JP2007022331A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ショルダー部の膨径量がセンター部の膨径量よりも大きくなる現象を抑制できること。
【解決手段】この空気入りタイヤ1は、第1ベルト5Aと第2ベルト5Bとで構成される主ベルト層5と、その径方向外側に配置される補強ベルト10とを備える。第1ベルト5Aと第2ベルト5Bとは、クロスプライ構造となっている。また、補強ベルト10は、センター部を抜いて配置される。そして、補強ベルト10と、主ベルト層5の最外周に配置される第2ベルト5Bとクロスプライ構造となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、ショルダー部の偏摩耗を抑制できる空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤは、走行にともない、直径が大きくなるという現象(膨径)が発生する。特許文献1には、最大の幅を持つベルト層と逆角度のコードで構成された補助プライを挿入する空気入りラジアルタイヤが開示されている。
特開平11−321230号公報
ところで、空気入りタイヤは、さまざまな形態の摩耗が発生し、ショルダー部にも摩耗は発生する。本発明者は、鋭意研究の結果、走行にともなう膨径によって、空気入りタイヤのセンター部よりもショルダー部の方が、直径が大きくなるという現象が発生することを見出した。そして、この現象が、ショルダー部を摩耗させる原因の一つであることを見出した。
特許文献1に開示されている空気入りラジアルタイヤは、ベルトの耐久性向上を目的としており、ショルダー部の摩耗抑制には不十分である。そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ショルダー部の偏摩耗を抑制できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤは、少なくとも2層のベルトを有し、一方のベルトを構成するコードは、他方のベルトを構成するコードに対して交差する主ベルト層と、前記主ベルト層の径方向外側に、前記空気入りタイヤのセンター部を抜いて配置され、かつ、前記空気入りタイヤの周方向を基準とした、前記主ベルト層の最も径方向外側に配置されるベルトを構成するコードの傾斜に対して、前記周方向を基準として逆方向に傾斜するコードで構成される最外周ベルトと、を含むことを特徴とする。
この空気入りタイヤは、その幅方向に向かい、センター部を抜いて最外周ベルトを配置する。これによって、前記空気入りタイヤのショルダー部における膨径量を抑制しつつ、ショルダー部の膨径量がセンター部の膨径量よりも大きくなる現象を抑制できる。その結果、ショルダー部に発生するレールウェイ摩耗等の偏摩耗を抑制でき、また、ショルダー部に配置される溝の拡幅を抑制して、前記溝内におけるグルーブクラックの発生を抑制できる。
また、この実施形態に係る空気入りタイヤは、最外周ベルトと、主ベルト層の最外周に配置されるベルト層とを、いわゆるクロスプライ構造としている。これによって、最外周ベルト及び主ベルト層からなるベルト層の面の内部、及び前記面の外部における曲げ剛性を確保して、より効果的にショルダー部の膨径を抑制できる。その結果、ショルダー部の偏摩耗をより効果的に抑制できる。また、空気入りタイヤのショルダー部における溝の拡幅を効果的に抑制して、ショルダー部における溝内におけるグルーブクラックの発生をさらに効果的に抑制できる。
次の本発明に係る空気入りタイヤは、前記空気入りタイヤにおいて、前記主ベルト層において、前記空気入りタイヤの幅方向における大きさが最も大きいベルトの前記幅方向における大きさをBWとしたとき、前記最外周ベルトは、空気入りタイヤ1の幅方向中心から幅方向外側の間において、0.25×BW以上0.35×BW以下の範囲を覆うことを特徴とする。
このようにすれば、空気入りタイヤの走行中において膨径する箇所に最外周を配置できるので、効果的にショルダー部Shの膨径を抑制できる。
