JP2007023412A - プレス機用編織物およびクリーニング資材用編織物 - Google Patents
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Abstract
【課題】
繰り返し行われる蒸気処理による脆化や生地収縮が生じにくいプレス機用編織物を提供する。
【解決手段】
プレス機やクリーニング機材に用いる編織物を、144時間の蒸熱処理後における糸条切断強度が2.5cN/dtex以上の繊維糸条から構成し、通気性を50〜150cm3/cm2/secの範囲内とし、さらに、ポリフェニレンサルファイド繊維および/またはフッ素繊維を含む繊維糸条で構成し、かつ、それらポリフェニレンサルファイド繊維とフッ素繊維の合計が繊維糸条の少なくとも30重量%とする。
【選択図】なし
繰り返し行われる蒸気処理による脆化や生地収縮が生じにくいプレス機用編織物を提供する。
【解決手段】
プレス機やクリーニング機材に用いる編織物を、144時間の蒸熱処理後における糸条切断強度が2.5cN/dtex以上の繊維糸条から構成し、通気性を50〜150cm3/cm2/secの範囲内とし、さらに、ポリフェニレンサルファイド繊維および/またはフッ素繊維を含む繊維糸条で構成し、かつ、それらポリフェニレンサルファイド繊維とフッ素繊維の合計が繊維糸条の少なくとも30重量%とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、長時間の蒸熱処理に繰り返し供されるプレス機用編織物およびクリーニング資材用編織物に関するものである。
アパレルメーカーが縫製した後の衣料品やすでに着用され洗濯された衣料品についたしわを伸ばすプレス仕上げにおいては、一般的にプレス機が使用されている。プレス機は、たとえば、洗濯された衣料品を置くパット台とその上からプレスするパット板から成り、パット板からは蒸気が吹き出し、その蒸気が衣料品を通過し、パット台の中へ吸引されるような構造になっている。具体的な作業手順としては、パット台に衣料品を手で伸ばしながら乗せ、その上からパット板でプレスして一定時間の蒸気を通過させて蒸熱セットを行うのである。
ところで、パット台は、絶えず高温の蒸気が通過するので、外側をカバーする生地には一般的に耐熱性の高い繊維からなる編織物が使われている。例えば、Yシャツ用プレス機では一枚当たり150〜180℃の温度が30秒間施されるので、パット台に用いられている編織物は、耐熱性の高い木綿やメタ系アラミド繊維からなるものがほとんどである。ポリエステル繊維では加水分解による脆化と熱収縮が激しく、ナイロンでは熱劣化や水分に対する寸法安定性に欠けるのでほとんど使われない。しかし、耐熱性の高い木綿やメタ系アラミド繊維からなるパット台用編織物であっても、長期間蒸気処理を施すことにより熱硬化したり脆化したりするので、使用頻度にもよるが数ヶ月毎に交換されているのが実状である。
また、この他病院用シーツやホーム用シーツなどの洗浄、プレスを一環して処理するリネン用クリーニング機材においても、シーツ等を搬送するロ−ルのカバーに上述の生地が使用されている。しかしながら、これも温度180℃という高温で長時間次亜塩素酸を使用するので薬品処理による脆化も生じやすい。
一方、特許文献1には、繰り返し行われる高温の蒸気処理による脆化を防止し、さらにクリーニング薬剤にも強いプレス機用パット台用資材とするために、プレス機のパット台用資材に耐熱性の合成樹脂フィラメントのメッシュ布を用いる旨が記載されている。しかしながら、このメッシュ布として例示される素材は、木綿、ナイロン、ポリエステルなどであって、上述のとおり、繰り返し行われる蒸気処理によって脆化、生地収縮が生じやすく耐久性が低いものである。また特許文献2にも、アイロン台のパット台用資材にアラミド繊維を用いたものが記載されているが、やはり脆化が生じやすく耐久性が低い。
登録実用新案第3032108号公報
特開2003−164698号公報
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑み、脆化や生地収縮が生じにくいプレス機用編織物およびクリーニング資材用編織物を提供することにある。
