JP2008149904A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤのウェット制動性能および操安性能を向上できる空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】この空気入りタイヤ1は、カーカス層のタイヤ径方向外周に配置されるベルト層5を有すると共にタイヤ呼び幅265以上かつタイヤ扁平率40以下のタイヤである。この空気入りタイヤ1では、ベルト層5が配列された複数のベルトコードから成り、ベルト層5のセンター領域におけるベルトコードのタイヤ周方向に対するベルト角度がベルト層5のショルダー領域におけるベルトコードのタイヤ周方向に対するベルト角度よりも大きい。また、ベルト層5のセンター領域におけるベルトコードのベルトエンド数およびベルト線径がベルト層5のショルダー領域におけるベルトコードのベルトエンド数およびベルト線径よりも小さい。
【選択図】 図2
【解決手段】この空気入りタイヤ1は、カーカス層のタイヤ径方向外周に配置されるベルト層5を有すると共にタイヤ呼び幅265以上かつタイヤ扁平率40以下のタイヤである。この空気入りタイヤ1では、ベルト層5が配列された複数のベルトコードから成り、ベルト層5のセンター領域におけるベルトコードのタイヤ周方向に対するベルト角度がベルト層5のショルダー領域におけるベルトコードのタイヤ周方向に対するベルト角度よりも大きい。また、ベルト層5のセンター領域におけるベルトコードのベルトエンド数およびベルト線径がベルト層5のショルダー領域におけるベルトコードのベルトエンド数およびベルト線径よりも小さい。
【選択図】 図2
Description
この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、タイヤのウェット制動性能および操安性能を向上できる空気入りタイヤに関する。
近年では、乗用車用の空気入りタイヤについてタイヤの大型化が顕著に進んでいる。特に、タイヤ呼び幅265以上かつ扁平率40以下のタイヤでは、タイヤ接地幅に対してタイヤ接地長が極端に短くなって接地形状に不具合が生じることが多い。一般に、トレッド部センター領域のタイヤ接地長が短くなるとタイヤのウェット制動性能や操安性能が悪化することが知られている。また、タイヤ呼び幅265以上かつ扁平率40以下のタイヤでは、タイヤ接地幅がタイヤ断面高さに対して広く、ベルト面内曲げ剛性が大きいため、タイヤの操安性能が悪化し易いという課題がある。
かかる課題に関する従来の空気入りタイヤには、特許文献1に記載される技術が知られている。従来の空気入りタイヤ(空気入りラジアルタイヤ)は、トレッドに配置したブレーカーをセンター部と両エッジ部とに3分割し、その両エッジ部の片側当りのエッジ幅Weをブレーカーの総幅Wに対して0.1≦We/W≦0.2にすると共に、前記センター部のタイヤ周方向に対するコード角度θ(°)と前記両エッジ部のタイヤ周方向に対するコード角度θe(°)とを3≦θ−θe≦5の関係にした。
この発明は、タイヤのウェット制動性能および操安性能を向上できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、カーカス層のタイヤ径方向外周に配置されるベルト層を有すると共にタイヤ呼び幅265以上かつタイヤ扁平率40以下の空気入りタイヤであって、前記ベルト層が配列された複数のベルトコードから成り、前記ベルト層のセンター領域における前記ベルトコードのタイヤ周方向に対するベルト角度が前記ベルト層のショルダー領域における前記ベルトコードのタイヤ周方向に対するベルト角度よりも大きく、且つ、前記ベルト層のセンター領域における前記ベルトコードのベルトエンド数およびベルト線径が前記ベルト層のショルダー領域における前記ベルトコードのベルトエンド数およびベルト線径よりも小さいことを特徴とする。
この空気入りタイヤでは、ベルト層のセンター領域およびショルダー領域におけるベルト角度、ベルトエンド数およびベルト線径がそれぞれ適正化されているので、これらが均一に設定されている構成と比較して、ベルト層のセンター領域におけるベルト引っ張り強度が低減される。すると、トレッド部センター領域におけるタイヤ接地長が増加して、トレッド部センター領域にて略円弧状に膨らんだ接地形状が形成される。かかる構成では、トレッド部全域(センター領域およびショルダー領域)の接地長が略一様である構成と比較して、タイヤのウェット制動性能および操安性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記ベルト層のセンター領域の幅Wceとタイヤ接地幅Wとが0.30≦Wce/W≦0.70の関係を有する請求項1に記載の空気入りタイヤ。
