JP2007015377A - 機能性膜含有構造体、及び、機能性膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 成膜基板上に形成された機能性膜を、成膜基板から容易に剥離することができる機能性膜の製造方法を提供する。
【解決手段】 基板上に、電磁波を吸収することにより発熱する材料を用いて電磁波吸収層を形成する工程(a)と、電磁波吸収層上に、加熱されることにより分解してガスを発生する無機材料を用いて分離層を形成する工程(b)と、分離層上に、機能性材料を用いて形成される機能性膜を含む被剥離層を形成する工程(c)と、電磁波吸収層に向けて電磁波を照射することにより被剥離層を基板から剥離させる、又は、被剥離層と基板との接合強度を低下させる工程(d)とを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、誘電体、圧電体、焦電体、磁性体、半導体等を含む機能性膜の製造方法、及び、機能性膜の製造過程において用いられる機能性膜含有構造体に関する。
近年、電子デバイスの小型化、高速化、集積化、多機能化等のニーズに伴い、誘電体、圧電体、磁性体、焦電体、半導体のように、電界や磁界を印加することにより所定の機能を発現する電子セラミックス等の機能性材料を含む素子を、様々な成膜技術を用いて製造する研究が盛んに進められている。
例えば、インクジェットプリンタにおいて高精細且つ高画質の印字を可能とするためには、インクジェットヘッドのインクノズルを微細化すると共に高集積化する必要がある。そのため、各インクノズルを駆動する圧電アクチュエータについても、同様に、微細化及び高集積化することが求められる。そのような場合に、バルク材よりも薄い層を形成でき、且つ、微細なパターン形成が可能な成膜技術が望まれており、スパッタ法、ゾルゲル法、エアロゾルデポジション法等の成膜技術が研究されている。
ところが、成膜によって形成された機能性材料の膜(単に、「機能性膜」ともいう)は、成膜後の状態では十分に機能を発揮しておらず、バルク材に比較して性能が劣ることが問題となっている。
機能性膜の機能を十分に発現させるためには、成膜後に比較的高温(例えば、500℃〜1000℃程度)で熱処理することが必要となる。その際には、成膜時に使用された基板(成膜基板)も同時に熱処理されることになるので、成膜基板の材料に高い耐熱性が要求される。一方、作製された機能性膜を利用する場合には、例えば、樹脂を用いたフレキシブル基板のように、機器に応じて様々な種類の基板を使用したいという要望がある。そのため、成膜基板上に形成された機能性膜を、その機能を損なうことなく成膜基板から剥離又は転写できる方法が検討されている。
関連する技術として、特許文献1には、耐熱性基体、炭素及び/又は炭素化合物を主体とする離型層及び機能性薄膜を主たる構成要素とする薄膜転写用積層体が開示されている(第1頁)。また、特許文献1には、上記離型層は酸化(燃焼)により除去できるので、機能性薄膜を耐熱性基体から剥離して別の基体に転写することが可能となることが開示されている(第3頁)。
特許文献2には、被剥離物の物性や条件等にかかわらず、容易に剥離することができ、特に、種々の転写体への転写を可能とするための剥離方法が開示されている。この方法は、基板上に複数の層の積層体よりなる分離層を介して存在する被剥離物を上記基板から剥離する剥離方法であって、上記分離層に照射光を照射して、上記分離層の層内及び/又は界面において剥離を生ぜしめ、上記被剥離物を上記基板から離脱させる(第1、2頁)。また、特許文献2には、光吸収層の組成として、非晶質シリコン、酸化ケイ素、誘電体、窒化物セラミックス、有機高分子等が挙げられている(第5、6頁)。
特許文献3には、薄膜デバイスを含む被転写層の製造時に用いた基板に対する被転写層の積層関係と、その被転写層の転写先である転写体に対する被転写層の積層関係とを一致させるための薄膜デバイスの転写方法が開示されている。この方法は、基板上に第1分離層を形成する第1工程と、第1分離層上に薄膜デバイスを含む被転写層を形成する第2工程と、被転写層上に水溶性または有機溶剤溶解性接着剤から成る第2分離層を形成する第3工程と、第2分離層上に一次転写体を接合する第4工程と、第1分離層を境にして、被転写体より基板を除去する第5工程と、被転写層の下面に二次転写体を接合する第6工程と、第2分離層を水または有機溶剤と接触させて、第2分離層を境にして、転写層より一次転写体を除去する第7工程とを有しており、上記薄膜デバイスを含む被転写層が二次転写体に転写される(第1、2頁)。また、特許文献3には、分離層の組成として、非晶質シリコン、酸化ケイ素、誘電体、窒化物セラミックス、有機高分子等が挙げられている(第8、9頁)。
特開昭54−94905号公報(第1、3頁) 特開平10−125929号公報(第1、2、5、6頁) 特開2004−165679号公報(第1、2、6、8、9頁)
しかしながら、特許文献1においては、酸化反応により離型層を除去しているので、熱処理工程における雰囲気が酸素雰囲気に限定されてしまう。また、離型層として炭素又は炭素化合物を用いているので、加熱温度に上限がある。例えば、特許文献1に開示されている実施例においては、転写工程における処理温度が最高で630℃となっている。従って、特許文献1に開示されている発明を、比較的高温(例えば、700℃以上)での熱処理が必要な電子セラミックスの製造に適用することはできない。
