JP2007018429A - 調節計 - Google Patents

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隆章 山田
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郁夫 南野
Takeshi Wakabayashi
武志 若林
Takeshi Kishimoto
武史 岸元
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Abstract

【課題】 ヒータに電力を供給する電源の電圧が異なる環境下で使用しても同様に制御特性を得られるようにする。
【解決手段】 補正前の操作量と基準状態の基準操作量との比である補正係数を用いて、PIDコントローラからの操作量を補正し、これによって、実運用時の電源電圧が、基準状態の電源電圧とは異なっていても、その影響を解消するように操作量を補正し、基準状態と同様の制御特性になるようにしている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、温度制御などの制御に好適な調節計に関する。
従来、例えば、半導体の製造工程においては、加熱装置などを所定の温度に制御するために、調節計が使用されている(例えば、特許文献1)。
図17は、調節計を用いた温度制御システムの概略構成図である。同図において、9は商用の電源、2は、例えば、ガラス基板等のワークを加熱処理する熱板などの制御対象、11は制御対象2の温度を検出する温度センサ10からの検出温度に基いて、制御対象2の温度が目標温度になるように、SSR(ソリッドステートリレー)等の電力操作器7に制御出力を与えることにより、制御対象2を加熱するヒータ8の通電を制御する調節計である。
かかる温度制御システムにおいては、電源の電圧が異なると、調節計の制御出力(操作量)が同一であってもヒータの発熱量が異なる結果、同じ制御特性を得ることができない。
例えば、調節計が設置されている現場では、電源によって駆動される装置の稼動台数が日によって異なるような場合があり、かかる場合には、日毎に電源電圧に差が生じ、ワーク等の熱処理の品質が日毎にばらつくことになる。
あるいは、電源によって駆動される装置の種類や稼動台数が異なる現場では、現場毎に電源電圧に差が生じ、或る現場では、ワークの熱処理が良好に行えるのに対して、他の現場では、ワークの熱処理が良好に行えないといった場合がある。
更に、調節計が、電源電圧の異なる外国に輸出されて使用されるような場合には、日本において、出荷時に設定された条件では、日本におけるのと同様の良好な制御特性を得ることができない場合がある。
特開2002−351502
本発明は、上述の点に鑑みて為されたものであって、電源電圧などが異なる環境で使用されても良好な制御特性を得られるようにすることを目的とする。
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
すなわち、本発明の調節計は、目標値と制御対象からフィードバックされる観測量との偏差に基いて、操作量を出力する制御部を備える調節計であって、前記操作量を補正する操作量補正手段を備え、該操作量補正手段は、基準となる基準状態における基準操作量に基いて、前記操作量を補正するものである。
ここで、目標値とは、制御の目標となる望ましい値をいい、観測量とは、制御対象の状態を検出するセンサなどからの検出値をいう。
基準状態とは、補正の基準となる状態をいい、この基準状態と同様の制御特性が得られるように、操作量を補正するものである。
基準操作量は、ノイズ等の影響を除去するために、その平均値や積算値を用いるのが好ましい。
基準操作量に基いて、基準状態と同様の制御特性になるように補正するものであるから、操作量に変動を与える各種の要因の内、補正によってその影響を除こうとする所定の要因以外の要因は、基準状態と、補正を行おうとする実際の運用状態とで、可及的に同じであることが好ましく、これによって、他の要因の影響を受けることなく、所定の要因による影響を効果的に排除することができる。
本発明によると、基準操作量に基いて基準状態からのずれを把握し、そのずれによる影響を解消するように補正することができるので、基準状態と同様の制御特性を得ることが可能となる。
しかも、基準操作量に基いて、操作量を補正するので、例えば、基準状態からのずれを検出するためのセンサ等を別途設ける必要がない。
