JP2007016586A - 地盤改良における着底管理方法および地盤改良装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】中・浅層領域での地盤改良工法において、サウンディング試験等の事前調査の必要なくして所期の目的を達成できる着底管理方法を提供する。
【解決手段】油圧モータ駆動の撹拌翼を備えた混合撹拌ヘッド5を地中に貫入して行う地盤改良時に支持地盤に対する地盤改良層の着底を管理する方法である。油圧モータが所定の負荷抵抗値以上となった時には撹拌翼が停止状態となるように油圧リリーフ圧を設定しておく。処理土の流動値が予め定めた管理流動値の範囲内のものとなるように処理を行い、混合撹拌ヘッド5を1m/分以下の適正掘進速度にて掘進させて、油圧がリリーフしたときのタイミングをもって地盤改良層Gの底盤部が支持地盤Btに着底したとして管理する。
【選択図】図6
【解決手段】油圧モータ駆動の撹拌翼を備えた混合撹拌ヘッド5を地中に貫入して行う地盤改良時に支持地盤に対する地盤改良層の着底を管理する方法である。油圧モータが所定の負荷抵抗値以上となった時には撹拌翼が停止状態となるように油圧リリーフ圧を設定しておく。処理土の流動値が予め定めた管理流動値の範囲内のものとなるように処理を行い、混合撹拌ヘッド5を1m/分以下の適正掘進速度にて掘進させて、油圧がリリーフしたときのタイミングをもって地盤改良層Gの底盤部が支持地盤Btに着底したとして管理する。
【選択図】図6
Description
本発明は、混合撹拌ヘッドを地中に貫入することにより現位置土を掘削しながら固化材と混合撹拌処理して現位置土の強度増強を図る地盤改良工法において、支持地盤(上載荷重を支える基礎地盤)に対する地盤改良層の底盤部の着底を管理する方法と地盤改良装置に関し、特にバックホウをベースマシンとし且つ油圧モータ駆動の撹拌翼を備えた混合撹拌ヘッドを用いる場合の支持地盤に対する地盤改良層の底盤部の着底を管理する方法およびその着底管理方法に適した地盤改良装置に関するものである。
この種の地盤改良における着底管理技術、特に深層混合処理工法における支持地盤への着底の合否判定方法として例えば特許文献1および特許文献2に記載の技術が知られている。
これらの技術は、深層混合処理機械にて改良柱を平面的に連続させて改良地盤を造成し、構造物の基礎あるいは液状化対策として個々の改良柱または改良地盤が地下の支持地盤へ到達していることを確認する手段として提案されているものであるが、深層領域ではない中・浅層領域における地盤改良であっても、盛土体や構造物の基礎地盤としての地盤改良ニーズは増加する傾向にあり、当然の如く改良地盤層の支持地盤に対する着底確認の必要性が出てきた。
中・浅層領域における地盤改良では、バックホウをベースマシンとして、そのバックホウのフロントアーム先端に混合撹拌部として例えばエンドレスなチェーンに撹拌翼を取り付けたいわゆるトレンチャー式撹拌混合機や、横軸に撹拌翼を取り付けたいわゆるタイン式撹拌混合機が多く使われている。
特開平10−102478号公報
特開2000−160550号公報
先に述べたようなバックホウをベースマシンとする中・浅層領域での地盤改良工法にあっては、オペレータがフロントアームをコントロールして混合撹拌ヘッドを掘進させているものであるが、オペレータは通常3〜4m/分程度でフロントアーム操作を行っており、この掘進速度での混合撹拌可能地盤はN値2〜3程度であり、着底管理は実質的に不可能であった。なお、いわゆる液状化対策としての地盤改良ではN値20以上の支持地盤に、構造物の基礎としての地盤改良層はN値10以上の支持地盤にそれぞれ着底させることが一つの目安となっている。
よって、バックホウをベースマシンとする地盤改良機械にて地盤改良層を支持地盤へ着底させるには、支持地盤の事前調査として地盤改良対象領域の平面図を5〜20mメッシュで区切り、ボーリングやスウェーデン式サウンディング試験等を行って支持地盤の確認を行い、各地点における支持地盤の強度を求めた上で改良深度を決定し施工している。つまり、上記平面図上での一つのメッシュに対応する四角形の区割りにおいてそれぞれの地盤改良横断面図を作成し、各区割りの四隅4点の支持地盤の深さのうち最も深い支持地盤の高さに合わせて、その区割り内の深さを設定するようにしている。
そのとき、各メッシュ内における最深部をそのメッシュ内における支持地盤の高さとして地盤改良を行うので、地盤改良部の最下端部は段切り状となり、特に山間部や山岳地あるいは丘陵地等の沢地においては支持地盤が傾斜をなしており、1メッシュ内における段切り高さとして1.5〜2.0mにも及ぶ場合もあり、これらの作業には下記に列挙するような問題点があった。
すなわち、ボーリングやスウェーデン式サウンディング試験等の事前調査に多くの時間と費用を要し、特に区割りのメッシュを細かくすればするほど支持地盤の傾斜なりに地盤改良を行うことが可能ではあっても、ボーリングやスウェーデン式サウンディング試験等の事前調査箇所が膨大な量となり、工期が著しく長くなるとともに費用も嵩み、著しく不経済となる。
また、計画支持地盤を基準として水平に段切り施工を施すので、不必要な硬い地盤までも地盤改良を行う必要があり不経済となるほか、地盤が硬いが故に機械の故障等の頻発とともに作業効率の低下が余儀なくされる。例えば着底地盤をN値20以上とした場合であっても、その区割りにおける一番深いところを基準とするので、最浅部はN値20であっても、最深部においてはN値40〜50となるケースもある。このような場合には、N値20の部位を施工する場合と比較して施工速度が1/3〜1/2となることもあり、不経済であった。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、とりわけバックホウをベースマシンとする中・浅層領域での地盤改良工法において、ボーリングやスウェーデン式サウンディング試験等の膨大な事前調査の必要をなくして所期の目的を達成できるようにした着底管理方法と地盤改良装置を提供するものである。
