JP2007027631A - 露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 露光性能の劣化を防止できる露光装置を提供する。
【解決手段】 露光装置EXは、最終光学素子FLと基板Pとの間を液体LQで満たす液浸機構1と、最終光学素子FLと液体LQとを介して基板P上にパルス状の露光光ELを照射する照明系30と、最終光学素子FLの液体LQと接触する下面T1での透過率の低下を抑えるために、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度を所定値以上に設定する制御装置7とを備えている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、基板を露光する露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法に関するものである。
半導体デバイス等のマイクロデバイスの製造工程の一つであるフォトリソグラフィ工程では、マスク上に形成されたパターンを投影光学系を介して感光性の基板上に露光する露光装置が用いられる。マイクロデバイスの製造においては、デバイスの高密度化のために、基板上に形成されるパターンの微細化が要求されている。この要求に応えるために露光装置の更なる高解像度化が望まれている。その高解像度化を実現するための手段の一つとして、下記特許文献に開示されているような、投影光学系と基板との間の露光光の光路空間を液体で満たし、液体を介して露光する液浸法が案出されている。
国際公開第99/49504号パンフレット
ところで、投影光学系と基板との間の光路空間を液体で満たしたとき、その液体中に、例えば基板上から発生した不純物が混入する可能性がある。不純物を含んだ液体が投影光学系の光学部材に接触すると、その光学部材が汚染される可能性がある。光学部材の汚染は、露光性能の劣化をもたらす。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、液浸法を適用する場合にも、露光性能の劣化を抑制できる露光方法及び露光装置、並びにその露光方法及び露光装置を用いるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す各図に対応付けした以下の構成を採用している。但し、各要素に付した括弧付き符号はその要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
本発明の第1の態様に従えば、光学部材(FL)を介して基板(P)を露光する露光方法において、光学部材(FL)と基板(P)との間を液体(LQ)で満たす動作と、光学部材(FL)と液体(LQ)とを介して基板(P)上にパルス状の露光光(EL)を照射して基板(P)を露光する動作とを含み、光学部材(FL)の液体(LQ)と接触する液体接触面(T1)での透過率の低下を抑えるために、パルス毎の露光光(EL)のエネルギー密度を所定値以上に設定する露光方法が提供される。
本発明の第1の態様によれば、パルス毎の露光光のエネルギー密度を所定値以上に設定することにより、光学部材の汚染を抑制することができ、露光性能の劣化を抑制することができる。
本発明の第2の態様に従えば、上記態様の露光方法を用いるデバイス製造方法が提供される。
本発明の第2の態様によれば、露光性能の劣化を抑制できるので、所望の性能を有するデバイスを製造することができる。
本発明の第3の態様に従えば、光学部材(FL)を介して基板(P)を露光する露光装置において、光学部材(FL)と基板(P)との間を液体(LQ)で満たす液浸機構(1)と、光学部材(FL)と液体(LQ)とを介して基板(P)上にパルス状の露光光(EL)を照射する照射装置(30)と、光学部材(FL)の液体(LQ)と接触する液体接触面(T1)での透過率の低下を抑えるために、パルス毎の露光光(EL)のエネルギー密度を所定値以上に設定する制御装置(7)とを備えた露光装置(EX)が提供される。
本発明の第3の態様によれば、パルス毎の露光光のエネルギー密度を所定値以上に設定することにより、光学部材の汚染を抑制することができ、露光性能の劣化を抑制することができる。
本発明の第4の態様に従えば、上記態様の露光装置を用いるデバイス製造方法が提供される。
本発明の第4の態様によれば、露光性能の劣化を抑制できるので、所望の性能を有するデバイスを製造することができる。
本発明によれば、露光性能の劣化を抑制することができ、所望の性能を有するデバイスを製造することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。
図1は本実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ3と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ4と、マスクステージ3に保持されているマスクMを露光光ELで照明する照明系30と、露光光ELで照明されたマスクMのパターン像を基板P上に投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置7と、制御装置7に接続され、露光処理に関する各種情報を記憶した記憶装置8とを備えている。なお、ここでいう基板は半導体ウエハ等の基材上に感光材(レジスト)を塗布したものを含み、マスクは基板上に縮小投影されるデバイスパターンを形成されたレチクルを含む。また、本実施形態においては、マスクとして透過型のマスクを用いるが、反射型のマスクを用いることもできる。
本実施形態の露光装置EXは、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くするために液浸法を適用した液浸露光装置であって、投影光学系PLの像面側の露光光ELの光路空間Kを液体LQで満たす液浸機構1を備えている。露光装置EXは、少なくともマスクMのパターン像を基板Pに露光している間、液浸機構1を使って、露光光ELの光路空間Kを液体LQで満たす。露光装置EXは、投影光学系PLと光路空間Kに満たされた液体LQとを介してマスクMを通過した露光光ELを基板P上に照射することによって、マスクMのパターン像を基板Pに露光する。また、本実施形態の露光装置EXは、光路空間Kに満たされた液体LQが、投影光学系PLの投影領域ARを含む基板P上の一部の領域に、投影領域ARよりも大きく且つ基板Pよりも小さい液体LQの液浸領域LRを局所的に形成する局所液浸方式を採用している。また、本実施形態においては、液体LQとして純水を用いる。
本実施形態では、露光装置EXとしてマスクMと基板Pとを走査方向に同期移動しつつマスクMに形成されたパターン像を基板Pに露光する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)を使用する場合を例にして説明する。以下の説明において、水平面内においてマスクMと基板Pとの同期移動方向(走査方向)をY軸方向、水平面内においてY軸方向と直交する方向をX軸方向(非走査方向)、X軸及びY軸方向に垂直で投影光学系PLの光軸AXと一致する方向をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
照明系30は、露光光ELをレーザビームとして射出する光源装置31と、光源装置31より射出された露光光(レーザビーム)ELの断面形状を整形するビーム整形光学系32と、通過する露光光ELのエネルギーを調整するエネルギー調整器33と、エネルギー調整器33から射出され、ミラー34によってその光路を折り曲げられた露光光ELにより2次光源を形成してマスクM上での露光光ELの照度を均一化するフライアイレンズ等を含むオプティカルインテグレータ35と、オプティカルインテグレータ35の光射出面に設けられた開口絞り(σ絞り)36と、リレーレンズ系38を構成する第1、第2リレーレンズ38A、38Bと、マスクM上での露光光ELの照射領域(照明領域)IAを設定するブラインド装置39と、コンデンサレンズ40とを備えている。
