JP2007022781A - 平版刷版の自動供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の合紙レス平版刷版を束にしたものを装填し平版刷版を1枚づつ分離して搬出可能で、装置の構成が簡素で廉価に製造可能であり、さらに小型化可能である、平版刷版の自動供給装置を提供する。
【解決手段】 一方の平版刷版111表面上に他方の平版刷版111の裏面を直接接触させて積層することにより平版刷版111が所定複数枚重ねられて束にされたものを、斜めに配置された支持台160上に斜めに持たせ掛けるように保管棚144に載置し、この保管棚144に載置された平版刷版111の束における最も上に位置する平版刷版111を、捌き手段202によって保管棚144から30mm以上持ち上げた後に離す捌き動作を行う。そして、保管棚144上に載置された平版刷版111の束における最も上に位置し、捌き手段202で捌かれた平版刷版111の表面に搬出用ローラ146を転接させて搬出する動作を行う。
【選択図】 図12

Description

この発明は、複数の平版刷版だけを束ねたものを装填し、各平版刷版を1枚づつ分離して搬出する枚葉供給装置を供えた平版刷版の自動供給装置に関する。
一般に、オフセット印刷には、平版刷版としての感光性印刷版(いわゆるPS版)が利用されている。また、この平版印刷の分野では、未露光の感光性印刷版の供給を受けて、この感光性印刷版に対しコンピュータ等のデジタルデータに基づいてレーザ露光処理をし、自動現像機で感光性印刷版上に形成された潜像を顕像に変換する現像処理をして直接印刷版を製版するCTP(Computer to Plate)システムが実用化されている。
CTPシステムに用いられる感光性印刷版10は、図13に例示するように、薄いアルミニウム基板12の表面上へ感光剤を層状に塗布して感光層14が構成されている。さらに、このような感光性印刷版(PS版)10には、アルミニウム基板12に塗布する感光剤を外力に対し強い特性(例えば、通常のPS版の20倍以上の強度特性)とした、合紙の保護を必要とせず、じかに重ねて束ねた状態で取り扱っても傷が問題とならない程度に記録層側の表面を強化した、表面強化型のフォトポリマPS版(いわゆる合紙レス平版刷版)がある。
また、この合紙レス感光性印刷版では、酸素による感光層14の減感現象防止のため、感光性印刷版(PS版)の感光層14の最外表面上にオーバーコート層(いわゆるOC層と呼ばれるPVA:ポリビニールアルコール)16が塗布されている。この合紙レス感光性印刷版のOC層16は、画像記録(露光)完了までは必要だが、現像に対しては障害となるために、現像前の水洗工程で完全に除去できるように、OC層16を水溶性材料で構成している。
このような合紙レス感光性印刷版(合紙レスPS版)を使用するCTPシステムには、平版刷版の自動供給装置を備えたものがある。この平版刷版の自動供給装置は、一方の感光性印刷版10表面の感光面上に他方の感光性印刷版10裏面を直接接触させて積層し、所定複数枚重ねた束を、遮光された自動供給装置のハウジング内に装填し、製版作業の開始と共に自動供給装置の枚葉供給装置によって感光性印刷版の束から感光性印刷版10を1枚ずつ分離して、露光処理部側へ搬出する。
この平版刷版の自動供給装置は、合紙レス感光性印刷版の取り出し機構とPS版搬送機構で構成する。この平版刷版の自動供給装置では、合紙レス平版刷版の枚葉供給手段として構成するため、合紙取り出し機構、合紙搬送機構及び合紙集積部が不要となり、高生産性、低価格、省スペースな構成をとることが可能である。
さらに、この合紙レス平版刷版を使用する平版刷版の自動供給装置は、複数枚重ねられた感光性印刷版10の束における最も上にある感光性印刷版10表面にゴム製ローラを転接させることによって感光性印刷版10を一枚づつ分離して搬出する、いわゆるローラピック方式で構成することが考えられる。
しかし、このような合紙レス平版刷版を使用するCTPシステムにおけるローラピック方式の平版刷版の自動供給装置では、自動供給装置のハウジング内に複数枚重ねられた状態で感光性印刷版10の束が装填されるため、梅雨時に稼動する場合等のように自動供給装置のハウジング内が高温多湿(例えば、気温30℃、湿度50%以上)になると、OC層が空気中の水分を吸水し、溶け出して接着性が増加する傾向がある。
その結果、ローラピック方式の平版刷版の自動供給装置では、図14に示すように、OC層が吸水し溶けて接着性が増加した部分16Aがその上に重ねられている最も上にある感光性印刷版10のアルミニウム基板12の裏面に接着してしまい、この最も上にある感光性印刷版10をその下の感光性印刷版10から引き剥がして搬出するための搬送負荷Rが増加するので、ピックアップ用のローラを強く押し当ててニップ力を増加し搬送力Fを大きくしなければならなくなる。
また、このローラピック方式の平版刷版の自動供給装置では、接着性が増加した部分16Aの接着力が大きくなると、ピックアップ用のローラで一時に複数枚の感光性印刷版10を搬出する状態や、搬送負荷Rが増加して搬送不可の状態にもなりかねない。
さらに、このローラピック方式の平版刷版の自動供給装置では、ピックアップ用のローラを強く押し当てて搬送力Fを増加した場合に、図15に示すように、最も上にある感光性印刷版10の裏面に接着性が増加した部分16Aが部分的又は全体的に付着した状態で搬出されることとなり、感光性印刷版10に、OC層16の剥れによる傷を生じる虞がある。
そこで、このような平版刷版の自動供給装置では、積層された複数枚の平版刷版から1枚の平版刷版を持ち上げて搬送する際に、平版刷版の感光層、OC層等の表面に損傷を与えないようにする平版刷版の供給装置として、吸着パッドを利用してハンドリングする手段を利用することが考えられる。
従来の吸着パッドを利用してハンドリングする手段には、吸着パッド部の吸着パッドで、カセットに積層収納された複数枚の平版刷版の内、最上位の平版刷版の前端部を吸着して持ち上げる刷版供給装置が提案されている。
