JP2007025456A - 電子写真装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高硬度・高弾性変形率であっても特徴的な突発傷が発生しない電子写真感光体を有し、高寿命で、かつ電子写真特性、耐久画像特性が良好な電子写真装置を提供する。
【解決手段】電子写真感光体と、該電子写真感光体に当接配置された帯電部材によって該電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置と、該電子写真感光体に形成された現像剤像を転写材に転写するために用いる中間転写体と、該電子写真感光体の表面をクリーニングするためのクリーニング装置とを有する電子写真装置において、
該電子写真感光体の表面のユニバーサル硬さ値(HU)が150〜220N/mmであり、該電子写真感光体の表面の弾性変形率が48〜65%であり、該電子写真感光体の表面の十点平均面粗さRzが0.2μm以上であり、該電子写真感光体の表面の凹凸の平均間隔Smが10〜200μmであることを特徴とする電子写真装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真装置に関する。
電子写真感光体には該感光体に適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気的特性、更には光学的特性を備えていることが要求される。特に繰り返し使用される感光体にあっては、その感光体表面に帯電、画像露光、トナー現像、紙、中間転写体への転写、クリーニング処理といった電気的、機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。具体的には、摺擦による表面の摩耗や傷の発生に対する耐久性、帯電による表面劣化、例えば転写効率や滑り性の低下に対する耐久性、感度低下、電位低下などの電気特性の劣化に対する耐久性が要求される。
感光体として、低価格、生産性等の利点から有機材料を用いた感光体が普及している。有機感光体としては有機光導電性染料や顔料を含有した電荷発生層と光導電性ポリマーや低分子の有機光導電性物質を含有した電荷輸送層を積層してなる感光層からなる機能分離型感光体が主流である。そして、感光層表面に位置する層(以下、表面層ともいう)の多くは、ポリマー中に有機光導電性物質を分散させた分子分散ポリマーからなっており、感光体の機械的強度はそのポリマーに依存している。近年の高画質化、高寿命化に伴い、感光体の機械的強度に対する耐久性は十分とは言いがたい。具体的には、高画質を満足させるため高感度を目的とした組成で表面層が形成されていると、感光体を反復して使用した際、クリーニングブラシやクリーニングブレード等の摺擦により感光体表面に傷が生じたり、表面が摩耗したりする。一方、高寿命を満足させるため耐摩耗性を目的とした組成で表面層が形成されていると、感光体の感度は低くなり、残留電位が上昇する等電子写真特性を満足することができない。更に、反復使用時に削れや感光体に傷が発生すると、その表面の粗度が上がり、微視的に見ると膜厚差が生じ、微少範囲で感光体容量に変化をもたらすため、感度の均一性に問題が生じる。
これらの問題に対処するため、電荷輸送層用の樹脂を特定の硬化性の樹脂で形成した感光体が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、電荷移動層に炭素−炭素二重結合を有するモノマーを含有させ、熱あるいは光のエネルギーによって反応させて電荷移動層硬化膜を形成した感光体が知られている(例えば、特許文献2または3参照)。しかし、感度と表面の摩耗や傷の発生に対する耐久性の両面を十分満足できるものにするという点で改良の余地があった。
ところで、機械的な劣化の度合を知る一つの尺度として硬度があり、定量的に数値化することが試みられている。その例として、従来から多く用いられている引っ掻き硬度試験、鉛筆硬度試験やビッカース硬度試験等がある。しかしながら、これらの試験を用いて高い硬度を示す感光体でも、低い硬度を示す感光体より傷が発生しやすかったり、削れやすかったり、また、削れにくいが傷は発生してしまったりする場合があり、硬度と摺擦による表面の摩耗や傷の発生との関係は必ずしも一致していなかった。
また、硬度は測定方法にもよるが、その多くは膜の変形量から定量的に数値化されている。しかし、変形には塑性変形と弾性変形があり、これらの物性を考慮せずに全変形量のみで硬度をとらえるにはやはり無理があった。近年では、硬度計の技術開発の発展により測定装置の高度化が進み、塑性変形、弾性変形を含めた膜の物性を精度よく測定することができるようになってきている。
有機感光体に求められる性能の1つに機械的劣化に対する耐久性の向上が挙げられる。一般的に外部応力に対する変形量が小さいほど膜の硬度は高い値を示すことから、感光体も当然の如く鉛筆硬度やビッカース硬度が高いものの方が機械的劣化に対する耐久性が向上すると考えられていた。
特開平02−127652号公報 特開平05−216249号公報 特開平07−072640号公報
しかし、本発明者らはこれらの測定により得られる硬度の値が高い感光体が必ずしも機械的劣化に対する耐久性を向上させることができるわけではないことを確認した。そこで、検討を重ねた結果、ユニバーサル硬さ値(HU)と弾性変形率との値を、特定の範囲に規定することで、その要件を満足した感光体が機械的劣化に対する耐久性を向上させることができることを見出した。この特定の範囲とは、25℃、湿度50%の環境下で、ビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて感光体の硬度を試験した時、荷重6mNで押し込んだ時のHUが150〜220N/mmの範囲をいい、かつ、弾性変形率が48〜65%の範囲をいう。また、より好ましくはHUが160〜200N/mmの範囲であるとよい。図1参照。
