JP2007016826A - 運転者指向判定装置 - Google Patents

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恭弘 鴛海
Kunihiro Iwatsuki
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Abstract

【課題】運転者の指向をより精度良く判定することが可能な運転者指向判定装置を提供する。
【解決手段】運転者の運転操作又は車両の状況に基づいて、運転者の指向を推定する運転指向推定部と、現在の状況が、運転者の指向が第1指向であるときに運転者の前記第1指向であるとの指向が運転操作又は車両の状況に反映され難い予め設定された特定状況であるか否かを判定する特定判定部とを備え、現在までの運転者の指向が前記第1指向であり(S105−Y)前記運転指向推定部により現在の運転者の指向が第2指向であると判定されているとき(S102−N)に、前記特定判定部により現在の状況が前記特定状況であると判定された場合(S106−Y)であって、前記現在の状況が前記特定状況であると判定された状態が予め設定された所定の時間又は距離だけ継続していない場合(S107−N)に、現在の運転者の指向は前記第1指向であると判定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、運転者指向判定装置に関し、特に、運転者の指向をより精度良く判定することが可能な運転者指向判定装置に関する。
特開平10−169765号公報(特許文献1)には、車両の走行状態を検出し、検出された走行状態に基づいて前記車両の運転指向の判定が行われる運転指向判定装置において、前記車両が走行する道路状況を検出する道路状況検出手段と、検出された道路状況に基づいて前記運転指向の判定方法を変更する判定方法変更手段とを備えた技術が開示されている。
また、特開2005−147309号公報(特許文献2)には、運転者の指向を判定する運転者指向判定装置であって、現在の運転状況又は現在の走行状況と、現在よりも後に走行が予定される道路の状況とに基づいて、運転者の指向が判定される運転者指向判定装置が開示されている。
特開平10−169765号公報 特開2005−147309号公報
上記特許文献1の技術では、車両が走行する道路状況に基づいて運転指向の判定方法を変更しているが、現在の道路状況だけでは指向の違いが運転状態や車両走行状態に反映されない場合があり、精度良く運転者の指向を判定することができない。
上記特許文献2の技術では、これから走行する道路状況に基づいて運転者の指向が判定されるが、分岐などによりこれから走行する道路状況が推定できない場合に対応が困難である。
本発明の目的は、運転者の指向をより精度良く判定することが可能な運転者指向判定装置を提供することである。
本発明の運転者指向判定装置は、運転者の指向を判定する運転者指向判定装置であって、現在の状況が、運転者の指向が第1指向であるときに運転者の前記第1指向であるとの指向が運転操作又は車両の状況に反映され難い予め設定された特定状況であるか否かを判定する特定判定部を備え、現在までの運転者の指向が前記第1指向であるときに、前記特定判定部により現在の状況が前記特定状況であると判定された場合には、現在の運転者の指向は前記第1指向であると判定することを特徴としている。
本発明の運転者指向判定装置において、更に、運転者の運転操作又は車両の状況に基づいて、運転者の指向を推定する運転指向推定部を備え、現在までの運転者の指向が前記第1指向であり前記運転指向推定部により現在の運転者の指向が前記第1指向とは異なる第2指向であると判定されているときに、前記特定判定部により現在の状況が前記特定状況であると判定された場合であって、前記現在の状況が前記特定状況であると判定された状態が予め設定された所定の時間又は距離だけ継続していない場合に、現在の運転者の指向は前記第1指向であると判定することを特徴としている。
本発明の運転者指向判定装置においては、車両が実際走行した区間において運転指向推定部への入力値が無い場合又はその入力値の変化が少ない場合が所定範囲内継続した場合には、現在までの運転者の指向の判定結果に基づいて、現在の運転者の指向を判定する。
本発明の運転者指向判定装置において、前記特定判定部は、現在の状況が前記特定状況であるか否かの判定に際して、現在の道路の状況を判定することを特徴としている。
本発明の運転者指向判定装置において、前記特定判定部は、現在の状況が前記特定状況であるか否かの判定に際して、現在の車間距離を含む車速が相対的に低い状態で走行されるべき状況、及び道路交通に関する状況の少なくともいずれか一つを判定することを特徴としている。
本発明の運転者指向判定装置において、前記特定判定部は、現在の状況が前記特定状況であるか否かの判定に際して、前記運転指向推定部に入力される前記運転操作又は車両の状況の変化を判定することを特徴としている。
ここでは、運転指向推定部として、ニューラルネットワークが用いられる。そのニューラルネットワークには、車速、車両加速度などの車両の走行状態や、アクセル開度、アクセル開度変化量、ブレーキ踏力、ブレーキ回数、ステアリングの操舵角、操舵速度などの運転者の運転状態を示す物理量が入力される。そのニューラルネットワークからは、運転者の運転指向の推定結果として、スポーツ走行指向か否かを示す信号が出力される。
本実施形態において、ニューラルネットワークを用いた運転指向推定部としては、例えば、特開平9−257124号、特開平9−242863号公報、特開平10−77893号公報に記載された技術を適用することが可能である。
本発明の運転者指向判定装置によれば、運転者の指向をより精度良く判定することができる。
以下、本発明の運転者指向判定装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1から図8を参照して、第1実施形態について説明する。
