JP2007024003A - 内燃機関の噴射量制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】A気筒のトップNEH1とB気筒のトップNEH2との偏差ΔNEHを算出し、そのΔNEHを基に、B気筒に対する燃料噴射時の回転速度NELを補正して、B気筒のボトムNEL2を算出する。続いて、B気筒のNEH2とNEL2との偏差からB気筒の回転速度変動ΔNEを算出する。B気筒と同様に、他の気筒の回転速度変動を算出した後、全気筒の平均値を算出して、その平均値と各気筒の回転速度変動との偏差に応じて、各気筒への噴射量を増減補正する。この方法によれば、B気筒に対する燃料噴射時のボトムがA気筒の干渉を受けて変動する6気筒エンジンであっても、各気筒の回転速度変動を精度良く検出できるので、精度の高い気筒間噴射量補正を実施でき、且つボトム−トップ方式の長所である収束性にも優れる。
【選択図】図2
Description
この問題に対し、例えば、特許文献1には、図3に示す様に、各気筒の回転速度変動のボトムNEL(最低回転速度)とトップNEH(最高回転速度)との偏差ΔNEを検出して、気筒間の回転速度変動が平滑化される様に、気筒毎の噴射量を補正する方法(この方法をボトム−トップ方式と呼ぶ)が開示されている。
また、特許文献2には、図4に示す様に、各気筒の燃焼後のトップNEHを前気筒と今回気筒とで比較し、前気筒のトップNEH(1)と今回気筒のトップNEH(2)とが等しくなる様に、次回の各気筒への噴射量を補正する方法(この方法をトップ−トップ方式と呼ぶ)が開示されている。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、収束性に優れ、且つ精度の高い気筒間噴射量補正を実施できる内燃機関の噴射量制御装置を提供することにある。
本発明は、内燃機関の気筒間の回転速度変動を平滑化する様に、各気筒への噴射量を補正する噴射量制御装置であって、燃料の噴射順で先に噴射が行われる気筒をA気筒と呼び、このA気筒の次に噴射が行われる気筒をB気筒と呼ぶ時に、A気筒の燃焼後の最高回転速度とB気筒の燃焼後の最高回転速度とを検出し、両者の偏差ΔNEHを算出する回転偏差値算出手段と、B気筒に対する燃料噴射時の回転速度NELを検出し、ΔNEHを基にNELを補正して、B気筒の最低回転速度を算出する最低回転速度算出手段と、B気筒の最高回転速度と最低回転速度算出手段にて算出されたB気筒の最低回転速度との偏差をB気筒の回転速度変動ΔNEとして算出する回転速度変動算出手段とを有することを特徴とする。
これにより、各気筒の回転速度変動を検出できるので、気筒間の噴射量補正を精度良く実施でき、且つボトム−トップ方式の長所である収束性にも優れる。
請求項1に記載した内燃機関の噴射量制御装置において、回転速度変動算出手段によって算出された各気筒の回転速度変動を平均化して全気筒の平均値を算出し、その平均値と各気筒の回転速度変動との偏差に応じて、各気筒への噴射量を増減補正することを特徴とする。
例えば、全気筒の回転速度変動の平均値と比較して、B気筒の回転速度変動の方が大きい時は、その偏差に応じて、次回のB気筒の噴射量を減量する。一方、全気筒の回転速度変動の平均値よりB気筒の回転速度変動の方が小さい時は、その偏差に応じて、次回のB気筒の噴射量を増量する。同様に、他の気筒でも噴射量を増減補正することで、気筒間の回転速度のバラツキを抑制できる。
請求項1または2に記載した内燃機関の噴射量制御装置において、内燃機関は、5気筒以上のシリンダを有する多気筒内燃機関であることを特徴とする。
5気筒以上のシリンダを有する内燃機関では、B気筒の回転速度変動にA気筒の回転速度が干渉する。すなわち、B気筒に対する燃料噴射時のボトムがA気筒の回転速度の影響を受けて上昇するため、A気筒とB気筒との合成速度(つまり内燃機関の回転速度)のボトムは、A気筒のピストン速度に依存して変動する。これに対し、本発明では、B気筒に対する燃料噴射時の回転速度NELをそのままB気筒のボトム情報として使用することはなく、A気筒のトップとB気筒のトップとの偏差を基に、前記NELを補正してB気筒のボトムを算出しているので、5気筒以上のシリンダを有する内燃機関であっても、各気筒の回転速度変動を精度良く検出でき、気筒間の噴射量補正を精度良く実施できる。
6気筒ディーゼルエンジン1は、以下に説明するコモンレール式燃料噴射装置2を搭載する。