特許文献2においては、分離層に含まれる光吸収層にレーザ光を照射して、光吸収層にアブレーションを起こさせることにより、分離層内又は界面に剥離を生じさせている。即ち、光吸収層に含まれる固体材料が、照射光を吸収することにより光化学的又は熱的に励起し、それにより、表面や内部の原子又は分子が、結合を切断されて放出される。その結果、光吸収層の構成材料において溶融や蒸散(気化)等の相変化が生じるので、比較的低温で被剥離物が基板から剥離される。しかしながら、この方法によれば、剥離性が不十分となるおそれがある。また、特許文献2には、光吸収層の構成材料において、他の成分との反応や分解等の化学変化を生じさせることについては開示されていない。
これに対して、特許文献3においては、分離層にレーザ光を照射することにより薄膜デバイスを基板から離脱させる際に、薄膜デバイスをより確実に基板から剥離するために、分離層に剥離促進用のイオンを注入している。このような方法によれば、分離層に内圧が生じて剥離現象が促進される。しかしながら、特許文献3において剥離促進用のイオンとして挙げられている水素イオンは、350℃以上になるとガス化して分離層から抜け出てしまうので(第6頁)、イオン注入後のプロセス温度を350℃以上にすることはできない。
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、成膜基板上に形成された機能性膜を成膜基板から容易に剥離することができる機能性膜の製造方法を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、そのような機能性膜の製造過程において用いられる機能性膜含有構造体を提供することを第2の目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点に係る機能性膜含有構造体は、基板と、該基板上に配置され、電磁波を吸収することにより発熱する材料を用いて形成された電磁波吸収層と、該電磁波吸収層上に配置され、加熱されることにより分解してガスを発生する無機材料を用いて形成された分離層と、該分離層上に配置され、機能性材料を用いて形成された機能性膜を含む被剥離層とを具備する機能性膜含有構造体であって、上記被剥離層が、上記電磁波吸収層に向けて電磁波を照射することにより基板から剥離される、又は、上記被剥離層と基板との接合強度が、上記電磁波吸収層に向けて電磁波を照射することにより低下する。
本発明の第2の観点に係る機能性膜含有構造体は、基板と、該基板上に配置され、電磁波を吸収することにより発熱する材料を用いて形成された電磁波吸収層と、該電磁波吸収層上に配置され、加熱されることにより、雰囲気中の成分、及び/又は、隣接する層に含まれる成分と反応してガスを発生する無機材料を用いて形成された分離層と、該分離層上に配置され、機能性材料を用いて形成された機能性膜を含む被剥離層とを具備する機能性膜含有構造体であって、上記被剥離層が、上記電磁波吸収層に向けて電磁波を照射することにより基板から剥離される、又は、上記被剥離層と基板との接合強度が、上記電磁波吸収層に向けて電磁波を照射することにより低下する。
本発明の第1の観点に係る機能性膜の製造方法は、基板上に、電磁波を吸収することにより発熱する材料を用いて電磁波吸収層を形成する工程(a)と、電磁波吸収層上に、加熱されることにより分解してガスを発生する無機材料を用いて分離層を形成する工程(b)と、分離層上に、機能性材料を用いて形成される機能性膜を含む被剥離層を形成する工程(c)と、電磁波吸収層に向けて電磁波を照射することにより、被剥離層を基板から剥離させる、又は、被剥離層と基板との接合強度を低下させる工程(d)とを具備する。
本発明の第2の観点に係る機能性膜の製造方法は、基板上に、電磁波を吸収することにより発熱する材料を用いて電磁波吸収層を形成する工程(a)と、電磁波吸収層上に、加熱されることにより、雰囲気中の成分、及び/又は、隣接する層に含まれる成分と反応してガスを発生する無機材料を用いて分離層を形成する工程(b)と、分離層上に、機能性材料を用いて形成される機能性膜を含む被剥離層を形成する工程(c)と、電磁波吸収層に向けて電磁波を照射することにより、被剥離層を基板から剥離させる、又は、被剥離層と基板との接合強度を低下させる工程(d)とを具備する。
ここで、「反応」とは、物質又は物質系から組成や構造が異なる別の物質又は物質系が生成される過程のことをいい、1種の化合物が2種以上のより簡単な物質に変化する過程、及び、少なくとも一方が化合物である2種の物質に基づいて、最初とは異なる2種以上の物質が生成される過程を含む。また、前者の場合を、特に「分解」といい、加熱によりもたらされる分解のことを「熱分解」という。