図2には、車両の自動変速機および変速制御装置が示されている。図2において、車両のエンジン10から出力された動力は、トルクコンバータ12、自動変速機14、および図示しない差動歯車装置および車軸を経て図示しない駆動輪へ伝達される。
トルクコンバータ12は、クランク軸16に連結されたポンプ翼車18と、自動変速機14の入力軸20に連結され且つ流体を介してポンプ翼車18から動力が伝達されるタービン翼車22と、一方向クラッチ24を介して位置固定のハウジング26に固定された固定翼車28と、ポンプ翼車18およびタービン翼車22をダンパ30を介して直結するロックアップクラッチ32とを備えている。ロックアップクラッチ32は、解放側油室33と係合側油室35との圧力差により係合制御される。
自動変速機14は、例えば前進4速或いは5速のギヤ段が達成される遊星歯車式の多段変速機である。前進4速である場合の自動変速機14は、同軸上に配設された3組のシングルピニオン型遊星歯車装置34,36,38と、前記入力軸20と、遊星歯車装置38のリングギヤとともに回転する出力歯車39と前記差動歯車装置との間で動力を伝達するカウンタ軸(出力軸)40とを備えている。
それら遊星歯車装置34,36,38の構成要素の一部は互いに一体的に連結されるだけでなく、3つのクラッチC0 ,C1 ,C2 によって互いに選択的に連結されている。また、上記遊星歯車装置34,36,38の構成要素の一部は、4つのブレーキB0 ,B1 ,B2 ,B3 によってハウジング26に選択的に連結されるとともに、さらに、構成要素の一部は3つの一方向クラッチF0 ,F1 ,F2 によってその回転方向により相互に若しくはハウジング26と係合させられる。
クラッチC0 ,C1 ,C2 、ブレーキB0 ,B1 ,B2 ,B3 は、例えば多板式のクラッチや1本または巻付け方向が反対の2本のバンドを備えたバンドブレーキ等にて構成され、それぞれ図示しない油圧アクチュエータによって作動させられる。後述の電子制御装置42からの指令に従って作動する油圧制御回路44によりそれ等の油圧アクチュエータの作動がそれぞれ制御されることにより、図3に示されるように、変速比γ(=入力軸20の回転速度/カウンタ軸40の回転速度)がそれぞれ異なる前進4段・後進1段の変速段が得られる。
図3において、「1st」,「2nd」,「3rd」,「O/D(オーバドライブ)」は、それぞれ、前進側の第1速ギヤ段,第2速ギヤ段,第3速ギヤ段,第4速ギヤ段を表しており、上記変速比は第1速ギヤ段から第4速ギヤ段に向かうに従って順次小さくなる。なお、トルクコンバータ12および自動変速機14は、軸心に対して対称的に構成されているため、図2においては、入力軸20の回転軸線の下側およびカウンタ軸40の回転軸線の上側を省略して示してある。
油圧制御回路44には、自動変速機14のギヤ段を制御するための変速制御用油圧制御回路と、ロックアップクラッチ32の係合を制御するための係合制御用油圧制御回路とが設けられている。変速制御用油圧制御回路は、ソレノイドNo.1およびソレノイドNo.2によってそれぞれオンオフ駆動される第1電磁弁46および第2電磁弁48を備えており、それら第1電磁弁46および第2電磁弁48の作動の組み合わせによって図2に示すようにクラッチおよびブレーキが選択的に作動させられて前記第1速ギヤ段乃至第4速ギヤ段のうちのいずれかが成立させられる。
また、上記係合制御用油圧制御回路は、ロックアップクラッチ32を解放状態とする解放側位置とロックアップクラッチ32を係合状態とする係合側位置とに切り換える図示しないクラッチ切換弁をオンオフ作動させる切換用信号圧を発生する第3電磁弁50と、係合側油室35および解放側油室33の圧力差ΔPを調節してロックアップクラッチ32のスリップ量を制御する図示しないスリップ制御弁を作動させるスリップ制御用信号圧を電子制御装置42からの駆動電流に従って発生させるリニアソレノイド弁54とを備えている。
電子制御装置42は、CPU60、RAM62、ROM64、図示しない入出力インターフェースなどを含む所謂マイクロコンピュータであって、それには、エンジン10の吸気配管66に設けられたスロットル弁68の開度TAを検出するスロットルセンサ70、エンジン10の回転速度を検出するエンジン回転速度センサ72、自動変速機14の入力軸20の回転速度を検出する入力軸回転速度センサ74、車速Vを検出するために自動変速機14のカウンタ軸40の回転速度を検出する車速センサ76、シフトレバー78の操作位置、すなわちL、S、D、N、R、Pレンジのいずれかを検出する操作位置センサ80、ブレーキペダル82の操作を検出するブレーキスイッチ84から、スロットル弁開度TAを表す信号、エンジン回転速度NE を表す信号、入力軸回転速度NINを表す信号、出力軸(カウンタ軸40)の回転速度NOUT を表す信号、シフトレバー78の操作位置PS を表す信号、ブレーキペダル82の操作を表す信号SBK、ナビゲーションシステム装置97から、現在走行している道路が車両の旋回判定(コーナリング判定)が不成立の道路(直線路や、ワインディング路においてコーナとその次のコーナとを結ぶ比較的長い直線部分を含む。以下同じ)であるか否かを表す道路状況信号SG1がそれぞれ供給される。
スロットル弁68は、アクセルペダル58と機械的に連結されてその踏込操作に伴ってスロットル弁開度TAが増加させられるものであるから、スロットルセンサ70は、アクセルペダル58の操作量(すなわち出力操作量)AACC も実質的に検出している。
電子制御装置42のCPU60は、予めROM64に記憶されたプログラムに従って上記入力信号を処理し、例えば運転指向判定制御、変速制御、ロックアップクラッチ制御などを実行する。したがって、本実施形態では、電子制御装置42が運転指向判定手段(図6の符号91)として機能している。
電子制御装置42の運転指向判定制御(運転指向判定手段91)では、ニューラルネットワークNNの出力に基づいて推定された現在の運転者の運転指向(図1のステップS102)と、現在までの運転指向の判定結果(ステップS105)と、後述するナビゲーションシステム装置97により検出又は推定された、現在走行している道路が車両の旋回判定が不成立の道路であるか否かの判定結果(ステップS106)とに基づいて、運転者の運転指向を判定する。
