JP4462881B2 - ヒータ制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等に用いられるヒータの制御方法に関する。
従来、ヒータを用いた定着ユニットを有する画像形成装置および同装置のヒータ出力最適化方法において、ある定められた制御時間内のヒータの点灯時間(点灯duty)を可変とすることで適正なヒータ出力を得る、という制御方法が一般的に用いられている。
例えば、定着ユニット内の温度検出素子が取り付けられている位置の温度が、予め定められた設定温度となるようヒータ点灯を制御する場合、設定温度と現在温度との差分量から比例定数を掛けた量で点灯時間を決めるP(比例)制御、温度推移も考慮するPI(比例・積分)制御、時間応答も考慮するPID(比例・積分・微分)制御など、一般的な公知自動制御の手法を適用した例が多々ある。しかしながら、これらの制御では、制御系を構成する要素毎のばらつきは考慮されていない。このため、商品として設計する場合、ばらつき公差を考慮した余裕度の高い制御系を設計するか、ばらつきを検知して補正する制御系を設計するかの、どちらかの手段がとられる。後者の場合には、種々様々な検討が行われており、多くの技術が発表されている。
一の従来技術では、通電開始から制御温度までの温度上昇率を算出し、予め用意された制御パターンを選択することで、ヒータ抵抗値のばらつきを補正している。また、ばらつき補正目的の対象、補正操作の対象が同一である(参照;特許文献1)。
他の従来技術では、補正操作の対象がヒータ点灯dutyであることは本発明と類似しているが、サーミスタ出力の時間遅れ対策のために昇温勾配を測定して、サーミスタ出力を補正していることが前提であり、基本動作上相違している(参照;特許文献2)。
他の従来技術では、所定時間内におけるヒータ点灯時間と温度上昇データから、温度制御方式を求めている(参照;特許文献3)。これにより、熱定着装置の熱伝導性などの特性ばらつきに対し、適正な温度制御が可能となり、熱定着装置の交換をされても常に最適な温度制御が実現できるとしている。
しかし「制御方式を求める」と記載があるように、複雑な演算処理(最小自乗法)により補正を行っており、そのため制御を行うマイコンの負荷が非常に重い。示された電源ON時は、定着制御以外もイニシャル動作中のため、できればマイコン負荷としては軽くしておくことが望ましい。
さらに、他の従来技術では、所定時間内におけるヒータ点灯時間と温度上昇データとから、温度制御方式を求めている(参照;特許文献4)。これにより、熱定着装置の熱伝導性などの特性ばらつき、設置環境の違い(電源事情)に対し、適正な温度制御を可能とするものである。この従来技術は、本発明と目的を同じとしているが、この方法は定着ユニットの脱着時、新品交換時、もしくは任意時に補正を行うというものである。
特開平5−100755号公報(特許第2867766号公報) 特開平10−161466号公報 特開2000−147942号公報 特開平2−007974号公報
本発明が解決しようとする問題点は、例えば、定着ユニット内の温度検出素子が取り付けられている位置の温度が、予め定められた設定温度となるようヒータ点灯を制御する場合、設定温度と現在温度とのギャップや、温度上昇の勾配に合わせてヒータの点灯dutyを変更し制御するということである。このことで、素早く且つ不必要なオーバーシュートを生じることなく、温度を設定温度に到達・維持させることを可能とすることである。
ただし、上記点灯dutyを決定する際の定数というのは、制御系を構成する要素のばらつきを考慮して設計されるものである。しかも、そのばらつきが大きい程、制御の正確性、追従性は下がる傾向にあり、その考慮したばらつき量を越えた場合、狙いのヒータ出力を得られないという不具合が生じる。例えば、制御系を構成する温度検知素子、ヒータ等のばらつきは、部品仕様として管理されているので、これらの要素のばらつきで、出力設計仕様を外れることはない。ただし、もう一つの要素である電源事情といった場合、定格入力(日本国内であればAC100V)の±何%と規定して設計しても、ユーザのあらゆる条件を網羅しきれるものではなく、場合によっては狙いのヒータ出力が得られないという不具合が生じる。