好ましい実施態様においては、前記操作量補正手段で補正された操作量に応じて、電源から操作手段へ供給される電力を制御するものであって、前記操作手段が、前記制御対象に操作を加えるものである。
ここで、操作手段とは、制御対象に働きかける手段をいい、例えば、制御対象を加熱および/または冷却する手段、例えば、ヒータやペルチェ素子などをいう。
この実施態様によると、電源の電圧が、基準状態の電源電圧からずれているような場合には、その電源電圧のずれによる影響を解消するように補正して基準状態と同様の制御特性を得ることができる。
一実施態様においては、前記基準状態が、前記電源の電圧が変動していない状態である。
この実施態様によると、電源電圧が変動していない状態を基準状態とし、実際の運用状態において、電源電圧が、基準状態における電源電圧からずれているときには、そのずれによる影響を解消するように補正し、基準状態との同様の制御特性を得ることができる。
好ましい実施態様においては、前記制御部は、前記観測量としての検出温度が、前記目標値としての目標温度に一致するように前記操作量を出力するものであり、前記操作手段は、前記制御対象を、加熱および/または冷却するものである。
基準状態では、操作量に変動を与える各種要因の内、その影響を補正しようとする所定の要因、例えば、補正しようとする所定の要因が電源電圧であるときには、それ以外の要因、例えば、周囲温度、制御対象を加熱するヒータの容量等の要因については、実際の運用状態と同じ条件であるのが好ましい。
これによって、実際の運用状態の電源電圧が、基準状態の電源電圧と異なっている場合に、他の要因の影響を受けることなく、電源電圧のずれによる影響を補正して基準状態と同様の制御特性を得ることができる。
この実施態様によると、電源電圧が基準状態の電源電圧からずれているために、同一の操作量であっても基準状態における加熱量や冷却量が異なるような場合に、操作量を補正して電源電圧のずれによる影響を解消して基準状態と同様の制御特性を得ることができる。
他の実施態様においては、前記操作量補正手段は、該操作量補正手段による補正を行っていない補正前操作量と前記基準操作量とに基いて、前記操作量を補正するものである。
補正前操作量とは、操作量補正手段による補正を行っていない状態、すなわち、従来と同様の状態における操作量をいう。
この補正前操作量は、ノイズ等の影響を除去するために、その平均値や積算値を用いるのが好ましい。
この実施態様によると、基準操作量と補正前操作量とによって、基準状態からのずれを把握することができ、このずれによる影響を解消するように補正することができる。
更に、他の実施態様においては、前記補正前操作量および前記基準操作量が、共に定常状態における操作量である。
定常状態の判定は、観測量あるいは操作量が、所定期間に亘って、所定範囲内にあるか否かに基いて行うのが好ましい。
この実施態様によると、定常状態における操作量と電源電圧との間の関係を利用し、基準状態の電源電圧からのずれによる影響を、操作量を補正することにより、解消することができる。
一実施態様においては、前記補正前操作量および前記基準操作量が、共に外乱が印加された過渡状態における操作量である。
外乱の印加として、例えば、熱板などの制御対象によって熱処理される被処理物の制御対象への搭載を用いることができる。
制御対象の温度を制御する場合には、定常状態の操作量は、周囲温度の影響を受けることになり、電源電圧の基準状態からのずれによる影響の補正に誤差を生じる虞があるが、この実施の形態によると、過渡状態の操作量を用いるので、周囲温度の影響を受けることがない。
他の実施態様においては、前記補正前操作量および前記基準操作量が、共に前記目標値が変更された過渡状態における操作量である。
この実施の形態によると、過渡状態の操作量を用いるので、定常状態の操作量を用いる構成に比べて、周囲温度の影響を受けることがない。
更に他の実施態様においては、前記過渡状態における前記操作量は、定常状態の操作量を含まないものである。
定常状態の操作量は、外乱印加あるいは目標値の変更から所定期間経過したときの操作量とするのが好ましい。
この実施態様によると、周囲温度の影響をより確実に除去できる。
一実施態様においては、前記操作量補正手段は、前記補正前操作量が、前記基準操作量に比べて大きいときには、該補正前操作量が大きい程、大きく前記操作量を補正し、前記補正前操作量が、前記基準操作量に比べて小さいときには、該補正前操作量が小さい程、小さく前記操作量を補正するものである。
