JP2007016213A - 重合性液晶組成物およびその重合体 - Google Patents

重合性液晶組成物およびその重合体 Download PDF

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Abstract

【課題】トリアセチルセルロースフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルムなどの透明プラスチックフィルムまたはガラスなどの支持基板に塗工することができる重合性液晶組成物であり、その重合性液晶組成物を基板上に配向させ、その配向を保ったまま高分子化したフィルムを提供する。
【解決手段】第1成分として、下記式で示されるような化合物、および下記式に類する特定の構造を有する化合物を含有する重合性液晶組成物、この重合性液晶組成物を重合させることによって得られる重合体。
Figure 2007016213

【選択図】 なし

Description

本発明は、−C(CF−(hexafluoroisopropylidene)または−SO−(sulfonyl)を有する化合物およびそれを含有することを特徴とする重合性液晶組成物、この組成物から得られる重合体、その用途などに関する。
重合性化合物が液晶性を有するとき、この化合物を重合させることによって光学異方性を有する重合体が得られることが知られている(特許文献1)。これは、液晶分子の配向(orientation)が重合によって固定されるからである。そのような化合物の例は−OCOCH=CHを有する液晶化合物である(特許文献2)。紫外線の照射によって室温で重合する液晶化合物も知られている(特許文献3)。このような重合性の液晶化合物は、液晶性を有しない重合性化合物との共重合を行なう。この非液晶化合物は、得られる共重合体の特性を制御する役割を有する。したがって、重合性の非液晶化合物の開発は、適切な光学異方性を有する重合体を得るために重要である。
特開2001−55573号公報 特開2001−154019号公報 特開2005−60373号公報
本発明の課題は、例えば、トリアセチルセルロースフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルムなどの透明プラスチックフィルムまたはガラスなどの支持基板に塗工することができる重合性液晶組成物であり、その配向がホモジニアス、ホメオトロピック、ハイブリッドなどの配向性を有する。この課題は、その重合性液晶組成物を基板上に配向させ、その配向を保ったまま高分子化したフィルムである。この課題は、光学異方性を有する、無色透明である、光弾性が小さい、支持基板から剥離しにくい、充分な硬度を有する、耐熱性が大きい、耐光性が大きい、などの特性において、複数の特性を充足する重合体フィルムでもある。また、本発明の課題は重合性液晶組成物に添加することで、配向を安定化させ、配向欠陥の少ない塗膜を得ることができる重合性の化合物である。
本発明は、第一成分として式(1−1)および式(1−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を、第二成分として式(2−1)および式(2−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を、そして第三成分として式(3−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する重合性液晶組成物、この組成物を重合させることによって得られる重合体、この重合体の用途、および式(7)、(8)、(9)、(10)、および(11)で表される重合性の化合物を含む。

Figure 2007016213

式(1−1)および式(1−2)において;YおよびYは独立して単結合、−(CH−または−CH=CH−であり;WおよびWは独立して水素またはフッ素であり;m、m、nおよびnは独立して2から15の整数であり、
式(2−1)および式(2−2)において;Wは水素またはフッ素であり;WおよびWは独立して水素またはメチルであり;Wは水素またはメチルであり;Xは−O−または式(X−2)で表される基であり;m、m、nおよびnは独立して2から15の整数であり、
Figure 2007016213
式(3−1)において;Rはシアノ、トリフルオロメトキシ、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり;Wは水素またはフッ素であり;Xは単結合、−COO−、または−OCO−であり;mは2から15の整数である。
本発明は、非液晶性の重合性化合物を含有する重合性液晶組成物である。この組成物を基板に塗工するとホメオトロピック、ホモジニアス、ハイブリッドなどの配向性を示す。このような組成物から得られる重合体は、光学異方性を有する、無色透明である、光弾性が小さい、支持基板から剥離しにくい、充分な硬度を有する、耐熱性が大きい、耐光性が大きい、などの特性において、複数の特性を充足する。本発明は、重合性を有し、そして液晶性を有しない化合物である。この化合物は、室温でも重合しやすい、光重合しやすい、溶媒にとけやすい、無色である、化学的に安定である、重合性の液晶化合物との相溶性がよい、支持基板に対するぬれ性がよい、などの特性において、複数の特性を充足する。この化合物は、それが添加された重合性液晶組成物を長期に亘り安定化させ、さらに液晶分子の配向を制御する。この化合物は、複数の特性に関して適切なバランスを有する。
この明細書における用語の使い方は次のとおりである。液晶化合物は、液晶相を有する化合物、および液晶相を有しないが液晶組成物の成分として有用な化合物の総称である。液晶相はネマチック相、スメクチック相、コレステリック相などであり、多くの場合ネマチック相を意味する。重合性は、光、熱、触媒などの手段により単量体が重合し、重合体を与える能力を意味する。式(1−1)などで表わされる化合物を、それぞれ化合物(1−1)などのように表記することがある。重合性化合物の重量%は、組成物に含有される重合性化合物の全重量に基づいた割合である。添加物の重量%は、重合性化合物の全重量に基づいた割合である。
重合性の液晶化合物から得られる重合体は光学異方性を有する。液晶分子の配向が重合によって固定されるからである。我々は、非液晶性の重合性化合物である化合物(1−1)、化合物(1−2)、化合物(5−1)または化合物(5−2)を重合性液晶組成物に加えることにより、重合性液晶組成物の配向が安定化し、配向欠陥のない、重合性液晶塗向膜が得られること、またその塗膜を重合させると、液晶分子の配向が固定化されたまま重合が進み、配向欠陥のない光学異方性フィルムが得られることを見出した。また非液晶性の重合性化合物の分子構造を見直し、重合性液晶組成物との相溶性に優れ、さらに、それが添加された重合性液晶組成物を長期に亘り安定化させる化合物を見出し下記の項を含む本発明を完成させた。
(1)第一成分として式(1−1)および式(1−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、第二成分として式(2−1)および式(2−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、および第三成分として式(3−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する重合性液晶組成物。

Figure 2007016213

式(1−1)および式(1−2)において;YおよびYは独立して単結合、−(CH−または−CH=CH−であり;WおよびWは独立して水素またはフッ素であり;m、m、nおよびnは独立して2から15の整数であり、式(2−1)および式(2−2)において;Wは水素またはフッ素であり;WおよびWは独立して水素またはメチルであり;Wは水素またはメチルであり;Xは−O−または式(X−2)で表される基であり;m、m、nおよびnは独立して2から15の整数であり、
Figure 2007016213
式(3−1)において;Rはシアノ、トリフルオロメトキシ、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり;Wは水素またはフッ素であり;Xは単結合、−COO−、または−OCO−であり;mは2から15の整数である。
(2)第二成分が式(2−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物であり、重合性液晶組成物に対する、第一成分の含有割合が1〜25重量%の範囲であり、第二成分の含有割合が50〜98重量%の範囲であり、第三成分の含有割合が1〜25重量%の範囲であり、式(1−1)および式(1−2)において;YおよびYが独立して単結合または−(CH−であり;WおよびWが独立して水素またはフッ素であり;m、m、n、およびnが独立して2から10の整数であり、式(2−1)において;Wが水素であり;Wが水素であり;Wがメチルであり;mおよびnが独立して2から10の整数であり、式(3−1)において;Xが単結合、−COO−、または−OCO−であり;Wが水素であり;mが2から10の整数であり;Rがシアノ、炭素数2〜8のアルキル、または炭素数2〜8のアルコキシである、前記第1項に記載の重合性液晶組成物。
(3)重合性液晶組成物に対する、第一成分の含有割合が7〜22重量%の範囲であり、第二成分の含有割合が56〜86重量%の範囲であり、第三成分の含有割合が7〜22重量%の範囲であり、式(1−1)、式(1−2)において;YおよびYが独立して単結合または−(CH−であり;WおよびWが水素であり;m、m、n、およびnが独立して4から6の整数であり、式(2−1)において;Wが水素であり;Wが水素であり;Wがメチルであり;mおよびnが独立して4から6の整数であり、式(3−1)において;Xが単結合であり;Wが水素であり;mが4から6の整数であり;Rがシアノである、前記第2項に記載の重合性液晶組成物。
(4)第二成分が式(2−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物であり、重合性液晶組成物に対する、第一成分の含有割合が1〜25重量%の範囲であり、第二成分の含有割合が50〜98重量%の範囲であり、第三成分の含有割合が1〜25重量%の範囲であり、式(1−1)および式(1−2)において;YおよびYは独立して単結合または−(CH−であり;WおよびWは独立して水素またはフッ素であり;m、m、n、およびnは独立して2から10の整数であり、式(2−2)において;Xは−O−または(X−2)で表される基であり;Wは水素またはメチルであり;mおよびnは独立して2から10の整数であり、
Figure 2007016213
式(3−1)において;Xは単結合、−COO−、または−OCO−であり;Wは水素であり;mは2から10の整数であり、Rはシアノ、炭素数2〜8のアルキル、または炭素数2〜8のアルコキシである、前記第1項に記載の重合性液晶組成物。
(5)重合性液晶組成物に対する、第一成分の含有割合が7〜22重量%の範囲であり、第二成分の含有割合が56〜86重量%の範囲であり、第三成分の含有割合が7〜22重量%の範囲であり、式(1−1)および式(1−2)において;YおよびYが独立して単結合または−(CH−であり;WおよびWが水素であり;m、m、n、およびnが独立して4から6の整数であり、式(2−2)において;Wがメチルであり;Xが−O−であり;mおよびnが独立して4から6の整数であり、式(3−1)において;Xが単結合であり;Wが水素であり;mが4から6の整数であり;Rがシアノである、前記第4項に記載の重合性液晶組成物。
(6)前記第1項〜第5項の何れか1項に記載の重合性液晶組成物と式(4)で表されるシランカップリング剤とを含有する重合性液晶組成物であって、重合性液晶組成物とシランカップリング剤との割合が、重量比で100:1〜100:10の範囲である、重合性液晶組成物。
Figure 2007016213

式(4)中、Rはメチルまたはエチルであり、nは1〜5の整数である。
(7)第一成分として式(5−1)および式(5−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、第二成分として式(6−1)および式(6−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、および第三成分として式(7−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する重合性液晶組成物。