この刷版供給装置では、刷版支持機構のローラ支持体のローラ群を、この持ち上げられた平版刷版と下の平版刷版との間隙に挿入し、これら平版刷版を分離した状態で、持ち上げられた平版刷版の下面を支持する。そしてこの状態で、搬送機構は、吸着パッド部を上方に移動して、吸着パッドが吸着支持している平版刷版を画像処理装置の搬入口に搬送し、平版刷版を画像処理装置に供給する手段が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、上述のような従来の刷版供給装置では、吸着パッドで平版刷版を吸着支持した状態で、搬送機構により、この平版刷版を吸着支持した状態の吸着パッド部を上方に移動し、さらに画像処理装置の搬入口に搬送する作業を行うため、この搬送機構が複雑で大きく高価なものとなるという問題がある。
さらに、この従来の刷版供給装置では、吸着パッド部が平版刷版の束から一枚の平版刷版を吸着支持してから平版刷版を画像処理装置の搬入口に搬送し終えるまでの長い時間、平版刷版を吸着支持した状態を保持するために、大型で高価な真空ポンプを用いなれければならないので刷版供給装置が高価になるという問題がある。
また、この従来の刷版供給装置では、所定部所に固定して配置された真空ポンプと、搬送機構で長い範囲を移動操作される吸着パッドとの間を、真空ホースで接続して構成すると、真空ホースが常に大きく動かされることになるので劣化しやすいため、頻繁にメンテナンスをする必要があり、メンテナンスコストが高くなるという問題がある。
特開平7−172607号公報
本発明は、上述の問題に鑑み、複数の合紙レス平版刷版を束にしたものを装填し平版刷版を1枚づつ分離して搬出可能で、装置の構成が簡素で廉価に製造可能であり、さらに小型化可能である、平版刷版の自動供給装置を新たに提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の平版刷版の自動供給装置は、一方の平版刷版の表面上に他方の平版刷版の裏面を直接接触させて積層することにより平版刷版が所定複数枚重ねられて束にされたものを、斜めに配置された支持台上に斜めに持たせ掛けるように載置する保管棚と、保管棚に載置された平版刷版の束における最も上に位置する平版刷版の搬送方向先端側端部を、30mm以上100mm以下持ち上げてから離す捌き動作を行う捌き手段と、保管棚上に載置された平版刷版の束における最も上に位置し、捌き手段で捌かれた平版刷版の表面に転接して搬出する搬出用ローラと、を有することを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の平版刷版の自動供給装置は、一方の平版刷版の表面上に他方の平版刷版の裏面を直接接触させて積層することにより平版刷版が所定複数枚重ねられて束にされたものを、斜めに配置された支持台上に斜めに持たせ掛けるように載置する保管棚と、保管棚に載置された平版刷版の束における最も上に位置する平版刷版の搬送方向先端側端部を保管棚から引き離すように持ち上げることにより、持ち上げられた平版刷版が下の平版刷版から剥離している長さの割合が50%以上100%以下となる状態としてから離す捌き動作を行う捌き手段と、保管棚上に載置された平版刷版の束における最も上に位置し、捌き手段で捌かれた平版刷版の表面に転接して搬出する搬出用ローラと、を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の平版刷版の自動供給装置において、捌き手段を、真空吸着用の吸盤装置で構成したことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の平版刷版の自動供給装置において、捌き手段を、貼着と剥離動作とを繰り返し行える粘着剤を用いて構成したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の平版刷版の自動供給装置において、捌き手段を、小板状に形成された爪を平版刷版の先端部に引っ掛けて引き上げるように構成したことを特徴とする。
前述のように構成することにより、自動供給装置内に、合紙の介在無しで所定複数枚の平版刷版を積層し重ねて束にしたものを保管棚上に斜めに持たせ掛けるように載置し、捌き手段で捌き動作を行うことにより、最上部の位置にある搬出される平版刷版を持ち上げてその下にある平版刷版との間に空気を入れるので、これらの間の真空吸着状態を解除すると共に接着力を低減し、搬送負荷を低減し、搬出用ローラが平版刷版を搬出するのに必要な搬送力を軽減し、搬出用ローラのニップ力を低減して、平版刷版の表面にある記録層、OC層等を傷つけることを防止できる。
本発明の平版刷版の自動供給装置によれば、複数の合紙レス平版刷版を束にしたものを装填し、搬出する平版刷版を捌いてこれに隣接する平版刷版との接着力を低減させてから、ローラピック方式により平版刷版を1枚づつ分離して搬出できるので、装置の構成を簡素化し廉価に製造可能であり、さらに小型化できるという効果がある。
本発明の平版刷版の自動供給装置に関する実施の形態について図1乃至図12により説明する。本実施の形態に係わる平版刷版の自動供給装置は、例えば、現在市販されている一般の感光性印刷版(PS版)と比較して、感光性印刷版の表面に感光剤を塗布して形成された感光面が外力に対し強く(20倍以上)、合紙の保護を必要としないフォトポリマPS版である、いわゆる合紙レス感光性印刷版(合紙レスPS版)を所定複数枚束にしたものを装置内に装填し、枚葉供給装置で各平版刷版である感光性印刷版を1枚づつ分離して搬出する送給作業を可能に構成する。
すなわち、この平版刷版の自動供給装置に用いる合紙レス平版刷版(合紙無し感光性印刷版)は、所定サイズの長方形の板状に形成された薄いアルミニウム板である支持体上に、感光材料を含有する感光面(画像記録層である感光剤面)を塗布して形成された感光面が設けられている。