この実施態様によると、電源電圧が、基準状態の電源電圧よりも低いときには、操作量を大きく補正し、逆に、電源電圧が、基準状態の電源電圧よりも高いときには、操作量を小さく補正して基準状態との電源電圧のずれによる影響を補正することができる。
他の実施態様においては、前記操作量補正手段は、前記補正前操作量と前記基準操作量との比に基く補正係数によって前記操作量を補正するものである。
この実施態様によると、予め補正係数を算出しておくことにより、この補正係数を用いて操作量を補正することができる。
また、本発明の調節計は、目標値と制御対象からフィードバックされる観測量との偏差に基いて、操作量を出力する制御部と、該制御部からの前記操作量を補正する操作量補正手段とを備える調節計であって、前記操作量補正手段は、該操作量補正手段による補正を行なっていない補正前操作量が、所定操作量に比べて大きいときには、該補正前操作量が大きい程、大きく前記操作量を補正し、前記補正前操作量が、前記所定操作量に比べて小さいときには、該補正前操作量が小さい程、小さく前記操作量を補正するものである。
ここで、所定操作量は、補正の基準となる基準状態における操作量であるのが好ましい。
本発明によると、所定操作量と補正前操作量とによって、所定操作量に対応する状態からのずれを把握することができ、このずれによる影響を解消するように補正することができる。
本発明によれば、操作量を、基準状態の基準操作量に基いて補正するので、基準状態からのずれによる影響を解消するように補正することができ、これによって、基準状態と同様の制御特性を得ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一つの実施の形態に係る調節計を用いた温度
制御システムの概略構成図であり、上述の図17に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
この実施の形態の調節計1は、ワーク(図示せず)を加熱処理する熱板等の制御対象2の温度を検出する温度センサ10からの検出温度が、設定されている目標温度SPに一致するように、操作量を出力するPIDコントローラ3を備えるとともに、更に電源9の電源電圧が基準とする基準状態の電源電圧から異なっても基準電圧と同様の制御特性を得ることができるように、PIDコントローラ3からの操作量を補正する操作量補正手段4を備えている。
操作量補正手段4は、PIDコントローラ3からの操作量に基いて、補正係数kを予め算出する補正係数算出部5と、この算出された補正係数kを、PIDコントローラ3からの操作量に乗じて補正する操作量補正部6を備えており、この補正された操作量に基いて、SSR等の電力操作器7が制御されて制御対象2を加熱する操作手段としてのヒータ8に対する電源9からの電力の供給が制御される。
この操作量補正手段4およびPIDコントローラ3は、例えば、マイクロコンピュータによって構成されている。
この実施の形態では、補正係数kを次のようにして算出している。
すなわち、この補正係数kは、操作量補正手段4のよる補正を行ってない補正前(k=1の状態)における定常操作量(定常状態の操作量)と、基準となる基準状態における定常操作量(定常状態の操作量)との比として決定される。
ここで、基準状態とは、補正の基準となる状態をいい、例えば、電源9の電源電圧が変動していない安定な状態であるのが好ましく、例えば、工場出荷時における最終調整の状態であってもよい。あるいは、現場において、調節計1を最初に設置したときの状態であってもよい。
また、この基準状態では、電源電圧以外の操作量に影響を及ぼす要因、例えば、周囲温度、装置の設置状況、ヒータ8の容量等の要因は、調節計1が設置されて実際に使用される運用状態と同じであるのが好ましい。
この実施の形態では、基準状態とは異なる電源電圧の運用状態で調節計1が使用されても基準状態におけるのと同様の制御特性を得られるようにするものである。
以下、補正係数kの算出手順を、図2および図3のフローチャートに基いて説明する。なお、この補正係数kの算出の際には、補正係数kによる補正は行われていない状態、すなわち、従来と同じ制御状態である。
先ず、図2に示すように、基準状態、例えば、安定化電源装置を用いて電源電圧を基準となる電圧に安定させるとともに、その他の条件、例えば、周囲温度などを、実運用時の状態に調整し(ステップn1)、タイマの計測を開始し(ステップn2)、定常状態となったか否か、例えば、現在時刻tにおいて、温度が過去1分以上の間、設定温度±1℃以内であるか否かを判断し(ステップn3)、設定温度±1℃以内になったときには、時刻(t−1)分から時刻tまでの操作量の平均値を基準定常操作量U0とし、図1の補正係数算出部5に格納して終了する(ステップn4)。