これらの不具合を解消するため、本発明では、制御系設計において制御系構成要素のばらつきを考慮しなくてもすむようにすることを目的としている。これは、構成要素のばらつきを考慮するが故の設計難易性の改善、構成要素の考慮したばらつきを越えた時の制御不能状態といった不具合を発生させないようにすることを狙ったものである。実際には、制御を掛ける前に予め補正しておくというものである。
なお、上記目的と同じく制御系を構成する要素のばらつきを補正する従来技術例は、多く存在する。これらの、本発明との違いについて以下に記す。
上記特許文献1の特開平5−100755号公報では、定着装置の補正制御の実行が、ある温度以下の場合での通電開始時毎回となっている。そのため、本発明はユーザ使用時に常に補正制御が掛かっているのに対し、この従来技術では、補正データの収集時は補正制御できない。よって、例えば、朝一の電源ON時はこの制御が働かないことになる(特許文献1)。
特許文献2の特開平10−161466号公報では、昇温勾配によるサーミスタ出力の時間遅れの補正は行っていない。補正操作の対象がヒータ点灯dutyであることは同一であるが、テーブル方式の補正であるため、本発明の演算方式の方が、ばらつき量に追従したより正確な制御が可能である点と相違する。また、補正データの収集タイミングが、本発明が基本的には工場出荷時、ユーザ先設置時のみであるのに対し、この発明では待機時に行われている。そのため、本発明はユーザ使用時に常に補正制御が掛かっているのに対し、この発明では、補正データの収集時は補正制御できないので、例えば、朝一の電源ON時はこの制御が働かないことになる。
特許文献3の特開平2000−147942号公報では、所定時間内におけるヒータ点灯時間と温度上昇データから、温度制御方式を求めるというものである。これにより、熱定着装置の熱伝導性などの特性ばらつきに対し、適正な温度制御が可能となり、熱定着装置の交換をされても常に最適な温度制御が実現できるとしている。請求項1に「制御方式を求める」と記載されているように、複雑な演算処理(請求項2:最小自乗法)により補正を行っており、そのため制御を行うマイコンの負荷が非常に重い。実施例に示された電源ON時は、定着制御以外もイニシャル動作中のため、できればマイコン負荷としては軽くしておくのが望ましい。これに対し、本願発明では、単純な演算でヒータ点灯dutyを補正するため、マイコンの負荷としては軽く、他制御への負担となり得ない。また、補正データの収集は、基本的にはユーザ先設置時に行われるため、全く問題とならない。
特許文献4の特開平02−07974号公報では、所定時間内におけるヒータ点灯時間と温度上昇データから温度制御方式を求めるというものである。これにより、熱定着装置の熱伝導性などの特性ばらつき、設置環境の違い(電源事情)に対し、適正な温度制御が可能となるものである。本発明と目的を同じとしているが、この方法は定着ユニットの脱着時、新品交換時、もしくは任意時に補正を行うというものである。
しかしながら、ヒータの温度−時間特性というものは、雰囲気温度により特性が異なってしまうものであり、特に違いが顕著に現れるのがヒータON時の突入電流である。雰囲気温度が低いと、ON時突入電流が大きく、同じ電圧供給でも意図せずして大きなヒータ電力が得られることになる。その後通電を続け、ヒータ温度、厳密には、ヒータにより暖められる部材(定着ユニットのローラやベルト)の温度の上昇とともに、雰囲気温度も上昇し、ヒータ電力は定常値に戻っていくことになる。これが、雰囲気温度が高い時に電源をONする場合は、突入電流もその温度に依存して小さくなり、得られるヒータ電力もより小さく、雰囲気温度が高ければ高いほど、定常値に近い値になっていく。すなわち、システムとしての電源ON後のウォームアップ中、ヒータに供給される電力は、雰囲気温度によって変わってくることになる。この発明の根幹をなすヒータ温度(厳密には定着ユニットのローラやベルト)温度−時間特性が描く勾配も、同じヒータ、同じ定着ユニットでも、また同じ電源事情でも、同じ温度検出素子であっても、その検出時の雰囲気温度により変わってしまうという問題がある。