この平版刷版の自動供給装置に用いる合紙レス感光性印刷版は、これを製造してから所定複数枚の感光性印刷版を、合紙を廃止して、感光性印刷版の表面に当たる感光面(感光剤面であるEm面)に感光性印刷版の裏面に当たる(PS版アルミ面であるBack面)を直接接触させる状態で積層して束にした状態で、運搬や保管を行い、さらに感光性印刷版の母材であるアルミ面で感光面を擦りながら感光性印刷版を1枚づつ分離して搬出しても、傷や圧力カブリ等を生じないという特性を持つ。
また、この平版刷版の自動供給装置に用いる合紙レス感光性印刷版は、感光性印刷版の裏面に当たるアルミニュウム材料面であるBack面に、その下に積み重ねられた感光性印刷版表面の記録面に対して擦れ傷を付けることを防止するためのオーバーコート層を塗布したものであっても良い。
この合紙レス感光性印刷版は、製造後、合紙無しで所定複数枚積み重ねられることにより直方体の束にされて梱包され、搬送及び保管等の取り扱いが容易な状態とされる。この合紙レス感光性印刷版は、梱包を解いてから合紙無しで所定複数枚積み重ねられた束の状態で、CTPシステムに設けた平版刷版の自動供給装置の内部へ遮光状態で供給する。
このCTP(Computer to Plate)システムは、コンピュータ等のデジタルデータに基づいてレーザ露光処理をし、自動現像機で感光性印刷版上に形成された潜像を顕像に変換する現像処理をして直接印刷版を製版する。
図1及び図2に示すように、このCTPシステムは、合紙無しで所定複数枚積み重ねられた平版刷版111の束が供給される自動供給装置110と、この自動供給装置110に連続して平版刷版111の束から平版刷版111(PS版)を1枚づつ分離して供給する枚葉供給装置112と、インナードラム露光装置(モノゴンスキャナー)114と、バッファ装置116と、現象処理装置118とを備える。
このCTPシステムにおける自動供給装置110は、その内部で枚葉供給装置112と連続するように構成されている。この枚葉供給装置112を構成するため、自動供給装置110の扉142を開けた内部には、保管棚144を設置する。この保管棚144は、自動供給装置110の床面からインナードラム露光装置114側の上部へかけて所定角度θで斜めに配置した支持台160に、高さ位置を調整可能なように棚部材162を装着して構成する。この保管棚144では、支持台160を水平に対して角度60度から角度80度の範囲、好ましくは角度70度で傾斜させる。
このように構成した保管棚144に、合紙無しで所定複数枚積み重ねられた平版刷版111の束を載置するには、図2及び図3に示すように、この束の搬送方向上流側端部を棚部材162の上に載せて支持台160の表面に斜めに持たせ掛けるようにして載置する。
このように構成することにより、所定角度で斜めに配置した支持台160上に載置された合紙無しで所定複数枚積み重ねられた平版刷版111の束において、最も表面側に位置する平版刷版111は、その自重によりその下にある平版刷版111に圧接する力を、保管棚144を水平に配置する場合と比較して減少させることができる。
さらに、このように構成する場合には、保管棚144を水平に配置する場合と比較して自動供給装置110の水平方向の大きさを削減して装置の小型化を図ることができる。
また、この枚葉供給装置112には、保管棚144の上側の位置に、複数の合紙レス平版刷版111の束における最上部位置にある搬出される平版刷版111を捌いて隣接する平版刷版との接着力を低減させるための捌き手段と、この捌かれた平版刷版111を1枚づつ分離して搬出するためのローラピック方式に構成された搬出手段とを配置する。
なお、ここで、「捌き」とは、複数の合紙レス平版刷版111の束(スタック版)における最上部位置にある搬出される平版刷版111を持ち上げて、その下にある平版刷版111との間に空気を入れることを意味する。また、この枚葉供給装置112では、捌き動作を行わせる構成を簡素化して廉価に製造可能とするため、捌き動作の際に可能な限り平版刷版111を持ち上げる量を少なくし、かつ最上部位置にある搬出される平版刷版111とその下にある平版刷版111との間に入る空気の量を増大させてより広い範囲に空気を入れることが肝要である。
図3に示すように枚葉供給装置112では、捌き手段とローラピック方式の搬出手段とを単一の操作部材206上に装着して一体的に構成したピックアップユニット200を配置する。このピックアップユニット200では、操作部材206に、捌き手段としてサッカー(真空サッカー)202と、ローラピック方式の搬出手段としてのゴムローラ製の搬出用ローラ146とを装着する。
この操作部材206は、長板の中央部をU字状に切欠した所定の変形板状に形成し、その長手方向両端部から回転軸棒208を突設する。この操作部材206は、その長手方向を搬送方向に直交する方向に向けた状態で、その両端部から突出した回転軸棒208をそれぞれ図示しない制御装置で駆動制御される回動操作機に接続して、全体が回転軸棒208を軸に所定角度回動制御可能なように構成する。
この操作部材206には、その長手方向両端部に、それぞれ昇降装置210を介して、いわゆる首振り可能な状態で各サッカー202を装着する。この昇降装置210は、制御装置で駆動制御されるアクチェータ等を利用してサッカー202を、平版刷版111の表面に密着させる吸着位置から所定距離離間した持ち上げ位置まで昇降操作可能に構成する。
サッカー202は、図4に示すように、真空吸着用の吸盤装置として構成するもので、真空吸着用の吸盤部を長円状に形成する。このサッカー202は、平版刷版111に当接するスカート部202Aを比較的小さな波形状に形成する。このようにスカート部202Aを比較的小さな波形状に形成した場合には、スカート部202Aを平版刷版111の表面に吸着させたとき、平版刷版111がスカート部202Aの波形状に沿うように弾性変形するので、この吸着された平版刷版111とその下にある平版刷版111との隙間から容易に空気を流入させて真空密着を解除する捌き動作を適切に行わせることができる。
また、このサッカー202のスカート部202Aの平版刷版111に当接する内側中央部には、空気を吸引するための吸引口部224を開口する。この吸引口部224には、真空ホース226の一端部を接続する。さらに、この真空ホース226の他端部は、図示しない真空ポンプに接続して、この制御装置で真空ポンプを駆動制御し真空ホース226を介してサッカー202のスカート部202Aの吸引口部224から空気を吸引することにより、スカート部202Aを平版刷版111の表面に吸着させるように構成する。