かかる基準状態における基準定常操作量U0の計測モードは、例えば、調節計1の操作キーを操作することにより、あるいは、通信によって設定することができる。
次に、例えば、現場における実運用の状態において、図3に示すように、実際の制御運転を開始し(ステップn5)、タイマの計測を開始し(ステップn6)、定常状態となったか否か、例えば、現在時刻tにおいて、温度が過去1分以上の間、設定温度±1℃以内であるか否かを判断し(ステップn7)、設定温度±1℃以内になったときには、時刻(t−1)分から時刻tまでの操作量の平均値を運用時定常操作量U1とし(ステップn8)、補正係数算出部5は、補正係数k=U1/U0を算出し、この補正係数kを操作量補正部6に設定して終了する(ステップn9)。
この補正係数kの算出モードも、例えば、調節計1の操作キーを操作することにより、あるいは、通信によって設定することができる。
補正係数kが算出された後の実運用においては、PIDコントローラ3からの操作量に、操作量補正部6で補正係数kが乗算されて操作量が補正される。
以下、補正係数k=U1/U0を、PIDコントローラ3からの操作量Uに乗算することによって、基準状態と同様の制御特性が得られる理由について、説明する。
ここで、ヒータ容量(電力)をW、ヒータ抵抗をR、電源電圧をVとすると、ヒータ発熱量は、次式で示される。
ヒータ発熱量=操作量U×ヒータ容量W
=操作量U×電源電圧V/ヒータ抵抗R
今、上述の基準状態に対応する基準となるヒータ容量(電力)をW0、基準となる電源電圧をV0とすると、
W0=V0/R
となる。
また、補正すべき現場でのヒータ容量をW1、電源電圧をV1とすると、
W1=V1/R
となる。
したがって、現場のヒータ容量W1と基準となるヒータ容量W0との比は、
W1/W0=(V1/V0)
となる。
したがって、現場のヒータ容量W1を、基準となるヒータ容量W0に換算するには、この比(V1/V0)で除算すればよい。
上述のように、ヒータ発熱量=操作量U×ヒータ容量Wであるから、この実施の形態では、操作量Uに、(V1/V0)の逆数(V0/V1)に相当する補正係数k=U1/U0を乗算することによって、基準となるヒータ容量に換算するものである。
ここで、補正係数k=U1/U0と電源電圧の比の二乗(V0/V1)との関係について、熱モデルを用いて詳細に説明する。
図4に示すように、制御対象2としての熱板をヒータ8の発熱量で加熱する熱モデルを考え、熱板の熱容量をCh、熱板の温度をTh、熱板と環境との間の熱抵抗をRh、環境温度をTaとする。
ヒータの発熱量が一定の定常状態においては、
ヒータ発熱量=熱板からの放熱量 ……(1)
熱板からの放熱量=(Th−Ta)/Rh ……(2)
一方、
ヒータ発熱量=操作量U×ヒータ容量W
=操作量U×電源電圧V/R ……(3)
但し、Rはヒータ抵抗である。
上記(1)式に、(2)式、(3)式を代入すると、
操作量U×電源電圧V/R=(Th−Ta)/Rh ……(4)
したがって、操作量Uは、
U=R×(1/V)×(Th−Ta)/Rh ……(5)
温度制御系においては、熱板の温度Thが、目標温度SPとなるように、操作量Uが、自動的に変動する。
今、次の条件の下で、操作量Uを、基準定常操作量U0とすると、
条件:R=R0、V=V0、Th=Th0、Ta=Ta0、Rh=Rh0
このとき、上記(5)式より
U0=R0×(1/V0)×(Th0−Ta0)/Rh0 ……(6)
また、上記条件で、V0がV1に変わり、操作量が運用時定常操作量U1であるとすると、上記(5)式より、
U1=R0×(1/V1)×(Th0−Ta0)/Rh0 ……(7)
上記(6)、(7)式より、
U1/U0=(V0/V1)
このように補正係数k=U1/U0=(V0/V1)
となる。
したがって、操作量補正部6でPIDコントローラ3からの操作量に、補正係数k=U1/U0を乗算して補正することにより、基準の電源電圧V0とは異なる現場であっても、同一の制御特性を得ることができる。
次に、この実施の形態の作用効果を示すシミュレーション結果について説明する。
図5は、上述の基準状態に対応するものであり、電源電圧が100vであるときの特性を示すものである。同図(a)は、ヒータ発熱量(電力)Wおよび操作量Uの時間変化を示し、同図(b)は、目標温度SPおよびヒータ温度の時間変化を示している。同図(a)においては、ヒータ発熱量(電力)Wおよび操作量Uは重なっている。