この空気入りタイヤでは、ベルト層のセンター領域の幅Wceとタイヤ接地幅Wとの関係が適正化されてタイヤのウェット性能および操安性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記ベルト層のセンター領域のベルト角度が35[deg]以上55[deg]以下の範囲内にあり、且つ、前記ベルト層のショルダー領域のベルト角度が15[deg]以上30[deg]以下の範囲内にある。
この空気入りタイヤでは、ベルト層のセンター領域およびショルダー領域のベルト角度が適正化されるので、タイヤの操安性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ接地幅の中央部50[%]の範囲内に周方向主溝が形成されるときに、前記ベルト層のセンター領域とショルダー領域との境界線がトレッド部の平面視にて前記周方向主溝から外れた位置に配置される。
この空気入りタイヤでは、周方向主溝の溝下にセンター領域とショルダー領域との境界線が位置する構成と比較して、周方向主溝の溝下の剛性が高められる。これにより、周方向主溝におけるグルーブクラックの発生が低減される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、センター領域を構成するベルト材部分とショルダー領域を構成するベルト材部分とがベルト幅方向に継ぎ合わされて前記ベルト層が構成されるときに、前記ベルト材部分のエッジ部に補強部材が巻き付けられる。
この空気入りタイヤでは、ベルト層のエッジ部が補強部材により補強されるので、タイヤの高速回転時にてベルト層端部からのトレッドゴムのセパレーションが抑制される利点がある。
この発明にかかる空気入りタイヤでは、ベルト層のセンター領域およびショルダー領域におけるベルト角度、ベルトエンド数およびベルト線径がそれぞれ適正化されているので、これらが均一に設定されている構成と比較して、ベルト層のセンター領域におけるベルト引っ張り強度が低減される。すると、トレッド部センター領域におけるタイヤ接地長が増加して、トレッド部センター領域にて略円弧状に膨らんだ接地形状が形成される。かかる構成では、トレッド部全域(センター領域およびショルダー領域)の接地長が略一様である構成と比較して、タイヤのウェット制動性能および操安性能が向上する利点がある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1および図2は、この発明の実施例にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図(図1)およびトレッド部の平面図(図2)である。図3は、図1に記載した空気入りタイヤのベルト層を示す平面図である。図4は、図1に記載した空気入りタイヤの作用を示す説明図である。図5〜図8は、この発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す試験結果表である。
[空気入りタイヤ]
この空気入りタイヤ1は、タイヤ呼び幅265以上かつタイヤ扁平率40以下のタイヤに適用される。このようなタイヤは、例えば、SUV(Sports Utility Vehicle)車に装着される。
この空気入りタイヤ1は、タイヤ呼び幅265以上かつタイヤ扁平率40以下のタイヤに適用される。このようなタイヤは、例えば、SUV(Sports Utility Vehicle)車に装着される。
この空気入りタイヤ1は、ビードコア2と、ビードフィラー3と、カーカス層4と、ベルト層5と、トレッドゴム6と、サイドウォールゴム7とを含み構成される(図1および図2参照)。ビードコア2は、環状構造を有し、左右一対を一組として構成される。ビードフィラー3は、ビードコア2のタイヤ径方向外周に配置されて空気入りタイヤ1のビード部を補強する。カーカス層4は、左右のビードコア2、2間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。ベルト層5は、積層された複数のベルト材51、52から成り、カーカス層4のタイヤ径方向外周に配置される。トレッドゴム6は、カーカス層4およびベルト層5のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのトレッド部を構成する。サイドウォールゴム7は、ビードフィラー3およびカーカス層4のタイヤ幅方向外側に配置されてタイヤのサイドウォール部を構成する。また、タイヤのトレッド部には、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝61、62と、これらの周方向主溝61、62により区画されて成る複数の陸部63、64、65とが形成されている。