なお、このサッカー202は、保管棚144に載置された平版刷版111の束における最も上に位置する平版刷版111を、保管棚144から引き離すように持ち上げてから離す捌き動作を行うためのものであるから、真空ポンプの一回の駆動時間が短く、空気の吸引能力も小さくて良いから、比較的小型で低出力の廉価な真空ポンプを利用することができる。
図3に示すように、操作部材206には、その長手方向中央部に設けたU字状の切欠部内に臨むように、搬出用ローラ146を配置する。この搬出用ローラ146は、その回転軸212の両端部をそれぞれ操作部材206の裏面に突設された図示しない軸受部材に回動自由に支受させて装着する。
この搬出用ローラ146を回転駆動するため、搬出用ローラ146の一方の端部から突出した回転軸212には、プーリ214を同軸に固着する。さらに、操作部材206の一部に突設した台座216には、制御装置で駆動制御される駆動モータ218を設置する。この駆動モータ218の出力軸には、駆動プーリ220を同軸に固着する。
そして、この駆動モータ218の駆動プーリ220と、搬出用ローラ146のプーリ214との間に巻き掛け伝動機構用の無端ベルト222を巻き掛けて、駆動モータ218によって搬出用ローラ146を回転駆動可能に構成する。
次に、上述した図3に示す構成のピックアップユニット200による、複数の合紙レス平版刷版111の束における最上部位置にある搬出される平版刷版111を捌く動作と、この捌かれた平版刷版111を1枚づつ分離して搬出する搬出動作について説明する。
このピックアップユニット200は、図示しない回動操作機によって、ピックアップ位置と、捌き操作位置と、退避位置との間を移動操作される。
このピックアップユニット200の退避位置は、複数の合紙レス平版刷版111の束から、搬出用ローラ146とサッカー202とが所定距離離間して、複数の合紙レス平版刷版111の束を保管棚144へ補給する動作等の邪魔にならない位置に設定する。
ピックアップユニット200は、この退避位置において、制御装置で昇降装置210を駆動制御してサッカー202を搬出用ローラ146の平版刷版111に対する当接レベルから離間した所定の上昇位置に移動させた状態で待機する。
このピックアップユニット200は、平版刷版111の搬出動作を開始するときに捌き動作を行うため、退避位置で待機している状態から、図示しない制御装置で駆動制御される回動操作機によって合紙レス平版刷版111の束上面に移動される。
この動作のとき、ピックアップユニット200は、図5(A)に示すように、その搬出用ローラ146が初めに最も上に位置する平版刷版111の表面に当接する。次に、このピックアップユニット200を駆動制御する制御装置は、昇降装置210を駆動制御してサッカー202を平版刷版111の表面に圧接させた図5(B)及び図6(A)に示す状態とする。
そして、この制御装置は、真空ポンプを駆動させ真空ホース226を介してサッカー202のスカート部202Aの吸引口部224から空気を吸引することにより、スカート部202Aを平版刷版111の搬送方向先端側端部近くの表面に吸着させる。この動作により、平版刷版111の搬送方向先端側端部近くの部分は、スカート部202Aの波型形状に沿って弾性変形するので、その下にある平版刷版111の表面との間に空気が流入可能な比較的小さな開口が開いて密着が部分的に解除された状態となる。
次に、制御装置は、昇降装置210を駆動制御して、サッカー202を搬出用ローラ146の平版刷版111に対する当接レベルから離間した所定の上昇位置に移動させた図5(C)に示す状態とする。この状態では、平版刷版111の搬送方向先端側端部近くの部分が、スカート部202Aの波型形状に沿った比較的小さな開口が開くと共に、平版刷版111の搬送方向先端側端部近くの部分が、その中央部で搬出用ローラ146に当接し、その両側部分で格サッカー202によって持ち上げられて比較的大きなウェーブを描くように弾性変形して湾曲した状態となり、搬出される平版刷版111とその下にある平版刷版111との間に搬送方向先端の幅方向全体に渡って密着が全面的に解除された状態となる。
次に、この制御装置は、図示しない回動操作機を駆動制御して、ピックアップユニット200を捌き操作位置へ移動させた図5(D)及び図6(B)に示す状態とする。この動作の際に、搬出される平版刷版111は、その先端部が比較的小さな波型形状と比較的大きなウェーブ形状とを同時に成すように弾性変形した状態で隙間を開けているから、その下にある平版刷版111の表面に対して全幅に渡り離間した隙間から大量の空気を容易に流入可能な状態で引き剥がされることにより、搬出される平版刷版111の搬送方向後端側に向けて急速に空気が流入し離間する範囲が広がる。
なお、この動作の際に、サッカー202が首振り可能に装着されているので、平版刷版111に無理な曲げ力が働くことを防止できる。
また、この枚葉供給装置112の捌き手段では、より確実に平版刷版111が複数枚重なった状態で搬出されることを防止するために、ピックアップユニット200を捌き操作位置へ移動させる際にサッカー202で吸着された平版刷版111の先端が通る軌跡上に臨むように、弾性板状に構成した捌き部材228(図5(D)に図示)を図示しない固定フレーム部材等に取り付けて配置しても良い。
このような捌き部材228を配置した場合には、サッカー202に複数の平版刷版111が重なった状態で持ち上げられた場合に、平版刷版111の搬送方向先端部が捌き部材228に当たって2枚目以降の平版刷版111を一枚目の平版刷版111から引き剥がして落下させるので、より確実に平版刷版111を一枚だけ捌き操作位置へ移動させることができる。
