準化及び平均化されたバッテリ1の出力電圧の推移を示すものであり、グラフ中の値VAFは放電開始前の満充電状態のバッテリ1の出力電圧値(開放電圧値)であり、前述の値VOIFに対応している。値VAEはバッテリ1の充電残量ゼロに対応する放電終了時の開放電圧値であり、前述の前述の値VOIEに対応している。また、値VBFは放電開始直後のバッテリ1の出力電圧値であり、値VBEはバッテリ1の充電残量ゼロに対応する放電終了時の出力電圧値であり、値TEは充電残量ゼロに対応する放電終了時の時間を示している。また、直線G8は、放電による充電残量の減少に伴って変化するバッテリ1の開放電圧の推移を直線で近似したものである。また、このグラフ中のハッチングを付した領域が、充電残量の減少に伴うバッテリ1の内部抵抗値RBの増加の影響を反映している部分であり、図2及び後述する図5のグラフのハッチングを付した領域に対応している。
なお、上記の値VAF,VAEは、後述する複数の新品のバッテリ1を用いて行う標準放電特性データ取得の試験に伴って、各バッテリ1の放電前(満充電時)及び放電完了後(充電残量ゼロ時)の開放電圧値の値を計測したものを平均して用いるのが望ましい。あるいは、別個の試験を行って値VAF,VAEを決定するようにしてもよい。
続いて、図4のグラフにおける曲線G7上における点と直線G8上における点とのグラフの縦軸方向に沿った差の大きさは、その時点におけるバッテリ1の内部抵抗値RBに比例するため、放電開始時(満充電時)における値VAFと値VBFとの差D2と、放電の過程の直線G8上の各点と曲線G7上の各点との差D3との比率(D3/D2)により、各開放電圧値VOにおける内部抵抗値RBの変化率(RB/RBF)を導出することができる。図5のグラフ中の曲線G9は、そのように導出した開放電圧値VOの変化に対する内部抵抗値RBの変化率(RB/RBF)を示しており、この曲線G9に基づいて前述の式(3)が決定される。
次に、図6を参照して、上式(4),(5)の関係式(又はその関係式と等価な開放電圧値VOIと下限電圧値VLIとを対応付けたデータテーブル)を用いたバッテリ1の状態(劣化度合い及び充電残量)の評価原理について説明する。
まず劣化度合いの評価原理について説明する。図6のグラフ中の曲線G1は、上述のように、予めシステムに記憶させた上式(4),(5)の関係式(又はその関係式と等価な開放電圧値VOIと下限電圧値VLIとを対応付けたデータテーブル)と、上述の初期基準開放電圧値VOIF及び初期基準下限電圧値VLIFとを用いて導出したものである。この図6の曲線G1及び値VOIF,VLIFに関する情報は、システムに記憶されてバッテリ1の状態評価に用いられる。
そして、バッテリ1の使用が開始されている状態において、バッテリ1の劣化度合いを評価する際には、エンジン始動時におけるエンジン始動時負荷LSがバッテリ1に接続される前の開放電圧である使用後開放電圧値VORと、エンジン始動時負荷LSがバッテリ1に接続されたときの下限電圧である使用後下限電圧値VLRとが計測される。このとき、バッテリ1の充電残量は満充電状態である必要はない。
続いて、図6のグラフの曲線G1上における下限電圧値が使用後下限電圧値VLRと等しい値であるときの開放電圧値を対応基準開放電圧値VOSとして導出し、予め記憶された初期基準開放電圧値VOIFとその対応基準開放電圧値VOSとの差である第1の差分値D11と、初期基準開放電圧値VOIFと使用後開放電圧値VORとの差である第2の差分値D12とを比較することにより、その時点におけるバッテリ1の劣化度合いが検出される。
この検出原理は、前述の図1を用いて説明したバッテリ1の劣化度合いが小さいほどグラフ上の計測点(VO,VL)は曲線G1に近づくように略左方向にシフトするという特性を利用したものである。すなわち、バッテリ1の劣化度合いが小さいほど図6のグラフ上の計測点P11(VOR,VLR)は、対応する曲線G1上の座標点P12に近づいてゆくようになっており、その計測点P11の座標点P12に対する近づき度合いに基づいてバッテリ1の劣化度合いを評価するようになっている。
次に、充電残量の評価原理について説明する。充電残量の評価も、劣化度合いの評価と同様に、図6のグラフの曲線G1で表されるバッテリ1が新品のときの放電電圧と下限電圧との関係を用いて行われ、充電残量の評価の際に、使用後開放電圧値VORと使用後下限電圧値VLRとが計測される。なお、記憶部17には、上式(3)の内部抵抗変化率の取得に伴って取得された新品のバッテリ1の充電残量ゼロのときの開放電圧である最低基準開放電圧値VOIEが初期設定として予め記憶されている。