かかる目的を達成するために、本発明に係るヒータ制御方法は、トナー定着に用いられるローラ、該ローラを加熱するためのヒータ、及び前記ローラの表面温度を検出する第1の温度検出素子を具備する定着ユニット、該定着ユニット外の温度を検出する第2の検出素子、所定の情報を記憶する記憶手段、ならびに前記定着手段を冷却させるための冷却手段を有する画像形成装置のヒータ制御方法であって、前記ヒータを所定の点灯Dutyにより加熱することにより、前記第1の温度検出素子が検出する検出温度が50℃から100℃まで上昇するまでに要する時間である第1の温度推移時間をカウントし、(A)カウントされた前記第1の温度推移時間と、予め前記記憶手段に記憶された時間であって、前記ヒータを前記点灯Dutyにより加熱することで公差±0%のサーミスタが検出する検出温度が50℃から100℃まで上昇するまでに要する時間である第2の温度推移時間との割合、(B)カウントされた前記第1の温度推移時間と、予め前記記憶手段に記憶された時間であって、出力公差±0%のヒータを前記点灯Dutyにより加熱することで前記ローラの表面温度が50℃から100℃まで上昇するまで要する時間である第3の温度推移時間との割合、および、(C)カウントされた前記第1の温度推移時間と、予め前記記憶手段に記憶された時間であって、定格電源電圧を用いて前記ヒータを前記点灯Dutyにより加熱することで前記ローラの表面温度が50℃から100℃まで上昇するまでに要する時間である第3の温度推移時間との割合、を乗算した値に基づいて、前記第1の温度検出素子が検出した検出温度に応じて決定される前記ヒータの点灯Dutyを補正する一方、前記第1、または第2の検出素子のいずれか一方の素子において検出された検出温度が常温として設定された閾値より高い場合には、前記冷却手段によって前記定着ユニットを冷却させた後に前記温度推移時間のカウントを開始することを特徴とする。
本発明のヒータ制御方法は、より適切なデータを獲得し、より正確な温度制御が可能となる。
添付図面を参照して本発明によるヒータの制御方法の実施の形態を詳細に説明する。図1から図4を参照すると、本発明のヒータ制御方法及びそれを適用した画像形成装置の一実施形態が示されている。図1は、画像形成装置のヒータ出力の制御回路の構成例を示している。図2から図4は、時間軸に対する特性例であり、図2が検出温度の特性例、図3がON/OFF制御例、図4が雰囲気温度と検出温度の特性例を、夫々示している。
本発明の実施形態である、定着装置の構成及び制御回路系は、従来より在るものと同一でよい。画像形成装置のヒータ出力の制御回路の構成例を、図1に示す。本図1において、定着ユニット1内には制御対象であるヒータ3及び温度検出素子2を具備しており、ヒータ3はトライアックのような双方向スイッチング素子7、図示していないが安全回路としての電流検知ヒューズ等を介し、商用交流電源8に接続されている。スイッチング素子7のドライブには、入出力の絶縁されたフォトカプラ等がよく用いられ、2次側電源で動作するCPU5によりON/OFF制御させる。