Figure 2007016213

式(5−1)および式(5−2)において;RおよびRは独立してメチルまたはエチルであり;YおよびYは独立して単結合、−(CH−または−CH=CH−であり;WおよびWは独立して水素またはフッ素であり;QおよびQは独立して単結合、−O−(CH)r−または−(CH)r−O−であり、rは1から15の整数であり、式(6−1)および式(6−2)において;W10およびW11は独立して水素またはメチルであり;m、m、nおよびnは独立して2から15の整数であり、式(7−1)において;Xは単結合、−COO−、または−OCO−であり;Rはシアノ、炭素数2〜8のアルキルまたは炭素数2〜8のアルコキシであり;mは2〜15の整数である。
(8)第一成分が式(5−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物であり、第二成分が式(6−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物であり、重合性液晶組成物に対する、第一成分の含有割合が1〜20重量%の範囲であり、第二成分の含有割合が60〜98重量%の範囲であり、第三成分の含有割合が1〜20重量%の範囲であり、式(5−1)において;Rがメチルまたはエチルであり;Yが単結合または−(CH−であり;Wが水素またはフッ素であり;Qが単結合、−O−(CH)r−または−(CH)r−O−であり、rが1から10の整数であり、式(6−1)において;W10およびW11は独立して水素またはメチルであり;mおよびnが独立して2から10の整数であり、式(7−1)において;Xが単結合であり;Rがシアノであり;mが2〜10の整数である、前記第7項に記載の重合性液晶組成物。
(9)重合性液晶組成物に対する、第一成分の含有割合が7〜20重量%の範囲であり、第二成分の含有割合が60〜86重量%の範囲であり、第三成分の含有割合が7〜20重量%の範囲であり、式(5−1)において;Rがエチルであり;Yが単結合であり;Wが水素であり;Qが単結合であり、式(6−1)において;W10およびW11が独立して水素またはメチルであり;mおよびnが独立して4から6の整数であり、式(7−1)において;Xが単結合であり;Rがシアノであり;mが2から4の整数である、前記第8項に記載の重合性液晶組成物。
(10)前記第1項から第9項の何れか1項に記載の重合性液晶組成物を重合させることによって得られる重合体。
(11)前記第1項から第9項の何れか1項に記載の組成物を重合させることによって得られる、光学異方性を有する重合体フィルム。
(12)前記第11項に記載された光学異方性を有する重合体フィルムの、位相差板としての使用。
(13)前記第12項に記載の光学異方性を有する重合体フィルムを使用した液晶表示素子。
(14)式(7)で表される化合物。
Figure 2007016213

式(7)において;Yは−CHCH−または−CH=CH−であり;m、nは独立して2から15の整数である。
(15)式(8)で表される化合物。
Figure 2007016213

式(8)において;m、nは独立して2から15の整数である。
(16)式(9)で表される化合物。
Figure 2007016213

式(9)において;Yは−CHCH−または−CH=CH−であり;m10、n10は独立して2から15の整数である。
(17)式(10)で表される化合物。
Figure 2007016213

式(10)において;Rは水素、メチルまたはエチルであり;Aは1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイルまたはピリジン−2,5−ジイルであり;Yは単結合、−CHCH−または−CH=CH−であり;Qは単結合、−O−(CH)r−または−(CH)r−O−であり、rは1から15の整数である。
(18)式(10)において;Rがメチルまたはエチルであり;Aが1,4−フェニレンであり;Yが単結合であり;Qが単結合である、前記第17項に記載の化合物。
Figure 2007016213
(19)式(11)で表される化合物。
式(11)において;Rは水素、メチルまたはエチルであり;Aは1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイルまたはピリジン−2,5−ジイルであり;Yは単結合、−CHCH−または−CH=CH−であり;Qは単結合、−O−(CH)r−または−(CH)r−O−であり;rは1から15の整数である。
(20)式(11)において;Rがエチルであり;Aが1,4−フェニレンであり;Yが単結合であり;Qが単結合である、前記第19項に記載の化合物。
(21)式(11)において;Rがメチルまたはエチルであり;Aが1,4−フェニレンであり;Yが単結合であり;Qが−O−(CH)r−または−(CH)r−O−であり;rが1から10の整数である;前記第19項に記載の化合物。
本発明の重合性組成物は、それを構成する化合物の群の種類により5つの組成物グループに分類することができる。
第1の組成物グループ(以下「MIX1」と言うことがある。)は、第一成分として式(1−1)および式(1−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、第二成分として式(2−1)および式(2−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、第三成分として式(3−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する重合性液晶組成物である。
<MIX1>
Figure 2007016213
第2の組成物グループ(以下「MIX2」と言うことがある。)は、第一成分として式(1−1)および式(1−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、第二成分として式(2−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、第三成分として式(3−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する重合性液晶組成物である。
<MIX2>
Figure 2007016213
第3の組成物グループ(以下「MIX3」と言うことがある。)は、第一成分として式(1−1)および式(1−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、第二成分として式(2−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、第三成分として式(3−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する重合性液晶組成物である。
<MIX3>
Figure 2007016213
第4の組成物グループ(以下「MIX4」と言うことがある。)は、第一成分として式(5−1)および式(5−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、第二成分として式(6−1)および式(6−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、第三成分として式(7−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する重合性液晶組成物である。
<MIX4>
Figure 2007016213
第5の組成物グループ(以下「MIX5」と言うことがある。)は、第一成分として式(5−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、第二成分として式(6−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、第三成分として式(7−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する重合性液晶組成物である。
<MIX5>
Figure 2007016213
先ず、アクリロイルオキシ基を有する化合物により構成される重合性液晶組成物について説明する。MIX1、MIX2、およびMIX3は液晶性を示し、重合性を有する。これらの重合性液晶組成物は、重合触媒、増感剤、微粒子、溶媒、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、シランカップリング剤、非液晶性の多官能モノマーなどの添加物をさらに含有してもよい。
MIX1、MIX2、およびMIX3に用いられている第一成分は非液晶性の重合性化合物である。第一成分は式(1−1)または式(1−2)で表される化合物である。この化合物は、−Ph−C(CF−Ph−または−Ph−SO−Ph−の骨格を有する。Phは1,4−フェニレンである。どちらの骨格も強い電子吸引性基を有する。したがって、大きな双極子モーメントを有するので、液晶分子の配向を制御できると予測した。また、これらの化合物は折れ曲がった分子構造を有するので、配向を制御する能力が大きくなると推定した。−Ph−C(CF−Ph−を有する化合物は、−Ph−SO−Ph−を有する化合物に比べて他の重合性化合物との相溶性がよいようである。−Ph−SO−Ph−を有する化合物は、−Ph−C(CF−Ph−を有する化合物に比べて安価に合成できる。折れ曲がり構造を持つ化合物として、重合性基を持たない化合物が、Molecules 2000, 5, p383やChem. Mater. 2003, 15, P3443に開示されている。また、重合性基を持つ化合物もEP703287に開示されている。しかしながら、重合性液晶組成物に添加して配向を制御する目的で合成された化合物ではない。
アクリロイルオキシ基を両末端に有する化合物(1−1)、化合物(1−2)において、YおよびYは独立して単結合、−(CH−または−CH=CH−であり、WおよびWは独立して水素またはフッ素であり、m、m、nおよびnは独立して2から15の整数である。そのうち好ましい化合物を図示する。
Figure 2007016213

Figure 2007016213
Figure 2007016213
Figure 2007016213
Figure 2007016213
次に、化合物の合成法を説明する。本発明に用いられる化合物は、フーベン・ヴァイル(Houben Wyle, Methoden der Organischen Chemie, Georg Thieme Verlag, Stuttgart)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wily & Sons Inc.)、オーガニック・シンセセーズ(Organic Syntheses, John Wily & Sons, Inc.)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などに記載された、有機化学における合成方法を適切に組み合わせることにより合成できる。
本発明の化合物(1−1)または化合物(1−2)は次のように合成する。−OCOCH=CHを有するカルボン酸誘導体[b−1]は、Polymer Journal, Vol.35, No.2, pp160−166(2003)に記載の方法に従って合成する。ジエステルの生成法は、開2003−277359号公報(段落0040〜0053)に開示されている。化合物の合成スキームを例示して説明する。

Figure 2007016213

スキーム1.化合物(1−1)の合成
化合物(1−1)の合成をスキーム1に示す。2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン[a]と2当量の酸誘導体[b−1]とのエステル化によって化合物(1−1)を合成する。化合物(1−2)を合成には、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン[a]の代わりに下記の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン[S]を用いて同様のエステル化反応を行なう。
Figure 2007016213
第二成分は2つのアクリロイルオキシ基を有しており液晶相を示す化合物である。第二成分は式(2−1)または式(2−2)である。この化合物は、広い温度範囲で液晶相を示す。この化合物の量を調整することで、本発明の重合性液晶組成物のNI点(ネマチック相−等方相の転移点)の温度を調整する。
アクリロイルオキシ基を両末端に有する化合物(2−1)および化合物(2−2)において、Wは水素またはフッ素であり、WおよびWは独立して水素またはメチルであり、Wは水素またはメチルであり、Xは−O−または式(X−2)で表される基であり、m、m、nおよびnは独立して2から15の整数である。
Figure 2007016213
先ず、化合物(2−1)のうち好ましい化合物(2−1−1)〜化合物(2−1−8)を図示する。





Figure 2007016213
これらの化合物は特開2003−238491号公報に記載の方法で合成する。
化合物(2−2)のうち好ましい化合物(2−2−1)〜化合物(2−2−10)を図示する。