次に、この制御装置は、図示しない真空ポンプを停止して、サッカー202の平版刷版111に対する吸着力を解除する。すると、保管棚144上に斜めに立て掛けられている搬出される平版刷版111は、その搬送方向先端部が弾性復帰力と自重とによりその下にある平版刷版111の表面側に倒れかかる動作を行う。この倒れかかる動作の際、搬出される平版刷版111とその下の平版刷版111との間にある空気が搬送方向下流側から搬送方向上流側へ向けて押し出されるため、搬出される平版刷版111における搬送方向上流側部分とその下の平版刷版111の表面との間に空気が流れて、これら両者を全面的に分離し空気層を介在させて隣接させた状態、すなわち接着力を低減させて隣接した状態とする。
なお、上述した捌き動作は、これを複数回行い又は捌き動作として、揺する動作や煽る動作を付随させるようにしても良い。
また、上述のようなピックアップユニット200による捌き動作は、合紙無しで所定複数枚積み重ねられた平版刷版111の束を所定角度で斜めに配置した支持台160上に載置した構成としたために、良好な効果が得られるのである。例えば、合紙無しで所定複数枚積み重ねられた平版刷版の束を水平に配置した支持台上に載置した構成である場合には、その平版刷版の先端部をピックアップユニットで持ち上げてもこの平版刷版の後端側が自重でその下の平版刷版と密着した状態を保つことになるので、接着力を低減させるような捌き効果を得ることは困難である。
次に、制御装置は、昇降装置210を駆動制御して、サッカー202を搬出用ローラ146の平版刷版111に対する当接レベルから離間した所定の上昇位置に移動させる。さらに制御装置は、図示しない回動操作機を駆動制御して、ピックアップユニット200をピックアップ位置へ移動させた図6(D)に示す状態とする。この後、制御装置は、駆動モータ218を駆動制御して搬出用ローラ146を回転駆動して平版刷版111の表面に転接させることにより、平版刷版111を搬送ベルト巻き掛け機構へ向けて搬出する。
このとき、搬出される平版刷版111は、捌かれて接着力が低減され、搬送負荷が低減されているので、搬出用ローラ146が平版刷版111を搬出するのに必要な搬送力も軽減されるため、搬出用ローラ146のニップ力を低減出来るから、平版刷版111のOC層剥れ(傷)が抑制できる。
なお、上述した一枚の平版刷版111の搬出動作が完了すると、制御装置は、図示しない回動操作機を駆動制御して、ピックアップユニット200を退避位置に復帰させて次の搬送動作に備える。
また、上述したピックアップユニット200の構成例では、図3及び図4に示す如く、制御装置が昇降装置210を駆動制御してサッカー202を昇降操作するよう構成していたが、操作部材206に対して、図8乃至図10に示すようなリンク機構を利用した機械的な連動操作機構を介して搬出用ローラ146とサッカー202とに所要の動作を行わせるように構成しても良い。
図8乃至図10に示す連動操作機構を利用するものでは、各サッカー202を4節回転連鎖機構で支持して操作するように構成する。このため、回転制御軸230が一端部に固定された駆動用の第1リンク部材232には、その回転制御軸230と同軸上で第2リンク部材234の一端部を回転自由に軸着する。
この第2リンク部材234の他端部には、第3リンク部材236の一端部を軸着する。さらに、第3リンク部材236の他端部には、第4リンク部材238の一端部を軸着する。また、第4リンク部材238の他端部は、第1リンク部材232の他端部に軸着して4節回転連鎖機構を構成する。
この4節回転連鎖機構では、第3リンク部材236における第2リンク部材234との軸着部側にブラケット240を固着する。このブラケット240には、サッカー202の管状固定部材242を貫通させた状態で固着する。なお、この管状固定部材242には、図示しない真空ポンプから引き出された真空ホースの一端部を接続する。
このように構成したサッカー202を操作するための4節回転連鎖機構では、回転制御軸230で第2リンク部材234を所定角度だけ正転又は逆転させることにより、サッカー202を平版刷版111の表面と平行な状態で、離間又は当接させる動作を行わせる。
また、図8乃至図10に示す連動操作機構を利用するものでは、4節回転連鎖機構に関連させて搬出用ローラ146を移動操作するよう構成する。このため、4節回転連鎖機構を駆動する回転制御軸230と同軸上に支持リンク部材244の一端部を軸着する。この支持リンク部材244の他端部には、搬出用ローラ146の回転軸を軸着する。
また、搬出用ローラ146の動作を第2リンク部材234の動作に関連させるために、第2リンク部材234の所定中間位置には、回転制御軸230の回転軸を中心とした円弧状の長穴である動作制御穴246を穿孔する。
これと共に、支持リンク部材244の動作制御穴246に対面する所定位置には、丸棒状の操作補助ピン248を突設し、この操作補助ピン248の先端部を動作制御穴246内に遊挿する。このように構成した4節回転連鎖機構と支持リンク部材244との部分は、常時に、搬出用ローラ146側の自重によって図8に示す状態となる。
次に、図8乃至図10に示す連動操作機構を利用した構成のものの作用及び動作について説明する。
この図8乃至図10に示す連動操作機構を利用した構成のピックアップユニット200では、4節回転連鎖機構と支持リンク部材244との部分が図8に示す状態となって、退避位置で待機している。この状態から、制御装置は平版刷版111の搬出動作を開始するときに捌き動作を行うため、退避位置で待機している状態から、回転制御軸230が所定角度回動操作されることによって合紙レス平版刷版111の束上面に降下される。このとき搬出用ローラ146が初めに平版刷版111の表面に当接する。
さらに、この状態から回転制御軸230が回動すると、搬出用ローラ146が平版刷版111の表面に乗って静止した状態で操作補助ピン248が動作制御穴246内を移動するため、サッカー202が平版刷版111の表面に当接し、図9に示す状態となる。
次に、図示しない制御装置は、真空ポンプを駆動し、サッカー202で平版刷版111を吸着する。そして、制御装置は、回転制御軸230を所定角度回動操作してピックアップユニット200を合紙レス平版刷版111の束上方の捌き操作位置に移動した図10に示す状態とする。なお、この図10に示す状態では、前述した図5(D)及び図6(B)に対応した状態となる。