この空気入りタイヤ1では、ベルト層5がカレンダー状に配列された複数のベルトコードから成る(図3参照)。ベルトコード材としては、例えば、有機繊維製あるいはスチール製のものが採用される。ベルト層5では、センター領域におけるベルトコードのタイヤ周方向に対するベルト角度がショルダー領域におけるベルトコードのタイヤ周方向に対するベルト角度よりも大きい。また、センター領域におけるベルトコードのベルトエンド数およびベルト線径がショルダー領域におけるベルトコードのベルトエンド数およびベルト線径よりも小さい。
この実施例では、ベルト層5が積層された第一ベルト材51および第二ベルト材52から成り、第二ベルト材52のタイヤ径方向外側に第二ベルト材52が配置されている(図3参照)。第一ベルト材51および第二ベルト材52は、ベルト幅方向に3つの領域(センター領域511、521および一対のショルダー領域521、521、522、522)にそれぞれ区画されている。また、第一ベルト材51および第二ベルト材52がカレンダー状に配列された複数のベルトコードにより構成される。そして、第一ベルト材51および第二ベルト材52の双方にて、センター領域のベルト角度がショルダー領域のベルト角度よりも大きく設定されており、また、センター領域のベルトエンド数およびベルト線径がショルダー領域のベルトエンド数およびベルト線径よりも小さく設定されている。
なお、上記の構成では、第一ベルト材51および第二ベルト材52が単一構造を有し、各ベルト材51、52のベルトコードがセンター領域と各ショルダー領域との境界部にて屈折あるいは湾曲することにより、各領域における所定のベルト角度が形成される(図3参照)。しかし、これに限らず、センター領域を構成するベルト材部分と各ショルダー領域を構成するベルト材部分とがベルト幅方向に継ぎ合わされて、単一のベルト材51、52が形成されても良い。すなわち、ベルト材51、52がベルト幅方向に分割(分離)されている構成が採用されても良い。
この空気入りタイヤ1では、ベルト層5のセンター領域およびショルダー領域におけるベルト角度、ベルトエンド数およびベルト線径がそれぞれ適正化されているので、これらが均一に設定されている構成と比較して、ベルト層5のセンター領域におけるベルト引っ張り強度が低減される。すると、トレッド部センター領域におけるタイヤ接地長が増加して、トレッド部センター領域にて略円弧状に膨らんだ接地形状が形成される(図4(a)参照)。かかる構成では、トレッド部全域(センター領域およびショルダー領域)の接地長が略一様である構成(図4(b)参照)と比較して、タイヤのウェット制動性能および操安性能が向上する利点がある。
特に、タイヤ呼び幅265以上のタイヤでは、小径のタイヤと比較して、ベルト層5の剛性(ベルト面の内曲げ剛性)が高い。したがって、ベルト層5が上記の構成を有することにより、トレッド部センター領域におけるタイヤ接地長が効果的に増加して理想的な接地形状が実現される。なお、図4では、タイヤサイズ295/30R20の接地形状が示されている。
[付加的事項]
なお、この空気入りタイヤ1では、ベルト層5のセンター領域の幅Wceとタイヤ接地幅Wとが0.30≦Wce/W≦0.70の関係を有することが好ましい(図2参照)。これにより、ベルト層5のセンター領域の幅Wceとタイヤ接地幅Wとの関係が適正化されてタイヤのウェット性能および操安性能が向上する利点がある。例えば、Wce/W<0.30では、センター領域におけるベルト層5の引っ張り強度が十分に低減されず、理想的な接地形状が得られ難いため、タイヤのウェット性能が向上し難い。また、0.70<Wce/Wでは、ベルト層5の剛性(ベルト面の内曲げ剛性)が大きく低下するため、タイヤの操安性が向上し難い。
なお、この空気入りタイヤ1では、ベルト層5のセンター領域の幅Wceとタイヤ接地幅Wとが0.30≦Wce/W≦0.70の関係を有することが好ましい(図2参照)。これにより、ベルト層5のセンター領域の幅Wceとタイヤ接地幅Wとの関係が適正化されてタイヤのウェット性能および操安性能が向上する利点がある。例えば、Wce/W<0.30では、センター領域におけるベルト層5の引っ張り強度が十分に低減されず、理想的な接地形状が得られ難いため、タイヤのウェット性能が向上し難い。また、0.70<Wce/Wでは、ベルト層5の剛性(ベルト面の内曲げ剛性)が大きく低下するため、タイヤの操安性が向上し難い。