Figure 2007016213
化合物(2−2−1)および化合物(2−2−7)はMakromol. Chem., 190, 3201-3215 (1998) に記載の方法にしたがって合成する。化合物(2−2−9)、化合物(2−2−10)はWO97/00600に記載された方法で合成する。
第3成分は1つのアクリロイルオキシ基を有している化合物である。この化合物群は液晶相を示しても、示さなくてもよい。この第三成分は式(3−1)である。この化合物の融点は100℃以下である。この化合物は本発明の重合性液晶組成物の融点を調整する目的で使用する。
アクリロイルオキシ基を1つ有する化合物(3−1)において、Rはシアノ、トリフルオロメトキシ、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり、Wは水素またはフッ素であり、Xは単結合、−COO−、または−OCO−であり、mは2から15の整数である。そのうち好ましい化合物(3−1−1)〜化合物(3−1−7)を図示する。
Figure 2007016213
化合物(3−1−1)〜化合物(3−1−3)は、Macromolecules, 26, 6132-6134 (1993) に記載の方法に従って合成する。化合物(3−1−4)〜化合物(3−1−7)は、Makromol.Chem. 183, 2311-2321 (1982)に記載の方法で合成する。
MIX1、MIX2、およびMIX3において、第一成分、第二成分、第三成分のそれぞれの含有割合は特に限定されるものではないが、本発明においては、第一成分の含有割合は1〜25重量%の範囲、第二成分の含有割合は50〜98重量%の範囲、第三成分の含有割合は1〜25重量%の範囲であることが好ましい。特に好ましくは、第一成分の含有割合が7〜22重量%の範囲、第二成分の含有割合が56〜86重量%の範囲、第三成分の含有割合は7〜22重量%の範囲である。
以上紹介したMIX1、MIX2、MIX3のうち、MIX2およびMIX3は、ホモジニアス配向を示しやすい。さらに、MIX2またはMIX3にシランカップリング剤を添加すると、それぞれの配向をホメオトロピック配向に変えることができる。
シランカップリン剤の添加割合は、重合性液晶組成物100重量部に対して、1〜10重量部の割合であることが好ましい。即ち、重合性液晶化合物:シランカップリング剤=100:1〜100:10(重量比)の範囲であることが好ましい。
本発明に使用するシランカップリング剤は特に限定されるものではないが、下記の式(4)で表されるシランカップリング剤が好ましい。
Figure 2007016213

式(4)中、Rはメチルまたはエチルであり、nは1〜5の整数である。
本発明の重合性液晶組成物において好ましい組成を表1に示す。
表1
組成物 第一成分 割 合 第二成分 割 合 第三成分 割 合
MIX2 (1-1)または(1-2) 1-25wt% (2-1) 50-98wt% (3-1) 1-25wt%
MIX3 (1-2)または(1-2) 1-25wt% (2-2) 50-98wt% (3-1) 1-25wt%
注)MIX2、MIX3は、光ラジカル重合触媒の存在下、窒素雰囲気で紫外線などを照射することによって室温で重合した。
1)ホモジニアス配向したMIX2またはMIX3
MIX2またはMIX3をラビング処理した透明な支持基板に塗布した。支持基板は、ケン化処理したトリアセチルセルロースフィルムまたは親水化処理したノルボルネン樹脂フィルムである。親水化はコロナ処理またはプラズマ処理によって行なった。この組成物における液晶分子の配向はホモジニアスであった。重合性化合物の全重量に基づいて1〜15重量%の光ラジカル重合触媒を組成物に添加したあと、これにチッソ雰囲気下で紫外線を照射することによって重合体が容易に得られた。この重合体は、組成物における配向を維持した。
2)ホメオトロピック配向した重合性液晶組成物
MIX2またはMIX3にアミノプロピルトリエトキシシランを、重合性化合物100重量部に対してアミノプロピルトリエトキシシラン1〜10重量部の割合となるように添加した。得られた組成物をラビング処理しない上記の支持基板に塗布した。この組成物における配向はホメオトロピックであった。この配向は、1)項と同様に重合させたあとでも維持された。配向処理していないガラス基板に塗布した場合も、配向はホメオトロピックであった。
次いでMIX4およびMIX5について説明する。MIX4はオキセタニル基あるいはオキシラニル基を重合性の官能基として有している化合物により構成されている。この組成物は液晶性を示し、重合性を有する。この重合性液晶組成物は、重合触媒、増感剤、微粒子、溶媒、重合禁止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、シランカップリング剤、非液晶性の多官能モノマーなどの添加物をさらに含有してもよい。
MIX4、およびMIX5、に用いられている第一成分は、非液晶性の重合性化合物である。第一成分は式(5−1)または式(5−2)で表される化合物である。この化合物は、−Ph−C(CF−Ph−または−Ph−SO−Ph−の骨格を有する。Phは1,4−フェニレンである。これらの化合物は配向を制御し安定化する能力がある。
化合物(5−1)および(5−2)において、RおよびRは独立してメチルまたはエチルであり、YおよびYは独立して単結合、−(CH−または−CH=CH−であり、WおよびWは独立して水素またはフッ素であり、QおよびQは独立して単結合、−O−(CH)r−または−(CH)r−O−であり、rは1から15の整数である。それらのうち好ましい化合物を図示する。
Figure 2007016213
Figure 2007016213
Figure 2007016213
化合物(5−1)および化合物(5−2)は次のように合成する。オキセタン環を有するカルボン酸誘導体[b−2]の合成には、3−アルキル−3−オキセタンメタノールを出発物として利用することができる。3−エチル−3−オキセタンメタノールおよび3−メチル−3−オキセタンメタノールは市販されている。文献の方法に従って、これらの化合物と1,2−ジブロモエタン、1,4−ジブロモブタン、1,6−ジブロモヘキサン、1,8−ジブロモオクタンなどのα,ω−ジブロモメチレンとを反応させることによって、炭素鎖長を延ばすことができる。文献は、Macromolecules, 24, 4531−4537 (1991)である。
化合物(5−1)を合成するには、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン[a]と2当量の安息香酸誘導体[b−2]とのエステル化によって化合物(5−1)を合成する。化合物(5−2)を合成には、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン[a]の代わりに下記の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン[S]を用いて同様に反応を行なう。
Figure 2007016213
第二成分は2つのオキシラニル基を持ち、液晶相を有する重合性化合物群であり、式(6−1)または式(6−2)で表される。この化合物は、広い温度範囲で液晶相を示す。この化合物の量を調整することで、本発明の重合性液晶組成物のNI点(ネマチック相−等方相の転移点)の温度を調整する。
化合物(6−1)および(6−2)において、W10およびW11は独立して水素またはメチルであり、m、m、nおよびnは独立して2から15の整数である。それらのうち好ましい化合物(6−1−1)〜化合物(6−2−4)を図示する。