HUと弾性変形率を切り離してとらえることはできないが、例えばHUが220N/mmを超え、弾性変形率が低い感光体である場合には、感光体の弾性力が不足しているためにクリーニングブレードや帯電ローラに挟まれた紙粉やトナーが擦られる際、感光体に傷が生じ、それに伴い削れも生じる。また、HUが220N/mmを超え、弾性変形率が例え高い感光体である場合でも弾性変形量は小さくなってしまうために、結果として局部的に大きな圧力がかかり感光体に深い傷が生じる。よって、HUの高い感光体が必ずしも好ましいものとはならない。
一方、HUが220N/mm以下で弾性変形率が65%より大きい感光体である場合には、弾性変形率が例え高くても塑性変形量も大きくなってしまうためにクリーニングブレードや帯電ローラに挟まれた紙粉やトナーが擦られる際、感光体に削れや細かい傷が生じる。また、HUが220N/mm以下で弾性変形率が48%未満である感光体、およびHUが150N/mm未満である感光体の場合は、塑性変形量が非常に大きく削れおよび傷が生じる。
上記高硬度・高弾性変形率感光体を有する電子写真装置において、更なる高速化、高画質化を達成する場合、感光ドラムに要求される目標レベルが異なる。従来問題視されなかった上記高硬度・高弾性変形率感光体表面の突発的な鋭い傷が大きな課題となる。この傷は、従来の感光体の傷と異なり特徴的である。感光ドラム当接部材(クリーニングブレード、帯電ローラなど)に異物が挟まった時の突発傷形状が従来の有機感光(OPC)ドラムに比べて、幅が狭く鋭くなりかつ傷両端部が盛り上がる。図2参照。特に高画質対応のために、現像剤キャリア粒径が小さくなると、現像時等にキャリアが感光ドラム表面に付着し、キャリアがクリーニングブレード等に挟まる。高画質化のために使用されるキャリアの体積平均粒径は数十μmであるが、微紛成分、数μmレベルの物も少なからず存在する。特に粒径の小さいキャリアが感光ドラム表面に突発傷を誘発することがある。
高硬度・高弾性変形率感光ドラム表面形状は、突発的な傷が発生した場合、図2のように、従来の感光ドラム表面傷に比べ、鋭利でかつ傷の両端が盛り上がっている。
上記傷に追従するには更に軟らかい中間転写体表面を必要とするが、中間転写体の耐久性が課題となってしまう。軟らかい中間転写体表面は塑性変形を起こしやすく、中間転写体表面に傷や、摩耗が発生する。
従って、本発明は、高硬度・高弾性変形率であっても特徴的な突発傷が発生しない電子写真感光体を有し、高寿命で、かつ電子写真特性、耐久画像特性が良好な電子写真装置を提供することを課題とする。
そこで、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、電子写真感光体の硬度を試験した時のユニバーサル硬さ値と弾性変形率とその電子写真感光体表面粗さを所望の範囲にある電子写真感光体を用いることにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、支持体および該支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体と、
該電子写真感光体に当接配置された帯電部材によって該電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置と、
帯電した該電子写真感光体の表面に静電潜像を形成するための画像情報書き込み装置と、
該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像剤により顕像化することによって該電子写真感光体の表面に現像剤像を形成するための現像装置と、
中間転写体と、
該電子写真感光体に形成された現像剤像を該電子写真感光体の表面から該中間転写体の表面に一次転写するための一次転写部材と、
該中間転写体の表面に一次転写された現像剤像を該中間転写体の表面から転写材に二次転写するための二次転写部材と、
該中間転写体に一次転写されずに該電子写真感光体の表面に残留する現像剤をクリーニング部材によって該電子写真感光体の表面から除去するためのクリーニング装置と
を有する電子写真装置において、
該電子写真感光体の表面のユニバーサル硬さ値(HU)が150〜220N/mmであり、該電子写真感光体の表面の弾性変形率が48〜65%であり、該電子写真感光体の表面の十点平均面粗さRzが0.2μm以上であり、該電子写真感光体の表面の凹凸の平均間隔Smが10〜200μmであることを特徴とする電子写真装置である。
表面粗さはJISB B0601−1994を使用。
また、本発明は、上記電子写真感光体の表面層が、熱、光または放射線によって硬化された硬化物を含有する上記電子写真装置である。
本発明により、高硬度・高弾性変形率であっても特徴的な突発傷が発生しない電子写真感光体を有し、高寿命で、かつ電子写真特性、耐久画像特性が良好な電子写真装置が可能になった。
以下、本発明を詳細に説明する。
<電子写真感光体について>
本発明に用いる電子写真感光体は、支持体上に感光層を有する構成からなり、25℃、湿度50%の環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて該電子写真感光体の硬度を試験した時、荷重6mNで押し込んだ時のユニバーサル硬さ値(HU)が150〜220N/mmを示し、かつ、弾性変形率が48〜65%を示すものである。中間転写体に関しては、荷重0.1mNで押し込んで測定している。