図6は、操作量の補正を行わない従来例において、電源電圧が150Vになった場合の図5に対応する図である。電源電圧が高くなった結果、同図(a)に示すように立ち上がり時のヒータの発熱量(電力)Wが増大し、同図(b)に示すようにヒータの温度の立ち上がりが急激となってオーバーシュートが生じており、図5の基準状態と同一の制御特性を得ることができない。
図7は、この実施の形態において、電源電圧が150Vになった場合の図5に対応する図である。
この場合、補正係数k=U1/U0は、図5に示す基準状態の基準定常操作量U0が、図6に示す電源電圧が150Vになったときの補正前の運用時定常操作量U1よりも大きくなるので、k<1として設定されることになる。
かかる補正係数kによって、操作量を補正する結果、電源電圧が高くなっても、同図(a)に示すように操作量Uを小さくすることで、立ち上がり時のヒータの発熱量(電力)Wが増大するを抑制することができ、同図(b)に示すヒータの温度の立ち上がりも図5の基準状態と同様の特性となり、図6の従来例のようなオーバーシュートが生じることもない。
図8は、操作量の補正を行わない従来例において、電源電圧が80Vになった場合の図5に対応する図である。電源電圧が低くなった結果、同図(a)に示すように、立ち上がり時のヒータの発熱量(電力)Wが低下し、同図(b)に示すように、ヒータの温度の立ち上がり時間が、図5に比べて非常に長くなっている。
図9は、この実施の形態において、電源電圧が80Vになった場合の図5に対応する図である。
この場合、補正係数k=U1/U0は、図5に示す基準状態の基準定常操作量U0が、図8に示す電源電圧が80Vになったときの補正前の運用時定常操作量U1よりも小さいので、k>1として設定されることになる。
かかる補正係数kによって、操作量を補正する結果、電源電圧が低くなっても、同図(a)に示すように操作量を大きくすることで、立ち上がり時のヒータの発熱量(電力)Wの低下を防ぎ、同図(b)に示すヒータの温度の立ち上がりも図5の基準状態と同様となり、図8の従来例のように立ち上がり時間が長くなることもない。
このように、電源電圧が異なっても基準状態におけると同様に制御特性を得ることができる。
なお、図3に示す補正係数kの算出モードは、現場の状況などに応じて行えばよく、例えば、電源によって駆動される装置の稼動台数が日によって異なって電源電圧が日毎に変動するような場合には、毎日1回、その日の電源電圧に応じた補正係数kを算出して補正すればよい。
また、基準状態では、調節計の制御パラメータを設定しておき、実運用時には、設定された制御パラメータに基いて制御を行い、電源電圧による影響のみを補正するのが好ましい。
なお、基準状態は、良好な制御特性であるのが好ましいが、単に補正の基準となる状態であるから、例えば、最初に制御を行った初回の状態を基準状態としてもよい。
(実施の形態2)
この実施の形態では、補正係数kとして、上述の実施の形態1のような定常操作量の比U1/U0を用いるのではなく、過渡状態の操作量の比を用いるものである。
定常操作量は、周囲温度の影響を受け、例えば、周囲温度が低い場合には、放熱量が大きくなるために、定常操作量が大きくなる。したがって、定常操作量の比U1/Uを補正係数kにすると、周囲温度の影響を受けて電源電圧の補正に誤差が生じる虞がある。
そこで、この実施の形態では、外乱が印加された過渡状態の操作量を利用することにより、周囲温度の影響を受けないようにしている。
外乱としては、図1の制御対象2としての熱板上に、加熱処理されるガラス基板等のワークが搭載されるのを想定することができる。
目標温度に整定している熱板上に、ワークが搭載されて熱処理が開始されると、ワークに熱板の熱が奪われて温度が低下する結果、操作量Uは、図10に示すように増加し、熱板の温度が回復するにつれて操作量Uは定常操作量に復帰する。
この実施の形態では、ワークを熱板上に搭載して熱処理を開始した後に増加する操作量が、ワークの加熱に使用され、周囲温度の影響を受けないことを利用するものである。なお、ワークの熱板への搭載は、ワークを搬送する手段を制御する上位装置からのタイミング信号や熱板の温度の低下などに基いて検出することができる。
図11および図12は、この実施の形態の補正係数kの算出の手順を示す上述の図2および図3に対応するフローチャートである。