Figure 2007016213
化合物(6−1−1)〜化合物(6−1−6)は、特開2005−60373公報に記載の方法に従って合成する。化合物(6−2−1)〜化合物(6−2−4)は、Macromolecules, 26, 1244-1247 (1993) に記載の方法に従って合成する。
第3成分はオキシラニル基を有する重合性化合物である。この化合物群は液晶相を示しても、示さなくてもよい。この第三成分は式(7−1)である。この化合物は、融点が100℃以下で低い。この化合物は本発明の重合性液晶組成物の融点を調整する目的で使用する。
化合物(7−1)において、Xは単結合、−COO−、または−OCO−であり、Rはシアノまたは炭素数2〜8のアルキルまたはアルコキシであり、mは2〜15の整数である。それらのうち好ましい化合物(7−1−1)〜化合物(7−1−4)を図示する。
Figure 2007016213
化合物(7−1−1)〜化合物(7−1−4)は、Macromol Chem. Phys, 196, 2941-2954 (1995) に記載の方法に従って合成する。
MIX4およびMIX5において、第一成分、第二成分、第三成分のそれぞれの含有割合は特に限定されるものではないが、本発明においては、第一成分の含有割合は1〜20重量%の範囲、第二成分の含有割合は60〜98重量%の範囲、第三成分の含有割合は1〜20重量%の範囲であることが好ましい。特に好ましくは、第一成分の含有割合が7〜20重量%の範囲、第二成分の含有割合が60〜86重量%の範囲、第三成分の含有割合は7〜20重量%の範囲である。
以上紹介した、MIX4およびMIX5のうち、好ましい組成物はMIX5である。特に好ましい組成物は、MIX5のうち、第一成分の割合が1〜20重量%の範囲であり、第二成分の割合が60〜98重量%の範囲であり、第三成分の割合が1〜20重量%の範囲である組成物である。
1)ホモジニアス配向したMIX5
MIX5を前述のラビング処理した支持基板に塗布した。この組成物における配向はホモジニアスであった。重合性化合物の全重量に基づいて1〜15重量%の光カチオン重合触媒をこの組成物に添加したあと、これに紫外線を照射することによって、重合体が容易に得られた。重合は空気中でも進行した。この重合体は、組成物における配向を維持した。
本発明の重合性液晶組成物は、必要に応じて添加物などをさらに含有してもよい。その他の重合性化合物は、組成物や重合体の特性をさらに調節するのに適している。添加剤の例は、シランカップリング剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、微粒子、溶媒、非液晶性の多官能モノマーなどである。これらの添加剤は、組成物や重合体の特性を調整するのに使われる。重合に必要な添加物の例は、重合開始剤、増感剤などである。組成物を希釈するためには有機溶媒が好ましい。その他の重合性化合物および添加物の例を以下に示す。
シランカップリング剤の例は、ビニルトリアルコキシシシラン、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−クロロトリアルコキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランなどである。別の例は、これらの化合物において、アルコキシ基(3つ)のうちの1つをメチルに置き換えられたジアルコキシメチルシランである。好ましいシランカップリング剤は、3−アミノプロピルトリエトキシシランである。
界面活性剤の例は、4級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールおよびそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ペルフルオロアルキルスルホン酸塩、ペルフルオロアルキルカルボン酸塩、ペルフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、ペルフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などである。界面活性剤は組成物を支持基板などに塗布するのを容易にするなどの効果を有する。界面活性剤の好ましい割合は、界面活性剤の種類、組成物の組成比などにより異なるが、重合性化合物の全重量に基づいて100ppm〜5重量%の範囲である。さらに好ましい割合は0.1〜1重量%の範囲である。
酸化防止剤の例は、ヒドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、トリフェニルフォスファイト、トリアルキルフォスファイトなどである。好ましい市販品は、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製のイルガノックス245、イルガノックス1035などである。
紫外線吸収剤の例は、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製のTINUVIN PS、TINUVIN 292、TINUVIN 109、TINUVIN 328、TINUVIN 384−2、TINUVIN 123、TINUVIN 400、TINUVIN 400Lなどである。
微粒子の材質の例は、無機物、有機物、金属などである。微粒子の好ましい粒径は、0.001〜0.1μmでの範囲ある。さらに好ましい粒径は0.001〜0.05μmの範囲である。材質にもよるが、凝集現象を防止するために、小さい粒径が好ましい。粒径の分布はシャープな方が好ましい。このような微粒子は、光学異方性を調整したり、重合体の強度を上げる、などに有用である。好ましい割合は、重合性化合物の全重量に基づいて0.1〜30重量%の範囲である。添加の目的を達する限り、少ない割合が好ましい。
無機物の例は、セラミックス、フッ素金雲母、フッ素四ケイ素雲母、テニオライト、フッ素バーミキュライト、フッ素ヘクトライト、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、カオリナイト、フライポンタイト、ZnO、TiO、CeO、Al、Fe、ZrO、MgF、SiO、SrCO、Ba(OH)、Ca(OH)、Ga(OH)、Al(OH)、Mg(OH)、Zr(OH)などである。炭酸カルシウムの針状結晶などの微粒子は光学異方性を有する。このような微粒子によって、重合体の光学異方性を調節できる。有機物の例は、カーボンナノチューブ、フラーレン、デンドリマー、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、ポリイミドなどである。
光ラジカル重合開始剤は汎用品でよい。この開始剤の例は、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)の製品のうちから、DAROCUR1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)、IRGACURE184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、IRGACURE651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、IRGACURE500、IRGACURE2959、IRGACURE907、IRGACURE369、IRGACURE1300、IRGACURE819、IRGACURE1700、IRGACURE1800、IRGACURE1850、DAROCUR4265、IRGACURE784などである。
光ラジカル重合開始剤のその他の例は、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン混合物、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール混合物、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4−ジエチルキサントン/p−ジメチルアミノ安息香酸メチル混合物、ベンゾフェノン/メチルトリエタノールアミン混合物などである。このような光ラジカル重合開始剤は、MIX1、MIX2およびMIX3に適している。この組成物の主成分は−OCOCH=CHを有する化合物であるからである。
光カチオン重合開始剤の例は、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩などである。このような開始剤は、MIX4またはMIX5に適している。この組成物の主成分はオキセタン環またはオキシラン環を有する化合物であるからである。
光カチオン重合開始剤の商品名の例は、みどり化学(株)のDTS−102などである。この例は、ダウ・ケミカル社のサイラキューアーUVI−6990、サイラキュアーUVI−6974、サイラキュアーUVI−6992などである。この例は、旭電化(株)のアデカオプトマーSP−150、SP−152、SP−170、SP−172などである。この例は、ローディア社のPHOTOINITIATOR2074、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社のIRGACURE250、GEシリコンズ社のUV−9380C、などである。このような光カチオン重合開始剤は、MIX4、MIX5に適している。この組成物の主成分はオキセタニル其またはオキシラニル其を有する化合物であるからである。
増感剤の例はチオキサントンまたは川崎化成株式会社のアントラキュアーUVS−1331などである。
溶媒の例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、乳酸エチル、乳酸メチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブなどである。溶媒は単一化合物であってもよいし、または混合物であってもよい。溶媒は、本発明の重合性液晶組成物を支持基板に塗布するときに用いられる。
非液晶性の多官能モノマーの例は、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールEO付加トリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、ペンタエリストールテトラアクリレート、トリスアクリロキシエチルフォスフェート、ビスフェノールA EO付加ジアクリレート、ビスフェノールAグリシジルジアクリレート(大阪有機化学株式会社製、商品名:ビスコート700)、およびポリエチレングリコールジアクリレートである。これらの化合物は、MIX1、MIX2、またはMIX3に添加して粘度の調整、あるいは、重合体の硬度をより大きくするために用いることができる。
次に、本発明の組成物の重合条件について説明する。本発明の重合性液晶組成物を重合させることによって重合体が得られる。優れた配向の重合体を得るために、熱重合よりも光重合触媒を用いた重合が好ましい。組成物が液晶である条件下で、重合を行なわせるのが容易だからである。
光重合に用いられる好ましい光の種類は、使用する光重合開始剤の吸収波長に依存する。通常は紫外線、可視光線、赤外線などである。電子線、X線などの電磁波を用いてもよい。好ましい波長の範囲は150〜500nmである。さらに好ましい範囲は250〜450nmであり、最も好ましい範囲は300〜400nmである。光源は、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)などである。好ましい光源は超高圧水銀ランプである。光源からの光はそのまま組成物に照射してもよい。フィルターによって選択した特定の波長(または特定の波長領域)を組成物に照射してもよい。好ましい照射エネルギー密度は、2〜5000mJ/cm2の範囲である。さらに好ましい範囲は10〜3000mJ/cm2である。特に好ましい範囲は100〜2000mJ/cm2である。好ましい照度は0.1〜5000mW/cmの範囲である。さらに好ましい照度は1〜2000mW/cmの範囲である。組成物が液晶相を有するように、光を照射するときの温度を設定する。好ましい照射温度は100℃以下である。100℃以上の温度では熱による重合が起こりうるので、良好な配向が得られないときがある。
重合体の形状は、フィルム、板、粒、粉末などである。重合体は成形されてもよい。フィルムの重合体を得るには、支持基板が一般的に用いられる。支持基板の上に組成物を塗布し、液晶相を有している塗膜(paint film)を重合させるとフィルムが得られる。好ましい重合体の厚さは、重合体の光学異方性の値および用途に依存する。従って、その範囲を厳密に決定することはできないが、好ましい厚さは0.05〜50μmの範囲である。さらに好ましい厚さは0.1〜20μmの範囲である。特に好ましい厚さは0.5〜10μmの範囲である。これらの重合体のヘイズ値(haze value;曇り度)は、概して1.5%以下である。これらの重合体の透過率は、可視光領域において一般的に80%以上である。このような重合体は液晶表示素子に用いる光学異方性の薄膜として適している。
支持基板の例は、トリアセチルセルロース(TACと表記することがある)、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリエステル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどである。商品名の例は、JSR(株)の「アートン」、日本ゼオン(株)の「ゼオネックス」および「ゼオノア」、三井化学(株)の「アペル」などである。支持基板は一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムなどである。好ましい支持基板はトリアセチルセルロースフィルムである。このフィルムを前処理することなくそのまま用いてもよい。このフィルムは、必要に応じて、ケン化処理、コロナ放電処理、UV−オゾン処理などの表面処理を行ってもよい。その他の例は、アルミニウム、鉄、銅などの金属製の支持基板、アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、フリントガラスなどのガラス製の支持基板などである。
支持基板上の塗膜は、組成物をそのまま塗布することによって調製される。塗膜は、組成物を適切な溶媒に溶かして塗布したあと、溶媒を除去することによっても調製される。塗布の方法は、スピンコート、ロールコート、カーテンコート、フローコート、プリント、マイクログラビアコート、グラビアコート、ワイヤーバーコード、デップコート、スプレーコート、メニスカスコート、流延成膜法などである。
本発明の重合性液晶組成物において、液晶分子の配向を決定する因子は、1)組成物に含有される化合物の種類と配合割合、2)支持基板の種類、3)配向処理の方法、などであるが、特に基板の配向処理の方法が重要である。好ましい配向処理の方法は酸化ケイ素を斜方蒸着させる、スリット状にエッチング加工する、などの方法である。特に好ましい配向処理の方法はレーヨン布などで一方向にこする(ラビング)である。ラビング処理においては、支持基板を直接的にラビングしてもよい。支持基板をポリイミド、ポリビニルアルコールなどの薄膜でコーティングし、この薄膜をラビングしてもよい。ラビング処理をしなくても、良好な配向を与える特殊な薄膜も知られている。あるいは側鎖型の液晶ポリマーを支持基板にコーティングしてもよい。
液晶分子における配向の分類は、ホモジニアス(homogenerous;平行)、ホメオトロピック(homeotropic;垂直)、ハイブリッド(hybrid)などである。ホモジニアスは、配向ベクトルが基板に平行で、かつ一方向にある状態をいう。ホメオトロピックは、配向ベクトルが基板に垂直である状態をいう。ハイブリッドは、配向ベクトルが基板から離れるにしたがって、平行から垂直に立ちあがっている状態をいう。これらの配向は、ネマチック相などを有する組成物で観察される。
次に、本発明の重合体について説明する。この重合体は本発明の重合性液晶組成物を重合させて得られる。この重合体は、無色透明である、光弾性(photoelasticity)が小さい、支持基板から剥離しにくい、充分な硬度を有する、耐熱性が大きい、耐候性が大きい、などの特性において、複数の特性を充足する。この重合体は、耐衝撃性、加工性、電気特性、耐溶剤性などの特性にも優れた点がある。重合体フィルムを調製するために重要な特性は、支持基板から剥離しにくい、充分な硬度を有する、耐熱性が大きい、などの特性である。
重合体の用途は次のとおりである。この重合体は、光学異方性を有する成形体として使用できる。この重合体の用途の例は、位相差板(1/2波長板、1/4波長板など)、反射防止膜、選択反射膜、視野角補償膜などの光学フィルムである。ホモジニアス、ハイブリット、ホメオトロピックなどの配向を有する重合体は、位相差板、偏光素子、液晶配向膜、反射防止膜、選択反射膜、視野角補償膜、などに利用できる。このような重合体は、液晶表示素子の位相差板や視野角補償膜などに、光学補償を目的として用いられる。産業上の重要な用途の例は、VAモード、IPSモード、TNモード、MVAモードなどの液晶表示素子における視野角補償である。この重合体は、高熱伝導性エポキシ樹脂、接着剤、機械的異方性を持つ合成高分子、化粧品、装飾品、非線型光学材料、情報記憶材料などにも利用できる。
重合体の用途の一例である位相差板は偏光の状態を変換する機能を有する。1/2波長機能板は、直線偏光の振動方向を90度回転させる機能を有する。d=λ/2×Δnの式を満たすように組成物を支持基板上に塗布する。ここで、dは組成物の厚さ、λは波長、Δnは光学異方性である。この組成物の配向させたあと、光重合させることによって1/2波長機能板が得られる。一方、1/4波長機能板は、直線偏光を円偏光に、または円偏光を直線偏光に変換する機能を有する。この場合には、d=λ/4×Δnの条件を満たすように組成物の塗膜を調製すればよい。重合体の厚さ(d)は次のように調整される。組成物を溶媒で希釈したあと、支持基板上に塗布する方法では、組成物の濃度、塗布する方法、塗布する条件などを適切に選択することによって、目的とする厚さの塗膜を得ることができる。液晶セルを利用する方法も好ましい。液晶セルはポリイミドなどの配向膜を有しているので都合がよい。この液晶セルに組成物を注入する場合には、液晶セルの間隔によって塗膜の厚さを調整することができる。
この化合物は、室温で重合する、適当な開始剤の存在下で光重合する、化学的に安定である、無色である、溶媒に溶けやすい、他の重合性化合物との相溶性がよい、支持基板に対する付着張力が小さい、などの特性を有する。この化合物は支持基板に対して濡れやすいので、均一な塗膜(paint film)が得られ易い。この化合物は、光重合開始剤の存在下、小さい積算光量の紫外線で容易に重合する。この化合物は化学的に安定なので、冷暗所での保存安定性に優れる。
化合物(1−1)、化合物(1−2)、化合物(5−1)および化合物(5−2)は、その他の化合物との相溶性がよいので組成物を調製するのが容易である。この化合物の特性は、この化合物を含有する組成物の特性に反映される。この組成物の特性は得られる重合体の特性に反映される。化合物(1−1)、化合物(1−2)、化合物(5−1)および化合物(5−2)は種々の重合性の液晶化合物と混合して均一な組成物を与える。この際に、この化合物は液晶分子の配向を安定化することができる。よって配向欠陥のない均一な塗膜が得られる。この配向は重合によっても維持される。よって、液晶分子の配向が制御された、配向欠陥のない重合体フィルムを得ることが可能になる。組成物が薄膜であるときは、光学異方性を有する重合体フィルムを得ることができる。ホモジニアス、ホメオトロピック、ハイブリッドなどの配向を有する重合体フィルムは、光学補償フィルムに使用できる。
本発明の化合物(7)、化合物(8)、化合物(9)、化合物(10)、および化合物(11)について説明する。これらの化合物は、−Ph−C(CF−Ph−または−Ph−SO−Ph−の骨格を有する。Phは1,4−フェニレンである。どちらの骨格も折れ曲がっており、直線ではない。この特徴は、直線の分子構造を一般的に有する重合性の液晶化合物と大きく異なっている。また、化合物(7)、化合物(8)、および化合物(9)は、化合物(1−1−3)や化合物(1−2−3)よりも融点が低いので再結晶化しにくく、さらに、重合性液晶組成物との相溶性に優れる。
その構造が対称である化合物は、非対称である化合物に比べて安価であり、そして合成が容易である点で好ましい。
本発明の化合物は重合性基を2つ有する。この化合物は硬い重合体を与える。この化合物は重合によって三次元構造を与えるからである。この化合物は重合体に高い硬度を付与する点で好ましい。
この化合物は、室温で重合する、適当な開始剤の存在下で光重合する、化学的に安定である、無色である、溶媒に溶けやすい、他の重合性化合物との相溶性がよい、この化合物は化学的に安定なので、冷暗所での保存安定性に優れる。
この化合物は、その他の化合物との相溶性がよいので組成物を調製するのが容易である。この化合物の特性は、この化合物を含有する組成物の特性に反映される。この組成物の特性は得られる重合体の特性に反映される。この化合物は種々の重合性の液晶化合物と混合して均一な組成物を与える。この際に、この化合物は液晶分子の配向を制御することができる。この化合物は配向制御剤として有用である。この配向は重合によっても維持される。したがって、この化合物を重合性の液晶化合物と共重合させることによって、液晶分子の配向が制御された重合体を得ることが可能になる。組成物が薄膜であるときは、光学異方性を有する重合体フィルムを得ることができる。この化合物は、液晶分子の配向を制御するという効果を有する点で特に有用である。ホモジニアス、ハイブリッド、ホメオトロピックなどの配向を有する重合体フィルムは、光学補償などの作用がある。
物性の測定法を記載したあと、実施例により本発明を詳細に説明する。実施例は、本発明の一例である。本発明は下記の実施例によって限定されない。組成物における化合物の割合は、重量%(wt%)である。
合成した化合物の構造は500MHzのプロトンNMR(ブルカー:DRX−500)の測定により確認した。記載した数値はppmを表し、sはシングレット、dはダブレット、tはトリプレット、mはマルチプレットを表す。
相転移温度: 偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で昇温した。液晶相が別の液晶相に転移する温度を測定した。Cは結晶、Nはネマチック相、Iは等方性液体を意味する。NI点は、ネマチック相の上限温度またはネマチック相から等方性液体への転移温度である。「C50N63I」は、50℃で結晶からネマチック相に転移し、63℃でネマチック相から等方性液体へ転移したことを示す。
セロテープ(登録商標)剥離試験:測定は、JIS規格「JIS−K−5400、8.5、付着性(8.5.2、碁盤目テープ法)」の試験法に従った。つまり、100のます目のうち、剥離しなかったます目の数によって、結果を評価した。
鉛筆硬度:測定は、JIS規格「JIS−K−5400、8.4、鉛筆引掻試験」の方法に従った。結果を鉛筆の芯の硬さで表した。
耐熱性試験:この試験は、100℃で500時間の条件で行ない、結果はレタデーション(retardation)の変動によって評価した。ガラス基板にポリアミック酸(チッソ(株)のPIA5310)を塗布したあと、210℃で30分加熱して支持基板を調製した。生成したポリイミドの表面はレーヨン布でラビングした。試料の組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(重量比で2:1)で希釈して30重量%の溶液を調製した。溶液をスピンコータで支持基板に塗布し、70℃で3分間加熱したあと、生成した塗膜に超高圧水銀灯(250W/cm)を使って紫外線を60℃で10秒間照射した。得られた重合体フィルムのレタデーションを25℃で測定した。重合体を100℃で500時間加熱したあと、再度レタデーションを25℃で測定した。2つの値を比較して耐熱性を評価した。レタデーションは、文献の方法に従い、セナルモン・コンペンセータ(Senarmont compensator)を用いて測定した。使用した波長は550nmである。文献は、粟屋裕著、「高分子素材の偏光顕微鏡入門」、94頁、アグネ技術センター発行、2001年である。
光学異方性(Δn):上記の耐熱性試験の方法にしたがって重合体フィルムのレタデーション(25℃)の値を測定した。重合体フィルムの厚さ(d)も測定した。レタデーションはΔn×dであるから、この関係から光学異方性の値を算出した。
液晶分子の配向:重合体フィルム(液晶配向フィルム)は、ケン化処理したTAC(トリアセチルセルロース)フィルム上に調製した。重合体の配向は、透過光強度の角度依存性に基づいて、目視による観察と測定装置による解析の二つの方法で決定した。
1)目視による観察−クロスニコルに配置した2枚の偏光板の間に重合体フィルムを狭持して、フィルム面に垂直方向(傾き角は0度)から光を照射した。照射の傾き角を0度から例えば50度に増大させながら透過光の変化を観察した。照射を傾ける方向は、ラビングの方向(液晶分子の長軸方向)に一致させた。垂直方向からの透過光が最大であるとき、配向はホモジニアスであると判断した。ホモジニアス配向では、液晶分子の配向ベクトルがTACフィルムと平行であるからである。一方、垂直方向からの透過光が最小であり、傾き角を増大させるにしたがって透過光が増大するとき、配向はホメオトロピックであると判断した。ホメオトロピック配向では液晶分子の配向ベクトルがTACフィルムに垂直であるからである。
2)偏光解析装置による測定−シンテック(株)製のOPTIPRO偏光解析装置を用いた。重合体フィルムに波長が550nmの光を照射した。この光の入射角度をフィルム面に対して90度から減少させながらレタデーション(Δn×d)を測定した。
実施例1 (式(1−1)で表される化合物の合成例)
化合物(1−1−3)
Figure 2007016213