本発明では、事前に地質調査がされている箇所での試験施工を行い、その際に施工条件である混合撹拌ヘッドの貫入速度等を変更して支持地盤の強度であるN値との相関をとり、もって実施工時における掘進速度(貫入速度)や混合撹拌ヘッドにおける油圧モータの油圧を設定しようとするものである。例えばN値10以上の支持地盤に着底させるには、混合撹拌処理直後における処理土の流動値を一定数値以上に高め、且つ混合撹拌ヘッドの掘進速度を小さくする必要がある。この時における掘進速度は、油圧モータのセット圧にもよるが1.0m/分以下とする必要がある。
より詳しくは、ベースマシンとなるバックホウの油圧システムには、駆動源である油圧ポンプと油圧モータとの間にオーバーロードリリーフ弁が設置されていて、油圧モータに一定以上の負荷がかかった場合には油圧がリリーフされる機構となっている。この機構を利用して、混合撹拌ヘッドを深度方向に掘進させる時の速度として、計画支持地盤を掘進可能な掘進速度(適正掘進速度)で掘進させ、油圧モータの油圧がリリーフして撹拌翼の回転が停止したときのタイミングをもって地盤改良層の底盤部が支持地盤に着底したとして管理しようとするのが本発明である。
すなわち、請求項1に記載の発明では、バックホウをベースマシンとし且つ油圧モータ駆動の撹拌翼を備えた混合撹拌ヘッドを地中に貫入し、現位置土を掘削しながら固化材と混合撹拌して現位置土の強度増強を図る地盤改良工法にして、支持地盤に対する地盤改良層の底盤部の着底を管理する方法であることを前提とする。
その上で、混合撹拌処理直後における処理土の流動値が予め定めた管理流動値の範囲内のものとなるように混合撹拌処理を行う一方、撹拌翼駆動用の油圧モータが所定の負荷抵抗値以上となった時には撹拌翼が停止状態となるように油圧モータに付帯するリリーフ弁のリリーフ圧を予め設定しておき、実施工時には撹拌翼が停止することのない適正掘進速度にて混合撹拌ヘッドを掘進させて、リリーフ弁にて油圧がリリーフしたときのタイミングをもって地盤改良層の底盤部が支持地盤に着底したとして管理することを特徴とする。
具体的には、請求項2に記載のように、リリーフ弁の設定リリーフ圧は、前もって行う試験施工時に収集したデータをもとに支持地盤の強度に応じて決定したものとする。
ここで、請求項7に記載のように、計画流動値がテーブルフロー試験におけるテーブルフロー値(JIS R 5201に準拠)で指定される場合には、テーブルフロー試験におけるテーブルフロー値で指定した計画流動値に対して例えば±10mmあるいは±20mmのように上下に幅を持たせるものとし、この範囲を管理流動値の範囲とする。
さらに、請求項3に記載のように、前もって行う試験施工時に用いるリリーフ弁の設定リリーフ圧と暫定掘進速度の値は、予め定めてあるところの着底地盤の強度に応じたリリーフ圧と掘進速度の相関より決定したものとする。
より望ましくは、請求項4に記載のように、混合撹拌ヘッドの適正掘進速度は、前もって行う試験施工時に収集したデータをもとに油圧がリリーフしたときの掘進速度と支持地盤の強度の相関特性を予め定めておき、その相関特性上にて支持地盤の強度を指定して決定したものとする。もしくは、請求項5に記載のように、混合撹拌ヘッドの適正掘進速度は、前もって行う試験施工時に収集したデータをもとに油圧変化と掘進速度および支持地盤の強度の相関特性を予め定めておき、その相関特性上にて支持地盤の強度を指定して決定したものとする。
これらの場合において、請求項6に記載のように、混合撹拌ヘッドによる混合撹拌処理中に混合撹拌ヘッドの掘進深度と油圧モータの油圧を測定・記録することが望ましい。
上記管理流動値の範囲は、例えば請求項7に記載のように、テーブルフロー試験における値で指定した計画流動値に対して例えば±10mmあるいは±20mmのように上下に幅を持たせた範囲内のものとする。
混合撹拌ヘッドとしては、請求項8に記載のように、フレーム上部の駆動輪とフレーム下部の従動輪との間に上下方向に周回移動するエンドレスなチェーンを巻き掛け、そのチェーンに複数の撹拌翼を装着したものとする。または、請求項9に記載のように、放射状の複数の撹拌翼を有する回転体をフレームに回転可能に装着し、この回転体を水平な軸心周りに回転駆動させるものとする。
したがって、少なくとも請求項1に記載の発明では、リリーフ弁にて油圧がリリーフしたときのタイミングをもって地盤改良層の底盤部が支持地盤に着底したとして管理することで、従来のようないわゆる段切り状の施工の必要はなくなる。
また、混合撹拌処理直後における処理土の流動値を予め定められた管理流動値の範囲内のものとなるように混合撹拌することによって、撹拌翼の負荷抵抗値が安定することとなり、より正確な着底管理が可能となる。
この場合において、同一現場内においては、その現場で定めた計画流動値がテーブルフロー値である場合、管理流動値の範囲としては、先に述べたように計画流動値であるテーブルフロー値に対して例えば±10mm程度あるいは±20mm程度のように上下に幅を持たせた範囲にて管理するのが望ましい。また、同一現場内であっても計画流動値が異なる場合には、混合撹拌ヘッドのリリーフ弁の設定リリーフ圧または適正掘進速度を見直す必要がある。