また、電子制御装置42の変速制御やロックアップクラッチ制御では、予めROM64に記憶された複数種類の変速線図すなわち図4のスポーツ走行指向(動力性能を重視した指向)の変速線図、図5の通常走行指向(通常)の変速線図が選択され、その選択された変速線図から実際の車速Vおよびスロットル弁開度TAに基づいて所定のギヤ段へのシフト判定或いはロックアップオンオフ判定が行われる。
例えば、図5の通常の変速線図において実際の車速Vおよびスロットル弁開度TAを示す点がアップシフト線或いはダウンシフト線と交差するとアップシフト判定或いはダウンシフト判定が行われる。そして、そのシフト判定が行われたギヤ段を成立させるように、図2に示す第1電磁弁46および第2電磁弁48が駆動され、或いはロックアップクラッチ32の係合制御のために第3電磁弁50およびリニアソレノイド弁54が駆動される。
なお、図4、図5において、実線はシフトアップ線を示し、破線はシフトダウン線を示し、1点鎖線はロックアップクラッチの係合線を示し、2点鎖線はロックアップクラッチの開放線を示している。図4のスポーツ走行指向の変速線図では、図5と比較して、高車速(高エンジン回転速度)で変速が実行されるように変速線が設定されている。
ナビゲーションシステム装置97は、ナビゲーション処理部と、道路情報記憶手段であるデータ記憶部と、現在位置検出部とを有している。ナビゲーション処理部は、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種演算処理を行う。ナビゲーション処理部のROMには、目的地までの経路の検索、経路中の走行案内、特定区間の決定等を行うための各種プログラムが格納されている。また、ナビゲーション処理部のROMには、走行路がワインディング路であるか否かを判定するための動作を記述したプログラムが格納されている。
ナビゲーションシステム装置97のデータ記憶部は、地図データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイル、および所定の道路が山間路区間などの情報が格納された他のデータファイルを備えている。これら各ファイルには、経路探索を行うとともに、探索した経路に沿って案内図を表示するための各種データが格納されている。
これらのファイルに記憶されている情報の内、通常のナビゲーションにおける経路探索や経路案内に使用されるのが交差点データ、道路形状を示す地点の集合であるノードデータ、道路データのそれぞれが格納された各ファイルである。道路データとしては、道路の幅、勾配、路面の状態、カーブの曲率半径、交差点、T字路、道路の車線数、車線数の減少する地点、カーブの入口、踏切、高速道路出入口ランプウェイ、高速道路の料金所、道路の道幅の狭くなる地点、降坂路、登坂路、道路種別(高速道路、首都高速道路、自動車専用道路、一般道路)などの道路情報が格納されている。上記道路データは、ノード及び隣接するノードを結ぶリンクに付随してそれぞれ格納されている。
ナビゲーションシステム装置97の現在位置検出部は、GPSレシーバ、地磁気センサ、距離センサ、ステアリングセンサ、ビーコンセンサ、ジャイロセンサとを備えている。
ナビゲーションシステム装置97は、運転者に車両の現在地周りの道路情報を知らせて、車両の目的地までの走行経路を誘導する。つまり、目的地を入力すると、ナビゲーション処理部は、現在位置検出部で検出された自車位置に基づき、データ記憶部から読み出した道路情報から目的地までの走行経路を選択し、該経路を表示する。また、目的地が入力されていない場合には、自車位置の周辺の道路情報を表示する。
ナビゲーションシステム装置97は、後述するように、車両が現在走行している道路が車両の旋回判定が不成立の道路であるか否かを判定し、その判定結果を示す信号SG1を電子制御装置42(運転指向判定手段91)に出力する。
図6は、電子制御装置42の制御機能を説明する機能ブロック線図である。電子制御装置42は、変速制御手段90と、運転指向判定手段91と、変速線図切換手段92とを備えている。
変速制御手段90は、ROM64に予め記憶された複数種類の変速線図から変速線図切換手段92により選択された変速線図に従って、車速センサ76により検出された実際の車速Vおよびスロットルセンサ70により検出された実際のスロットル弁開度TAに基づいて所定のギヤ段への変速判断を実行し、その変速判断により判断されたギヤ段を達成するための電磁弁46、48、50に対して変速出力を行って自動変速機14のギヤ段を切換制御する。
運転指向判定手段91は、後述するように、運転者の運転指向を判定し、その判定結果を示す指向判定信号SG2を変速線図切換手段92に出力する。
変速線図切換手段92は、ROM64に予め記憶された図4、図5に示す複数種類の変速線図から、運転指向判定手段91から出力された指向判定信号SG2において示される運転指向に対応した変速線図を選択する。例えば、変速線図切換手段92では、運転指向判定手段91により指向判定信号SG2において例えばスポーツ走行指向を示すフラグXSPORT がセットされた場合には、図4のスポーツ走行指向の変速線図が選択されるが、通常走行指向を示すフラグXNORMがセットされた場合には、図5の通常走行指向の変速線図が選択される。
図6に示すように、運転者指向判定装置110は、運転指向判定手段91と、ナビゲーションシステム装置97とを備えている。ナビゲーションシステム装置97は、車両が現在走行中の道路状況を検出又は推定し、現在走行中の道路が車両の旋回判定が不成立の道路であるか否かを示す信号SG1を運転指向判定手段91に出力する。なお、現在走行中の道路が車両の旋回判定が不成立の道路であるか否かは、車両の横加速度を検出する横加速度センサ(図示せず)の検出値、ステアリングの操舵角センサ(図示せず)の検出値、又は、車両のヨーレートセンサ(図示せず)の検出値に基づいて、判定することもできる。