図1中で、CPU5は、ベースエンジンコントロールユニット(以下BCU)4に搭載されている。一方温度検出素子2は、制御すべき定着装置のローラ表面(ベルト表面)近傍に配置されており、一般的には、安価なサーミスタが用いられている。以後サーミスタを例に説明する。サーミスタ2は、検出温度により抵抗値が変化する特性を有しており、電圧変換が行われ、BCU4に搭載されたCPU5のA/D入力に取り込み温度として検知される。以上のような制御系の構成により、定着ユニット1のローラ(ベルト)表面温度が予め決められた設定温度に推移できるよう、または保持できるよう、CPU5がヒータON/OFFの制御を行うことで可能となる。
以下、制御について説明する。基本制御としては、前述したように公知の自動制御技術であり、例えばP制御を例にすると、まずサーミスタ2によって温度を検知し、その検知温度と設定目標温度との差分を求め、その差分に比例定数Kpを掛けた値によりヒータの点灯duty(時間)を決定することになる。
図3を用いて説明すると、ある制御単位時間t0 毎にサーミスタ温度を検知し、t0 サイクル中の何%の時間(t1 、t2 、t3 、・・・・)を点灯させるかの値を算出して、ON/OFF制御する。この時、設定温度との差が大きい程点灯時間は長くなり、設定温度との差が小さい程点灯時間は短くなる。なお制御単位時間は、CPU性能、点灯時間の必要設定分解能から決まる。
以上は、基本制御をP制御とした場合であるが、制御系をそのままで、マイコンにより温度推移、温度変化率も考慮して点灯dutyを決めれば、PI制御、PID制御となる。
これらは、従来の技術として確立されたものであるが、それぞれの制御の定数Kp、Ki、Kdの設計としては、制御系を構成する要素の持つ公差(ばらつき)を考慮してなされるのが一般的である。しかしながら、その考慮により発生する特性のばらつきは、制御操作の対象に掛かってくることになり、即ち本制御系ではデューティ制御後のヒータ出力(供給するヒータ熱量)が装置毎にばらつく。
本発明では、上記のような制御系要素のばらつきが制御操作量に影響ないよう補正するものであり、まず制御系要素の一つである温度検知素子の特性のばらつき(公差)によってヒータ出力(ヒータ熱量)の変動が発生しないようよう補正する場合について説明する。以下、図2を用いて補正のための制御を説明する。
本発明では、その使用環境での最適な制御を実現するため、ヒータ点灯dutyに補正処理を行うが、その補正処理のための事前データ収集を行う治具を用意している。基本的な構成は、図1と変わらない。しかし、ヒータ3の出力が標準(公差±0%)品であること、電源8が定格入力(±0%)であることが規定される。また、データ収集をするためだけの治具であるので、取り外しの利便性を考慮した構造となっている。なお、この治具内でのサーミスタへの熱伝導性は、正規定着ユニットとのそれと同等のものでなければならない。
図2は、データ収集時の定着ユニット1内のサーミスタ2の検知温度−時間特性を示している。動作例としては、まずヒータをONさせ、サーミスタ検知温度がある温度からある温度に到達するまでの時間をカウントし、ヒータをOFFさせる。
図2の例では、50℃から100℃までの温度推移時間を計測しており、ヒータON後、サーミスタ検知温度をCPU4が監視しており、50℃を検知後CPU4内のタイマをスタートさせ、100℃検知でタイマストップ、ヒータOFFとしている。その計測された時間としては、tm1=b−aとなる。なお、この調整モードでのヒータ出力としては、固定のdutyとしておく必要があり、そのdutyとしては、サーミスタの検知温度の推移が図2のような1次直線となるdutyを選択する。
また、図2中では50℃−100℃間の時間を測定しているが、サーミスタの特性として、温度−電圧の特性がリニアで誤差の少ない区間であれば問題ない。このような設定下で計測された時間tm1は、予め測定しておいたサーミスタの公差±0%:r0 での温度推移時間tS より、サーミスタの公差d[%]が、下記式より求まる。
d=e・(tS /tm1) (1)
ここで、eは任意定数となっているが、サーミスタの特性のばらつきによる上式を予め測定しておくことで、その制御系固有の値として求めておくことができる。これより、ヒータ点灯dutyの補正係数αは、下記式となる。
