JP2007016546A - 建具および建具の製造方法 - Google Patents

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政良 根沢
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Abstract

【課題】反りを抑制できるとともに軽量な建具を提供する。
【解決手段】枠体3の縦框5を、建具1の幅方向に重ねられた複数の木質の縦框材5a,5bと、該縦框材5a,5の間に挟まれ、金属製でかつ長さが縦框材と等しい薄板状の補強プレート7とを備えた構成とする。そして建具1がその面外方向に反ろうとすると、その力を、縦框5内の補強プレート7が抑制する。補強プレート7は、薄板状であるので軽量であり、これを挟む縦框材5a,5bは木質であるので、建具1も軽量なものとなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、建具および建具の製造方法に関する。
従来から、住宅内部の開口部に用いられる建具としては、木質材からなる骨組みの表裏面に、化粧シートや突き板で装飾した木質化粧パネルを接着したり、或いは集成材や合板、木材等の表面に化粧シートや突き板、又は塗装等により装飾した木質化粧材で框組みし、その中央に木質化粧材やガラス等の鏡板を嵌め込んで組み立てたりしたものがよく知られている。
しかしながら、上記木製の建具においては、反り変形が生じ易く、特に背の高い建具の場合には反りの影響が大きくなって、開閉し難くなるという問題があった。
そこで、特許文献1に記載のように、建具の框を金属製成形体で構成して、木質の建具より反りを抑えたものが知られている。このような建具によると、従来の木製建具に比べて反り変形の発生が少なく、例えば2mを超えるような背の高い建具にも対応することができる。
特開2003−41865号公報
しかし、特許文献1に記載の建具では、框を金属製成形体で構成しているので、重量が大きくなってしまうともに高価になる。一方、軽量化するために框を木質の材料で構成すると、上述しやように、反り変形が生じ易くなる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、反りを抑制できるとともに軽量な建具を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、木質の縦框5と木質の横框5とを矩形枠状に組み立ててなる枠体3の両面に、それぞれ面材4が取り付けられてなる建具において、
前記縦框5は、建具の幅方向に重ねられた複数の木質の縦框材5a,5bと、該縦框材5a,5の間に挟まれ、金属製でかつ長さが前記縦框材5a,5bと等しい薄板状の補強プレート7とを備えていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、縦框5が、建具の幅方向に重ねられた複数の木質の縦框材5a,5bと、該縦框材5a,5bの間に挟まれ、金属製でかつ長さが前記縦框材5a,5bと等しい薄板状の補強プレート7とを備えているので、建具1がその面外方向に反ろうとすると、その力を、縦框5内の補強プレート7が抑制する。
補強プレート7は縦框材5a,5bより十分に薄いが、その幅方向を建具1の厚さ方向に向けているので、建具1がその面外方向に反ろうとする力に対して十分に抵抗して、該反り変形を抑制できる。また、補強プレート7は、薄板状であるので軽量であり、これを挟む縦框材5a,5bは木質であるので、建具も軽量なものとなる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の建具において、
前記補強プレート7の幅は、前記縦框材5a,5bの幅とほぼ等しいかそれ以下であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、補強プレート7の幅が、縦框材5a,5bの幅とほぼ等しいかそれ以下であるので、補強プレート7を縦框材5a,5bの幅内に収めることができる、つまり補強プレート7の幅方向の縁部が縦框5からその幅方向に突出するのを防止できる。よって、縦框5の側面に面材4を確実に接着剤によって固定できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の建具において、
前記横框6の端面は、前記縦框材5aの端部側面に突き当てられており、
前記補強プレート7の端部は、該端部から前記縦框材5aを通して横框材6まで止着材を打ち込むことによって、前記縦框材5aに固定されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、補強プレート7の端部が、該端部から前記縦框材5aを通して横框材6まで止着材8を打ち込むことによって、前記縦框材5aに固定されているので、補強プレート7の固定と、縦框材5aの横框材6に対する固定を、止着材8によって同時に行うことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の建具において、
重ねられている前記縦框材5a,5bどうしは、それらの端部の側端面にステープル9を打ち込むことによって仮固定され、