そして、劣化度合いの評価のときと同様にして図6のグラフの曲線G1上における下限電圧値が使用後下限電圧値VLRと等しい値であるときの開放電圧値を対応基準開放電圧値VOSとして導出する。そして、使用が開始されているその時点におけるバッテリ1の充電残量がゼロのときを想定したときの開放電圧である最低使用後開放電圧値VOREを、次のようにして導出する。すなわち、予め取得された初期基準開放電圧値VOIFから最低基準開放電圧値VOIEを引いた値D13に対する初期基準開放電圧値VOIFから最低使用後開放電圧値VOREを引いた値D14の比が、初期基準開放電圧値VOIFから対応基準開放電圧値VOSを引いた値D11に対する初期基準開放電圧値VOIFから使用後開放電圧値VORを引いた値D12の比と等しくなるようにして導出して、最低使用後開放電圧値VOREを導出する。
そして、初期基準開放電圧値VOIFと最低使用後開放電圧値VOREとの差である第3の差分値D21と、使用後開放電圧値VORと最低使用後開放電圧値VOSとの差である第4の差分値D22とを比較することにより、その時点におけるバッテリ1の充電残量を検出するようになっている。
この検出原理は、バッテリ1の充電残量が満充電状態から減少するのに従って、図6のグラフの横軸に平行な仮想線L1上における計測点P11に対応した座標点P21が、満充電残量に対応する座標点P22側から充電残量ゼロ状態に対応する座標点P23側に近づく特性を利用したものである。
<装置構成>
図7は、本発明の一実施形態に係るバッテリ状態管理方法が適用されるバッテリ状態管理装置のブロック図である。このバッテリ状態管理装置は、図7に示すように、電流センサ11、電圧センサ(電圧検出手段)13、処理部15、記憶部17及び出力部19を備えて構成されており、車両に搭載されたバッテリ1の状態を管理する。処理部15は本発明に係る計測制御手段及び第1ないし第3の情報処理手段に相当しており、記憶部17は本発明に係る第1及び第2の記憶手段に相当している。
電流センサ11は、バッテリ1に対する電流の入出力量を検出する。電圧センサ13は、バッテリ1の出力電圧を検出する。処理部15は、CPU等を備えて構成され、バッテリ1の管理のために各種の情報処理動作(制御動作も含む)を行う。記憶部17は、メモリ等により構成され、処理部15が行う各種の情報処理動作に必要な情報等が記憶されている。出力部19は、バッテリ1の状態の判定結果等を出力するためのものである。
<全体の所定動作>
まず、このバッテリ状態管理装置の全体的な処理動作について、図8を参照して説明する。処理部15は、ステップS1でイグニッションスイッチ(以下、「IGスイッチ」という)21がオンされるのに伴って、ステップS2で初期充電残量の検出動作を行う。この検出動作では、バッテリ1の開放電圧が電圧センサ13を介して計測され、その開放電圧の計測値に基づいてバッテリ1のエンジン始動前の充電残量(初期充電残量)が検出される。このとき、バッテリ1が満充電状態であるか否かの判定も行われる。なお、ここで計測されたバッテリ1の開放電圧は後述のステップS5のエンジン始動時状態判定又はステップS6の基準放電特性導出処理に用いられる。
処理部15は、続くステップS3でスタータ23が駆動されて図示しないエンジンが始動されるのに伴って、ステップS4でバッテリ1の基準放電特性の導出処理の要否が判断される。すなわち、車両の組立完成後、基準放電特性の導出処理がまだ行われていない場合には、ステップS6に進み基準放電特性導出処理が行われ、導出処理が既に行われている場合には、ステップS5に進みエンジン始動時状態判定処理が行われる。この基準放電特性の導出が既に行われているか否かの判断は、例えば上式(4),(5)に関する関係式(又はそれと等価なデータテーブル)が記憶部17に記憶されているか否かを判断することにより行われる。また、この基準放電特性の導出は、車両組立完成時等に実質的に1回行えば、バッテリ1を交換するまでは行う必要がない。ステップS6での基準放電特性導出処理又はステップS5での始動時状態判定処理が行われると、ステップS7に進み始動後劣化判定処理が行われる。なお、基準放電特性導出処理及び始動時状態判定処理の具体的内容については後述する。
そして、処理部15は、続くステップS7でエンジン始動後劣化判定動作を行う。この始動後劣化判定動作では、エンジン始動後の充電により満充電(又はそれに近い状態)になったバッテリ1への電流流入状況を電流センサ11を介して検出し、その電流流入状況に基づいてバッテリ1の劣化度が判定される。