本発明によれば、基板と機能性膜を含む被剥離層との間に、電磁波を吸収して発熱する電磁波吸収層と、加熱されることによりガスを発生する分離層とを設けるので、電磁波を照射することにより、構造体全体を加熱することなく、基板から機能性膜を容易に剥離し、又は、両者の接合強度を低下させて、後工程において力学的に簡単に剥離することができる。そのため、基板上に成膜技術を用いることにより形成された機能性膜を、比較的耐熱性の低いフレキシブル基板等に容易に転写して利用することが可能となる。従って、優れた特性を有する素子をアプリケーションに応じて適切に機器に搭載することが可能となり、そのような素子を利用する機器全体の性能を向上させることが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る機能性膜の製造方法を示すフローチャートである。また、図2及び図3は、本発明の第1の実施形態に係る機能性膜の製造方法を説明するための図であり、その内の図2は、本発明の第1の実施形態に係る機能性膜含有構造体を作製する工程を示している
まず、図1の工程S1において、図2の(a)に示すように、基板101を用意する。基板101は、機能性膜の製造過程において用いられる成膜用基板である。基板101としては、半導体単結晶基板又は酸化物単結晶基板を含む単結晶基板、セラミックス基板、又は、ガラス基板等の内から、使用される電磁波の波長等に応じて適切なものが選択される。例えば、後の工程において使用される電磁波の波長が比較的短い場合(例えば、紫外線)には、それらの電磁波を伝播又は透過させる基板を用いることが望ましい。また、機能性膜を形成する際の成膜温度や、必要に応じて施される熱処理のように、後の工程におけるプロセス温度に対して耐熱性を有する基板を選択することも必要である。
酸化物単結晶基板材料としては、具体的に、酸化マグネシウム(MgO)、アルミナ(Al)、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、スピネル(アルミン酸マグネシウム、MgAl)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、ランタンアルミネート(アルミン酸ランタン、LaAlO)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)等が挙げられる。酸化物単結晶基板を用いる場合には、製造目的とする機能性膜に応じて、所定の格子定数を有する材料を選択することにより、エピタキシャル成長により機能性膜を形成することができる。また、これらの基板は酸化雰囲気において安定しているので、大気中において高温(例えば、酸化マグネシウムの場合には、1000℃程度)で成膜又は熱処理することができる。
半導体単結晶基板材料としては、具体的に、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウム砒素(GaAs)、ガリウム燐(GaP)、インジウム燐(InP)等が挙げられる。半導体単結晶基板を用いる場合には、製造目的とする機能性膜に応じて、所定の格子定数を有する材料を選択することにより、エピタキシャル成長により機能性膜を形成することができる。また、これらの基板は還元雰囲気において安定しているので、還元雰囲気中において高温(例えば、シリコンの場合には、1000℃程度)で成膜又は熱処理することができる。
セラミックス基板材料としては、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、窒化アルミニウム(AlN)等が挙げられる。セラミックス基板は単結晶基板よりも安価なので、製造コストの低減を図ることができる。また、これらの基板は大気中において安定していると共に高い耐熱性を有しているので、大気中において高温(例えば、アルミナの場合には、1100℃程度)で成膜又は熱処理することができる。
ガラス基板材料としては、具体的に、ケイ酸ガラス、ケイ酸アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス等が挙げられる。ガラス基板は単結晶基板よりも安価なので、製造コストの低減を図ることができる。また、これらの基板は酸化雰囲気において安定しているので、大気中において高温(例えば、ケイ酸ガラスの場合には、900℃程度)で成膜又は熱処理することができる。
次に、工程S2において、図2の(b)に示すように、基板101上に電磁波吸収層102を形成する。電磁波吸収層102は、所定の波長を有する電磁波を照射されることにより、その電磁波エネルギーを吸収して発熱する層である。具体的には、カーボン、セラミックス、又は、ガラス等によって形成されている。電磁波吸収層102の材料は、後の工程において使用される電磁波(マイクロ波を含む電波や赤外線等)に応じて決定することが望ましい。ここで、マイクロ波とは、1m〜1mm程度の波長を有する電磁波のことであり、UHF波(デシメータ波)、SHF波(センチ波)、EHF波(ミリ波)、及び、サブミリ波を含んでいる。
次に、工程S3において、図2の(c)に示すように、電磁波吸収層102上に分離層103を形成する。分離層103は、後の工程において形成される機能性膜を基板101から剥離する際に除去される犠牲層である。分離層103の材料としては、加熱されることにより熱分解等の反応を生じさせてガスを発生する材料が用いられる。また、機能性膜を形成する際の成膜温度のように、後の工程におけるプロセス温度を考慮して、約350℃以上の耐熱性を有していることが望ましい。