運転指向判定手段91は、記憶部93と、運転指向推定部94と、判定部95とを備えている。運転指向推定部94は、運転者の運転状態(運転操作)及び車両の走行状態に基づいて、運転者の運転指向(スポーツ走行指向か通常走行指向)を推定する。運転指向推定部94の詳細については更に後述する。ここで、スポーツ走行指向とは、通常走行指向に比べて、動力性能を重視した指向、加速指向ないしは運転者の操作に対する車両の反応が迅速なスポーツ走行を好むことを意味する。
記憶部93は、現在までの運転指向判定手段91(判定部95)による運転指向の判定結果を記憶している。
判定部95は、上記信号SG1と、運転指向推定部94により推定された運転者の運転指向(後述する運転指向推定値)と、記憶部93に記憶された現在までの運転指向判定手段91による運転指向の判定結果に基づいて、最終的な運転者の運転指向を判定する。運転指向判定手段91からは、判定部95により判定された最終的な運転者の運転指向を示す指向判定信号SG2が変速線図切換手段92に出力される。
運転指向判定手段91では、最終的な運転者の運転指向の判定結果(SG2)を、スポーツ走行指向から通常走行指向に戻すか否かの決定が、ナビゲーションシステム装置97により検出又は推定された車両が現在走行している道路状況(SG1、後述する図1のステップS106)に基づいて行われる。
運転指向推定部94の出力が、スポーツ走行指向から通常走行指向に変化しても(ステップS102−N、ステップS105−Y)、車両が現在走行している道路状況(SG1)が車両の旋回判定が不成立の道路である場合に例示されるような一般に運転者がスポーツ走行指向であるときに運転者のそのスポーツ走行指向であるとの指向が運転操作又は車両の状況に反映され難い場合(ステップS106−Y)には、運転者が依然としてスポーツ走行指向である可能性が十分高いため、スポーツ走行指向であるとの判定結果(SG2)が維持される(ステップS103)。上記例では、車両が現在走行している道路状況(SG1)が車両の旋回判定が不成立の道路であること(ステップS106−Y)が所定距離継続している場合(ステップS107−Y)には、判定結果(SG2)は、通常走行指向に復帰する(ステップS108)。
運転者指向判定装置110(運転指向判定手段91)によれば、現在までの運転者指向がスポーツ走行指向であったか否か(ステップS105)と、車両が現在走行している道路状況(ステップS106)に基づいて、スポーツ走行指向から通常走行指向への復帰の有無が決定される。即ち、現在までの状況(ステップS105)及び現在の状況(ステップS102、ステップS106)に基づいて、スポーツ走行指向から通常走行指向への復帰の有無が判断されるため、上記特許文献2の技術のように、分岐などによりこれから走行する道路状況が推定できない場合であっても問題なく対応することができ、運転者指向をより精度良く判定することができる。また、後述するように、ナビゲーションシステム装置などからの道路情報を必要としなくても、車両の横Gなどに基づいて、運転者指向を精度良く判定することができる。
次に、運転指向推定部94の詳細について説明する。
運転指向推定部94は、複数種類の運転操作関連変数のいずれかの算出毎にその運転操作関連変数が入力されて推定演算が起動されるニューラルネットワークNNを備え、そのニューラルネットワークNNの出力に基づいて車両の運転指向を推定する。
例えば図7に示すように、運転指向推定部94は、信号読込手段96と、前処理手段98と、運転指向推定手段100とを備えている。信号読込手段96は、前記各センサ70、72、74、76、84などからの検出信号を比較的短い所定の周期で読み込む。前処理手段98は、信号読込手段96により逐次読み込まれた信号から、運転指向を反映する運転操作に密接に関連する複数種類の運転操作関連変数、すなわち車両発進時の出力操作量(アクセルペダル操作量)すなわち車両発進時のスロットル弁開度TAST、加速操作時の出力操作量の最大変化率すなわちスロットル弁開度の最大変化率ACCMAX 、車両の制動操作時の最大減速度GNMAX、車両の惰行走行時間TCOAST 、車速一定走行時間TVCONST、所定区間内において各センサから入力された信号の区間最大値、運転開始以後における最大車速Vmax などをそれぞれ算出する運転操作関連変数算出手段である。運転指向推定手段100は、前処理手段98により運転操作関連変数が算出される毎にその運転操作関連変数が許可されて運転指向推定演算を行うニューラルネットワークNNを備え、そのニューラルネットワークNNの出力である運転指向推定値を出力する。
図7の前処理手段98には、車両発進時の出力操作量すなわち車両発進時のスロットル弁開度TASTを算出する発進時出力操作量算出手段98a、加速操作時における出力操作量の最大変化率すなわちスロットル弁開度の最大変化率ACCMAX を算出する加速操作時出力操作量最大変化率算出手段98b、車両の制動操作時の最大減速度GNMAXを算出する制動時最大減速度算出手段98c、車両の惰行走行時間TCOAST を算出する惰行走行時間算出手段98d、車速一定走行時間TVCONSTを算出する車速一定走行時間算出手段98e、例えば3秒程度の所定区間内における各センサからの入力信号のうちの最大値を周期的に算出する入力信号区間最大値算出手段98f、運転開始以後における最大車速Vmax を算出する最大車速算出手段98gなどがそれぞれ備えられている。
上記入力信号区間最大値算出手段98fにおいて算出される所定区間内の入力信号のうちの最大値としては、スロットル弁開度TAmaxt、車速Vmaxt、エンジン回転速度NEmaxt 、前後加速度NOGBW maxt (減速のときは負の値)或いは減速度GNMAXt (絶対値)が用いられる。前後加速度NOGBW maxt 或いは減速度GNMAXt は、例えば車速V(NOUT )の変化率から求められる。