この仮固定された縦框材5a,5bどうしは、それらの端部の側端面に前記面材4,4が接着剤によって貼り付けられることによって、接合固定されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、重ねられている前記縦框材5a,5bどうしが、それらの端部の側端面にステープル9を打ち込むことによって仮固定されているので、縦框材5a,5bどうしの間に補強プレート7が挟まれていても、縦框材5a,5bどうしを確実に仮固定でき、この仮固定された縦框材5a,5bどうしは、それらの端部の側端面に前記面材4,4が接着剤によって貼り付けられることによって、接合固定されているので、縦框材5a,5bどうしを確実に強固に接合固定できる。
請求項5に記載の発明は、例えば図4に示すように、請求項4に記載の建具を製造する製造方法において、
まず、第1の縦框材5aの端部の内側を向く側面に横框6の端面を突き当てるとともに、補強プレート7を第1の縦框材5aの外側を向く側面に平行に配置した後、前記補強プレート7の端部から前記縦框材5aを通して横框材6まで止着材8を打ち込み、
次に、第2の縦框材5bを前記補強プレート7を挟んで、前記第1の縦框材5aの外側を向く側面に平行に配置した後、これら第1および第2の縦框材5a,5bどうしを、それらの端部の側端面にステープル9を打ち込むことによって仮固定し、
次に、仮固定された縦框材5a,5bと横框とによって形成された枠体3の両面にそれぞれ接着剤によって面材4,4を貼り付けることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、第1の縦框材5aの端部の内側を向く側面に横框6の端面を突き当てたるとともに、補強プレート7を第1の縦框材5aの外側を向く側面に平行に配置した後、前記補強プレート7の端部から前記縦框材5aを通して横框材6まで止着材8を打ち込むことによって、外側を向く側面に補強プレート7が取り付けられた第1の框材5aと、横框6とからなる枠体を形成できる。
次に、第2の縦框材5bを前記補強プレート7を挟んで、前記第1の縦框材5aの外側を向く側面に平行に配置した後、これら第1および第2の縦框材5a,5bどうしを、それらの端部の側端面にステープル9を打ち込むことによって仮固定することによって、内部に補強プレート7を備えた木質の縦框5と木質の横框6とを矩形枠状に組み立ててなる枠体3を形成できる。
次に、仮固定された縦框材5a,5bと横框とによって形成された枠体3の両面にそれぞれ接着剤によって面材4,4を貼り付けることによって建具を形成できる。
このように、補強プレート7、第1および第2の縦框材5a,5b、面材4,4によって、本発明に係る建具1を容易に製造できる。
本発明によれば、縦框が、建具の幅方向に重ねられた複数の木質の縦框材と、該縦框材の間に挟まれ、金属製でかつ長さが前記縦框材と等しい薄板状の補強プレートとを備えているので、建具がその面外方向に反ろうとすると、その力を、框内の補強プレートが抑制できる。また、補強プレートは、薄板状であるので軽量であり、これを挟む縦框材は木質であるので、建具も軽量なものとなる。
また、補強プレート、第1および第2の縦框材、面材によって、本発明に係る建具を容易に製造できる
以下、図面を参照して、本発明に係る建具の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る建具の一例を示す斜視図、図2は該建具の分解斜視図である。この建具1は引戸1であり、その表面には取手2が凹設されている。
建具1は、枠体3と、この枠体3の両面にそれぞれ取り付けられた面材4,4とによって構成されている。
枠体3は木質の縦框5と木質の横框6とを矩形枠状に組み立てることによって形成されている。なお、縦框5と横框6との接合部は縦框勝ちとなっている、つまり縦框5の上端部側面に、横框6の端面を突き当てて接合している。
縦框5は、建具1の幅方向に重ねられた2本の木質の縦框材5a,5bと、該縦框材5a,5bの間に挟まれた補強プレート7とを備えている。補強プレート7は、薄板状の鉄板で形成されたもので、その長さは縦框材5a,5bと等しくなっている。また、補強プレート7の幅は、縦框材5a,5bの幅とほぼ等しくなっている。なお、補強プレート7の厚さは約1mm程度である。
また、前記横框6の端面は、縦框材5aの端部側面に突き当てられており、補強プレート7の端部は、該端部から前記縦框材5aを通して横框材6まで釘等の止着材8を打ち込むことによって、縦框材5aに固定されている。
さらに、重ねられている縦框材5a,5bどうしは、それらの端部の側端面にステープル9を打ち込むことによって仮固定されており、この仮固定された縦框材5a,5bどうしは、それらの端部の側端面に面材4,4が接着剤によって貼り付けられることによって、接合固定されている。
次に上記構成の建具1を製造する方法について図4を参照して説明する。
まず、図4(a)、(b)に示すように、第1の縦框材5aの端部の内側を向く側面に横框6の端面を突き当てるとともに、補強プレート7を第1の縦框材5aの外側を向く側面に平行に配置した後、補強プレート7の端部から前記縦框材5aを通して横框材6まで止着材8・・・を打ち込む。これによって、外側を向く側面に補強プレート7が取り付けられた第1の框材5aと、横框6とからなる枠体を形成できる。
次に、図4(c)に示すように、第2の縦框材5bを前記補強プレート7を挟んで、前記第1の縦框材5aの外側を向く側面に平行に配置した後、これら第1および第2の縦框材5a,5bどうしを、それらの端部の側端面にステープル9・・・を打ち込むことによって仮固定する。これによって、内部に補強プレート7を備えた木質の縦框5と木質の横框6とを矩形枠状に組み立ててなる枠体3を形成できる。