具体的には、炭酸マグネシウム(MgCO、約600℃で分解)、炭酸カルシウム(CaCO、約900℃で分解)、炭酸ストロンチウム(SrCO、約900℃で分解)、炭酸バリウム(BaCO、約1450℃で分解)、炭酸リチウム(LiCO、約618℃で分解)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)等の炭酸塩の内の少なくとも1つを含む化合物、硫酸マグネシウム(MgSO、約1185℃で分解)、硫酸カルシウム(CaSO、約1000℃で分解)、硫酸ストロンチウム(SrSO、約1130℃で分解)、硫酸バリウム(BaSO、約1200℃で分解)、硫酸第一鉄(FeSO)、硫酸コバルト(CoSO)、硫酸ニッケル(NiSO)、硫酸亜鉛(ZnSO)、硫酸鉛(PbSO)、硫酸ビスマス(Bi(SO)等の硫酸塩の内の少なくとも1つを含む化合物、硝酸ストロンチウム(Sr(NO)、硝酸セシウム(CsNO)等の硝酸塩の内の少なくとも1つを含む化合物が用いられる。これらの化合物は、加熱されることにより分解してガスを発生させる。例えば、炭酸カルシウムを加熱することにより、分解反応(CaCO→CaO+CO↑)が生じて炭酸ガス(CO)が発生する。
或いは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Ga(窒化ガリウムは、約900℃で分解)、Zr、Mo(窒化モリブデンは、約900℃で分解)、Ta、Wの内の少なくとも1つの元素を含む金属窒化物、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Ta、Wの内の少なくとも1つの元素を含む金属硫化物、TiC等の金属炭化物を用いても良い。これらの化合物は、加熱されることにより、雰囲気中の成分や隣接する層、即ち、基板101や後述する被剥離層103に含まれる成分と反応してガスを発生させる。例えば、酸化物を含む基板及び金属窒化物を含む分離層を用いる場合には、分離層が酸化物と反応して窒素(N)を発生させる。
これらの分離層材料の内のいずれを選択するかについては、使用される電磁波と電磁波吸収層102との関係に応じて発生する温度等の条件に加えて、基板101や、次の工程S4において形成される被剥離層との相互作用(拡散等)を考慮して選択することが望ましい。
分離層を形成する方法としては、スピンコーティング、スパッタ法、CVD法(化学気相成長法)等の公知の方法を用いることができる。
次に、工程S4において、図2の(d)に示すように、分離層103上に、製造目的とする機能性膜の材料(機能性材料)を含む被剥離層104を形成する。被剥離層104は、スパッタ法、CVD法、ゾルゲル法、エアロゾルデポジション(aerosol deposition:AD)法等の公知の方法を用いることにより形成される。ここで、AD法とは、原料の粉体をガス中に分散させたエアロゾルを生成し、それをノズルから基板に向けて噴射して原料の粉体を下層に衝突させることにより、原料を基板上に堆積させる成膜方法であり、噴射堆積法又はガスデポジション法とも呼ばれている。
本実施形態においては、機能性材料として具体的に次のような材料が用いられる。
メモリー素子に用いられる機能性膜の材料として、Pb(Zr,Ti)O、SrBi(Ta,Nb)、BiTi12等が挙げられる。
アクチュエータ等の圧電素子に用いられる機能性膜の材料として、Pb(Zr,Ti)O、Pb(Mg1/3Nb2/3)O、Pb(Zn1/3Nb2/3)O、Pb(Ni1/3Nb2/3)O等、及び、これらの固溶体が挙げられる。
赤外線センサ等の焦電素子に用いられる機能性膜の材料として、Pb(Zr,Ti)O、(Pb,La)(Zr,Ti)O等が挙げられる。
コンデンサ等の受動部品に用いられる機能性膜の材料として、BaSrTiO、(Pb,La)(Zr,Ti)O等が挙げられる。
光スイッチ等の光学素子に用いられる機能性膜の材料として、(Pb,La)(Zr,Ti)O、LiNbO等が挙げられる。
超伝導磁束量子干渉計(superconducting quantum interference device:SQUID)等の超伝導素子に用いられる機能性膜の材料として、YBaCu、BiSrCaCu10等が挙げられる。ここで、SQUIDとは、超伝導を利用した高感度の磁気センサ素子のことである。
太陽電池等の光電変換素子に用いられる機能性膜の材料として、アモルファスシリコンや化合物半導体が挙げられる。
磁気ヘッド等のマイクロ磁気素子に用いられる機能性膜の材料として、PdPtMn、CoPtCr等が挙げられる。
TFT等の半導体素子に用いられる機能性膜の材料として、アモルファスシリコン等が挙げられる。
これらの工程S1〜S4によって形成された基板101、電磁波吸収層102、分離層103、及び、被剥離層104が、本実施形態に係る機能性膜含有構造体に含まれる。
この後で、必要に応じて、分離層103の反応温度よりも低い温度で機能性膜含有構造体に熱処理(ポストアニール)を施しても良い。被剥離層(機能性膜)に含まれる結晶粒の成長を促進したり、結晶性を向上させることによって、膜の機能を向上させることができるからである。例えば、PZT膜の圧電性能を向上させるためには、500℃〜700℃程度の温度で熱処理すれば良い。
次に、図1の工程S5において、図3の(a)に示すように、被剥離層104上に被転写用基板105を配置する。その際には、接着剤105a等を用いることにより、被剥離層104に対して被転写用基板105を固定しても良い。被転写用基板105としては、エポキシ等の合成樹脂基板やガラス基板のように、所望の基板を用いることができる。また、被転写用基板105側に電極や配線を予め形成しておいても良い。