原料である4−[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸(AK1)は、Makromol. Chem., 190, 2255〜2268ページ、1989年に記載された方法で合成した。
Figure 2007016213
(第1段階)
窒素雰囲気下、ジクロロメタン(100mL)に4−[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸(AK1;6.0g)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン(3.2g)、4−ジメチルアミノピリジン(0.06g)を加え、氷冷下でN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(4.1g)のジクロロメタン(50mL)溶液を滴下し室温で12時間撹拌した。不溶物をろ過し取り除き、ろ液に水を加え、塩酸、水酸化ナトリウム水溶液、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル=19/1)で分取後、トルエンとエタノールの混合溶媒から再結晶し、化合物(1−1−3)、(4.3g)を得た。融点:93−95℃。H−NMR(CDCl;δ ppm):8.14(d,4H),7.48(d,4H),7.25(d,4H),6.98(d,4H),6.41(dd,2H),6.13(dd,2H),5.83(dd,2H),4.19(t,4H),4.06(t,4H),1.82−1.88(m,4H),1.70−1.76(m,4H),1.44−1.57(m,8H)。
実施例2 (式(7)で表される本発明の化合物の合成例)
化合物(1−1−8)の合成

Figure 2007016213

(第1段階)
3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(1150g)のエタノール(1,500mL)溶液に硫酸(230g)をかくはんしながら10分で滴下し、続いて5時間還流させた。反応混合物を濃縮し、得られた濃縮液を水(1,000mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルを加えてかくはんした。分液した後、酢酸エチル層を飽和炭酸ナトリウム水溶液で中和し、少量の水で水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この酢酸エチル層から酢酸エチルおよび未反応成分を留去して、濃縮物(1400g)を得た。濃縮物を減圧蒸留により精製して3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチル(1,144g)を得た。沸点は160℃/4.0hPaであった。
(第2段階)
氷浴で10℃に冷却した無水酢酸(1,200mL)に6−クロロヘキサノール(800g)を加え、次にピリジン(934g)を10分かけて滴下した。滴下終了後、2時間還流させた。反応混合物を水に注ぎ、さらにトルエンを加えて撹拌した。トルエン層を飽和炭酸ナトリウム水溶液で中和したあと、少量の水で水洗し、さらに無水硫酸マグネシウムで乾燥した。このトルエン層からトルエンおよび未反応成分を留去して濃縮物を得た。この濃縮物を減圧蒸留で精製して6−アセトキシクロロへキサン(983g)を得た。沸点は82℃/5.3hPaであった。
(第3段階)
3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチル(400g)のジメチルホルムアミド(2,800mL)溶液に水酸化ナトリウム(98g)を加え、40℃で30分撹拌した。塩の生成が目視で観察できた。6−アセトキシクロロヘキサン(515g)を加え80℃で7時間撹拌した。反応混合物を水(2,000mL)に注ぎ、さらにトルエンを加えてかくはんした。分液した後、トルエン層を6N塩酸、飽和炭酸ナトリウム水溶液、水の順番で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。このトルエン層から溶媒を留去して709gの濃縮物を得た。水酸化ナトリウム(185g)を水(400mL)に溶かし、そこへエタノール(600mL)と濃縮物709gを加えて加熱し、2時間還流させた。エバポレーターを用いて減圧下に反応混合物を濃縮し、得られた濃縮物を6N塩酸に注いだ。得られたスラリーをろ過して固形物を得た。エタノールから再結晶して(4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)フェニル)プロピオン酸(281g)を得た。融点:109〜112℃。
(第4段階)
(4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)フェニル)プロピオン酸(200g)、N,N−ジメチルアニリン(100g)、BHT(0.3g)、およびジオキサン(1,000ml)の混合物にアクリル酸クロリド(74.3g)を10分で滴下した。60℃で5時間かくはんした後、反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルを加えてかくはんした。酢酸エチル層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この酢酸エチル層から溶媒を留去して固形物を得た。この固形物をトルエンに溶解し、多量のヘプタンに注いで再沈殿させて、(4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)フェニル)プロピオン酸(AK2;213g)を得た。融点:64〜68℃。