また、処理部15は、続くステップS8でバッテリ1に対する充電制御(バッテリ1の充電残量管理)を行う。この充電制御では、電流センサ11の計測電流値を積算することにより、エンジン始動時等の所定の基準時からバッテリ1から放電された全電流量が逐次検出され、その検出結果に基づいてバッテリ1に対して行うべき充電量を決定するようになっている。これによって、走行中におけるバッテリ1の充電残量が所定範囲内に維持されるようになっている。充電量の制御は、例えば、図示しないオルタネータの発電量(出力電圧等)を制御することにより行われる。
このステップS7,S8のエンジン始動後劣化判定動作及び充電制御は、エンジンが停止されるまで繰り返し継続される。
<基準放電特性導出処理>
ここでは、上述の図8のステップS6で行われる基準放電特性処理について説明する。この基準放電特性導出処理の前提として、記憶部17には、新品のバッテリ1の開放電圧値VOIの変化に対する内部抵抗値RBIの変化率(RBI/RBIF)を近似的に表す開放電圧値VOIを変数とした上式(3)のような関数に関する情報(又はそれと等価な開放電圧値VOIと各開放電圧値VOIにおける内部抵抗値RBIの変化率(RBI/RBIF)とを対応付けたデータテーブルに関する情報)を記憶させておく必要がある。
処理部15は、ステップS2での検出によりバッテリ1が満充電状態にある場合にのみ、この基準放電特性導出処理を行うようになっており、仮にバッテリ1が満充電状態でない場合には、その導出処理を行うことなく、例えばステップS7の処理に進むようになっている。そして、次回のエンジン始動時にバッテリ1が満充電状態となっていれば、そのときにステップS6にて基準放電特性導出処理が行われるようになっている。
この導出処理では、上述の如く、エンジン始動時負荷LSがバッテリ1に接続された際の下限電圧値が初期基準下限電圧値VLIFとして電圧センサ13を介して計測され、この初期基準下限電圧値VLIFと直前のステップS2で計測された開放電圧である初期基準開放電圧値VOIFと、上式(3)(又は上式(3)と等価なデータテーブル)とを用いて、車両固有のエンジン始動時負荷LSに対する新品のバッテリ1の基準放電特性が導出される。すなわち、新品のバッテリ1の基準放電特性は、開放電圧値VOIの変化に伴う下限電圧値VLIの変化を示す上式(4)の関係式として導出される。但し、式(4)中のパラメータRLKは上式(5)で与えられる。
本実施形態では、このようにして導出した新品のバッテリ1における開放電圧値VOIの変化と下限電圧値VLIの変化との関係を関係式(4),(5)の形で記憶部17に保存するようになっているが、関係式(4),(5)と実質的に等価なデータテーブル(縦軸及び横軸に開放電圧及び下限電圧をとった2次元座標上の曲線G1を表す座標情報)の形で記憶部17に保存するようにしてもよい。
この基準放電特性導出処理では、その導出処理に用いた初期基準開放電圧値VOIF及び初期基準下限電圧値VLIFが記憶部17に保存されるようになっている。
<始動時状態判定処理>
次に、上述の図8のステップS5で行われる始動時状態判定処理について説明する。なお、この始動時状態判定処理は、バッテリ1の充電残量によらずに実行されるが、ステップS6の基準放電特性導出処理が完了していることが前提条件となっている。
この始動時状態判定処理では、上述の如く、エンジン始動時負荷LSがバッテリ1に接続された際の下限電圧値が使用後下限電圧値VLRとして電圧センサ13を介して計測され、この使用後下限電圧値VLRと、直前のステップS2で計測された開放電圧である使用後開放電圧値VORと、ステップS6の基準放電特性導出処理により取得されて記憶部17に記憶されている情報とに基づいて、その時点におけるバッテリ1の劣化度合い及び充電残量が判定される。
まず劣化度合いの判例処理について説明する。まず、記憶部17に記憶されている関係式(4),(5)によって表される図6のグラフの曲線G1上における下限電圧値が使用後下限電圧値VLRと等しい値であるときの開放電圧値が対応基準開放電圧値VOSとして導出される。あるいは、式(4),(5)における変数VLIに使用後下限電圧値VLRを代入したときの変数VOIの値を対応基準開放電圧値VOSとして導出する。
続いて、記憶部17に記憶された初期基準開放電圧値VOIFとその対応基準開放電圧値VOSとの差である第1の差分値D11と、初期基準開放電圧値VOIFと使用後開放電圧値VORとの差である第2の差分値D12とを比較することにより、その時点におけるバッテリ1の劣化度合いが検出される。例えば、第1の差分値D11に対する第2の差分値D12の比率(図6のハッチングを付した部分C1が対応)に基づいてバッテリ1の劣化度合いが検出される。
次に充電残量の判定処理について説明する。この判定処理では、劣化度合いの判定処理により取得された使用後下限電圧値VLR及び対応基準開放電圧値VOSを利用して処理が行われる。