次に、工程S6において、機能性膜含有構造体101〜104に向けて電磁波を照射することにより、電磁波吸収層102を発熱させる。それにより、図3の(b)に示すように、電磁波吸収層102に隣接する分離層103が加熱され、分離層103において分解等の反応が生じてガスが発生する。その結果、被剥離層104が基板101から剥離される。そのようにして、図4に示すように、被転写用基板105に転写された被剥離層(機能性膜)104が得られる。或いは、ガスが発生した結果、被剥離層104と基板101又は電磁波吸収層102との接合強度が低下するので、被剥離層104を基板101から力学的に容易に剥離できる状態になる。その場合には、電磁波の照射と同時に、又は、後の工程において被転写用基板105を剥がすことにより、被剥離層104を転写することができる。
例えば、電磁波吸収層102の材料の吸収波長を含む赤外線を照射する場合には、電磁波吸収層材料に含まれる分子が赤外線エネルギーを吸収して大きく振動して発熱する。具体的には、カーボンに対して波長が2μm〜10μm程度の赤外線を照射する場合が挙げられる。なお、この場合には、赤外線を透過し易い基板材料を用いると共に、図3の(b)に示すように、基板101側から電磁波吸収層102に向けて赤外線を照射することにより、電磁波吸収層102を効率良く発熱させることができる。
ところで、マイクロ波を照射する場合には、マイクロ波加熱の原理により電磁波吸収層102が発熱する。ここで、マイクロ波の吸収エネルギーPは、次式(1)によって表される。
P=(1/2)σ|E|+πfεε"|E|+πfμμ"|H|
…(1)
式(1)において、σは導電率、f(Hz)はマイクロ波の周波数、εは真空の誘電率、ε"は複素比誘電率、μは真空の透磁率、μ"は複素比透磁率、Eは電場の強さ、Hは磁場の強さをそれぞれ示している。また、式(1)の第1項はジュール損失(抵抗損失)を表し、第2項は誘電損失を表し、第3項は磁気ヒステリシス損失を表している。
電磁波吸収層102にマイクロ波を照射することによって電磁場を印加すると、式(1)によって表されるエネルギーに対応する熱が発生する。その結果、電磁波吸収層102が発熱する。従って、マイクロ波を用いる場合には、効率良く熱を発生させるために、複素比誘電率ε"が大きい材料や、複素比透磁率μ"が大きい材料や、導電率σが大きい材料を電磁波吸収層102として用いることが望ましい。
このようなマイクロ波加熱の原理によれば、マイクロ波が照射されることにより、電磁波吸収層102はその内部まで急速且つ均一に加熱されるので、そこに隣接する分離層103において素早く反応を生じさせることができ、基板101から被剥離層104を短時間に剥離し、又は、両者の接合強度を低下させることが可能となる。また、マイクロ波が照射されている間には、マイクロ波照射領域のみが局所的に加熱されており、マイクロ波の照射を停止すると、その領域は急速に冷却されるので、他の層(例えば、被剥離層104及び被転写用基板105)に与える影響を最小限に留めることができる。なお、マイクロ波を用いる場合には、機能性膜含有構造体に照射されるマイクロ波の向きを特に限定しなくても、マイクロ波を機能性膜含有構造体の内部まで十分に到達させることができる。
このように、本発明の第1の実施形態によれば、電磁波吸収層に電磁波を照射して発熱させることにより、隣接する分離層を局所的に加熱することができる。そのため、分離層自体が電磁波に対してあまり感度を有していない場合においても、熱による反応を分離層に生じさせることができる。従って、スパッタ法やAD法等の成膜技術により所定のプロセス温度(例えば、350℃以上)を経て形成された機能性膜や、そのような機能性膜を含む素子を、低温(約10℃〜約100℃)の室内で所望の基板に転写して利用することが可能となる。即ち、比較的耐熱性の低い樹脂基板に対して転写することもできるので、フレキシブル基板のように、アプリケーションに応じて基板の選択の幅を広げることが可能となる。
本実施形態に係る機能性膜の製造過程において用いられる機能性膜含有構造体の変形例として、図5に示すように、電極層106a及び機能性材料層106bを含む被剥離層106を形成しても良い。また、機能性膜含有構造体の別の変形例として、図6に示すように、機能性材料層107a及び電極層107bを含む被剥離層107を形成しても良い。さらに、機能性材料層の上面及び下面の両方に電極層を形成したものを被剥離層としても良い。電極層106a及び107bは、スパッタ法、蒸着法等の公知の方法により形成することができる。
また、本実施形態においては、基板101上に先に電磁波吸収層102を形成し、その上に分離層103を形成している。しかしながら、電磁波吸収層102において発生した熱が分離層103に伝導するような配置であれば、上記の配置に限定されない。例えば、基板上に分離層を形成し、その上に電磁波吸収層を形成することにより、電磁波吸収層を被剥離層側に含めても構わない。その場合には、電磁波吸収層に、機能性材料層の下部電極を兼ねさせても良い。
さらに、本実施形態においては、工程S6において、被剥離層104を基板101から剥離するのと同時に、被転写用基板105に転写している。しかしながら、被剥離層104に被転写用基板105を接着することなく、単に、被剥離層104の剥離のみを行うことにしてもよい。それにより、単体の機能性膜、又は、機能性膜及び電極を含む単体の機能性素子を得ることができる。
