JP2007023229A - エチレン系樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 下記成分(A)と成分(B)とを含有するエチレン系樹脂組成物であって、成分(B)の含有量が、該樹脂組成物を100重量%として、0.1〜75重量%であるエチレン系樹脂組成物。
成分(A):流動の活性化エネルギー(Ea)が40kJ/mol以上であり、JIS K7210に規定された温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定されるメルトフローレート(MFR)が0.1〜100g/10分であり、分子量分布(Mw/Mn)が5〜25であるエチレン−α−オレフィン共重合体
成分(B):難燃剤
【選択図】 なし
Description
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、外観に優れた押出成形体が得られる難燃性のエチレン系樹脂組成物を提供することにある。
成分(A):流動の活性化エネルギー(Ea)が40kJ/mol以上であり、JIS K7210に規定された温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定されるメルトフローレート(MFR)が0.1〜100g/10分であり、分子量分布(Mw/Mn)が5〜25であるエチレン−α−オレフィン共重合体
成分(B):難燃剤
ln(aT) = m(1/(T+273.16))+n (I)
Ea = |0.008314×m| (II)
aT :シフトファクター
Ea:流動の活性化エネルギー(単位:kJ/mol)
T :温度(単位:℃)
上記計算は、市販の計算ソフトウェアを用いてもよく、該計算ソフトウェアとしては、Rheometrics社製 Rhios V.4.4.4などがあげられる。
なお、シフトファクター(aT)は、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線を、log(Y)=−log(X)軸方向に移動させて(但し、Y軸を溶融複素粘度、X軸を角周波数とする。)、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせた際の移動量であり、該重ね合わせでは、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線は、角周波数をaT倍に、溶融複素粘度を1/aT倍に移動させる。
また、130℃、150℃、170℃、190℃、210℃の中から190℃を含む4つの温度でのシフトファクターと温度から得られる一次近似式(I)式を最小自乗法で求めるときの相関係数は、通常、0.99以上である。
0.80×MFR-0.094 < [η] < 1.50×MFR-0.156 式(1)
押出成形体の機械的強度を高める観点から、成分(A)のエチレン−α−オレフィン共重合体は、下記式(1−2)を充足することがより好ましく、
0.90×MFR-0.094 < [η] 式(1−2)
下記式(1−3)を充足することが更に好ましい。
1.00×MFR-0.094 < [η] 式(1−3)
また、押出成形体の外観を高める観点から、成分(A)のエチレン−α−オレフィン共重合体は、下記式(1−4)を充足することがより好ましく、
[η] < 1.40×MFR-0.156 式(1−4)
下記式(1−5)を充足することが更に好ましい。
[η] < 1.35×MFR-0.156 式(1−5)
なお、JIS K7210−1995に規定された方法において、試験荷重21.18N、測定温度190℃の条件で測定されるメルトフローレートが同じ値である従来のエチレン−α−オレフィン共重合体と本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体とを比較した場合、従来のエチレン−α−オレフィン共重合体の極限粘度は、本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の極限粘度よりも、通常高い値である。
2×MFR-0.59 < MT < 20×MFR-0.59 式(2)
押出成形体の外観を高める観点から、成分(A)のエチレン−α−オレフィン共重合体は、下記式(2−2)を充足することがより好ましく、
2.2×MFR-0.59 < MT 式(2−2)
下記式(2−3)を充足することが更に好ましい。
2.5×MFR-0.59 < MT 式(2−3)
また、押出成形体の機械的強度を高める観点から、成分(A)のエチレン−α−オレフィン共重合体は、下記式(2−4)を充足することがより好ましく、
MT < 10×MFR-0.59 式(2−4)
下記式(2−5)を充足することが更に好ましい。
MT < 5×MFR-0.59 式(2−5)
η* < 1550×MFR-0.25−420 式(3)
下記式(3−2)を充足することがより好ましく、
η* < 1500×MFR-0.25−420 式(3−2)
下記式(3−3)を充足することが更に好ましく、
η* < 1450×MFR-0.25−420 式(3−3)
下記式(3−4)を充足することが特に好ましい。
η* < 1350×MFR-0.25−420 式(3−4)
|2−y−2z|≦1
上記の式におけるyとして、好ましくは0.01〜1.99の数であり、より好ましくは0.10〜1.80の数であり、さらに好ましくは0.20〜1.50の数であり、最も好ましくは0.30〜1.00の数である。
(1)三塩化チタン、三塩化バナジウム、四塩化チタンおよびチタンのハロアルコラートからなる群から選ばれる少なくとも1種をマグネシウム化合物系担体に担持した成分と、共触媒である有機金属化合物からなる触媒
(2)マグネシウム化合物とチタン化合物の共沈物または共晶体と共触媒である有機金属化合物からなる触媒
(1)シクロペンタジエン形骨格を有する基を有する遷移金属化合物を含む成分と、アルモキサン化合物を含む成分からなる触媒
(2)前記遷移金属化合物を含む成分と、トリチルボレート、アニリニウムボレート等のイオン性化合物を含む成分からなる触媒