すなわち、試験施工時におけるデータをもとに支持地盤の強度と混合撹拌時における混合撹拌ヘッドの負荷抵抗との相関特性を作成し、混合撹拌ヘッドの先端が計画支持地盤に到達した時における負荷抵抗を支持地盤への着底として管理することによって、支持地盤の形状(傾斜状況等)に合わせて支持力のある地盤に地盤改良層の底盤を着底させることが可能となる。
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の技術を地盤改良装置として捉えたものであって、バックホウをベースマシンとし且つ油圧モータ駆動の撹拌翼を備えた混合撹拌ヘッドを地中に貫入し、現位置土を掘削しながら固化材(いわゆるミルク状のもの)と混合撹拌して現位置土の強度増強を図る地盤改良装置において、撹拌翼駆動用の油圧モータが所定の負荷抵抗値以上となった時には撹拌翼が停止状態となるように油圧モータに付帯するリリーフ弁のリリーフ圧を予め設定してあるとともに、混合撹拌ヘッドの掘進速度と油圧モータの油圧を測定・記録する手段を備えていることを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の着底管理方法に用いる地盤改良装置として、混合撹拌ヘッドの掘進速度と油圧モータの油圧を測定・記録する手段を備えていることを特徴とする。
この場合、混合撹拌ヘッドは、請求項12に記載のように、フレーム上部の駆動輪とフレーム下部の従動輪との間に上下方向に周回移動するエンドレスなチェーンを巻き掛け、そのチェーンに複数の撹拌翼を装着したものとする。または、請求項13に記載のように、放射状の複数の撹拌翼を有する回転体をフレームに回転可能に装着し、この回転体を水平な軸心周りに回転駆動させるものとする。
請求項1〜3に記載の発明によれば、施工現場の事前調査は必要最低限で済み、従来のようにボーリングやスウェーデン式サウンディング試験等による事前調査箇所が膨大な量になることがないから、工期を著しく短縮できる。
また、例えば山間部や山岳地での地盤改良の施工に際しても現地の支持地盤形状に倣った形状をもって施工を行えば良く、処理品質が安定化するとともに経済的な施工を行えるほか、硬い地盤を段差の大きないわゆる段切り形状に施工する必要もなくなり、機械の故障頻度等の軽減と併せて施工土量の大幅な軽減もできる利点がある。
最初に本発明に係る地盤改良装置の好ましい実施の形態について説明する。
図1に示すように、地盤改良機械は建設機械である無限軌道(履帯)式のバックホウ1をベースマシン(母機)として形成されているものであり、周知のように上部旋回体としてのベース2と、ベース2に揺動可能に連結されたブーム3と、ブーム3に揺動可能に連結されたアーム4を備えていて、アーム4の先端に土壌の掘削と撹拌混合のための混合撹拌部としてチェーン駆動式のいわゆるトレンチャー式と称される混合撹拌ヘッド5を着脱可能に装着してある。この混合撹拌ヘッド5は、図2に示すようにフレーム6の上部の駆動輪7と下部の従動輪8との間にエンドレスなドライブチェーン9を巻き掛けるとともに、そのドライブチェーン9の外周に等ピッチで複数の撹拌翼10を装着したもので、各撹拌翼10は後述するようにドライブチェーン9とともに上下方向に周回駆動されることになる。
フレーム6の先端には固化材吐出装置11が設けられており、例えば図示外のグラウトポンプ等により圧送されてきたスラリ状もしくは粉体状の固化材が固化材吐出装置11から吐出されるようになっている。そして、フレーム6の上部に設けられた正逆転可能な油圧モータ12を起動することにより各撹拌翼10がドライブチェーン9とともに周回移動し、それに併せてバックホウ1の推力にて混合撹拌ヘッド5を地中に貫入することにより土壌の掘削と併せて固化材との混合撹拌処理が行われることになる。
なお、上記ドライブチェーン9を駆動するための駆動輪7はそのドライブチェーン9と噛み合うチェーンスプロケットである必要があるが、従動輪8については必ずしもチェーンスプロケットである必要はない。
図1に示すバックホウ1のキャビン(運転室)には図3に示すような施工管理装置13を着脱可能に装着してある。この施工管理装置13は、図3に示すように演算部14のほか設定器15および表示部16等を備えていて、表示部16には施工中の施工条件データとして例えば掘進深度と掘進速度および油圧モータ12の油圧がそれぞれリアルタイムで可視表示される。同時に、上記施工管理装置13はいわゆるデータレコーダを兼ねていて、図4に示すように表示部16の一部である記録部17には上記掘進深度と掘進速度および油圧値の累積データがタイムチャートとして記録・印字される。
また、図1に示すバックホウ1には、アーム4の回転角度を検出するための角度センサー18とブーム3の回転角を検出するための角度センサー19がそれぞれに設けられていて、各々の角度センサー18,19の検出出力は図3に示すように施工管理装置13の演算部14に入力される。
さらに、バックホウ1自体の荷役駆動系の油圧(ベース油圧)、すなわち先に述べた混合撹拌ヘッド5側の油圧モータ12の油圧も後述する圧力センサー26,27によって検出されて上記演算部14に取り込まれる。そして、上記演算部14は図3,4に示すように掘進深度Hと掘進速度および油圧モータ12の油圧をリアルタイムで算出した上で表示部16に出力して、これを表示部16に可視表示することになる。
ここで、図3の設定器15には、アーム4のヒンジからヒンジまでの距離L1(ブーム3に対するアーム2の連結点位置からそのアーム4に対する混合撹拌ヘッド5の連結点位置までの距離)と、ブーム3のヒンジからヒンジまでの距離L2(バックホウ1の上部旋回体であるベース2に対するブーム3の連結点位置からそのブーム3に対するアーム4の連結点位置までの距離)のほか、任意位置でのオフセット値Cがそれぞれ設定可能となっている。