(実施例1)
石英基板上に、電磁波吸収層として厚さが約0.2μmのカーボン膜をプラズマCVD法により形成した。次に、カーボン膜上に、炭酸水素カルシウム溶液をスピンコーティングにより塗布して、200℃の雰囲気中において乾燥させることにより、分離層として厚さが約0.1μmの炭酸カルシウム薄膜を形成した。さらに、炭酸カルシウム薄膜上に、蒸着により白金(Pt)の下部電極を形成し、その上に、スパッタ法により厚さが約1μmのPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)膜を形成した。その際には、基板を約550℃の温度に加熱した。さらに、PZT膜上に、スパッタ法により白金の上部電極を形成することにより、Pt/PZT/Pt圧電素子を作製した。
次に、赤外線ランプを用いて、電磁波吸収層であるカーボン膜に向けて、波長が約2μm〜10μmの赤外線を照射した。それにより、カーボン膜が発熱し、そこに隣接する炭酸カルシウム薄膜が熱分解してガスを発生した。その結果、Pt/PZT/Pt圧電素子が石英基板から剥離された。
(実施例2)
石英基板上に、炭酸水素カルシウム溶液をスピンコーティングにより塗布し、200℃の雰囲気中において乾燥させることにより、分離層として厚さが約0.1μmの炭酸カルシウム膜を形成した。次に、この炭酸カルシウム膜上に、スパッタ法により、電磁波吸収層、兼、下部電極として厚さが約0.3μmのLaNiO膜を形成した。このLaNiO膜上に、スパッタ法により、厚さが約0.3μmのBST(チタン酸バリウムストロンチウム)膜を形成した。その際には、基板を約550℃の温度に加熱した。さらに、このBST膜上に、スパッタ法により白金の上部電極を形成した。それにより、LaNiO/BST/Pt薄膜コンデンサ素子を作製した。
次に、この薄膜コンデンサ素子に対して、波長が約28GHzのマイクロ波を照射した。それにより、LaNiO膜が発熱し、そこに隣接する炭酸カルシウム膜が熱分解してガスを発生した。その結果、LaNiO/BST/Pt薄膜コンデンサ素子が石英基板から剥離された。
次に、本発明の第2の実施形態に係る機能性膜の製造方法について、図2及び図7を参照しながら説明する。本実施形態に係る機能性膜の製造方法は、パターニングされた機能性膜を製造する方法である。
まず、図2の(a)〜(d)に示すように、基板101上に電磁波吸収層102、分離層103、及び、被剥離層104が形成された機能性膜含有構造体101〜104を作製する。機能性膜含有構造体101〜104の作製方法については、第1の実施形態において説明したものと同様である。
次に、図7の(a)に示すように、ドライエッチングにより被剥離層104にパターンを形成する。その際には、図7の(a)に示すように、被剥離層104のみに対してエッチングを施しても良いし、分離層103又は電磁波吸収層102までエッチングを施しても良い。
次に、図7の(b)に示すように、パターンを形成された被剥離層104上に被転写用基板200を配置する。その際には、接着剤等を用いることにより、被剥離層104に対して被転写用基板200を固定しても良い。また、被転写用基板200としては、第1の実施形態におけるのと同様に、合成樹脂基板やガラス基板等を用いることができる。
さらに、機能性膜含有構造体101〜104に向けて電磁波を照射することにより、電磁波吸収層102を発熱させる。それにより、図7の(c)に示すように、分離層103が加熱され、分離層103において分解等の反応が生じてガスが発生する。その結果、図7の(d)に示すように、パターニングされた被剥離層(機能性膜)104が基板101から剥離され、被転写用基板200に転写される。或いは、ガスが発生した結果、被剥離層104と基板101又は電磁波吸収層102との接合強度が低下するので、電磁波の照射と同時に、又は、後の工程において被転写用基板200を剥がすことにより、被剥離層104を転写することができる。
このように、本発明の第2の実施形態によれば、機能性膜含有構造体の被剥離層に予めパターンを形成しておくことにより、所望の基板上に機能性膜又は機能性膜素子を所望のパターンとなるように配置することができる。従って、複数の機能性素子が配列されたアレイを容易に作製することが可能となる。
以上説明した本発明の第1及び第2の実施形態においては、電磁波吸収層102に電磁波を照射するのと並行して、機能性膜含有構造体に熱処理を施しても良い。それにより、分離層103における反応が熱によって促進されると共に、機能性膜の機能を向上させる効果も期待される。その場合には、被転写用基板105及び接着剤105a(図3)の耐熱性を考慮して熱処理温度を決定する必要がある。
本発明は、誘電体、圧電体、焦電体、磁性体、半導体、超伝導体等の機能性材料を含むメモリー素子、圧電素子、焦電素子、コンデンサ等の受動素子、光学素子、超伝導素子、光電変換素子、マイクロ磁気素子、及び、半導体素子、並びに、それらの素子が適用された機器において利用することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係る機能性膜の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る機能性膜の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る機能性膜の製造方法を説明するための断面図である。 被転写用基板に転写された機能性膜を示す断面図である。 機能性膜含有構造体の変形例を示す断面図である。 機能性膜含有構造体の別の変形例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る機能性膜の製造方法を説明するための図である。