α=1+d
=1+e・(tS /tm1) (2)
なお、ここで注意しなければならない点として、温度推移時間データ獲得時の条件があり、上記(発明が解決しようとする課題)でも説明したとおり、雰囲気温度が挙げられる。図3は、雰囲気温度が高い場合の定着ユニット1内のサーミスタ2の検知温度−時間特性を、図2に加えた特性を示している。供給ヒータ電力が低くなるため、特性勾配が小さくなっており、このため、検知時間a、bともに遅くなっており、結果として得られる温度推移時間tm1=b−aも、より大きな値となってしまう。即ち、同じユニット構成、同じ電源事情でも違う特性を検知してしまう。
そこで本発明では、サーミスタの検出温度が常温であること、及び雰囲気温度が常温であることを規定する。このことで、この特性のばらつきの発生を押さえている。具体的には、図1に示された温度検出素子9が、定着ユニット外に配置され、その出力がBCU4に搭載されたCPU5のA/D入力に取り込み、ユニット外雰囲気温度として検知され、温度検知素子3と温度検出素子9により検知された温度両方を監視することで実現する。なお、その監視温度として常温としている理由として、電源ON後のヒータトリガスタートの雰囲気温度として最低値が常温であるためである。この規定温度が高い場合、電源ON後の突入電流量が変わってしまい、結果としてトータルヒータ電力量が変わってしまうからである。
以上のような条件のもと、本発明では通常のヒータduty制御に対し、(2)式で得られたαを乗算することになる。
なお、データ収集の実施タイミングとしては、特性のばらつき補正の対象が部品特有のばらつきであること、上記治具の条件を正規定着ユニットでは作り出せないこと等により、機械組付前に実施しておくことになる。また、そのデータから求められた(2)式の値は、機械自体に記憶させておき、通常制御中の点灯デューティに乗算することになる。工場での機械組付後の火入れ時の調整工程などでデータ入力して、メモリに保存しておく。なお、ばらつきを発生するのは機械というよりは、機械に使われているサーミスタという部品である。そのため、その部品交換時、もしくは定着ユニットとしてのユニット交換時には、工場出荷時と同様な調整が必要となる。
また本発明のマイコン負荷を考えると、(2)式の演算は機械稼働時には行わないもので、通常制御中は(2)式で求められたαを点灯デューティに乗算するのみであるので、マイコン負荷としても非常に少ないものとなっている。
以上より、サーミスタの(許容公差内での)ばらつきに影響されることなく、公差±0%サーミスタと同等な検知が得られることになるので、制御系設計としても部品ばらつきを考慮しなくてもすむので非常により容易なものとなる。また、結果として得られる温度制御もより正確なものとなり、定着温度を設定温度に素早く且つ不必要なオーバーシュートを生じずに、到達・維持させることが可能となる。
次に、制御系要素の一つであるヒータ出力のばらつき(公差)によって、ヒータ熱量が変動しないよう補正する場合について説明する。以下、図2を用いて補正のための制御を説明する。本発明では、その使用環境での最適な制御を実現するため、ヒータ点灯dutyに補正処理を行うのであるが、その補正処理のための事前データ収集を行う調整モードを用意している。
図2は、その調整モード時の定着ユニット1内のサーミスタ2検知温度−時間特性を示している。動作としては、前述のサーミスタばらつきの補正の場合と同様、まずヒータをONさせ、サーミスタ検知温度がある温度からある温度に到達するまでの時間をカウントし、ヒータをOFFさせている。図2の例では、50℃から100℃までの温度推移時間を計測しており、ヒータON後、サーミスタ検知温度をCPU5が監視しており、50℃を検知後CPU5内のタイマをスタートさせ、100℃検知でタイマストップ、ヒータOFFとしている。その計測された時間としてはtm2=b−aとなる。なお、この調整モードでのヒータ出力としては、固定のdutyとしておく必要があり、そのdutyとしては、サーミスタの検知温度の推移が図2のような1次直線となるdutyを選択する。また、図2中50℃−100℃間の時間を測定しているが、サーミスタの特性として、温度−電圧の特性がリニアで誤差の少ない区間であれば問題ない。このような設定下で計測された時間tmsは、予め測定しておいたヒータ出力公差±0%:W0 での温度推移時間tS より、公差を含んだヒータでの出力Wが、下記式より求めることができる。