Figure 2007016213
(第5段階)
窒素雰囲気下、(4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)フェニル)プロピオン酸(AK2;3.0g)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン(1.5g)、4−ジメチルアミノピリジン(0.03g)、およびジクロロメタン(50mL)の混合物に、氷冷下でN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.9g)のジクロロメタン(20mL)溶液を滴下した。室温で12時間撹拌した後、不溶物をろ過し取り除いた。ろ液に水を加え、塩酸、水酸化ナトリウム水溶液、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル=19/1)で分取後、トルエンとエタノールの混合溶媒から再結晶し、化合物(1−1−8)、(2.1g)を得た。融点:57−58℃。H−NMR(CDCl;δ ppm):7.38(d,4H),7.17(d,4H),7.04(d,4H),6.85(d,4H),6.40(dd,2H),6.12(dd,2H),5.82(dd,2H),4.19(t,4H),3.94(t,4H),3.01(t,4H),2.86(t,4H),1.76−1.82(m,4H),1.68−1.74(m,4H),1.42−1.53(m,8H)。
実施例3 (式(8)で表される化合物の合成例)
化合物(1−1−12)の合成

Figure 2007016213
(第1段階)
2−フルオロ−4−[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸(AK3)は2−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸エチルを原料としてMakromol. Chem., 190, 2255〜2268ページ、1989年に記載された方法を用いて合成した。化合物(AK3)の融点は98〜99℃。

Figure 2007016213
(第2段階)
窒素雰囲気下、ジクロロメタン(50mL)に2−フルオロ−4−[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸(AK3;3.0g)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン(1.6g)、4−ジメチルアミノピリジン(0.03g)を加え、氷冷下でN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.0g)のジクロロメタン(20mL)溶液を滴下した。室温で12時間撹拌したあと、不溶物をろ過し取り除いた。ろ液に水を加え、塩酸、水酸化ナトリウム水溶液、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル=19/1)で分取後、トルエンとエタノールの混合溶媒から再結晶し、化合物(1−1−12)、(2.6g)を得た。融点:75−77℃。H−NMR(CDCl;δ ppm):8.04(t,2H),7.48(d,4H),7.26(d,4H),6.78(dd,2H),6.69(dd,2H),6.41(dd,2H),6.13(dd,2H),5.83(dd,2H),4.18(t,4H),4.04(t,4H),1.82−1.87(m,4H),1.70−1.76(m,4H),1.44−1.55(m,8H)。
化合物(1−1−3)と本発明の化合物(1−1−8)、化合物(1−1−12)の融点を比較した。

化合物(1−1−3) 融点93−95℃
化合物(1−1−8) 融点57−58℃
化合物(1−1−12) 融点75−77℃

分子構造の違いによる融点の差が認められた。連結基がエタン結合である化合物(1−1−8)は化合物(1−1−3)よりも融点が低く、液晶骨格がフッ素により置換された化合物(1−1―12)は化合物(1−1−3)よりも融点が低いことがわかる。すなわち、本発明の化合物を重合性液晶組成物に添加して組成物を調製した場合、再結晶化が起こりにくくなると考えられる。
実施例4 (式(1−2)で表される化合物の合成例)
化合物(1−2−3)の合成
Figure 2007016213

(第1段階)
窒素雰囲気下、4−[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸(AK1;2.0g)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(0.8g)、4−ジメチルアミノピリジン(0.02g)、およびジクロロメタン(50mL)の混合物に、氷冷下でN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.4g)のジクロロメタン(20mL)溶液を滴下した。室温で12時間撹拌したあと、不溶物をろ過し取り除いた。ろ液に水を加え、塩酸、水酸化ナトリウム水溶液、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル=9/1)で分取後、トルエンとエタノールの混合溶媒から再結晶し、化合物(1−2−3)、(1.76g)を得た。融点:88−90℃。H−NMR(CDCl;δ ppm):8.12(d,4H),8.02(d,4H),7.38(d,4H),6.97(d,4H),6.41(dd,2H),6.13(dd,2H),5.83(dd,2H),4.18(t,4H),4.05(t,4H),1.82−1.87(m,4H),1.70−1.76(m,4H),1.44−1.57(m,8H)。
実施例5 (式(9)で表される本発明の化合物の合成例)
化合物(1−2−8)の合成
Figure 2007016213
(第1段階)
窒素雰囲気下、(4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)フェニル)プロピオン酸(AK2;5.1g)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(2g)、4−ジメチルアミノピリジン(0.1g)、およびジクロロメタン(80mL)の混合物に、氷冷下でN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(3.5g)のジクロロメタン(10mL)溶液を滴下した。室温で12時間撹拌したあと、不溶物をろ過し取り除いた。ろ液に水を加え、塩酸、水酸化ナトリウム水溶液、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル=9/1)で分取後、トルエンとエタノールの混合溶媒から再結晶し、化合物(1−2−8)、(1.76g)を得た。融点:67−68℃。H−NMR(CDCl;δ ppm):7.92(d,4H),7.15(d,4H),7.15(d,4H),6.83(d,4H),6.39(dd,2H),6.12(dd,2H),5.81(dd,2H),4.17(t,4H),3.93(t,4H),2.99(t,4H),2.85(t,4H),1.80−1.77(m,4H),1.72−1.69(m,4H),1.51−1.45(m,8H)。
化合物(1−2−3)と本発明の化合物(1−2−8)の融点を比較した。

化合物(1−2−3) 融点88−90℃
化合物(1−2−8) 融点67−68℃

分子構造の違いによる融点の差が認められた。連結基がエタン結合である化合物(1−2−8)は化合物(1−2−3)よりも融点が低いことがわかる。すなわち、本発明の化合物を重合性液晶組成物に添加して組成物を調製した場合、再結晶化が起こりにくくなると考えられる。

実施例6 (式(10)で表される化合物の合成例)
化合物(5−1−5)の合成

Figure 2007016213

(第1段階)
3−[(6−ブロモヘキシルオキシ)メチル]−3−メチルオキセタン(84g)、4−ヒドロキシ安息香酸エチル(50g)、炭酸カリウム(50g)、およびジメチルホルムアミド(600mL)の混合物を90℃で4時間かくはんした。反応混合物に水を加え反応を終了させ、酢酸エチルで抽出したあと、抽出液を2N−水酸化ナトリウム水溶液、水の順に洗浄、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル=8/2)で精製して4−[6−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸エチル(85g)を得た。
第2段階
4−[6−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸エチル(83g)、水酸化ナトリウム(12g)、水(50mL)、およびソルミックス(登録商標;200mL)の混合物を2時間還流した。反応混合物を塩酸で酸性にして、酢酸エチルで抽出、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して4−[6−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸(OX1;63g)を得た。融点:58.5℃。
Figure 2007016213
同様の製造方法により、以下の化合物を製造した。

Figure 2007016213
(第3段階)
窒素雰囲気下、2−フルオロ−4−[4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ブチルオキシ]安息香酸(OX4;3.1g)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン(1.5g)、4−ジメチルアミノピリジン(0.02g)、およびジクロロメタン(80mL)の混合物に、氷冷下でN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.9g)のジクロロメタン(20mL)溶液を滴下した。室温で12時間撹拌したあと、不溶物をろ過し取り除いた。ろ液に水を加え、塩酸、水酸化ナトリウム水溶液、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル=9/1)で分取し、室温でオイル状の化合物(5−1−5)を得た。H−NMR(CDCl;δ ppm):8.04(t,2H),7.48(d,4H),7.28(d,4H),6.78(dd,2H),6.69(dd,2H),4.46(d,4H),4.38(d,4H),4.07(t,4H),3.55(s,8H),1.89−1.94(m,4H),1.72−1.81(m,8H),0.89(t,6H)。
実施例7
化合物(5−1−1)の合成 (式(10)で表される化合物の合成例)
Figure 2007016213

(第1段階)
3−エチル3−ヒドロキシメチル−オキセタン(東亜合成(株)製:商品名OXT−101;116g)をピリジン(500mL)に加え、かくはんしながら0℃に冷却した。この溶液にp−トルエンスルホニルクロリド(190g)を数回に分けて加えた。0℃を保ちながら5時間かくはんした後、氷水(1L)に反応混合物を注いだ。ジエチルエーテル(500mL)で抽出し、3%の塩酸でpHが酸性になるまで、抽出液を水で洗浄した。次に、抽出液を飽和炭酸ナトリウム溶液、水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して3−[(トシルオキシ)メチル]−3−エチルオキセタン(243g)を得た。
(第2段階)
ヒドロキシ安息香酸エチル(50g)、水酸化カリウム(21g)およびジメチルホルムアミド(400mL)の混合物を70℃で1時間かくはんした。45℃まで温度を下げたあと、反応混合物に3−[(トシルオキシ)メチル]−3−エチルオキセタン(100g)を滴下した。45℃に保ちながら3時間かくはんした。水とトルエンを加えて分液し、トルエン層を3%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄した。トルエンを留去して得られた残査に、水酸化ナトリウム(50g)、エタノール(500mL)、水(200mL)を加えて2時間還流した。エタノールを留去して得られた残査を5%塩酸(500mL)に注ぎ込に、結晶を得た。ろ過して得られた結晶をエタノールと水の混合溶媒から再結晶して4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)安息香酸(OX5;60g)を得た。融点:127.5℃。
Figure 2007016213
(第3段階)
窒素雰囲気下、4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)安息香酸(OX5;15g)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン(10g)、4−ジメチルアミノピリジン(0.2g)、およびジクロロメタン(300mL)の混合物に、氷冷下でN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(12g)のジクロロメタン(100mL)溶液を滴下した。室温で12時間撹拌したあと、不溶物をろ過し取り除いた。ろ液に水を加え、塩酸、水酸化ナトリウム水溶液、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル=9/1)で分取後、トルエンとエタノールの混合溶媒から再結晶し、化合物(5−1−1)、(16g)を得た。融点:182℃(分解)。H−NMR(CDCl;δ ppm):8.17(d,4H),7.49(d,4H),7.26(d,4H),7.04(d,4H),4.59(d,4H),4.52(d,4H),4.19(s,4H),1.89−1.94(m,4H),0.96(t,6H)。
実施例8 (式(11)で表される化合物の合成例)
化合物(5−2−1)の合成
Figure 2007016213