符号の説明
101 基板
102 電磁波吸収層
103 分離層
104、106、107 被剥離層
105、200 被転写用基板
105a 接着剤
106a、107b 電極層
106b、107a 機能性材料層

Claims (31)

  1. 基板と、
    前記基板上に配置され、電磁波を吸収することにより発熱する材料を用いて形成された電磁波吸収層と、
    前記電磁波吸収層上に配置され、加熱されることにより分解してガスを発生する無機材料を用いて形成された分離層と、
    前記分離層上に配置され、機能性材料を用いて形成された機能性膜を含む被剥離層と、
    を具備する機能性膜含有構造体であって、
    前記被剥離層が、前記電磁波吸収層に向けて電磁波を照射することにより前記基板から剥離される、又は、前記被剥離層と前記基板との接合強度が、前記電磁波吸収層に向けて電磁波を照射することにより低下する、前記機能性膜含有構造体。
  2. 前記分離層が、炭酸塩と、硫酸塩と、硝酸塩との内の少なくとも1つを含む、請求項1記載の機能性膜含有構造体。
  3. 前記分離層が、炭酸マグネシウム(MgCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸ストロンチウム(SrCO)、炭酸バリウム(BaCO)、炭酸リチウム(LiCO)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)、硫酸マグネシウム(MgSO)、硫酸カルシウム(CaSO)、硫酸ストロンチウム(SrSO)、硫酸バリウム(BaSO)、硫酸第一鉄(FeSO)、硫酸コバルト(CoSO)、硫酸ニッケル(NiSO)、硫酸亜鉛(ZnSO)、硫酸鉛(PbSO)、硫酸ビスマス(Bi(SO)、硝酸ストロンチウム(Sr(NO)、硝酸セシウム(CsNO)の内の少なくとも1つを含む、請求項2記載の機能性膜含有構造体。
  4. 基板と、
    前記基板上に配置され、電磁波を吸収することにより発熱する材料を用いて形成された電磁波吸収層と、
    前記電磁波吸収層上に配置され、加熱されることにより、雰囲気中の成分、及び/又は、隣接する層に含まれる成分と反応してガスを発生する無機材料を用いて形成された分離層と、
    前記分離層上に配置され、機能性材料を用いて形成された機能性膜を含む被剥離層と、
    を具備する機能性膜含有構造体であって、
    前記被剥離層が、前記電磁波吸収層に向けて電磁波を照射することにより前記基板から剥離される、又は、前記被剥離層と前記基板との接合強度が、前記電磁波吸収層に向けて電磁波を照射することにより低下する、前記機能性膜含有構造体。
  5. 前記分離層が、金属窒化物と、金属炭化物と、金属硫化物との内の少なくとも1つを含む、請求項4記載の機能性膜含有構造体。
  6. 前記基板が、酸化物単結晶基板又は半導体単結晶基板を含む単結晶基板と、セラミックス基板と、ガラス基板との内のいずれか1つを含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の機能性膜含有構造体。
  7. 前記機能性膜が、圧電性材料と、焦電性材料と、強誘電性材料との内の少なくとも1つを含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の機能性膜含有構造体。
  8. 前記機能性膜が、超伝導材料を含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の機能性膜含有構造体。
  9. 前記機能性膜が、磁性材料を含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の機能性膜含有構造体。
  10. 前記機能性膜が、半導体材料を含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の機能性膜含有構造体。
  11. 前記電磁波吸収層が、カーボンと、セラミックスと、ガラスとの内の少なくとも1つを含む、請求項1〜10のいずれか1項記載の機能性膜含有構造体。
  12. 前記被剥離層が、機能性膜と、該機能性膜の上面及び下面の内の少なくとも一方に形成された電極層とを有する、請求項1〜11のいずれか1項記載の機能性膜含有構造体。
  13. 少なくとも前記被剥離層に所定のパターンが形成されている、請求項1〜12のいずれか1項記載の機能性膜含有構造体。
  14. 基板上に、電磁波を吸収することにより発熱する材料を用いて電磁波吸収層を形成する工程(a)と、
    前記電磁波吸収層上に、加熱されることにより分解してガスを発生する無機材料を用いて分離層を形成する工程(b)と、
    前記分離層上に、機能性材料を用いて形成される機能性膜を含む被剥離層を形成する工程(c)と、