更に、本発明に用いる中間転写体はユニバーサル硬さ値(HU)が感光体のユニバーサル硬さ値より小さく、かつ、弾性変形率が48%以上を示すことが好ましい。
ここで、ユニバーサル硬さ値(HU)、および弾性変形率は、圧子に連続的に荷重をかけ、荷重下での押し込み深さを直読することにより連続的硬さが求められる微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて測定することができる。圧子としては対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を使用することができる。具体的には、最終荷重6mNまで段階的に(各点0.1Sの保持時間で273点)測定する。
フィシャースコープH100V(Fischer社製)の出力チャートの概略を図7に示す。また、フィシャースコープH100V(Fischer社製)によって本発明に用いる電子写真感光体を測定した結果の1例を図8に示す。これらの図中、縦軸は荷重F(mN)を、横軸は押し込み深さh(μm)を示す。これらの図は、段階的に荷重を増加させ6mNまで荷重をかけ、その後同様に段階的に荷重を減少させた時の結果を示している。
本発明において、ユニバーサル硬さ値(以下、HUともいう)は、最終荷重6mNで押し込んだ時の同荷重下での押し込み深さから下記式(1)により求めることができる。
弾性変形率は、圧子が膜に対して行った仕事量(エネルギー)、すなわち圧子の膜に対する荷重の増減によるエネルギーの変化より求めることができ、具体的には下記式(2)により求めることができる。
弾性変形率=We/Wt (2)
上記式中、全仕事量Wt(nJ)は図7中のA−B−D−Aで囲まれる面積を示し、弾性変形仕事量We(nJ)はC−B−D−Cで囲まれる面積を示している。
HUと弾性変形率との値が上記特定の範囲にある感光体を得るのに、感光体の表面層を後述する連鎖重合性官能基を少なくとも1つ以上有する正孔輸送性化合物を用いて形成することが有効である。
本発明で表面層とは、感光体における感光層を構成する層であって、電子写真感光体の表面に位置する層をいう。感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質とを同一の層に含有する単一層で構成させたもの(以下、単層型ともいう)であってもよいし、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層させて構成させたもの(以下、積層型ともいう)であってもよい。より好ましくは積層型の感光層である方がよい。本発明でいう表面層は、感光層が上記単一層である場合には該層が相当し、該層の上に更に保護層を形成させた場合には保護層が相当する。また、感光層が上記積層型である場合は電荷輸送層が相当し、該電荷輸送層上に更に保護層を形成させた場合には保護層が相当する。
本発明で連鎖重合性官能基を少なくとも1つ以上有する正孔輸送性化合物とは、公知の正孔輸送性化合物の一部に連鎖重合性官能基が化学結合している化合物をいう。例えば、特開2000−66424号公報中に記載されている化合物を利用することができる。連鎖重合性官能基は同一分子内に少なくとも1つ以上、好ましくは2つ以上有しているとよい。連鎖重合性官能基の具体例としては、アクリロイルオキシ基(CH=CHCOO−)あるいはメタクリロイルオキシ基(CH=C(CH)COO−)が挙げられる。
以下、本発明に用いる電子写真感光体について、その製造方法も含めて更に詳しく説明する。
電子写真感光体の支持体としては、導電性を示すものであって硬度の測定に影響を与えない範囲内のものであれば、特に制限なく使用することができる。例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛およびステンレスなどの金属や合金をドラム状に成形したものなどが使用できる。
本発明では、支持体の上にバリアー機能と接着機能を持つ下引き層を設けるとよい。下引き層は感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体上の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、または感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。下引き層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわおよびゼラチンなどを用いることができる。これらを適当な溶剤に溶解し、支持体上に塗布する。その際、下引き層の膜厚としては0.1〜2μmが好ましい。
次に、下引き層の上に感光層を形成する。
電荷発生層と電荷輸送層とを機能分離し積層させた積層型感光層を形成する場合には、下引き層上に電荷発生層、電荷輸送層の順で積層する。
ここで、電荷発生層に用いる電荷発生物質としては、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、また各種の中心金属および結晶系、より具体的には例えばα、β、γ、εおよびX型などの結晶型を有するフタロシアニン化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニンおよび特開昭54−143645号公報に記載のアモルファスシリコーンなどが挙げられる。