図7の運転指向推定手段100に備えられたニューラルネットワークNNは、コンピュータプログラムによるソフトウエアにより、或いは電子的素子の結合から成るハードウエアにより生体の神経細胞群をモデル化して構成され得るものであり、例えば図7の運転指向推定手段100のブロック内に例示されるように構成される。
図7において、ニューラルネットワークNNは、r個の神経細胞要素(ニューロン)Xi (X1 〜Xr )から構成された入力層と、s個の神経細胞要素Yj (Y1 〜Ys )から構成された中間層と、t個の神経細胞要素Zk (Z1 〜Zt )から構成された出力層とから構成された3層構造の階層型である。そして、上記入力層から出力層へ向かって神経細胞要素の状態を伝達するために、結合係数(重み)WXij を有して上記r個の神経細胞要素Xi とs個の神経細胞要素Yj とをそれぞれ結合する伝達要素DXij と、結合係数(重み)WYjk を有してs個の神経細胞要素Yj とt個の神経細胞要素Zk とをそれぞれ結合する伝達要素DYjk が設けられている。
上記ニューラルネットワークNNは、その結合係数(重み)WXij 、結合係数(重み)WYjk を所謂誤差逆伝搬学習アルゴリズムによって学習させられたパターン連想型のシステムである。その学習は、前記運転操作関連変数の値と運転指向とを対応させる走行実験によって予め完了させられているので、車両組み立て時では、上記結合係数(重み)WXij 、結合係数(重み)WYjk は固定値が与えられている。
上記の学習に際しては、複数の運転者についてそれぞれスポーツ走行指向、通常走行(ノーマル)指向の運転が例えば高速道路、郊外道路、山岳道路、市街道路などの種々の道路において実施され、そのときの運転指向を教師信号とし、教師信号とセンサ信号を前処理したn個の指標(入力信号)とがニューラルネットワークNNに入力させられる。なお、上記教師信号は運転指向を0から1までの値に数値化し、例えば通常走行指向を0、スポーツ走行指向を1とする。また、上記入力信号は−1から+1までの間あるいは0から1までの間の値に正規化して用いられる。
次に、図1を参照して、第1実施形態の動作を説明する。
[ステップS101]
ステップS101では、運転指向推定部94により、スロットル弁開度の変化率や、車両の加速度や減速度などに基づいて、ニューラルネットワークNNの出力値が算出される。ステップS101の次にステップS102が行われる。
[ステップS102]
ステップS102では、判定部95により、運転指向推定部94のニューラルネットワークNNの出力値がスポーツ走行指向判定のしきい値よりも高いか否かが判定される。その判定の結果、スポーツ走行指向判定のしきい値よりも高い場合(ステップS102−Y)には、ステップS103に進み、そうでない場合(ステップS102−N)にはステップS105に進む。
[ステップS103]
ステップS103では、判定部95により、運転者の運転指向がスポーツ走行指向であると判断され、運転指向判定手段91からは、運転者の運転指向を示す指向判定信号SG2として、スポーツ走行指向である旨が変速線図切換手段92に出力される。ステップS103の次には、ステップS104が行われる。
[ステップS104]
ステップS104では、変速線図切換手段92により図4の変速線図が選択され、その図4の変速線図に従って変速制御手段90が目標変速段を算出し、その目標変速段に自動変速機14が変速されることにより、スポーツ走行が行われる。ステップS104の次に、制御フローはリターンされる。
[ステップS105]
ステップS105において、判定部95は、記憶部93に記憶された現在までの運転指向判定手段91による運転指向の判定結果に基づいて、現在までの運転指向がスポーツ走行指向であったか否かを判定する。その判定の結果、現在までの運転指向がスポーツ走行指向であった場合(ステップS105−Y)には、ステップS106に進み、そうでない場合(ステップS105−N)には、ステップS108に進む。
[ステップS106]
ステップS106において、判定部95は、ナビゲーションシステム装置97から入力した車両が現在走行している道路の状況を示す信号SG1に基づいて、現在走行している道路が車両の旋回判定が不成立の道路であるか否かを判定する。その判定の結果、肯定的に判定された場合には、ステップS107に進み、そうでない場合には、ステップS108に進む。
なお、上記ステップS106では、判定部95は、ナビゲーションシステム装置97から入力した道路の状況を示す信号SG1に基づいて、現在走行している道路が車両の旋回判定が不成立の道路であるか否かの判定を行ったが、これに代えて、判定部95は、上記のように、車両の操舵角に関する情報、ヨーレート、又は車両に作用する横加速度に基づいて、現在走行している道路が車両の旋回判定が不成立の道路であるか否かの判定を行うことができる。
[ステップS107]
ステップS107において、判定部95は、ナビゲーションシステム装置97から入力した車両が現在走行している道路の状況を示す信号SG1に基づいて、現在走行している道路が車両の旋回判定が不成立の道路である状況が、予め設定された所定距離だけ継続しているか否かを判定する。その判定の結果、肯定的に判定された場合には、ステップS108に進み、そうでない場合、即ち、現在走行している道路が車両の旋回判定が不成立の道路ではあるが(ステップS106−Y)、予め設定された所定距離だけその車両の旋回判定が不成立の道路が継続していない場合には、ステップS103に進む。
なお、上記ステップS107では、現在走行している道路が車両の旋回判定が不成立の道路である状況が所定距離だけ継続しているか否かが判定されたが、所定距離に代えて、予め設定された所定時間だけ継続していることが判定されてもよい。
[ステップS108]
ステップS108では、判定部95により、運転者の運転指向が通常走行指向であると判断され、運転指向判定手段91からは、運転者の運転指向を示す指向判定信号SG2として、通常走行指向である旨が変速線図切換手段92に出力される。ステップS108の次には、ステップS109が行われる。
[ステップS109]