光源装置31はエキシマレーザ光源によって構成されている。光源装置31から射出される露光光(レーザビーム)ELとしては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。本実施形態においては、光源装置31としてArFエキシマレーザ光源を用い、露光光ELとしてArFエキシマレーザ光を用いる。なお、光源装置31から射出される露光光EL(レーザビーム)としては、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、及びF2レーザ光のみならず、水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)等を用いることもできる。
光源装置31から射出される露光光(レーザビーム)ELは、ビーム整形光学系32に入射する。ビーム整形光学系32は、光源装置31から射出された露光光ELがオプティカルインテグレータ35に効率良く入射するように、その露光光ELの断面形状を整形するものであって、例えばシリンドリカルレンズやビームエキスパンダ等を備えている。
ビーム整形光学系32を通過した露光光ELは、エネルギー調整器33に入射する。エネルギー調整器33は、そのエネルギー調整器33から射出される露光光ELのエネルギーを調整するものである。エネルギー調整器33は、回転可能なレボルバ上に配置され、露光光ELに対する透過率が互いに異なる複数のNDフィルタを備えている。エネルギー調整器33は、レボルバを回転して、露光光ELの光路上に配置されるNDフィルタを切り換えることにより、そのエネルギー調整器33から射出される露光光ELのエネルギーを複数段階で調整することができる。
エネルギー調整器33から射出された露光光ELは、ミラー34によってその光路を折り曲げられ、オプティカルインテグレータ35に入射する。オプティカルインテグレータ35は、マスクM上での露光光ELの照度を均一化するものであって、ミラー34を介して入射された露光光ELから多数の2次光源を形成する。オプティカルインテグレータ35から射出され、開口絞り36を通過した露光光ELは、反射率が小さく透過率が大きいビームスプリッタ37によって2つの方向に分岐される。
ビームスプリッタ37を透過した露光光ELは、第1リレーレンズ38Aを介してブラインド装置39を通過する。ブラインド装置39は、露光光ELの光路上に設けられ、マスクM上での露光光ELの照射領域(照明領域)IA、及び基板P上での露光光ELの照射領域(投影領域)ARを調整可能である。ブラインド装置39は、マスクMのパターン面に対する共役面近傍に配置されている。本実施形態のブラインド装置39は、複数の板状部材39Aを組み合わせて構成されており、その板状部材39Aを駆動する駆動装置39Dを備えている。そして、これら板状部材39Aによって、露光光ELの光路上に、マスクM上の露光光ELの照射領域(照明領域)IAを設定するための開口39Kが形成される。本実施形態では、開口39Kは矩形状であり、マスクM上での露光光ELの照射領域(照明領域)IA、及び基板P上での露光光ELの照射領域(投影領域)ARは矩形状に設定される。ブラインド装置39によってマスクM上の露光光ELの照射領域(照明領域)IAが設定されることにより、基板P上の露光光ELの照射領域(投影領域)ARも設定される。また、制御装置7は、ブラインド装置39の駆動装置39Dを介して板状部材39Aを駆動することにより、開口39Kの大きさを調整することができる。そして、制御装置7は、ブラインド装置39の開口39Kの大きさを調整することによって、マスクM上での露光光ELの照射領域(照明領域)IAの大きさ、及び基板P上での露光光ELの投影領域(照射領域)ARの大きさを調整することができる。本実施形態では、制御装置7は、ブラインド装置39の駆動装置39Dを用いて板状部材39Aを駆動することにより、走査方向(Y軸方向)及び非走査方向(X軸方向)のそれぞれに対応する方向での開口39Kの幅及び位置を調整することができる。これにより、制御装置7は、走査方向(Y軸方向)及び非走査方向(X軸方向)のそれぞれにおける露光光ELのマスクM上での照射領域(照明領域)IA、及び基板P上での照射領域(投影領域)ARの大きさを調整することができる。
ブラインド装置39を通過した露光光ELは、第2リレーレンズ38B、及びコンデンサレンズ40を介して、マスクステージ3上に保持されたマスクM上の矩形状の照明領域IAを均一な照度分布で照明する。
一方、ビームスプリッタ37へ入射した露光光ELのうち、ビームスプリッタ37で反射した露光光ELは、集光レンズ41を介して計測器42で計測される。計測器42は、露光光ELのエネルギーを計測するものであって、例えば光電変換素子などのインテグレータセンサによって構成されている。計測器42の計測信号は制御装置7に出力される。
マスクステージ3は、リニアモータ等のアクチュエータを含むマスクステージ駆動装置3Dの駆動により、マスクMを保持した状態で、X軸、Y軸、及びθZ方向に移動可能である。マスクステージ3(ひいてはマスクM)の位置情報はレーザ干渉計3Lによって計測される。レーザ干渉計3Lはマスクステージ3上に設けられた移動鏡3Kを用いてマスクステージ3の位置情報を計測する。制御装置7は、レーザ干渉計3Lの計測結果に基づいてマスクステージ駆動装置3Dを駆動し、マスクステージ3に保持されているマスクMの位置制御を行う。
投影光学系PLは、マスクMのパターン像を所定の投影倍率で基板Pに投影するものであって、複数の光学素子を有しており、それら光学素子は鏡筒PKで保持されている。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い最終光学素子FLのみが光路空間Kの液体LQと接触する。
基板ステージ4は、基板Pを保持する基板ホルダ4Hを有しており、ベース部材5上で、基板ホルダ4Hに基板Pを保持して移動可能である。基板ホルダ4Hは、基板ステージ4上に設けられた凹部4Rに配置されており、基板ステージ4のうち凹部4R以外の上面4Fは、基板ホルダ4Hに保持された基板Pの表面とほぼ同じ高さ(面一)になるような平坦面となっている。なお、基板ホルダ4Hに保持された基板Pの表面と基板ステージ4の上面4Fとの間に段差があってもよい。
基板ステージ4は、リニアモータ等のアクチュエータを含む基板ステージ駆動装置4Dの駆動により、基板Pを保持した状態で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動可能である。基板ステージ4(ひいては基板P)の位置情報はレーザ干渉計4Lによって計測される。レーザ干渉計4Lは基板ステージ4に設けられた移動鏡4Kを用いて基板ステージ4のX軸、Y軸、及びθZ方向に関する位置情報を計測する。また、基板ステージ4に保持されている基板Pの表面の面位置情報(Z軸、θX、及びθY方向に関する位置情報)は、不図示のフォーカス・レベリング検出系によって検出される。制御装置7は、レーザ干渉計4Lの計測結果及びフォーカス・レベリング検出系の検出結果に基づいて基板ステージ駆動装置4Dを駆動し、基板ステージ4に保持されている基板Pの位置制御を行う。
また、基板ステージ4上には、例えば特開昭57−117238号公報に開示されているような照度むらセンサ50、及び特開平11−16816号公報(対応米国特許公開2002/0061469号)に開示されているような照射量センサ(照度センサ)51が設けられている。これらセンサの上面は、基板ホルダ4Hに保持された基板Pの表面とほぼ同じ高さ(面一)となっている。