続いて、その時点におけるバッテリ1の充電残量ゼロを想定したときの開放電圧である最低使用後開放電圧値VOREが、次のようにして導出される。すなわち、予め取得された初期基準開放電圧値VOIFから初期設定により記憶部17に記憶された最低基準開放電圧値VOIEを引いた値D13に対する、初期基準開放電圧値VOIFから最低使用後開放電圧値VOREを引いた値D14の比が、初期基準開放電圧値VOIFから対応基準開放電圧値VOSを引いた値D11に対する初期基準開放電圧値VOIFから使用後開放電圧値VORを引いた値D12の比と等しくなるようにして、最低使用後開放電圧値VOREが導出される。
そして、初期基準開放電圧値VOIFと最低使用後開放電圧値VOREとの差である第3の差分値D21と、使用後開放電圧値VORと最低使用後開放電圧値VOSとの差である第4の差分値D22とが比較されることにより、その時点におけるバッテリ1の充電残量が検出するようになっている。例えば、第3の差分値D21に対する第2の差分値D22の比率(図6のハッチングを付した部分C2が対応)に基づいてバッテリ1の充電残量が検出される。
<標準放電特性データの取得方法>
次に、本実施形態に係るバッテリ状態管理方法におけるバッテリ1の標準的な放電特性データの取得方法について説明する。
まず、本実施形態では、満充電状態にある新品の複数のバッテリ1について、バッテリ容量試験に関するJIS規格(JIS D 5301)に対応した所定の電流値を放電させつつ、バッテリ1の出力電圧を計測するという試験を行う。この試験は、バッテリ1の種類の違いや個体差による特性のバラツキを平均化して、実際に車両に搭載される種々のバッテリ1についての平均的な特性データを取得するため、容量、グレード、メーカ等の種類の異なる種々のバッテリ1について行うのが望ましく、また同一種類内のバッテリ1についても複数のバッテリ1について試験を行うのが望ましい。
ここで、JIS規格(JIS D 5301)の容量試験とは、満充電状態のバッテリ1に、そのバッテリ1の容量に応じた一定電流値(5時間率電流、例えば、12V120Ahの場合は24A)の放電を行わせ、バッテリ1の出力電圧が所定の降下基準電圧値(10.5V)に降下するまで放電を行わせ、出力電圧が降下基準電圧値に到達したときの放電開始時からの経過時間を計測するというものである。本実施形態では、出力電圧の計測間隔は、例えば1秒間隔で行われる。
この放電試験を用いた試験結果をいくつかのバッテリ1についてグラフにすると、図9のようになる。なお、この図9のグラフと後述の図10及び図11のグラフとは、必ずしも同一のデータに基づくものではない。
本実施形態では、この放電試験の結果をそのまま平均化するのではなく、平均化後に得られるデータの精度をより向上させるべく、放電試験の結果を時間パラメータ及び放電開始時の出力電圧値VOについて標準化した後、平均化するようになっている。
まず、放電開始時の出力電圧値VOについての標準化処理について説明する。この処理は、各バッテリ1の放電開始時の出力電圧値VOのバラツキを抑制して、後に平均化処理の精度を向上させるためのものである。各バッテリ1の放電に伴う出力電圧値VOの時間推移を分析すると、各バッテリ1の出力電圧値VOの時間推移の形態は、標準的な出力電圧値VOの時間推移の形態を、放電開始時の出力電圧値VOのバラツキに応じて増減シフト(具体的には、図10のグラフの縦軸方向Aに沿ってシフト)したようなパターンが多いことが分かった。また、図10のグラフに示すように、放電開始直後は、バッテリ1の特性上出力電圧値VOが不安定になりやすく、値のバラツキが大きくなりやすいが、放電開始から所定時間経過後はバラツキが小さくなる傾向があるこも分かった。
そこで、本実施形態では、放電開始時から所定時間経過時Ta(例えば、30秒後、60秒後、300秒後又は600秒後等(本実施形態では、30秒後))における各バッテリ1の出力電圧値VOである初期実測値VSMが、最も標準的な所定の放電開始時基準電圧値VSR(例えば、12.6V)に一致するように、その各実測初期値の放電開始時基準電圧値からのずれ幅(VSM−VSR)に応じて、各バッテリ1の放電の進行に伴って計測した一連の出力電圧値VOを増減シフトするようになっている。この標準化処理により、例えば図10の図示例では、実測値である出力電圧値VOの実線で示すグラフG10が、鎖線で示すように縦軸マイナス方向にシフトされるようになっている。
なお、変形例として、各バッテリ1の放電開始時の出力電圧の実測値(初期実測値VSM)が、所定の放電開始時基準電圧値VSR(例えば、12.6V)に一致するように、その各実測初期値の放電開始時基準電圧値からのずれ幅(VSM−VSR)に応じて、計測した各バッテリ1の一連の出力電圧値VOを増減シフトするようにしてもよい。