かかる課題を解決するための本発明は、次の(1)〜(8)の構成を特徴とするものである。
(1)144時間の蒸熱処理後における糸条切断強度が2.5cN/dtex以上の繊維糸条からなり、通気性が50〜150cm3/cm2/secの範囲内であることを特徴とするプレス機用編織物。
(2)前記繊維糸条は、ポリフェニレンサルファイド繊維および/またはフッ素繊維を含み、かつ、それらポリフェニレンサルファイド繊維とフッ素繊維の合計が繊維糸条の少なくとも30重量%であることを特徴とする上記(1)に記載のプレス機用編織物。
(3)前記繊維糸条は、フッ素繊維を少なくとも5重量%含んでいることを特徴とする上記(2)に記載のプレス機用編織物。
(4)前記繊維糸条が短繊維100%のスパン糸からなることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のプレス機用編織物。
(5)144時間の蒸熱処理後における糸条切断強度が2.5cN/dtex以上の繊維糸条からなり、通気性が50〜150cm3/cm2/secの範囲内であることを特徴とするクリーニング資材用編織物。
(6)前記繊維糸条は、ポリフェニレンサルファイド繊維および/またはフッ素繊維を含み、かつ、それらポリフェニレンサルファイド繊維とフッ素繊維の合計が繊維糸条の少なくとも30重量%であることを特徴とする上記(5)に記載のクリーニング資材用編織物。
(7)前記繊維糸条は、フッ素繊維を少なくとも5重量%含んでいることを特徴とする上記(6)に記載のクリーニング資材用編織物。
(8)前記繊維糸条が短繊維100%のスパン糸からなることを特徴とする上記(5)〜(7)のいずれかに記載のクリーニング資材用編織物。
(1)144時間の蒸熱処理後における糸条切断強度が2.5cN/dtex以上の繊維糸条からなり、通気性が50〜150cm3/cm2/secの範囲内であることを特徴とするプレス機用編織物。
(2)前記繊維糸条は、ポリフェニレンサルファイド繊維および/またはフッ素繊維を含み、かつ、それらポリフェニレンサルファイド繊維とフッ素繊維の合計が繊維糸条の少なくとも30重量%であることを特徴とする上記(1)に記載のプレス機用編織物。
(3)前記繊維糸条は、フッ素繊維を少なくとも5重量%含んでいることを特徴とする上記(2)に記載のプレス機用編織物。
(4)前記繊維糸条が短繊維100%のスパン糸からなることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のプレス機用編織物。
(5)144時間の蒸熱処理後における糸条切断強度が2.5cN/dtex以上の繊維糸条からなり、通気性が50〜150cm3/cm2/secの範囲内であることを特徴とするクリーニング資材用編織物。
(6)前記繊維糸条は、ポリフェニレンサルファイド繊維および/またはフッ素繊維を含み、かつ、それらポリフェニレンサルファイド繊維とフッ素繊維の合計が繊維糸条の少なくとも30重量%であることを特徴とする上記(5)に記載のクリーニング資材用編織物。
(7)前記繊維糸条は、フッ素繊維を少なくとも5重量%含んでいることを特徴とする上記(6)に記載のクリーニング資材用編織物。
(8)前記繊維糸条が短繊維100%のスパン糸からなることを特徴とする上記(5)〜(7)のいずれかに記載のクリーニング資材用編織物。
本発明によれば、プレス機に用いられる編織物やクリーニング機材のパットやロールカバーなどクリーニング資材として用いられる編織物において、繰り返し蒸気処理が長期間施された場合の強度劣化や熱収縮を改善することができる。さらに、その編織物がフッ素繊維を少なくとも5重量%含む繊維糸条からなる場合には、その編織物とプレスする衣料製品との滑りがよくなるので、パット台に衣料品等を手で伸ばしながら乗せる作業やシーツを搬送するときの作業性が向上する。
本発明者らは、プレス機に用いられる編織物やクリーニング機材において繰り返し行われる蒸気処理による編織物の強度劣化および熱収縮を改善するため鋭意検討した結果、その編織物を、144時間の蒸熱処理後における糸条切断強度が2.5cN/dtex以上の繊維糸条から構成し、かつ、通気性を50〜150cm3/cm2/secの範囲内とすることで、かかる課題を解決することができることを究明したものである。