つまり、掘進深度(H)とは地面から混合撹拌ヘッド5の先端までの掘り下げ施工深さであり、次式(1)によって求められる。なお、任意の深度位置で現在の深度表示を一旦リセットすることにより、その瞬間のリセットオフセット値Cを加味した任意の位置からの深度を表示することも可能である。
H=D1−D2−C‥‥(1)
ただし、
D1:L1・sinθ1
D2:L2・sinθ2
C:リセット操作によるリセットオフセット量(m)
図5には上記撹拌翼10を周回駆動するための油圧モータ12の油圧回路図を示す。この回路では、エンジン駆動の可変容量型の油圧ポンプ20のほか、操作ペダル21の操作によりその切換操作が行われる切換弁22、パイロット操作型のコントロールバルブ23、正転方向および逆転方向ごとに独立したオーバーロードリリーフ弁24,25、および圧力センサー26,27等を備えていて、先に述べたように圧力センサー26,27にて検出された油圧が施工管理装置13の演算部14に取り込まれることになる。そして、オーバーロードリリーフ弁24,25のリリーフ圧は可変調整可能となっていて、ここではそのリリーフ圧は例えば32Mpaに設定される。
ただし、
D1:L1・sinθ1
D2:L2・sinθ2
C:リセット操作によるリセットオフセット量(m)
図5には上記撹拌翼10を周回駆動するための油圧モータ12の油圧回路図を示す。この回路では、エンジン駆動の可変容量型の油圧ポンプ20のほか、操作ペダル21の操作によりその切換操作が行われる切換弁22、パイロット操作型のコントロールバルブ23、正転方向および逆転方向ごとに独立したオーバーロードリリーフ弁24,25、および圧力センサー26,27等を備えていて、先に述べたように圧力センサー26,27にて検出された油圧が施工管理装置13の演算部14に取り込まれることになる。そして、オーバーロードリリーフ弁24,25のリリーフ圧は可変調整可能となっていて、ここではそのリリーフ圧は例えば32Mpaに設定される。
したがって、このような地盤改良装置によれば、図6の(A),(B)に示すように、一般的な地盤改良の施工にあたっては、混合撹拌ヘッド5の撹拌翼10を油圧モータ12の起動により周回移動させた上で、オペレータがバックホウ1を操作して混合撹拌ヘッド5を地中に貫入し、それと並行して混合撹拌ヘッド5の先端の固化材吐出装置11から固化材を吐出することにより、地盤の掘削と並行して固化材との混合撹拌処理が行われる。なお、図6ではバックホウ1の履帯の向きが図1とは90度異なっている。
すなわち、混合撹拌ヘッド5の地中への貫入はバックホウ1のオペレータによるコントロールレバー操作にて行われ、特に施工管理装置13の表示部16に実際の掘進速度がリアルタイムで可視表示されることから、オペレータに対し最適施工条件である適正(最大)掘進速度を提示して予め認識させておくことにより、その適正掘進速度以下で混合撹拌ヘッド5の貫入が行われる。その一方、混合撹拌ヘッド5における撹拌翼10の周回速度の管理や周回方向の正逆転の切り換えは、バックホウ1のキャビンに設置してある図5のペダル21の踏み込み操作によって行われる。ただし、撹拌翼10の周回運動に基づく混合撹拌能力は、油圧モータ12の駆動系のオーバーロードリリーフ弁24,25にて設定してあるリリーフ圧と同等圧力が限度となる。なお、掘進速度は一定深度に費やす時間で測定する。支持地盤強度が高く掘進時間を長く要する場合には、掘進速度50cm〜100cm当たりに要する時間で除して算出する。
ここで、図1,2に示したようないわゆるトレンチャー式と称される混合撹拌ヘッド5に代えて、図7,8に示すようにいわゆるタイン式と称される混合撹拌ヘッド28を用いることももちろん可能である。このタイン式と称される混合撹拌ヘッド28は、図7,8に示すように、フレーム29の下部に、油圧モータ30とエンドレスなドライブチェーン31とによって水平な軸心周りに回転駆動される回転体32を横架し、その回転体32の周囲に多数の撹拌翼33を放射状に取り付けたもので、改良深度が浅い場合にはこのようなタイン式と称される混合撹拌ヘッド28でも十分に所期の目的を達成することができる。
このような地盤改良のための施工に際しては、図1のほか図6,7に示すように地盤改良層Gの処理品質が全体を通して均一であることもさることながら、その地盤改良層Gの底盤部が硬い支持地盤Btに着底していることが重要な要素となり、そのために次のような手順で支持地盤Btに対する着底管理が行われる。
ここでは、図1,6に示すようにバックホウ1をベースマシンとしてそのアーム4の先端にいわゆるトレンチャー式と称される混合撹拌ヘッド5を装着して、地盤改良を施す場合の着底管理方法を説明する。
着底管理とは、混合撹拌時における混合撹拌ヘッド5の負荷抵抗値と支持地盤Btの強度とに対する相関を示すものである。
ついては、混合撹拌ヘッド5による混合撹拌時に負荷抵抗値が変動する要素には様々なものがあるが、それらのうちの主なものを列挙すれば次の通りである。
(1)混合撹拌処理直後における安定処理土の流動値
・この流動値が小さいほど安定処理土の粘着性が高く負荷抵抗が大きい。
(2)土質性状
・湿潤密度の値が大きいほど安定処理土重量が大きく負荷抵抗が大きい。また、 ・砂質土よりも粘性土の方が粘着性が高く撹拌抵抗が大きい。
(3)改良深度
・改良深度が大きければ大きいほど負荷抵抗が大きい。特にトレンチャー式の混合撹拌ヘッド5は改良対象深度全体をいわゆる縦撹拌するので、改良深度によって負荷抵抗が変化する。
(4)支持地盤(着底地盤)の強度
・支持地盤Btの強度が高いほど負荷抵抗が大きい。言い換えるならば、支持地盤Btの強度が高いほど掘進速度を遅くして混合撹拌を行う必要がある。