次の本発明に係る空気入りタイヤは、前記空気入りタイヤにおいて、前記最外周ベルト同士の間隔は、0.1×BW以上であることを特徴とする。
これによって、効果的にショルダー部の膨径を抑制しつつ、ショルダー部に配置される溝内に発生する亀裂を抑制できる。
次の本発明に係る空気入りタイヤは、前記空気入りタイヤにおいて、前記空気入りタイヤの幅方向中心から幅方向外側までにおける前記最外周ベルトの大きさは、0.5×BW以上であることを特徴とする。
これによって、空気入りタイヤの幅方向外側における最幅ベルトの端部を、補強ベルトで覆うことができるので、主ベルト層の分離を効果的に抑制できる。
次の本発明に係る空気入りタイヤは、前記空気入りタイヤにおいて、前記最外周ベルトと前記主ベルト層との間には、弾性材料が設けられることを特徴とする。
これによって、主ベルト層と補強ベルトとの分離を抑制して、空気入りタイヤの耐久性を向上させることができる。
次の本発明に係る空気入りタイヤは、前記空気入りタイヤにおいて、前記空気入りタイヤの偏平率は70%以下であることを特徴とする。
偏平率が70%以下の空気入りタイヤでは、ショルダー部の膨径量がセンター部の膨径量よりも大きくなる現象が顕著に現れる。したがって、この発明は、偏平率が70%以下の空気入りタイヤにおいて、ショルダー部の膨径量がセンター部の膨径量よりも大きくなる現象を効果的に抑制できる。
次の本発明に係る空気入りタイヤは、前記空気入りタイヤにおいて、前記空気入りタイヤの周方向に対する、前記最外周ベルトを構成するコードの傾斜角度は、10度以上60度以下であることを特徴とする。
これによって、最外周ベルトの耐久性を向上させることができる。また、空気入りタイヤの製造も容易になる。
本発明によれば、ショルダー部の偏摩耗を抑制できる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態及び実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。この発明は、乗用車用、トラック・バス用を問わず適用できるが、特に、トラック・バス用タイヤ(TBタイヤ)に好ましい。
この実施形態に係る空気入りタイヤは、少なくとも2層のベルト層がいわゆるクロスプライ構造となる主ベルト層と、前記主ベルト層の径方向外側にセンター部を抜いて配置され、かつ、前記主ベルト層の最外周に配置されるベルトといわゆるクロスプライ構造となる最外周ベルトとを備える点に特徴がある。次に、この実施形態に係る空気入りタイヤの構成について説明する。
図1は、この実施形態に係る空気入りタイヤを、その回転軸を含む子午面で切った断面を示す一部断面図である。図2−1、図2−2は、空気入りタイヤの軸の説明図である。図3−1は、図1に示すこの実施形態に係る空気入りタイヤが備えるベルトの積層構造を示す一部断面図である。図3−2は、図3−1に示すこの実施形態に係る空気入りタイヤが備えるベルトの積層構造を示す平面図である。
この実施形態に係る空気入りタイヤ1の構成を説明する前に、図2−1、図2−2を用いて、空気入りタイヤ1の各軸等の定義を説明する。Y軸は、空気入りタイヤ1の回転軸である。X軸はY軸に直交し、かつ空気入りタイヤ1の進行方向に対して平行な軸である。Z軸は、X軸及びY軸に直交するとともに、路面Lと直交する軸である。空気入りタイヤ1の周方向は、空気入りタイヤ1が回転軸(Y軸)の周りに回転する方向であり、空気入りタイヤ1の回転軸(Y軸)に直交する平面と、空気入りタイヤ1のトレッド2表面とが交わる線と平行である。空気入りタイヤ1の径方向は、空気入りタイヤ1の回転軸(Y軸)を通り、かつ前記X軸又はY軸と平行な方向である。径方向外側は、空気入りタイヤ1のトレッド2側であり、径方向内側は、タイヤ1の回転軸(Y軸)側である。
図1に示すように、この空気入りタイヤ1は、カーカス4の空気入りタイヤの径方向外側に、少なくとも2層のベルト層を含んで構成される主ベルト層5を備える。この実施形態に係るタイヤ1では、主ベルト層5は、第1ベルト5Aと、第2ベルト5Bとからなる。図3−2に示すように、第1ベルト5A、第2ベルト5Bは、これらを構成するコードが空気入りタイヤ1の周方向に対して傾斜している。ここで、図3−2の斜線が、ベルト層を構成するコードを示す。以下の同様の図でも同じである。