本発明の構成要件について説明する。
まず、プレス機に用いられる編織物やクリーニング機材に用いられるクリーニング資材としての編織物を、144時間の蒸熱処理後における糸条切断強度が2.5cN/dtex以上の繊維糸条から構成することが必要である。ここで、蒸熱処理は、蒸気処理温度が160℃(0.61MPa)のオートクレーブに編織物を6日間配置して施し、糸条切断強度は、その蒸熱処理の後に編織物からタテ糸あるいはヨコ糸を引き抜いて、または編地を分解して繊維糸条を得て、その繊維糸条について測定する値である。蒸熱処理後の糸条切断強度が2.5cN/dtexを下回る繊維糸条からなる場合、編織物は耐久性が低いものとなってしまい、作業中に引き裂かれたり穴が空いたりしやすくなる。よって、少なくとも2.5cN/dtexの糸条繊維強度が必要である。
そのような糸条繊維強度を発現する糸条としては、たとえばポリフェニレンサルフアイド繊維(以下PPS繊維という)やフッ素繊維を含む糸条があり、少なくとも30重量%がPPS繊維やフッ素繊維であることが好ましい。もちろん100重量%がPPS繊維やフッ素繊維であってもよいが、現時点でPPS繊維やフッ素繊維は高価であるため、木綿、耐熱性ポリエステル、アラミド繊維等と混繊してもよい。ただし、その場合、上述したように木綿では黄変化が、アラミド繊維では耐久性低下、ポリエステルでは加水分解が生じやすいので、混繊度合いを70%未満にすることが好ましく、目的や用途によって適宜、素材や混繊率を調整することが好ましい。
また、本発明においては、糸条繊維強度を発現させる以外の目的でフッ素繊維を含んでいてもよい。すなわち、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)繊維などのフッ素繊維を少なくとも5重量%含むことにより、その編織物を装着したロール、パットとシーツ、プレス品との滑り性がよくなり、シーツ等を搬送する際の作業や、プレス品をプレス機に装着させたり脱着させたり、パット上で位置調整する際の手作業が容易になり作業能率の向上につながる。また、フッ素繊維は撥水性に優れるので水分がパット内やロール内に残りにくく、プレス品のセットが均一に綺麗に仕上がる。さらに、撥水性が高いことから汚れにくく特に搬送品やプレス品に付着しやすい糊剤や油剤などが付着しにくく、また逆に付着しても容易に吸引されやすくなるので、汚れが残りにくくなる。混紡率は構成繊維糸条全体に対しフッ素繊維が5〜50重量%であることがより好ましく、上記PPS繊維と混繊する場合は5〜20重量%の範囲でフッ素繊維を含むことがさらに好ましい。
なお、汚れによる目詰まりの程度は通気性により調べることが可能で、一般的には汚れのない新品に比べ1.5倍以上の通気性を示す場合は目詰まり、汚れが進んでいると判断してよい。したがって、通気性を管理していくことにより、汚れの程度を把握したり交換時期を予め予測することができる。
そして、本発明において、編織物は、通気性が50〜150cm3/cm2/secであることを特徴とする。プレス機に用いられる編織物やクリーニング機材に用いられるクリーニング資材としての編織物は蒸気を通過させる必要があるものであり、編織物の密度が高い場合は蒸気の通り性が悪くなりセット性が悪くなる。一方、密度が低いと蒸気の通り性が良くなりすぎて熱セット性が過剰となったり、蒸気消費量が増加しやすくコストにも影響される。そこで、最適な蒸気の通過性として通気性で表すことが好ましく、その範囲は、編織物の厚さや密度、素材種類にかかわらず、50〜150cm3/cm2/secである。なお、通気性(cm3/cm2/sec)は、テクステスト社製(スイス国)の通気性測定装置「通気性テスター」型式FX3300を用い、JIS L1906−A(フラジ−ル形法)に準拠して圧力125Pa、ノズル4〜7により測定した値とする。
さらに、本発明の編織物は一般的に薄地では破れやすいので厚地がよいが、厚すぎると吸引効果低下やプレスする製品に水分が残りやすいので好ましくない。したがって、上記通気性を満足しつつ単位面積当たりの質量(以下、目付という)を100〜400g/m2の範囲とすることが好ましく、さらには150〜250g/m2の範囲とすることが好ましい。なお目付はJIS L 1096に準拠して測定する。