最終光学素子FLの下面T1を通過した露光光ELの照度は、投影光学系PLの像面側に配置されている照度センサ51等を用いて計測することができる。また、投影光学系PLの像面でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度は、最終光学素子FLの下面T1が汚染される前に、照度センサ51等を用いて計測することができる。あるいは、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度を、照明系30の計測器42を用いて計測することもできる。この場合、計測器42の計測信号と、投影光学系PLの像面でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度との相関係数を予め求めておくことにより、計測器42の計測結果と、前記相関係数とに基づいて、投影光学系PLの像面での露光光ELのエネルギー密度を導出することができる。
次に、液浸機構1について説明する。液浸機構1は、露光光ELが通過する投影光学系PLの最終光学素子FLと、その最終光学素子FLと対向する位置に設けられ、基板ステージ4に保持された基板Pとの間の光路空間Kを液体LQで満たす。光路空間Kを満たす液体LQは最終光学素子FLの下面T1と接触し、露光光ELはその最終光学素子FLの下面T1を通過する。
液浸機構1は、光路空間Kの近傍に設けられ、光路空間Kに対して液体LQを供給する供給口12及び液体LQを回収する回収口22を有するノズル部材70と、供給管13、及びノズル部材70の供給口12を介して液体LQを供給する液体供給装置11と、ノズル部材70の回収口22、及び回収管23を介して液体LQを回収する液体回収装置21とを備えている。本実施形態においては、液体LQを供給する供給口12及び液体LQを回収する回収口22は、ノズル部材70のうち、基板Pの表面と対向する下面70Aに設けられている。ノズル部材70の内部には、供給口12と供給管13とを接続する流路、及び回収口22と回収管23とを接続する流路が形成されている。液体供給装置11及び液体回収装置21の動作は制御装置7に制御される。液体供給装置11は清浄で温度調整された液体LQを送出可能であり、真空系等を含む液体回収装置21は液体LQを回収可能である。制御装置7は、液浸機構1を制御して、液体供給装置11による液体供給動作と液体回収装置21による液体回収動作とを並行して行うことで、光路空間Kを液体LQで満たし、基板P上の一部の領域に液体LQの液浸領域LRを局所的に形成する。
次に、光源装置31について説明する。本実施形態の光源装置31は、パルスレーザ光源であって、パルス状の露光光(レーザビーム)ELを射出する。また、光源装置31は、射出する露光光ELのエネルギーを調整することができる。具体的には、光源装置31は、パルス毎の露光光ELのエネルギーを調整することができる。また、光源装置31は、パルス発光周期を調整することができる。
図2は光源装置31の一例を示す概略構成図である。図2において、光源装置31は、レーザ共振器31Aと、レーザ共振器31Aから放出されたレーザビーム(露光光)ELが照射されるビームスプリッタ31Bと、レーザ共振器31Aから放出され、ビームスプリッタ31Bを介したレーザビームのエネルギーを計測するエネルギー計測器31Cと、レーザ共振器31Aから放出されるレーザビームのエネルギーを調整するレーザ制御器31Dと、高圧電源31Eとを備えている。ビームスプリッタ31Bは、大きい透過率及び小さい反射率を有しており、レーザ共振器31Aからパルス的に放出されたレーザビームのうち、ビームスプリッタ31Bを透過したレーザビームは外部に射出される。一方、ビームスプリッタ31Bで反射したレーザビームは、光電変換素子からなるエネルギー計測器31Cに入射し、そのエネルギー計測器31Cに計測される。
レーザ制御器31Dと制御装置7とは接続されており、制御装置7は、レーザ制御器31Dに制御信号を出力可能である。制御装置7には、基板ステージ4上に設けられた照度むらセンサ50、照度センサ51、及び照明系30の計測器42のそれぞれが接続されている。本実施形態では、制御装置7は、照度むらセンサ50、照度センサ51、及び計測器42の少なくとも一部の計測結果に基づいて、レーザ制御器31Dに制御信号を出力する。レーザ制御器31Dは、制御装置7からの制御信号に基づいて、高圧電源31Eの電源電圧を設定することにより、レーザ共振器31Aから射出されるレーザビームの1パルス当たりのエネルギーを設定する。
また、上述のように、レーザ共振器31Aから放出され、ビームスプリッタ31Bで反射したレーザビームは、エネルギー計測器31Cで計測されるようになっており、そのエネルギー計測器31Cの計測信号はレーザ制御器31Dに出力される。レーザ制御器31Dは、制御装置7からの制御信号に加えて、エネルギー計測器31Cからの計測信号をエネルギー制御に用いることもできる。
このように、制御装置7は、レーザ制御器31Dを介して、光源装置31から射出されるレーザビーム(露光光)ELのエネルギーを調整可能である。そして、制御装置7は、光源装置31から射出される露光光ELのエネルギーをパルス毎に調整することによって、所定面上でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度を調整することができる。
ここで、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度とは、露光光ELの1パルス当たりのエネルギーを照射断面積で割って求めた値であって、フルーエンス(fluence)とも呼ばれ、その単位は〔mJ/cm2〕である。
本実施形態においては、制御装置7は、最終光学素子FLの液体LQと接触する下面T1での露光光ELに対する透過率の低下を抑えるために、投影光学系PLの像面近傍の所定面上でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度を所定値以上に調整する。具体的には、制御装置7は、投影光学系PLの最終光学素子FLの液体LQと接触する下面T1、及び投影光学系PLの像面(基板Pの表面)の少なくともいずれか一方でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度を所定値以上に調整する。このことについて、図3及び図4を参照しながら説明する。
図3は露光対象である基板Pの一例を示す図である。図3において、基板Pは、基材Wと、その基材Wの上面の一部に被覆された感光材Rgとを有している。基材Wは、例えばシリコンウエハ(半導体ウエハ)を含むものである。感光材Rgは、基材Wの上面の中央部の殆どを占める領域に、所定の厚み(例えば200nm程度)で被覆されている。一方、基材Wの上面の周縁領域には感光材Rgは被覆されておらず、その上面の周縁領域においては、基材Wが露出している。
図4は投影光学系PLの最終光学素子FLと基板Pとの間の露光光ELの光路空間Kを液体LQで満たしている状態を示す図である。図4に示すように、液浸法に基づいて基板Pを露光する場合、基板Pと液体LQとが接触する。本実施形態の感光材Rgは、化学増幅型レジストであり、ベース樹脂、ベース樹脂中に含まれる光酸発生剤(PAG:Photo Acid Generator)、及びクエンチャーと呼ばれるアミン系物質を含んで構成されている。そのような感光材Rgが液体LQに接触すると、感光材Rgの一部の成分、具体的にはPAGやアミン系物質等が液体LQ中に溶出する。なお、以下の説明において、基板Pから液体LQ中に溶出した物質(PAG、アミン系物質等)を適宜、溶出物質、と称する。ここで、溶出物質は、PAGやアミン系物質に限られず、感光材Rgに含まれる他の物質も含まれる。また、基材Wの一部の物質が基材Wの上面の周縁領域から液体LQ中に溶出したり、あるいは感光材Rgを介して液体LQ中に溶出する可能性もあり、そのような基材Wの一部の物質も溶出物質に含まれる。
光路空間Kに満たされた液体LQは最終光学素子FLの下面T1と接触するため、光路空間Kに満たされた液体LQ中に溶出物質等の不純物が含まれている場合、その液体LQに接触する最終光学素子FLの下面T1に不純物が付着する可能性がある。最終光学素子FLの下面T1に不純物が付着し、その下面T1が汚染されると、最終光学素子FLの下面T1での露光光ELに対する透過率が低下する可能性がある。