ステップS109では、変速線図切換手段92により図5の変速線図が選択され、その図5の変速線図に従って変速制御手段90が目標変速段を算出し、その目標変速段に自動変速機14が変速されることにより、通常走行が行われる。ステップS109の次に、制御フローはリターンされる。
次に、図8を参照して、本実施形態の作用効果について説明する。
車両Xは、矢印Yで示す方向にワインディング路を走行している。車両Xは、符号Xaで示す地点において減速し、減速度(A)が作用してコーナKに進入し、符号Xbで示す地点において加速して、加速度(B)が作用してコーナKから脱出する。その後、符号(C)で示す車両の旋回判定が不成立の道路を経て、符号Xcで示す地点から減速して、減速度(D)が作用して次のコーナKaに進入する。
図8において、車両Xの運転者は、符号X〜Xcの全ての範囲において、スポーツ走行指向であるとする。符号Xa〜Xbで示すコーナKの進入から脱出までの範囲では、スポーツ走行(スポーツ走行指向)に対応する程度に大きなアクセル開速度や舵角の変化などの運転操作や、スポーツ走行に対応した減速Gや加速Gなどの車両の状況が運転指向推定部94に入力されることにより、上記ステップS102では肯定的に判定されて、スポーツ走行指向と判定される(ステップS103)。
これに対して、車両の旋回判定が不成立の道路の区間(C)では、運転者はスポーツ走行指向であるにもかかわらず、その運転者のスポーツ走行指向であるとの指向が、アクセル開速度や舵角の変化などの運転操作や減速Gや加速Gなどの車両の状況に反映され難い。即ち、運転者がスポーツ走行指向である場合であっても、車両の旋回判定が不成立の道路(C)では、アクセル開速度や舵角の変化などの運転操作や減速Gや加速Gなどの車両の状況は、運転指向推定部94において、スポーツ走行指向と推定されるために必要な程度まで大きな値ではない。このことから、車両の旋回判定が不成立の道路の区間(C)では、ステップS102で否定的に判定されることになる。
従来一般の技術では、ワインディング路におけるコーナKとその次のコーナKaとを結ぶ車両の旋回判定が不成立の道路(C)があると、ニューラルネットワークの出力値(運転のきびきび度)は低下してしまい、通常走行指向と判定されて、通常変速制御に戻ってしまっていた。その車両の旋回判定が不成立の道路の後には、直ぐに状況が変わって、次のコーナを走行することになり、スポーツ走行できる場合がある。にもかかわらず、従来一般の技術によれば対応することができなかった。即ち、状況変化に応じて直ちにスポーツ走行の変速制御になるのではなく、少し走行してきびきび度が上昇してスポーツ走行指向と判定されてからスポーツ走行の変速制御となる。つまり、運転者の意思と判定結果が異なり、運転者の意思通りの走行ができない場合があった。
本実施形態では、上記のように、車両の旋回判定が不成立の道路の区間(C)では、ステップS102で否定的に判定されたとしても、現在まで(車両の旋回判定が不成立の道路(C)よりも前)の運転指向がスポーツ走行指向であり(ステップS105−Y)、かつ、現在、車両が走行している道路状況が車両の旋回判定が不成立の道路であり(ステップS106−Y)、かつ、その現在、車両が走行している道路状況が車両の旋回判定が不成立の道路である状況が予め設定された所定距離だけ継続していないときには(ステップS107−N)、スポーツ走行指向と判定される(ステップS103)。
符号Xcの地点において、車両の旋回判定が不成立の道路(C)の長さが所定距離未満であるときは、符号Xcの地点まではスポーツ走行指向と判定され続ける(ステップS106−Y、ステップS107−N、ステップS103)。その後は、次のコーナKaに対して減速G(D)が車両に作用した後に車両がコーナリングを行うことにより、運転操作や車両の状況は、運転指向推定部94において、スポーツ走行指向と推定されるために必要な程度まで戻るため、ステップS102において肯定的に判定される。
上記のように、符号Xbの地点及び車両の旋回判定が不成立の道路の区間(C)において、スポーツ走行指向と判定されるため、車両は、スポーツ走行指向用の変速制御が維持された状態で、次のコーナKaに進入することが可能となる。符号Xbの地点から継続して車両の旋回判定が不成立の道路の区間(C)においても、スポーツ走行指向と判定されることにより、例えば、自動変速機のアップシフトを抑制する制御が継続した状態のままとなる。これにより、コーナKaへの進入に際してブレーキを踏めば、エンジンブレーキが効果的に作用し、また、コーナKaからの脱出時の加速性能にも優れる。
このように、本実施形態では、運転者の指向がスポーツ走行指向であるときに運転者のスポーツ走行指向であるとの指向が運転操作又は車両の状況に反映され難い特定の状況として、“現在の道路状況が車両の旋回判定が不成立の道路であること”が予め設定されており、現在までの運転者の指向がスポーツ走行指向であり(ステップS105−Y)、運転指向推定部94により、現在の運転者の指向が通常走行指向であると判定されているときに(ステップS102−N)、現在の状況がその車両の旋回判定が不成立の道路であるときには(ステップS106−Y)、現在の運転者指向は、スポーツ走行指向であると判定される(ステップS103)。但し、上記のケースにおいて、現在の運転者指向がスポーツ走行指向であると判定されるのは、現在の道路状況が車両の旋回判定が不成立の道路であることが所定の距離継続していない場合(ステップS107−N)に限定される。現在の状況が車両の旋回判定が不成立の道路であることが所定の距離継続した場合(ステップS107−Y)には、運転者の指向が、その車両の旋回判定が不成立の道路において、通常走行指向に戻る場合等を想定して、一旦リセットして、通常走行指向であると判定する(ステップS108)。なお、上記所定の距離とは、例えば、複数のワインディング路におけるコーナとその次のコーナとを結ぶ車両の旋回判定が不成立の道路の距離を調査し、その調査結果に基づいて、設定することができる。