また、本発明において、繊維糸条は短繊維から構成されることが好ましい。プレス機用編織物およびクリーニング資材用編織物は、適度な水分と熱を保ち蒸気が吸引によって急冷されにくいことが重要である。そのためには、短繊維100%のスパン糸から構成されることが好ましい。短繊維100%のスパン糸から構成されると、フィラメント糸の場合に比べて糸条の空隙率が大きくなり、その空隙中に一旦蒸気が含まれやすくなり、セット効果が大きくなる。また、スパン糸の製造コストはフィラメント糸に比べて低いので、コスト的にも好ましい。そして、短繊維の繊維長について、繊維長が長くなると紡績糸の毛羽長が長くなりやすく、長い毛羽は摩擦によって切断され脱落したり丸くもつれてピリングになったりしやすい。そのため、プレス機用編織物およびクリーニング資材用編織物において繊維長は一般的に短い方が好ましい。また、糸条の太さは10〜30番手であることが好ましい
ただし、短繊維糸条は一般的には短繊維端が脱落しやすいので、生地の目詰まりやほこりとして付着しやすい。したがって、例えば精密機器や医療薬品などのクリーンルームで着用される作業服のプレス機やクリーニング機材の編織物としては長繊維から構成されるフィラメント糸や仮撚加工糸であることが好ましく、太さでは100〜800dtexの範囲が好ましい。さらにフィラメント使いでは短繊維の様な毛羽落ちがないので綺麗にプレスすることができるで、用途によって使い分ける必要がある。
ただし、短繊維糸条は一般的には短繊維端が脱落しやすいので、生地の目詰まりやほこりとして付着しやすい。したがって、例えば精密機器や医療薬品などのクリーンルームで着用される作業服のプレス機やクリーニング機材の編織物としては長繊維から構成されるフィラメント糸や仮撚加工糸であることが好ましく、太さでは100〜800dtexの範囲が好ましい。さらにフィラメント使いでは短繊維の様な毛羽落ちがないので綺麗にプレスすることができるで、用途によって使い分ける必要がある。
そして、上述のように構成される本発明の編織物は、引き裂き強さが100CN以上であることが好ましい。編織物がたとえばパット機に使用される場合、長期間使用することにより破れやすくなるので、数ヶ月単位で交換することが必要であるが、交換目安となるのは、その編織物の引き裂き強さであり、該強さが低くなると交換することが好ましく100CN以下が目安であり、作業中の穴あきや引き裂きにより破れやすくなるのである。
次に、本発明の編織物の製造方法について、PPS繊維100%使いのパット用のカバーを製造するとして説明する。まず、通常の紡績工程においてPPS原綿をカードに通し、続いて練条工程を通過させたスライバーを粗紡工程に供して粗糸を作る。さらに、粗糸を精紡機に供給しドラフトをかけながらリング精紡することにより管糸上がりとする。管糸上がりの紡績糸のヨリ止めを行うためスチームセットを施す。単糸の状態で製織したり、スチームセット後に2糸条引き揃えて巻き返し、リング精紡のヨリ方向とは逆方向に追燃した双糸に再びスチームセットを施した双糸状態で製織する場合がある。なお、紡績の方法としては空気流を利用したオープンエンド式や気流式の村田機械株式会社製のMJS紡績機あるいはMVS紡績機などの合理的な方式あるいは、吸引式のコンパクトスピニング式であってもよい。
次いで、得られた紡績糸をタテ糸とヨコ糸に配列し、WJL織機やレピア織機あるいはAJR織機によって製織する。得られた生機を精錬し仕上げ加工セットを施し、プレス機用編織物とする。その後、プレス機のパット用のカバーに縫製し製品として仕上げる。
なお、クリーニング機材に用いる場合は、縫製段階で、その機材の形状にあうように縫製すればよい。
なお、プレス機用編織物やクリーニング機材に用いられるクリーニング資材用編織物は、伸びにくく、収縮が少なく、目がずれにくい組織が好ましい。したがって、一般的には織物が適しているが、円型形状では編物の方が良い場合がある。織物の組織では平織り、綾織り、斜文織りなどが有るが基本的には平織物がタテ・ヨコ方向のバランスが良いので好ましい。糸使いについては、タテ・ヨコ糸とも同素材あるいは異素材であっても構わない。織物のタテ糸とヨコ糸の糸条構成は長繊維構成、短繊維構成、コアーヤーン構成、複合フィラメント構成などを適用できる。