この後に、前述した図3及び図4に示したピックアップユニット200と同様の動作で、サッカー202から平版刷版111を解除して捌き動作を行い、さらにその後ピックアップユニット200をピックアップ位置にセットして、平版刷版111を搬出する動作を行う。
なお、上述した図8乃至図10に示す連動操作機構を利用した構成における以上説明した以外の構成、作用、効果は、前述した図3及び図4に示したピックアップユニット200と同様である。
また、前述した図3及び図4と、図8乃至図10とに示したものでは、平版刷版111の表面側からアクセスして平版刷版111の先端部を持ち上げる作用を行う手段であるサッカー202を真空吸着用の吸盤装置で構成したものについて説明したが、この手段をシート状に形成した貼着と剥離動作(例えば捻じることで剥離させる動作)とを繰り返し行える粘着剤を利用して構成しても良い。
また、この枚葉供給装置112の捌き手段では、平版刷版111の側端部からアクセスして平版刷版111の先端部を持ち上げる作用を行う手段を用いることができる。この平版刷版111の側端部からアクセスして平版刷版111の先端部を持ち上げる作用を行う手段は、図示しないが、小板状に形成された爪を平版刷版111の先端部に引っ掛けて所定高さ引き上げるように構成することができる。
さらに、平版刷版111の束をその最上面に位置する平版刷版111を保持して引き上げた状態で、この平版刷版111の束の先端側面をブラシで束の最上面から最下面へ向けて厚さ方向に擦ることにより、最上面に位置する平版刷版111から、その下側の平版刷版111を分離して落下させて、最上面に位置する平版刷版111がその下の平版刷版111から所定高さ引き上げられた状態とするように構成しても良い。
次に、このローラピック方式の搬出手段を備えた枚葉供給装置112において、搬出用ローラ146で平版刷版111を搬出する際に搬送負荷を低減して搬送に必要となる搬出用ローラ146のニップ力を低減することにより平版刷版111の感光層及びオーバーコート層に傷を付けることを適切に抑制する効果を得られるようにするための捌き手段が行う捌き動作の条件を求めるために行った実験について、図11及び図12により説明する。
この実験では、枚葉供給装置112によって、B2サイズ(765×686)で厚さt=0.3mm、縦目である、いわゆる合紙レス平版刷版111を用いた。さらに、支持台160に載置した平版刷版111の束の傾き角度を、水平に対して角70度に設定した。また、実験を行った環境は、気温23℃、湿度50%(RH)に設定した、但し、実測値では気温24℃、湿度45%(RH)であった。
この実験では、まず、平版刷版111の束を、保管棚144に搭載した状態と同様に70°傾けた状態でスタックして重しをおいて放置し、平版刷版111間の空気を抜いた。
次に、平版刷版111間の空気が抜けてから、重りを除去し、平版刷版111の先端中央部に測定用の持ち上げ治具202A(図12(A)に図示)を貼り付けて指定持ち上げ高さまで持ち上げる(すなわち、測定用の持ち上げ治具202Aによる平版刷版111の持ち上げ位置は、幅位置が282〜482mmの範囲に渡る先端中央位置)。そして、指定持ち上げ高さまで持ち上げた状態で2秒待ち、測定用の持ち上げ治具202Aごと落下させる。
次に、図12(B)に示す矢印P方向に牽引して搬送負荷を測定した。
この実験では、矢印P方向の搬送負荷の目標値を、実際に搬出用ローラ146によって平版刷版111の感光層側に傷を付けることなく搬送可能とされる、900gf以下として、× △ ○の評価をした。
また、この実験では、平版刷版111の先端中央部に測定用の持ち上げ治具202Aを貼り付けて指定持ち上げ高さまで持ち上げたときに、第1番目の平版刷版111の剥離長さを測定(第1番目の平版刷版111が下の第2番目の平版刷版111版に対して、浮いている部分と接触している部分との境界に印を付けて測定)し、図12(A)に示すような結果を得た。
そして、第1番目の平版刷版111が下の第2番目の平版刷版111版に対して、浮いている部分と接触している部分との境界に付けた印の位置から剥離している長さの割合である剥離長さのパーセンテージを算出し、図11に示すような結果を得た。
この実験の結果より、平版刷版111の先端中央部を測定用の持ち上げ治具202Aで持ち上げる高さは、2mmから30mmまで高さを上げたときに、捌き効果が向上し、30mmから50mmまで高さを上げたときに、捌き効果が略横ばいとなることが分かった。なお、持ち上げる高さが30mmのときに、搬送負荷が半減することが分かった。
また、実際の装置では、平版刷版111の束の厚みが平版刷版111を使用していくうちに薄くなることを考慮してピックアップユニット200で平版刷版111を持ち上げる高さを変更することは現実的でない。よって実際の装置では、平版刷版111の束の残量によらず、一律に一定の高さに持ち上げる動作をすることを考慮して、未使用の平版刷版111の束の厚さ20mmを、実際の動作上の種々の要因から実験的に導き出された持ち上げ高さ80mmに加算した100mmを上限とすることが現実的である。
よって、平版刷版111の先端部(搬送方向下流側端部)を持ち上げる高さは、30mm以上、100mm以下であることが分かった。また、サッカー202等を移動操作する距離を最小限にして装置構成を簡素化するという要請から、持ち上げる高さを30mmとすることが望ましいことが分かった。
また、図11に示すように、この実験の結果の剥離長さのパーセンテージについて見ると、剥離長さのパーセンテージが50%のときに、実用上問題を生じないように搬送可能であることが分かった。さらに、剥離長さのパーセンテージが60%から100%のときに、良好に搬送可能であることが分かった。
前述した図3及び図4と、図8乃至図10とに示すように構成された枚葉供給装置112では、ピックアップ位置に移動された搬出用ローラ146が保管棚144に載置された平版刷版111の束の1番上にある平版刷版111に転接して、1枚だけを分離し搬送ベルト巻き掛け機構へ送給する。