W=f・(tS /tm2)・W0 (3)
ここで、fは任意定数となっているが、ヒータ出力の特性のばらつきによる上式を予め測定しておく。このことで、その制御系固有の値として求めておくことができる。
これより、ヒータ点灯dutyの補正係数βは、下記式となる。
β=W0 /W
=1/(f・(tS /tm2)) (4)
本発明では、通常のヒータduty制御に対し、(4)式で得られたβを乗算することになる。
なお、温度検知素子の特性のばらつき補正の場合と合わせると、ヒータ点灯のdutyとしては(5)式で得られた値を乗算することになる。
α・β=(1+e・(tS /tm1))・(1/(f・(tS /tm2)))(5)
なお、調整モードの実施タイミングとしては、特性のばらつき補正の対象がその機械特有のばらつきであり、部品であるヒータ自体の出力ばらつきだけでなく、定着ユニット自体の熱伝導ばらつきを考えると、ユニット組付後の調整工程で実施するのが望ましい。勿論、ユニット自体の熱伝導特性のばらつきが少ない場合は、本発明の第1の実施形態で示したように、治具を用いて部品単体でデータ収集するのでも構わない。ただし、電源が定格入力(±0%)でのデータ収集が絶対条件である。また、このデータ収集から求められた(4)式もしくは(5)式の値は、機械自体に記憶させておき、通常制御中の点灯デューティに乗算することになるので、工場での機械組付後の火入れ時の調整工程等でデータ入力してメモリに保存しておく。
なお、ばらつきを発生するのは機械というよりは、機械に使われているヒータという部品、若しくは定着ユニットである。このため、その部品交換時、もしくは定着ユニットとしてのユニット交換時には、工場出荷時と同様な調整が必要となる。また、本発明のマイコン負荷を考えると、(2)式の演算は機械稼働時には行わない。通常制御中は、(2)式で求められたβもしくは、α・βを点灯デューティに乗算するのみである。この結果、マイコン負荷としても、非常に軽いものとなっている。
また、この場合においても、前述の温度推移時間データ獲得時の条件が適用され、サーミスタ検知温度、雰囲気温度ともに常温である必要がある。
以上により、ヒータの(許容公差内での)特性のばらつきに影響されることなく、公差±0%ヒータ出力と同等な出力が得られる。このため、制御系設計としても部品ばらつきを考慮しなくてもすむので、非常により容易なものとなる。また、結果として得られる温度制御もより正確なものとなり、定着温度を設定温度に素早く且つ不必要なオーバーシュートを生じずに、到達・維持させることが可能となる。
以上が本発明の第1の実施形態である。これらは補正自体は定着制御を行っている間、常に掛かっているものであり、その補正のための事前収集データの獲得タイミングが工場出荷時、もしくはユニット出荷時になり、いわゆる部品に依存するばらつきを補正していることになる。本発明の第2の実施形態としては、第3のばらつき要素である電源事情について補正する。