そして、その光路空間Kに満たされた液体LQに露光光ELが照射された場合、光化学反応(光化学効果)によって、液体LQに接触している最終光学素子FLの下面T1に対する不純物の付着(汚染、曇り)が促進され、最終光学素子FLの下面T1での露光光ELに対する透過率の低下が促進される可能性がある。
一方、本実施形態においては、露光光ELとして、光洗浄効果を有する紫外光であるArFエキシマレーザ光を用いているため、露光光ELが通過する最終光学素子FLの下面T1の所定領域IBは光洗浄される。すなわち、紫外光である露光光ELが照射されることにより、最終光学素子FLの下面T1の所定領域IBに付着した不純物(有機物)は、酸化分解されて除去される。このように、光洗浄効果を有する露光光ELが照射されることにより、最終光学素子FLの下面T1に付着していた不純物を除去することができ、最終光学素子FLの下面T1での露光光ELに対する透過率の低下を抑制することができる。
このように、最終光学素子FLの下面T1においては、光化学反応によって不純物が付着する現象(透過率を低下させる現象)と、光洗浄効果によって不純物が除去される現象(透過率の低下を抑える現象)との双方が生じる。このような現象が生じる場合、最終光学素子FLの下面T1に付着する不純物の量、すなわち最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下量は、光化学反応による不純物の付着作用と、光洗浄効果による不純物の除去作用とのバランスによって決定される。
したがって、最終光学素子FLの下面T1でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度を最適化することにより、光洗浄効果によって最終光学素子FLの下面T1から不純物が除去される量が、光化学反応によって最終光学素子FLの下面T1に不純物が付着する量よりも多くすることができる。換言すれば、最終光学素子FLの下面T1でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度を最適化することにより、最終光学素子FLの下面T1に付着する不純物の量、すなわち、最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下量を抑えることができる。
以下、最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下を抑えることができる露光光ELのエネルギー密度の最適値を求めるために行った実験及びその結果の一例について図5を参照しながら説明する。
実験は、光路空間Kを所定のPAG等の不純物を含む液体LQで満たした状態で、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度を変えつつ、所定のパルス発光周期で、所定時間、露光光ELを照射し、最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下量を測定した。実験では、その不純物濃度が0.01%の液体(水)LQを用いた。
図5は、最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下量と、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度との関係を示す図である。図5に示すグラフの横軸は、投影光学系PLの像面でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度(単位:mJ/cm2)を示し、縦軸は、最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下量(単位:%)を示している。ここで、最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下量とは、光路空間Kに液体LQを満たした直後(すなわち最終光学素子FLの下面T1に不純物が付着する前)における最終光学素子FLの下面T1を通過した露光光ELの照度をI0、光路空間Kの液体LQに露光光ELを所定時間照射した後(すなわち最終光学素子FLの下面T1に不純物が付着した後)における最終光学素子FLの下面T1を通過した露光光ELの照度をI1としたとき、(1−I1/I0)×100〔%〕で表される値である。
図5に示すように、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度を所定値以上に設定することにより、具体的には、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度を0.6〔mJ/cm2〕以上に設定することにより、最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下を抑えられることが推測できる。一方、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度を小さくすることにより、最終光学素子FLの下面T1での透過率は低下する。
パルス毎の露光光ELのエネルギー密度を小さくした場合、光化学反応による最終光学素子FLの下面T1への不純物の付着量が低下するものの、光洗浄効果も著しく低下するため、最終光学素子FLの下面T1に対する不純物の付着量が増加し、最終光学素子FLの下面T1での透過率が低下すると考えられる。一方、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度を所定値(0.6〔mJ/cm2〕)以上に設定した場合、光化学反応により最終光学素子FLの下面T1に不純物が付着するものの、光洗浄効果が高まるため、最終光学素子FLの下面T1に対する不純物の付着量が抑えられ、最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下を抑えることができると考えられる。
このように、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度を所定値(0.6〔mJ/cm2〕)以上に設定することにより、最終光学素子FLの液体LQと接触する下面T1での透過率の低下を抑えることができる。
なお、上述の所定値(0.6〔mJ/cm2〕)は一例である。例えば、図6に示すように、感光材Rgを覆うように薄膜Tcが設けられている場合、その薄膜Tcによって、図7の模式図に示すように、基板Pが液体LQに接触しても、感光材Rgから液体LQへの溶出物質の溶出が抑制される可能性がある。このように、感光材Rgを覆う薄膜Tcを設けた場合、感光材Rgから液体LQへの溶出物質の溶出を抑制することができるため、液体LQの不純物濃度を十分に低くすることができる。この場合、最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下を抑えるためのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度に関する所定値を、0.6〔mJ/cm2〕よりも小さい値にすることができる。
なお、薄膜Tcは、例えばトップコート膜と呼ばれる保護膜や、反射防止膜(top ARC)等によって構成される。また、薄膜Tcは、感光材Rg上に形成された反射防止膜を覆っているトップコート膜の場合もある。トップコート膜は、例えば液体LQから感光材Rgを保護する機能や、液体LQとの接触角を調整する機能を有するものであって、例えばフッ素系の撥液性材料で形成されている。