次に、放電試験結果の時間パラメータについての標準化処理について説明する。放電試験の結果、JIS規格の容量試験により設定した放電電流値を用いて放電試験を行っても、バッテリ1の容量のバラツキ(規格容量からのずれ)により、放電終了時間(放電開始から出力電圧値VOが所定の降下基準電圧値に到達するまでの時間)にバラツキが生じることが分かった。
そこで、本実施形態では、各バッテリ1の放電終了時間が一定の値(例えば、1、又は18000等)になるように、時間軸(時間パラメータ)について規格化するようになっている。より具体的には、各バッテリ1の計測した一連の出力電圧値VOの計測時刻(放電開始からの経過時間)を、そのバッテリ1の放電終了時間で割り算することにより、時間軸について規格化するようになっている。
図11は、各バッテリ1の放電試験による出力電圧値VOの計測結果について、時間パラメータ及び放電開始時の出力電圧値VOに基づいて標準化を行ったものをグラフ化したものである。図11のグラフより、各バッテリ1の出力電圧値VOの変化態様のバラツキが抑えられていることが分かる。
なお、時間軸についての標準化処理と放電開始時の出力電圧値VOについての標準化処理とのいずれを先に行うかについては、本実施形態では時間軸についての標準化処理の方を先に行うようになっているが、時間軸についての標準化処理の方を先に行うようにしてもよい。
次に、各バッテリ1の放電試験の結果について行う平均化処理について説明する。平均化処理は、標準化により増減シフトされた各バッテリ1の一連の測定値である出力電圧値VOを、標準化された同一の時間パラメータ値(例えば、0から1のいずれかの値)上の各値について平均して平均値を求めてゆくことにより行われる。例えば、3つのバッテリ1についての試験結果がある場合において、時間パラメータ値が0.5に対応する標準化された出力電圧値A1〜A3について平均化する場合、そのA1〜A3の値を加算して3で割り算することにより、パラメータ値が0.5における平均化が行われる。そして、この平均化を全時間パラメータ値について行うことにより全体の平均化が行われる。図12は、その平均化処理によって時間パラメータ上の各出力電圧値VOの平均値が求められた状態を示している。
そして、本実施形態では、上記のようにして得られた種類の違いや個体差について平均化されて標準化された新品のバッテリ1の放電特性(例えば、図12に示すような標準化されたバッテリ1の放電に伴う出力電圧値VOの推移に関するデータ)を用いて、標準的な新品のバッテリ1における出力電圧値VOの減少に伴う内部抵抗値RBの増加割合に関する情報を取得するようになっている。なお、図12(又は図4)のデータに基づいて内部抵抗値RBの増加割合を導出する方法については上述の通りである。
<まとめ>
以上のように、本実施形態によれば、バッテリ容量試験についてのJIS規格に準拠した所定レベルの電流値の放電を行わせつつ、時間経過に伴うそのバッテリ1の出力電圧の推移を計測し、その計測結果を平均化して取得したバッテリ1の放電特性データに基づいてバッテリ1の状態管理を行うため、容量、グレード等の種類の異なるバッテリ1や、種類は同じであっても個体差のあるバッテリ1について、その出力電圧の変化に対する内部抵抗値の変化態様を統一的に扱うことができ、その結果、バッテリ1の種類ごとに内部抵抗の特性評価や条件設定等を行う必要がない。
また、各バッテリ1における放電試験の放電開始時から出力電圧の値VOが所定の降下基準電圧値になるまでの所要時間(放電終了時間)を計測し、その放電終了時間が一定の値になるように、各バッテリ1の時間経過に伴う出力電圧値VOの推移を時間経過について規格化し、その規格化したものを平均化するため、バッテリの容量のバラツキの影響を抑制した状態で、バッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を統一的に扱うことができる。
また、放電試験の放電開始後所定時間経過時における各バッテリ1の出力電圧の値VOである実測初期値VSMが所定の放電開始時基準電圧値VSRに一致するように、その各実測初期値VSMの放電開始時基準電圧値VSRからのずれ幅に応じて、各バッテリ1の放電の進行に伴って計測した一連の出力電圧の値VOを増減シフトし、そのシフトしたものを平均化するため、バッテリ1の出力電圧のバラツキの影響を抑制した状態で、バッテリ1の開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を統一的に扱うことができる。