    前記電磁波吸収層に向けて電磁波を照射することにより、前記被剥離層を前記基板から剥離させる、又は、前記被剥離層と前記基板との接合強度を低下させる工程(d)と、
    を具備する機能性膜の製造方法。
  15. 前記分離層が、炭酸塩と、硫酸塩と、硝酸塩との内の少なくとも1つを含む、請求項14記載の機能性膜の製造方法。
  16. 前記分離層が、炭酸マグネシウム(MgCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸ストロンチウム(SrCO)、炭酸バリウム(BaCO)、炭酸リチウム(LiCO)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)、硫酸マグネシウム(MgSO)、硫酸カルシウム(CaSO)、硫酸ストロンチウム(SrSO)、硫酸バリウム(BaSO)、硫酸第一鉄(FeSO)、硫酸コバルト(CoSO)、硫酸ニッケル(NiSO)、硫酸亜鉛(ZnSO)、硫酸鉛(PbSO)、硫酸ビスマス(Bi(SO)、硝酸ストロンチウム(Sr(NO)、硝酸セシウム(CsNO)の内の少なくとも1つを含む、請求項15記載の機能性膜の製造方法。
  17. 基板上に、電磁波を吸収することにより発熱する材料を用いて電磁波吸収層を形成する工程(a)と、
    前記電磁波吸収層上に、加熱されることにより、雰囲気中の成分、及び/又は、隣接する層に含まれる成分と反応してガスを発生する無機材料を用いて分離層を形成する工程(b)と、
    前記分離層上に、機能性材料を用いて形成される機能性膜を含む被剥離層を形成する工程(c)と、
    前記電磁波吸収層に向けて電磁波を照射することにより、前記被剥離層を前記基板から剥離させる、又は、前記被剥離層と前記基板との接合強度を低下させる工程(d)と、
    を具備する機能性膜の製造方法。
  18. 前記分離層が、金属窒化物と、金属炭化物と、金属硫化物との内の少なくとも1つを含む、請求項17記載の機能性膜の製造方法。
  19. 前記基板が、酸化物単結晶基板又は半導体単結晶基板を含む単結晶基板と、セラミックス基板と、ガラス基板との内のいずれか1つを含む、請求項14〜18のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  20. 前記機能性膜が、圧電性材料と、焦電性材料と、強誘電性材料との内の少なくとも1つを含む、請求項14〜19のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  21. 前記機能性膜が、超伝導材料を含む、請求項14〜19のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  22. 前記機能性膜が、磁性材料を含む、請求項14〜19のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  23. 前記機能性膜が、半導体材料を含む、請求項14〜19のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  24. 工程(c)が、前記分離層上に電極層を形成する工程と、該電極層上に機能性膜を形成する工程とを含む、請求項14〜23のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  25. 工程(c)が、前記分離層上に直接又は間接的に形成された機能性膜上に電極層を形成する工程を含む、請求項14〜24のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  26. 前記電磁波吸収層が、カーボンと、セラミックスと、ガラスとの内の少なくとも1つを含む、請求項14〜25のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  27. 工程(d)が、前記電磁波吸収層に向けてマイクロ波を照射することを含む、請求項14〜26のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  28. 工程(d)が、前記電磁波吸収層に向けて赤外線を照射することを含む、請求項14〜26のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  29. 工程(d)に先立って、前記被剥離層上に第2の基板を配置する工程(c')をさらに具備し、
    工程(d)が、前記電磁波吸収層に向けて電磁波を照射することにより、前記被剥離層を前記第2の基板に転写することを含む、
    請求項14〜28のいずれか1項記載の機能性膜の製造方法。
  30. 工程(c')が、接着剤を用いることにより、前記被剥離層に対して前記第2の基板を固定することを含む、請求項29記載の機能性膜の製造方法。
  31. 工程(c')に先立って、少なくとも前記被剥離層に、エッチングによりパターンを形成する工程をさらに具備し、
    工程(d)が、前記電磁波吸収層に向けて電磁波を照射することにより、パターンを有する被剥離層を前記基板に転写することを含む、
    請求項29又は30記載の機能性膜の製造方法。
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