また、本実施形態では、運転車の運転指向を推定する運転指向推定部94として、ニューラルネットワークNNが用いられたが、ニューラルネットワークに限定されない。例えば、運転状態の判定は、アクセルの踏み込み速度で判定されてもよいし、運転者の脈拍や発汗量などの身体の状態に基づいて、判定されることができる。
(第2実施形態)
次に、図9及び図10を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態において、上記実施形態と共通する部分についての説明は省略する。
図9に示すように、第2実施形態の運転者指向判定装置110aは、第1実施形態の運転者指向判定装置110と異なり、更に、車間距離計測部200を備えている。
車間距離計測部200は、車両前部に搭載されたレーザーレーダーセンサ又はミリ波レーダーセンサなどのセンサを有し、先行車両との車間距離を計測する。車間距離計測部200により計測された車間距離を示す車間距離信号SG3が運転指向判定手段91に出力される。運転指向判定手段91の判定部95は、車間距離信号SG3に基づいて、車間距離信号SG3に示される車間距離が予め設定された所定値以上であるか否かを判定する。
なお、判定部95は、車間距離信号SG3に基づいて、車間距離が所定値以上であるか否かを直接的に判定する代わりに、車間距離が所定値以上であることが判るパラメータ、例えば衝突時間(車間距離/相対車速)、車間時間(車間距離/自車速)、それらの組み合わせなどにより、間接的に車間距離が所定値以上であるか否かを判定してもよい。
次に、図10を参照して、第2実施形態の制御フローについて説明する。図10に示すように、第2実施形態の制御フローは、第1実施形態の制御フローに対し、ステップSA106及びステップSA107が変更されている点で相違しており、それらの点以外は、第1実施形態の制御フローと共通している。
[ステップSA106]
ステップSA106において、判定部95は、車両が現在走行している道路の状況を示す信号SG1に基づいて、現在走行している道路が車両の旋回判定が不成立の道路であるか、又は、車間距離信号SG3に基づいて、先行車との車間距離が所定値以下であるか否かを判定する。その判定の結果、肯定的に判定された場合には、ステップSA107に進み、そうでない場合には、ステップSA108に進む。
[ステップSA107]
ステップSA107において、判定部95は、現在走行している道路が車両の旋回判定が不成立の道路であるか、又は、先行車との車間距離が所定値以下である状態が予め設定された所定距離だけ継続しているか否かを判定する。その判定の結果、肯定的に判定された場合には、ステップSA108に進み、そうでない場合には、ステップSA103に進む。
第2実施形態では、運転者の指向がスポーツ走行指向であるときに運転者のスポーツ走行指向であるとの指向が運転操作又は車両の状況に反映され難い特定の状況として、“現在の道路状況が車両の旋回判定が不成立の道路であるか、又は、先行車との車間距離が予め設定された所定値以下であること”が予め設定されており、現在までの運転者の指向がスポーツ走行指向であり(ステップSA105−Y)、運転指向推定部94により、現在の運転者の指向が通常走行指向であると判定されているときに(ステップSA102−N)、現在の状況がその車両の旋回判定が不成立の道路であるか、又は、先行車との車間距離が所定値以下であるときには(ステップSA106−Y)、現在の運転者指向は、スポーツ走行指向であると判定される(ステップSA103)。なお、この場合、スポーツ走行指向と判定されるのが、ステップSA107が肯定的に判定される前までに限定されるのは、上記第1実施形態と同様である。
なお、第2実施形態では、現在走行している道路が車両の旋回判定が不成立の道路であるか、又は、先行車との車間距離が所定値以下であり(ステップSA106−Y)、その状態が予め設定された所定距離だけ継続していない場合(ステップSA107−N)には、スポーツ走行指向となるように構成された(ステップSA103)が、以下のような変形が可能である。
即ち、上記の車間距離に代えて、道路の信号機の信号の状況や、道路が一時停止領域、速度規制領域又は徐行領域か否かや、料金所、駐車場、踏み切り等の有無、事故や災害や交通渋滞による通行規制の有無等の、道路形状以外の状況(道路交通情報)に基づいて、運転指向判定手段91の判定結果(SG2)が決定されることができる。
つまり、運転者の指向がスポーツ走行指向であるときに運転者のスポーツ走行指向であるとの指向が運転操作又は車両の状況に反映され難い特定の状況である場合には、スポーツ走行指向であると判定するものである。
(第3実施形態)
次に、図11を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態において、上記各実施形態と共通する部分についての説明は省略する。図11に示すように、第3実施形態の制御フローは、第1実施形態の制御フローに対し、ステップSB106及びステップSB107が変更されている点で相違しており、それらの点以外は、第1実施形態の制御フローと共通している。
第3実施形態では、運転者の指向がスポーツ走行指向であるときに運転者のスポーツ走行指向であるとの指向が運転操作又は車両の状況に反映され難い特定の状況として、“運転操作又は車両の状況の変化が予め設定された所定値以下であること”が予め設定されており、現在までの運転者の指向がスポーツ走行指向であり(ステップSB105−Y)、運転指向推定部94により、現在の運転者の指向が通常走行指向であると判定されているときに(ステップSB102−N)、現在の状況がその運転操作又は車両の状況の変化が予め設定された所定値以下であるときには(ステップSB106−Y)、現在の運転者指向は、スポーツ走行指向であると判定される(ステップSB103)。なお、この場合、スポーツ走行指向と判定されるのが、ステップSB107が肯定的に判定される前までに限定されるのは、上記第1実施形態と同様である。