また、放電試験の放電開始後所定時間経過における各バッテリ1の出力電圧の値VOである実測初期値VSMに基づいて放電開始時の出力電圧値VOについての標準化処理を行うため、放電開始直後の出力電圧の不安定な振る舞いの影響を受けることなく、標準化を行うことができる。
また、新品のバッテリ1の充電残量の変化に応じた開放電圧の変化に対するバッテリ1の内部抵抗の変化率は、バッテリ1のグレード等が異なってもほぼ共通しているため、その内部抵抗変化率と、車両組立完成時等における車両固有のエンジン始動時負荷LSに対するバッテリ1の満充電時の電圧降下特性とにより、バッテリ1の状態評価の基準となる新品状態のバッテリ1の車両固有の放電特性を、各車種固有のパラメータ設定を行うことなく、自動的に取得することができ、バラメータ設定のための人的及び装置的コストを軽減できるとともに、同一車種内の車両個体差によるバラツキにも容易に対応できる。
また、上述の如く、バッテリ1の基準放電特性と、各評価時点におけるエンジン始動時の放電によるバッテリ1の放電特性とに基づいて劣化度合い及び充電残量を評価することにより、車種の違いや車両個体差に対するパラメータ設定等の特別な対策を行うことなく、簡単な演算処理により的確にバッテリ1の劣化度合い及び充電残量を検出することができる。
また、バッテリ1の充電残量に依存することなく、各時点におけるバッテリ1の劣化度合いを検出することができるとともに、バッテリ1の劣化度合いに依存することなく、各時点におけるバッテリ1の充電残量を検出することができる。
また、本実施形態では、バッテリ1の放電時電圧値としてエンジン始動時の放電が行われた際におけるバッテリ1の出力電圧の最低値が用いられるため、バッテリ1の特性を有効に表す放電時電圧値を容易かつ確実に取得することができるとともに、バッテリ1の状態評価のための特別な放電をバッテリ1に行わせる必要がなく、またバッテリ1のエンジン始動能力を的確に評価することができる。なお、この点についての変形例として、バッテリ1のエンジン始動時の放電ではなく他の負荷による放電を用いてバッテリ1の放電特性を検出するようにしてもよい。また、放電時電圧値として放電時のバッテリ1の出力電圧の最低値を用いたが、例えば放電開始時から所定の微小時間経過後の出力電圧値を放電時電圧値として用いるようにしてもよい。
また、新品状態のバッテリ1の放電特性を取得する際のバッテリ1の充電残量の基準として、満充電状態が用いられるため、バッテリ1の充電残量を容易かつ正確に基準状態に設定することができ、その結果、バッテリ1の放電特性を容易かつ正確に検出することができる。この点について、他の充電残量レベルを基準として新品のバッテリ1の放電特性を取得するようにしてもよい。
<変形例>
なお、上述の実施形態によるバッテリ1の状態評価の手法は、各評価時におけるバッテリ1の下限電圧値VLRが高くなるほど信頼性が低下する傾向にあるため、評価結果の信頼性確保のため、下限電圧値VLRが所定の基準レベル以下である場合にのみバッテリ1の劣化度合い及び充電残量の判定を行うようにしてもよい。
また、上述の実施形態に係る図7の装置構成にバッテリ1の温度を計測する温度センサを追加し、バッテリ1の温度を考慮した状態評価を行うようにしてもよい。より具体的には、例えば、各温度における新品のバッテリ1の開放電圧と下限電圧との関係を表す2次元座標情報(この場合、温度を含めて考慮すると3次元座標情報ということもできる)を導出し、それに基づいてその時点の温度における状態評価を行う方法や、温度に依存するパラメータ(開放電圧、下限電圧等)の値を温度補正(例えば、標準温度の値に補正)して状態評価を行うようにしてもよい。
劣化状況及び充電残量の異なるバッテリについて開放電圧とエンジン始動時の下限電圧とを試験により計測した計測結果を示すグラフである。 バッテリのエンジン始動時の放電特性について説明するためのグラフである。 エンジン始動時にバッテリに接続される負荷とバッテリの内部抵抗との関係を模式的に示す回路図である。 JIS容量試験を利用して新品のバッテリの放電時の出力電圧の推移を計測し、そのデータについて所定の平均化処理等を施して得られるデータのグラフである。 放電に伴う開放電圧の変化に対する内部抵抗変化率の推移を示すグラフである。 導出したバッテリのエンジン始動時の放電特性に基づいてバッテリの状態評価を行う原理を説明するためのグラフである。 本発明の一実施形態に係るバッテリ状態管理装置のブロック図である。 図7のバッテリ状態管理装置の全体的な処理動作を示すフローチャートである。 放電試験によるバッテリ出力電圧の計測例を示すグラフである。 放電試験による放電開始直後の出力電圧の振る舞いを示す図である。 放電試験による計測結果を標準化したものをグラフにした図である。 平均化処理によって時間パラメータ上の各出力電圧値の平均値が求められた状態を示す図である。