図3−2に示すように、第1ベルト5Aを構成するコードと、第2ベルト5Bを構成するコードとは、互いに交差する。そして、図3−2に示すように、第2ベルト5Bは、第1ベルト5Aを構成するコードの傾斜に対して、空気入りタイヤ1の周方向(図3−2のZと平行)を基準として逆方向に傾斜する。このように、主ベルト層5は、いわゆるクロスプライベルト層を構成する。
図1、図3−1、図3−2に示すように、この実施形態に係る空気入りタイヤ1は、主ベルト層5の径方向外側に、最外周ベルト10が設けられる。最外周ベルト10は、主ベルト層5を補強する目的で設けられる。以下、最外周ベルト10を、補強ベルト10という。ここで、前記主ベルト層5を構成するベルト、及び補強ベルト10は、金属コードを用いることが好ましいが、これに限定されるものではない。
図1に示すように、補強ベルト10は、空気入りタイヤ1の幅方向に向かい、センター部CEが抜かれて配置される。すなわち、補強ベルト10は、空気入りタイヤ1の幅方向で分断され、空気入りタイヤ1の赤道面に対して空気入りタイヤ1の幅方向外側にそれぞれ設けられる。また、それぞれの補強ベルト10は、空気入りタイヤ1の、両方のショルダー部Sh付近に設けられる。ここで、赤道面とは、回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤ1の幅の中心を通る平面である。
このように、この実施形態に係るタイヤ1は、補強ベルト10を、空気入りタイヤ1のセンター部CEを抜いてショルダー部Shに配置するので、補強ベルト10のタガ効果により、ショルダー部Shの膨径を抑制できる。そして、空気入りタイヤ1のセンター部CEには、補強ベルト10は設けられていないので、空気入りタイヤ1のショルダー部Shの膨径量を抑制しつつ、ショルダー部Shの膨径量がセンター部CEの膨径量よりも大きくなる現象を抑制できる。その結果、この現象に起因して発生する、レールウェイ摩耗等のショルダー部Shの偏摩耗を抑制できる。
また、この実施形態に係るタイヤ1は、上記のようにショルダー部Shの膨径を抑制できるので、ショルダー部Shに配置される溝3の拡幅を抑制して、前記溝3内における亀裂(グルーブクラック)の発生を抑制できる。さらに、ショルダー部Shにおける主ベルト層5の膨径も抑制できるので、主ベルト層5を構成する第1及び第2ベルト5A、5Bの耐久性低下も抑制できる。ここで、ショルダー部Shの膨径量がセンター部CEの膨径量よりも大きくなる現象は、特に、偏平率の低い空気入りタイヤ(偏平率で70%以下)で顕著に発生する。この実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、偏平率の低い空気入りタイヤにおいて、このような現象を効果的に抑制できる。
この空気入りタイヤ1では、図3−2に示すように、補強ベルト10と、主ベルト層5の最も径方向外側に配置されるベルト層、すなわち第2ベルト5Bとは、それぞれのベルト層を構成するコードが互いに傾斜している。そして、補強ベルト10を構成するコードは、第2主ベルト層5を構成するコードの傾斜に対して、空気入りタイヤ1の周方向を基準として逆方向に傾斜するコードで構成される。すなわち、補強ベルト10と第2主ベルト層5とは、クロスプライ構造となっている。
補強ベルト10を構成するコードを、空気入りタイヤ1の周方向を基準として傾斜させることにより、補強ベルト10の耐久性を向上させることができる。また、空気入りタイヤ1の周方向に対する、補強ベルト10を構成するコードの傾きをほぼ0度とした場合、リフトが困難となり、製造が難しいが、前記傾きをある程度設けると、このような製造上の問題も解決できる。ここで、空気入りタイヤ1の周方向に対する、補強ベルト10を構成するコードの傾斜角度θ(図3−2)は、10度以上60度以下とすることが好ましい。