(3)前記遷移金属化合物を含む成分と、前記イオン性化合物を含む成分と、有機アルミニウム化合物を含む成分からなる触媒
(4)前記の各成分をSiO2、Al2O3等の無機粒子状担体や、エチレン、スチレン等のオレフィン重合体等の粒子状ポリマー担体に担持または含浸させて得られる触媒
実施例および比較例での物性は、次の方法に従って測定した。
JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18Nおよび温度190℃の条件で測定を行った。
JIS K7210−1995に規定された方法において、試験荷重211.83N、測定温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(MFR−H、単位:g/10分)を、JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18Nおよび温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(MFR)で除した値を、MFRRとした。
密度は、JIS K7112−1980に規定された方法に従って測定した。
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法を用いて、下記の条件(1)〜(8)により、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(1)装置:Water製Waters150C
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH−HT
(3)測定温度:145℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:500μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準物質:標準ポリスチレン(東ソー社製 TSK STANDARD POLYSTYRNE)
粘弾性測定装置(Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800)を用いて、下記測定条件で130℃、150℃、170℃および190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線を測定し、次に、得られた溶融複素粘度−角周波数曲線から、Rheometrics社製計算ソフトウェア Rhios V.4.4.4を用いて、活性化エネルギー(Ea)を求めた。
<測定条件>
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:25mm
プレート間隔:1.2〜2mm
ストレイン :5%
角周波数 :0.1〜100rad/秒
測定雰囲気 :窒素下
上記の(5)流動の活性化エネルギーを測定した際に得られた190℃での溶融複素粘度−角周波数の測定結果から、角周波数が100rad/secにおける190℃の溶融複素粘度を求めた。
東洋精機製作所製 メルトテンションテスターを用いて、温度が190℃の条件で、9.5mmφのバレルに充填した溶融樹脂を、ピストン降下速度5.5mm/分で、径が2.09mmφ、長さ8mmのオリフィスから押出し、該押し出された溶融樹脂を、径が150mmφの巻き取りロールを用い、40rpm/分の巻き取り上昇速度で巻き取り、溶融樹脂が破断する直前における張力値を測定した。この値が大きいほど溶融張力が大きいことを示す。
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)を0.5g/Lの濃度で溶解したテトラリン溶液(以下、ブランク溶液と称する。)と、該ブランク溶液に対して、エチレン重合体樹脂の濃度が1mg/mlとなる135℃のテトラリン溶液(以下、サンプル溶液と称する。)とを調整し、ウベローデ型粘度計により、該ブランク溶液と該サンプル溶液の135℃での降下時間を測定し、該降下時間から135℃での相対粘度(ηrel)を求めた後、下記式より算出した。
[η]=23.3×log(ηrel)
JIS K7201―1976に従って、酸素指数を測定した。この値が大きいほど難燃性に優れる。
厚み2mmのプレスシートを作成し、シートから、JIS K6251−1993に記載の3号ダンベル型に打ち抜いたものを試料として用いた。標線間距離20mm、チャック間60mm、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、引張破断強度(単位:MPa)と引張破断呼びひずみ(単位:%)を求めた。これらの値が大きいほど機械的強度に優れる。
東洋精機製キャピログラフを用いて、バレル設定温度150℃、L=40mm/D=1mmで流入角90度のタングステンカーバイド製のオリフィスを用い、ピストン降下速度100mm/minで溶融押出を行い、押し出されたストランドを回収した。ストランドの表面凹凸をキーエンス社製デジタルマイクロスコープにより撮影し、撮影したストランド表面画像から肌荒れ部分の凹部と凸部の高さの差を計測し、肌荒れの値(単位:μm)とした。この値が小さいほど押出成形品の外観に優れる。
(1)助触媒担体の調製
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;平均粒子径=55μm;細孔容量=1.67ml/g;比表面積=325m2/g)2.8kgとトルエン24kgとを入れて、撹拌した。5℃に冷却した後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン0.91kgとトルエン1.43kgと混合溶液を反応器の温度を5℃に保ちながら33分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間、95℃で3時間攪拌し、ろ過した。得られた固体生成物をトルエン21kgで6回、洗浄を行った。その後、トルエンを6.9kg加えてスラリーとし、一晩静置した。