符号の説明
1 バッテリ
11 電流センサ
13 電圧センサ
15 処理部
17 記憶部
19 出力部
21 IGスイッチ
23 スタータ

Claims (8)

  1. 車両に搭載されるバッテリの状態を管理するバッテリ状態管理方法であって、
    略満充電状態にあるバッテリについて、バッテリ容量試験についての試験規格に準拠した所定レベルの電流値の放電を行わせつつ、時間経過に伴うそのバッテリの出力電圧の推移を計測し、
    前記バッテリにおける前記放電の開始時から前記出力電圧の値が所定の降下基準電圧値になるまでの所要時間を計測し、その所要時間が一定の値になるように、前記バッテリの時間経過に伴う前記出力電圧の推移を時間経過について規格化し、
    その規格化された出力電圧の変化態様に基づいて、バッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を導出し、その導出した内部抵抗の変化態様に基づいてバッテリの状態管理を行うことを特徴とするバッテリ状態管理方法。
  2. 車両に搭載されるバッテリの状態を管理するバッテリ状態管理方法であって、
    略満充電状態にある複数のバッテリについて、バッテリ容量試験についての試験規格に準拠した所定レベルの電流値の放電を行わせつつ、時間経過に伴うそのバッテリの出力電圧の推移を計測し、
    前記各バッテリにおける前記放電の開始時から前記出力電圧の値が所定の降下基準電圧値になるまでの所要時間を計測し、その所要時間が一定の値になるように、前記各バッテリの時間経過に伴う前記出力電圧の推移を時間経過について規格化し、
    前記各バッテリの前記放電の進行に伴った各時点における前記出力電圧の各値を、規格化された同一時間上の値について平均化し、
    その平均化された出力電圧の変化態様に基づいて、バッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を導出し、その導出した内部抵抗の変化態様に基づいてバッテリの状態管理を行うことを特徴とするバッテリ状態管理方法。
  3. 車両に搭載されるバッテリの状態を管理するバッテリ状態管理方法であって、
    略満充電状態にあるバッテリについて、バッテリ容量試験についての試験規格に準拠した所定レベルの電流値の放電を行わせつつ、時間経過に伴うそのバッテリの出力電圧の推移を計測し、
    前記放電の開始時又は開始後所定時間経過時における前記バッテリの前記出力電圧の値である実測初期値が所定の放電開始時基準電圧値に一致するように、その実測初期値の前記放電開始時基準電圧値からのずれ幅に応じて、前記バッテリの前記放電の進行に伴って計測した一連の前記出力電圧の値を増減シフトし、
    前記バッテリの前記放電の進行に伴った各時点における増減シフトされた前記出力電圧の各値を、同一時間上の値について平均化し、
    その増減シフトされた出力電圧の変化態様に基づいて、バッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を導出し、その導出した内部抵抗の変化態様に基づいてバッテリの状態管理を行うことを特徴とするバッテリ状態管理方法。
  4. 車両に搭載されるバッテリの状態を管理するバッテリ状態管理方法であって、
    略満充電状態にある複数のバッテリについて、バッテリ容量試験についての試験規格に準拠した所定レベルの電流値の放電を行わせつつ、時間経過に伴うそのバッテリの出力電圧の推移を計測し、
    前記放電の開始時又は開始後所定時間経過時における前記各バッテリの前記出力電圧の値である実測初期値が所定の放電開始時基準電圧値に一致するように、その各実測初期値の前記放電開始時基準電圧値からのずれ幅に応じて、前記各バッテリの前記放電の進行に伴って計測した一連の前記出力電圧の値を増減シフトし、
    前記各バッテリの前記放電の進行に伴った各時点における増減シフトされた前記出力電圧の各値を、同一時間上の値について平均化し、
    その平均化された出力電圧の変化態様に基づいて、バッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を導出し、その導出した内部抵抗の変化態様に基づいてバッテリの状態管理を行うことを特徴とするバッテリ状態管理方法。
  5. 車両に搭載されるバッテリの状態を管理するバッテリ状態管理方法であって、
    略満充電状態にあるバッテリについて、バッテリ容量試験についての試験規格に準拠した所定レベルの電流値の放電を行わせつつ、時間経過に伴うそのバッテリの出力電圧の推移を計測し、