この積層型感光体の場合、電荷発生層は上記電荷発生物質を質量基準で0.3〜4倍量の結着樹脂および溶剤と共にホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライターおよびロールミルなどの方法を用いて分散させ、該分散液を下引き層上に塗布し乾燥させることにより形成させるか、または上記電荷発生物質の単独組成からなる膜を蒸着法などを用いることにより下引き層上に形成させる。電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特に0.1〜2μmの範囲であることが好ましい。
上記結着樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体および共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などを用いることができる。
本発明において表面層は、上述した連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合あるいは架橋させることにより形成することができる。表面層は、電荷発生層上に電荷輸送層として形成されているか、もしくは電荷発生層上に電荷輸送物質と結着樹脂からなる電荷輸送層を形成させた後にその上に保護層として形成されている。いずれの場合も、正孔輸送性化合物を含有する溶液を成膜し、該正孔輸送性化合物を重合あるいは架橋し、膜を硬化させることにより表面層を形成することができる。溶液を成膜する方法としては、例えば浸漬コーティング法、スプレイコーティング法、カーテンコーティング法およびスピンコーティング法などの塗布法を用いて行うことができる。中でも効率性/生産性の点から、浸漬コーティング法が好ましい。また、蒸着、プラズマその他の公知の成膜方法も適用できる。上記重合あるいは架橋は、熱や可視光、紫外線等の光、更に放射線等を用いて行うことができる。そこで、例えば上記正孔輸送性化合物と必要によっては重合開始剤を含有させた表面層用の塗工液を用いて形成した膜に、熱を加えるか光や放射線を照射することにより、本発明における表面層を形成するとよい。
なお、中でも放射線を用いるのがより好ましい。なぜなら放射線による重合は重合開始剤を特に必要としないからである。これにより非常に高純度な三次元マトリックスの表面層を作製することができ、良好な電子写真特性を示す感光体を得ることができるからである。上記放射線とは電子線またはγ線などである。電子線を照射する場合には、スキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型およびラミナー型などの加速器を用いて行うことができる。HUと弾性変形率との値が上記特定の範囲にあり、電気特性および機械的劣化に対する耐久性を向上させた本発明に用いる感光体を得る上で、電子線の照射条件を考慮することは重要である。例えば、本発明において、加速電圧は250kV以下であると好ましく、より好ましくは150kV以下である。また、照射線量は0.1〜100Mradの範囲であると好ましく、より好ましくは0.5〜20Mradの範囲である。加速電圧が上記を越えると電気特性の劣化が起こりやすい。また、照射線量が上記範囲よりも少ない場合には表面層の硬化が不十分となり、一方照射線量が多い場合には電気特性の劣化が起こりやすい。
更に、本発明では表面層をより硬化させるために、電子線による重合反応時に熱を加えるとよい。熱を加えるタイミングとしてはラジカルが存在する間に感光体が一定の温度になっていれば良いため、電子線照射前、照射中、照射後、いずれの段階で加熱してもよい。加熱温度は、感光体の温度が室温〜250℃となるように調整すればよい。より好ましくは50〜150℃である。温度が上記範囲よりも高い場合には、電子写真感光体の材料に劣化が生じるからである。加温する時間は、その温度にもよるが、おおよそ数秒から数十分程度であるとよい。
照射および加温時の雰囲気は、大気中、窒素およびヘリウム等の不活性ガス中、真空中のいずれの場合であってもさしつかえない。酸素によるラジカルの失活を抑制することができるという点で、不活性ガス中あるいは真空中が好ましい。
上記正孔輸送性化合物を電荷輸送層に用いた場合の膜厚は1〜50μmが好ましく、特には3〜30μmが好ましい。
また、上記正孔輸送性化合物を電荷発生層/電荷輸送層上に保護層として用いた場合、その下層に当たる電荷輸送層は以下のようにして形成する。
適当な電荷輸送物質、例えばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチリルアントラセンなどの複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物や、ピラゾリン、イミダゾール、オキサゾール、トリアゾール、カルバゾールなどの複素環化合物、トリフェニルメタンなどのトリアリールアルカン誘導体、トリフェニルアミンなどのトリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体などの低分子化合物などを適当な結着樹脂(上述した電荷発生層の箇所で説明したのと同様な樹脂が適用できる)と共に溶剤に分散/溶解し、該溶液を上述の公知の方法を用いて電荷発生層上に塗布し乾燥させることにより形成する。この場合の電荷輸送物質と結着樹脂の比率は、両者の全質量を100とした場合に電荷輸送物質の質量は20〜100であると好ましく、より好ましくは30〜100である。電荷輸送物質の量がそれ以下であると、電荷輸送能が低下し、感度低下および残留電位の上昇などの問題が生ずる。保護層が形成された積層型感光体における電荷輸送層の膜厚は1〜50μmが好ましく、より好ましくは3〜30μmである。また、この時の保護層の膜厚は0.5〜10μmが好ましく、より好ましくは1〜7μmである。