(5)掘進速度
・掘進速度が速いほど負荷抵抗が大きい。
(6)トレンチャー式の混合撹拌ヘッド5の形式(ドライブチェーン9の数や撹拌翼10の形状等)
・ドライブチェーン9、撹拌翼10の数が多いほど負荷抵抗は大きく、撹拌翼の形状によっても負荷抵抗は変動する。
(7)ベースマシンであるバックホウ1の規格
(a)表1は、過去の施工データをもとに、それぞれの着底地盤強度に対応できる(着底地盤強度のところまで掘進できる)撹拌駆動用の油圧モータに付帯するリリーフ弁のリリーフ圧の範囲(20Mpa以上〜35MPa未満)と掘進可能な速度(1.0〜0.1m/分)を定めたものである。試験施工に用いるリリーフ圧と暫定掘進速度は、表1をもとに作成した表2より求める。
(1)混合撹拌処理直後における安定処理土の流動値
・この流動値が小さいほど安定処理土の粘着性が高く負荷抵抗が大きい。
(2)土質性状
・湿潤密度の値が大きいほど安定処理土重量が大きく負荷抵抗が大きい。また、 ・砂質土よりも粘性土の方が粘着性が高く撹拌抵抗が大きい。
(3)改良深度
・改良深度が大きければ大きいほど負荷抵抗が大きい。特にトレンチャー式の混合撹拌ヘッド5は改良対象深度全体をいわゆる縦撹拌するので、改良深度によって負荷抵抗が変化する。
(4)支持地盤(着底地盤)の強度
・支持地盤Btの強度が高いほど負荷抵抗が大きい。言い換えるならば、支持地盤Btの強度が高いほど掘進速度を遅くして混合撹拌を行う必要がある。
(5)掘進速度
・掘進速度が速いほど負荷抵抗が大きい。
(6)トレンチャー式の混合撹拌ヘッド5の形式(ドライブチェーン9の数や撹拌翼10の形状等)
・ドライブチェーン9、撹拌翼10の数が多いほど負荷抵抗は大きく、撹拌翼の形状によっても負荷抵抗は変動する。
(7)ベースマシンであるバックホウ1の規格
(a)表1は、過去の施工データをもとに、それぞれの着底地盤強度に対応できる(着底地盤強度のところまで掘進できる)撹拌駆動用の油圧モータに付帯するリリーフ弁のリリーフ圧の範囲(20Mpa以上〜35MPa未満)と掘進可能な速度(1.0〜0.1m/分)を定めたものである。試験施工に用いるリリーフ圧と暫定掘進速度は、表1をもとに作成した表2より求める。
(b)ここでいう地盤改良用建設機械に用いられる駆動用油圧ユニットは、最高使用圧力として35MPa以下に設定されている。よって、撹拌駆動用の油圧モータに付帯するリリーフ弁のリリーフ圧を通常的に32MPaに設定している。これらを考慮すれば、試験施工時に用いる上記リリーフ圧を32MPaとして用いることが作業上容易且つ便利となるので、試験施工に用いる暫定掘進速度としては表2にて行う。
リリーフ圧として32MPaとなっていることを確認し、表2の掘進速度を暫定掘進速度として試験施工を実施する。
この場合、掘進速度が速すぎると支持地盤強度にばらつきが生じやすく、着底管理上品質が悪くなる。また、掘進速度が0.1m/分以下と遅すぎると、作業効率が悪く経済的でない。よって、リリーフ圧を適宜調整した上で実施工に移行するものとする。望ましい掘進速度(適正掘進速度)としては0.1〜1.0m/分の範囲である。
[手順1]
例えば、図9に示すような施工予定地域のサウンディング試験位置平面図に基づき、施工予定地域においてスウェーデン式サウンディング試験(ボーリング試験でも可)等を行って地盤のデータを収集し、そのデータに基づいて図10に示すように事前調査ポイントにおける「地盤深度と地盤強度であるN値の相関グラフ」を作成する。なお、図10は一例として図9のNo.51の中央地点でのデータを示している。
例えば、図9に示すような施工予定地域のサウンディング試験位置平面図に基づき、施工予定地域においてスウェーデン式サウンディング試験(ボーリング試験でも可)等を行って地盤のデータを収集し、そのデータに基づいて図10に示すように事前調査ポイントにおける「地盤深度と地盤強度であるN値の相関グラフ」を作成する。なお、図10は一例として図9のNo.51の中央地点でのデータを示している。
[手順2]
前記スウェーデン式サウンディング試験のデータをもとに、図11に示すようにN値が30以上となる支持地盤の想定図(改良断面図)を作成する。図10,11から明らかなように改良対象深度は4.3〜8.1mであり、これらの数値を丸めると4.0〜8.0mとなってその平均改良深度は6.0m程度となる。
前記スウェーデン式サウンディング試験のデータをもとに、図11に示すようにN値が30以上となる支持地盤の想定図(改良断面図)を作成する。図10,11から明らかなように改良対象深度は4.3〜8.1mであり、これらの数値を丸めると4.0〜8.0mとなってその平均改良深度は6.0m程度となる。
[手順3]
図12のような「改良深度とテーブルフロー値の相関グラフ」を予め用意しておき、上記平均改良深度6.0mのときの計画テーブルフロー値(計画流動値)を同図から138mmとして読み取る。なお、テーブルフロー値とは、混合撹拌処理直後における処理土の流動性を示す指標である(JIS R 5201に準拠)。
図12のような「改良深度とテーブルフロー値の相関グラフ」を予め用意しておき、上記平均改良深度6.0mのときの計画テーブルフロー値(計画流動値)を同図から138mmとして読み取る。なお、テーブルフロー値とは、混合撹拌処理直後における処理土の流動性を示す指標である(JIS R 5201に準拠)。
[手順4]
施工地盤の目標強度と計画テーブルフロー値(138mm)とを満足させるのに必要な固化材としてのセメントの添加量と水セメント比を経験的に次の通りと定める(実施工に当たっては、配合試験にて添加量と水セメント比を求める)。