このように、補強ベルト10と第2主ベルト層5とをクロスプライ構造とすることによって、補強ベルト10及び主ベルト層5からなるベルト層の面の内部、及び前記面の外部における曲げ剛性を確保して、ショルダー部の膨径を抑制できる。これによって、ショルダー部Shの偏摩耗をより効果的に抑制できる。また、空気入りタイヤ1のショルダー部Shにおける溝3の拡幅をより効果的に抑制できるので、溝3内における亀裂(グルーブクラック)の発生をさらに効果的に抑制できる。次に、補強ベルト10の位置について説明する。
図4−1、図4−2は、この実施形態に係る空気入りタイヤの補強ベルトの位置を示す一部断面図である。空気入りタイヤ1が備える主ベルト層5において、空気入りタイヤ1の幅方向における大きさが最も大きいベルト(以下最広ベルト)は第1ベルト5Aであり、その大きさ(以下最広ベルト幅)はBWである。
このとき、補強ベルト10は、空気入りタイヤ1の幅方向中心から幅方向外側の間において、0.25×BW以上0.35×BW以下の範囲を覆うことが好ましい。最広ベルト(この実施形態ではベルト5A)全体では、0.5×BW以上0.70×BW以下の範囲となる。このようにすれば、空気入りタイヤ1の走行中において膨径する箇所に補強ベルト10を配置できるので、効果的にショルダー部Shの膨径を抑制できる。また、空気入りタイヤ1の両方のショルダー部Shに設けられる補強ベルト10間の距離は、0.1×BW以上とすることが好ましい。なお、空気入りタイヤ1の幅方向中心と補強ベルト10との距離では、0.05×BW以上となる。このようにすれば、効果的にショルダー部Shの膨径を抑制しつつ、グルーブクラックを抑制できる。
また、図4−2に示すように、空気入りタイヤ1の幅方向中心から幅方向外側までにおける補強ベルト10の大きさ(補強ベルト最外幅)を、0.5×BW以上としてもよい。最広ベルト(この実施形態ではベルト5A)全体では、1.0×BW以上となる。すなわち、空気入りタイヤ1の幅方向における補強ベルト10の大きさを、最広ベルトの幅よりも大きくし、かつ空気入りタイヤ1の幅方向外側における最幅ベルトの端部を、補強ベルト10で覆うようにしてもよい。これによって、特に空気入りタイヤ1の幅方向外側における主ベルト層5の端部で発生する、主ベルト層5の分離(セパレーション)を効果的に抑制できる。
図5−1、図5−2は、この実施形態に係る空気入りタイヤの他の構成例を示す説明図である。図5−1は、補強ベルト最外幅が1.0よりも小さい場合を示し、図5−2は、補強ベルト最外幅が1.0よりも大きい場合を示す。図5−1、図5−2に示すように、空気入りタイヤが備える主ベルト層5と補強ベルト10との間であって、幅方向外側端部近傍(ショルダー部Sh近傍)に、ゴムや樹脂等の弾性材料を設け、BEC(Belt Edge Cushion)20を設けてもよい。このようにすれば、特に空気入りタイヤ1の幅方向外側における主ベルト層5の端部で発生する、主ベルト層5と補強ベルト10との分離を抑制して、空気入りタイヤ1の耐久性を向上させることができるので、好ましい。
以上、この実施形態に係る空気入りタイヤは、空気入りタイヤの幅方向に向かい、センター部を抜いて補強ベルトを配置するとともに、それぞれの補強ベルトを、空気入りタイヤの、両方のショルダー部付近に配置する。これによって、空気入りタイヤのショルダー部における膨径量を抑制しつつ、ショルダー部の膨径量がセンター部の膨径量よりも大きくなることを抑制して、レールウェイ摩耗を抑制できる。また、この実施形態に係る空気入りタイヤは、上記のようにショルダー部の膨径を抑制できるので、ショルダー部に配置される溝の拡幅を抑制して、前記溝内におけるグルーブクラックの発生を抑制できる。
また、この実施形態に係る空気入りタイヤは、補強ベルトと、主ベルト層の最も径方向外側に配置されるベルト層とを、クロスプライ構造としている。これによって、補強ベルト及び主ベルト層からなるベルト層の面の内部、及び前記面の外部における曲げ剛性を確保して、空気入りタイヤのショルダー部における溝の拡幅を効果的に抑制できる。その結果、ショルダー部における溝内におけるグルーブクラックの発生を、さらに効果的に抑制できる。