また、液体LQ中への溶出物質の溶出量、最終光学素子FLの下面T1に付着する不純物の付着量、あるいは不純物が最終光学素子FLの下面T1に付着したときの、その下面T1での透過率の変化量(低下量)は、溶出物質を含む不純物の特性(物性、種類)に応じて変化する可能性がある。そのため、PAG等を含む感光材Rgの特性(物性、種類)に応じて、最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下を抑えるためのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度に関する所定値を設定することができる。例えば、第1の特性を有する第1溶出物質を含む溶液を第1溶液、第2の特性を有する第2溶出物質を含む溶液を第2溶液とした場合、第1溶液のほうが、第2溶液に比べて、小さい露光光ELのエネルギー密度で、最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下を抑えることができる可能性がある。また、最終光学素子FLの下面T1に対する第1溶出物質の付着量と第2溶出物質の付着量とが同じであっても、例えば第1溶出物質のほうが第2溶出物質よりも透明である場合、第1溶出物質が付着した場合のほうが、最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下を抑えることができる。すなわち、最終光学素子FLの下面T1に対する第1溶出物質の付着量は比較的多くても許容される。したがって、液体LQが第1溶液となるような感光材Rgを用いる場合には、液体LQが第2溶液となるような感光材Rgを用いる場合よりも、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度に関する所定値を小さくすることができる。
このように、感光材Rgに関する情報(物性、種類等の情報を含む)、感光材Rgから溶出する物質に関する情報(物性、種類等の情報を含む)、薄膜Tcの有無に関する情報、及び基材Wの情報等、基板Pに関する情報に応じて、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度に関する所定値を最適化することができる。そして、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度を所定値以上に設定することにより、最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下を十分に抑えることができる。なお、薄膜Tcの物質が液体LQ中に溶出する可能性がある場合には、薄膜Tcからの溶出物質の情報も基板Pに関する情報とすることができる。
最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下を抑えるためのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度に関する所定値は、基板Pに応じて、図5を参照して説明したような実験、あるいはシミュレーションを行うことによって予め求めておくことができる。本実施形態では、露光される基板Pに関する情報と、その基板Pを露光したときの最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下を抑えることができるパルス毎の露光光ELのエネルギー密度の最適値との関係が、実験あるいはシミュレーションによって予め求められ、記憶装置8に記憶される。
なお、基板Pに応じてパルス毎の露光光ELのエネルギー密度に関する所定値を変更するようにしてもよいが、複数種類の基板Pに対して共通の所定値を用いるようにしてもよい。例えば、各種の実験やシミュレーションを行って、基板Pの条件(感光材Rgの特性等)や液浸条件(液体の供給量、回収量等)にかかわらず、最終光学素子FLの下面T1の透過率の低下を抑制できるような共通の所定値を決めてもよい。例えば、図5を参照して説明した実験条件は、最終光学素子FLの下面T1が汚染されやすい厳しい条件であり、実際に基板Pを液浸露光するときの条件は、図5を参照して説明した実験条件よりも、最終光学素子FLの下面T1が汚染され難い条件である可能性が十分高い。そのため、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度を、共通の所定値として、0.6〔mJ/cm2〕以上に設定することにより、最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下を十分に抑えることができる。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法について、図8のフローチャート図を参照しながら説明する。
ここで、以下の説明においては、制御装置7は、基板Pに応じて、最終光学素子FLの下面T1でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度を調整するものとする。また、記憶装置8には、露光される基板Pに関する情報と、その基板Pを露光したときの最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下を抑えることができる最終光学素子FLの下面T1でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度の最適値との関係が予め記憶されているものとする。
基板Pを液浸露光する前に、制御装置7は、基板ステージ4を駆動し、投影光学系PLの最終光学素子FLと基板ステージ4上の照度センサ51とを対向させる。そして、制御装置7は、光源装置31を駆動し、光源装置31を含む照明系30よりパルス状の露光光ELを射出する。照明系30より射出されたパルス状の露光光ELは、投影光学系PLに入射する。投影光学系PLに入射されたパルス状の露光光ELは、最終光学素子FLの下面T1を通過した後、投影光学系PLの像面側に設けられた基板ステージ4上の照度センサ51に照射される。このように、制御装置7は、投影光学系PLの像面側に設けられた照度センサ51を用いて、最終光学素子FLの下面T1を通過した露光光ELを計測する(ステップSA1)。照度センサ51の計測結果は制御装置7に出力される。制御装置7は、照度センサ51の計測結果に基づいて、投影光学系PLの像面でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度を求めることができる。
ここで、照度センサ51は、投影光学系PLの像面位置(又はその近傍)で露光光ELを計測しているが、本実施形態では、投影光学系PLの像面でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度と、最終光学素子FLの下面T1でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度との関係(相関係数)が予め求められている。制御装置7は、投影光学系PLの像面近傍で照度センサ51を用いて計測した計測結果と、前記相関係数とに基づいて、最終光学素子FLの下面T1でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度を導出することができる。なお、最終光学素子FLの下面T1と投影光学系PLの像面との距離は、例えば1〜5mm程度と短いため、投影光学系PLの像面近傍で照度センサ51を用いて計測した計測結果に基づいて導出した投影光学系PLの像面でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度を、最終光学素子FLの下面T1でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度としてもよい。