次に、感光層が単一層からなる単層型感光体である場合は、上記正孔輸送性化合物を含む溶液中に同時に電荷発生物質を含ませ、この溶液を適当な下引き層を設けても良い支持体上に塗布し、その後重合あるいは架橋させて形成させればよい。あるいは、支持体上に電荷発生物質と電荷輸送物質からなる単一層を形成し、その上に保護層として上記正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布し、その後重合あるいは架橋させ形成させてもよい。
一方、本発明に用いる中間転写体に用いられる成形用原料のうちの主たる材料である樹脂は本発明における特性を損なわなければ特に制約はないが、熱可塑性樹脂であることが好ましい。例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホンやポリエーテルサルホンおよびポリフェニレンサルファイドなどの硫黄含有樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリエチレン−四フッ化エチレン共重合体などのフッ素含有樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリ塩化ビニリデン、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂などやこれらの各種変性樹脂や共重合体を1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではない。
中間体のユニバーサル硬度、弾性変形率を制御するために、ゴムなどの弾性体を使用することも可能である。
例えば、CRゴムや、フッ素ゴム、シリコンゴムなどを使用することも可能であるが、これらの材料に限定されるものではない。
<電子写真装置について>
次に、本発明の電子写真装置の1例を図9に示す。
1a〜dは第1の画像担持体として繰り返し使用される回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)であり、反時計方向に所定の周速度(プロセススピード)を持って回転駆動される。
感光ドラム1a〜dは回転過程で、一次帯電器22a〜dにより所定の極性・電位に一様に帯電処理される。次いで、像露光手段11a〜d(カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力するレーザースキャナによる走査露光系など)による画像露光を受けることにより目的とするカラー画像の各色成分像(例えば、イエロー色成分像)に対応した静電潜像が各感光ドラム1a〜dに形成される。
次いで、その静電潜像が第1の現像器23aにより第1色である黒トナーKにより現像される。ほぼ同時に、第2〜第4の現像器(イエロー色現像器23b、マゼンタ色現像器23c、シアン色現像器23d)の各現像器は作動し、各感光ドラム1a〜dに現像する。
中間転写ベルト81は時計方向Xに感光ドラム1a〜dと同じ周速度を持って回転駆動される。
感光ドラム1a上に形成担持された上記第1色の黒画像が、感光ドラム1aと中間転写ベルト81とのニップ部T1を通過する過程で、一次転写ローラ24aから中間転写ベルト81に印加される一次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写ベルト81の外周面に一次転写される。
以下、同様に第2色のイエロー画像、第3色のマゼンタ画像、第4色のシアントナー画像が各感光ドラムから順次中間転写ベルト81上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が形成される。
感光ドラム1a〜dから中間転写ベルト81への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための一次転写バイアスは、トナーとは逆極性(+)で印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜2kVの範囲である。また、25は駆動ローラ、26は従動ローラ、216は中間転写ベルトのクリーニング装置である。
中間転写ベルト81に画像の転写を終えた各感光ドラム1a〜dの表面は、クリーニング装置12a〜dにより清掃される。
クリーニング装置12a〜dに関して、クリーニングブレード(不図示)は、20〜65g/cmの線圧で感光ドラム1a〜dに当接されている。20g/cm未満の線圧では、トナーのすり抜けが発生し、65g/cmを超える線圧では、クリーニングブレードの反転が発生するためである。クリーニングブレードによって掻き落とされた残留トナーは、クリーニング容器に送られる。クリーニングブレードは、ウレタンを主体とした弾性ブレードである。クリーニングブレードの硬度は77°Hsであり、反発弾性率は45%(40℃での反発弾性率は25%)であり、300%モジュラスは19.6133MPa(200kg/cm)(いずれもJIS規格による)である。クリーニングブレードは、当接角度24°で感光ドラム1a〜dに当接されている。クリーニングブレードの弾性ブレードは板厚2mmであり、板厚1.0mmのステンレス鋼の部材が背板として配設されている。クリーニングブレードの自由長は、10mmである。クリーニングブレードは、硬度は好ましくは70〜80°Hsで、より好ましくは75〜80°Hsである。また、反発弾性は好ましくは30%以上であり、より好ましくは40〜70%である。
40は二次転写ローラで、二次転写対向ローラ29に対応し平行に軸受させて中間転写ベルト81の下面部に配設してある。