以下、実施例により、本発明の編織物についてさらに詳細に説明する。
本発明で用いられる特性は、次の測定方法で求められる。
(1)強度、糸条切断強度(cN/dtex)
JIS法 L 1095に準拠して測定した。
本発明で用いられる特性は、次の測定方法で求められる。
(1)強度、糸条切断強度(cN/dtex)
JIS法 L 1095に準拠して測定した。
なお、蒸熱処理前の糸条切断強度は、後述する蒸熱処理を施す前に編織物を分解して糸条を10本取り出し、これらの糸条それぞれについて強度を測定し、10本の平均値を該編織物の蒸熱処理前糸条切断強度とした。一方、蒸熱処理後の糸条切断強度は、日東オートクレーブ(株)製のオートクレーブを用い、温度160℃、0.61MPaのオートクレーブ中に編織物を144時間配置して蒸熱処理を施し、処理後の編織物について、処理前の糸条切断強度を求めるのと同様にして求めた。
(2)番手
JIS法 L 1095に準拠して測定する。
(3)通気性(cm3/cm2/sec)
テクステスト社製(スイス国)の通気性測定装置「通気性テスター」型式FX3300を用い、JIS L1906−A(フラジ−ル形法)に準拠して、圧力125Pa、ノズルサイズ4〜7にて測定する。n数5回の平均値を該編織物の通気性とする。
(4)単位面積当たりの質量(g/m2)、密度(本/10cm)
JIS法 L 1096に準拠して測定する。
(5)引裂強さ(CN)
JIS法L 1018 A法に準拠して測定する。
(6)乾熱収縮率(%)
JIS法 L1095に準拠して160℃で30分間処理して測定する
(7)プレス作業性
プレス作業者5名の官能評価により次のように判定した。
◎:脱着性極めて良い ○:良い △:製品とパットの滑り性やや不良
(8)伸度(%)
JIS法 L 1095に準拠して測定した。
(9)ヨリ数(T/m)
フィラメント糸の場合はJIS法L 1013、スパン糸の場合はJIS法 L 1095に準拠して測定した。
<実施例1>
短繊維繊度2.2dtex、繊維長51mm、強度5.1cN/dtex、伸度62.5%、乾熱収縮率0.4%のPPSステープルファイバー100重量%を用い、豊田紡績機械によりリング精紡糸の単糸を製造した。この単糸の紡績糸特性は、ヨリ数551T/m、伸度34.2%、乾熱収縮率1.0%、太さ20番手、強度3.7CN/dtexであった。
(8)伸度(%)
JIS法 L 1095に準拠して測定した。
(9)ヨリ数(T/m)
フィラメント糸の場合はJIS法L 1013、スパン糸の場合はJIS法 L 1095に準拠して測定した。
<実施例1>
短繊維繊度2.2dtex、繊維長51mm、強度5.1cN/dtex、伸度62.5%、乾熱収縮率0.4%のPPSステープルファイバー100重量%を用い、豊田紡績機械によりリング精紡糸の単糸を製造した。この単糸の紡績糸特性は、ヨリ数551T/m、伸度34.2%、乾熱収縮率1.0%、太さ20番手、強度3.7CN/dtexであった。
次いで、この紡績糸をタテ糸、ヨコ糸に用いてタテ糸密度232本/10cm、ヨコ糸密度221本/10cmにして平織物をレピア織機で製織した。得られ生機を98℃にて精錬し、180℃にて仕上げ加工セットを施し、プレス機用編織物を製造した。
評価結果を表1に示した。蒸熱処理前後の糸条切断強度の数値からわかるように、プレス機用編織物に強度劣化はほとんど見られなかった。
<実施例2>
短繊維繊度1.3dtex、繊維長38m、強度4.4CN/dtex、伸度61%、乾熱収縮率0.4%のPPSステープルファイバーを50重量%、そして、短繊維繊度1.3dtex、繊維長38mm、強度5.8CN/dtex、伸度33%、乾熱収縮率5.4%のポリエステルステープルファイバーを50重量%用い、豊田紡績機械によりリング精紡糸の単糸を製造した。この単糸の紡績糸特性はヨリ数551T/m、伸度42.4%、乾熱収縮率4.1%であった、太さ20番手、強度4.0CN/dtexであった。
<実施例2>
短繊維繊度1.3dtex、繊維長38m、強度4.4CN/dtex、伸度61%、乾熱収縮率0.4%のPPSステープルファイバーを50重量%、そして、短繊維繊度1.3dtex、繊維長38mm、強度5.8CN/dtex、伸度33%、乾熱収縮率5.4%のポリエステルステープルファイバーを50重量%用い、豊田紡績機械によりリング精紡糸の単糸を製造した。この単糸の紡績糸特性はヨリ数551T/m、伸度42.4%、乾熱収縮率4.1%であった、太さ20番手、強度4.0CN/dtexであった。