次に、本発明の実施例を説明する。図6−1、図6−2は、実施例に係る空気入りタイヤの構造を示す説明図である。図7−1、図7−2は、従来例に係る空気入りタイヤの構造を示す説明図である。図8−1、図8−2、図9−1、図9−2は、比較例に係る空気入りタイヤの構造を示す説明図である。なお、比較例は、必ずしも従来例を示すものではない。図10は、膨径前後における空気入りタイヤの寸法の定義を示す一部断面図である。
図6−1、図7−1、図8−1、図9−1に示す空気入りタイヤ1、101、102、103は、いずれも3枚のベルトからなる主ベルト層5又は主ベルト5Aと、主ベルト層5又は主ベルト5Aの径方向外側に、補強ベルト10、11、12、13が設けられている。図6−1、図7−1、図8−1、図9−1に示す空気入りタイヤ1、101、102、103は、図6−2、図7−2、図8−2、図9−2に示すように、第2ベルト5Bと第3ベルト5Cとがクロスプライ構造である主ベルト層5を備える。ここで、第1ベルト5A、第2ベルト5B、第3ベルト5Cの順に、空気入りタイヤ1の径方向内側から径方向外側に配置される。
図6−2に示すように、空気入りタイヤ1が備える補強ベルト10は、センター部が抜かれた構造となっている。図7−2、図7−3、図7−4に示す空気入りタイヤ101、102、103は、空気入りタイヤの幅方向において、空気入りタイヤの赤道面両側が連続して構成されている。そして、空気入りタイヤ101、102、103が備える補強ベルト11、12、13は、空気入りタイヤ101等のセンター部を覆うように構成される。
図7−1、図9−1に示す空気入りタイヤ1、103は、図6−2、図9−2に示すように、補強ベルト10を構成するコードが、主ベルト層5の第3ベルト5Cを構成するコードに対して交差するとともに、空気入りタイヤ1の周方向(図6−2、図9−2のZと平行)を基準として逆方向に傾斜する。このように、図7−1、図9−1に示す空気入りタイヤ1、103は、補強ベルト10と主ベルト層5の第3ベルト5Cとがクロスプライ構造となっている。一方、図7−1、図8−1に示す空気入りタイヤ101、102は、図7−2、図8−2に示すように、補強ベルト10を構成するコードが、主ベルト層5の第3ベルト5Cを構成するコードに対してほぼ平行に配置される。
上記空気入りタイヤ1、101、102、103を車両に装着し、所定の走行試験をした。そして、走行試験前後におけるショルダー部とセンター部との直径を測定した。また、空気入りタイヤ1、101、102、103のインフレート前後におけるショルダー部の溝幅を測定した。空気入りタイヤ1、101、102、103のサイズは11R22.5である。走行条件は、走行距離を30000kmとした。
図10に示すように、走行前後における空気入りタイヤ1等が膨径した量は、走行前における空気入りタイヤTbの直径と、走行後における空気入りタイヤTaの直径との差(以下膨径量という)Δhで表す。膨径量Δhの添字CE及びShは、それぞれセンター部及びショルダー部の膨径量であることを示す。また、ショルダー部における溝幅の増加は、インフレート前における空気入りタイヤの溝Sの幅Hbと、インフレート後における空気入りタイヤの溝Sの幅Haとの差(以下溝拡幅量という)ΔH(=Ha−Hb)で表す。溝Sの幅の添字b及びaは、それぞれインフレート前及びインフレート後における溝Sの幅であることを示す。膨径量と溝拡幅量との評価結果を表1に示す。単位はmmである。
Figure 2007022331
表1に示す評価結果から、この実施例に係る空気入りタイヤ1では、センター部膨径量ΔhCEよりもショルダー部膨径量ΔhShの方が小さいことがわかる。また、この実施例に係る空気入りタイヤ101のショルダー部膨径量ΔhShも、補強ベルト13でセンター部及び主ベルト層5のほぼ全体を覆った空気入りタイヤ103(図9−1参照)のショルダー部膨径量ΔhShとほぼ同等である。このように、この実施例に係る空気入りタイヤ1では、ショルダー部の膨径量を効果的に抑制できる。
また、この実施例に係る空気入りタイヤ1では、従来例に係る空気入りタイヤ101及び比較例に係る空気入りタイヤ102、103と比べて、ショルダー部の溝拡幅量ΔHが最も小さいことがわかる。この結果から、この実施例に係る空気入りタイヤ1では、ショルダー部の溝幅の抑制効果が高いといえる。その結果、この実施例に係る空気入りタイヤ1では、グルーブクラックの発生を効果的に抑制できる。