    前記放電の開始時又は開始後所定時間経過時における前記バッテリの前記出力電圧の値である実測初期値が所定の放電開始時基準電圧値に一致するように、その実測初期値の前記放電開始時基準電圧値からのずれ幅に応じて、前記バッテリの前記放電の進行に伴って計測した一連の前記出力電圧の値を増減シフトするとともに、前記バッテリにおける前記放電の開始時から前記出力電圧の値が所定の降下基準電圧値になるまでの所要時間を計測し、その所要時間が一定の値になるように、前記バッテリの時間経過に伴う前記出力電圧の推移を時間経過について規格化し、
    その増減シフト及び規格化された出力電圧の変化態様に基づいて、バッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を導出し、その導出した内部抵抗の変化態様に基づいてバッテリの状態管理を行うことを特徴とするバッテリ状態管理方法。
  6. 車両に搭載されるバッテリの状態を管理するバッテリ状態管理方法であって、
    略満充電状態にある複数のバッテリについて、バッテリ容量試験についての試験規格に準拠した所定レベルの電流値の放電を行わせつつ、時間経過に伴うそのバッテリの出力電圧の推移を計測し、
    前記放電の開始時又は開始後所定時間経過時における前記各バッテリの前記出力電圧の値である実測初期値が所定の放電開始時基準電圧値に一致するように、その各実測初期値の前記放電開始時基準電圧値からのずれ幅に応じて、前記各バッテリの前記放電の進行に伴って計測した一連の前記出力電圧の値を増減シフトするとともに、前記各バッテリにおける前記放電の開始時から前記出力電圧の値が所定の降下基準電圧値になるまでの所要時間を計測し、その所要時間が一定の値になるように、前記各バッテリの時間経過に伴う前記出力電圧の推移を時間経過について規格化し、
    前記各バッテリの前記放電の進行に伴った各時点における増減シフトされた前記出力電圧の各値を、規格化された同一時間上の値について平均化し、
    その平均化された出力電圧の変化態様に基づいて、バッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を導出し、その導出した内部抵抗の変化態様に基づいてバッテリの状態管理を行うことを特徴とするバッテリ状態管理方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のバッテリ状態管理方法であって、
    前記略新品のバッテリの開放電圧の変化に対する前記内部抵抗の変化態様を表す第1の情報を予め取得しておき、
    前記略新品のバッテリの開放電圧値である初期基準開放電圧値と、所定負荷を接続して放電を行わせた際の前記略新品のバッテリの出力電圧である初期基準放電時電圧値とを前記電圧検出手段を介して計測し、
    横軸及び縦軸に前記開放電圧及び前記放電時電圧を採用した2次元座標上における前記初期基準開放電圧値及び前記初期基準放電時電圧値により決まる座標点と原点とを結ぶ直線を基準とし、その直線上の各点を、前記初期基準開放電圧値と前記初期基準放電時電圧値との差分値と、前記第1の記憶手段に記憶された前記第1の情報が表す前記内部抵抗の変化態様とに応じて変化させて得られた座標情報である第2の情報を導出することを特徴とするバッテリ状態管理方法。
  8. 請求項1ないし6のいずれかに記載のバッテリ状態管理方法であって、
    導出した前記バッテリの開放電圧の変化に対する前記内部抵抗の変化態様に基づき、略新品のバッテリの各充電残量における内部抵抗値RBの所定の基準内部抵抗値RBIに対する変化率(RB/RBI)を、前記略新品のバッテリの前記各充電残量に対応する開放電圧値VOIの関数f(VOI)として表す関数情報である第1の情報を予め取得しておき、
    前記略新品のバッテリの開放電圧値である初期基準開放電圧値VOIFと、所定負荷を接続して放電を行わせた際の前記略新品のバッテリの出力電圧である初期基準放電時電圧値VLIFとを前記電圧検出手段を介して計測し、
    前記第1の記憶手段に記憶された前記関数情報によって与えられる前記関数f(VOI)と、前記計測制御手段によって計測された前記初期基準開放電圧値VOIF及び前記初期基準放電時電圧値VLIFと、関係式:
    Figure 2007028844
    とを用いて、前記略新品のバッテリの前記開放電圧値VOIと前記放電時電圧値VLIとの関係を表す第2の情報を導出することを特徴とするバッテリ状態管理方法。
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