照度センサ51を用いて露光光ELを計測するとき、マスクステージ3にはマスクMが保持されている。したがって、照度センサ51は、マスクMを通過した露光光ELを計測することとなる。また、照度センサ51を用いて露光光ELを計測するとき、制御装置7は、液浸機構1を用いて、最終光学素子FLと照度センサ51の上面との間を液体LQで満たす。すなわち、制御装置7は、照度センサ51を用いて、最終光学素子FLの下面T1を通過した露光光ELを液体LQを介して計測する。照度センサ51の上面や基板ステージ4の上面4Fから液体LQに対する不純物の溶出(混入)はほぼ無いため、照度センサ51は清浄な液体LQを介して露光光ELを計測することができる。なお、照度センサ51を用いて露光光ELを計測するとき、最終光学素子FLと照度センサ51の上面との間を液体LQで満たさない状態で計測するようにしてもよい。すなわち、制御装置7は、照度センサ51を用いて、最終光学素子FLの下面T1を通過した露光光ELを液体LQを介さずに計測するようにしてもよい。
制御装置7は、照度センサ51を用いて計測した、最終光学素子FLの下面T1を通過したパルス毎の露光光ELのエネルギー密度の計測結果に基づいて、露光光ELのエネルギー密度を調整する(ステップSA2)。制御装置7は、最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下が抑えられるように、光源装置31を調整することによって、最終光学素子FLの下面T1でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度を所定値以上に設定する。図2等を参照して説明したように、制御装置7は、光源装置31のレーザ制御器31D等を用いて、光源装置31から射出される露光光ELのエネルギーを調整することによって、最終光学素子FLの下面T1でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度を調整することができる。
上述のように、最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下を抑えるためのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度に関する所定値は、基板Pに関する情報に応じて予め求められており、記憶装置8に記憶されている。制御装置7は、記憶装置8の記憶情報を参照し、基板Pに関する情報に応じて、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度を所定値以上に設定する。
制御装置7は、基板Pに対する目標積算露光量と、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度とに応じて、露光光ELを照射するときの露光条件を設定する(ステップSA3)。制御装置7は、目標積算露光量と、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度とに応じて、パルス発光周期、投影領域ARの大きさ(走査方向の幅)、及び基板Pの移動速度を少なくとも一部を調整する。
例えば設定されたパルス毎の露光光ELのエネルギー密度の設定値が高く、目標積算露光量が小さい場合には、制御装置7は、その目標積算露光量を実現するために、パルス発光周期Tpを長くする。これにより、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度を高くした状態で、小さい目標積算露光量を実現することができる。
また、上述のように、本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板PとをY軸方向(走査方向)に移動しながらマスクMのパターン像を基板Pのショット領域のそれぞれに露光する。このような構成において、例えば設定されたパルス毎の露光光ELのエネルギー密度が高く、目標積算露光量が小さい場合には、制御装置7は、その目標積算露光量を実現するために、基板Pの移動速度を速くする。これにより、露光光ELのエネルギー密度を高くした状態で、小さい目標積算露光量を実現することができる。
また、図1などを参照して説明したように、投影領域ARの大きさは、照明系30に設けられたブラインド装置39を用いて調整することができる。例えば、設定された露光光ELの密度が高く、目標積算露光量が小さい場合には、制御装置7は、基板P上での目標積算露光量を実現するために、Y軸方向における投影領域ARの大きさ(幅)を小さくする。こうすることによっても、露光光ELのエネルギー密度を高くした状態で、小さい目標積算露光量を実現することができる。
また、目標積算露光量が小さい場合に限られず、所定の目標積算露光量を実現するために、制御装置7は、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度に応じて、露光条件を最適化する。
露光条件を設定した後、制御装置7は、基板Pの液浸露光を開始する(ステップSA4)。制御装置7は、液浸機構1を用いて、投影光学系PLの最終光学素子FLと基板Pとの間の露光光ELの光路空間Kを液体LQで満たした状態で、その最終光学素子FLと液体LQとを介して基板Pを露光する。制御装置7は、1つのショット領域の露光終了後に、基板P(基板ステージ4)をステッピング移動して次のショット領域を露光開始位置に移動し、以下、ステップ・アンド・スキャン方式で基板Pを移動しながら複数のショット領域を順次走査露光する。
制御装置7は、最終光学素子FLの液体LQと接触する下面T1での透過率の低下を抑えるために、ステップSA2で設定したパルス毎の露光光ELのエネルギー密度の下で、基板P上にパルス状の露光光ELを照射する。また、制御装置7は、ステップSA3で設定した露光条件の下で基板Pを露光する。また、制御装置7は、液浸機構1により、最終光学素子FLと基板Pとの間に液体LQを供給する動作と液体LQを回収する動作とを並行して行いつつ、最終光学素子FLと液体LQとを介して基板P上にパルス状の露光光ELを照射する。
なお、基板Pを液浸露光するときには、最終光学素子FLの下面T1に対する不純物の付着、すなわち最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下を抑えるために、制御装置7は、光路空間Kに対する単位時間当たりの液体供給量及び液体回収量の少なくとも一方を調整することができる。制御装置7は、供給口12から光路空間Kに対する単位時間当たりの液体供給量を多くすることで、光路空間Kを満たす液体LQ中の不純物濃度を低下することができる。したがって、最終光学素子FLの下面T1に対する不純物の付着、すなわち最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下を抑えることができる。また、光路空間Kに対する単位時間当たりの液体供給量及び液体回収量を多くすることで、光路空間Kを流れる液体LQの流速を高めることができる。したがって、最終光学素子FLの下面T1に付着した不純物を洗い流して、最終光学素子FLの下面T1に対する不純物の付着を抑える効果が期待できる。
また、単位時間当たりの液体供給量及び/又は液体回収量の調整は、基板Pの感光材Rgが低感度の場合にも有効である。例えば、基板Pに応じて設定されたエネルギー密度の露光光ELでは、目標積算露光量を実現できない場合に、目標積算露光量が実現されるように、露光光ELのエネルギー密度を所定値よりも小さく設定するとともに、単位時間当たりの液体供給量及び又は液体回収量を増やして、最終光学素子FLの下面T1の透過率の低下を防止することができる。
また、目標積算露光量を実現できる範囲内で、液体LQの供給と回収とを行いつつ、基板Pの移動速度を遅くすることによっても、最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下を抑えることができる可能性がある。例えば、基板Pの表面と液体LQとが接触した直後、基板Pの表面から液体LQ中に溶出可能な溶出物質(PAGなど)のうちの大部分が短時間のうちに溶出し、その後の溶出量が急激に低減するような場合、基板Pの移動速度を遅くした状態で、光路空間Kに対する液体LQの供給量と回収量とを多くすることにより、最終光学素子FLの下面T1に対する不純物の付着を抑えることができる可能性がある。すなわち、基板Pからの溶出物質を含んだ液体LQは直ちに回収されるので、最終光学素子FLは不純物濃度が十分に小さい液体LQと接触することなる。したがって、基板Pの移動速度を遅くするとともに、液体LQの供給量及び回収量を多くすることにより、最終光学素子FLの下面T1に不純物が付着することを防止できる。