この実施例では、ベルト層5の第一ベルト材51のセンター領域の幅Wce1および第二ベルト材52のセンター領域の幅Wce2がタイヤの接地幅Wに対して、0.30≦Wce1/W≦0.70かつ0.30≦Wce2/W≦0.70となるように設定されている。これにより、ベルト層5の引っ張り強度および剛性が適正化されている。
[付加的事項2]
また、この空気入りタイヤ1では、ベルト層5のセンター領域のベルト角度が35[deg]以上55[deg]以下の範囲内にあり、且つ、ベルト層5のショルダー領域のベルト角度が15[deg]以上30[deg]以下の範囲内にあることが好ましい。かかる構成では、ベルト層5のセンター領域およびショルダー領域のベルト角度が適正化されるので、タイヤの操安性能が向上する利点がある。例えば、センター領域のベルト角度が55[deg]より大きくなると、ベルト層5の剛性が大きく低下するため、タイヤの操安性が向上し難い。また、センター領域のベルト角度が35[deg]より小さくなると、センター領域におけるベルト層5の引っ張り強度が十分に低減されず、理想的な接地形状が得られ難いため、タイヤのウェット性能が向上し難い。同様に、ショルダー領域のベルト角度が30[deg]を越えると、タイヤの操安性が向上し難い。また、ショルダー領域のベルト角度が15[deg]より小さくなると、ベルト層端部の剛性が強すぎるためタイヤの操安性能が悪化するおそれがある。
また、この空気入りタイヤ1では、ベルト層5のセンター領域のベルト角度が35[deg]以上55[deg]以下の範囲内にあり、且つ、ベルト層5のショルダー領域のベルト角度が15[deg]以上30[deg]以下の範囲内にあることが好ましい。かかる構成では、ベルト層5のセンター領域およびショルダー領域のベルト角度が適正化されるので、タイヤの操安性能が向上する利点がある。例えば、センター領域のベルト角度が55[deg]より大きくなると、ベルト層5の剛性が大きく低下するため、タイヤの操安性が向上し難い。また、センター領域のベルト角度が35[deg]より小さくなると、センター領域におけるベルト層5の引っ張り強度が十分に低減されず、理想的な接地形状が得られ難いため、タイヤのウェット性能が向上し難い。同様に、ショルダー領域のベルト角度が30[deg]を越えると、タイヤの操安性が向上し難い。また、ショルダー領域のベルト角度が15[deg]より小さくなると、ベルト層端部の剛性が強すぎるためタイヤの操安性能が悪化するおそれがある。
[付加的事項3]
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤ接地幅の中央部50[%]の範囲内に周方向主溝61、62が形成されるときに、ベルト層5のセンター領域とショルダー領域との境界線l、m(ベルト層5のベルト角度が変化する位置)がトレッド部の平面視にて周方向主溝61、62から外れた位置に配置されることが好ましい(図2および図3参照)。すなわち、ベルト層5のベルト角度が一定の位置に周方向主溝61、62が配置される。かかる構成では、周方向主溝61、62の溝下にセンター領域とショルダー領域との境界線l、mが位置する構成と比較して、周方向主溝61、62の溝下の剛性が高められる。これにより、周方向主溝61、62におけるグルーブクラックの発生が低減される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤ接地幅の中央部50[%]の範囲内に周方向主溝61、62が形成されるときに、ベルト層5のセンター領域とショルダー領域との境界線l、m(ベルト層5のベルト角度が変化する位置)がトレッド部の平面視にて周方向主溝61、62から外れた位置に配置されることが好ましい(図2および図3参照)。すなわち、ベルト層5のベルト角度が一定の位置に周方向主溝61、62が配置される。かかる構成では、周方向主溝61、62の溝下にセンター領域とショルダー領域との境界線l、mが位置する構成と比較して、周方向主溝61、62の溝下の剛性が高められる。これにより、周方向主溝61、62におけるグルーブクラックの発生が低減される利点がある。
この実施例では、(1)第一ベルト材51のセンター領域とショルダー領域との境界線lおよび(2)第二ベルト材52のセンター領域とショルダー領域との境界線mの双方が、トレッド部の平面視にて周方向主溝61、62から外れた位置に配置されている(図2参照)。具体的には、第一ベルト材51の境界線lおよび第二ベルト材の境界線mと周方向主溝61、62とがタイヤ幅方向に8[mm]以上の間隔を隔てて配置されている。これにより、周方向主溝61、62の溝下の剛性が確保されている。
[付加的事項4]