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブに、固体生成物(a−1)0.71gと、ブタン80リットル、常温常圧の水素として0.5リットルを仕込んだ後、オートクレーブを30℃まで上昇した。さらにエチレンをオートクレーブ内のガス相圧力で0.03MPa分仕込み、系内が安定した後、トリイソブチルアルミニウム208mmol、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド70mmolを投入して重合を開始した。50℃へ昇温するとともに、エチレンと水素を連続で供給しながら、50℃で合計4時間の予備重合を実施した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素ガスなどをパージして残った固体を室温にて真空乾燥し、助触媒担体(a1)1g当り13.3gのエチレンが予備重合された予備重合触媒成分を得た。
上記の予備重合触媒成分を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ヘキセンの共重合を実施した。重合条件は、温度75℃、全圧2MPa、ガス線速度0.28m/s、エチレンに対する水素のモル比は0.895%、エチレンに対する1−ヘキセンのモル比は1.91%とし、重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。さらに、流動床の総パウダー重量を80kgに維持し、平均重合時間3.6hrとなるように、上記予備重合触媒成分と、トリイソブチルアルミニウムとを一定の割合で連続的に供給した。重合により、22kg/hrの重合効率でエチレン−1−ヘキセン共重合体(以下、PE−1と称する。)のパウダーを得た。
上記で得たPE−1のパウダーを、押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)により、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度4.2mm、サクション圧力0.2MPa、樹脂温度200〜230℃条件で造粒することにより、PE−1のペレットを得た。PE−1のペレットの物性を表1に示す。
PE−1のペレット100重量部と水酸化マグネシウム(協和化学社製 商品名キスマ5B;以下、難燃剤Kと称する。)50重量部とを、ラボプラストミル(東洋精機社製)を用いて、設定温度160℃、回転数60rpmの条件で10分間混練を行い、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の物性の評価結果を表2に示す。
PE−1のペレット100重量部と難燃剤K 100重量部とを、ラボプラストミル(東洋精機社製)を用いて、設定温度160℃、回転数60rpmの条件で10分間混練を行い、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の物性の評価結果を表2に示す。
市販の高密度ポリエチレン(Dow Chemical社製 アフィニティ PF1140;以下、PE−2と称する。)のペレット100重量部と、難燃剤K 50重量部とを、ラボプラストミル(東洋精機社製)を用いて、設定温度160℃、回転数60rpmの条件で10分間混練を行い、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の評価結果を表2に示す。また、PE−2の物性を表1に示す。
市販の直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリケム社製 ノバテックLL UE320;以下、PE−3と称する。)のペレット100重量部と、難燃剤K 100重量部とを、ラボプラストミル(東洋精機社製)を用いて、設定温度160℃、回転数60rpmの条件で10分間混練を行い、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の評価結果を表2に示す。また、PE−3の物性を表1に示す。
PE−1の評価を行った。評価結果を表2に示す。
PE−1のペレット100重量部と、難燃剤K 250重量部と、市販の直鎖状低密度ポリエチレン(住友化学社製 エクセレンFX CX3007;以下、PE−4と称する。)67重量部とを、ラボプラストミル(東洋精機社製)を用いて、設定温度160℃、回転数60rpmの条件で10分間混練を行い、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の物性の評価結果を表3に示す。
PE−3のペレット100重量部と、難燃剤K 250重量部と、PE−4のペレット67重量部とを、ラボプラストミル(東洋精機社製)を用いて、設定温度160℃、回転数60rpmの条件で10分間混練を行い、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の物性の評価結果を表3に示す。
Claims (3)
- 下記成分(A)と成分(B)とを含有するエチレン系樹脂組成物であって、成分(B)の含有量が、該樹脂組成物を100重量%として、0.1〜75重量%であるエチレン系樹脂組成物。
成分(A):流動の活性化エネルギー(Ea)が40kJ/mol以上であり、JIS K7210に規定された温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定されるメルトフローレート(MFR)が0.1〜100g/10分であり、分子量分布(Mw/Mn)が5〜25であるエチレン−α−オレフィン共重合体
成分(B):難燃剤 - 下記成分(C)を含有し、成分(C)の含有量が、成分(A)と成分(C)との合計を100重量%として、5〜70重量%である請求項1に記載のエチレン系樹脂組成物。
成分(C):高圧法低密度ポリエチレンおよび流動の活性化エネルギー(Ea)が40kJ/mol未満であるエチレン−α−オレフィン共重合体からなるエチレン系重合体群から選ばれた少なくとも1種のエチレン系重合体 - シース用である請求項1または2に記載のエチレン系樹脂組成物。
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