中間転写ベルト81上に転写された合成カラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、二次転写ローラ40が中間転写ベルト81に当接されると共に、給紙カセット60から転写材ガイドを通って、中間転写ベルト81と二次転写ローラ40との当接ニップT2に所定のタイミングで転写材Pが給送され、二次転写バイアスが二次一写ローラ40に印加される。この二次転写バイアスにより中間転写ベルト81から第2の画像担持体である転写材Pへ合成カラートナー画像が二次転写される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着器211へ導入され加熱定着される。
本発明に用いる電子写真感光体は電子写真複写機に用いることができるだけでなく、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンターおよびレーザー製版などの電子写真を応用した分野にも広く用いることができる。
以下、本発明を実施例により説明する。実施例中、「部」は質量部を示す。
(実施例1)
硬度試験用と実機テスト用のφ84mmのアルミニウムシリンダーを用意した。アルミニウムシリンダーをホーニング処理し、超音波水洗浄したものを導電性支持体とした。
次に、N−メトキシメチル化6ナイロン5部をメタノール95部中に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。この塗布液を前記の導電性支持体上に浸漬コーティング法で塗布し、100℃で20分間乾燥して、膜厚が0.6μmの下引き層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラック角2θ±0.2度の9.0度、14.2度、23.9度および27.1度に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを3部、ポリビニルブチラール(商品名エスレックBM2、積水化学(株)製)3部およびシクロヘキサノン35部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、その後に酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した。この塗布液を上記の下引き層上に浸漬コーティング法で塗布し、50℃で10分間乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
次いで、下記構造式(1)の正孔輸送性化合物60部をモノクロロベンゼン30部およびジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この塗布液を上記の電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、酸素濃度10ppmの雰囲気下で加速電圧150kV、照射線量4Mradの条件で電子線を照射した。その後引き続いて、同雰囲気下で感光体の温度が100℃になる条件で10分間加熱処理を行い、膜厚が15μmの電荷輸送層を形成して、電子写真感光体を得た。
硬度試験用の感光体を25℃、湿度50%RHの環境下に24時間放置した後、上述した微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて、ユニバーサル硬さ値(HU)および弾性変形率を求めた。
次に、感光ドラム表面の十点平均面粗さRzおよび表面の凹凸の平均間隔Smと、通紙耐久試験後の感光ドラム表面の傷との関係を求めた。感光ドラム表面の研磨は、各研磨シート(砥粒はSi−C粒子)を使用し、図3に示すように、感光ドラムに研磨シートをスポンジローラで押し付けた状態で、感光ドラムを回転させて行った。表1に、各研磨シートを使用して得られた感光ドラム表面形状を示す。
また、表面を研磨した感光ドラムを用いて、常温常湿下で100k枚分の通紙耐久試験を行った。表2に、耐久後の感光ドラム表面の傷を長手方向10mm幅当たりで示した。
比較例Aの感光ドラムの初期および耐久後の断面を図4に、実施例1−1、1−2、1−3の感光ドラムの初期の断面を図5に示す。
表2の結果から、感光ドラム表面を初期から粗すことにより、耐久後の鋭く細かい傷を防止することが可能となる。特に、Rz0.2μm以上にすると傷防止効果が顕著である。
初期感光ドラム形状をRz0.2μm以上にすると、ブレードと感光ドラム間の接触面積が激減し、例えばクリーニングブレードに挟まったキャリアなどの感光ドラム表面への実効的な応力が激減する。それゆえ、本実施例の硬度、および弾性変形率にある感光ドラムの場合、鋭く細かい傷を防止できたと考えている。
後述するが、本発明における硬度および弾性変形率範囲から外れる感光ドラム表面では、感光ドラム表面を粗しても、深い傷が入ってしまう。感光ドラム表面を粗したことによる効果を発揮しにくい。
次に、Rzを0.2〜0.3μmに固定し、Smの値を振るために、ダイヤモンド針を回転する感光ドラム(HU190N/mm、弾性変形率52%)に当接し、長手方向に当接位置を変えながら感光ドラム表面に傷をつけた。ダイヤモンド針は外径100μmで、当接圧を適度に設定した。得られた感光ドラムを用いて常温常湿下で100k枚分の通紙耐久試験を行った。表3に、耐久後の感光ドラム表面の傷を長手方向10mm幅当たりで示した。
実施例1−1、1−5、1−6の感光ドラムの初期の断面を図6に示す。
表3の結果から、Rzを固定してSmを振った場合、Smが200μmを超えると顕著に傷が発生しやすくなることが分かる。