また、この空気入りタイヤ1では、センター領域を構成するベルト材部分511、521とショルダー領域を構成するベルト材部分512、522とがベルト幅方向に継ぎ合わされてベルト層5(第一ベルト材51および第二ベルト材52)が構成されるときに、ベルト材部分511、512、521、522のエッジ部に補強部材が巻き付けられることが好ましい(図示省略)。例えば、補強部材がゴムシートあるいは有機繊維シートであり、ベルト材部分511、512、521、522のエッジ部を包み込むように巻き付けられて配置される。かかる構成では、ベルト層5のエッジ部が補強部材により補強されるので、タイヤの高速回転時にてベルト層端部からのトレッドゴムのセパレーションが抑制される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、センター領域を構成するベルト材部分511、521とショルダー領域を構成するベルト材部分512、522とがベルト幅方向に継ぎ合わされてベルト層5(第一ベルト材51および第二ベルト材52)が構成されるときに、ベルト材部分511、512、521、522のエッジ部に補強部材が巻き付けられることが好ましい(図示省略)。例えば、補強部材がゴムシートあるいは有機繊維シートであり、ベルト材部分511、512、521、522のエッジ部を包み込むように巻き付けられて配置される。かかる構成では、ベルト層5のエッジ部が補強部材により補強されるので、タイヤの高速回転時にてベルト層端部からのトレッドゴムのセパレーションが抑制される利点がある。
[性能試験]
この実施例では、条件が異なる複数の空気入りタイヤについて、(1)ウェット制動性能および(2)操安性能に関する性能試験が行われた(図5〜図8参照)。この性能試験では、タイヤサイズ275/40R19の空気入りタイヤがJATMA規定の適用リムに装着され、この空気入りタイヤに内圧230[kPa]およびJATMA規定の規定荷重が負荷される。また、空気入りタイヤが排気量3000[cc]かつ四輪駆動の試験車両に装着される。
この実施例では、条件が異なる複数の空気入りタイヤについて、(1)ウェット制動性能および(2)操安性能に関する性能試験が行われた(図5〜図8参照)。この性能試験では、タイヤサイズ275/40R19の空気入りタイヤがJATMA規定の適用リムに装着され、この空気入りタイヤに内圧230[kPa]およびJATMA規定の規定荷重が負荷される。また、空気入りタイヤが排気量3000[cc]かつ四輪駆動の試験車両に装着される。
(1)ウェット制動性能に関する性能試験では、空気入りタイヤを装着した試験車両がウェット路面にて進入速度100[km/h]の条件下にて急制動を行い、その制動距離が測定される。そして、この測定結果に基づいて、従来例の空気入りタイヤを基準(100)として指数評価が行われる。評価結果は、その数値が大きいほど好ましい。また、105以上の数値により性能の向上が認められる。
(2)操安性能に関する性能試験では、空気入りタイヤを装着した試験車両が平坦な周回路を有するテストコースを60[km/h]〜100[km/h]で走行する。そして、直進時の安定性およびレーチェンジ時の操舵性について、従来例の空気入りタイヤを基準(100)として指数評価が行われる。評価結果は、その数値が大きいほど好ましい。110以上の数値により性能の向上が認められる。
従来例の空気入りタイヤでは、ベルト層が全領域(センター領域およびショルダー領域)にて一様なベルト角度、ベルトエンド数およびベルト線径を有する(ベルト分割なし)。また、トレッド部センター領域に2本の周方向主溝が形成され、各トレッド部ショルダー領域にそれぞれ1本の周方向主溝が形成されている。
発明例の空気入りタイヤ1では、ベルト層5がセンター領域Ceと左右のショルダー領域Shとに区画され(ベルト三分割)、各領域Ce、Shにてベルト角度、ベルトエンド数およびベルト線径がそれぞれ設定されている。具体的には、センター領域Ceのベルト角度がショルダー領域Shのベルト角度よりも大きく、且つ、センター領域Ceのベルトエンド数およびベルト線径がショルダー領域Shのベルトエンド数およびベルト線径よりも小さい。また、トレッド部センター領域に2本の周方向主溝61が形成され、各トレッド部ショルダー領域にそれぞれ1本の周方向主溝62が形成されている(図2参照)。また、ベルト層5のセンター領域の幅Wceとタイヤ接地幅WとがWce/W=0.50に設定されている。