コモンレール式燃料噴射装置2は、高圧燃料を蓄圧するコモンレール3と、このコモンレール3に加圧した燃料を圧送する燃料供給ポンプ4と、コモンレール3より供給される高圧燃料をエンジン1の筒内に噴射するインジェクタ5と、燃料供給ポンプ4およびインジェクタ5の作動を電子制御する電子制御ユニット(以下ECU6と呼ぶ)を有する。
ECU6は、周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、このマイクロコンピュータに各種センサ(例えば、NEセンサ12、アクセル開度センサ13、圧力センサ7等)で検出されたセンサ情報が信号処理回路(図示せず)を介して入力される。
アクセル開度センサ13は、運転者が操作するアクセルペダル15の操作量(踏込み量)よりアクセル開度ACを検出して、その検出結果をECU6に出力する。
噴射圧制御は、コモンレール3に蓄圧される燃料圧力を制御するもので、圧力センサ7によって検出される実レール圧が目標レール圧と一致する様に、電磁調量弁10の弁開度を調整して、燃料供給ポンプ4からコモンレール3へ向けて吐出されるポンプ吐出量をフィードバック制御する。
噴射時期制御は、インジェクタ5より燃料を噴射するタイミング(噴射時期)を制御するもので、例えば、エンジン回転速度NEとアクセル開度ACから最適な噴射時期を演算し、その演算結果に従ってインジェクタ5の電磁弁を制御する。
a)燃料の噴射順で先に噴射が行われる気筒をA気筒と呼び、このA気筒の次に噴射が行われる気筒をB気筒と呼ぶ時に、A気筒の燃焼後の最高回転速度NEH1とB気筒の燃焼後の最高回転速度NEH2とを検出し、両者の偏差ΔNEHを算出する。
b)B気筒に対する燃料噴射時の回転速度NELを検出する。なお、NEL、NEH1、及びNEH2は、パルサ14の指定角度(例えば20°CA)間にNEセンサ12より出力されるパルス信号の時間間隔を計測して算出される。
NEL2=NEL+k×ΔNEH…………………………(1)
なお、補正定数kは、エンジン1の機種に合わせて決定される。あるいは、マップやテーブル補間で決定することもできる。
d)B気筒の回転速度変動ΔNEを下記の数式(2)より算出する。
ΔNE=NEH2−NEL2
=NEH2−(NEL+k×ΔNEH)…………(2)
f)全気筒の平均値と各気筒の回転速度変動との偏差に応じて、各気筒への噴射量を増減補正する。例えば、全気筒の平均値と比較してB気筒の回転速度変動ΔNEの方が大きい時は、その偏差に応じて、次回のB気筒の噴射量を減量する。一方、全気筒の平均値よりB気筒の回転速度変動ΔNEの方が小さい時は、その偏差に応じて、次回のB気筒の噴射量を増量する。
実施例1に記載したエンジン1、つまり6気筒エンジン1では、図6に示した様に、各気筒の噴射が120°CA毎に繰り返されるため、B気筒の回転速度変動にA気筒の回転速度が干渉する。すなわち、B気筒に対する燃料噴射時のボトムがA気筒の回転速度の影響を受けて上昇するため、A気筒とB気筒の合成速度(エンジン1の回転速度)のボトムNELは、A気筒のピストン速度に依存して変動する。
また、実施例1では、ディーゼルエンジン1を一例に記載したが、ガソリンエンジンにも本発明を適用できる。
6 ECU(噴射量制御装置)
Claims (3)
- 内燃機関の気筒間の回転速度変動を平滑化する様に、各気筒への噴射量を補正する噴射量制御装置であって、
燃料の噴射順で先に噴射が行われる気筒をA気筒と呼び、このA気筒の次に噴射が行われる気筒をB気筒と呼ぶ時に、前記A気筒の燃焼後の最高回転速度と前記B気筒の燃焼後の最高回転速度とを検出し、両者の偏差ΔNEHを算出する回転偏差値算出手段と、
前記B気筒に対する燃料噴射時の回転速度NELを検出し、前記ΔNEHを基に前記NELを補正して、前記B気筒の最低回転速度を算出する最低回転速度算出手段と、
前記B気筒の最高回転速度と前記最低回転速度算出手段にて算出された前記B気筒の最低回転速度との偏差を前記B気筒の回転速度変動ΔNEとして算出する回転速度変動算出手段とを有することを特徴とする内燃機関の噴射量制御装置。 - 請求項1に記載した内燃機関の噴射量制御装置において、
前記回転速度変動算出手段によって算出された各気筒の回転速度変動を平均化して全気筒の平均値を算出し、その平均値と各気筒の回転速度変動との偏差に応じて、前記各気筒への噴射量を増減補正することを特徴とする内燃機関の噴射量制御装置。 - 請求項1または2に記載した内燃機関の噴射量制御装置において、
前記内燃機関は、5気筒以上のシリンダを有する多気筒内燃機関であることを特徴とする内燃機関の噴射量制御装置。
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