この搬送ベルト巻き掛け機構には、各平版刷版111を保管棚144からインナードラム露光装置114まで搬送するために、主搬送ベルト148を張架した主搬送ベルト巻き掛け機構150と、副搬送ベルト152を張架した副搬送ベルト巻き掛け機構154とを設置する。
この主搬送ベルト巻き掛け機構150は、保管棚144上部に当たる平版刷版111の搬入位置から、インナードラム露光装置114への搬出位置との間に搬送ベルト148を張架して搬送路を構成する。
また、副搬送ベルト巻き掛け機構154は、主搬送ベルト巻き掛け機構150における主搬送ベルト148の下側に設定される搬送路の一部を共用して搬送中の平版刷版111が脱落することを防止するよう構成する。
このため、副搬送ベルト巻き掛け機構154は、主搬送ベルト148における、保管棚144から搬出された各平版刷版111の先端が突き当てられるガイド範囲より搬送方向下流側の中間ローラ156から、主搬送ベルト148の下側に設定される搬送路の出口に近い中間ローラ158の区間で、主搬送ベルト148と副搬送ベルト152とが添うようになって走行するよう巻き掛けて構成する。
このように構成された主搬送ベルト巻き掛け機構150では、搬出用ローラ146によって1枚だけ分離されて搬出された平版刷版111の先端が、主搬送ベルト148における先端の第1ローラ151と中間ローラ156との間に張架された部分に相当するガイド範囲148Aに当たり、主搬送ベルト148の走行動作に従って中間ローラ156側へ搬送される。
この枚葉供給装置112では、搬出用ローラ146によって搬出された平版刷版111の先端が、ガイド範囲148Aに張架されている主搬送ベルト148に当たり、主搬送ベルト148が弾力的に容易に変形して平版刷版111に衝撃を与えないように受けると共に、平版刷版111の先端が当たった部分の主搬送ベルト148が略への字状に変形し、平版刷版111が撓んでその先端部が中間ローラ156の位置で主搬送ベルト148と副搬送ベルト152との間にスムーズに挟み込まれるようにできる。このように平版刷版111は、その先端が主搬送ベルト148に当たったときに、弾力的に柔らかく受けられるので、感光面10Aを形成する感光層に外傷を与えないようにできる。
また、この枚葉供給装置112では、平版刷版111の束から何枚目の平版刷版111を搬出する場合であっても、搬出用ローラ146が転接して引き上げられる平版刷版111の先端が必ずガイド範囲148A内で主搬送ベルト148に当たるようにし適切に搬出できる。
よって、この枚葉供給装置112では、平版刷版111の束から平版刷版111が引き出される毎に、その引き出し位置が変わっても適切に搬出できるから、保管棚144に平版刷版111の引き出し位置を調整するための複雑な装置を設ける必要がないので、構成を簡素化し、装置を小型化することができる。
そして、先端を主搬送ベルト148にガイドされた平版刷版111は、中間ローラ156の位置で、主搬送ベルト148と副搬送ベルト152との間に挟み込まれて挟持された状態で搬送路上を搬送され、出口に近い中間ローラ158の位置で挟持状態を開放され、インナードラム露光装置114へ搬入される。
このCTPシステムにおけるインナードラム露光装置114は、円弧内周面形状(円筒内周面の一部を構成する形状)の支持体134を母体として構成されており、この支持体134の内周面に沿って平版刷版111を支持するようになっている。
このインナードラム露光装置114では、図示しない真空吸着手段によって、未記録の記録媒体である平版刷版111を支持体134の内周面に確実に密着させて沿わせた状態に保持してから露光処理を行う。
このインナードラム露光装置114では、支持体134の円弧中心位置に、光ビーム偏向器としてのスピナーミラー装置136を配設する。このスピナーミラー装置136は、反射鏡部材(スピナーミラー)138を頂面に配置した回転軸140を、図示しない制御装置のスピナードライバによって回転制御がされる駆動源としてのモータによって高速回転可能に構成する。このスピナーミラー装置136では、回転軸140の回転中心軸を支持体134の円弧中心軸と一致するように構成する。
このスピナーミラー装置136では、光源側の光学系から投射された光ビームを、回動する反射鏡部材138の反射鏡面に反射させて平版刷版111の感光面に対して主走査方向への走査露光を行う。
このスピナーミラー装置136は、図示しない副走査移動手段によって、支持体134の円弧中心軸の軸線方向(図2の表面から裏面に貫通する方向)に等速度で移動制御されることにより副走査する。
このためスピナーミラー装置136では、制御装置のスピナードライバによって、そのモータの回転制御がされると共に、図示しない副走査移動手段により副走査方向に移動制御される。
このように構成されたスピナーミラー装置136は、光源側の光学系から投射され画像情報に応じて変調された光ビームを、回動する反射鏡部材138の反射鏡面に反射させて主走査方向への走査露光を行いながら、スピナーミラー装置136を副走査方向へ移動することによって、平版刷版111の記録面全面に対して2次元の画像を記録する処理を行う。
このCTPシステムに設けるバッファ装置116は、インナードラム露光装置114で露光処理された平版刷版111を、搬送速度を調整することによって所要のタイミングで現象処理装置118へ搬入する機能を有する。
現象処理装置118は、搬入されて来た露光済の平版刷版111に対する現像処理を行って潜像を顕像化して印刷版を製版する。
なお、前述した平版刷版の自動供給装置は、前述した合紙の保護を必要としないフォトポリマPS版以外に、例えば、いわゆるサーマルPS版で、表面に形成された画像を形成する記録層に傷が付くことを防止するため、記録層の最外表面上にオーバーコート層(現像前の水洗工程で完全に除去できる水溶性材料で構成されたOC層等)が塗布されているものを利用することができる。さらに、平版刷版の自動供給装置は、合紙の保護を必要とせず、じかに重ねて束ねた状態で取り扱っても傷が問題とならない程度に記録層側の表面を強化した表面強化型のサーマルPS版を利用することができる。