施工地盤の目標強度と計画テーブルフロー値(138mm)とを満足させるのに必要な固化材としてのセメントの添加量と水セメント比を経験的に次の通りと定める(実施工に当たっては、配合試験にて添加量と水セメント比を求める)。
・目標強度:300kN/m2
・計画テーブルフロー値:138mm(管理フロー値 ±10mm)
これにより、実施工における管理フロー値としては128mm〜148mmにて管理することになる。
・計画テーブルフロー値:138mm(管理フロー値 ±10mm)
これにより、実施工における管理フロー値としては128mm〜148mmにて管理することになる。
・セメント添加量:150kg/m3
・水セメント比:200%
・着底地盤強度:N値30以上
[手順5]
図9におけるNo.51の中央地点にて混合撹拌ヘッド5の掘進速度と負荷抵抗の相関に関する試験施工を行う。ここでは着底地盤強度(N値30以上)を考慮して、表2より着底地盤強度がN値30以上であって暫定掘進速度としては0.3〜0.7m/分となる。リリーフ圧が32MPaであることを確認する。
・水セメント比:200%
・着底地盤強度:N値30以上
[手順5]
図9におけるNo.51の中央地点にて混合撹拌ヘッド5の掘進速度と負荷抵抗の相関に関する試験施工を行う。ここでは着底地盤強度(N値30以上)を考慮して、表2より着底地盤強度がN値30以上であって暫定掘進速度としては0.3〜0.7m/分となる。リリーフ圧が32MPaであることを確認する。
そして、上記試験施工と並行して、バックホウ1に搭載してある施工管理装置(データレコーダ)13にて掘進深度と混合撹拌ヘッド5の負荷抵抗値(上記油圧モータ12の油圧)をリアルタイムで計測しながら記録する。なお、掘進速度も同時記録することが望ましい。また、記録データは記録紙へ直接記録して図13のようなタイムチャートとするか、一旦記録したデータを再生して図13のようなタイムチャートとする。
[手順6]
試験施工の結果を次の手順でまとめる。
試験施工の結果を次の手順でまとめる。
・図13のタイムチャートに油圧モータ12のリリーフ圧である32MPaの線L1と最小油圧12MPaの線L2をそれぞれ記入する。
・図13のタイムチャートにおいて、丸囲み数字1〜9の各区間の掘進速度をそれぞれ確定する。
すなわち、図14は図13の一部を拡大したものであり、例えば丸囲み数字3の区間を例にとれば、丸囲み数字3の区間の始期から終期までに要した掘進時間と深度を読み取り、1m当たりの掘進速度を算出する。ここでは、丸囲み数字3の区間の始期の深度が7.1m、同じく終期の深度が8.1m、それら始終期間の掘進時間が3分21秒であったとすれば、下記のようにして掘進速度を求める。
(8.1m−7.1m)/3分21秒=0.30m/分
なお、掘進速度を記録部17に記録されたタイムチャートから直接読み取る場合には、この掘進速度算出のプロセスは省略できる。
なお、掘進速度を記録部17に記録されたタイムチャートから直接読み取る場合には、この掘進速度算出のプロセスは省略できる。
・図13,14のタイムチャートより、丸囲み数字1〜9の各区間の掘進速度による改良深度(掘進到達深度)を求める。
・前記改良深度に対応する支持地盤強度(N値)を図15を用いて求める。
・図15は図10と同じものであり、図15上にてデータを読み取った上で表3および表4のような一覧表を作成する。
表3,4の一覧表をもとに、丸囲み数字1〜9の各区間での掘進速度に対する最大地盤強度の表、すなわち改良深度における着底N値の関係として表5を作成する。
表5のデータをもとに、図16に示すような掘進速度と支持地盤の強度(N値)の相関グラフを作成する。
図16の相関グラフには上限値と下限値が示されているが、支持地盤Btへの着底管理は下限管理(計画地盤強度以上の地盤に着底させること)となるので、図16の相関グラフの下限側で掘進速度を決定する。
[手順7]
N値が30以上の地盤に着底させるためには、図16の相関グラフより、適正掘進速度は0.45m/分以下とする。
N値が30以上の地盤に着底させるためには、図16の相関グラフより、適正掘進速度は0.45m/分以下とする。
[手順8]
混合撹拌ヘッド5における撹拌翼駆動用の油圧モータ12に付帯するオーバーロードリリーフ弁24,25のリリーフ圧が32MPaにセットされていることを確認して、混合撹拌ヘッド5の掘進速度を適正掘進速度である0.45m/分以下とした上で、図6の状態をもって実際の施工に移行する。
混合撹拌ヘッド5における撹拌翼駆動用の油圧モータ12に付帯するオーバーロードリリーフ弁24,25のリリーフ圧が32MPaにセットされていることを確認して、混合撹拌ヘッド5の掘進速度を適正掘進速度である0.45m/分以下とした上で、図6の状態をもって実際の施工に移行する。
つまり、実施工に際しては、図4に示した施工管理装置13の表示部16に混合撹拌ヘッド5による掘進速度がリアルタイムで可視表示されることから、オペレータは表示部16に表示される掘進速度を目視する一方で、その値が適正掘進速度である0.45m/分以下となるように意識しながら施工を行えば良いことになる。その際に、油圧モータ12の油圧が予め設定してあるリリーフ圧(32MPa)に達すると撹拌翼10の周回運動が停止して掘削不能となり、オペレータはその状態を確かな感触として把握できることから、その状態をもって地盤改良層Gの底盤部が支持地盤Btに着底したものと認識することができる。
言い換えるならば、オペレータは油圧モータ12の油圧がリリーフした状態をもって地盤改良層Gの底盤部が支持地盤Btに着底したものとみなして施工管理を行えばよいことになる。