以上のように、本発明に係る空気入りタイヤは、車両に用いる空気入りタイヤに有用であり、特に、ショルダー部の偏摩耗を抑制することに適している。
この実施形態に係る空気入りタイヤを、その回転軸を含む子午面で切った断面を示す一部断面図である。 空気入りタイヤの軸の説明図である。 空気入りタイヤの軸の説明図である。 図1に示すこの実施形態に係る空気入りタイヤが備えるベルトの積層構造を示す一部断面図である。 図3−1に示すこの実施形態に係る空気入りタイヤが備えるベルトの積層構造を示す平面図である。 この実施形態に係る空気入りタイヤの補強ベルトの位置を示す一部断面図である。 この実施形態に係る空気入りタイヤの補強ベルトの位置を示す一部断面図である。 この実施形態に係る空気入りタイヤの他の構成例を示す説明図である。 この実施形態に係る空気入りタイヤの他の構成例を示す説明図である。 実施例に係る空気入りタイヤの構造を示す一部断面図である。 実施例に係る空気入りタイヤの構造を示す一部断面図である。 従来例に係る空気入りタイヤの構造を示す説明図である。 従来例に係る空気入りタイヤの構造を示す説明図である。 比較例に係る空気入りタイヤの構造を示す説明図である。 比較例に係る空気入りタイヤの構造を示す説明図である。 比較例に係る空気入りタイヤの構造を示す説明図である。 比較例に係る空気入りタイヤの構造を示す説明図である。 膨径前後における空気入りタイヤの寸法の定義を示す一部断面図である。
符号の説明
1、101、102、103 空気入りタイヤ
2 トレッド
3 溝
4 カーカス
5、5a 主ベルト層
5A 第1ベルト
5B 第2ベルト
5C 第3ベルト
10、11、12、13 補強ベルト(最外周ベルト)

Claims (7)

  1. 空気入りタイヤであって、
    少なくとも2層のベルトを有し、一方のベルトを構成するコードは、他方のベルトを構成するコードに対して交差する主ベルト層と、
    前記主ベルト層の径方向外側に、前記空気入りタイヤのセンター部を抜いて配置され、かつ、前記空気入りタイヤの周方向を基準とした、前記主ベルト層の最も径方向外側に配置されるベルトを構成するコードの傾斜に対して、前記周方向を基準として逆方向に傾斜するコードで構成される最外周ベルトと、
    を含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記主ベルト層において、前記空気入りタイヤの幅方向における大きさが最も大きいベルトの前記幅方向における大きさをBWとしたとき、
    前記最外周ベルトは、空気入りタイヤ1の幅方向中心から幅方向外側の間において、0.25×BW以上0.35×BW以下の範囲を覆うことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記最外周ベルト同士の間隔は、
    0.1×BW以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記空気入りタイヤの幅方向中心から幅方向外側までにおける前記最外周ベルトの大きさは、0.5×BW以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記最外周ベルトと前記主ベルト層との間には、弾性材料が設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記空気入りタイヤの偏平率は70%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記空気入りタイヤの周方向に対する、前記最外周ベルトを構成するコードの傾斜角度は、10度以上60度以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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