なお、図4(a)〜(c)までの工程では、縦框5と横框6の接合部が建具1の4つの角部にあるので、これら4つの角部において同様に行う。
次に、図4(d)に示すように、仮固定された縦框材5の両側端面および横框6の両側面、つまり枠体3の両面にそれぞれ接着剤によって面材4,4を貼り付ける。これによって、建具1を形成できる。
このように、補強プレート7、第1および第2の縦框材5a,5b、面材4,4によって、建具1を容易に製造できる。
なお、取手2は予め面材4,4に形成しておいてもよいし、枠体3に面材4,4を取り付けた後形成してもよい。
本実施の形態の建具1によれば、縦框5が、建具1の幅方向に重ねられた2本の木質の縦框材5a,5bと、該縦框材5a,5bの間に挟まれた薄板状の鉄板製の補強プレート7とを備えているので、建具1がその面外方向に反ろうとすると、その力を、縦框5内の補強プレート7が抑制する。補強プレート7は縦框材5a,5bより十分に薄いが、その幅方向を建具1の厚さ方向に向けているので、建具1がその面外方向に反ろうとする力に対して十分に抵抗して、該反り変形を抑制できる。
また、補強プレート7は、1mm程度の薄板状であるので軽量であり、これを挟む縦框材5a,5bは木質であるので、建具1も軽量なものとなる。
さらに、補強プレート7の幅が、縦框材5a,5bの幅とほぼ等しいので、補強プレート7を縦框材5a,5aの幅内に収めることができる、つまり補強プレート7の幅方向の縁部が縦框5からその幅方向に突出するのを防止できる。よって、縦框5の側面に面材4,4を確実に接着剤によって固定できる。
また、補強プレート7の端部が、該端部から縦框材5aを通して横框材6まで止着材8を打ち込むことによって、縦框材5aに固定されているので、補強プレート7の固定と、縦框材5aの横框材6に対する固定を、止着材8によって同時に行うことができる。
加えて、重ねられている縦框材5a,5bどうしが、それらの端部の側端面にステープル9を打ち込むことによって仮固定されているので、縦框材5a,5bどうしの間に補強プレート7が挟まれていても、縦框材5a,5aどうしを確実に仮固定できる。そして、この仮固定された縦框材5a,5aどうしは、それらの端部の側端面に面材4,4が接着剤によって貼り付けられることによって、接合固定されているので、縦框材5a,5bどうしを確実に強固に接合固定できる。
なお、本実施の形態では、縦框5が2本の縦框材5a,5bを備える構成としたが、縦框を、3本以上の縦框材で構成してもよい。その場合、縦框材どうしの複数の接合面にそれぞれ補強プレートを設けることによって、建具1の反り変形をより確実に抑制できる。
また、本実施の形態では、縦框5の縦框材5a,5bや横框6をムクの木質の角材で形成したが、これに限ることなく、LVL(単板積層材)や集成材等によって形成してもよい。
本発明に係る建具の一例を示すもので、建具の斜視図である。 同、建具の分解斜視図である。 同、建具の縦框と横框との接合部を示す断面図である。 本発明に係る建具の製造方法の一例を説明する工程図である。
符号の説明
1 建具
3 枠体
4 面材
5 縦框
5a,5b 縦框材
6 横框
7 補強プレート
8 止着材
9 ステープル

Claims (5)

  1. 木質の縦框と木質の横框とを矩形枠状に組み立ててなる枠体の両面に、それぞれ面材が取り付けられてなる建具において
    前記縦框は、建具の幅方向に重ねられた複数の木質の縦框材と、該縦框材の間に挟まれ、金属製でかつ長さが前記縦框材と等しい薄板状の補強プレートとを備えていることを特徴とする建具。
  2. 請求項1に記載の建具において、
    前記補強プレートの幅は、前記縦框材の幅とほぼ等しいかそれ以下であることを特徴とする建具。
  3. 請求項1または2に記載の建具において、
    前記横框の端面は、前記縦框材の端部側面に突き当てられており、
    前記補強プレートの端部は、該端部から前記縦框材を通して横框材まで止着材を打ち込むことによって、前記縦框材に固定されていることを特徴とする建具。
  4. 請求項3に記載の建具において、
    重ねられている前記縦框材どうしは、それらの端部の側端面にステープルを打ち込むことによって仮固定され、
    この仮固定された縦框材どうしは、それらの端部の側端面に前記面材が接着剤によって貼り付けられることによって、接合固定されていることを特徴とする特徴とする建具。
  5. 請求項4に記載の建具を製造する製造方法において、
    まず、第1の縦框材の端部の内側を向く側面に横框の端面を突き当てるとともに、補強プレートを第1の縦框材の外側を向く側面に平行に配置した後、前記補強プレートの端部から前記縦框材を通して横框材まで止着材を打ち込み、
    次に、第2の縦框材を前記補強プレートを挟んで、前記第1の縦框材の外側を向く側面に平行に配置した後、これら第1および第2の縦框材どうしを、それらの端部の側端面にステープルを打ち込むことによって仮固定し、
    次に、仮固定された縦框材と横框とによって形成された枠体の両面にそれぞれ接着剤によって面材を貼り付けることを特徴とする建具の製造方法。
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