なお、図4に示したように、施工管理装置13の表示部16をもって油圧モータ12の油圧をバックホウ1のキャビン内にリアルタイムにて可視表示していれば、同時に油圧がリリーフ圧に達したことを目視確認することによってもまた地盤改良層Gの底盤部が支持地盤Btに着底したものと認識することができる。
その結果として、図17(段切り形状による支持地盤)に示すように、従来では同図のクロスハッチング部分のようにいわゆる段切り状に地盤改良施工を行う必要があったのに対して、本実施例ではクロスハッチング部分を除いたハッチング部分(図11にハッチングで示した部分)のような地盤改良施工を行うだけで要求強度を満たすことができ、経済性に優れたものとなる。
この実施例2においては、[手順5]までは[実施例1]と同様である。
[手順1]
図13,14のタイムチャートをもとに図18に示す「油圧モータの油圧(MPa)と支持地盤の強度であるN値の相関グラフ」を作成する。なお、同図の相関グラフ中の一点鎖線(イ)、(ロ)、(ハ)は図13,14のタイムチャートに示した丸囲み数字1〜3、4〜6および7〜9の区間ごとの平均値を示している。図13の相関グラフでは、先に設定したリリーフ圧(32MPa)をもって油圧モータ12の油圧が最高油圧となってリリーフしていて、それ以上は昇圧しないことが顕著に表れている。
図13,14のタイムチャートをもとに図18に示す「油圧モータの油圧(MPa)と支持地盤の強度であるN値の相関グラフ」を作成する。なお、同図の相関グラフ中の一点鎖線(イ)、(ロ)、(ハ)は図13,14のタイムチャートに示した丸囲み数字1〜3、4〜6および7〜9の区間ごとの平均値を示している。図13の相関グラフでは、先に設定したリリーフ圧(32MPa)をもって油圧モータ12の油圧が最高油圧となってリリーフしていて、それ以上は昇圧しないことが顕著に表れている。
[手順2]
図18の相関グラフより、各区間ごとにリリーフしたときのN値を読み取り、これを下記のように記録する。
図18の相関グラフより、各区間ごとにリリーフしたときのN値を読み取り、これを下記のように記録する。
・丸囲み数字1〜3の区間の平均掘進速度(0.3m/分)の時のN値 50以上(ハ)
・丸囲み数字4〜6の区間の平均掘進速度(0.5m/分)の時のN値 26(ロ)
・丸囲み数字7〜9の区間の平均掘進速度(0.7m/分)の時のN値 20(イ)
[手順3]
上記(イ)、(ロ)、(ハ)のデータをもとに掘進速度と地盤強度であるN値の相関グラフを図19のように作成し、図19の相関グラフ上にてN値30における掘進速度の目盛りを読み取ると0.47m/分となり、したがって、実施工においても適正掘進速度を0.47m/分としてオペレータに認識させた上で、この速度以下となるように掘進速度を管理すれば、N値30以上の支持地盤に着底させることが可能となる。
・丸囲み数字4〜6の区間の平均掘進速度(0.5m/分)の時のN値 26(ロ)
・丸囲み数字7〜9の区間の平均掘進速度(0.7m/分)の時のN値 20(イ)
[手順3]
上記(イ)、(ロ)、(ハ)のデータをもとに掘進速度と地盤強度であるN値の相関グラフを図19のように作成し、図19の相関グラフ上にてN値30における掘進速度の目盛りを読み取ると0.47m/分となり、したがって、実施工においても適正掘進速度を0.47m/分としてオペレータに認識させた上で、この速度以下となるように掘進速度を管理すれば、N値30以上の支持地盤に着底させることが可能となる。
ここで、図13のタイムチャートから明らかなように、油圧モータ12の油圧は負荷に応じて常に変動していて、途中のいわゆる過渡状態の油圧の値を的確に認識することは難しいものの、最低圧のほか最高圧であるリリーフ時の圧力(リリーフ圧)のピークは歴然としている。
その一方、先の実施例のように油圧モータ12のリリーフ圧を32MPaにセットした場合、図16の相関グラフから明らかなように、掘進速度が速いほど低い地盤強度でピークをむかえ、遅いほど高い地盤強度まで掘進している。これは掘進速度と負荷抵抗は半比例することにほかならない。つまり、掘進速度が速いほど負荷抵抗が大きいことをあらわしている。
このように掘進速度によって掘進可能な支持地盤の強度(N値)に大きな差が生じている場合には、着底の確認には掘進速度として0.5m/分以下で操作した方が測定誤差としては小さくなってより望ましいものとなる。
例えば図16において、N値20以上に着底させようとする場合には、掘進速度として0.65〜0.70m/分となってくるので、掘進速度を0.5m/分とする場合には油圧モータ12のリリーフ圧を下げる方が望ましい。
混合撹拌時の負荷抵抗は原土の土質性状、改良深度、混合撹拌直後の流動性、掘進速度、撹拌翼の形状等によって変化することは先に述べた。よって、各施工現場において掘進テストを行いリリーフ圧と掘進速度を決定する必要がある。表1で示す着底地盤強度に対するリリーフ圧と掘進速度、表2で示す試験施工時に用いる暫定掘進速度を参考に試験施工により適正掘進速度を決定するが、着底地盤強度(N値)の大きさにかかわらず着底確認の際には掘進速度を0.5m/分以下とすることが望ましい。
1…バックホウ(ベースマシン)
5…混合撹拌ヘッド
6…フレーム
7…駆動輪
8…従動輪
9…ドライブチェーン
10…撹拌翼
12…油圧モータ
13…施工管理装置
24,25…リリーフ弁
32…回転体
33…撹拌翼
G…地盤改良層
Bt…支持地盤
5…混合撹拌ヘッド
6…フレーム
7…駆動輪
8…従動輪
9…ドライブチェーン
10…撹拌翼
12…油圧モータ
13…施工管理装置
24,25…リリーフ弁
32…回転体
33…撹拌翼
G…地盤改良層
Bt…支持地盤
Claims (13)