以上説明したように、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度を所定値以上に設定することにより、最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下を抑えることができ、露光性能の劣化を抑制することができる。
最終光学素子FLの下面T1に不純物が付着し、最終光学素子FLの下面T1での透過率が低下したり、あるいは透過率に分布(むら)が生じた場合、基板P上での積算露光量(ドーズ量)が低下したり、積算露光量に分布(むら)が生じる等の不都合が生じる可能性がある。また、最終光学素子FLの下面T1に付着した不純物によって、露光光ELが最終光学素子FLの下面T1を通過するときに乱反射してフレアが生じるといった不都合が生じる可能性もある。また、最終光学素子FLの下面T1の透過率が低下した状態で露光光ELを照射し続けると、最終光学素子FLの温度が変化(上昇)し、投影光学系PLの結像特性に影響を与える不都合が生じる可能性もある。本実施形態では、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度を最適化して、最終光学素子FLの下面T1に不純物が付着することを抑えることによって、最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下を抑えるようにしたので、上述の不都合の発生を抑えることができる。また、最終光学素子FLが汚染した場合には、最終光学素子FLを洗浄したり、汚染していない新たなものと交換する等のメンテナンス処理を実行することが考えられるが、最終光学素子FLの汚染を抑制することで、メンテナンス処理の実行回数を低減することができる。また、基板Pへ到達する露光光ELのエネルギー低下を抑えることができるため、露光装置EXのスループット低下を防止できる。
本実施形態では、露光光ELとして、光洗浄効果を有する紫外光を用いているので、露光光ELの照射により、最終光学素子FLの下面T1を光洗浄することができ、最終光学素子FLの下面T1に付着した不純物(有機物)を除去することができる。また、露光光ELが照射されることにより、最終光学素子FLの下面T1の親液性を維持する(高める)ことができる。したがって、最終光学素子FLの下面T1に液体LQを密着することができ、例えば液体LQ中に気泡が生成されてしまうといった不都合を防止できる。
なお、上述の実施形態においては、投影光学系PLの像面側でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度を調整するために、光源装置31から射出される露光光ELのエネルギーを調整しているが、例えば照明系30のエネルギー調整器33を用いて、所定面上でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度を調整することも可能である。エネルギー調整器33は、その透過率が互いに異なる複数のNDフィルタを有しており、射出する露光光ELのエネルギーを調整可能である。したがって、制御装置7は、エネルギー調整器33から射出される露光光ELのエネルギーを調整することによって、基板P上での露光光ELのエネルギー密度を調整可能である。また、光源装置31及びエネルギー調整器33のそれぞれを制御することによって、所定面上でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度を調整することも可能である。すなわち、本実施形態においては、制御装置7は、光源装置31及びエネルギー調整器33の少なくとも一方を用いて、所定面上でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度を調整可能である。
なお、上述の実施形態においては、投影光学系PLの像面側の所定面上でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度を、投影光学系PLの像面側に配置された照度センサ51を用いて計測し、その計測結果に基づいて、エネルギー密度を調整しているが、照度むらセンサ50を用いて計測するようにしてもよい。あるいは、照明系30に設けられた計測器42を用いて計測するようにしてもよい。この場合、計測器42の出力信号と、投影光学系PLの像面でのパルス毎の露光光ELのエネルギー密度との相関係数を予め求めておくことにより、制御装置7は、計測器42の計測結果と前記相関係数とに基づいて、投影光学系PLの像面で所望のパルス毎の露光光ELのエネルギー密度が得られるように、光源装置31及びエネルギー調整器33の少なくとも一方を制御することができる。
なお、上述の実施形態において、例えば所定時間間隔毎、所定処理基板枚数毎、あるいはロット毎に、照度センサ51(又は照度むらセンサ50)を用いて、露光光ELのエネルギー密度(照度)を計測するようにしてもよい。基板Pを露光した枚数や、時間経過に伴って、最終光学素子FLの下面T1に付着した不純物の量が徐々に増し、最終光学素子FLの下面T1での透過率が徐々に低下する可能性があるが、照度センサ51を用いて露光光ELを計測することにより、最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下量を把握することができる。そして、制御装置7は、その計測結果に基づいて、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度や露光条件を再設定(更新)することができる。例えば、最終光学素子FLの下面T1での透過率が低下した場合には、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度を上げることにより、光洗浄効果による不純物の除去を促進することができる。そして、パルス毎の露光光ELのエネルギー密度を変えた場合には、基板P上で目標積算露光量が得られるように、露光条件(パルス発光周期、投影領域ARの大きさ、及び基板Pの移動速度の少なくとも一部)を再設定(更新)する。
なお、上述の実施形態においては、パルス状の露光光ELの場合について説明したが、連続光の場合には、最終光学素子FLの下面T1での透過率の低下を抑えるために、所定面上での連続光のエネルギー(パワー、照度)を調整することができる。そして、連続光のエネルギーを調整した場合には、そのエネルギーと基板Pに対する目標積算露光量とに応じて、露光光ELを照射するときの露光条件を設定することができる。
上述したように、本実施形態における液体LQは純水により構成されている。純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できるとともに、基板P上のフォトレジストや光学素子(レンズ)等に対する悪影響がない利点がある。また、純水は環境に対する悪影響がないとともに、不純物の含有量が極めて低いため、基板Pの表面、及び投影光学系PLの先端面に設けられている光学素子の表面を洗浄する作用も期待できる。
そして、波長が193nm程度の露光光ELに対する純水(水)の屈折率nはほぼ1.44程度と言われており、露光光ELの光源としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いた場合、基板P上では1/n、すなわち約134nmに短波長化されて高い解像度が得られる。更に、焦点深度は空気中に比べて約n倍、すなわち約1.44倍に拡大されるため、空気中で使用する場合と同程度の焦点深度が確保できればよい場合には、投影光学系PLの開口数をより増加させることができ、この点でも解像度が向上する。