(第1段階)
窒素雰囲気下、4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)安息香酸(OX5;5.0g)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(2.5g)、4−ジメチルアミノピリジン(0.06g)、およびジクロロメタン(100mL)の混合物に、氷冷下でN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(4.4g)のジクロロメタン(40mL)溶液を滴下した。室温で12時間撹拌したあと、不溶物をろ過し取り除いた。ろ液に水を加え、塩酸、水酸化ナトリウム水溶液、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣を塩化メチレンとエタノールの混合溶媒から再結晶して、化合物(5−2−1)、(5.3g)を得た。融点:207−208℃。H−NMR(CDCl;δ ppm):8.15(d,4H),8.03(d,4H),7.39(d,4H),7.04(d,4H),4.59(d,4H),4.52(d,4H),4.19(s,4H),1.89−1.93(m,4H),0.96(t,6H)。
実施例9 (式(11)で表される化合物の合成例)
Figure 2007016213
化合物(5−2−11)の合成

(第1段階)
窒素雰囲気下、4−[6−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸(OX1;4g)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(1.5g)、4−ジメチルアミノピリジン(0.1g)、およびジクロロメタン(80mL)の混合物に、氷冷下でN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.7g)のジクロロメタン(10mL)溶液を滴下した。室温で12時間撹拌したあと、不溶物をろ過し取り除いた。ろ液に水を加え、塩酸、水酸化ナトリウム水溶液、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣を塩化メチレンとエタノールの混合溶媒から再結晶して、化合物(5−2−11)、(2.3g)を得た。融点:66−68℃。H−NMR(CDCl;δ ppm):8.19(d,4H),8.02(d,4H),7.38(d,4H),6.97(d,4H),4.51(d,4H),4.35(d,4H),4.05(t、4H)、3.48(t,8H),1.85−1.82(m,4H),1.65−1.60(m,4H),1.51−1.45(m,8H)、1.31(s,6H)。
実施例10
<組成物(P−1)の調製>
化合物(1−1−3)20重量%、化合物(2−1−3)60重量%、および化合物(3−1−3)20重量%の重合性液晶組成物(M−1)を調製した。化合物(2−1−3)は特開2003−238491に記載された方法で合成した。化合物(3−1−3)はMacromolecules, 3938-3943, (23), 1990.に記載の方法で合成した。
Figure 2007016213
次に、重合性液晶組成物(M−1)に重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製の商品名IRGACURE 907)を3重量%加えた後、トルエンを加えて25重量%の溶液を調製した。これが組成物(P−1)である。
実施例11
<組成物(P−2)の調製>
化合物(1−2−3)10重量%、化合物(2−1−3)70重量%、および化合物(3−1−3)20重量%の重合性液晶組成物(M−2)を調製した。
Figure 2007016213
次に、重合性液晶組成物(M−2)に重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製の商品名IRGACURE 907)を3重量%加えた後、トルエンを加えて25重量%の溶液を調製した。これが組成物(P−2)である。
実施例12
<組成物(P−3)の調製>
化合物(1−2−3)20重量%、化合物(2−2−7)60重量%、および化合物(3−1−3)20重量%の重合性液晶組成物(M−3)を調製した。
Figure 2007016213
次に、重合性液晶組成物(M−3)に重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製の商品名IRGACURE 907)を3重量%加えた後、トルエンを加えて25重量%の溶液を調製した。これが組成物(P−3)である。
実施例13
<組成物(P−4)の調製>
化合物(1−1−8)20重量%、化合物(2−1−3)60重量%、および化合物(3−1−3)20重量%の重合性液晶組成物(M−4)を調製した。
Figure 2007016213
次に、重合性液晶組成物(M−4)に重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製の商品名IRGACURE 907)を3重量%加えた後、トルエンを加えて25重量%の溶液を調製した。これが組成物(P−4)である。
実施例14
<組成物(P−5)の調製>
化合物(5−1−1)20重量%、化合物(6−1−1)60重量%、および化合物(7−1−4)20重量%の重合性液晶組成物(M−5)を調製した。化合物(6−1−1)は特開2005−60373に記載の方法で合成した。化合物(7−1−4)は4’−ヒドロキシ−シアノビフェニルと6−ブロモへキセンとのエーテル化反応を行ない、次にm−クロロ過安息香酸で酸化することによって合成した。相転移温度はC68N70Iであった。
Figure 2007016213
次に、重合性液晶組成物(M−5)に重合開始剤(みどり化学製のDTS−102)を3重量%加えた後、混合溶媒(トルエン/シクロペンタノンの混合比は重量比で2/1)を加えて20重量%の溶液を調製した。これが組成物(P−5)である。
実施例15
<組成物(P−6)の調製>
実施例10に記載の組成物(P−1)に、重合性液晶組成物(M−1)100重量部に対して化合物(4−1)が10重量部の割合となるように、化合物(4−1)を添加した。化合物(5)はチッソ株式会社製の商品名サイラエースS−330である。これが組成物(P−6)である。
Figure 2007016213
実施例16
<組成物(P−7)の調製>
実施例12に記載の組成物(P−3)に、重合性液晶組成物(M−3)に基づいて10重量%の化合物(4−1)を添加した。これが組成物(P−7)である。
実施例17
<重合体フィルム(F1)の評価>
支持基板にはケン化処理したTACフィルムを用いた。フィルムの表面はレーヨン布によりラビングした。実施例10に記載した組成物(P−1)を、バーコーターを用いてTACフィルムに塗布した。塗布後、70℃に設定したオーブン中で5分間熱処理することにより、溶媒を除去して液晶層を配向させた。生成した塗膜に、超高圧水銀灯(250W)を用いての紫外線(30mW/cm;365nm)を窒素雰囲気下、25℃で30秒間照射した。重合によって重合体フィルム(F−1)が生成した。目視による観察では、フィルム(F−1)の配向はホモジニアスであった。装置による測定結果(図1に示す)によっても配向はホモジニアスであった。フィルム(F−1)の表面硬度は鉛筆硬度のHBであった。セロテープ剥離試験では全く剥がれが無く、総てのますが残存した。100℃、500時間での耐熱性試験後のレタデーションに変化はなかった。このように液晶配向フィルム(F−1)は支持基板から剥離しにくく、光学異方性と充分な硬度を有した。
実施例18
<重合体フィルム(F2)の評価>
支持基板にはケン化処理したTACフィルムを用いた。フィルムの表面はレーヨン布によりラビングした。実施例11に記載した組成物(P−2)を、バーコーターを用いてTACフィルムに塗布した。塗布後、70℃に設定したオーブン中で5分間熱処理することにより、溶媒を除去して液晶層を配向させた。生成した塗膜に、超高圧水銀灯(250W)を用いての紫外線(30mW/cm;365nm)を窒素雰囲気下、25℃で30秒間照射した。重合によって重合体フィルム(F−2)が生成した。目視による観察では、フィルム(F−2)の配向はホモジニアスであった。装置による測定結果によっても配向はホモジニアスであった。フィルム(F−2)の表面硬度は鉛筆硬度のHBであった。セロテープ剥離試験では全く剥がれが無く、総てのますが残存した。100℃、500時間での耐熱性試験後のレタデーションに変化はなかった。このように液晶配向フィルム(F−2)は支持基板から剥離しにくく、光学異方性と充分な硬度を有した。
実施例19
<重合体フィルム(F3)の評価>
支持基板にはケン化処理したTACフィルムを用いた。フィルムの表面はレーヨン布によりラビングした。実施例12に記載した組成物(P−3)を、バーコーターを用いてTACフィルムに塗布した。塗布後、70℃に設定したオーブン中で5分間熱処理することにより、溶媒を除去して液晶層を配向させた。生成した塗膜に、超高圧水銀灯(250W)を用いての紫外線(30mW/cm;365nm)を窒素雰囲気下、25℃で30秒間照射した。重合によって重合体フィルム(F−3)が生成した。目視による観察では、フィルム(F−3)の配向はホモジニアスであった。装置による測定結果(図1に示す)によっても配向はホモジニアスであった。フィルム(F−3)の表面硬度は鉛筆硬度のHBであった。セロテープ剥離試験では全く剥がれが無く、総てのますが残存した。100℃、500時間での耐熱性試験後のレタデーションに変化はなかった。このように液晶配向フィルム(F−3)は支持基板から剥離しにくく、光学異方性と充分な硬度を有した。
実施例20
<重合体フィルム(F4)の評価>
実施例13に記載の組成物(P−4)を、実施例19と同様に処理して、重合体フィルム(F−4)を得た。目視による観察では、フィルム(F−4)の配向はホモジニアスであった。これは装置による測定結果と一致した。フィルム(F−4)の表面硬度は鉛筆硬度のHBであった。セロテープ剥離試験では全く剥がれが無く、総てのますが残存した。100℃、500時間での耐熱性試験後のレタデーションに変化はなかった。このように液晶配向フィルム(F−4)は支持基板から剥離しにくく、光学異方性と充分な硬度を有した。
実施例21
<重合体フィルム(F5)の評価>
実施例14に記載の組成物(P−5)を、実施例19と同様に処理して、重合体フィルム(F−5)を得た。目視による観察では、フィルム(F−5)の配向はホモジニアスであった。これは装置による測定結果と一致した。フィルム(F−5)の表面硬度は鉛筆硬度のHBであった。セロテープ剥離試験では全く剥がれが無く、総てのますが残存した。100℃、500時間での耐熱性試験後のレタデーションに変化はなかった。このように液晶配向フィルム(F−5)は支持基板から剥離しにくく、光学異方性と充分な硬度を有した。
実施例22
<重合体フィルム(F−6)の評価>
支持基板にはケン化処理したTACフィルムを用いた。フィルムはラビング処理しなかった。実施例11に記載の組成物(P−6)を、バーコーターを用いてTACフィルムに塗布した。塗布後、70℃に設定したオーブン中で5分間熱処理することにより、溶媒を除去して液晶層を配向させた。生成した塗膜に、超高圧水銀灯(250W)を用いて紫外線(30mW/cm;365nm)を窒素雰囲気下、25℃で30秒間照射した。重合によって重合体フィルム(F−6)が生成した。目視による観察では、フィルム(F−6)の配向はホメオトロピック(垂直配向)であった。これは装置による測定結果(図2に示した)と一致した。フィルム(F−6)の表面硬度は鉛筆硬度のHであった。セロテープ剥離試験では全く剥がれが無く、総てのますが残存した。100℃、500時間での耐熱性試験後のレタデーションに変化はなかった。このように液晶配向フィルム(F−6)は支持基板から剥離しにくく、光学異方性と充分な硬度を有した。
実施例23
<重合体フィルム(F−7)の評価>
実施例16に記載した組成物(P−7)を、実施例22と同様に処理して、重合体フィルム(F−7)を得た。目視による観察では、フィルム(F−7)の配向はホメオトロピック(垂直配向)であった。これは装置による測定結果と一致した。フィルム(F−7)の表面硬度は鉛筆硬度のHであった。セロテープ剥離試験では全く剥がれが無く、総てのますが残存した。100℃、500時間での耐熱性試験後のレタデーションに変化はなかった。このように液晶配向フィルム(F−7)は支持基板から剥離しにくく、光学異方性と充分な硬度を有した。
ホモジニアス配向:実施例17で得られた重合体フィルム(F−1)のレタデーションを測定した結果である。 ホメオトロピック配向:実施例22で得られた重合体フィルム(F−6)のレタデーションを測定した結果である。