- バックホウをベースマシンとし且つ油圧モータ駆動の撹拌翼を備えた混合撹拌ヘッドを地中に貫入し、現位置土を掘削しながら固化材と混合撹拌して現位置土の強度増強を図る地盤改良工法にして、支持地盤に対する地盤改良層の底盤部の着底を管理する方法であって、
混合撹拌処理直後における処理土の流動値が予め定めた管理流動値の範囲内のものとなるように混合撹拌処理を行う一方、
撹拌翼駆動用の油圧モータが所定の負荷抵抗値以上となった時には撹拌翼が停止状態となるように油圧モータに付帯するリリーフ弁のリリーフ圧を予め支持地盤の強度に応じた大きさのものに設定しておき、
実施工時には撹拌翼が停止することのない適正掘進速度にて混合撹拌ヘッドを掘進させて、
リリーフ弁にて油圧がリリーフしたときのタイミングをもって地盤改良層の底盤部が支持地盤に着底したとして管理することを特徴とする地盤改良における着底管理方法。 - リリーフ弁の設定リリーフ圧は、前もって行う試験施工時に収集したデータをもとに支持地盤の強度に応じて決定したものであることを特徴とする請求項1に記載の地盤改良における着底管理方法。
- 前もって行う試験施工時に用いるリリーフ弁の設定リリーフ圧と暫定掘進速度の値は、予め定めてあるところの着底地盤の強度に応じたリリーフ圧と掘進速度の相関より決定したものであることを特徴とする請求項2に記載の地盤改良における着底管理方法。
- 混合撹拌ヘッドの適正掘進速度は、前もって行う試験施工時に収集したデータをもとに油圧がリリーフしたときの掘進速度と支持地盤の強度の相関特性を予め定めておき、その相関特性上にて支持地盤の強度を指定して決定したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の地盤改良における着底管理方法。
- 混合撹拌ヘッドの適正掘進速度は、前もって行う試験施工時に収集したデータをもとに油圧変化と掘進速度および支持地盤の強度の相関特性を予め定めておき、その相関特性上にて支持地盤の強度を指定して決定したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の地盤改良における着底管理方法。
- 混合撹拌ヘッドによる混合撹拌処理中に混合撹拌ヘッドの掘進深度と油圧モータの油圧を測定・記録することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の記載の地盤改良における着底管理方法。
- 管理流動値の範囲は、テーブルフロー試験における値で指定した計画流動値に対して上下に幅を持たせた範囲内のものとすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の地盤改良における着底管理方法。
- 混合撹拌ヘッドは、フレーム上部の駆動輪とフレーム下部の従動輪との間に上下方向に周回移動するエンドレスなチェーンを巻き掛け、そのチェーンに複数の撹拌翼を装着したものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の地盤改良における着底管理方法。
- 混合撹拌ヘッドは、放射状の複数の撹拌翼を有する回転体をフレームに回転可能に装着し、この回転体を水平な軸心周りに回転駆動させるものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の地盤改良における着底管理方法。
- バックホウをベースマシンとし且つ油圧モータ駆動の撹拌翼を備えた混合撹拌ヘッドを地中に貫入し、現位置土を掘削しながら固化材と混合撹拌して現位置土の強度増強を図る地盤改良装置において、
撹拌翼駆動用の油圧モータが所定の負荷抵抗値以上となった時には撹拌翼が停止状態となるように油圧モータに付帯するリリーフ弁のリリーフ圧を予め設定してあるとともに、
混合撹拌ヘッドの掘進速度と油圧モータの油圧を測定・記録する手段を備えていることを特徴とする地盤改良装置。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の着底管理方法に用いる地盤改良装置であって、
混合撹拌ヘッドの掘進速度と油圧モータの油圧を測定・記録する手段を備えていることを特徴とする地盤改良装置。 - 混合撹拌ヘッドは、フレーム上部の駆動輪とフレーム下部の従動輪との間に上下方向に周回移動するエンドレスなチェーンを巻き掛け、そのチェーンに複数の撹拌翼を装着したものであることを特徴とする請求項10または11に記載の地盤改良装置。
- 混合撹拌ヘッドは、放射状の複数の撹拌翼を有する回転体をフレームに回転可能に装着し、この回転体を水平な軸心周りに回転駆動させるものであることを特徴とする請求項10または11に記載の地盤改良装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015004251A (ja) * | 2013-06-24 | 2015-01-08 | 平成テクノス株式会社 | 地盤改良工法 |
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JP2019119998A (ja) * | 2017-12-28 | 2019-07-22 | 三和機材株式会社 | 多軸式掘削撹拌装置および多軸式掘削撹拌方法 |
JP2020183677A (ja) * | 2019-05-09 | 2020-11-12 | 株式会社奈良重機工事 | 油圧計測を用いた地盤改良方法および地盤改良装置 |
-
2006
- 2006-06-07 JP JP2006158059A patent/JP2007016586A/ja active Pending
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