また、この平版刷版の自動供給装置の構成は、一般に平版印刷の分野で用いられる製版方式に対応した平版刷版である、光を利用して記録層に画像を記録する(光モード)の平版刷版、熱を利用して記録層に画像を記録する(熱モード)の平版刷版、記録層中で光を熱に変換させて画像を記録する(光、熱モード)の平版刷版、化学反応を利用した平版刷版、物理的な現象を利用した平版刷版を一枚づつ分離して供給することに利用できることは勿論である。
本発明の実施の形態に係わる平版刷版の自動供給装置を備えたCTPシステムの全体を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係わる平版刷版の自動供給装置を備えたCTPシステム内部の全体的な概略構成図である。 本発明の実施の形態に係わる平版刷版の自動供給装置内に装填された平版刷版の束から各平版刷版を搬出する枚葉供給装置の要部を取り出して示す拡大斜視図である。 本発明の実施の形態に係わる平版刷版の自動供給装置内に装填された平版刷版の束から各平版刷版を搬出する枚葉供給装置のサッカー部分を取り出して示す要部の拡大斜視図である。 (A)乃至(D)は、それぞれ本発明の実施の形態に係わる平版刷版の自動供給装置に装着された搬出用ローラとサッカーとの動作を示す要部概略説明図である。 (A)乃至(D)は、それぞれ本発明の実施の形態に係わる平版刷版の自動供給装置における枚葉供給装置で平版刷版を捌いて一枚づつ搬出する動作を示す要部概略説明図である。 本発明の実施の形態に係わる平版刷版の自動供給装置におけるピックアップユニットで一枚の平版刷版を持ち上げた状態を示す要部概略説明図である。 本発明の実施の形態に係わる平版刷版の自動供給装置における、ピックアップユニットに装着する搬出用ローラとサッカーとを操作するための機械的な連動操作機構の待機している状態を示す要部概略斜視図である。 本発明の実施の形態に係わる平版刷版の自動供給装置における、ピックアップユニットに装着した機械的な連動操作機構で、搬出用ローラとサッカーとを合紙レス平版刷版の束上面に降下させた状態を示す要部概略斜視図である。 本発明の実施の形態に係わる平版刷版の自動供給装置における、ピックアップユニットに装着した機械的な連動操作機構で、搬出用ローラとサッカーとにより、捌き動作をしている状態を示す要部概略斜視図である。 本発明の実施の形態に係わる平版刷版の自動供給装置における、捌き手段が行う捌き動作の条件を求めるために行った実験の、剥離長さのパーセンテージと捌き効果の評価とを示す表である。 (A)は、本発明の実施の形態に係わる平版刷版の自動供給装置における、捌き手段で各指定持ち上げ高さまで持ち上げたときの平版刷版の剥離長さ状態の測定結果を示す正面図、(B)は、捌き手段で指定持ち上げ高さまで持ち上げたときの平版刷版の状態を示す側面図である。 合紙レス平版刷版の束における平版刷版の積層状態を例示する要部概略説明図である。 合紙レス平版刷版の束における平版刷版における平版刷版のOC層が吸水して接着しているときの積層状態を例示する要部概略説明図である。 合紙レス平版刷版の束における平版刷版における平版刷版のOC層が吸水して、搬出される平版刷版の裏に接着して剥がれる状態を例示する要部概略説明図である。
符号の説明
12 アルミニウム基板
14 感光層
16 OC層
110 自動供給装置
111 平版刷版
112 枚葉供給装置
144 保管棚
146 搬出用ローラ
160 支持台
162 棚部材
200 ピックアップユニット
202 サッカー
202A スカート部
210 昇降装置
218 駆動モータ
224 吸引口部
226 真空ホース

Claims (5)

  1. 一方の平版刷版の表面上に他方の平版刷版の裏面を直接接触させて積層することにより前記平版刷版が所定複数枚重ねられて束にされたものを、斜めに配置された支持台上に斜めに持たせ掛けるように載置する保管棚と、
    前記保管棚に載置された前記平版刷版の束における最も上に位置する前記平版刷版の搬送方向先端側端部を、30mm以上100mm以下持ち上げてから離す捌き動作を行う捌き手段と、
    前記保管棚上に載置された前記平版刷版の束における最も上に位置し、前記捌き手段で捌かれた前記平版刷版の表面に転接して搬出する搬出用ローラと、
    を有することを特徴とする平版刷版の自動供給装置。
  2. 一方の平版刷版の表面上に他方の平版刷版の裏面を直接接触させて積層することにより前記平版刷版が所定複数枚重ねられて束にされたものを、斜めに配置された支持台上に斜めに持たせ掛けるように載置する保管棚と、
    前記保管棚に載置された前記平版刷版の束における最も上に位置する前記平版刷版の搬送方向先端側端部を前記保管棚から引き離すように持ち上げることにより、持ち上げられた前記平版刷版が下の前記平版刷版から剥離している長さの割合が50%以上100%以下となる状態としてから離す捌き動作を行う捌き手段と、
    前記保管棚上に載置された前記平版刷版の束における最も上に位置し、前記捌き手段で捌かれた前記平版刷版の表面に転接して搬出する搬出用ローラと、
    を有することを特徴とする平版刷版の自動供給装置。
  3. 前記捌き手段を、真空吸着用の吸盤装置で構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の平版刷版の自動供給装置。
  4. 前記捌き手段を、貼着と剥離動作とを繰り返し行える粘着剤を用いて構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の平版刷版の自動供給装置。
  5. 前記捌き手段を、小板状に形成された爪を前記平版刷版の先端部に引っ掛けて引き上げるように構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の平版刷版の自動供給装置。
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