次いで、この紡績糸をタテ糸、ヨコ糸に用い、タテ糸密度232本/10cm、ヨコ糸密度221本/10cmにして平織物をレピア織機で製織した。得られ生機を実施例1と同様に精錬・仕上げ加工セットし、プレス機用編織物を製造した。
評価結果を表1に示した。蒸熱処理前後の糸条切断強度の数値からわかるように、多少強度劣化が進んだが、管理範囲内であった。
<実施例3>
短繊維繊度1.3dtex、繊維長38m、強度4.8CN/dtex、伸度55.6%、乾熱収縮率0.5%のPPSステープルファイバーを90重量%、そして、短繊維繊度7.3dtex、繊維長38mm、強度2、3CN/dtex、伸度35%、乾熱収縮率2.5%のフッ素ステープルファイバーを10重量%用い、豊田紡績機械によりリング精紡糸の単糸を製造した。この単糸の紡績糸特性は、ヨリ数591T/m、伸度44.1%、乾熱収縮率1.3%、太さ16番手、強度3.5CN/dtexであった。
<実施例3>
短繊維繊度1.3dtex、繊維長38m、強度4.8CN/dtex、伸度55.6%、乾熱収縮率0.5%のPPSステープルファイバーを90重量%、そして、短繊維繊度7.3dtex、繊維長38mm、強度2、3CN/dtex、伸度35%、乾熱収縮率2.5%のフッ素ステープルファイバーを10重量%用い、豊田紡績機械によりリング精紡糸の単糸を製造した。この単糸の紡績糸特性は、ヨリ数591T/m、伸度44.1%、乾熱収縮率1.3%、太さ16番手、強度3.5CN/dtexであった。
次いで、この紡績糸をタテ糸、ヨコ糸に用い、タテ糸密度225本/10cm、ヨコ糸密度213本/10cmにして平織物をレピア織機で製織した。得られ生機を実施例1と同様に精錬・仕上げ加工セットし、プレス機用編織物を製造した。
評価結果を表1に示した。蒸熱処理前後の糸条切断強度の数値からわかるように、プレス機用編織物に強度劣化はほとんど見られず、また、プレス作業性もきわめて良好であった。
<比較例1>
短繊維繊度1.3dtex、繊維長38mm、強度5.0CN/dtex、伸度56.2%、乾熱収縮率0.5%のPPSステープルファイバーを20重量%、そして、短繊維1.3dtex、繊維長38mm、強度5.8CN/dtex、伸度33%、乾熱収縮率5.4%のポリエステルステープルファイバーを80重量%用い、豊田紡績機械によりリング精紡糸の単糸を製造した。この単糸の紡績糸特性は、ヨリ数551T/m、伸度31.5%、乾熱収縮率2.1%、太さ20番手、強度4.1CN/dtexであった。
<比較例1>
短繊維繊度1.3dtex、繊維長38mm、強度5.0CN/dtex、伸度56.2%、乾熱収縮率0.5%のPPSステープルファイバーを20重量%、そして、短繊維1.3dtex、繊維長38mm、強度5.8CN/dtex、伸度33%、乾熱収縮率5.4%のポリエステルステープルファイバーを80重量%用い、豊田紡績機械によりリング精紡糸の単糸を製造した。この単糸の紡績糸特性は、ヨリ数551T/m、伸度31.5%、乾熱収縮率2.1%、太さ20番手、強度4.1CN/dtexであった。
次いで、この紡績糸をタテ糸、ヨコ糸に用い、タテ糸密度229本/10cm、ヨコ糸密度225本/10cmにして平織物をレピア織機で製織した。得られ生機を実施例1と同様に精錬・仕上げ加工セットし、プレス機用編織物を製造した。
評価結果を表1に示した。蒸熱処理前後の糸条切断強度の数値からわかるように、強度劣化が激しく、またプレス作業性にもやや劣るものであった。
<比較例2>
短繊維繊度2.2dtex、繊維長51mm,強度5.1CN/dtex、伸度32%、乾熱収縮率0.3%のメタアラミドステープルファイバー(“ノ−メックス”)を100重量%用い、豊田紡績機械によりリング精紡糸の単糸を製造した。この単糸の紡績糸特性は、ヨリ数550T/cm、伸度28.3% 、乾熱収縮率 0.2% 、太さ30番手、強度4.8CN/dtexであった。
<比較例2>