次に、実機テスト用の感光体を、常温常湿下で100k枚分の通紙耐久試験を行い、100k枚耐久試験後の感光体の削れ量を測定した。削れ量の測定には、渦電流式膜厚計(Fischer社製、PERMASCOPE TYPE E111)を使用した。結果を表4に示す。なお、初期に感光ドラム表面を粗さなかった場合の傷形状も、参考のため表4に示す。
(実施例2、3)
実施例1の電子線照射線量を8Mrad、20Mradの条件に変えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、HU、弾性変形率を求め、更に実機評価した。結果を表4に示す。
(実施例4)
実施例1において電荷発生層を形成した後、下記構造式(2)のスチリル化合物を10部および下記構造式(3)の繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂10部をモノクロロベンゼン50部およびジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この塗布液を上記の電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、120℃で1時間乾燥することによって、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
次いで、上記構造式(1)の正孔輸送性化合物60部をモノクロロベンゼン50部およびジクロロメタン50部の混合溶媒中に溶解し保護層用塗布液を調製した。この塗布液を上記の電荷輸送層上に浸漬コーティング法で塗布し、酸素濃度10ppmの雰囲気下で加速電圧150kV、照射線量4Mradの条件で電子線を照射した。その後引き続いて、同雰囲気下で感光体の温度が100℃になる条件で10分間加熱処理を行い、膜厚が5μmの保護層を形成して、電子写真感光体を得た。
実施例1と同様にHU、弾性変形率を求め、更に実機評価した。結果を表4に示す。
(実施例5、6)
実施例4の電子線照射線量を8Mrad、20Mradの条件に変えた以外は実施例4と同様に電子写真感光体を作製し、HU、弾性変形率を求め、更に実機評価した。結果を表4に示す。
(実施例7〜9)
実施例4〜6の上記構造式(1)の正孔輸送性化合物を下記構造式(4)の正孔輸送性化合物に変えた以外は、実施例4〜6と同様に電子写真感光体を作製し、HU、弾性変形率を求め、更に実機評価した。結果を表4に示す。
(実施例10〜12)
実施例1の上記構造式(1)の正孔輸送性化合物を下記構造式(5)、(6)、(7)の正孔輸送性化合物に変えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、HU、弾性変形率を求め、更に実機評価した。結果を表4に示す。
(実施例13)
実施例7で電荷輸送層用塗布液の調製を以下のように変えた以外は、実施例7と同様に電子写真感光体を作製し、HU、弾性変形率を求め、更に実機評価した。結果を表4に示す。
上記構造式(4)の正孔輸送性化合物40部、下記構造式(8)の正孔輸送性化合物20部をモノクロロベンゼン50部およびジクロロメタン50部の混合溶媒中に溶解し電荷輸送層用塗布液を調製した。
(実施例14)
実施例1で電荷輸送層用塗布液の調製を以下のように変えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、HU、弾性変形率を求め、更に実機評価した。結果を表4に示す。
テトラフルオロエチレン樹脂粒子(ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)5部およびモノクロロベンゼン50部をガラスビーズ入りサンドミル装置で分散した。このテトラフルオロエチレン樹脂粒子分散液に、上記構造式(1)の正孔輸送性化合物60部およびジクロロメタン50部を加えて溶解した後ジクロロメタン30部を加えて電荷輸送用塗布液を調製した。
(比較例1〜3)
実施例1、2、9の電子線照射後の加熱を行わなかった以外は実施例1、2、9と同様に電子写真感光体を作製し、HU、弾性変形率を求め、更に実機評価した。結果を表4に示す。
(比較例4)
実施例1において電荷発生層を形成した後、上記構造式(2)のスチリル化合物を10部および上記構造式(3)の繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂10部をモノクロロベンゼン50部およびジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗布液を調製した。この塗布液を上記の電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、120℃で1時間乾燥することによって膜厚が30μmの電荷輸送層を形成した。
実施例1と同様にHU、弾性変形率を求め、更に実機評価した。結果を表4に示す。
(比較例5)
実施例1において電荷輸送層を形成した後、保護層用の調合液を下記の手順により作製した。平均粒径0.02μmのアンチモン含有酸化スズ微粒子(商品名:T−1、三菱マテリアル(株)製)100部、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン(信越化学(株)製)30部および95%エタノール−5%水溶液300部を混合した溶液を、ミリング装置で1時間分散した溶液をろ過し、エタノールで洗浄後、乾燥し、120℃で1時間加熱することにより酸化スズ微粒子の表面を処理した。次に、光重合性モノマーとして下記構造式(9)に示される硬化系アクリルモノマー25部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン5部、上記表面処理されたアンチモン含有酸化スズ粒子50部およびエタノール300部を混合してサンドミル装置で96時間分散した分散液に、テトラフルオロエチレン樹脂粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業製)20部を混合してサンドミル装置で8時間分散することにより保護層用の分散液を得た。