なお、上記第1〜第3実施形態では、運転指向判定手段91による判定結果(SG2)がスポーツ走行指向であるか通常走行指向であるかによって、選択される変速線図が異なる場合、つまり、車速とスロットル開度によって選択される変速段が決定される際の基準となる変速線が異なるように設定される場合(ステップS104、ステップS109、ステップSA104、ステップSA109、ステップSB104、ステップSB109)について説明した。この場合、更に、上記判定結果(SG2)によって、例えば道路勾配やコーナRや車間距離に応じて自動的にダウンシフトさせる変速点制御において、ダウンシフトさせる変速条件を異なるように設定することができる。
例えば、上記判定結果(SG2)がスポーツ走行指向である場合には、通常走行指向である場合に比べ、登降坂制御では勾配しきい値を相対的に低い値に設定して、より勾配が小さい段階でダウンシフトが実行されるようにしたり、コーナ制御では、変速制御後の目標変速段の決定に際して基準となる目標減速度を算出するために必要な目標旋回G(目標横G)を相対的に高い値に設定して、相対的に高速段にダウンシフトされるようにする。
変速点制御の場合には、上記判定結果(SG2)によって、変速線が異なる変速線図に切り換えられるのではなく、車速とスロットル開度以外の変速条件(例えば、勾配しきい値や、コーナRしきい値や、交差点からの距離又は車間距離のしきい値など)が異なるものが使い分けられる。但し、変速線図を使い分ける変速点制御以外の場合も、変速線図以外の変速条件が異なるようにされる変速点制御の場合も、上記判定結果(SG2)によって、変速機の変速パターンが異なるようにされるという点では共通している。
本発明は実施例に限定されるものではなく、運転指向推定部はニューラルネットワークによる出力値だけではなく、例えば遺伝的アルゴリズムを適用した値や運転操作時の状態量(ハンドル角、横G、ヨーレート、アクセル開度など)に重み付けして算出した値などの運転者の指向が反映される値を利用することができる。
図1は、本発明の運転者指向判定装置の第1実施形態の制御フローを示すフローチャートである。 図2は、本発明の運転者指向判定装置の第1実施形態が適用される自動変速機及び変速制御装置を示す構成図である。 図3は、本発明の運転者指向判定装置の第1実施形態が適用される自動変速機の作動表を示す図である。 図4は、本発明の運転者指向判定装置の第1実施形態が適用される自動変速機及び変速制御装置に用いられる変速線図を示す図である。 図5は、本発明の運転者指向判定装置の第1実施形態が適用される自動変速機及び変速制御装置に用いられる他の変速線図を示す図である。 図6は、本発明の運転者指向判定装置の第1実施形態の運転者指向判定装置を示すブロック図である。 図7は、本発明の運転者指向判定装置の第1実施形態の運転者指向判定装置に含まれる運転指向推定部を示す図である。 図8は、本発明の運転者指向判定装置の第1実施形態において、作用効果を説明するための図である。 図9は、本発明の運転者指向判定装置の第2実施形態の運転者指向判定装置を示すブロック図である。 図10は、本発明の運転者指向判定装置の第2実施形態の制御フローを示すフローチャートである。 図11は、本発明の運転者指向判定装置の第3実施形態の制御フローを示すフローチャートである。
符号の説明
14 自動変速機
42 電子制御装置
90 変速制御手段
91 運転指向判定手段
92 変速線図切換手段
93 記憶部
94 運転指向推定部
95 判定部
97 ナビゲーションシステム装置
100 運転指向推定手段
110 運転者指向判定装置
200 車間距離計測部
SG1 道路状況信号
SG2 指向判定信号
SG3 車間距離信号

Claims (5)

  1. 運転者の指向を判定する運転者指向判定装置であって、
    現在の状況が、運転者の指向が第1指向であるときに運転者の前記第1指向であるとの指向が運転操作又は車両の状況に反映され難い予め設定された特定状況であるか否かを判定する特定判定部を備え、
    現在までの運転者の指向が前記第1指向であるときに、前記特定判定部により現在の状況が前記特定状況であると判定された場合には、現在の運転者の指向は前記第1指向であると判定する
    ことを特徴とする運転者指向判定装置。
  2. 請求項1記載の運転者指向判定装置において、
    更に、
    運転者の運転操作又は車両の状況に基づいて、運転者の指向を推定する運転指向推定部を備え、
    現在までの運転者の指向が前記第1指向であり前記運転指向推定部により現在の運転者の指向が前記第1指向とは異なる第2指向であると判定されているときに、前記特定判定部により現在の状況が前記特定状況であると判定された場合であって、前記現在の状況が前記特定状況であると判定された状態が予め設定された所定の時間又は距離だけ継続していない場合に、現在の運転者の指向は前記第1指向であると判定する
    ことを特徴とする運転者指向判定装置。
  3. 請求項1または2に記載の運転者指向判定装置において、
    前記特定判定部は、現在の状況が前記特定状況であるか否かの判定に際して、現在の道路の状況を判定する
    ことを特徴とする運転者指向判定装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の運転者指向判定装置において、
    前記特定判定部は、現在の状況が前記特定状況であるか否かの判定に際して、現在の車間距離を含む車速が相対的に低い状態で走行されるべき状況、及び道路交通に関する状況の少なくともいずれか一つを判定する
    ことを特徴とする運転者指向判定装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の運転者指向判定装置において、
    前記特定判定部は、現在の状況が前記特定状況であるか否かの判定に際して、前記運転指向推定部に入力される前記運転操作又は車両の状況の変化を判定する
    ことを特徴とする運転者指向判定装置。
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