Claims (21)

  1. 第一成分として式(1−1)および式(1−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、第二成分として式(2−1)および式(2−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、および第三成分として式(3−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する重合性液晶組成物。

    Figure 2007016213

    式(1−1)および式(1−2)において;YおよびYは独立して単結合、−(CH−または−CH=CH−であり;WおよびWは独立して水素またはフッ素であり;m、m、nおよびnは独立して2から15の整数であり、式(2−1)および式(2−2)において;Wは水素またはフッ素であり;WおよびWは独立して水素またはメチルであり;Wは水素またはメチルであり;Xは−O−または式(X−2)で表される基であり;m、m、nおよびnは独立して2から15の整数であり、
    Figure 2007016213
    式(3−1)において;Rはシアノ、トリフルオロメトキシ、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり;Wは水素またはフッ素であり;Xは単結合、−COO−、または−OCO−であり;mは2から15の整数である。
  2. 第二成分が式(2−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物であり、重合性液晶組成物に対する、第一成分の含有割合が1〜25重量%の範囲であり、第二成分の含有割合が50〜98重量%の範囲であり、第三成分の含有割合が1〜25重量%の範囲であり、式(1−1)および式(1−2)において;YおよびYが独立して単結合または−(CH−であり;WおよびWが独立して水素またはフッ素であり;m、m、n、およびnが独立して2から10の整数であり、式(2−1)において;Wが水素であり;Wが水素であり;Wがメチルであり;mおよびnが独立して2から10の整数であり、式(3−1)において;Xが単結合、−COO−、または−OCO−であり;Wが水素であり;mが2から10の整数であり;Rがシアノ、炭素数2〜8のアルキル、または炭素数2〜8のアルコキシである、請求項1に記載の重合性液晶組成物。
  3. 重合性液晶組成物に対する、第一成分の含有割合が7〜22重量%の範囲であり、第二成分の含有割合が56〜86重量%の範囲であり、第三成分の含有割合が7〜22重量%の範囲であり、式(1−1)、式(1−2)において;YおよびYが独立して単結合または−(CH−であり;WおよびWが水素であり;m、m、n、およびnが独立して4から6の整数であり、式(2−1)において;Wが水素であり;Wが水素であり;Wがメチルであり;mおよびnが独立して4から6の整数であり、式(3−1)において;Xが単結合であり;Wが水素であり;mが4から6の整数であり;Rがシアノである、請求項2に記載の重合性液晶組成物。
  4. 第二成分が式(2−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物であり、重合性液晶組成物に対する、第一成分の含有割合が1〜25重量%の範囲であり、第二成分の含有割合が50〜98重量%の範囲であり、第三成分の含有割合が1〜25重量%の範囲であり、式(1−1)および式(1−2)において;YおよびYは独立して単結合または−(CH−であり;WおよびWは独立して水素またはフッ素であり;m、m、n、およびnは独立して2から10の整数であり、式(2−2)において;Xは−O−または(X−2)で表される基であり;Wは水素またはメチルであり;mおよびnは独立して2から10の整数であり、
    Figure 2007016213
    式(3−1)において;Xは単結合、−COO−、または−OCO−であり;Wは水素であり;mは2から10の整数であり、Rはシアノ、炭素数2〜8のアルキル、または炭素数2〜8のアルコキシである、請求項1に記載の重合性液晶組成物。
  5. 重合性液晶組成物に対する、第一成分の含有割合が7〜22重量%の範囲であり、第二成分の含有割合が56〜86重量%の範囲であり、第三成分の含有割合が7〜22重量%の範囲であり、式(1−1)および式(1−2)において;YおよびYが独立して単結合または−(CH−であり;WおよびWが水素であり;m、m、n、およびnが独立して4から6の整数であり、式(2−2)において;Wがメチルであり;Xが−O−であり;mおよびnが独立して4から6の整数であり、式(3−1)において;Xが単結合であり;Wが水素であり;mが4から6の整数であり;Rがシアノである、請求項4に記載の重合性液晶組成物。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の重合性液晶組成物と式(4)で表されるシランカップリング剤とを含有する重合性液晶組成物であって、重合性液晶組成物とシランカップリング剤との割合が、重量比で100:1〜100:10の範囲である、重合性液晶組成物。
    Figure 2007016213

    式(4)中、Rはメチルまたはエチルであり、nは1〜5の整数である。
  7. 第一成分として式(5−1)および式(5−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、第二成分として式(6−1)および式(6−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、および第三成分として式(7−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する重合性液晶組成物。

    Figure 2007016213

    式(5−1)および式(5−2)において;RおよびRは独立してメチルまたはエチルであり;YおよびYは独立して単結合、−(CH−または−CH=CH−であり;WおよびWは独立して水素またはフッ素であり;QおよびQは独立して単結合、−O−(CH)r−または−(CH)r−O−であり、rは1から15の整数であり、式(6−1)および式(6−2)において;W10およびW11は独立して水素またはメチルであり;m、m、nおよびnは独立して2から15の整数であり、式(7−1)において;Xは単結合、−COO−、または−OCO−であり;Rはシアノ、炭素数2〜8のアルキルまたは炭素数2〜8のアルコキシであり;mは2〜15の整数である。
  8. 第一成分が式(5−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物であり、第二成分が式(6−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物であり、重合性液晶組成物に対する、第一成分の含有割合が1〜20重量%の範囲であり、第二成分の含有割合が60〜98重量%の範囲であり、第三成分の含有割合が1〜20重量%の範囲であり、式(5−1)において;Rがメチルまたはエチルであり;Yが単結合または−(CH−であり;Wが水素またはフッ素であり;Qが単結合、−O−(CH)r−または−(CH)r−O−であり、rが1から10の整数であり、式(6−1)において;W10およびW11は独立して水素またはメチルであり;mおよびnが独立して2から10の整数であり、式(7−1)において;Xが単結合であり;Rがシアノであり;mが2〜10の整数である、請求項7に記載の重合性液晶組成物。
  9. 重合性液晶組成物に対する、第一成分の含有割合が7〜20重量%の範囲であり、第二成分の含有割合が60〜86重量%の範囲であり、第三成分の含有割合が7〜20重量%の範囲であり、式(5−1)において;Rがエチルであり;Yが単結合であり;Wが水素であり;Qが単結合であり、式(6−1)において;W10およびW11が独立して水素またはメチルであり;mおよびnが独立して4から6の整数であり、式(7−1)において;Xが単結合であり;Rがシアノであり;mが2から4の整数である、請求項8に記載の重合性液晶組成物。
  10. 請求項1から9の何れか1項に記載の重合性液晶組成物を重合させることによって得られる重合体。
  11. 請求項1から9の何れか1項に記載の組成物を重合させることによって得られる、光学異方性を有する重合体フィルム。
  12. 請求項11に記載された光学異方性を有する重合体フィルムの、位相差板としての使用。
  13. 請求項12に記載の光学異方性を有する重合体フィルムを使用した液晶表示素子。
  14. 式(7)で表される化合物。
    Figure 2007016213

    式(7)において;Yは−CHCH−または−CH=CH−であり;m、nは独立して2から15の整数である。
  15. 式(8)で表される化合物。
    Figure 2007016213

    式(8)において;m、nは独立して2から15の整数である。
  16. 式(9)で表される化合物。
    Figure 2007016213

    式(9)において;Yは−CHCH−または−CH=CH−であり;m10、n10は独立して2から15の整数である。
  17. 式(10)で表される化合物。
    Figure 2007016213

    式(10)において;Rは水素、メチルまたはエチルであり;Aは1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイルまたはピリジン−2,5−ジイルであり;Yは単結合、−CHCH−または−CH=CH−であり;Qは単結合、−O−(CH)r−または−(CH)r−O−であり、rは1から15の整数である。
  18. 式(10)において;Rがメチルまたはエチルであり;Aが1,4−フェニレンであり;Yが単結合であり;Qが単結合である、請求項17に記載の化合物。
  19. Figure 2007016213
    式(11)で表される化合物。
    式(11)において;Rは水素、メチルまたはエチルであり;Aは1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイルまたはピリジン−2,5−ジイルであり;Yは単結合、−CHCH−または−CH=CH−であり;Qは単結合、−O−(CH)r−または−(CH)r−O−であり;rは1から15の整数である。
  20. 式(11)において;Rがエチルであり;Aが1,4−フェニレンであり;Yが単結合であり;Qが単結合である、請求項19に記載の化合物。
  21. 式(11)において;Rがメチルまたはエチルであり;Aが1,4−フェニレンであり;Yが単結合であり;Qが−O−(CH)r−または−(CH)r−O−
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