以上により、温度検知素子、ヒータといった制御系の特性要素ばらつきの補正がなされる。これらは、部品仕様として管理されているものである。このため、これらの特性の補正を行わなくても、設計の容易性、制御の追従性等を問わなければ、出力仕様から外れることはない。しかしながら、残る要素して電源事情が挙げられ、定格入力(日本国内であればAC100V)の±何%と規定して設計しても、ユーザのあらゆる条件を網羅しきれるものではなく、場合によっては、狙いのヒータ出力が得られないという不具合(制御不能)が生じる。本発明では、この電源事情を補正するもので、以下、図2を用いて補正の為の制御を説明する。本発明では、温度検知素子、ヒータの特性のばらつき補正と同様、その使用環境での最適な制御を実現する。このため、ヒータ点灯dutyに特性の補正処理を行う。その補正処理のための事前データ収集を行う調整モードを用意している。
図2は、その調整モード時の定着ユニット1内のサーミスタ2検知温度−時間特性を示している。動作としては、先ずヒータをONさせ、サーミスタ検知温度がある温度からある温度に到達するまでの時間をカウントし、ヒータをOFFさせている。図2の例では、50℃から100℃までの温度推移時間を計測しており、ヒータON後、サーミスタ検知温度をCPU5が監視しており、50℃を検知後CPU5内のタイマをスタートさせ、100℃検知でタイマストップ、ヒータOFFとしている。その計測された時間としては、tm3=b−aとなる。なお、この調整モードでのヒータ出力としては固定のdutyとしておく必要があり、そのdutyとしては、サーミスタの検知温度特性の推移が図2のような1次直線となるdutyを選択する。
また、図2中50℃−100℃間の時間を測定しているが、サーミスタの特性として、温度―電圧の特性がリニアで誤差の少ない区間であれば問題ない。このような設定下で計測された時間tm3は、予め測定しておいた定格電源電圧V0(国内であれば100[V])での温度推移時間ts より、その環境下での電源電圧が、下記式より求めることができる。
V=a・(tS /tm3)・V0 (6)
ここで、符号aは、任意定数となっているが、電源電圧のばらつきによる上式の特性を予め測定しておくことで、その制御系固有の値として求めておくことができる。
電源電圧が求まると、その環境下でのヒータ出力特性を求めることが可能であり、定格入力でのヒータ出力をW0 、その環境下でのヒータ出力をWとすると、下記式が成り立つ。
W=(V/V0h ・W0 (7)
ここで、符号hは、ヒータ製品固有の値(ヒータメーカよりデータの入手可能)である。
式(6)(7)より、ヒータ点灯dutyの補正係数γは、下記式となる。
γ=W0 /W
=1/(g・(tS /tm3))h (8)
本発明では、通常のヒータduty制御に対し、(8)式で得られたγを乗算することになる。
なお、本発明の第1の実施形態と合わせると、ヒータ点灯のdutyとしては(9)式で得られた値を乗算することになる。
α・β・γ=(1+e・(t0 /t1 ))・(1/(f・(t0 /t2 )))・(1/(g・(t0 /t3 ))h (9)
これにより、装置が設置された場所の電源事情(入力電圧)に影響されることなく、定格入力でのヒータ出力と同等な出力が得られ、素早く且つ不必要なオーバーシュートを生じずに、温度を設定温度に到達・維持させることが可能となる。
なお、調整モードの実施タイミングとしては、ばらつき補正の対象がその機械の使用される電源事情(入力電圧)にある。このため、工場出荷時での調整は必要なく、機械設置時に最低限行われる必要がある。機械設置時のみであれば、通常制御中は(8)式若しくは(9)式で求められたγ、若しくはα・β・γを点灯デューティに乗算するのみである。このため、マイコン負荷も少なく、時々刻々と電圧事情が変化する環境であれば、より頻繁に(電源ON時毎などに)補正のためのデータ収集を行い、γを更新することで、対応が可能となる。
また、この場合においても、前述の温度推移時間データ獲得時の条件が適用され、サーミスタ検知温度、雰囲気温度ともに常温である必要がある。
以上が本発明の第1の実施形態であるが、調整実施条件として、ユニット内外の温度が常温と規定するだけでは、補正演算の実施タイミングとしてかなり限定されたものとなってしまう。そこで、本発明の第2、3の実施形態として以下に示す。