この分散液を上記電荷輸送層の上に浸漬コーティング法で塗布し、乾燥後、メタルハライドランプにて1000mW/cmの光強度で30秒間紫外線照射することによって膜厚が3μmの保護層を形成して、電子写真感光体を作製した。実施例1と同様にHU、弾性変形率を求め、更に実機評価した。結果を表4に示す。
(比較例6)
実施例4において電荷輸送層を形成した後、上記構造式(3)の繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂10部をモノクロロベンゼン100部およびジクロロメタン60部の混合溶媒中に溶解した溶液に疎水性シリカ粒子1部を混合、分散して成る塗布液を上記電荷輸送層上にスプレイ塗布機により塗布して乾燥後の膜厚が1.0μmの保護層を形成して、電子写真感光体を作製した。実施例1と同様にHU、弾性変形率を求め、更に実機評価した。結果を表4に示す。
(比較例7)
実施例6において電荷輸送層を形成した後、上記構造式(1)の正孔輸送性化合物30部、下記構造式(10)10部をモノクロロベンゼン50部およびジクロロメタン50部の混合溶媒中に溶解し保護層用塗布液を調製した。
この塗布液を上記の電荷輸送層上に浸漬コーティング法で塗布し、酸素濃度10ppmの雰囲気下で加速電圧150kV、照射線量20Mradの条件で電子線を照射した。その後引き続いて、同雰囲気下で感光体の温度が100℃になる条件で10分間加熱処理を行い、膜厚が2μmの保護層を形成して、電子写真感光体を得た。実施例1と同様にHU、弾性変形率を求め、更に実機評価した。結果を表4に示す。
以上、表4の結果から明らかなように、弾性変形率が48〜65%であっても、HUが150N/mm未満である感光体(比較例1)では削れ量が非常に大きく、HUが220N/mmを超える感光体(比較例3)では削れ量は少ないが深い傷が発生する。一方、HUが150〜220N/mmであっても、弾性変形率が48%未満である感光体(比較例2、4)では削れ性も劣り、更に深い傷も発生する。なお、HUの値および弾性変形率の値が共に本発明における範囲にない感光体(比較例5〜7)は削れ量、傷の少なくとも一方に問題があり、これらの感光体も良好な画像を形成することはできない。
また、HUが150〜220N/mm、かつ、弾性変形率が48〜65%を満たしているが、感光ドラム表面を初期に粗さなかった場合(参考として実施例1〜14の欄に記載(初期Rz0.05μm/Sm300〜500μm))においては、削れ量も少なく、深い傷は発生していないが、図2に示すような鋭く細かい傷が発生する。
これに対し、感光ドラム表面を初期に粗した場合(実施例1〜14(初期Rz0.8μm/Sm15μm))においては、耐久後に発生する鋭く細い傷を防ぐことが可能となる。
HU値と弾性変形率値が効果に与える影響を示す図である。 模式断面図およびRz(sm)測定による断面図である。 感光ドラム表面の研磨方法を示す概略図である。 Rz(sm)測定による感光ドラムの断面図である。 Rz(sm)測定による感光ドラムの断面図である。 Rz(sm)測定による感光ドラムの断面図である。 フィシャースコープH100V(H.Fischer社製)の出力チャートの概略図である。 フィシャースコープH100V(H.Fischer社製)によって、本発明に用いる電子写真感光体を測定した結果の1例である。 電子写真感光体および中間転写体を有する本発明の電子写真装置の概略図である。

Claims (2)

  1. 支持体および該支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体と、
    該電子写真感光体に当接配置された帯電部材によって該電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置と、
    帯電した該電子写真感光体の表面に静電潜像を形成するための画像情報書き込み装置と、
    該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像剤により顕像化することによって該電子写真感光体の表面に現像剤像を形成するための現像装置と、
    中間転写体と、
    該電子写真感光体に形成された現像剤像を該電子写真感光体の表面から該中間転写体の表面に一次転写するための一次転写部材と、
    該中間転写体の表面に一次転写された現像剤像を該中間転写体の表面から転写材に二次転写するための二次転写部材と、
    該中間転写体に一次転写されずに該電子写真感光体の表面に残留する現像剤をクリーニング部材によって該電子写真感光体の表面から除去するためのクリーニング装置と
    を有する電子写真装置において、
    該電子写真感光体の表面のユニバーサル硬さ値(HU)が150〜220N/mmであり、該電子写真感光体の表面の弾性変形率が48〜65%であり、該電子写真感光体の表面の十点平均面粗さRzが0.2μm以上であり、該電子写真感光体の表面の凹凸の平均間隔Smが10〜200μmであることを特徴とする電子写真装置。
  2. 前記電子写真感光体の表面層が、熱、光または放射線によって硬化された硬化物を含有する請求項1に記載の電子写真装置。
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