短繊維繊度2.2dtex、繊維長51mm,強度5.1CN/dtex、伸度32%、乾熱収縮率0.3%のメタアラミドステープルファイバー(“ノ−メックス”)を100重量%用い、豊田紡績機械によりリング精紡糸の単糸を製造した。この単糸の紡績糸特性は、ヨリ数550T/cm、伸度28.3% 、乾熱収縮率 0.2% 、太さ30番手、強度4.8CN/dtexであった。
次いで、この紡績糸をタテ糸、ヨコ糸に用い、タテ糸密度229本/10cm、ヨコ糸密度221本/10cmにして平織物をレピア織機で製織した。得られ生機を実施例1と同様に精錬・仕上げ加工セットし、プレス機用編織物を製造した。
評価結果を表1に示した。蒸熱処理前後の糸条切断強度の数値からわかるように、強度劣化が激しく、また、プレス作業性にも劣るものであった。
評価結果を表1に示した。蒸熱処理前後の糸条切断強度の数値からわかるように、強度劣化が激しく、また、プレス作業性にも劣るものであった。
本発明によれば、繰り返し蒸気処理が長期間施された場合の強度劣化や熱収縮を改善した編織物を得ることができるので、繰り返し長期間の蒸気処理が施される用途、例えばプレス機のパット部用カバー、そしてクリーニング機材の搬送ローラ用カバーなどとして特に好適に利用可能であるに好適である。
Claims (8)
- 144時間の蒸熱処理後における糸条切断強度が2.5cN/dtex以上の繊維糸条からなり、通気性が50〜150cm3/cm2/secの範囲内であることを特徴とするプレス機用編織物。
- 前記繊維糸条は、ポリフェニレンサルファイド繊維および/またはフッ素繊維を含み、かつ、それらポリフェニレンサルファイド繊維とフッ素繊維の合計が繊維糸条の少なくとも30重量%であることを特徴とする請求項1に記載のプレス機用編織物。
- 前記繊維糸条は、フッ素繊維を少なくとも5重量%含んでいることを特徴とする請求項2に記載のプレス機用編織物。
- 前記繊維糸条が短繊維100%のスパン糸からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプレス機用編織物。
- 144時間の蒸熱処理後における糸条切断強度が2.5cN/dtex以上の繊維糸条からなり、通気性が50〜150cm3/cm2/secの範囲内であることを特徴とするクリーニング資材用編織物。
- 前記繊維糸条は、ポリフェニレンサルファイド繊維および/またはフッ素繊維を含み、かつ、それらポリフェニレンサルファイド繊維とフッ素繊維の合計が繊維糸条の少なくとも30重量%であることを特徴とする請求項6に記載のクリーニング資材用編織物。
- 前記繊維糸条は、フッ素繊維を少なくとも5重量%含んでいることを特徴とする請求項6に記載のクリーニング資材用編織物。
- 前記繊維糸条が短繊維100%のスパン糸からなることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のクリーニング資材用編織物。
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JP2005206592A JP2007023412A (ja) | 2005-07-15 | 2005-07-15 | プレス機用編織物およびクリーニング資材用編織物 |
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-
2005
- 2005-07-15 JP JP2005206592A patent/JP2007023412A/ja active Pending
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WO2018066439A1 (ja) * | 2016-10-05 | 2018-04-12 | 東レ株式会社 | 遮炎性編物 |
JPWO2018066439A1 (ja) * | 2016-10-05 | 2019-08-22 | 東レ株式会社 | 遮炎性編物 |
RU2744425C2 (ru) * | 2016-10-05 | 2021-03-09 | Торэй Индастриз, Инк. | Огнестойкий вязаный материал |
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