先ず、図11に示すように、基準状態、例えば、安定化電源装置を用いて電源電圧を基準となる電圧に安定させるとともに、その他の条件、例えば、周囲温度などを、実運用時の状態に調整し
(ステップn1)、外乱としてワークが熱板に搭載され(ステップn2)、タイマの計測を開始し(ステップn3)、所定時間Δt経過したか否かを判断し(ステップn4)、経過したときには、所定時間Δtの期間における定常操作量とワークの加熱のための操作量の和を、基準過渡操作量U0’として終了する(ステップn5)。
次に、図12に示すように、例えば、現場における実運用の状態において、実際の制御運転を開始し(ステップn6)、外乱としてのワークが熱板に搭載され(ステップn7)、タイマの計測を開始し(ステップn8)、所定時間Δt経過したか否かを判断し(ステップn9)、経過したときには、所定時間Δtの期間における定常操作量とワークの加熱のための操作量の和を、運用時過渡操作量U1’とし(ステップn10)、補正係数k=U1’/U0’を算出して終了する(ステップn11)。
このようにして算出された補正係数k=U1’/U0’によって、操作量補正部6でPIDコントローラ3からの操作量を補正するものである。
(実施の形態3)
図13および図14は、本発明の更に他の実施の形態の図11および図12に対応するフローチャートである。
上述の実施の形態2では、外乱の印加による過渡状態の操作量を用いて補正係数kを算出したけれども、この実施の形態では、目標値変更による過渡状態の操作量を用いて補正係数kを算出するものである。
すなわち、図13に示すように、基準状態、例えば、安定化電源装置を用いて電源電圧を基準となる電圧に安定させるとともに、その他の条件、例えば、周囲温度などを、実運用時の状態に調整し(ステップn1)、目標値を変更し(ステップn2)、タイマの計測を開始し(ステップn3)、所定時間Δt経過したか否かを判断し(ステップn4)、経過したときには、所定時間Δtの期間における定常操作量とワークの加熱のための操作量の和を、基準過渡操作量U0’として終了する(ステップn5)。
次に、図14に示すように、例えば、現場における実運用の状態において、実際の制御運転を開始し(ステップn6)、目標値を変更し(ステップn7)、タイマの計測を開始し(ステップn8)、所定時間Δt経過したか否かを判断し(ステップn9)、経過したときには、所定時間Δtにおける定常操作量とワークの加熱のための操作量の和を、運用時過渡操作量U1’とし(ステップn10)、補正係数k=U1’/U0’を算出して終了する(ステップn11)。
(実施の形態4)
図15および図16は、本発明の更に他の実施の形態の図13および図14に対応するフローチャートである。
上述の実施の形態2,3では、過渡状態の操作量には、定常操作量を含んでいたけれども、この実施の形態では、定常操作量を除いた操作量を、過渡状態の操作量とするものであり、より精度の高い補正が可能になる。
すなわち、図15に示すように、基準状態、例えば、安定化電源装置を用いて電源電圧を基準となる電圧に安定させるとともに、その他の条件、例えば、周囲温度などを、実運用時の状態に調整し(ステップn1)、目標値を変更し(ステップn2)、タイマの計測を開始し(ステップn3)、所定時間Δt経過したか否かを判断し(ステップn4)、経過したときには、所定時間Δtの期間における定常操作量と熱板の加熱のための操作量の和を、基準過渡操作量U0’とし(ステップn5)、タイマの計測を開始し(ステップn6)、定常状態となったか否か、例えば、現在時刻tにおいて、温度が過去1分以上の間、設定温度±1℃以内であるか否かを判断し(ステップn7)、設定温度±1℃以内になったときには、時刻(t−1)分から時刻tまでの操作量の平均値を定常操作量U0として終了する。
次に、図16に示すように、例えば、現場における実運用の状態において、実際の制御運転を開始し(ステップn9)、目標値を変更し(ステップn10)、タイマの計測を開始し(ステップn11)、所定時間Δt経過したか否かを判断し(ステップn12)、経過したときには、所定時間Δtの期間における定常操作量とワークの加熱のための操作量の和を、運用時過渡操作量U1’とし(ステップn13)、タイマの計測を開始し(ステップn14)、定常状態となったか否か、例えば、現在時刻tにおいて、温度が過去1分以上の間、設定温度±1℃以内であるか否かを判断し(ステップn15)、設定温度±1℃以内になったときには、時刻(t−1)分から時刻tまでの操作量の平均値を定常操作量U1とし(ステップn16)、補正係数k=(U1’−U1)/(U0’−U0)を算出して終了する(ステップn17)。