一般的な複写機、プリンタシステムには、定着ユニット自体がその温度を上げる手段となっている反面、機械システムとしての飽和温度を押さえる必要がある。この場合には、またモードにより定着ユニット温度を下げる制御が必要となってくる場合がある。その場合、定着ユニット温度を冷却する手段を具備しており、本発明ではこの手段を利用する。すなわち、ユニットの温度検出素子、ヒータ、電源事情の補正演算をさせる指示があった時、サーミスタ温度もしくは、ユニット外雰囲気が常温である場合は、ヒータトリガをONさせ、通常のウォームアップ動作をさせながら、補正演算のためのデータを取得する。
しかし、ユニット内外のどちらかの温度が常温でない(より高い)場合、本発明の第2、3の実施例は、即時に上記冷却手段を働かせ、両方の温度が常温まで下がってから、初めてヒータトリガをONさせる。その後、ウォームアップ動作をさせながら、補正演算の為のデータを取得することになる。これにより、ユニット内外のどちらかの温度が常温でない(より高い)場合でも即時に補正データを取得でき、より利便性の高い制御が得られる。なお、具体的な補正データの取得タイミングとしては、上記したように、機械の工場出荷時、定着ユニットの新品時、ユーザ設置時が挙げられ、その他にも、サービスマンが意図して実施する場合が主に挙げられる。
画像形成装置のヒータ出力の制御回路の構成例を示す図である。 時間軸に対する検出温度の特性例を示す図である。 時間軸に対するON/OFF制御例を示す図である。 雰囲気温度と時間軸に対する検出温度の特性例を示す図である。
符号の説明
1 定着ユニット
2 温度検出素子(サーミスタ)
3 ヒータ
4 ベースエンジンコントロールユニット(BCU)
5 CPU
6 AC制御板
7 双方向スイッチング素子
8 商用交流電源
9 温度検出素子

Claims (1)

  1. トナー定着に用いられるローラ、該ローラを加熱するためのヒータ、及び前記ローラの表面温度を検出する第1の温度検出素子を具備する定着ユニット、該定着ユニット外の温度を検出する第2の検出素子、所定の情報を記憶する記憶手段、ならびに前記定着手段を冷却させるための冷却手段を有する画像形成装置のヒータ制御方法であって、
    前記ヒータを所定の点灯Dutyにより加熱することにより、前記第1の温度検出素子が検出する検出温度が50℃から100℃まで上昇するまでに要する時間である第1の温度推移時間をカウントし、
    (A)カウントされた前記第1の温度推移時間と、予め前記記憶手段に記憶された時間であって、前記ヒータを前記点灯Dutyにより加熱することで公差±0%のサーミスタが検出する検出温度が50℃から100℃まで上昇するまでに要する時間である第2の温度推移時間との割合、
    (B)カウントされた前記第1の温度推移時間と、予め前記記憶手段に記憶された時間であって、出力公差±0%のヒータを前記点灯Dutyにより加熱することで前記ローラの表面温度が50℃から100℃まで上昇するまで要する時間である第3の温度推移時間との割合、および、
    (C)カウントされた前記第1の温度推移時間と、予め前記記憶手段に記憶された時間であって、定格電源電圧を用いて前記ヒータを前記点灯Dutyにより加熱することで前記ローラの表面温度が50℃から100℃まで上昇するまでに要する時間である第3の温度推移時間との割合、
    を乗算した値に基づいて、前記第1の温度検出素子が検出した検出温度に応じて決定される前記ヒータの点灯Dutyを補正する一方、
    前記第1、または第2の検出素子のいずれか一方の素子において検出された検出温度が常温として設定された閾値より高い場合には、前記冷却手段によって前記定着ユニットを冷却させた後に前記温度推移時間のカウントを開始することを特徴とするヒータ制御方法。
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