本実施形態では、投影光学系PLの先端に光学素子FLが取り付けられており、この光学素子により投影光学系PLの光学特性、例えば収差(球面収差、コマ収差等)の調整を行うことができる。なお、投影光学系PLの先端に取り付ける光学素子としては、投影光学系PLの光学特性の調整に用いる光学プレートであってもよい。あるいは露光光ELを透過可能な平行平面板であってもよい。
なお、液体LQの流れによって生じる投影光学系PLの先端の光学素子と基板Pとの間の圧力が大きい場合には、その光学素子を交換可能とするのではなく、その圧力によって光学素子が動かないように堅固に固定してもよい。
なお、本実施形態では、投影光学系PLと基板P表面との間は液体LQで満たされている構成であるが、例えば基板Pの表面に平行平面板からなるカバーガラスを取り付けた状態で液体LQを満たす構成であってもよい。
また、上述の実施形態の投影光学系は、先端の光学素子の像面側の光路空間を液体で満たしているが、国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、先端の光学素子の物体面側の光路空間も液体で満たす投影光学系を採用することもできる。
なお、本実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい、例えば、露光光ELの光源がF2レーザである場合、このF2レーザ光は水を透過しないので、液体LQとしてはF2レーザ光を透過可能な例えば、過フッ化ポリエーテル(PFPE)やフッ素系オイル等のフッ素系流体であってもよい。また、液体LQとしては、その他にも、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系PLや基板P表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なもの(例えばセダー油)を用いることも可能である。
また、液体LQとしては、屈折率が1.6〜1.8程度のものを使用してもよい。更に、石英や蛍石よりも屈折率が高い(例えば1.6以上)材料で光学素子FLを形成してもよい。
なお、上記各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
また、露光装置EXとしては、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で第1パターンの縮小像を投影光学系(例えば1/8縮小倍率で反射素子を含まない屈折型投影光学系)を用いて基板P上に一括露光する方式の露光装置にも適用できる。この場合、更にその後に、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で第2パターンの縮小像をその投影光学系を用いて、第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光するスティッチ方式の一括露光装置にも適用できる。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、本発明は、特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報、特表2000−505958号公報などに開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
更に、特開平11−135400号公報や特開2000−164504号公報に開示されているように、基板を保持する基板ステージと基準マークが形成された基準部材や各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。
また、上述の実施形態においては、投影光学系PLと基板Pとの間に局所的に液体を満たす露光装置を採用しているが、本発明は、特開平6−124873号公報、特開平10−303114号公報、米国特許第5,825,043号などに開示されているような露光対象の基板の表面全体が液体中に浸かっている状態で露光を行う液浸露光装置にも適用可能である。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6,778,257号公報に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスクを用いてもよい。
また、国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図9に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する露光処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
1…液浸機構、7…制御装置、30…照明系(照射装置)、EL…露光光、EX…露光装置、FL…最終光学素子(光学部材)、LQ…液体、P…基板、Rg…感光材、T1…下面(液体接触面)、W…基材
Claims (16)
- 光学部材を介して基板を露光する露光方法において、
前記光学部材と前記基板との間を液体で満たす動作と、
前記光学部材と前記液体とを介して前記基板上にパルス状の露光光を照射して前記基板を露光する動作とを含み、
前記光学部材の前記液体と接触する液体接触面での透過率の低下を抑えるために、パルス毎の露光光のエネルギー密度を所定値以上に設定する露光方法。 - 前記露光光は、光洗浄効果を有する紫外光を含む請求項1記載の露光方法。
- 前記基板は、基材と該基材上に被覆された感光材とを有し、
前記基板に関する情報に応じて、前記露光光のエネルギー密度を設定する請求項1又は2記載の露光方法。 - 前記基板に関する情報は、前記感光材の情報を含む請求項3記載の露光方法。
- 前記基板に関する情報は、前記感光材から溶出する物質に関する情報を含む請求項3又は4記載の露光方法。
- 前記露光光のエネルギー密度を0.6〔mJ/cm2〕以上に設定する請求項1〜5のいずれか一項記載の露光方法。
- 前記露光光を前記基板上に照射するときの前記基板上での目標積算露光量と前記露光光のエネルギー密度とに応じて、前記露光光を照射するときの露光条件を調整する請求項1〜6のいずれか一項記載の露光方法。
- 前記露光条件は、パルス発光周期を含む請求項7記載の露光方法。
- 前記露光光を所定の照射領域に照射するとともに、前記露光光と前記基板とを所定方向に相対的に移動しつつ露光し、
前記露光条件は、前記所定方向における前記照射領域の大きさ、及び前記露光光と前記基板との相対的な移動速度の少なくとも一方を含む請求項7又は8記載の露光方法。 - 前記光学部材の前記液体接触面を通過した前記露光光を計測し、前記計測結果に基づいて、前記エネルギー密度を調整する請求項1〜9のいずれか一項記載の露光方法。
- 前記光学部材と前記基板との間に液体を供給する動作と液体を回収する動作とを並行して行いつつ前記露光光を照射する請求項1〜10のいずれか一項記載の露光方法。
- 前記透過率の低下を抑えるために、単位時間当たりの液体供給量及び液体回収量の少なくとも一方を調整する請求項11記載の露光方法。
- 前記液体は水を含む請求項1〜12のいずれか一項記載の露光方法。
- 請求項1〜請求項13のいずれか一項記載の露光方法を用いるデバイス製造方法。
- 光学部材を介して基板を露光する露光装置において、
前記光学部材と前記基板との間を液体で満たす液浸機構と、
前記光学部材と前記液体とを介して前記基板上にパルス状の露光光を照射する照射装置と、
前記光学部材の前記液体と接触する液体接触面での透過率の低下を抑えるために、パルス毎の露光光のエネルギー密度を所定値以上に設定する制御装置とを備えた露光装置。 - 請求項15記載の露光装置を用いるデバイス製造方法。
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