(その他の実施の形態)
上述の実施の形態では、電源電圧による影響を補正したけれども、本発明は、電源電圧に限らず、その他の要因、例えば、ヒータ容量などの影響を補正するようにしてもよい。
上述の実施の形態では、温度制御に適用して説明したが、本発明は、温度制御に限らず、圧力、流量等の他の制御にも適用できる。
本発明は、例えば、電源電圧が異なる条件で使用される調節計として有用である。
本発明の一つの実施の形態に係る調節計を備える温度制御システムの概略構成図である。 基準状態における操作量の計測の手順を示すフローチャートである。 補正係数の算出手順を示すフローチャートである。 熱モデルを示す図である。 基準状態の特性を示す図である。 電源電圧が高い場合の従来例の特性を示す図である。 電源電圧が高い場合の実施の形態の特性を示す図である。 電源電圧が低い場合の従来例の特性を示す図である。 電源電圧が低い場合の実施の形態の特性を示す図である。 外乱印加時の操作量の変化を示す図である。 他の実施の形態の図2に対応するフローチャートである。 他の実施の形態の図3に対応するフローチャートである。 更に他の実施の形態の図2に対応するフローチャートである。 更に他の実施の形態の図3に対応するフローチャートである。 他の実施の形態の図2に対応するフローチャートである。 他の実施の形態の図3に対応するフローチャートである。 従来例の調節計を備える温度制御システムの概略構成図である。
符号の説明
1 調節計 2 制御対象
3 PIDコントローラ 4 操作量補正手段
8 ヒータ 9 電源

Claims (12)

  1. 目標値と制御対象からフィードバックされる観測量との偏差に基いて、操作量を出力する制御部を備える調節計であって、
    前記操作量を補正する操作量補正手段を備え、該操作量補正手段は、基準となる基準状態における基準操作量に基いて、前記操作量を補正することを特徴とする調節計。
  2. 前記操作量補正手段で補正された操作量に応じて、電源から操作手段へ供給される電力を制御するものであって、前記操作手段が、前記制御対象に操作を加えるものである請求項1に記載の調節計。
  3. 前記基準状態が、前記電源の電圧が変動していない状態である請求項2に記載の調節計。
  4. 前記制御部は、前記観測量としての検出温度が、前記目標値としての目標温度に一致するように前記操作量を出力するものであり、前記操作手段は、前記制御対象を、加熱および/または冷却するものである請求項2または3に記載の調節計。
  5. 前記操作量補正手段は、該操作量補正手段による補正を行っていない補正前操作量と前記基準操作量とに基いて、前記操作量を補正する請求項1〜4のいずれか1項に記載の調節計。
  6. 前記補正前操作量および前記基準操作量が、共に定常状態における操作量である請求項5に記載の調節計。
  7. 前記補正前操作量および前記基準操作量が、共に外乱が印加された過渡状態における操作量である請求項5に記載の調節計。
  8. 前記補正前操作量および前記基準操作量が、共に前記目標値が変更された過渡状態における操作量である請求項5に記載の調節計。
  9. 前記過渡状態における前記操作量は、定常状態の操作量を含まないものである請求項7または8に記載の調節計。
  10. 前記操作量補正手段は、前記補正前操作量が、前記基準操作量に比べて大きいときには、該補正前操作量が大きい程、大きく前記操作量を補正し、前記補正前操作量が、前記基準操作量に比べて小さいときには、該補正前操作量が小さい程、小さく前記操作量を補正する請求項5〜9のいずれか1項に記載の調節計。
  11. 前記操作量補正手段は、前記補正前操作量と前記基準操作量との比に基く補正係数によって前記操作量を補正する請求項5〜10のいずれか1項に記載の調節計。
  12. 目標値と制御対象からフィードバックされる観測量との偏差に基いて、操作量を出力する制御部と、該制御部からの前記操作量を補正する操作量補正手段とを備える調節計であって、
    前記操作量補正手段は、該操作量補正手段による補正を行なっていない補正前操作量が、所定操作量に比べて大きいときには、該補正前操作量が大きい程、大きく前記操作量を補正し、前記補正前操作量が、前記所定操作量に比べて小さいときには、該補正前操作量が小さい程、小さく前記操作量を補正することを特徴とする調節計。
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