試験結果に示すように、発明例の空気入りタイヤ1では、ウェット制動性能および操安性能が向上することが分かる(図5参照)。また、ベルト層5のセンター領域Ceの幅Wceとタイヤ接地幅Wとの比Wce/Wが適正化されることにより、ウェット制動性能および操安性能が向上することが分かる(図6参照)。また、ベルト層5のセンター領域Ceおよびショルダー領域Shのベルト角度が適正化されることにより、ウェット制動性能および操安性能が向上することが分かる(図7参照)。また、分割されたベルト層5の各領域Ce、Shのエッジ部に補強部材が配置されることにより、タイヤの高速耐久性能(ベルト層5のエッジ部におけるセパレーションの抑制機能)が向上することが分かる(図8参照)。なお、補強部材は、ゴムシート製であり、ベルト層5の各ベルト材部分のエッジ部に対してUターン巻きで配置される。
以上のように、本発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤのウェット制動性能および操安性能を向上できる点で有用である。
1 空気入りタイヤ
2 ビードコア
3 ビードフィラー
4 カーカス層
5 ベルト層
6 トレッドゴム
7 サイドウォールゴム
51 第一ベルト材
52 第二ベルト材
61、62 周方向主溝
2 ビードコア
3 ビードフィラー
4 カーカス層
5 ベルト層
6 トレッドゴム
7 サイドウォールゴム
51 第一ベルト材
52 第二ベルト材
61、62 周方向主溝
Claims (5)
- カーカス層のタイヤ径方向外周に配置されるベルト層を有すると共にタイヤ呼び幅265以上かつタイヤ扁平率40以下の空気入りタイヤであって、
前記ベルト層が配列された複数のベルトコードから成り、前記ベルト層のセンター領域における前記ベルトコードのタイヤ周方向に対するベルト角度が前記ベルト層のショルダー領域における前記ベルトコードのタイヤ周方向に対するベルト角度よりも大きく、且つ、前記ベルト層のセンター領域における前記ベルトコードのベルトエンド数およびベルト線径が前記ベルト層のショルダー領域における前記ベルトコードのベルトエンド数およびベルト線径よりも小さいことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記ベルト層のセンター領域の幅Wceとタイヤ接地幅Wとが0.30≦Wce/W≦0.70の関係を有する請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ベルト層のセンター領域のベルト角度が35[deg]以上55[deg]以下の範囲内にあり、且つ、前記ベルト層のショルダー領域のベルト角度が15[deg]以上30[deg]以下の範囲内にある請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
- タイヤ接地幅の中央部50[%]の範囲内に周方向主溝が形成されるときに、前記ベルト層のセンター領域とショルダー領域との境界線がトレッド部の平面視にて前記周方向主溝から外れた位置に配置される請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
- センター領域を構成するベルト材部分とショルダー領域を構成するベルト材部分とがベルト幅方向に継ぎ合わされて前記ベルト層が構成されるときに、前記ベルト材部分のエッジ部に補強部材が巻き付けられる請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013039850A (ja) * | 2011-08-11 | 2013-02-28 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 空気入りタイヤ |
JP2015077854A (ja) * | 2013-10-16 | 2015-04-23 | 東洋ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP2018111357A (ja) * | 2017-01-10 | 2018-07-19 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP2018111356A (ja) * | 2017-01-10 | 2018-07-19 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
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2006
- 2006-12-18 JP JP2006340124A patent/JP2008149904A/ja active Pending
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